JPH078196A - 食品素材の製造方法 - Google Patents

食品素材の製造方法

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JPH078196A
JPH078196A JP5184421A JP18442193A JPH078196A JP H078196 A JPH078196 A JP H078196A JP 5184421 A JP5184421 A JP 5184421A JP 18442193 A JP18442193 A JP 18442193A JP H078196 A JPH078196 A JP H078196A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 おから(別名、うの花)を含有する新規な食
品素材の製造方法を提供することを目的とする。 【構成】 本発明の食品素材の製造方法は、おから、澱
粉類、水溶性アルギン酸塩及び水からなる混合物を、カ
ルシウム塩を含有する凝固剤で凝固させ、凝固物を得る
ことからなる。本発明によれば、調理特性及び食感が改
善されたおから含有食品素材が得られ、他の食品素材と
の混和性も良好なので、各種加工食品の原料素材として
利用することができる。従って、おからの有効利用及び
量的消費が図れるので、おから処理の問題の解消に寄与
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は食品素材の製造方法に関
し、より詳細にはおからを組織化させた新しい形態の食
品素材を製造する方法に関する。
【0002】
【従来技術】おから(別名、うの花、きらず)は、豆腐
を製造するときの豆乳の搾り粕であり、原料大豆1kg
から1.2〜1.5kg(水分80〜85%)のおから
が産生し、年間75万トン(1990年の推定)もの大
量のおからが副生している。従来、おからは、ごく一部
が食品素材や肥料として利用されているが、大部分は家
畜の飼料として用いられている。しかし、おからは水分
が多く、飼料効率が低いので、畜産業者から敬遠される
傾向にある。また、近年、公害などの面から畜産業者が
遠隔地に移転し、運搬経費が増大し、加えて海外から安
価な飼料が大量に輸入されており、コスト的に飼料とし
てのおからの利用には限界がある。更に、おからは、放
置すると微生物が繁殖して短時間に腐敗が起り、強い悪
臭を発する欠点があり、直ちに処理しなければならない
という問題がある。このように、豆腐製造業者にとっ
て、おからの処理は大きな問題であり、処理業者にお金
を支払って処理(飼料としての利用、焼却など)を依頼
しているのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、豆腐製
造業者はおからの処理に苦慮しているが、食品素材とし
てみると、おからには、乾物換算で、蛋白質:24.5
%、脂肪:13.0%、粗繊維:18.4%、無機栄養
素(カルシウム、リンなど):3.5%が含まれてお
り、良質な食品材料である。特に、植物繊維を含有する
ことから、食物繊維源としても注目されている。しかし
ながら、おからを食品素材として利用する場合、おから
には多くの欠点があり、例えば、食感が悪い、調理
法が限定される(例えば、吸油性が大きいので、油料理
に用いると油を吸収してしまう;調理中にばらけてしま
い、まとまりが悪いなど)、粘着性・結着性に欠ける
ので、他の食品素材と混合して加工食品を製造するとき
に混和性が悪く、まとまりに欠けるなどの問題がある。
このような問題から、従来は、極めて少量のおからが食
品素材として利用されていたにすぎない。本発明は上記
の問題を解消するためになされたもので、食感に優れ且
つ加工性の良好な、おから含有食品素材の製造方法を提
供することを目的とし、かかる方法により、本来、食品
材料として有用なおからの大量且つ有効な利用を図り、
おから処理の問題を解消せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決するためにおからの有効利用、特に食品素材と
