JP3843179B2 - マイクロ波調理用生中華麺類 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はマイクロ波調理用生中華麺類およびその製造方法に関する。より詳細には、本発明は、電子レンジなどのマイクロ波調理器を用いて加熱調理したときに、従来のマイクロ波調理用生中華麺類よりも短い加熱調理時間で粘弾性および滑らかさに優れ、適度な硬さを有し、食感および食味に優れる調理中華麺類にすることができるマイクロ波調理用生中華麺類およびその製造方法、並びに前記した優れた特性と共に良好な茹でのび耐性を有するマイクロ波調理用生中華麺類およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
α化した麺線を油で揚げた油揚げ即席麺類、α化した麺線を熱風乾燥したノンフライ即席麺類などの即席麺類は、常温での長期保存が可能であり且つ熱湯を注ぐだけで短時間に喫食可能に復元でき、保存性および即席性に優れていることから、食生活の変化や簡便化に伴って汎用されているが、復元時の食感や食味が充分に良好であるとは言えず、近年の消費者の高品質指向に合致しない場合が生じている。
【0003】
また、α化した麺線を凍結した冷凍麺類は、加熱解凍することによって、比較的短時間で茹でたての麺類に近い食感や食味を有する麺類を消費者に提供できるという長所を有するが、α化した麺類を凍結処理した後に凍結状態で保存、流通する必要があるため、その製造、保存、流通にコストがかかり、しかも凍結時に加熱解凍するため熱コストが高くつくなどの問題がある。
【0004】
一方、α化して常温または冷蔵温度で保存、流通、販売されている調理麺類は、冷凍保存の必要がなく、そのままで、又は短時間加熱調理するだけで、喫食が可能であることから、流通、調理などに手間やコストがかからないという長所がある。しかしながら、α化した麺類を常温または冷蔵状態で保存しておくと老化が進行し、弾力性、粘り、滑らかさが失われ、食味、食感が不良な麺になってしまう。この麺の老化現象は、再度麺を加熱することである程度は回復するが、完全に老化前の状態に戻すことは不可能である。したがって、食味、食感を重視する場合は、生麺を茹であげた直後に喫食するのが一般的な方法である。
【0005】
生中華麺類は、かん水を用いて製造することから、pHが非常に高くなっており、保存性が生うどんや生日本そばに比較して良好であり、茹で時間も5分未満と短時間のものが殆どであり、α化せずに生の状態で保存、流通、販売されるものが多い。しかし、生中華麺類では、喫食のたびごとに、大量のお湯を沸かして茹上げる必要があり、調理に手間および時間がかかり、簡便性、即席性の高い麺類が求められている近年の動向に合致しないものとなっている。
【0006】
そこで、近年の簡便化指向に合致させるために、容器に入れた生中華麺類に水や湯を注いで、電子レンジなどのマイクロ波調理器で加熱調理するだけで喫食可能にできるマイクロ波調理用生中華麺類の開発が行われ、市場にも紹介されている。このような従来のマイクロ波調理用生中華麺類は、生麺を容器に入れ、熱湯を加えて3〜5分間電子レンジなどのマイクロ波調理器にてマイクロ波を照射して加熱調理し、加熱後お湯を捨てずにそのまま喫食するタイプのものであり、マイクロ波調理器で加熱する前または加熱した後に濃縮スープを加えるようになっている。
【0007】
電子レンジ調理用生中華麺類は、調理法が非常に簡便であり且つ比較的短時間の加熱調理により喫食可能になるという当初の目的をある程度満たしている。しかしながら、従来のマイクロ波調理用生中華麺類における上記した3〜5分という加熱調理時間は、従来の生中華麺類の加熱調理時間と大差がなく、調理時間の更なる短縮が望まれている。また、マイクロ波による加熱の場合には、加熱調理時間が長くなると、容器が非常に熱くなってマイクロ波調理器から取り出しにくくなったり、噴きこぼれる恐れがあり、それらの点からも加熱調理時間の一層短縮されたマイクロ波調理用生中華麺類が望まれている。
さらに、従来のマイクロ波調理用生中華麺類では、加熱調理後に時間がたつと茹でのびが生じ易いという欠点があり、茹でのび耐性に優れるマイクロ波調理用生中華麺類が求められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、電子レンジなどのようなマイクロ波調理器を用いて、従来よりも一層短い加熱調理時間で、食感および食味に優れる調理中華麺類を得ることのできるマイクロ波調理用生中華麺類およびその製造方法を提供することである。
