JPH1189537A - 調味液の製造方法 - Google Patents
調味液の製造方法Info
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Abstract
して調味液を製造するに際し、活性グルテンの塊りを生
じさせることなく、活性グルテンを醤油麹と食塩水に効
果的に混合、分散させ、短期間に、圧搾性に優れしかも
原料窒素利用率が優れた、高窒素を含有する調味液を、
容易に得る方法を提供する。 【解決手段】 醤油麹、グルテン及び食塩水とを混合し
て諸味とし、この諸味を所定期間熟成させた後、それを
圧搾して調味液を製造する方法において、醤油麹、グル
テン及び食塩水とを混合して諸味とする際に、先ず醤油
麹と食塩水とを混合して酵素分解して粘度を低下させ、
次いでこの分解物に、活性グルテンを添加、混合して分
散させる、調味液の製造方法。
Description
に詳しくは、調味液の製造原料として使用が困難な活性
グルテンを用いて、高窒素を含有する調味液を、短期間
に、容易に製造する方法に関する。
での調理には勿論のこと、各種加工食品の調味料として
多用されている。通常、醤油は蒸した大豆と炒った小麦
の混合物に麹菌を接種し、これを培養して醤油麹と成
し、これを食塩水と共に仕込み、6〜12ヵ月という長
期間をかけて発酵、熟成させて製造される。それら発
酵、熟成の過程において、前記混合物は、麹中の酵素に
より分解されて旨味成分となり、あるいは乳酸菌、酵母
の働きにより、乳酸などの有機酸、エタノールを始めと
する種々のアルコール類、及び種々のフレーバーなどが
生成され、独特の味と香りを有する調味料となる。
醤油様調味液を得るための蛋白原料として、大豆の他に
小麦グルテンなどを使用する方法がある。小麦グルテン
は、小麦粉に水を加えて混ねつすると次第に粘調性が出
て塊りとなるが、さらに水を加えてこね続け、でんぷん
を水で洗い出すという操作をくり返し、でんぷんや他の
可溶性成分を除去することによって製造される。小麦グ
ルテンは、大別すると、前記のようにして得た含水のま
まの未変性小麦蛋白であるグルテン(以下、含水活性グ
ルテンという)及びこの含水活性グルテンを蛋白変性を
避けながら乾燥させた活性グルテン(以下、乾燥活性グ
ルテンという)などの活性グルテンと、前記の含水活性
グルテンを加熱処理や酸処理して変性させた小麦蛋白で
ある不活性グルテン(以下、不活性グルテンという)に
分けられる。前記の含水活性グルテンは、水分を多量に
含み、極めて変敗しやすいので、通常、低温又は凍結状
態で流通されているのに対し、乾燥活性グルテンは、乾
燥した粉末状態であるため、変敗しにくいので保存や流
通が容易であるという利点がある。乾燥活性グルテン
は、可逆性の性質を有しており、これに水を加えるとグ
ルテン本来のもつ物性、すなわち粘着性ガム状に戻る。
一方、変性小麦蛋白である不活性グルテンは、不可逆性
であり、これに水を加えた場合でも粘着性ガム状に戻ら
ないことから、これを食品に使用する際の取り扱いが容
易であるが、乾燥活性グルテンに比較して価格が高い。
ルテンは、畜肉、製パン、製麺などの加工食品に用いら
れおり、一方、不活性グルテンは、醤油、アミノ酸、飼
料などの原料として用いられている。乾燥活性グルテン
は、食品原料として液体と混合して用いる際、前述した
ように可逆的な物性を示し、粘着性を高めて分散性、溶
解性、圧搾性又は窒素利用率などの点で不都合な問題を
生ずることから、これまで乾燥活性グルテンを醤油ある
いは調味液の原料として使用するのが困難であった。す
なわち、食塩水に醤油麹と粉末状の乾燥活性グルテンを
混合、分散させて食塩水を吸収させて諸味とする際に、
特に乾燥活性グルテンが分散されにくく、多数の小さな