してのおからの有効利用を検討した結果、おからをアル
ギン酸カルシウムで被包することにより、おからの性状
を著しく改善できることを見出して本発明を完成した。
即ち、本発明の食品素材の製造方法は、おから、澱粉
類、水溶性アルギン酸塩及び水からなる混合物(以下、
原料混合物と称する)を、カルシウム塩を含有する凝固
剤で凝固させて凝固物を得ることからなる。かかる凝固
物は、アルミニウム塩水溶液を用いて二次凝固させても
よい。
【0005】本発明は上記の構成からなり、原料混合物
中の水溶性アルギン酸塩が、カルシウム塩を含有する凝
固剤により、水不溶性のアルギン酸カルシウムに変換さ
れ、おから等の成分はアルギン酸カルシウムで被包され
た状態で凝固し、安定な組織化物となる。なお、原料混
合物と凝固剤との凝固反応は流動下に行うのが好まし
く、繊維状に組織化した凝固物を得ることができる。か
かる凝固方法は、原料混合物を流動させながら、ここに
カルシウム塩を含有する凝固剤を添加して凝固させる方
法であってもよく、原料混合物とカルシウム塩を含有す
る凝固剤を混合後、緩やかに撹拌して凝固させる方法で
あってもよく、更に原料混合物を、カルシウム塩を含有
する凝固剤浴中に押出し又は滴下して凝固させる方法で
あってもよい。
【0006】上記の構成からなる本発明において、おか
らとしては、例えば、生おから、おから粉末(乾燥おか
ら)などが用いられる。生おからは変質し易いので、新
鮮なものを用いるのが好ましい。
【0007】澱粉類としては、澱粉を主成分とするもの
であれば特に限定されないが、例えば、トウモロコシ澱
粉、じゃがいも澱粉、さつまいも澱粉、小麦澱粉、加工
澱粉などが挙げられる。かかる澱粉類は、本発明の食品
素材の食感を改善するとともに結着性を付与し、他の食
品素材と混合したときに素材間の混和性を高める作用を
する。
【0008】水溶性アルギン酸塩としては、水溶性のア
ルギン酸塩であればいずれのものも使用できるが、例え
ば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アル
ギン酸アンモニウムなどが挙げられる。
【0009】上記のおから、澱粉類、水溶性アルギン酸
塩及び水を含む原料混合物を調製するにあたっては、種
々の調製方法が採用できるが、好ましくは、水に水溶性
アルギン酸塩を溶解した後、おから及び澱粉類を加え、
撹拌することにより調製される。上記の原料混合物中に
おけるおから、澱粉類及び水溶性アルギン酸塩の配合比
としては、重量比で、おから(乾物換算、以下特に明示
のない限り同様):澱粉類:水溶性アルギン酸塩=4〜
50:0.8〜13:1程度、好ましくはおから:澱粉
類:水溶性アルギン酸塩=6〜30:1〜6:1程度、
より好ましくはおから:澱粉類:水溶性アルギン酸塩=
8〜12:2〜3:1程度に調整される。水溶性アルギ
ン酸塩1に対して、おからと澱粉類の合計量が63を超
えると、後記凝固処理によるアルギン酸カルシウムによ
る被包が不足し、食品素材としてのおからの性状を改質
できない。また、水溶性アルギン酸塩1に対して、おか
らと澱粉類の合計量が4.8未満であるとアルギン酸カ
ルシウムによる被包は十分であるが、硬い食感を呈する
ようになるので好ましくない。
【0010】また、おからと澱粉類の配合比としては、
重量比で、おから1に対して、澱粉類を0.016〜
3.25程度、好ましくは0.1〜1程度、より好まし
くは0.17〜0.38程度とされる。おから1に対す
る澱粉類の量が3.25を超えても食感などを害するこ
とはないが、おからの有効利用を図る本発明の目的から
して好ましくない。また、おから1に対する澱粉類の量
が0.016未満であると、他の食品素材と混合した際
の混和性が悪くなるので好ましくない。
【0011】原料混合物において、おから、澱粉類及び
水溶性アルギン酸塩の合計量と水の配合比としては、流
動性を有する原料混合物を調製できる割合であれば特に
限定されないが、一般に、重量比で、水1に対して、お