特に、本発明の目的は、従来よりも短縮されたマイクロ波調理時間で、熱湯中で茹で上げた直後(釜上げ状態)の中華麺類と同じような、良好な弾力性、粘り、適度な硬さ、滑らかさを有する調理麺類を得ることのできるマイクロ波調理用生中華麺類およびその製造方法を提供することである。
さらに、本発明の目的は、マイクロ波調理後に麺のびが少なく、良好な食感および食味を長く保つことのできる茹でのび耐性に優れるマイクロ波調理用生中華麺類およびその製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決すべく本発明者らは種々検討を重ねてきた。その結果、マイクロ波調理用生中華麺類の製造に当たって、かん粉の重量に基づいてナトリウム塩の含有割合が80重量%以上であるかん水を用いると、従来のマイクロ波調理用生中華麺類よりも短いマイクロ波調理時間で、粘弾性および滑らかさに優れ、しかも適度な硬さを有し、食感および食味に優れる調理麺にすることのできるマイクロ波調理用生中華麺類が得られることを見出した。
【0010】
さらに、本発明者らは、かん粉の重量に基づいてナトリウム塩の含有割合が80重量%以上である前記特定のかん水を用いてマイクロ波調理用生中華麺類を製造するに当たって、穀粉原料として澱粉類を特定の割合で配合したものを用いると、マイクロ波調理時間の短縮と共に調理後の茹でのびが抑制されることを見出し、それらの知見に基づいて本発明を完成した。
【0011】
すなわち、本発明は、かん粉の重量に基づいてナトリウム塩の含有割合が80重量%以上であるかん水を用いてマイクロ波調理用生中華麺類を製造する方法、および該製造方法により得られるマイクロ波調理用生中華麺類である。
【0012】
そして、本発明は、穀粉原料の合計重量に基づいて澱粉類の配合割合が3〜40重量%である穀粉原料、およびかん粉の重量に基づいてナトリウム塩の含有割合が80重量%以上であるかん水を用いてマイクロ波調理用生中華麺類を製造する方法、および該方法により得られるマイクロ波調理用生中華麺類である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳細に説明する。
まず、本発明における、「マイクロ波調理用生中華麺類」とは、その加熱調理を電子レンジやその他のマイクロ波調理器によって行うα化される前の生中華麺類をいう。その場合の生中華麺類の例としては、生ラーメン、生冷やし中華麺、生やきそばなどを挙げることができる。
【0014】
中華麺類の製造に用いられるかん粉(かん水成分)としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸3ナトリウム、リン酸水素2カリウム、リン酸3カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ピロリン酸2水素2ナトリウム、ピロリン酸2水素2カリウム、ポリリン酸ナトリウム、ポリリン酸カリウム、メタリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウムなどのナトリウム塩またはカリウム塩などが知られている。前記したナトリウム塩およびカリウム塩は、単独でまたは2種以上を混合してかん水として用いられ、一般的には2種以上の塩を組み合わせることが多い。しかしながら、マイクロ波調理用生中華麺類用のかん粉(かん水)としてはどのような組成のものが適しているかについては従来検討が殆ど行われていない。したがって、かん粉の重量に基づいてナトリウム塩の割合が80重量%以上であるかん水がマイクロ波調理用生中華麺類の製造に適しているということは従来知られておらず、本発明者らが初めて見い出したのである。
【0015】
本発明では、マイクロ波調理用生中華麺類の製造に当たって、かん粉の重量に基づいてナトリウム塩の含有割合が80重量%以上であるかん水を特に使用することによって、従来のマイクロ波調理用生中華麺類では通常3〜5分程度のマイクロ波調理時間を要していたのに対して、約1〜2分程度の極めて短いマイクロ波調理時間で、粘弾性、滑らかさ、適度な硬さを有していて、食感および食味に優れるマイクロ波調理用生中華麺類を得ることができる。
