JP4631143B2 - 肉加工食品の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばミートボール、ハンバーグ、シューマイ、ソーセージ等の食肉加工食品および蒲鉾、はんぺん、竹輪、揚蒲鉾、刺し身豆腐、魚肉ソーセージ等の水産練り製品に豆腐的な呈味、豆腐的な食感を付与し、かつ製造工程を改善させる肉加工食品の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ミートボール、ハンバーグ、シューマイ、ソーセージ等の食肉加工食品や蒲鉾、はんぺん、竹輪、揚蒲鉾、刺し身豆腐、魚肉ソーセージ等の水産練り製品は、食肉を副材料とサイレントカッター等によって均質化させたペースト状のものをその他の副材料に加えて混練し、ミートボール、ハンバーグ、シューマイ、ソーセージ、蒲鉾、はんぺん、竹輪、揚蒲鉾、刺し身豆腐、魚肉ソーセージ等の加工食品に応じた方法で成形し、加熱して得られる。
副材料には澱粉、蛋白、油脂、塩類、野菜類、調味料、着色料、着香料等がある。
この内、蛋白に関しては、従来から大豆蛋白が利用されてきたが、その目的は大豆蛋白質の結着性が利用されてきた。従って、従来は大豆蛋白のゲル化力、言い換えれば弾力性を阻害する豆腐用凝固剤を用いることは少なかった。
ところが、食生活の多様化と食品による健康増進、健康維持による意識の高揚から植物性食品、特に豆腐に対する認識の向上によって、ミートボール、ハンバーグ、シューマイ、ソーセージ等の食肉加工食品や蒲鉾、はんぺん、竹輪、揚蒲鉾、刺し身豆腐、魚肉ソーセージ等の水産練り製品にも豆腐を混練する方法が試みられるようになって豆腐風味が付与され、弾性の少ないサクッとした食感の豆腐的食感の食肉加工食品が志向されるようになってきた。
しかし、豆腐は水分が多いため、通常脱水して用いらねばならないこと、腐敗しやすいこと、均一に分散しにくいこと等の問題があった。
また、豆腐を添加する代わりに、大豆蛋白と油脂と凝固剤を添加することにより、豆腐の添加なしに水産練り製品の弾性を改善する方法が特開昭51−104064、特開昭64−47352、特開昭64−74950、特開平2−171159、特開平8−19384等に記載されているが、豆腐をすり潰したようなペースト状であり、このペーストを調製するためには、大豆蛋白と凝固剤を反応させるのに加熱が必要で、しかもその後すり身、挽肉に添加する前に製品の品質および製造作業上、原材料の品温が少なくとも室温以下でなければならないので、添加前にペーストを冷却しておく必要があり、操作が煩雑で時間がかかり、大量調製や保存も難しいため、製造時に調製しなければならず、生産効率が良くない。
また、豆腐様風味の付与の記載はない。
また、特開昭63−265には豆乳に凝固しない程度にマグネシウム塩を添加し、その後酵素を添加して蛋白質を凝集させて、この凝集物を食品素材に使用するとの報告があるが、これもマグネシウム塩との反応、酵素反応に加熱が必要で、かつ酵素反応で蛋白が完全に凝集するために時間がかかり、また、酵素の失活するためさらに加熱が必要で実用的でない。
そして、特開2000−50826号公報の発明には、豆乳を加熱し凝固剤を添加して豆腐状に凝固した凝固物を均質化処理することで微細なコロイド溶液とすることができ、その風味は本来の豆乳の青臭さ、苦み、渋みが低減し、豆腐的な風味と物性に優れ、更にこの微細なコロイド溶液となった豆乳を蒸気による直接高温瞬間加熱処理し、その後均質処理することで風味はさらに向上し、粘度が格段に低下し、その後加熱しても再凝固しない豆乳を得ることができるとの報告があり、発明の効果の項に、本発明の豆乳を利用した水畜練製品等も風味の優れたものを得ることが出来るようになったものであると開示している。