ボール状の塊りとなる。その塊は、その表面にのみ食塩
水が吸収され、表面に粘着性ガム状の皮膜が形成され、
塊りの内部にまで食塩水が浸透することなく、その塊り
の内部は粉体状のままとなる。そして、一旦このような
塊りが生ずると、種々の混合撹拌手段を用いても、これ
を崩すことは極めて困難となり、以後の熟成期間を経て
もそのまま塊りの状態で推移することとなる。このよう
な塊りの発生により、麹中に含まれている酵素の浸透が
阻害されるので、塊り部分の原料がほとんど溶解されな
い。その結果、原料窒素に対する醤油あるいは調味液と
して利用された窒素の比率(以下、原料窒素利用率とい
う)が非常に低下する。またその諸味の圧搾性も極めて
低下することから、醤油あるいは調味液の収率が悪化す
る。さらに、塊りの部分は、食塩水の浸透が十分でない
ため、微生物による汚染を受け易くなり、異常発酵を起
こすことがあるなどの不都合を生ずる。
る際の不都合があることから、醤油あるいは調味液の原
料として用いる際のグルテンは、不可逆性の物性を持
ち、混合、分散させやすい変性小麦蛋白である不活性グ
ルテンが専ら使用されているのが現状である。
活性グルテンを食塩水と混合、分散して調味液を製造す
る従来の方法が有する前記した欠点を克服し、活性グル
テンを醤油麹と食塩水に効果的に混合、分散させて、短
期間に、窒素利用率が優れた、高窒素を含有する調味液
を、容易に得る方法を提供することを目的としてなされ
たものである。
を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、醤油麹、活
性グルテン及び食塩水とを用いて諸味とし、その諸味か
ら調味液を製造する方法において、まず、醤油麹と食塩
水とを混合した後、その混合物を酵素分解して粘度を低
下させ、次いで、この分解物に活性グルテンを添加、混
合することにより、活性グルテンをほとんどボール状の
塊りを生ずることなく、諸味に分散できることを見出し
た。そして、この方法によれば、得られる調味液の原料
窒素利用率が向上すること、さらに、醤油麹と活性グル
テンとを同時に食塩水と混合する方法に比べて、その諸
味の圧搾性が良好であること、などを見出し、これらの
知見に基づき本発明を完成するに至った。すなわち、本
発明は、醤油麹、グルテン及び食塩水とを混合して諸味
とし、この諸味を所定期間熟成させた後、それを圧搾し
て調味液を製造する方法において、醤油麹、グルテン及
び食塩水とを混合して諸味とする際に、先ず醤油麹と食
塩水とを混合し、この諸味を酵素分解して分解物の粘度
を低下させ、次いでこの分解物に、活性グルテンを添
加、混合して分散させることを特徴とする、調味液の製
造方法である。
る。本発明で使用される醤油麹は、特に制限はなく、通
常の方法で調製された醤油麹を使用することができ、例
えば公知の方法で熱変性処理した大豆及び公知の方法で
熱処理して適度に割砕した小麦とを適宜な比率、例えば
重量比で80〜20:20〜80で混合し、この混合物
に醤油用麹菌、例えばアスペルギルス・オリゼ(Asp
ergillus oryzae)又はアスペルギルス
・ソーヤ(Aspergillus sojae)など
を接種した後、通常の条件、例えば20〜40℃、30
〜96時間、好気的条件で培養して製せられたものが使
用できる。
は、前記した含水活性グルテン又は乾燥活性グルテンが
用いられ、本発明においては、醤油麹とグルテンと食塩
水とを混合して諸味とする際において、粘着性を生じて
混合、分散が困難となる乾燥活性グルテンを使用する場
合に特に好適に適用できる。そして、前記の乾燥活性グ
ルテンは、粉末状又はフレーク状などのものが流通して
おり、本発明においては、それらいずれでも使用するこ
とができるが、フレーク状のものは粉砕器などを用いて
粉末状として用いるのが好ましい。なお、本発明の方法