本発明では、ナトリウム塩の含有割合の上限値は特に制限されず、かん粉の重量に基づいて80重量%以上でありさえすればいずれでもよく、かん粉の全量(100重量%)が1種または2種以上のナトリウム塩のみから形成されていてもよい。
一方、本発明の範囲から外れて、かん粉の重量に基づいてナトリウム塩の含有割合が80重量%未満であるかん水を用いる場合は、マイクロ波調理時に加熱調理時間の短縮化効果が発揮されず、1〜2分の短いマイクロ波調理時間では十分に喫食可能な状態に加熱調理され得るマイクロ波調理用生中華麺類が得られない。
【0016】
ここで、本発明でいう「かん粉の重量に基づくナトリウム塩の含有割合」とは、マイクロ波調理用生中華麺類の製造に用いるかん粉の乾物状態での全重量に基づく、ナトリウム塩の含有率(重量%)をいい、2種類以上のナトリウム塩を含んでいる場合はその合計含有率(合計重量%)をいう。例えば、炭酸ナトリウムと炭酸カリウムからなるかん水の場合は、炭酸ナトリウムと炭酸カリウムの合計重量に対する炭酸ナトリウムの含有率を意味し、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムおよびリン酸水素2ナトリウムからなるかん粉の場合は、前記3つの塩の合計重量に対する炭酸ナトリウムおよびリン酸水素2ナトリウムの合計の含有率を意味する。また、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸水素2ナトリウム、ピロリン酸ナトリウムおよびリン酸3カリウムからなるかん粉の場合は、前記5つの塩の合計重量に対する炭酸ナトリウム、リン酸水素2ナトリウムおよびピロリン酸ナトリウムの合計の含有率を意味する。
【0017】
本発明では、かん粉の重量に基づくナトリウム塩の含有割合が80重量%以上であるかん水であればいずれも使用でき、かん水を構成するナトリウム塩の種類は特に制限されず、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸3ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸2水素2ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウムなどの従来からかん水において用いられているナトリウム塩の1種または2種以上を用いることができる。
【0018】
また、本発明では、かん粉の重量に基づいて20重量%以下の割合であれば、ナトリウム塩以外のかん水成分を前記したナトリウム塩の1種または2種以上と併用することができる。そのようなかん水成分としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、リン酸水素2カリウム、リン酸3カリウム、ピロリン酸カリウム、ピロリン酸2水素2カリウム、ポリリン酸カリウム、メタリン酸カリウムなどを挙げることができ、これらのカリウム塩の1種または2種以上をナトリウム塩と共に用いることができる。
【0019】
かん水の使用量は、中華麺類の製造に従来から用いられている量であればよく、一般には生麺のpHが9.0〜10.5の範囲になるような量で用いることが、生地の製麺性、得られるマイクロ波調理用生中華麺類の食感、食味、風味、保存性などの点から好ましい。
【0020】
本発明では、穀粉原料の種類や組成は特に制限されず、マイクロ波調理用生中華麺類の製造に用いられている穀粉原料のいずれもが使用できる。そのうちでも、穀粉原料として、小麦粉のみを用いるか、または小麦粉を主体としそれに澱粉類、デュラム小麦粉、米粉、大麦粉、ライ麦粉、そば粉、トウモロコシ粉、甘薯粉、里芋粉などの他の穀粉類の1種または2種以上を配合して用いることが好ましい。
【0021】
特に、本発明では、穀粉原料として、小麦粉を主体とし、それに澱粉類を穀粉原料の合計重量に基づいて3〜40重量%、より好ましくは7〜25重量%の割合で配合したものを用いると、マイクロ波による加熱調理時間が従来のマイクロ波調理用生中華麺類よりも短く、しかも加熱調理後に茹でのびが少なくて、茹でのび耐性に優れるマイクロ波調理用生中華麺類を得ることができるので、好ましい。
その際の澱粉類としては、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、米澱粉、小麦澱粉、大麦澱粉、くず澱粉などを用いることができ、これらの澱粉類は、生澱粉であっても、或いは酸処理、エーテル化処理、アセチル化処理、リン酸架橋などの化工処理を行った化工澱粉であっても、または油脂コーティングした澱粉であってもよい。
