JP6448841B1 - 乾燥乳酸菌発酵物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】乳酸菌発酵物を、容易に乾燥する手法が求められていた。【解決手段】本発明は、(a) 糊化した米粉を乳酸菌発酵させて第一発酵物を得る、第一発酵工程、(b) 第一発酵物と水とを混合し、乳酸菌を含む上澄液を得る、上澄液採取工程、(c) 上澄液と糊化していない米粉とを混合し、上澄液に含まれた乳酸菌の発酵により第二発酵物を得る第二発酵工程、(d) 第二発酵物を乾燥させて乾燥乳酸菌発酵物を得る、乾燥工程、を含む、乾燥乳酸菌発酵物の製造方法を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、乾燥乳酸菌発酵物の製造方法に関する。
近年の健康志向の高まりから、米や米粉を乳酸菌により発酵させて得られた発酵物を用いた機能性食品や調味料が数多く開発されている。なかでも、発酵物の保存性を高めるため、発酵物を乾燥する技術が開発されている。
例えば、乳酸菌で発酵して得られた発酵米を水洗して粉砕し、流動層乾燥機で乾燥したもの(特許文献1、2及び3参照)、米粉を含む粉組成物を乳酸菌株培養物と混合して発酵させて得られたスターターを乾燥する方法(特許文献4参照)、米粉を含む液体培地中で乳酸菌等を培養して取得された培養物を凍結乾燥させたもの(特許文献5参照)、酵母と乳酸菌を小麦粉等で発酵させた一次発酵基質に、米粉等の穀粉を加えて発酵させた穀粉発酵物を乾燥して粉末状としたもの(特許文献6参照)、乳酸菌発酵米を乾燥してパウダーとした乳酸発酵米粉(特許文献7参照)等が挙げられる。
一方、本願発明者は、日本国琵琶湖周辺の伝統的な健康志向食品である鮒寿司に着目し、鮒寿司の健康志向性を万人が広く享受できる食品を提供することを目的として、鮒寿司由来の乳酸菌を用いた乳酸菌発酵物(特許文献8参照)や、乳酸菌発酵物を用いた乳化剤(特許文献9参照)の開発に成功した。
特開2016-166141号公報 特開2016-084303号公報 特開平6-217719号公報 特開2009-543576号公報 特開2006-238743号公報 特開2004-357631号公報 特開平11-266775号公報 特許第5175991号 特許第6231235号
特許文献8及び特許文献9に記載の発明は、万人が摂取しやすく且つ鮒寿司の健康志向性を享受できる食品を提供するが、保存性を高めるため、乳酸菌発酵物の乾燥に対するニーズがあった。しかし、米粉溶解物を乳酸菌発酵させて得られた乳酸菌発酵物を乾燥しようとした場合、乳酸菌発酵物の粘度が高く、発酵物の内部に含まれる水分が蒸発しにくいという課題があった。特に、鮒寿司由来の乳酸菌は、米や米粉に対する発酵能が高いと考えられ、米粉溶解物を原料とした発酵物の粘度が高まる傾向がみられた。そこで、米や米粉に対する発酵能が高い乳酸菌の発酵物を、容易に乾燥する手法が求められていた。
すなわち、本発明は、乾燥乳酸菌発酵物の製造方法であり、(a) 糊化した米粉を乳酸菌発酵させて第一発酵物を得る、第一発酵工程、(b) 第一発酵物と水とを混合し、乳酸菌を含む上澄液を得る、上澄液採取工程、(c) 上澄液と糊化していない米粉とを混合し、上澄液に含まれた乳酸菌の発酵により第二発酵物を得る第二発酵工程、(d) 第二発酵物を乾燥させて乾燥乳酸菌発酵物を得る、乾燥工程含む。
また、別の本発明は、乳酸菌が鮒寿司の飯部由来である。鮒寿司の飯部由来の乳酸菌は、糊化した米粉で盛んに発酵するため、本発明により鮒寿司の飯部由来の乳酸菌の乾燥物が得られる。