から、澱粉類及び水溶性アルギン酸塩の合計量が0.0
5〜0.7程度、好ましくは0.1〜0.3程度、より
好ましくは0.15〜0.2程度に調整される。なお、
原料おからとして、生おから(水分含量:通常80〜8
5%)を使用する場合には、生おから中の水分を勘案し
て使用する水量を調整する。上記の比率に関し、水1に
対して、おから、澱粉類及び水溶性アルギン酸塩の合計
量が0.7を超えると流動性が欠け、凝固剤との混合が
困難である。また、水1に対して、おから、澱粉類及び
水溶性アルギン酸塩の合計量が0.05未満の場合に
は、水の量が過大になり、作業効率が劣る。
【0012】なお、原料混合物には、必要に応じて、白
色化剤を加えることができ、白色化剤とは、例えば、炭
酸カルシウム、リン酸カルシウムなどの無毒性の難溶性
無機塩が挙げられる。白色化剤の添加量としては、おか
ら、澱粉類及び水溶性アルギン酸塩の合計量に対して、
2〜20重量%程度、より好ましくは10〜15重量%
程度とされる。
【0013】上記の原料混合物の凝固に用いられる、カ
ルシウム塩を含有する凝固剤としては、例えば、塩化カ
ルシウム、酢酸カルシウム、臭化カルシウムなどが例示
できるが、塩化カルシウムが取り扱い、価格などの点か
ら好ましい。また、上記の凝固剤は、通常、水溶液とし
て用いられるが、水分散液として使用することもでき
る。凝固剤の使用量は、前記の水溶性アルギン酸塩をア
ルギン酸カルシウムに変換し、原料混合物を凝固させ得
る量であればよく、通常、水溶性アルギン酸塩に対し
て、75〜85重量%の凝固剤を1〜3重量%程度の水
溶液として使用するのがよい。
【0014】上記凝固剤による原料混合物の凝固方法
は、種々の方法により行うことができるが、原料混合物
を流動させながら凝固させる方法によれば繊維組織状に
凝固した凝固物が得られ、凝固物の分離が容易になると
共に食感の良好な食品素材とすることができるの好まし
い。かかる方法としては、例えば、一定容器内で原料混
合物を撹拌しながら凝固剤水溶液を添加する方法、原料
混合物と凝固剤とを混合した後、撹拌する方法、原料混
合物をノズルから凝固剤水溶液の浴に押出す方法などが
用いられる。この際、撹拌や噴流速度はそれほど大にし
なくてもよい。繊維組織状凝固物の性状は、原料混合物
中の水溶性アルギン酸塩量、凝固剤の濃度、流動速度、
ノズル径等を適宜選択することにより調整することがで
きる。
【0015】かかる方法により、原料混合物は、凝固剤
により形成されるアルギン酸カルシウムとともに凝固し
析出する。これを分取し、必要に応じて、適宜脱水、水
洗、乾燥することにより本発明の食品素材が得られる。
【0016】なお、上記で得られた本発明の食品素材
は、疎水性を高め、他の食品素材との混和性を改善し、
また組織を強化するため、ミョウバンなどのアルミニウ
ム塩の水溶液中に浸漬し、二次凝固を行ってもよい。か
かる二次凝固は、原料混合物中の水溶性アルギン酸塩に
対して、8〜10重量%程度のアルミニウム塩を0.5
〜1重量%程度の水溶液とした浴に浸漬することより行
うことができる。
【0017】本発明の食品素材は、冷凍又は冷蔵するこ
とにより保存することができ、特に長期間保存する場合
には乾燥品とするのが好ましい。乾燥方法としては慣用
の乾燥方法を用いることができ、例えば、凍結乾燥、通
風乾燥などが例示できるが、好適にはアルコール浸漬脱
水法が用いられる。アルコール浸漬脱水法は、前記の方
法により得られた凝固物を適宜脱水した後、アルコール
(例えば、エタノール、メタノールなどの親水性アルコ
ール)に浸漬し、緩やかに撹拌した後、静置(約1〜5
時間程度、好ましくは2〜3時間程度)し、濾過、遠心
分離などの方法により凝固物を分離することにより行わ
れ、ついで通風乾燥などの手段で乾燥することにより、
乾燥品が得られる。かかるアルコール浸漬脱水によれ
ば、温和な条件下に乾燥することができる他、おから中
のアルコール可溶性成分が除去されるので、アク抜きを
行うことができる;アルコールにより滅菌されるので、
保存性が向上するなどの効果が得られる。
【0018】なお、前記の原料混合物には必要に応じ