【0022】
そのうちでも、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉およびそれらの前記したような化工澱粉の1種または2種以上が好ましく用いられ、これらの澱粉類を用いる場合は、マイクロ波による加熱調理時間の短縮化効果および加熱調理後の茹でのび耐性の向上効果が一層良好に発揮される。
澱粉類を用いる場合は、その配合割合が原料穀粉の全重量に基づいて40重量%を超えると、マイクロ波調理用生中華麺類の食感が中華麺類本来のものとかけ離れたものとなり易く、しかも茹でのび耐性が低くなるので好ましくない。
【0023】
本発明では、中華麺類の製造に従来から用いられている種々の副資材の1種または2種以上を必要に応じて用いることができ、そのような副資材としては、例えば、食塩、卵白(粉)、全卵(粉)、活性グルテン、加水分解グルテン、小麦グリアジン、小麦グルテニン、山芋(粉)、卵殻、乳清蛋白、乳清カルシウム、焼成カルシウム、コンニャク粉、アルギン酸、グアーガム、カラギーナン、カードラン、サイリュームシードガムなどの各種ガム粉、ゲル化剤、乳化剤、アルコール、乾麺、アミノ酸、ビタミン類、ミネラル類などを挙げることができる。
【0024】
本発明では中華生麺類の製造法は特に制限されず、中華生麺類の製造に従来から用いられているいずれの方法を採用してもよく、例えば、通常のロール製麺法、押出製麺法、手延べ式製麺法、手打ち製麺法などが採用できる。
【0025】
本発明のマイクロ波調理用生中華麺類は、1食分または数食分ずつ、袋、トレー、その他の包装材料で包装したり、またはマイクロ波加熱に耐え得るカップ(例えば発泡ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのプラスチックカップ)に入れて、マイクロ波調理用生中華麺類として、そのまま常温または冷蔵温度で、保存、流通、販売することができる。
その際に、必要に応じて、粉末状、液状またはペースト状のスープ類、乾燥状態、半乾燥状態、非乾燥状態の具材(例えば刻みネギ、チャーシューなどの調理肉製品、メンマ、ナルト、のりなど)を、生中華麺類と共に別添、内添などの形態で一緒に包装して、保存、流通、販売してもよい。
【0026】
本発明のマイクロ波調理用生中華麺類は、袋やトレーなどの包装材料から取り出して食器類やその他の容器に入れか、またマイクロ波加熱に耐え得るカップに入れて流通、販売するものでは該カップに入れたままで、適量の水やお湯、好ましくは85℃以上のお湯を注ぎ、必要に応じて、スープ類や具材を入れてから、電子レンジなどのマイクロ波調理器を用いて加熱調理することによって、極めて短い調理時間(通常約1〜2分程度の調理時間)で加熱調理、α化されて、釜上げ状態の中華麺類と同じように、弾力性、粘り、適度な硬さ、滑らかさを有し、食感および食味に優れる調理麺類を得ることができる。
【0027】
【実施例】
以下、実施例などにより本発明について具体的に説明するが、本発明はそれにより何ら限定されない。
【0028】
《実施例1》
(1) 市販の中華麺用小麦粉(日清製粉株式会社製「麗華」)100重量部に、下記の表2に示す組成を有するかん粉1重量部を水37重量部に予め溶解したかん水溶液38重量部を加え、減圧下(−600mmHg)で10分間横型減圧下ミキサーにて混合ミキシングを行ってそぼろ状の中華麺生地をつくり、それをロール間隙3.2mmの製麺ロールにてまとめ、複合を行って麺帯を製造し、その麺帯をビニール袋にいれて室温で30分間熟成した。熟成後、常法にしたがってロール製麺して、厚み1.6mmの生麺帯とした後、切刃18番角にて麺線に切り出して生中華麺(生ラーメン)を製造した。
(2) 上記(1)で得られた生中華麺を、100gずつ小分けしてビニール袋に充填して袋の口をシールして1食分ずつのマイクロ波調理用生中華麺を製造し、それを室温(20℃)にて一晩保存した。
(3) 翌日(24時間後)、前記の生中華麺を耐熱容器に移し、熱湯(温度約95℃)を300ml注ぎ、開放形でマイクロ波調理器[(株)東芝製「ER−CS8型電子レンジ;650w]にて、60〜120秒間加熱調理した。