また、別の本発明は、第一発酵工程(a)における乳酸菌発酵は、1種又は複数種の乳酸菌が含まれる鮒寿司の少なくとも飯部と、糊化した米粉とを混合して混合物を得、混合物に含まれる乳酸菌の発酵である。
さらに、別の本発明は、第一発酵工程(a)における糊化した米粉は、糊化温度以上の水に米粉を溶解させて得られた米粉溶解物であり、第二発酵工程(c)における糊化していない米粉は、糊化温度未満の水に米粉を溶解させて得られた米粉溶解物である。
別の本発明は、第二発酵工程(c)において、さらに食酢を混合する。発酵時のpHを酸性とすることで、乳酸菌の発酵が促進される。
別の本発明は、乾燥工程(d)における乾燥温度は、第二発酵物の糊化温度未満である。第二発酵物を糊化せずに乾燥することで、第二発酵物の乾燥が促進される。
本発明により、鮒寿司由来の乳酸菌等、米や米粉に対する発酵能が高い乳酸菌発酵物を、低い温度でも容易に乾燥することができ、保存性に優れた乳酸菌発酵物の提供が可能となる。第一発酵物は健康志向性の高い乳酸菌が豊富に含まれており、第二発酵工程を経ることで、当該乳酸菌の乾燥発酵物を得ることができる。本発明により提供される乳酸菌発酵物は、健康志向性が高く、且つ保管や流通が容易な食品、化粧品、医薬品、新たな発酵物を製造する際の種菌等になり得る。
また、上澄液採取工程により、粘度の高い第一発酵物から第二発酵工程の発酵に用いる乳酸菌を効率的に採取し、且つ、第二発酵工程の基質と速やかに均質化することができる。
さらに、本発明は、発酵基質に米のみを用いて製造することができるため、少なくとも米に対するアレルギーが無い者であれば、安心して食することができる。
本発明の製造方法を表すフロー図である。
本発明の乾燥乳酸菌発酵物の製造方法を、実施形態を参照して詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明の乾燥乳酸菌発酵物の製造方法は、(a)糊化した米粉を乳酸菌発酵させて第一発酵物を得る第一発酵工程、(b)第一発酵物と水とを混合し、乳酸菌を含む上澄液を得る上澄液採取工程、(c)上澄液と糊化していない米粉とを混合し、上澄液に含まれた乳酸菌の発酵により第二発酵物を得る第二発酵工程、(d) 第二発酵物を乾燥させて乾燥乳酸菌発酵物を得る乾燥工程を含む。図1に本発明の製造方法のフローを示した。以下、各工程を詳細に説明する。
(a) 第一発酵工程
第一発酵工程(a)は、糊化した米粉を乳酸菌発酵させて第一発酵物を得る工程である。本工程では、糊化した米粉を基質として乳酸菌が発酵し、第一発酵物が得られる。本工程における乳酸菌は、鮒寿司の飯部に由来する乳酸菌であることが好ましい。
ここで、鮒寿司とは、日本国の琵琶湖周辺の伝統的な特産物であり、鮒部と飯部とから構成される。鮒部とは鮒寿司のうち鮒に由来する部位をいい、飯部とは鮒寿司のうち飯に由来する部位をいう。以下、鮒寿司の製造方法の一例を説明する。
まず、鮒寿司にはニゴロブナやゲンゴロウブナ等の鮒が用いられる。ここで用いられる鮒は、琵琶湖の固有種であるニゴロブナが好ましい。鮒のウロコとエラを取り除き、腹開きにして内臓を取り除く(以下、本工程を腹出し工程と呼称する。)。メスの鮒を用いた場合は、卵巣を残すことが望ましい。さらに、鮒の腹腔内に塩を詰め(以下、本工程を塩詰め工程と呼称する。)、鮒同士が密になるように容器に入れ、落とし蓋の上から重しを乗せて冷暗所で数カ月程度保管する(以下、本工程を塩切り工程と呼称する。)。