て、更に香料、色素などを添加してもよく、また原料混
合物の調製混合、析出、採取、水洗、脱水などの工程を
低温下に行うようにし、微生物の繁殖を押さえるように
してもよい。
【0019】本発明の方法で得られる食品素材は、弾力
に富んだ柔らかい白色の凝固物で、アルギン酸カルシウ
ムによりおからが被包されているので、おからの過大な
吸油性が抑制されることやまとまりがよくなる等、おか
らの調理性が改善され、また澱粉類を含有しており、澱
粉類によりおからの食感が改善されるので、良好な食感
を有する食品素材を得ることができる。更に、混練する
ことにより適度な粘性及び結着性がでるので、他の食品
素材との混和性が著しく改善される。
【0020】本発明の方法で得られる食品素材は、その
ままを適宜調理することにより食することができ、また
加工食品の原料素材として利用でき、かかる用途として
は、例えば、繊維状大豆蛋白、蓄肉、魚肉すり身など混
合して加工することにより蓄肉様加工食品や水産練り製
品様加工食品、鶏卵などと混合して加工することにより
卵食品様加工食品、小麦粉などと混合して加工すること
によりパン様加工食品、餡などと混合することにより和
菓子の基本材料などへの利用が例示され、本発明の食品
素材はかかる加工食品に20〜60%程度添加すること
ができる。
【0021】
【実施例】以下、実施例及び製造例に基づいて本発明を
より詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定され
るものではない。なお、以下の実施例及び製造例におい
て%は重量%を示す。
【0022】実施例1 水1400gにアルギン酸ナトリウム22gを溶解し、
ここにおから粉末(プロトファイバー20、商品名)2
20g、じゃがいも澱粉30g及び炭酸カルシウム35
gを加え、撹拌して原料混合物を調製した。原料混合物
に、塩化カルシウム溶液(水500gに塩化カルシウム
・2水塩17gを溶かした溶液)を加え、緩やかに撹拌
した。生成した凝固物を布袋の中に移し、水を絞り、水
洗した後、圧搾した。かくして得られた凝固物を、ミョ
ウバン溶液(水300gにミョウバン2gを溶解した溶
液)に浸漬して二次凝固させ、水洗後、遠心分離器で脱
水して白色繊維状凝固物1220g(固形分23.2
%)を得た。
【0023】製造例1(植物性肉様加工食品の調製) 水600gに着色料[サンレッド(商品名)3.5g及
びサンブラウン(商品名)3.5g]を溶解し、ここに
粒状大豆蛋白[アペックス(商品名):肉様の組織を有
する大豆蛋白]160gを加え、吸水・染着させた後、
ほぐした。次いで、おから粉末100g及び加工澱粉3
5gを添加し、混練機で混練した。ここに、実施例1で
得られた凝固物1220gを加えて混練し、更に結着性
を高めるために小麦グルテン80g及び加工澱粉75g
を添加し、十分に混練して生地(固形分中のおから比
率:45.7%)を得た。ステンレス容器(幅150mm、奥
行130mm、深さ40mm)に食品用ラップフィルムを敷いた
後、上記の生地800gを入れ、蒸し器にて加熱し、中
心温度が86℃になってから40分間加熱して加工食品
を得た。かくして得られた食品は、肉様組織の中に本発
明の凝固物や澱粉類などが白く不均一に分散したソーセ
ージ様の加工食品であり、しかも植物性材料から構成さ
れる食品である。この食品を適当な大きさにスライスし
て食したところ、おからの食感はなく、良好な食感を呈
した。
【0024】実施例2 水2200gにアルギン酸ナトリウム34gを溶解し、
ここにおから粉末350g、トウモロコシ澱粉50g及
び炭酸カルシウム60gを加え、撹拌して原料混合物を
調製した。原料混合物を、実施例1と同様にして、塩化
カルシウム水溶液を用いた一次凝固及びミョウバン水溶
液を用いた二次凝固に付し、遠心分離器で脱水して白色
繊維状凝固物1930g(固形分23.8%)を得た。
【0025】製造例2(植物性肉様加工食品の調製) 水600gに着色料[サンレッド(商品名)3.5g及
びサンブラウン(商品名)3.5g]を溶解し、ここに