しかし、その利用形態などについては言及しておらず、添加方法や添加量については開示していなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ミートボール、ハンバーグ、シューマイ、ソーセージ等の食肉加工食品や蒲鉾、はんぺん、竹輪、揚蒲鉾、刺し身豆腐、魚肉ソーセージ等の水産練り製品の製造において豆腐を用いることなく、肉加工食品に豆腐的な風味と食感を具備させ、成形性を向上させ、かつ製造現場の要求である衛生的で品質が安定し、保存が利いて、製造時にすぐに使えて、製造工程が大幅に簡略、短縮できる豆腐代替物を使用した製造法を開発することを目的とした。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の問題を解決するための手段として、特開2000−50826号公報の豆腐の風味を有し低粘度で再凝固しない豆乳について、更に研究を進めるなかで、肉加工食品を製造する際に、この豆乳を大豆蛋白と併用して添加すること、添加量の適正範囲を明らかにすること、さらにこの豆乳を工業的に利用しやすい形態、流通に適した形態にすべく、かかる豆乳を無菌的に充填包装することで冷蔵保存で4.5ヶ月間、好ましくは3ヶ月間、風味、物性の劣化なく肉加工食品の材料として使用できるようになった。
本発明の目的とする肉加工食品の製造方法は、この無菌充填包装した豆腐様豆乳を使用することによって完成するにいたった。
即ち、本発明は、肉加工食品を製造するに際して、あらかじめアルカリ土類金属もしくはグルコノデルタラクトン等の凝固剤を添加し、再加熱しても凝集を起こさないように均質化、加熱滅菌処理した後、無菌的に充填包装した豆乳を肉原料と混合し、加工することを特徴とする肉加工食品の製造方法である。
肉加工食品において肉100重量部に対して豆腐様豆乳を固形分換算0.5〜15.0重量部添加することが好ましい。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる食肉に関して、畜肉等の動物性肉、魚肉すり身等の魚肉は公知のものを利用することができ、併用して使用することもできる。副材料も公知のものを使用することができる。
豆腐様豆乳の添加量はミートボール、ハンバーグ、シューマイ、ソーセージ等の食肉加工食品の場合は使用する動物性肉、また、蒲鉾、はんぺん、竹輪、揚蒲鉾、刺し身豆腐、魚肉ソーセージ等の水産練り製品の場合は使用する魚肉すり身のような魚肉、それぞれの100重量部に対して豆腐風味豆乳を固形分換算で0.5〜15.0重量部、好ましくは1.0〜10.0重量部添加するのが適当である。
【0006】
副材料で大豆蛋白を用いる場合は粉末状大豆蛋白が適当であるが、豆乳粉末、濃縮大豆蛋白を併用する事もできる。
油脂は動物油脂、植物油脂、これら油脂を精製したり、分別したり、硬化したり、エステル交換したりしたもの等、食用油脂であればいずれも用いることができる。
水の添加は食肉に大豆蛋白等を添加する工程途中や粒状大豆蛋白等を加水する工程、および延ばし水等で用いるが、この水の一部あるいは全量を豆腐様豆乳に置き換えることにより肉加工食品に豆腐風味、食感を付与させることができる。
その他の野菜、調味料、着色料、着香料、その他の食品添加物を用いることは自由である。
【0007】
本発明に用いる豆腐様豆乳は、豆乳に下記凝固剤を添加し、均質化し、蒸気による直接高温瞬間加熱した後均質化して得ることが出来る。