は、分散が容易な、変性小麦蛋白である不活性グルテン
を使用する場合においても勿論適用できる。また、本発
明に使用される食塩水は、その濃度、量には特に制限さ
れず、製造しようとする調味液の所望の食塩濃度となる
ように選択することができ、例えば濃度1〜30%w/
v、好ましくは10〜28%w/vの食塩水を適宜な量
とすればよい。また必要により、食塩水の他に水を加え
ることもできる。
塩水とを混合する。その際、必要により、食塩水の他に
適宜な量の水を加えることもできる。前記の混合方法と
しては、醤油麹と食塩水とが十分混合される方法であれ
ばいずれの方法でもよく、醤油製造に通常用いられてい
る方法、例えばU字型管にリボンスクリューを装備した
混合移送装置へ醤油麹と食塩水とを同時に連続的に供給
して撹拌、混合してこれを酵素分解用容器に収容する方
法、あるいは酵素分解用容器に食塩水を入れ、そこへ醤
油麹を加えて空気を吹き込み、撹拌、混合する方法など
適宜な方法が採用できる。続いてこの混合物を麹中に含
まれる酵素によって酵素分解して該分解物の粘度を低下
させる。その際の酵素分解は、分解物の粘度が低下でき
る条件、例えば温度20〜50℃、好ましくは25〜4
5℃、分解時間10〜250時間、好ましくは20〜2
00時間などの条件で行ない、好ましくは分解物の粘度
をB型回転粘度計の測定値で3000cp以下、さらに
好ましくは2500cp以下に低下させる。分解物の粘
度が3000cpを超えると、この後に行なう添加活性
グルテンの分散が困難となり、本発明の目的を十分達成
ことができない。そして分解温度が20℃未満であると
きは、分解が長期間必要となり、また50℃を超え、分
解時間が250時間を超えると諸味に加熱臭が生じ、調
味液の風味が損なわれると共に、褐色化が進行して調味
液の色度が必要以上に濃色となる。また、分解時間が1
0時間未満のときは、酵素による分解が不十分となり、
分解物の粘度が前記した粘度まで低下せず、本発明の目
的を十分達成することができない。すなわち、本発明に
おいては、活性グルテンを添加する前に、先ず醤油麹と
食塩水とを混合して酵素分解して分解物の粘度を低下さ
せることが重要であって、このことにより、後述の活性
グルテン添加の際に、活性グルテンが前記分解物中に塊
りを生ずることなく、均一に分散することができる。
に、活性グルテンを添加、混合して分散し、溶解する。
本発明における活性グルテンの添加量は特に制限される
ことはなく、調味液の所望窒素濃度によって任意に選択
され、通常、例えば重量で醤油麹1に対して活性グルテ
ン0.05〜2.5程度が採用できる。そのときの添
加、混合、分散の条件は、諸味粘度が3000cp以
下、好ましくは2500cp以下を保ちつつ、徐々に活
性グルテンを添加、混合することが本発明においては特
に重要であって、混合の際の諸味粘度が3000cpを
超えると諸味が粘調であるため、添加した乾燥活性グル
テンが分散しにくくなり、小さなボール状の塊りを生ず
ることとなり、本発明の目的を十分達成することができ
ない。前記分解物に乾燥活性グルテンを混合、分散させ
る方法としては、特に制限されるものではなく、分解物
と乾燥活性グルテンとが均一に混合できる方法であれば
いずれの撹拌混合方法でも適用することができ、例えば
分解物を収容した容器の中心部に、垂直撹拌軸に取付け
られた1ないし複数枚のプロペラ翼を配した竪型撹拌
機、あるいは容器側面に付設した側面型プロペラ式撹拌
機、圧縮空気による通気撹拌などが用いられる。このよ
うな操作により、添加した活性グルテンが塊りとなるこ
となく、諸味に容易に分散される。
味を、醤油製造において行われているように、常法によ
り所定の温度、例えば25〜45℃で、3日間〜6ヵ月
などの任意の期間で溶解及び熟成する。また、必要によ
