JP2004033181A - 卵料理用加工食品およびその製造法 - Google Patents
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Abstract
【目的】卵料理用加工食品の製造法
【構成】トレハロースと澱粉及び/または増粘多糖類を含有する調味液を、好ましくは具材となる食品素材と共に、耐熱容器に充填密封し、加熱殺菌して卵料理用加工食品を得る。
【効果】卵を加えて調理する、高度な調理技術を必要とする卵料理において、優れた食感を再現することができる。
【構成】トレハロースと澱粉及び/または増粘多糖類を含有する調味液を、好ましくは具材となる食品素材と共に、耐熱容器に充填密封し、加熱殺菌して卵料理用加工食品を得る。
【効果】卵を加えて調理する、高度な調理技術を必要とする卵料理において、優れた食感を再現することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、卵料理用加工食品およびその製造法に関し、卵または液卵に加えて加熱調理した際に優れた食感を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】レトルト食品に代表される長期常温保存が可能な加工食品は、その利便性から広く普及しており、そのなかでも特に、魚介類や畜肉、野菜等の食材と調味液を共にレトルト処理等の加熱殺菌を施した惣菜の素は、簡便性を重視する主婦層の支持を得ている。その用途は広がりを見せており、身近な食品素材である卵を家庭で加えて調理する卵料理用加工食品も多数流通している。
【0003】
オムレツや卵焼き、かに玉といった卵料理の美味しさは、ほどよく焼けた表面と半熟状のふんわりとした内面の柔らかくジューシーな食感に寄るものである。また、茶碗蒸しは簾(す)立ちがなく、なめらかで口どけの良い食感が好まれる。卵の熱凝固性に影響を及ぼす要因には、調理時の加熱条件(温度、時間)、添加物(油脂、塩、砂糖、酢等)の有無、卵の希釈液の液性と希釈倍率等が挙げられ、これらが複雑に関与することにより、その食感が決定される。したがって、これらの卵料理を良好な食感に仕上げるには高度な調理技術が必要とされてきた。
【0004】
また、食生活スタイルの多様化に伴い、家族全員で食卓を囲む機会が少なくなり、電子レンジによる再加熱が多用されることによる、過加熱、乾燥などの品質劣化が問題とされてきた。
【0005】
近年、レトルト食品に関する数々の品質改良法が検討され、特許出願もなされている。例えば特開2000−175669号には、畜肉、魚介類、野菜等の具材を、トレハロースを1〜40%含有する調味液中に浸漬させた状態で加圧加熱殺菌することにより、具材の煮崩れを防止する方法が記載されている。
特開平7−79739号には金属封鎖剤を添加させることにより、広範囲の加工食品で香味変化、退色、変色が改善されるとある。また、特開平7−250651号には卵を主とする原材料にトランスグルタミナーゼを添加、作用させた後に調理加熱する方法が記載されており、加圧加熱処理しても食感の維持された卵加工食品が得られるとされている。
【0006】
しかしながら、それらはレトルト食品そのものの品質改良法であり、消費者の調理技術やオケージョンをカバーするまでの改良には至っていない。なかでも卵料理用加工食品は、消費者の調理熟練度による仕上り品質への影響が大きく、消費者が充分満足のいく食感が得られていないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高度な調理技術を要する卵料理の理想的な食感を調理熟練度に寄ることなく安定的に得ることができる卵料理用加工食品およびその製造法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決する為の手段】本発明者らは、これらの課題を解決すべく鋭意検討した結果、卵料理用加工食品の調味液にトレハロースと澱粉及び/または増粘多糖類を溶解もしくは混合させ、必要に応じて予備加熱工程を経て、具材となる野菜等の食品素材と共に耐熱容器に充填密封し、加熱殺菌を行なうことにより、卵または液卵に加えて調理した際、簡便性はもとより、従来の問題点であった調理熟練度の影響を受けることなく安定して優れた食感の卵料理が得られることを発見し、本発明の完成に至った。
【0009】
本発明の効果は、特に、卵または液卵に加えて調理する卵料理用加工食品において有用であり、例えば、オムレツ、卵焼き、かに玉、茶碗蒸し等が挙げられる。
【0010】
【発明実施の形態】以下本発明について具体的詳細に説明する。
トレハロースとは、グルコース2分子がα,α―1,1で結合した非還元性の糖質であり、結合様式によりα,α−、α,β−,β,β−の3種類の異性体がある。天然にはきのこ類、豆類、海藻類、カビ、酵母等に広く分布し、細胞やたん白質を凍結等の障害から保護する機能を有している。また、甘味質はすっきりとした上品な甘さであり、その甘味度はショ糖の1/2以下であり、近年トレハロースを工業的に大量生産され、食品素材として利用されている。