粒状大豆蛋白[アペックス(商品名)]160gを加
え、吸水・染着させた後、ほぐした。次いで、おから粉
末50g及び加工澱粉50gを添加し、混練機で混練し
た。ここに、実施例2で得られた凝固物1930gを加
えて混練し、更に結着性を高めるために小麦グルテン8
0g及び加工澱粉40gを添加し、十分に混練して生地
(固形分中のおから比率:51.3%)を得た。上記の
生地を、製造例1と同様にして加熱処理し、ソーセージ
様加工食品を得た。かくして得られた食品を、適当な大
きさにスライスして食したところ、製造例1で得られた
加工食品と同様に、良好な食感を呈した。
【0026】実施例3 水3000gにアルギン酸ナトリウム36gを溶解し、
ここにおから粉末400g、じゃがいも澱粉100g及
び炭酸カルシウム60gを加え、撹拌して原料混合物を
調製した。原料混合物に、塩化カルシウム溶液(水50
0gに塩化カルシウム・2水塩28gを溶かした溶液)
を加え、緩やかに撹拌した。生成した凝固物を布袋の中
に移し、水を絞り、水洗した後、圧搾して白色繊維状凝
固物2100g(固形分26%)を得た(以下、カード
Aという)。次に、上記のカードAの1000gを、ミ
ョウバン溶液(水300gにミョウバン3gを溶解した
溶液)に浸漬して二次凝固させ、水洗した後、遠心分離
器で脱水して白色繊維状凝固物978g(固形分28.
4%)を得た(以下、カードBという)。上記のカード
A及びカードBを、それぞれ高速擂潰器にかけ、すり身
様のペーストとし、以下の製造に使用した。
【0027】製造例3(植物性はんぺん様食品の調製) 水100gに、分離大豆蛋白(フジプロSE、商品名)
100g及び大豆サラダ油100gを加え、ミキサーで
撹拌してエマルジョンとした。このエマルジョンに、カ
ードA200g及び加工澱粉100gを加え、撹拌して
ペースト状とした。一方、水480gに大豆蛋白20g
及び起泡剤[バーサーホイップ500(商品名)、酵素分
解大豆蛋白系起泡剤]5gを加え、激しく撹拌してホイ
ップを調製した。このホイップを、上記のペーストに加
え、十分に混合して生地とした。製造例1で使用したス
テンレス容器に、食品用ラップフィルムを敷いた後、上
記の生地400gを入れ、蒸し器にて、雰囲気温度85
℃、品温80℃に保ちながら35分間加熱し、はんぺん
様加工食品を得た。得られた食品は多孔質状であり、ソ
フトでさっぱりした食感を呈し、おからの食感は全くな
かった。
【0028】製造例4(蒸しパン様加工食品の調製) カードA200g、分離大豆蛋白75g、小麦粉(薄力
粉)600g、卵黄液150g及び食塩3gを混合して
ペーストを得た。一方、水400gに、卵白液150g
及び起泡剤[フジソフト(商品名)]5gを加え、激し
く撹拌してホイップを調製した。このホイップを、上記
のペーストに加え、十分に混合して生地とした。小型の
プラスチックカップに食品用ラップフィルムを敷いた
後、上記の生地80gを入れ、蒸し器にて、雰囲気温度
95℃で40分間加熱して蒸しパン様加工食品を得た。
得られた食品は多孔質状であり、僅かに卵の風味がする
ソフトな食感を呈し、おからの食感は全くなかった。
【0029】製造例5(揚げかまぼこ様加工食品の調
製) 魚すり身800gに食塩25gを加えて塩ずりした後、
カードB200g、じゃがいも澱粉30g、みりん20
g及びMSG10gを加え、十分に混練して生地とし
た。生地を円形(直径8cm、厚さ1cm)に成形し、
油温度170℃のゴマ油で揚げて揚げかまぼこ様加工食
品を得た。得られた食品は、味にクセがなく、良好な風
味及び食感を呈し、おからの食感は全くなかった。
【0030】製造例6(肉団子様加工食品の調製) 合挽ミンチ肉300gに食塩8gを加えて軽く摺った
後、カードB100g、卵液50g及びじゃがいも澱粉
12gを加えて混合し、更に醤油5g、みりん5g、刻
み生しょうが5g、胡椒2g及び刻み生玉ねぎ40gを
加え、十分に混練して生地とした。生地を1個当り約3
0gの団子状とし、油温度170℃のゴマ油で揚げて揚
げ肉団子様加工食品を得た。得られた食品を市販のタレ
