JP2003047393A - 酵母含有物並びに該酵母含有物を含有するパン生地及び焼成パン - Google Patents

酵母含有物並びに該酵母含有物を含有するパン生地及び焼成パン

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Masashi Ono
昌志 小野
Kozo Oya
甲三 大宅
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】パン製造分野において、煩雑な工程が不要で且
つパン製品に独特の甘い香りを付与して風味の差別化を
可能にするパンを提供すること。 【解決手段】ワイン酵母と小麦粉、米粉、ライ麦粉など
の穀物粉とを混合してなるパン又は菓子用酵母含有物及
び該酵母含有物を用いた生地を作製し、あるいは、該酵
母含有物の液種を作製して、生地作製時に添加し、製造
することによって得られたパン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はパン製造分野におい
て、煩雑な工程が不要でかつパンに独特の甘い香りを付
与して風味が差別化できる、ワイン酵母と穀物粉からな
る酵母含有物、該酵母含有物を含有するパン生地及び該
パン生地を焼成してなるパンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、基本的なパンの配合は、小麦粉と
パン酵母、食塩、糖類、油脂類と水であったが、近年は
食生活の多様化に伴い、基本的な配合のパンだけでは消
費者に飽きられ、売れ行きが伸び悩むという状況が続い
ており、特に食パンで風味や食感の差別化されたパンが
要求されている。風味や食感の差別化の手段としては、
(1)配合を変えて、種(たね)を用いるなど特殊な配
合による方法、(2)配合は一般的な配合で、低温長時
間中種法や湯種法などの特殊な製法を用いる方法、の大
きく2つの手段があった。このうち、種については、酒
種、ホップス種など主にパン以外の食品に用いられる素
材をパンに応用するタイプと、パネトーネ種、サンフラ
ンシスコサワー種や老麺など、小麦粉と水で生地をつく
り、発酵させて生地状態での種として用いるタイプなど
がある。形態としても液状のもの、固体状のものなどい
ろいろな形態が知られているが、基本的には、米粉や小
麦粉、糖類などの食品素材に、酵母を加えてあるいは自
然に存在する酵母によって発酵させたものである。一般
的に、種はそのまま生地のミキシング時に添加したり、
ある程度予備発酵させて植え継いでからミキシング時に
添加して用いる。
【0003】従来、パン製造に用いられる酵母含有物、
例えば酒種等の製造については特開昭62−23994
0号公報及び特開昭63−309133号公報に例示さ
れるように、麹と清酒酵母とを基本にしてさらに酒種、
α化米、麹の消化処理物や小麦もしくは米と小麦の混合
物などを添加する組成物が知られている。前者は酒種の
製造に4日以上の時間がかかるという組成物の生産性の
問題があり、後者はさらに組成物を発酵させるのに5日
以上を要するという製パン時の生産性の問題があった。
さらに、両者ともパン類の中の酒種パン類に用途が限定
されるという欠点も有していた。
【0004】また、パン酵母の場合、保存性を高めるた
め酵母菌体を乾燥したいわゆるドライイーストも見受け
られるが、保存性は良くなるものの乾燥の手間が掛かる
と同時に、加熱による酵母の菌数減少が認められ発酵能
が低下するという問題があった。
【0005】本願組成物と類似した組成物の例として特
開平10−136875号公報及び特開2000−60
535号公報があげられるが、前者は組成物として酵母
とα化穀類粉末以外にベーカリー食品が必須であり、ま
た酵母とベーカリー食品の粒状物をα化穀類粉末を介し
て結着することにより、健康食品としての酵母を多量に
摂取するにあたり、多量の酵母を含有させても酵母臭を