り、活性グルテンを添加する前又は添加後の諸味に、例
えばペディオコッカス・ハロフィルス(Pedioco
ccus halophilus)などの醤油用乳酸菌
及び又はチゴサッカロミセス・ルキシー(Zygosa
ccharomyces rouxii)などの醤油用
酵母を適量添加して発酵、熟成させることもできる。本
発明の方法よって得られた諸味を上記のようにして熟成
させると、諸味中の活性グルテンは分散されて塊りが全
く存在していないため、該諸味は酵素の作用を十分に受
けて分解し、溶解される。したがって本発明によれば、
従来の活性グルテンを麹と同時に添加する方法に比べ
て、添加された活性グルテンから由来する窒素が、有効
に溶解して原料窒素利用率が格段に改善された、高窒素
の調味液を含有する諸味を7日間〜6ヵ月の短期間の醸
造で得ることができる。
調味液を分離、採取する。本発明の方法により調製し、
熟成した諸味は、前述したように諸味中に塊りが全く存
在せず、活性グルテンの溶解性が増すことによる原料窒
素の溶解が向上するとともに、圧搾の際における固液分
離が容易となり、従来の製造方法に比べて圧搾性も向上
する。このようにして採取された調味液を殺菌処理して
製品とすることができる。なお必要により、前記調味液
に適宜調味料、香味料などを加えることもできる。
説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるも
のではない。なお、以下の実施例における各調味液の成
分分析は、財団法人 日本醤油研究所編集「しょうゆ試
験法」(昭和60年3月1日発行)によって行なった。
w)に、約1.5倍量の水を加え、常法により蒸煮した
大豆と、小麦2.6kg(総窒素2.5%w/w)を常
法により炒って割砕した小麦とを混合して麹基質とし、
この麹基質に醤油麹菌(Aspergillus so
jae ATCC42250)を3×104個となるよ
うに接種し、常法により72時間通風製麹を行い、醤油
麹(6.4kg)を得た。先ず、第一段階として、前記
した醤油麹6.4kgに、温度40℃、濃度16%w/
vの食塩水14リットル(NaCl量として2.24k
g)を添加しながら櫂で撹拌混合した混合物を、中心部
にプロペラ翼を配した竪型撹拌機(プロペラ翼枚数6
枚、翼の長さ5cm)を付けた約40リットル容の容器
(直径35cm×高さ41cm)に収容した。この容器
中で、容器底部より約0.05v.v.m(約1.1リ
ットル/分)の空気を供給しながら、前記の撹拌機を回
転数300r.p.m.で回転させ、温度40℃を保ち
ながら醤油麹を30時間酵素分解し、粘度1260cp
の分解物とした。なお、分解物の粘度は、B型回転粘度
計(BL−50型、株式会社トキメック製)を用いて測
定した。
記の容器中で、前記したと同様に攪拌機の回転と空気の
供給を行ないながら、この分解物に粉末状の活性グルテ
ン(AMYLUM社製の商品名「AMYGLUTE
N」)4.4kg(総窒素13%w/w)を、温度40
℃を保ちながら72時間かけて、諸味粘度が2500c
p以下を維持するように少量ずつ添加、撹拌混合して粉
末状の活性グルテンが均一に分散された諸味を得た。な
お、前記の分散操作の際、その諸味に、あらかじめ別に
培養しておいた醤油用酵母(Zygosaccharo
myces rouxii ATCC2623)の培養
液を諸味1リットル当たり2ml添加した。このように
して、活性グルテンを分散させた諸味を、40℃でさら
に120時間発酵、熟成させ21.8リットルの熟成諸
味を得た。また、比較区は、前記の第二段階において活
性グルテンを添加するのに代えて、前記の第一段階で食
塩水に、醤油麹と活性グルテンとを同時に加えたこと以
外は、前記の本発明区と同様の条件で混合、分散、酵素