をつけて食したところ、良好な風味及び食感を呈し、お
からの食感は全くなかった。
【0031】実施例4 水1400gに、アルギン酸ナトリウム22g、生おか
ら1375g(固形分16%)、じゃがいも澱粉30g
及び炭酸カルシウム35gを加え、撹拌して原料混合物
を調製した。原料混合物に、塩化カルシウム溶液(水5
00gに塩化カルシウム・2水塩16gを溶かした溶
液)を加え、緩やかに撹拌した。生成した凝固物を布袋
の中に移し、水を絞り、水洗した後、圧搾して白色繊維
状凝固物1145g(固形分24.2%)を得た。かく
して得られた凝固物を2リッターのポリ容器に入れ、エ
タノールを容器一杯に満たし、ときどき撹拌しながら4
時間静置した。その後、凝固物を濾取し、十分に圧搾し
た後、塊をほぐし、循環式通風乾燥器にて60℃で2時
間乾燥して乾燥物269g(水分5.8%)を得た。次
いで、乾燥物を粉砕し、80メッシュパスの粉末とし、
粉末状の本発明の食品素材を得た。
【0032】製造例7(餡の調製) 水300gに、市販小豆さらし餡(粉末)90g、砂糖
180g、食塩3g及び実施例4で得られた食品素材3
0gを加え、加熱しながら撹拌して餡を調製した。得ら
れた餡は味にクセがなく、さっぱりとした味であった。
一方、対照として、実施例4で得られた食品素材に代え
て、おから粉末を用いいる以外は上記と同様にして餡を
調製した。かくして得られた餡は、おから臭があり、ま
たざらついた舌ざわりがあった。
【0033】製造例8(汁粉の調製) 水400gに、市販小豆さらし餡(粉末)40g、砂糖
140g、食塩3g及び実施例4で得られた食品素材2
0gを加え、撹拌しながら沸騰させて汁粉を調製した。
得られた汁粉は味にクセがなく、さっぱりとした味であ
った。一方、対照として、実施例4で得られた食品素材
に代えて、おから粉末を用いいる以外は上記と同様にし
て汁粉を調製した。かくして得られた汁粉は、後味にク
セがあり、また風味も劣っていた。
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明の食品素材の製造
方法によれば、調理特性及び食感が改善されたおから含
有素材が得られ、また他の食品素材との混和性が良好で
あるので、各種加工食品の原料素材として利用すること
ができる。従って、本発明によれば、良好な食品材料で
ありながら、従来は有効に利用されていなかったおから
の有効利用が図れ、また各種加工食品の原料素材として
用いることができるので量的消費が図れ、おから処理の
問題の解消に寄与することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 おから、澱粉類、水溶性アルギン酸塩
    及び水からなる混合物を、カルシウム塩を含有する凝固
    剤で凝固させ、凝固物を得ることを特徴とする食品素材
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 おから、澱粉類、水溶性アルギン酸塩
    及び水からなる混合物とカルシウム塩を含有する凝固剤
    との凝固反応を流動下に行う請求項1記載の食品素材の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 凝固物を、アルミニウム塩水溶液に浸
    漬して、二次凝固させる請求項1又は2記載の食品素材
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 凝固物を、アルコール浸漬脱水する請
    求項1から3のいずれかに記載の食品素材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006090456A1 (ja) * 2005-02-24 2006-08-31 Ooyama Tofu Co., Ltd. 大豆成分含有の繊維状またはフィルム状成形食品とその製造方法
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