感じさせないことを主目的としており、本願目的とは大
きく異なる。後者は微生物菌体の水分活性を低下させる
化合物と微生物菌体とを含む組成物に関するものである
が、目的が微生物菌体の保存性の向上であり、本願の風
味の改良と異なること、及び微生物菌体の水分活性を低
下させる化合物として、多糖類、特に澱粉が例示されて
いるが、後の実施例で示すごとく澱粉と酵母だけであれ
ば、パンに独特の甘い香りを付与できず、風味の改良効
果がないという問題があった。
【0006】特開2001−112406号公報には乾
燥オカラ等と酵母との混合物が開示されているが、乾燥
オカラはパンの食感を大きく変えるという問題があっ
た。
【0007】風味や食感の差別化の手段として、配合は
一般的な配合で、低温長時間中種法や湯種法などの特殊
な製法を用いる方法については、前者は時間がかかると
同時に低温で保持するスペースを通常工程とは別に確保
する必要があり、生産性を低下させる。後者はやはり特
殊な設備が必要となる上に、熱湯を使用するので安全性
にも十分配慮する必要があるなどの欠点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】酵母菌数を低下させる
ことなく、短時間の発酵で効率的にパンを生産でき、か
つパンに独特の甘い香りを付与して風味が差別化できる
パン又は菓子用酵母含有物を提供することを課題とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは酵母と穀類
の粉末の混合に注目し、鋭意研究を重ねた結果、酵母と
してワイン酵母を用い、これを穀物粉に混合することに
より、短時間発酵で効率的にパンを生産でき、かつパン
に独特の甘い香りを付与して風味が差別化できるパン又
は菓子用酵母含有物を容易に製造できることを見出し、
本発明を完成させた。
【0010】即ち、本発明の第一は、ワイン酵母と穀物
粉とを混合してなることを特徴とするパン又は菓子用酵
母含有物であって、穀物粉として小麦粉、米粉、ライ麦
粉のいずれか1種又は2種以上とを混合してなることが
好ましく、米粉がα化米粉であることが特に好ましく、
パン又は菓子用酵母含有物の粒径が0.1乃至3mmの
粉粒状であることが好ましい。また、ワイン酵母がサッ
カロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)I
AM4274であること特に好ましい。
【0011】本発明の第二は、上記パン又は菓子用酵母
含有物を含有してなることを特徴とするパン生地であっ
て、パン又は菓子用酵母含有物を一度液発酵したものが
好ましく、パン又は菓子用酵母含有物に砂糖、脱脂粉乳
及び水を加えてから、液発酵したものが、特に好まし
い。
【0012】本発明の第三は、上記パン生地を焼成して
なることを特徴とする焼成パンである。
【0013】本発明の第四は、ワイン酵母であるサッカ
ロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)IA
M4274とα化米粉とを混合してなる酵母含有物の粒
径が0.1乃至3mmの粉粒状であることを特徴とする
パン又は菓子用酵母含有物である。
【0014】本発明の第五は、ワイン酵母であるサッカ
ロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)IA
M4274とα化米粉とを混合してなる、粒径が0.1
乃至3mmの粉粒状である、パン又は菓子用酵母含有物
に砂糖、脱脂粉乳及び水を加え、液発酵したものを、含
有してなることを特徴とするパン生地である。
【0015】本発明の第六は、ワイン酵母であるサッカ
ロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)IA
M4274とα化米粉とを混合してなる、粒径が0.1
乃至3mmの粉粒状である、パン又は菓子用酵母含有物
