JP4188146B2 - 発酵風味菓子の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高い栄養価と発酵風味などの良好な食感を付与できる品質の安定した穀粉発酵物を用いた発酵風味菓子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
小麦粉やライ麦粉などの穀粉、あるいは果実等に付着している自然の酵母菌や乳酸菌などの微生物を利用したパン作りはヨーロッパで古くから知られている。一方、日本においても、天然志向や自然志向、パン作りの原点回帰、あるいはヘルシーブーム等の流れから、近年、天然酵母や乳酸菌を用いたパン作りが盛んになっている。この天然酵母や乳酸菌が共存する、いわゆる「自然発酵パン種」を用いて製造したパンは、酵母菌だけで発酵させたパンに比べ、風味が強く、深い味わいのパンとなる。自然発酵パン種を用いたパンの製造方法としては、例えば、油類を水相で発酵させた発酵風味付与剤を用いる方法が知られている(特許文献1参照。)。
【0003】
ところで、自然発酵パン種のような酵母菌と乳酸菌が共存する培地を用いて風味を増強させた食品は、パン等の小麦粉を主原料とする食品が大半であり、その他の穀粉では例えば発酵風味米粒又は米粉を用いて製造したパンが知られているにすぎない(特許文献2参照。)。しかし、この製造法は、米粒に高い吸水性を与える工程、発酵液を米粒に吸収させる工程、米粒を乾燥・粉砕させる工程の多段階工程に分かれており、十分な発酵風味を付与した米粉を得るには時間と手間がかかる。時間を短縮すれば、発酵液が米粒の内部まで十分に浸透せず、その米粒で作った米粉は十分な発酵風味が付与されないという問題がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−4862号公報
【特許文献2】
特開2000−32933号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来公知技術の問題点を解決して、高い栄養価と十分な発酵風味、旨みや保水性、柔軟性、伸展性などの良好な食感を付与できる、品質の安定した穀粉発酵物を用いた発酵風味菓子の製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、穀粉発酵物及び/又はその乾燥粉状品を米粉と水と共に蒸練したのち混練し、形成し、該形成物を焼成してなる発酵風味菓子の製造方法であって、前記穀粉発酵物が、酵母菌と乳酸菌とにより小麦粉及び/又はライ麦粉を発酵させた一次発酵基質に、小麦粉及びライ麦粉以外の穀粉を加えて発酵させたのち、該発酵物に小麦粉及びライ麦粉以外の穀粉を加えて発酵させる操作を一回以上行なってなる穀粉発酵物であること、を特徴とする前記製造方法である。
【0007】
また本発明は、穀粉発酵物及び/又はその乾燥粉状品を卵と油脂と砂糖を主成分とする調味材料と混練し、形成し、該成形物を焼成してなる発酵風味マフィン様焼き菓子の製造方法であって、前記穀粉発酵物が、酵母菌と乳酸菌とにより小麦粉及び/又はライ麦粉を発酵させた一次発酵基質に、米粉を加えて発酵させたのち、該米粉発酵物に米粉を加えて発酵させる操作を一回以上行なってなる米粉発酵物であること、を特徴とする前記製造方法である。
【0008】
更に本発明は、穀粉発酵物及び/又はその乾燥粉状品を卵と油脂と砂糖を主成分とする調味材料及びベーキングパウダーと混練し、形成し、該成形物を焼成してなる発酵風味クッキー様焼き菓子の製造方法であって、前記穀粉発酵物が、酵母菌と乳酸菌とにより小麦粉及び/又はライ麦粉を発酵させた一次発酵基質に、米粉を加えて発酵させたのち、該米粉発酵物に米粉を加えて発酵させる操作を一回以上行なってなる米粉発酵物であること、を特徴とする前記製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明における穀粉発酵物について説明する。