この豆腐様豆乳に使用される凝固剤はニガリ、マグネシウム塩、カルシウム塩及びグルコノデルタラクトン等を利用でき、このうちより選ばれた1種または2種以上を用いることが出来る。
また、豆腐様豆乳に使用されるこれらの凝固剤の添加量は豆乳の粗蛋白質含有量に対して2%〜8%が好適である。
【0008】
また、豆腐様豆乳の直接高温瞬間加熱の温度は120℃〜150℃、時間が2秒〜10秒が好適であり、滅菌処理も兼ねることができる。
また、豆腐様豆乳の均質化処理は公知の手段を利用することが出来るが、ホモゲナイザーにより圧力が5kg/平方cm〜200kg/平方cmが好適である。
この豆腐様豆乳の処理後のpHは5.5〜7.4であることが好ましい。
【0009】
かかる豆乳を無菌的に滅菌済み包材に充填することが重要である。無菌的に包装する手段はアセプテック包装など公知の手段を利用することが出来る。
このように無菌的に包装することにより豆腐様豆乳は3℃〜7℃の保存で4.5ヶ月間以上、好ましくは3ヶ月間風味、物性の劣化なく使用でき、容量が定量化でき運搬も容易であるので流通に適している。
【0010】
本発明の方法は、豆腐を使用する方法に比べ、水延ばしの幅が広く、歩留りも高く、品質の変動も少なく衛生的で製造上の経済効果も大きい。
また、従来の技術である豆腐を添加する代わりに、大豆蛋白と油脂と凝固剤を添加する方法と比べても、ペースト状ではなく粘度の低い液状(20cps以下)で、大量調製が可能で品質が安定し、冷蔵保存による長期保存が可能なので、肉加工食品の製造時にすぐに原料に添加でき、作業性がよく生産効率が非常に改善できる。
【0011】
以上のようにして得られた肉加工食品の生地は用途に応じた形に成形し、通常加熱して肉加工食品とすることができる。また、生地のまま流通させ調理時に加熱することも自由である。
【0012】
【実施例】
以下、この発明の実施例として、豆腐様豆乳、ミートボール、シューマイ、ハンバーグ、ソーセージ、揚げ蒲鉾を製造する場合について説明すると共に、それぞれに比較例(1)、(2)、(3)をあげ、この発明の実施例にかかる上記の各肉加工食品が優れていること明らかにする。
(1)は豆腐添加との比較、(2)は過去の引用特許の凝固剤添加との比較、(3)は豆腐様豆乳と豆腐様豆乳の材料である豆乳と凝固剤を別々に添加した場合の比較を示した。
【0013】
実施例1 豆腐様豆乳の無菌充填品の製造
常法で得られた豆乳(固形分9%、蛋白質含量4.5%、pH7.3)を60℃に加熱して、塩化マグネシウム(キシダ化学製食添用)を豆乳100重量部に対して0.2重量部(豆乳の粗蛋白質含有量に対して4%)添加した。これをホモゲナイザーで150kg/平方cmで均質化し、直接高温瞬間加熱方式で140℃で4秒加熱して滅菌後、さらにアセプティックホモゲナイザーで150kg/平方cmで均質化して豆腐様豆乳を得た。
これを5℃〜7℃に冷却してアセプティックタンクに保管して1000ml容量テトラブリックパックと10kg容量のショーリーTLパックに無菌充填した。
得られた無菌充填した豆腐様豆乳は固形分9%、pH7.1、粘度10mPa・s(cps)の液状で豆腐の味のする豆乳で、再加熱しても凝固しなかった。
【0014】
これらを3℃〜7℃で保存試験した結果、最長4.5ヶ月間保存後もわずかに沈殿を生じたものの風味、物性に変化はなく、無菌状態を維持していた。
【0015】
実施例2 ミートボールの製造