分解、発酵、熟成させ、21.8リットルの比較区の熟
成諸味を得た。このようにして第一段階も含めて10日
間経過させた熟成諸味から液汁の一部を採取し、その液
汁を分析した結果を表1に示す。なお、前記した諸味の
大豆、小麦及び活性グルテン由来の原料総窒素量は、前
記の各窒素含有量から算出すると、0.845Kgであ
った。
て諸味食塩濃度が20%w/vになるように調整した
後、ステンレス製の箱(たて20cm、よこ20cm、
高さ30cm)の中で、その諸味を醤油圧搾用ナイロン
製のろ過袋に約2リットルづつ充填し、5袋重ね、上部
より6Kg/cm2の圧力で一昼夜加圧して圧搾した。
この操作を2度繰り返して熟成諸味全量を圧搾し、本発
明区の調味液(16.7リットル)を得た。全く同様に
して比較区の諸味を圧搾し、比較区の調味液(11.7
リットル)を得た。このことから、搾汁調味液量/諸味
量によって求められた値は、本発明区のそれが76.6
%であり、圧搾性が良好であるのに対し、比較区のそれ
は53.7%であり、圧搾性が劣っていることがわか
る。前記の調味液を、プレート式熱交換器を用いて12
5℃、5秒間火入れ殺菌し、55℃に冷却した後、3日
間保持し、おりを分離除去して調味液(15.0リット
ル)を得た。同様にして、比較区の調味料(10.3リ
ットル)を得た。各調味液の分析値を表2に示す。
得た諸味液汁は、総窒素(T.N)の濃度(%w/
v)、原料総窒素量に対する諸味液汁に溶解した総窒素
量の比率、すなわち原料窒素利用率(T.N.U.R
(%))、グルタミン酸(Glu.)の濃度(%w/
v)及びGlu/T.Nのいずれにおいても比較区に比
べて、明らかに優れていることがわかる。そしてこのこ
とから、本発明の方法によれば、良好な発酵をした高濃
度の窒素を含有する調味液を、短期間で得られることが
わかる。また、エタノール(Alc.)の生成において
も、本発明区の方が優れており、エタノール発酵が良好
であることがわかる。また、前記の活性グルテンの添
加、混合、分散操作において、本発明区は、活性グルテ
ンが諸味に良好に分散されるのに対し、比較区は、活性
グルテンの塊りが諸味中に多数散在し、熟成した後もな
お酵素分解を受けることなく、小さなボール状の塊りが
散在しているのが観察された。
と、温度30℃、濃度21%w/vの食塩水14リット
ル(NaCl量として2.94kg)とを、リボンスク
リュー式混合移送機を通して、両者を添加しながら撹拌
混合し、これを中心部にプロペラ翼を配した竪型撹拌機
(プロペラ翼枚数6枚、翼の長さ5cm)を付けた約4
0リットル容の容器(直径35cm×高さ41cm)に
収容した。この容器中で、前記の撹拌機を回転数300
r.p.m.で回転させ、温度30℃を保ちながら醤油
麹を72時間かけて酵素分解し第一段階の諸味とした。
このときの分解物の粘度は、B型回転粘度計で1280
cpであった。なお、前記した醤油麹と食塩水の混合の
際に、あらかじめ別に培養しておいた醤油用乳酸菌(P
ediococcus halophilus ATC
C13624)培養液を、諸味1リットル当たり1ml
添加した。
の容器中で、前記したと同様に攪拌機を回転させなが
ら、この分解物に粉末状の活性グルテン(AMYLUM
社製の商品名「AMYGLUTEN」)4.4kg(総
窒素13%w/w)を、温度30℃を保ちながら72時
間かけて諸味粘度が2000cp以下を維持するように
少量ずつ添加、混合し、分散させて諸味とした。比較区
は、前記の第二段階において活性グルテンを添加するの
に代えて、前記の第一段階で、食塩水に醤油麹と活性グ
ルテンとを同時に加えたこと以外は、前記の本発明区と
同様の条件で混合、分散、乳酸菌添加、酵素分解を行な
ったものとした。なお、前記した諸味の大豆、小麦及び