に砂糖、脱脂粉乳及び水を加え、液発酵したものを、含
有してなるパン生地を焼成してなることを特徴とする焼
成パンである。
【0016】
【発明の実施の形態】穀物粉は小麦粉、米粉、ライ麦粉
など穀類を粉砕した状態をいう。穀物粉であれば特に制
限はないが、α化した米粉が特に好ましい。α化米粉と
は、米を蒸煮などでα化したものであり、一部またはす
べてα化されているものを使用することが出来る。パン
又は菓子用酵母含有物の粒度については粒径で0.1乃
至3mmのものが好ましい。粒径が0.1mm未満で
は、例えばパン又は菓子用酵母含有物に液体を加えて混
合するときにダマができて均一に混合しにくく、また粒
径3mmを超えると本発明のパン又は菓子用酵母含有物
を用いてパンにしたとき、穀物粉のかたまりが生地中で
局在してパンの食感に悪影響を与えること、あるいは本
発明のパン又は菓子用酵母含有物が生地中に均一に分散
せず発酵不良となることがある。ワイン酵母を含む液体
とα化米粉とを混合してパン又は菓子用酵母含有物をま
ず作製し、その後で粉砕器などの処理により粒径0.1
乃至3mmになるように調製することも可能である。
【0017】ワイン酵母とは通常ワイン製造に用いられ
る酵母を意味し、一般にサッカロミセス・セレビシエに
属し、有機酸による低pH領域や高濃度のアルコール下
でも優れた発酵能を示す酵母として知られている。菌株
としてはワイン酵母であればなんでもよいが、例えば、
サッカロミセス・セレビシエ ATCC4117、AT
CC18973、IFO1831、IFO2226、I
FO2363、IAM4274、AHU3078などが
あげられる。その中で好ましい例としてサッカロミセス
・セレビシエ IAM4274があげられる。本菌株は
別名OC−2と呼ばれ、ヨーロッパでのワイン製造時に
分離されて以降、日本でもワイン製造にごく一般的に用
いられる菌株である。
【0018】ワイン酵母以外の酒種製造に用いられる清
酒酵母やビール酵母、汎用のパン酵母(例えば、商品
名:カネカイーストレッド、鐘淵化学工業株式会社製が
あげられる)、天然に存在するいわゆる野生酵母などで
は、穀物粉と混合して製パンに用いてもパンに独特の甘
い香りを付与することができない。また、穀物粉と混合
しないワイン酵母だけでも製パンは可能であり、特有の
甘い香りを付与することはできるが、ワイン酵母は一般
に発酵力が低く、特に風味が問題となる食パンの領域で
は、その風味付与効果が不足しており、更には製パン時
にホイロ時間が長くなるなどの問題もある。従って、本
願の主目的である独特の甘い香りをパン又は菓子に付与
するためには、ワイン酵母と穀物粉の両者が必須であ
る。
【0019】ワイン酵母の培養方法は特に限定はなく、
液体培養または固体培養を行うことが可能である。培養
基としては、液体培養の場合はモルトエキスやグルコー
ス液、糖蜜などが用いられ、固体培養の場合は麹と米
や、小麦粉などがそれぞれ用いられる。
【0020】ワイン酵母と穀物粉とを混合するには、ワ
イン酵母菌体と穀物粉とを直接混合することも可能であ
るが、均一な製品を得るためにはワイン酵母を水に懸濁
した後に穀物粉を撹拌しながら懸濁液に加えていく方法
が好ましい。液体培養の場合、ワイン酵母を含んだ培養
液そのままでもよいし、一度遠心分離して水で洗浄した
のち、水懸濁した状態でもよい。固体培養の場合は培養
後に水を加えて培地とワイン酵母とが混合された状態で
懸濁することが可能である。
【0021】本発明のパン又は菓子用酵母含有物中のワ
イン酵母の割合は特に限定されないが、本発明のパン又
は菓子用酵母含有物中に0.1〜40%含有されること
が好ましい。0.1%より含有率が低いと後の製パン性
が損なわれるし、40%以上含有させるには、例えば水
に懸濁して混合させる場合など均一に混合させることが
困難になるためである。
【0022】このようにして生産されたパン又は菓子用
酵母含有物は、袋に充填される。このとき、一般にドラ