原料肉として豚肉を用い、それをミートチョッパーで3mm程度にしたミートチョップに粉末状分離大豆蛋白(不二製油株式会社販売「ニューフジプロSE」)を粉体添加し、併せて大豆白絞油を添加し、粒状大豆蛋白(不二製油株式会社販売「ニューフジニックC−50」)、および残りの原材料を加えて十分に混練した後、これにパン粉をつけ、1個当たりの重量が15g程度のミートボール素材を成形し、これを170℃で約40秒間フライした後、さらに90℃で約8分間蒸し、各実施例のミートボールを得た。
この実施例では添加する豆腐(固形分11%)、実施例1で得た豆腐様豆乳(固形分9%)、豆乳(固形分9%)を延ばし水の一部と置き換えて添加して、ミートボールの豆腐的風味、食感の確認を行った。
【0016】
(1)豆腐と豆腐様豆乳の比較
市販豆腐を添加したものと豆腐様豆乳を添加したものでミートボールの豆腐的、食感の違いを確認した。
実施例2−1を無添加区とした。実施例2−2を豆腐添加区とした。
実施例2−3を豆腐様豆乳添加区とした。
豆腐添加区は豆腐固形分重量/畜肉重量が1.1%で強い豆腐風味、食感が得られた。しかし、綺麗に均一に分散できず、均一な食感が得られなかった。
【0017】
豆腐様豆乳添加区では豆腐様豆乳固形分重量/畜肉重量を0.5%〜10%まで添加量を変えてみたが、添加量を上げるほど豆腐的風味、食感が感じられた。豆腐添加区と比べて好ましい添加量は1.3重量部以上の範囲で、添加水の全量を豆腐様豆乳に置き換えても問題なく、液状であるため作業性、生地の混練も非常に良く、均一な豆腐的風味、食感(弾性の少ないサクッとした食感、いわゆるたわみの少ない豆腐的食感)を得ることができた。
【0018】
【0019】
(2)大豆蛋白+凝固剤と豆腐様豆乳の比較
実施例2−1に凝固剤のニガリ(赤穂化成株式会社製)を畜肉に対して、0.2重量(実施例2−4)、0.3重量部(実施例2−5)をあらかじめ粉末状大豆蛋白と大豆白絞油と水に添加して混合して70℃で加熱してペースト状にしたものと豆腐様豆乳を添加したもの(実施例2−3)でミートボールの豆腐的風味、食感の違いを確認した。
ニガリを添加すると食感は豆腐的になったが、風味は弱く、豆腐様豆乳を添加したものと比べて豆腐的食感も弱く、豆腐的風味を強くしようとニガリをさらに添加すると塩味、渋味が感じられ風味が低下した。
【0020】
【0021】
(3)豆乳+凝固剤と豆腐様豆乳の比較
豆腐の原料である豆乳(固形分 9%)とニガリを添加した実施例2−6、2−7と豆腐様豆乳を添加した実施例2−3でミートボールの豆腐的風味、食感の違いを確認した。
豆乳とニガリを添加すると風味、食感はニガリだけの添加の比較例2−4、2−5と比べれば豆腐的になったが、風味は弱く、豆腐風味豆乳を添加したものと比べて豆腐的食感も弱く、豆腐的風味を強くしようとニガリをさらに添加すると塩味、渋味が感じられ風味が低下した。
【0022】
【0023】
実施例3 (シューマイの製造)
この実施例においては、原料肉として豚肉を用い、分離大豆蛋白(不二製油株式会社販売「ニューフジプロSE」)を粉体添加し、併せて大豆白絞油を添加し、豚脂と食塩を加えて約1分間混練した後粒状大豆蛋白(不二製油株式会社販売「ニューフジニックC−50」)と残りの原料を加えて約45秒間混練した。これを小麦粉の薄い皮で包み、1個当たりの重量が10g程度になったシューマイ素材を成形し、これを95℃で約15分間蒸し各実施例のシューマイを得た。
実施例で添加する豆腐(固形分11%)、実施例1で得た豆腐様豆乳(固形分9%)、豆乳(固形分9%)は加水の一部を置き換えて添加して、シューマイの豆腐的風味、食感の確認を行った。
【0024】
(1)豆腐と豆腐様豆乳の比較
市販豆腐を添加したものと豆腐様豆乳を添加したものでシューマイの豆腐的、食感の違いを確認した。