(4) 加熱調理後、直ちに濃縮スープを加え、10名の熟練したパネラーにより下記の表1に示す評価基準に従って官能試験を行い、その平均値を採ったところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0029】
【表1】
Figure 0003843179
【0030】
【表2】
Figure 0003843179
【0031】
上記の表2の結果から、かん粉の重量に基づいてナトリウム塩の含有割合が80重量%以上であるかん水を用いてマイクロ波調理用生中華麺を製造した試験区1〜5では、60〜120秒の短時間の電子レンジ加熱により可食状態になり、特に90〜120秒の短い加熱調理時間で滑らかさおよび粘弾性に優れる調理中華麺が得られることがわかる。
それに対して、かん粉の重量に基づいてナトリウム塩の含有割合が80重量%未満であるかん水を用いてマイクロ波調理用生中華麺を製造した試験区6〜8では、75秒の電子レンジ加熱時間では可食状態にならず、90秒以上の加熱調理時間でようやく可食状態になり、しか120秒間加熱調理したときにようやく食感の良好な調理中華麺となることがわかる。
【0032】
《実施例2》
(1) 市販の中華麺用小麦粉(日清製粉株式会社製「麗華」)に対して下記の表4に示す種類の澱粉を表4に示す割合で配合した穀粉原料100重量部に、かん粉[炭酸ナトリウム:炭酸カリウム=95:5(重量比)の混合物]1重量部を水37重量部に予め溶解したかん水溶液38重量部を加え、以下は実施例1と同様にして、試験区9〜23のマイクロ波調理用生中華麺(生ラーメン)を製造した。
(2) また、試験区24では、炭酸ナトリウム:炭酸カリウム=50:50(重量比)の混合物よりなるかん粉を水に溶解したかん水を用いて上記(1)と同様にしてマイクロ波調理用生中華麺(生ラーメン)を製造した。
(3) 上記(1)または(2)で得られた生中華麺を、100gずつ小分けしてビニール袋に充填して袋の口をシールして1食分ずつのマイクロ波調理用生中華麺を製造し、それを室温(20℃)にて一晩保存した。
【0033】
(4) 翌日(24時間後)に、前記の生中華麺を耐熱容器に移し、熱湯(温度約95℃)を300ml注ぎ、開放形で実施例1で使用したのと同じマイクロ波調理器にて、60〜120秒間加熱調理した。
(5) 加熱調理後、直ちに濃縮スープを加え、10名の熟練したパネラーにより上記の表1に示す評価基準に従って官能試験を行い、その平均値を採ったところ、下記の表4に示すとおりであった。
(6) また、上記(5)における加熱調理後5分経過した時点での麺の品質を下記の表3に示す評価基準にしたがって10名のパネラーにより点数評価してもらい、その平均値を算出したところ、下記の表4に示すとおりであった。
【0034】
【表3】
Figure 0003843179
【0035】
【表4】
Figure 0003843179
【0036】
上記の表4の結果から、かん粉の重量に基づいてナトリウム塩の含有割合が80重量%以上であるかん水を、澱粉類(馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉またはトウモロコシ澱粉)を3〜40重量%の割合で含む原料穀粉に添加してマイクロ波調理用生中華麺を製造した試験区9〜20では、60秒以下の極めて短い加熱調理時間で可食状態になること、75秒〜90秒の加熱調理時間で滑らかさおよび粘弾性に優れる調理中華麺になること、さらに試験区9〜20では加熱調理後に時間が経っても茹でのびが少なく、良好な食感を保ち得ることがわかる。
また、試験区21の結果から、かん粉の重量に基づいてナトリウム塩の含有割合が80重量%以上であるかん水を、澱粉類(馬鈴薯澱粉)の配合量が40重量%よりも多い原料穀粉(澱粉の配合量50重量%)に添加して得られたマイクロ波調理生中華麺は、極めて短時間のマイクロ波による加熱調理によって喫食可能になるが、加熱調理後の茹でのびが大きく、良好な食感を保もてないことがわかる。
さらに、試験区24の結果から、かん粉の重量に基づいてナトリウム塩の含有割合が80重量%未満(50重量%)であるかん水を使用する場合は、そのかん水を、澱粉類(馬鈴薯澱粉)を7重量%の割合で配合してなる原料穀粉に添加してマイクロ波調理用生中華麺類を製造しても、マイクロ波による加熱調理時間の短縮化効果が得られないことがわかる。
【0037】
《実施例3》