イイーストなどで用いられる真空包装や窒素充填などの
方法を用いることも可能である。
【0023】本発明は、クラッカー、クッキー、ビスケ
ット、プリッツェル、ケーキ、ホットケーキなどの菓子
に用いることにより、これらの菓子にも独特の甘い香り
を付与することができる。
【0024】パン又は菓子用酵母含有物の製造方法とし
ては、次のような手順を例として示すことができる。 α化米粉の製造工程:米粉100重量部に対して10〜
30重量部の任意の水を出来るだけ均等になるように添
加し、蒸気によって蒸煮した後に乾燥機で水分5%以下
になるまで乾燥する。この場合、例えば流動床乾燥機、
通風乾燥機などを使用することが出来る。得られたもの
をα化米粉とする。 混合工程:混合機にα化米粉を投入した後に撹拌しなが
ら、ワイン酵母を含んだ液体を加える。一定時間以上混
合後、払い出す。 粉砕工程:混合後払い出された製品を粉砕機にて粉砕し
た後、篩で粒径0.1〜3mmになるように調整する。 以上の工程を経て製造されたパン又は菓子用酵母含有物
を所定量秤量しビニール袋などで包装した後、通常冷蔵
(0〜10℃)で保管され、2ヶ月間保存が可能であ
る。
【0025】通常の製パン工程において風味を意図して
付与する場合、(1)発酵風味液(発酵済みの液体など
を殺菌したもの)、(2)一度発酵させた生地の一部を
生地作製時に混合する老麺法などの発酵生地添加法、
(3)生地ではなく液体の状態で予備発酵させたものを
添加する方法などがある。前2者は風味に乏しく、取り
扱い、管理が大変であり、安定性に欠けるなど問題点が
あるが、(3)の場合は調整しやすく、取り扱いも液体
のため容易であり、一度調製すれば冷蔵庫で保管が可能
である。また、加熱工程を経ていないため、生成した風
味成分の減少も無く、菌も生きており、生地に混合して
から焼成するまでに、更に発酵が進み、風味成分を増加
させるので、風味付与方法としては優れている。
【0026】上記パン又は菓子用酵母含有物を用いて、
上記(3)の液体予備発酵液を作製する場合、特に組成
は限定されないが、パン又は菓子用酵母含有物と水に加
えて糖含有物(砂糖など)又は穀物粉(例えば、小麦粉
など)と乳製品(例えば、脱脂粉乳)を含有することが
好ましい。特に、パン又は菓子用酵母含有物100重量
部あたり水を100〜500重量部添加することが好ま
しく、糖含有物又は穀物粉と乳製品はともに各々1〜3
0重量部添加することが好ましい。水が100重量部よ
りも少なければ酵母が充分に他基質(糖など)との接触
ができず、発酵が不十分になり風味が劣る場合がある。
また、水が500重量部よりも多い場合、水により発酵
液の粘度が低下し、菌が下部に沈殿してしまい発酵が充
分に行われず、風味が乏しくなってしまう場合がある。
さらに上記物質(糖含有物又は穀物粉と乳製品など)を
含まない場合は、酵母、乳酸菌の発酵が基質律速となり
制限される場合があり、発酵風味が乏しくなってしまう
ためである。上記液種組成物を混合後、一例として10
℃で48時間あるいは27℃で24時間発酵させる。あ
るいは27℃で6時間発酵後に、さらに10℃で24時
間発酵させても良い。
【0027】こうして得られたパン又は菓子用酵母含有
物の液体予備発酵物(以下液種とする)は通常冷蔵保管
が可能であり、一度作製すれば、必要な時に必要な量を
加えて生地を作製する。さらには得られた生地からパン
を製造することが可能である。パン又は菓子用酵母含有
物をパン種として使用する場合(別途イーストを添加し
ない場合)、小麦粉100重量部に対して2〜20重量
部、液種として使用する場合、0.5〜5重量部使用す
ればよい。
【0028】上記のパン又は菓子用酵母含有物及び液種
を使用するパン生地の配合、工程には特に限定はなく、
通常用いられる製法(直捏製法、中種製法、冷蔵生地製
法、冷凍生地製法など)すべてに適用可能である。
【0029】
【実施例】次に発明の実施例を示すが、本発明が実施例