実施例3−1を無添加区とした。実施例3−2を豆腐添加区とした。
実施例3−3を豆腐様豆乳添加区とした。
豆腐を添加したものと豆腐風味豆乳を添加したものでシューマイの豆腐的風味、食感の違いを確認した。豆腐添加区は豆腐固形分重量/畜肉重量が2.2%で強い豆腐風味、食感が得られた。しかし、綺麗に均一に分散できず、均一な食感が得られなかった。
豆腐様豆乳添加区では0.9重量部以上の添加で豆腐風味、食感が感じられた。豆腐添加区と比べて好ましい添加量は1.3重量部以上の範囲で、添加水の全量を豆腐風豆乳に置き換えても問題なく、液状であるため作業性、生地の混練も非常に良く、均一な豆腐的風味、食感を得ることができた。
【0025】
【0026】
(2)大豆蛋白+凝固剤と豆腐様豆乳の比較
実施例3−1に凝固剤のニガリ(赤穂化成株式会社製)を畜肉に対して、0.2重量部(実施例3−4)、0.3重量部(実施例3−5)をあらかじめ粉末状大豆蛋白と大豆白絞油と水に添加して混合して70℃で加熱してペースト状にしたもの添加したものと豆腐様豆乳を添加したもの(実施例3−3)でシューマイの豆腐的風味、食感の違いを確認した。ニガリを添加すると食感は豆腐的になったが、風味は弱く、豆腐様豆乳を添加したものと比べて豆腐的食感も弱く、豆腐的風味を強くしようとニガリをさらに添加すると塩味、渋味が感じら風味が低下した。
【0027】
【0028】
(3)豆乳+凝固剤と豆腐様豆乳の比較
豆腐の原料である豆乳(固形分 9%)とニガリを添加した実施例3−6、3−7と豆腐様豆乳を添加した実施例3−3でシューマイの豆腐的風味、食感の違いを確認した。
豆乳とニガリを添加すると風味、食感はニガリだけの添加の比較例3−4、3−5と比べれば豆腐的になったが、風味は弱く、豆腐様豆乳を添加したものと比べて豆腐的食感も弱く、豆腐的風味を強くしようとニガリをさらに添加すると塩味、渋味が感じられ風味が低下した。
【0029】
【0030】
実施例4 (ハンバーグの製造)
この実施例においては、原料肉として豚肉と牛肉を用い、分離大豆蛋白(不二製油株式会社販売「ニューフジプロSE」)、大豆白絞油、粒状大豆蛋白(不二製油株式会社販売「ニューフジニックBS」)、及び残りの材料を加えて、十分にミキサーを使用し、混練した後、1個当たりの重量が90g程度になったハンバーグ素材を成形し、これを90℃で約12分間蒸して各実施例のハンバーグを得た。
実施例で添加する豆腐(固形分11%)、豆腐様豆乳(固形分9%)、豆乳(固形分9%)は延ばし水の一部を置き換えて添加して、揚げ蒲の豆腐的風味、食感の確認を行った。
【0031】
(1)豆腐と豆腐様豆乳の比較
市販豆腐を添加したものと豆腐様豆乳を添加したものでハンバーグの豆腐的、食感の違いを確認した。実施例4−1を無添加区とした。実施例4−2を豆腐添加区とした。実施例4−3を豆腐様豆乳添加区とした。
豆腐添加区は豆腐固形分重量/畜肉重量が2.2%で強い豆腐風味、食感が得られた。しかし、綺麗に均一に分散できず、均一な食感が得られなかった。
豆腐様豆乳添加区では0.9重量部以上の添加で豆腐風味、食感が感じられた。豆腐添加区と比べて好ましい添加量は1.3重量部以上の範囲で、添加水の全量を豆腐様豆乳に置き換えても問題なく、液状であるため作業性、生地の混練も非常に良く、均一な豆腐的風味、食感を得ることができた。
【0032】
【0033】
(2)大豆蛋白+凝固剤と豆腐様豆乳の比較
実施例4−1に凝固剤のニガリ(赤穂化成株式会社製)を畜肉に対して、0.2重量部(実施例4−4)、0.3重量部(実施例4−5)添加したものと豆腐様豆乳を添加したもの(実施例4−3)でハンバーグの豆腐的風味、食感の違いを確認した。