本発明における穀粉発酵物の製造に用いる一次発酵基質は、主な菌相として酵母菌と乳酸菌が付着している小麦粉及び/又はライ麦粉を通常の条件で発酵させたものであり、一般に自然発酵パン種と言われるものである。まず、酵母菌と乳酸菌が付着しているライ麦粉を発酵させ、次いでこの発酵物に小麦粉を加えて発酵させる操作を1回以上、特に2〜5回行なって得られる一次発酵基質が好ましい。
この発酵の際には、酵母菌と乳酸菌を資化できる栄養素を含む栄養源を配合するのが通常であり、好ましい。このような栄養源としては、具体的には例えば、モルト、蜂蜜、甘酒、糖類(例えば麦芽糖、果糖、乳糖)、乳タンパク、ミネラル成分又はこれらの2種以上の任意の混合物が好適に挙げられ、これらのうちモルトが特に好ましい。
栄養源の配合量は、栄養源の配合時における酵母菌数と乳酸菌数の合計1×10cfu/gに対して、0.1g以上、更に0.5〜50g、特に1〜10gであることが好ましい。
一次発酵基質中に、酵母菌数は1×10cfu/g以上、更に1×10〜1×1015cfu/g、特に1×10〜1×1012cfu/g、乳酸菌数は1×10cfu/g以上、更に1×10〜1×1015cfu/g、特に1×10〜1×1012cfu/g含まれるのが好ましく、さらに、酵母菌数と乳酸菌数の合計で、1×10cfu/g以上、更に1×10〜1×1015cfu/g、特に1×10〜1×1012cfu/g含まれるのが好ましい。
また、一次発酵基質について、そのアミノ酸度は0.1以上、更に0.2〜2.0、特に0.3〜1.5であることが好ましく、還元糖量は0.1g以上/100g、更に0.5〜5.0g/100g、特に1.0〜3.0g/100gであることが好ましく、また、pHは2.0〜6.0、更に2.5〜5.0、特に3.0〜4.0であることが好ましい。
発酵の際には、温水、特に30〜37℃の温水を一次発酵基質中において水分50〜90%、更に55〜80%となる範囲で使用して、10〜60℃、更に20〜30℃、特に25〜27℃で、3〜20時間、更に4〜12時間、特に8〜10時間時々攪拌させながら発酵させるのが好ましい。
【0010】
本発明における穀粉発酵物の製造に用いる穀粉は、小麦とライ麦以外の穀類の粉状物であり、具体的には、大麦、米(白米、もち米など)、大豆、蕎麦、胡麻、とうもろこし、その他の雑穀などの粉状物が挙げられる。これらのうち、白米、もち米、蕎麦の粉状物が好ましい。
本発明における穀粉発酵物の製造に用いることができる栄養源は、一次発酵基質の製造において使用しうる栄養源を挙げることができ、これと同種のものであっても異種のものでよいが、同種のものが好ましい。
【0011】
前記の小麦とライ麦以外の穀物の粉状物は、(水分を除いた)一次発酵基質100gに対して、10〜1000g、更に50〜800g、特に200〜500gの割合で使用するのが好ましい。
前記栄養源は、(水分を除いた)一次発酵基質100gに対して、10g以下、更に0.01〜5.0g、特に0.1〜1.0gの割合で使用するのが好ましい。
発酵の際には、温水、特に30〜37℃の温水を更に添加して行うのが好ましく、このような温水は、(水分を除いた)一次発酵基質100gに対して、1000g以下、更に100〜800g、特に200〜650gの割合で使用するのが好ましい。
発酵の温度、時間及び操作は、一次発酵基質における発酵条件と同様のものが挙げられる。
【0012】
本発明において、一次発酵基質に小麦粉及びライ麦粉以外の穀粉を加えて発酵させたのち、この発酵物(の一部)と小麦粉及びライ麦粉以外の穀粉を使用して行う発酵は、1回以上、好ましくは1〜5回、特に好ましくは2〜4回行う(継代培養)。
継代培養に使用する穀粉としては、前記の小麦粉とライ麦粉以外の穀物の粉状物が挙げられ、一次発酵基質に配合して発酵させる穀粉と同種のものであっても異種のものであってもよいが、同種のものが好ましい。また、継代培養が2回以上の場合にも、一次発酵基質に配合して発酵させる穀粉や第1回目以降の(継代)培養の際に添加される穀粉とそれぞれ同種のものであっても異種のものであってもよいが、全て同種のものが最も好ましい。
なお、継代培養の際に穀粉の種類や使用割合を変えると、多種多様で様々な風味や栄養価を持った穀粉発酵物が得られる。