塩切り工程後の鮒を水洗いし、水に浸漬して塩を抜く(以下、本工程を塩抜き工程と呼称する。)。さらに、塩を混ぜた飯を鮒の身の中に詰め、容器に飯を詰めた鮒と飯とを交互に敷き詰め、落とし蓋の上から重しを乗せて冷暗所で数カ月間から数年間保管する(以下、本工程を本漬け工程と呼称する。)。本漬け工程では、容器中に含まれる1種又は複数種の乳酸菌が増殖し、乳酸発酵が盛んに行われる。本漬け工程では、鮒と飯との他に、焼酎や酒等のアルコール飲料や、米麹等を加える場合もある。
このように製造された鮒寿司には1種又は複数種の乳酸菌が含まれており、該乳酸菌による乳酸発酵により健康志向性の高い物質が蓄積される。したがって、鮒寿司は健康志向食品として知られている。本発明は、このようにして製造された鮒寿司を用いて乾燥乳酸菌発酵物を製造する方法を含む。
すなわち、第一発酵工程は、1種又は複数種の乳酸菌が含まれる鮒寿司の少なくとも飯部と、糊化した米粉とを混合して混合物を得る工程、及び、当該混合物に含まれる乳酸菌の発酵により第一発酵物を得る工程であり得る。
また、糊化した米粉とは、糊化状態にある米粉であり、糊化(α化ともいう)したデンプンを含有する米粉であり得る。さらに、具体的には、米粉に含有されるデンプンの糊化温度以上の水に米粉を溶解させて得られた米粉溶解物であり得る。ここで、米粉溶解物とは、米を粉砕して生成される米粉を水に溶かしたものをいう。本工程における米粉の水への溶解は、例えば60℃〜98℃の高温の条件で、撹拌しながら行うことが好ましい。また、米粉溶解物は、米粉の約1倍重量〜約5倍重量の水を用いて溶かしたものであることが好ましく、米粉の約3倍重量の水を用いることがさらに好ましい。また、米粉溶解物は、流動性を有することが好ましい。
第一発酵工程においては、乳酸菌が含まれる糊化した米粉を37℃〜40℃とすることで、米粉に含まれる乳酸菌が発酵する。第一発酵工程の発酵時間は4時間〜12時間であり、好ましくは6時間〜10時間であり、より好ましくは8時間である。
(b) 上澄液採取工程
本発明における上澄液採取工程は、第一発酵物と水とを混合し、乳酸菌を含む上澄液を得る工程である。第一発酵物は、粘度が高く、乾燥しにくいため、直接乾燥に供することはできない。そこで、少なくとも2段階の発酵工程が必要となる。また、第一発酵物は、粘度が高いことから、第二発酵工程の発酵基質となる糊化していない米粉と混合して均質化することも困難である。そこで、第一発酵物に含まれる乳酸菌を効率的に採取し、第二発酵工程の基質と速やかに均質化する手法として、本工程に到達した。
第一発酵物に混合する水の容量は、第一発酵物から上澄液を十分に採取可能な容量であれば限定されないが、好ましくは第一発酵物の2倍〜10倍であり、より好ましくは第一発酵物の3倍である。
第一発酵物に水を混合し、静置することで、乳酸菌を含む上澄液を得ることができる。混合後の静置時間は、上澄液が採取可能な状態となれば限定されないが、好ましくは、10分〜48時間であり、より好ましくは1時間〜30時間であり、さらに好ましくは24時間である。
(c) 第二発酵工程
本発明における第二発酵工程は、上澄液と糊化していない米粉とを混合し、上澄液に含まれた乳酸菌の発酵により第二発酵物を得る工程である。上澄液と、糊化していない米粉の混合物には、上澄液由来の乳酸菌が含まれるため、該乳酸菌の発酵により第二発酵物が得られる。