トレハロースの添加量は卵料理用加工食品対し1〜70重量%となるように調整することが好ましく、卵または液卵に対し、0.5〜40重量%となるように調整する。添加量1重量%未満では本発明の添加効果が得られず、また添加量70重量%を超えると調理時の作業性が悪く不自然な食感を付与するだけでなく、摂取過多による緩下作用が懸念される為好ましくない。
【0011】
本発明で用いることのできる澱粉とは、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、とうもろこし澱粉、その他の澱粉のことであり、その原料や製法にはこだわらない。また、これらの中から1種または2種以上を併用することもできる。澱粉の添加量は加工食品に対し0.5〜30重量%とすることが好ましい。添加量0.5重量%未満では本発明の添加効果が認められず、添加量が30重量%を超えると不自然な食感を付与してしまい、好ましくない食感となってしまう。
【0012】
本発明で用いることのできる増粘多糖類とは、グァーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、タマリンドガム等のことであり、その由来や製法にはこだわらない。調味液の内容に合わせて適宜選択することができる。増粘多糖類の添加量は0.03〜5重量%とすることが好ましい。添加量0.03重量%未満では本発明の添加効果が認められず、添加量が5重量%を超えるとぬめりのある好ましくない食感となってしまう。
【0013】
調味液には、他にL−グルタミン酸ナトリウム(以下「MSG」とする)、核酸、食塩等の調味料、味噌や醤油、各種エキス類、香辛料、油脂等の食品素材を混合し、必要により予備加熱して用いることができる。予備加熱の程度は30〜100℃にて達温〜30分程度行なうことが好ましい。
【0014】
また具材としての食品素材は、人参やじゃが芋等の野菜や、挽肉等の畜肉加工素材、蟹肉や蒲鉾等の水産加工素材、海藻等も加工食品の用途に応じて適宜添加することができる。
【0015】
これらの食品素材はブレンダーやカッター等で適当な大きさにカット及び適宜加熱され、調味液と攪拌混合または耐熱容器に直接充填される。
【0016】
各種素材の添加方法は特に限定されるものではなく、調味液に混合分散させるか、食品素材と調味液に混合分散させるかの方法等、製造において任意の工程が選ばれる。また、pH、Brix、粘度などを調整することができる。
【0017】
具材と調味液をレトルト容器等の耐熱容器(合成樹脂または金属、またはこれらを多層に合わせたものを袋状またはその他形状に成型したもの)に重量調整しながら充填密封後、加熱殺菌される。加熱殺菌の条件は、充填された内容物により適宜選択することができるが、65〜140℃にて、1〜60分加熱殺菌することにより達成される。
【0018】
【実施例1】
野菜や畜肉加工品等の食品素材に下記表1に示す配合割合に従って、調味液を混合して85℃達温の予備加熱を行なった後、レトルトパウチに充填密封し、126℃10分のレトルト処理を施し、本発明の(所定)の卵料理用加工食品(オムレツの素)を得た。これに卵200gを加えて静かに攪拌し、予め少量の食用油を含ませ強火で加温したフライパンに注ぎ軽く攪拌した。卵が凝固しかけたら裏返し、弱火で約30秒加熱した後フライパンより取り出し、オムレツを得た。対照としてトレハロースと澱粉及び/または増粘多糖類を除いた無添加品を調製した。
【0019】
得られたオムレツの品質を熟練したパネル5名により官能検査を行なった。評価基準は、非常に強く感じる(+++)、強く感じる(++)、やや感じる(+)、ほとんど感じない(−)として評価結果を表2に併記した。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
表2に示すようにトレハロースを配合した本発明品および対照品Bは、他の対照品(トレハロースを含まないもの及びグラニュー糖添加品)と比較し、オムレツ表面の色調は鮮やかで焦げがなく、保水性に優れたふわふわとした柔らかい食感であり、優れた品質のものが得られた。また、本発明品は調理時の成型性も良く、放冷後にも柔らかい食感が保持されていたが、対照品B(澱粉及び増粘多糖類を含まないもの)は離水や食感の水っぽさが生じていた。さらには、電子レンジで再加熱を行なった後も上記品質の再現が可能であり、しっとり感が保持されている事が分かった。
【0023】
【実施例2】
表3に示した茶碗蒸しの素の配合原料を混合し、レトルトパウチに充填密封し、126℃15分のレトルト処理を施した。トレハロース無添加のものを対照品とした。これを常温にて3ヶ月保存後に本品に対し液卵70g、水100gを加え、耐熱容器に2等分に注いでラップをかけ、1個につき500w電子レンジで2分加熱を行なった。