継代培養において、穀粉は、一次発酵基質に穀粉を加えて発酵させた(水分を除いた)もの100gに対して、10〜1000g、更に100〜800g、特に300〜500gの割合で使用するのが好ましい。
継代培養の際に使用することができる栄養源や温水の種類と使用量は、一次発酵基質と穀粉に併用することができる栄養源や温水のそれらと同様のものが挙げられる。継代培養の条件も前記発酵条件と同様のものが挙げられる。
【0013】
本発明における穀粉発酵物はそのままで発酵風味菓子の製造に使用することができるが、凍結乾燥法などを用いて乾燥した粉末状にすることにより、酵母菌と乳酸菌が活性を保ったまま生きている、保存性に優れ、安定した品質の穀粉発酵物を得ることができ、発酵風味菓子などの各種菓子の製造に広く応用することが可能となる。
【0014】
次に、本発明の発酵風味菓子の製造方法について説明する。
本発明において、前記穀粉発酵物及び/又はその乾燥粉状品を米粉と水と共に蒸練したのち混練し、形成し、該形成物を焼成することにより、あられや煎餅などの発酵風味米菓を製造することができ、また、前記穀粉発酵物及び/又はその乾燥粉状品を調味材料と混練し、形成し、該成形物を焼成することにより、マフィン様焼き菓子やクッキー様焼き菓子などの発酵風味(洋)菓子を製造することができる。
【0015】
あられの製造を目的とする場合には、発酵風味米菓の製造に使用する米粉としてはもち米粉が好ましく、穀粉発酵物及び/又はその乾燥粉状品としては発酵もち米粉、特に発酵もち米粉の乾燥粉状品を使用するのが好ましい。この場合、(水分を除いた)もち米粉発酵物100gに対して、もち米粉は10〜1000g、更に20〜500g、特に30〜100gの割合で使用するのが好ましい。水は、水分40〜80%、更に50〜70%となるように加えるのが好ましい。
煎餅の製造を目的とする場合には、発酵風味米菓の製造に使用する米粉としては白米粉が好ましく、穀粉発酵物及び/又はその乾燥粉状品としては白米粉発酵物、特に白米粉発酵物の乾燥粉状品を使用するのが好ましい。この場合、(水分を除いた)白米粉発酵物100gに対して、白米粉は100〜10000g、更に300〜5000g、特に500〜2000gの割合で使用するのが好ましい。水は、水分30〜70%、更に40〜60%となるように加えるのが好ましい。
あられや煎餅を製造する際の蒸練条件は、100℃の蒸気で10〜60分間、特に15〜45分間が好ましい。
あられや煎餅を製造する際の焼成条件は、200〜300℃、特に230〜280℃で、2〜10分間、特に3〜7分間が好ましい。
【0016】
前記調味材料は、マフィン様焼き菓子を製造する場合には、卵と油脂(ショートニングなど)と砂糖が主成分であり、穀粉発酵物及び/又はその乾燥粉状品としては米粉発酵物を使用するのが好ましく、(水分を含んだ)もち米粉発酵物と白米粉発酵物の乾燥粉状品を使用するのが最も好ましい。この場合、(水分を除いた)米粉発酵物100gに対して、卵(中身)は10〜500g、更に30〜300g、特に50〜150gの割合で使用するのが好ましく、油脂は10〜300g、更に30〜200g、特に50〜150gの割合で使用するのが好ましく、砂糖は5〜200g、更に10〜100g、特に20〜80gの割合で使用するのが好ましい。
クッキー様焼き菓子を製造する場合には、これらに更にベーキングパウダーを併用し、穀粉発酵物及び/又はその乾燥粉状品としては米粉発酵物を使用するのが好ましく、白米粉発酵物の乾燥粉状品を使用するのが最も好ましい。この場合、(水分を除いた)米粉発酵物100gに対して、卵(中身)は10〜500g、更に30〜300g、特に50〜150gの割合で使用するのが好ましく、油脂は10〜300g、更に30〜200g、特に50〜100gの割合で使用するのが好ましく、砂糖は5〜200g、更に10〜100g、特に20〜80gの割合で使用するのが好ましく、ベーキングパウダーは0.1〜50g、更に0.5〜20g、特に1〜10gの割合で使用するのが好ましい。