活性グルテン由来の原料総窒素量は、0.845Kgで
あった。
しておいた醤油用酵母(Zygosaccharomy
ces rouxii ATCC2623)の培養液
を、該諸味1リットル当たり2ml添加した。その後、
温度30℃で40日間発酵、熟成させ、第一段階も含め
て46日間経過させて本発明区の熟成諸味(21.8リ
ットル)及び比較区の熟成諸味(21.8リットル)を
得た。このようにして得た各諸味から液汁の一部を採取
し、その液汁を分析した結果を表3に示す。
にして加圧圧搾した。その結果、本発明区の調味液(1
6.8リットル)、比較区の調味液(13.0リット
ル)を得た。このことから、搾汁調味液量/諸味量によ
って求められた値は、本発明区のそれが77.1%であ
り、比較区のそれが59.6%であり、明らかに本発明
の方法による諸味の方が圧搾性が優れていることがわか
る。前記の調味液を、実施例1と同様にして火入れ殺菌
した後、冷却し、55℃で3日間保持しておりを除去し
て調味液(15.1リットル)を得た。また、同様にし
て、比較区の調味液(11.7リットル)を得た。各調
味液の分析値を表4に示す。
得た諸味液汁は、総窒素(T.N)の濃度、原料総窒素
量に対する諸味液汁に溶解した総窒素量の比率である窒
素利用率(T.N.U.R(%))、グルタミン酸の濃
度及びGlu/T.Nにおいて、いずれも比較区に比べ
て、明らかに優れていることがわかる。また、本発明に
よれば、エタノールの生成量においても優れており、良
好な発酵をした高濃度の窒素を含有する調味液を、短期
間で得られることがわかる。また、前記の活性グルテン
の添加、混合、分散操作において、本発明区は、活性グ
ルテンが諸味に良好に分散されるのに対し、比較区は、
活性グルテンの塊りが諸味中に多数散在し、熟成した後
もなお酵素分解を受けることなく、その塊りが散在して
いるのが観察された。
不活性グルテンに比べて混合、分散などが困難で使用し
にくい活性グルテンを、簡便な方法で、該グルテンの塊
りを生じさせることなく、効果的に混合、分散させるこ
とができる。そして、その結果、添加した活性グルテン
が十分酵素作用を受けて、原料窒素利用率が優れた高窒
素を含有する良好な発酵調味料を、10日間〜6ヵ月な
どの短期の期間で得ることができる。また、本発明によ
れば、諸味の圧搾性においても優れ、効率よく圧搾して
調味液を採取することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 醤油麹、グルテン及び食塩水とを混合し
て諸味とし、この諸味を所定期間熟成させた後、それを
圧搾して調味液を製造する方法において、醤油麹、グル
テン及び食塩水とを混合して諸味とする際に、先ず醤油
麹と食塩水とを混合し、この諸味を酵素分解して分解物
の粘度を低下させ、次いでこの分解物に、活性グルテン
を添加、混合して分散させることを特徴とする、調味液
の製造方法。 - 【請求項2】 前記の活性グルテンが、含水活性グルテ
ンを蛋白変性を避けながら乾燥させた乾燥活性グルテン
である、請求項1記載の調味液の製造方法。 - 【請求項3】 酵素分解した分解物の粘度が3000c
p以下となるまで低下させ、次いでこの分解物に、活性
グルテンを添加、混合して分散させるときの条件を、諸
味の粘度3000cp以下を保ちつつ行う、請求項1又
は請求項2記載の調味液の製造方法。 - 【請求項4】 酵素分解した分解物の粘度が2500c
p以下となるまで低下させ、次いでこの分解物に、前記
活性グルテンを添加、混合して分散させるときの条件
を、諸味の粘度2500cp以下を保ちつつ行う、請求
項1又は請求項2記載の調味液の製造方法。
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