のみに限定されないことは言うまでもない。
【0030】(菌体の取得方法)各酵母菌株のスラント
から1白金耳、モルト培地に植菌し30℃で培養したも
のを、糖蜜培地に接種し通気条件下で培養した。培養終
了後、培養液を分離、水洗、濾過して酵母菌体を得た。
【0031】(実施例1) 酵母菌株として4種 ワイン酵母:サッカロミセス・セレビシエ IAM42
74 ワイン酵母:サッカロミセス・セレビシエ AHU30
78 酒酵母 :協会7号 パン酵母 :カネカイーストレッド(商品名)、鐘淵化
学工業株式会社製 を用いて、表1の配合、表2の工程にて製パンを実施し
た。その結果は表3に示したように、ワイン酵母は単独
でも風味は甘い香りが強く良好であるが、製パン性にや
や問題のある場合があった。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】(実施例2)上記の4種の酵母菌体にα化
米粉を混合したパン又は菓子用酵母含有物を作製した。
すなわち、サッカロミセス・セレビシエ IAM427
4、サッカロミセス・セレビシエ AHU3078、酒
酵母(協会7号)及びパン酵母(商品名:カネカイース
トレッド、鐘淵化学工業株式会社製)の湿菌体4重量部
を各々水16重量部に溶解した菌液4種類を、それぞれ
α化米粉100重量部に対して添加し、混合機で混合し
た4種類のパン又は菓子用酵母含有物を得た。表4の配
合、表5の工程で製パンを実施した。その結果は表6に
示したように、ワイン酵母サッカロミセス・セレビシエ
IAM4274の風味が最良であった。
【0036】
【表4】
【0037】
【表5】
【0038】
【表6】
【0039】(実施例3)菌株をサッカロミセス・セレ
ビシエ IAM4274に固定して、穀物粉、澱粉を混
合しパン又は菓子用酵母含有物を得た。すなわち、α化
米粉、小麦粉、澱粉それぞれ100重量部に対して、水
16重量部にサッカロミセス・セレビシエIAM427
4の湿菌体4重量部を溶解した菌液を混合機に添加混合
して、3種類のパン又は菓子用酵母含有物を得た。表7
の配合、表8の工程で液種を作製し、表9の配合、表1
0の工程でパン酵母(商品名:カネカイーストMY、鐘
淵化学工業株式会社製)を用いて製パンした。その結果
は表11に示したように、風味はα化米粉を用いたパン
又は菓子用酵母含有物が最も甘い香りが強く、他と差別
化されていて良好であった。
【0040】
【表7】
【0041】
【表8】
【0042】
【表9】
【0043】
【表10】
【0044】
【表11】
【0045】以上のことから、酵母菌株としてはワイン
酵母が良好で、なかでもサッカロミセス・セレビシエ
IAM4274が好ましく、さらに穀物粉との混合で効
果があり、特にα化米粉との混合が好ましい。
【0046】(実施例4)酵母菌株をサッカロミセス・
セレビシエ IAM4274に固定して、α化米粉10
0重量部に対してサッカロミセス・セレビシエ IAM
4274菌体4重量部を水16重量部に溶解した菌液を
添加混合し、粉砕後篩にかけ粒径が0.1乃至3mmの
パン又は菓子用酵母含有物と、3mmより大きな粒径
のものを有するパン又は菓子用酵母含有物を得た。得
られたパン又は菓子用酵母含有物について表4の配合、
表5の工程で製パンした。その結果は表12に示したよ
うに0.1乃至3mmのパン又は菓子用酵母含有物が
製パン性及びパンの品質ともに良好であった。
【0047】
【表12】
【0048】(実施例5)α化米粉100重量部に対し
てサッカロミセス・セルビシエIAM4274菌体4重
量部を水16重量部に溶解した菌液を添加混合し、粉砕
後篩にかけ粒径が0.1mm以上3mm以下のパン又は
菓子用酵母含有物とパン酵母(商品名:カネカイースト
レッド、鐘淵化学工業株式会社製)を使用して、表13
及び表14の配合で、次の工程でクラッカーを作製し
た。すなわち、スポンジの配合原料すべてをミキサーボ
ールに入れ、ミキサーを用いて混合し、生地温度28℃