マフィン様焼き菓子やクッキー様焼き菓子を製造する際の焼成条件は、100〜350℃、特に150〜200℃で、5〜60分間、特に10〜30分間が好ましい。
【0017】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。
実施例1
酵母菌1.2×10cfu/gと乳酸菌3.4×10cfu/g(合計3.5×10cfu/g)の付着したライ麦粉1000gに対し、35℃の温水2500g及びモルト4gを添加し、発酵機((株)愛工舎製作所製ルバン30)を用いて27℃で8時間、培養液内に酸素が供給できるように、ときどき攪拌しながら培養を行った。その後、10℃になるまで間隔的な攪拌を16時間続けて冷却したのち、10℃で3日間保存した。
次いで、この培養液1000gを用いて、小麦粉2000g、35℃の温水2500g及びモルト4gを添加し、上記と同様の条件、操作で培養し保存した。この操作を更に2回繰り返して、次の特性を有する一次発酵基質を製造した。
一次発酵基質の特性:
酵母菌数;7.2×10cfu/g
乳酸菌数;6.7×10cfu/g
総酸度;7.0
アミノ酸度;0.8
還元糖量;2.4g/100g
pH;3.6
更に、上記一次発酵基質1000gを用いて、上新粉(白米粉)2000g、35℃の温水2500g及びモルト4gを添加し、上記と同様の条件、操作で培養し、二次発酵基質として保存した。
次いで、この培養液1000gを用いて、上新粉2000g、35℃の温水2500g及びモルト4gを添加し、上記と同様の条件、操作で培養して、三次発酵基質とした。
これと同様の培養を更に1回繰り返して、発酵穀粉の99%以上が上新粉(発酵物)となる白米粉発酵物を得た。
白米粉発酵物の特性:
酵母菌数;1.4×10cfu/g
乳酸菌数;4.8×10cfu/g
総酸度;11.3
アミノ酸度;0.7
還元糖量;4.2g/100g
pH;3.5
【0018】
実施例2
実施例1において、上新粉の代りにもち米粉を使用した以外は同様にして、発酵穀粉の99%以上がもち米粉となるもち米粉発酵物を得た。
【0019】
実施例3
実施例1において、上新粉の代りに蕎麦粉を使用した以外は同様にして、発酵穀粉の99%以上が蕎麦粉となる蕎麦粉発酵物を得た。
【0020】
比較例1
上新粉2400gに対し、35℃の温水3400g及びモルト4gを添加し、発酵機を用いて27℃で8時間、培養液内に酸素が供給できるように、ときどき攪拌しながら培養を行った。
【0021】
比較例2
上新粉2400gに対し、35℃の温水3400g、モルト4g、乳酸菌粉末(三共(株)製ラクリスS)1×1012cfu及び酵母菌粉末(日清フーズ(株)製)1×1011cfuを添加し、発酵機を用いて27℃で8時間、培養液内に酸素が供給できるように、ときどき攪拌しながら培養を行った。
【0022】
〔性能品質試験〕
(1)酵母菌数及び乳酸菌数の測定
実施例1〜3において得られた穀粉発酵物の酵母菌数及び乳酸菌数を測定した。
酵母菌数は、クロラムフェニコール50μg/ml加ポテトデキストロース寒天培地で28℃、48時間培養後、算定した。
乳酸菌数は、MRS寒天培地で30℃、48時間嫌気培養(BBL GasPak法)後、算定した。
(2)バチルス属菌数の測定
実施例3において一次発酵基質に蕎麦粉を継ぎ足したとき又は比較例1において原料を混合したときと、27℃で8時間培養したときの、(土壌由来微生物で食物腐敗の原因となる)バチルス属菌数を、発酵物の培養前と培養後として測定した。
バチルス属菌数は、カビサイジン100μg/ml加普通寒天平板表面塗抹法で35℃、48時間培養後出現したコロニーを算定し、バチルス属菌数とみなした。
(3)香り官能検査
実施例1〜3、比較例1〜2において得られた穀粉発酵物(又は生成物)について、4人の専門パネラーにより香りの官能検査を行った。
これらの結果をまとめて表1に示す。
【0023】
【表1】
Figure 0004188146
【0024】
実施例4