【0024】
【表3】
【0025】
対照品は全体に気泡が入り、硬くもろい食感であったが、本発明品には気泡や離水がなく、均一で柔らかくなめらかな食感の良質な茶碗蒸しを得ることができた。
【0026】
【発明の効果】本発明の加工食品は、特に高度な調理技術を要するオムレツやかに玉等の卵料理となるような食品素材を用いた場合に、前記の食感付与効果が著しく反映されており、卵に加えて調理した際に、保存期間中も簡便性はもとより、調理熟練者が作る理想的な卵料理の食感を安定的に得られる。
【発明の属する技術の分野】本発明は、卵料理用加工食品およびその製造法に関し、卵または液卵に加えて加熱調理した際に優れた食感を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】レトルト食品に代表される長期常温保存が可能な加工食品は、その利便性から広く普及しており、そのなかでも特に、魚介類や畜肉、野菜等の食材と調味液を共にレトルト処理等の加熱殺菌を施した惣菜の素は、簡便性を重視する主婦層の支持を得ている。その用途は広がりを見せており、身近な食品素材である卵を家庭で加えて調理する卵料理用加工食品も多数流通している。
【0003】
オムレツや卵焼き、かに玉といった卵料理の美味しさは、ほどよく焼けた表面と半熟状のふんわりとした内面の柔らかくジューシーな食感に寄るものである。また、茶碗蒸しは簾(す)立ちがなく、なめらかで口どけの良い食感が好まれる。卵の熱凝固性に影響を及ぼす要因には、調理時の加熱条件(温度、時間)、添加物(油脂、塩、砂糖、酢等)の有無、卵の希釈液の液性と希釈倍率等が挙げられ、これらが複雑に関与することにより、その食感が決定される。したがって、これらの卵料理を良好な食感に仕上げるには高度な調理技術が必要とされてきた。
【0004】
また、食生活スタイルの多様化に伴い、家族全員で食卓を囲む機会が少なくなり、電子レンジによる再加熱が多用されることによる、過加熱、乾燥などの品質劣化が問題とされてきた。
【0005】
近年、レトルト食品に関する数々の品質改良法が検討され、特許出願もなされている。例えば特開2000−175669号には、畜肉、魚介類、野菜等の具材を、トレハロースを1〜40%含有する調味液中に浸漬させた状態で加圧加熱殺菌することにより、具材の煮崩れを防止する方法が記載されている。
特開平7−79739号には金属封鎖剤を添加させることにより、広範囲の加工食品で香味変化、退色、変色が改善されるとある。また、特開平7−250651号には卵を主とする原材料にトランスグルタミナーゼを添加、作用させた後に調理加熱する方法が記載されており、加圧加熱処理しても食感の維持された卵加工食品が得られるとされている。
【0006】
しかしながら、それらはレトルト食品そのものの品質改良法であり、消費者の調理技術やオケージョンをカバーするまでの改良には至っていない。なかでも卵料理用加工食品は、消費者の調理熟練度による仕上り品質への影響が大きく、消費者が充分満足のいく食感が得られていないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高度な調理技術を要する卵料理の理想的な食感を調理熟練度に寄ることなく安定的に得ることができる卵料理用加工食品およびその製造法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決する為の手段】本発明者らは、これらの課題を解決すべく鋭意検討した結果、卵料理用加工食品の調味液にトレハロースと澱粉及び/または増粘多糖類を溶解もしくは混合させ、必要に応じて予備加熱工程を経て、具材となる野菜等の食品素材と共に耐熱容器に充填密封し、加熱殺菌を行なうことにより、卵または液卵に加えて調理した際、簡便性はもとより、従来の問題点であった調理熟練度の影響を受けることなく安定して優れた食感の卵料理が得られることを発見し、本発明の完成に至った。
【0009】
本発明の効果は、特に、卵または液卵に加えて調理する卵料理用加工食品において有用であり、例えば、オムレツ、卵焼き、かに玉、茶碗蒸し等が挙げられる。
【0010】
【発明実施の形態】以下本発明について具体的詳細に説明する。
トレハロースとは、グルコース2分子がα,α―1,1で結合した非還元性の糖質であり、結合様式によりα,α−、α,β−,β,β−の3種類の異性体がある。天然にはきのこ類、豆類、海藻類、カビ、酵母等に広く分布し、細胞やたん白質を凍結等の障害から保護する機能を有している。また、甘味質はすっきりとした上品な甘さであり、その甘味度はショ糖の1/2以下であり、近年トレハロースを工業的に大量生産され、食品素材として利用されている。
トレハロースの添加量は卵料理用加工食品対し1〜70重量%となるように調整することが好ましく、卵または液卵に対し、0.5〜40重量%となるように調整する。添加量1重量%未満では本発明の添加効果が得られず、また添加量70重量%を超えると調理時の作業性が悪く不自然な食感を付与するだけでなく、摂取過多による緩下作用が懸念される為好ましくない。