に捏ね上げた。その後28℃で20時間発酵した。発酵
の終了した生地にドウの原料すべてを合わせ、ミキサー
を用いて混合し、生地温度28℃にこね上げた。その
後、28℃で4時間発酵した。発酵の終わった生地を3
つ折りを2回した後に、厚さ1mmまで圧延した。連続
型で型抜きした後、塩をかけて230℃、6分間焼成し
た。その結果は、表15に示したように、風味、食感と
もにパン又は菓子用酵母含有物がパン酵母単独使用より
も優れていた。
【0049】
【表13】
【0050】
【表14】
【0051】
【表15】
【0052】
【発明の効果】パン又は菓子の生産において、本発明の
酵母含有物をパン又は菓子の生地に添加し、それを焼成
するだけでパン又は菓子に独特の甘い香りを付与して、
風味の差別化が可能になる。また、本発明の酵母含有物
は冷蔵による長期保管が可能であり、それによるパン又
は菓子への風味の付与が安定的且つ簡便に実施できるの
で、製パン・製菓子業界に多いに貢献できるものであ
る。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ワイン酵母と穀物粉とを混合してなること
    を特徴とするパン又は菓子用酵母含有物。
  2. 【請求項2】ワイン酵母と小麦粉、米粉、ライ麦粉のい
    ずれか1種又は2種以上とを混合してなることを特徴と
    するパン又は菓子用酵母含有物。
  3. 【請求項3】前記米粉がα化米粉であることを特徴とす
    る請求項2に記載のパン又は菓子用酵母含有物。
  4. 【請求項4】前記パン又は菓子用酵母含有物の粒径が
    0.1乃至3mmの粉粒状であることを特徴とする請求
    項1乃至3のいずれか1項に記載のパン又は菓子用酵母
    含有物。
  5. 【請求項5】ワイン酵母がサッカロミセス・セレビシエ
    (Saccharomyces cerevisiae)IAM4274であること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のパ
    ン又は菓子用酵母含有物。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5のいずれか1項に記載のパ
    ン又は菓子用酵母含有物を含有してなることを特徴とす
    るパン生地。
  7. 【請求項7】請求項1乃至5のいずれか1項に記載のパ
    ン又は菓子用酵母含有物を一度液発酵したものを含有し
    てなることを特徴とするパン生地。
  8. 【請求項8】請求項1乃至5のいずれか1項に記載のパ
    ン又は菓子用酵母含有物に砂糖、脱脂粉乳及び水を加え
    てから、液発酵したものを含有してなることを特徴とす
    るパン生地。
  9. 【請求項9】請求項6乃至8のいずれか1項に記載のパ
    ン生地を焼成してなることを特徴とする焼成パン。
  10. 【請求項10】ワイン酵母であるサッカロミセス・セレ
    ビシエ(Saccharomyces cerevisiae)IAM4274とα
    化米粉とを混合してなる酵母含有物の粒径が0.1乃至
    3mmの粉粒状であることを特徴とするパン又は菓子用
    酵母含有物。
  11. 【請求項11】請求項10に記載のパン又は菓子用酵母
    含有物に砂糖、脱脂粉乳及び水を加え、液発酵したもの
    を、含有してなることを特徴とするパン生地。
  12. 【請求項12】請求項11に記載のパン生地を焼成して
    なることを特徴とする焼成パン。
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KR100566593B1 (ko) 2004-05-25 2006-03-30 정동영 기능성 빵 제조 방법
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