糊化していない米粉とは、糊化状態にない米粉であり、糊化(α化ともいう)していないデンプン、又は老化(β化ともいう)したデンプンを含有する米粉であり得る。さらに、具体的には、本工程における混合物は、上澄液と米粉とを糊化温度未満で混合して得られたものである。該混合物中の米粉の一部又は全ては水に溶解しても構わない。本工程における上澄液と米粉との混合は、例えば60℃未満の条件で、好ましくは室温で、撹拌しながら行うことが好ましい。また、上澄液と米粉との混合は、上澄液の約1倍重量〜約5倍重量の米粉を用いて混合したものであることが好ましく、上澄液の約3倍重量の米粉を用いることがさらに好ましい。また、糊化していない米粉は、上澄液との混合前に、事前に水と混合させた状態で、さらに上澄液と混合させても構わない。
また、上澄液と米粉との混合物は、空気を吹き込ませながら混合したり、粒径の小さな米粉を用いたりすることで、流動性を有することが好ましい。乳酸菌を混合物中で均一に発酵させるためである。すなわち、本工程の一態様は、上澄液と糊化していない米粉とを、空気を吹き込ませながら混合し、上澄液に含まれた乳酸菌の発酵により第二発酵物を得る工程である。
第二発酵工程においては、上澄液と糊化していない米粉とを混合し、得られた混合物を37℃〜40℃とすることで、上澄液由来であり該混合物に含まれる乳酸菌が発酵する。本工程では、第一発酵物に比べて粘度が低い第二発酵物が得られる。
第二発酵工程においては、上澄液と糊化していない米粉とに加えて、食酢を混合することが好ましい。混合物を弱酸性とすることで、他の微生物の増殖を防ぎ、且つ乳酸菌の発酵を促すことができるためである。混合物のpHは3〜5とすることが好ましい。
(d) 乾燥工程
本発明における乾燥工程は、第二発酵物を乾燥させて乾燥乳酸菌発酵物を得る工程である。乾燥の手段としては、送風乾燥、凍結乾燥や流動層乾燥等の既知の手法を用いることができる。また、第二発酵物に含まれる乳酸菌の死滅や、第二発酵物に含まれるデンプンの糊化を防ぐため、低い温度で乾燥させることが好ましい。具体的には、乾燥温度は30℃〜60℃が好ましく、35℃〜40℃がより好ましい。
また、第二発酵物の水分含量が変化しなくなるまで乾燥させることが好ましく、その際の水分含量は15%以下、14%以下、13%以下、12%以下、11%以下、又は10%以下であり得る。本工程で得られた乾燥乳酸菌発酵物は、粉砕し、粉末状とすることができる。
本発明において得られた乾燥乳酸菌発酵物は、食品や栄養補助食品として摂取してもよいが、米や米粉を原料とした発酵物の種菌として用いることができる。本発明において得られた乾燥乳酸菌発酵物や、乾燥乳酸菌発酵物を種菌として製造された発酵物は、鮒寿司由来の乳酸菌が豊富に含まれており、鮒寿司と同等以上の健康志向性を持っていることから、癌の予防・改善効果、糖尿病・炎症性腸疾患等の生活習慣病の予防・改善効果、アトピー性皮膚炎の予防・改善効果、その他アレルギー性疾患の予防・改善効果等が摂取することで期待される。
すなわち、本発明は、乾燥乳酸菌発酵物及び乾燥乳酸菌発酵物を種菌として製造された発酵物を有効成分とする癌予防・治療剤、糖尿病・炎症性腸疾患等の生活習慣病の予防・治療剤、アトピー性皮膚炎等のアレルギー性疾患の予防・治療剤を包含する。
実施例を参照して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されない。
(a) 第一発酵工程
撹拌機に98℃・10Lの水を入れ、撹拌しながら4.0kgの米粉を入れ、その後15分間撹拌して糊化した米粉溶解物を得た。該米粉溶解物中の米粉が糊化したことを確認した。さらに、米粉溶解物が鮒寿司と同等の塩分濃度である2.5%となるよう、米粉と同時に食塩を0.35kg添加した。米粉は、60メッシュの篩で篩過させて含気処理を施したものを用いた。米粉溶解物を40℃まで冷まし、1種又は複数種の乳酸菌が含まれる滋賀県高島市産の鮒寿司の飯部及び鮒部を、米粉溶解物と混合して混合物を得た。該混合物を、38℃で8時間維持し、混合物中の乳酸菌の発酵を促して、第一発酵物を得た。第一発酵物の粘度が非常に高いことを確認した。