【0011】
本発明で用いることのできる澱粉とは、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、とうもろこし澱粉、その他の澱粉のことであり、その原料や製法にはこだわらない。また、これらの中から1種または2種以上を併用することもできる。澱粉の添加量は加工食品に対し0.5〜30重量%とすることが好ましい。添加量0.5重量%未満では本発明の添加効果が認められず、添加量が30重量%を超えると不自然な食感を付与してしまい、好ましくない食感となってしまう。
【0012】
本発明で用いることのできる増粘多糖類とは、グァーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、タマリンドガム等のことであり、その由来や製法にはこだわらない。調味液の内容に合わせて適宜選択することができる。増粘多糖類の添加量は0.03〜5重量%とすることが好ましい。添加量0.03重量%未満では本発明の添加効果が認められず、添加量が5重量%を超えるとぬめりのある好ましくない食感となってしまう。
【0013】
調味液には、他にL−グルタミン酸ナトリウム(以下「MSG」とする)、核酸、食塩等の調味料、味噌や醤油、各種エキス類、香辛料、油脂等の食品素材を混合し、必要により予備加熱して用いることができる。予備加熱の程度は30〜100℃にて達温〜30分程度行なうことが好ましい。
【0014】
また具材としての食品素材は、人参やじゃが芋等の野菜や、挽肉等の畜肉加工素材、蟹肉や蒲鉾等の水産加工素材、海藻等も加工食品の用途に応じて適宜添加することができる。
【0015】
これらの食品素材はブレンダーやカッター等で適当な大きさにカット及び適宜加熱され、調味液と攪拌混合または耐熱容器に直接充填される。
【0016】
各種素材の添加方法は特に限定されるものではなく、調味液に混合分散させるか、食品素材と調味液に混合分散させるかの方法等、製造において任意の工程が選ばれる。また、pH、Brix、粘度などを調整することができる。
【0017】
具材と調味液をレトルト容器等の耐熱容器(合成樹脂または金属、またはこれらを多層に合わせたものを袋状またはその他形状に成型したもの)に重量調整しながら充填密封後、加熱殺菌される。加熱殺菌の条件は、充填された内容物により適宜選択することができるが、65〜140℃にて、1〜60分加熱殺菌することにより達成される。
【0018】
【実施例1】
野菜や畜肉加工品等の食品素材に下記表1に示す配合割合に従って、調味液を混合して85℃達温の予備加熱を行なった後、レトルトパウチに充填密封し、126℃10分のレトルト処理を施し、本発明の(所定)の卵料理用加工食品(オムレツの素)を得た。これに卵200gを加えて静かに攪拌し、予め少量の食用油を含ませ強火で加温したフライパンに注ぎ軽く攪拌した。卵が凝固しかけたら裏返し、弱火で約30秒加熱した後フライパンより取り出し、オムレツを得た。対照としてトレハロースと澱粉及び/または増粘多糖類を除いた無添加品を調製した。
【0019】
得られたオムレツの品質を熟練したパネル5名により官能検査を行なった。評価基準は、非常に強く感じる(+++)、強く感じる(++)、やや感じる(+)、ほとんど感じない(−)として評価結果を表2に併記した。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
表2に示すようにトレハロースを配合した本発明品および対照品Bは、他の対照品(トレハロースを含まないもの及びグラニュー糖添加品)と比較し、オムレツ表面の色調は鮮やかで焦げがなく、保水性に優れたふわふわとした柔らかい食感であり、優れた品質のものが得られた。また、本発明品は調理時の成型性も良く、放冷後にも柔らかい食感が保持されていたが、対照品B(澱粉及び増粘多糖類を含まないもの)は離水や食感の水っぽさが生じていた。さらには、電子レンジで再加熱を行なった後も上記品質の再現が可能であり、しっとり感が保持されている事が分かった。
【0023】
【実施例2】
表3に示した茶碗蒸しの素の配合原料を混合し、レトルトパウチに充填密封し、126℃15分のレトルト処理を施した。トレハロース無添加のものを対照品とした。これを常温にて3ヶ月保存後に本品に対し液卵70g、水100gを加え、耐熱容器に2等分に注いでラップをかけ、1個につき500w電子レンジで2分加熱を行なった。
【0024】
【表3】
【0025】
対照品は全体に気泡が入り、硬くもろい食感であったが、本発明品には気泡や離水がなく、均一で柔らかくなめらかな食感の良質な茶碗蒸しを得ることができた。
【0026】