実施例1で得た白米粉発酵物100gを用いて、これに上新粉42gを加えてミキサーでそぼろ状にして乾燥し、次いで更に上新粉600g及び35℃の温水500gを添加して水分約50%として混合し、ダンゴ状に成形した。これを100℃の蒸気で30分間蒸したのち混練りし、薄板状に延ばし、型抜き後乾燥した。これを約270℃で4分間焼成して、煎餅を製造した。
この煎餅は、程良い酸味と甘みがあり発酵風味のある味覚であった。
【0025】
実施例5
実施例2で得たもち米粉発酵物の乾燥粉状品1000gを用いて、これにもち米粉500g及び35℃の温水1300gを添加して水分約50%として混合し、ダンゴ状に成形した。これを100℃の蒸気で30分間蒸したのち混練りし、箱に詰めて3〜5℃で約48時間放置し、固めた。これを小さい薄板状に切断し、乾燥したのち約270℃で5分間焼成して、あられを製造した。
このあられは、かなり強い酸味と発酵風味のある味覚であった。
【0026】
実施例6
白くなるまでよく攪拌したショートニング50gにグラニュー糖25gを添加して攪拌し、この中に卵(中身)50gを少しずつ攪拌しながら加えた。この中に更に、実施例1で得た白米粉発酵物の乾燥粉状品100gとベーキングパウダー5gを添加して十分に攪拌したものを紙カップに詰め、180℃で20分間焼成して、クッキー様焼き菓子を製造した。
このクッキー様焼き菓子は、程良い酸味と甘みがあり、発酵風味のある味覚であった。
【0027】
実施例7
白くなるまでよく攪拌したショートニング50gにグラニュー糖25gを添加して攪拌し、この中に卵(中身)50gを少しずつ攪拌しながら加えた。この中に更に、実施例1で得た白米粉発酵物の乾燥粉状品50gと実施例2で得たもち米粉発酵物(生)50gを添加して十分に攪拌したものを紙カップに詰め、180℃で20分間焼成して、マフィン様焼き菓子を製造した。
このマフィン様焼き菓子は、程良い酸味と甘みがあり、発酵風味のある味覚であった。
【0028】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によりはじめて、高い栄養価と十分な発酵風味、旨みや保水性、柔軟性、伸展性などの良好な食感を付与できる安定した品質の穀粉発酵物を用いた発酵風味菓子の製造方法を提供することが可能となった。

Claims (5)

  1. 穀粉発酵物及び/又はその乾燥粉状品を米粉と水と共に蒸練したのち混練し、形成し、該形成物を焼成してなる発酵風味菓子の製造方法であって、
    前記穀粉発酵物が、酵母菌と乳酸菌とにより小麦粉及び/又はライ麦粉を発酵させた一次発酵基質に、小麦粉及びライ麦粉以外の穀粉を加えて発酵させたのち、該発酵物に小麦粉及びライ麦粉以外の穀粉を加えて発酵させる操作を一回以上行なってなる穀粉発酵物であること、を特徴とする前記製造方法。
  2. 前記発酵の際に、酵母菌と乳酸菌が資化できる栄養素を含む栄養供給源と温水を更に配合してなる、請求項1に記載の発酵風味菓子の製造方法
  3. 前記栄養供給源が、モルト、蜂蜜、甘酒、糖類、乳タンパク及びミネラル成分からなる群から選ばれる1種又は2種以上である、請求項2に記載の発酵風味菓子の製造方法
  4. 穀粉発酵物及び/又はその乾燥粉状品を卵と油脂と砂糖を主成分とする調味材料と混練し、形成し、該成形物を焼成してなる発酵風味マフィン様焼き菓子の製造方法であって、
    前記穀粉発酵物が、酵母菌と乳酸菌とにより小麦粉及び/又はライ麦粉を発酵させた一次発酵基質に、米粉を加えて発酵させたのち、該米粉発酵物に米粉を加えて発酵させる操作を一回以上行なってなる米粉発酵物であること、を特徴とする前記製造方法。
  5. 穀粉発酵物及び/又はその乾燥粉状品を卵と油脂と砂糖を主成分とする調味材料及びベーキングパウダーと混練し、形成し、該成形物を焼成してなる発酵風味クッキー様焼き菓子の製造方法であって、
    前記穀粉発酵物が、酵母菌と乳酸菌とにより小麦粉及び/又はライ麦粉を発酵させた一次発酵基質に、米粉を加えて発酵させたのち、該米粉発酵物に米粉を加えて発酵させる操作を一回以上行なってなる米粉発酵物であること、を特徴とする前記製造方法。
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