ニガリを添加すると食感は豆腐的になったが、風味は弱く、豆腐様豆乳を添加したものと比べ豆腐的食感も弱く、豆腐的風味を強くしようとニガリをさらに添加すると塩味、渋味が感じられ風味が低下した。
【0034】
【0035】
(3)豆乳+凝固剤と豆腐様豆乳の比較
豆腐の原料である豆乳(固形分 9%)とニガリを添加した実施例4−6、4−7と豆腐様豆乳を添加した実施例4−3でハンバーグの豆腐的風味、食感の違いを確認した。
豆乳とニガリを添加すると風味、食感はニガリだけの添加の実施例4−4、4−5と比べれば豆腐的になったが、風味は弱く、豆腐様豆乳を添加したものと比べて豆腐的食感も弱く、豆腐的風味を強くしようとニガリをさらに添加すると塩味、渋味が感じられ風味が低下した。
【0036】
【0037】
実施例5 (ソーセージの製造)
この実施例においては、原料肉として豚肉を用い、分離大豆蛋白(不二製油株式会社販売「ニューフジプロSE」)、大豆白絞油及び残りの原材料を加えて、ミキサーを使用し、十分に混練した後、スタッファーを用いて袋状包装材、例えば腸詰め用腸、セロファン、ライファン等に詰めて完全に密封し、80℃で30分間湯中加熱して各実施例のソーセージを得た。
実施例で添加する豆腐(固形分11%)、豆腐様豆乳(固形分9%)、豆乳(固形分9%)は加水の一部を置き換えて添加して、ソーセージの豆腐的風味、食感の確認を行った。
【0038】
(1)豆腐と豆腐様豆乳の比較
豆腐を添加したものと豆腐様豆乳を添加したものでソーセージの豆腐的風味、食感の違いを確認した。
実施例5−1を無添加区とした。実施例5−2を豆腐添加区とした。実施例5−3を豆腐様豆乳添加区とした。
豆腐添加区は豆腐固形分重量/畜肉重量が2.2%で強い豆腐風味、食感が得られた。しかし、綺麗に均一に分散できず、均一な食感が得られなかった。
【0039】
豆腐様豆乳添加区では0.9重量部以上の添加で豆腐風味、食感が感じられた。豆腐添加区と比べて好ましい添加量は1.3重量部以上の範囲で、添加水の全量を豆腐様豆乳に置き換えても問題なく、液状であるため作業性、生地の混練も非常に良く、均一な豆腐的風味、食感を得ることができた。
【0040】
【0041】
(2)大豆蛋白+凝固剤と豆腐様豆乳の比較
実施例5−1に凝固剤のニガリ(赤穂化成株式会社製)を畜肉に対して、0.2重量部(実施例5−4)、0.3重量部(実施例5−5)添加したものと豆腐様豆乳を添加したもの(実施例5−3)でソーセージの豆腐的風味、食感の違いを確認した。
ニガリを添加すると食感は豆腐的になったが、風味は弱く、豆腐様豆乳を添加したものと比べて豆腐的食感も弱く、豆腐的風味を強くしようとニガリをさらに添加すると塩味、渋味が感じられ風味が低下した。
【0042】
【0043】
(3)豆乳+凝固剤と豆腐様豆乳の比較
豆腐の原料である豆乳(固形分 9%)とニガリを添加した実施例5−6、5−7と豆腐様豆乳を添加した実施例5−3でソーセージの豆腐的風味、食感の違いを確認した。
豆乳とニガリを添加すると風味、食感はニガリだけの添加の実施例5−4、5−5と比べれば豆腐的になったが、風味は弱く、豆腐様豆乳を添加したものと比べて豆腐的食感も弱く、豆腐的風味を強くしようとニガリをさらに添加すると塩味、渋味が感じられ風味が低下した。
【0044】
【0045】
実施例6 (揚げ蒲鉾の製造)
実施例としてすり身に粉末状分離大豆蛋白(不二製油株式会社販売「サンラバー15」)を粉体添加し、併せて大豆白絞油を添加し、サイレントカッターにかけながら食塩及び残りの原料を添加して生地を製造し、揚げ蒲生地に成形し、130℃で4分、100℃で1分フライして揚げ蒲を製造した。