【発明の効果】本発明の加工食品は、特に高度な調理技術を要するオムレツやかに玉等の卵料理となるような食品素材を用いた場合に、前記の食感付与効果が著しく反映されており、卵に加えて調理した際に、保存期間中も簡便性はもとより、調理熟練者が作る理想的な卵料理の食感を安定的に得られる。
Claims (7)
- トレハロースと澱粉および/または増粘多糖類を含有する調味液を、耐熱容器に充填密封し、加熱殺菌することを特徴とする卵料理用加工食品の製造法。
- トレハロースと澱粉および/または増粘多糖類を含有する調味液を、具材となる食品素材と共に耐熱容器に充填密封し、加熱殺菌することを特徴とする卵料理用加工食品の製造法。
- 加熱殺菌がレトルト処理であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の卵料理用加工食品の製造法。
- 卵料理用加工食品1重量部に対し、卵又は液卵0.1〜10重量部を加え、加熱調理する卵料理用であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の卵料理用加工食品の製造法。
- トレハロースの添加量が、卵料理用加工食品に対し1〜70重量%である、請求項1または請求項2に記載の卵料理用加工食品の製造法。
- 澱粉の添加量が、卵料理用加工食品に対し0.5〜30重量%である、請求項1または請求項2に記載の卵料理用加工食品の製造法。
- 増粘多糖類の添加量が、卵料理用加工食品に対し0.03〜5重量%である、請求項1または請求項2に記載の卵料理用加工食品の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002198763A JP2004033181A (ja) | 2002-07-08 | 2002-07-08 | 卵料理用加工食品およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002198763A JP2004033181A (ja) | 2002-07-08 | 2002-07-08 | 卵料理用加工食品およびその製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004033181A true JP2004033181A (ja) | 2004-02-05 |
Family
ID=31706130
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002198763A Pending JP2004033181A (ja) | 2002-07-08 | 2002-07-08 | 卵料理用加工食品およびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004033181A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008005757A (ja) * | 2006-06-29 | 2008-01-17 | Ajinomoto Co Inc | 卵料理用加工素材および卵料理の製造法。 |
JP2008011799A (ja) * | 2006-07-07 | 2008-01-24 | Kikkoman Corp | 澱粉含有調味料及びその製造法 |
JP2018117526A (ja) * | 2017-01-23 | 2018-08-02 | 日本水産株式会社 | 流動性のある内容物を包んだオムレツ及びオムライスの製造方法 |
JP2021087458A (ja) * | 2021-03-11 | 2021-06-10 | 日本水産株式会社 | 流動性のある内容物を包んだオムレツ及びオムライスの製造方法 |
-
2002
- 2002-07-08 JP JP2002198763A patent/JP2004033181A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2021087458A (ja) * | 2021-03-11 | 2021-06-10 | 日本水産株式会社 | 流動性のある内容物を包んだオムレツ及びオムライスの製造方法 |
JP7059416B2 (ja) | 2021-03-11 | 2022-04-25 | 日本水産株式会社 | 流動性のある内容物を包んだオムレツ及びオムライスの製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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A977 | Report on retrieval |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070403 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070731 |