(1) 市販の中華麺用小麦粉(日清製粉株式会社製「麗華」)100重量部に対して、下記の表5に示す組成を有する市販のかん粉1重量部を水37重量部に予め溶解したかん水溶液38重量部を加え、以下は実施例1と同様にして、試験区25〜30のマイクロ波調理用生中華麺(生ラーメン)を製造した。
(2) 上記(1)で得られた生中華麺を、100gずつ小分けしてビニール袋に充填して袋の口をシールして1食分ずつのマイクロ波調理用生中華麺を製造し、それを室温(20℃)にて一晩保存した。
(3) 翌日(24時間後)に、前記の生中華麺を耐熱容器に移し、熱湯(温度約95℃)を300ml注ぎ、開放形で実施例1で使用したのと同じマイクロ波調理器にて、60〜120秒間加熱調理した。
(4) 加熱調理後、直ちに濃縮スープを加え、10名の熟練したパネラーにより上記の表1に示す評価基準に従って官能試験を行い、その平均値を採ったところ、下記の表5に示すとおりであった。
【0038】
【表5】
Figure 0003843179
【0039】
上記の表5の結果から、かん粉の重量に基づいてナトリウム塩の含有割合が80重量%以上であるかん水a〜cを用いてマイクロ波調理用生中華麺を製造した試験区25〜27では、60秒の極めて短い加熱調理時間で可食状態になること、そして90秒〜120秒の加熱調理時間で滑らかさおよび粘弾性に優れる調理中華麺になることがわかる。
それに対して、かん粉の重量に基づいてナトリウム塩の含有割合が80重量%未満であるかん水dまたはeを用いてマイクロ波調理用生中華麺を製造した試験区28〜30では、90秒後に漸く可食状態になり、120秒以上加熱調理しないと食感に優れる麺にならないことがわかる。
【0040】
【発明の効果】
本発明のマイクロ波調理用生中華麺類は、かん粉の重量に基づいてナトリウム塩の含有割合が80重量%以上であるかん水を用いて製造されていることにより、電子レンジなどのマイクロ波調理器を用いて加熱調理したときに、従来のマイクロ波調理用生中華麺類よりも短い加熱調理時間で、粘弾性および滑らかさに優れ、適度な硬さを有していて、食感および食味に優れる調理中華麺類にすることができる。
さらに、かん粉の重量に基づいてナトリウム塩の含有割合が80重量%以上であるかん水を用いると共に、穀粉原料の合計重量に基づいて澱粉類を3〜40重量%の割合で配合した穀粉原料を用いてなる本発明のマイクロ波調理用生中華麺類の場合は、従来のマイクロ波調理用生中華麺類よりも短い加熱調理時間で、粘弾性および滑らかさに優れ、適度な硬さを有していて、食感および食味に優れ、しかも加熱調理後の茹でのびの少ない調理中華麺類を得ることができる。

Claims (6)

  1. かん粉の重量に基づいてナトリウム塩の含有割合が80重量%以上であるかん水を用いて製造したことを特徴とするマイクロ波調理用生中華麺類。
  2. 穀粉原料の合計重量に基づいて澱粉類の配合割合が3〜40重量%である穀粉原料、およびかん粉の重量に基づいてナトリウム塩の含有割合が80重量%以上であるかん水を用いて製造したことを特徴とするマイクロ波調理用生中華麺類。
  3. 澱粉類が、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、およびそれらの化工澱粉から選ばれる少なくとも1種である請求項2記載のマイクロ波調理生中華麺類。
  4. かん粉の重量に基づいてナトリウム塩の含有割合が80重量%以上であるかん水を用いてマイクロ波調理用生中華麺類を製造する方法。
  5. 穀粉原料の合計重量に基づいて澱粉類の配合割合が3〜40重量%である穀粉原料、およびかん粉の重量に基づいてナトリウム塩の含有割合が80重量%以上であるかん水を用いてマイクロ波調理用生中華麺類を製造する方法。
  6. 澱粉類が、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、およびそれらの化工澱粉から選ばれる少なくとも1種である請求項5記載の方法。
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KR20020008699A (ko) * 2000-07-25 2002-01-31 정차남 감자 전분을 주성분으로 포함하는 즉석 건면 및 그의제조방법

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