実施例で添加する豆腐(固形分11%)、豆腐様豆乳(固形分9%)、豆乳(固形分9%)は延ばし水の一部を置き換えて添加して、揚げ蒲の豆腐的風味、食感の確認を行った。
【0046】
(1)豆腐と豆腐様豆乳の比較
市販豆腐を添加したものと豆腐様豆乳を添加したもので揚げ蒲の豆腐的、食感の違いを確認した。
実施例6−1を無添加区とした。実施例6−2を豆腐添加区とした。実施例6−3を豆腐様豆乳添加区とした。
豆腐添加区は豆腐固形分重量/すり身重量が1.1%で強い豆腐風味、食感が得られた。しかし、綺麗に均一に分散できず、均一な食感が得られなかった。
豆腐様豆乳添加区では豆腐様豆乳固形分重量/すり身重量を0.3〜15.3重量部まで添加量を変えてみたが、0.3重量部では豆腐的風味食感が感じられず、0.5重量部以上の添加で豆腐風味、食感が感じられた。豆腐添加区と比べて好ましい添加量は1.1〜10.0の範囲であり、液状であるため作業性、生地の伸びも非常に良く、揚げ蒲も均一な豆腐的風味、食感を得ることができた。
【0047】
【0048】
(2)大豆蛋白+凝固剤と豆腐様豆乳の比較
実施例6−1に凝固剤のニガリ(赤穂化成株式会社製)をすり身に対して、0.2重量部(実施例6−4)、0.3重量部(実施例6−5)添加したものと豆腐様豆乳を添加したもの(実施例6−3)で揚げ蒲の豆腐的風味、食感の違いを確認した。ニガリを添加すると食感は豆腐的になったが、風味は弱く、豆腐様豆乳を添加したものと比べて豆腐的食感も弱く、豆腐的風味を強くしようとニガリをさらに添加すると塩味、渋味が感じられ風味が低下した。
【0049】
【0050】
(3)豆乳+凝固剤と豆腐様豆乳の比較
豆腐の原料である豆乳(固形分 9%)とニガリを添加した実施例6−6、6−7と豆腐様豆乳を添加した実施例6−3で揚げ蒲の豆腐的風味、食感の違いを確認した。
豆乳とニガリを添加すると風味、食感はニガリだけの添加の実施例6−4、6−5と比べれば豆腐的になったが、風味は弱く、豆腐様豆乳を添加したものと比べて豆腐的食感も弱く、豆腐的風味を強くしようとニガリをさらに添加すると塩味、渋味が感じられ風味が低下した。
【0051】
【0052】
【発明の効果】
本発明の豆腐様豆乳の無菌充填品により、ミートボール、ハンバーグ、シューマイ、ソーセージ等の食肉加工食品や蒲鉾、はんぺん、竹輪、揚蒲鉾、刺し身豆腐、魚肉ソーセージ等の水産練り製品の製造において、豆腐を用いることなく、肉加工食品に豆腐的な風味と食感を均質的に具備させ、これと大豆蛋白を併用することで大豆蛋白のぷりぷりしたゲル的食感を豆腐的食感に変えることができ、かつ衛生的で品質が安定し、定量包装で長期保存ができるため、製造工程が大幅に簡略、短縮できるようになったものである。
Claims (2)
- 肉加工食品を製造するに際して、あらかじめアルカリ土類金属もしくはグルコノデルタラクトン等の凝固剤を豆乳の粗蛋白質含有量に対して2〜8%加え、再加熱しても凝固しないように均質化、加熱滅菌処理した豆腐の風味を有する豆乳(以後、豆腐様豆乳と記載する)を、肉加工食品に使用する肉100重量部に対して固形分換算1.0〜10.0重量部添加し、かつ大豆蛋白を肉加工食品に使用する肉100重量部に対して6〜15重量部を他の原料に対し粉体添加し、混合、加工することを特徴とする肉加工食品の製造方法。
- 使用する豆腐様豆乳が滅菌処理後に無菌容器に無菌充填している請求項1の製造方法。
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