また、別の第一発酵工程として、鮒寿司に由来する乳酸菌の発酵物から第一発酵物を得た。すなわち、撹拌機に98℃・10Lの水を入れ、撹拌しながら4.0kgの米粉を入れ、その後15分間撹拌して米粉溶解物を得た。該米粉溶解物中の米粉が糊化したことを確認した。さらに、米粉溶解物が鮒寿司と同等の塩分濃度である2.5%となるよう、米粉と同時に食塩を0.35kg添加した。米粉は、60メッシュの篩で篩過させて含気処理を施したものを用いた。米粉溶解物を40℃まで冷まし、1種又は複数種の乳酸菌が含まれる滋賀県高島市産の鮒寿司の飯部に由来する乳酸菌を用いた米粉溶解物の発酵物を、米粉溶解物と混合して混合物を得た。該混合物を、38℃で8時間維持し、混合物中の乳酸菌の発酵を促して、第一発酵物を得た。第一発酵物の粘度が非常に高いことを確認した。
(b) 上澄液採取工程
第一発酵物を1kg分取し、3Lの水を加えて撹拌し、24時間静置したところ、第一発酵物が十分に沈降したため、480mLの上澄液を採取した。
(c) 第二発酵工程
480mLの上澄液に、20mLの食酢を加え、さらに、1.5kg米粉を加えて混合した。該混合物中の米粉は糊化していないことを確認した。該混合物を、38℃で24時間維持し、混合物中の乳酸菌の発酵を促して、第二発酵物を得た。第二発酵物の粘度は、第一発酵物に比べて低いことを確認した。
(d) 乾燥工程
第二発酵物を、パラフィン紙を敷いたカゴに収容し、多目的電気乾燥機ドラッピーDSK-10(静岡製機社製)を用いて、38℃で6時間乾燥した。第二発酵物の重量変化がなくなったため、乾燥が完了したと判断された。該乾燥乳酸菌発酵物を粉砕したところ、粉末状となった。
比較例として、第一発酵物に対し、同様の条件で乾燥工程を施した。第一発酵物の重量変化がなくなったために、粉砕を試みたが、粉末化することはできなかった。本乾燥条件では、粘度の高い第一発酵物を十分に乾燥させることができなかったと推察され、本実施例の優位性が示された。
本実施例において得られた乾燥乳酸菌発酵物に含まれる乳酸菌数を測定した。乾燥乳酸菌発酵物1g当たり、88,000,000個の乳酸菌が検出された。一方で、大腸菌群や黄色ブドウ球菌は非検出であった。
さらに、本実施例において得られた乾燥乳酸菌発酵物に含まれる乳酸菌が、新たな発酵物の種菌となり得るか否かを検証した。98℃・500mLの水に、撹拌しながら米粉150gを加えて、糊化した米粉溶解物を得た。該米粉溶解物を37℃まで冷まして187g分取し、13gの乾燥乳酸菌発酵物を混合した。該混合物のpHは5.3であった。さらに、該混合物を38℃で維持した。5時間後には、該混合物のpHは5以下となり、24時間後のpHは3であった。したがって、乾燥乳酸菌発酵物に含まれる乳酸菌から新たな発酵物が得られることがわかった。
当該発酵物をアトピー性皮膚炎の犬に摂取させたところ、アトピー性皮膚炎の改善効果が確認された。


Claims (4)

  1. (a) 糊化した米粉を乳酸菌発酵させて第一発酵物を得る第一発酵工程、
    (b) 前記第一発酵物と水とを混合し、乳酸菌を含む上澄液を得る上澄液採取工程、
    (c) 前記上澄液と糊化していない米粉とを混合し、前記上澄液に含まれた乳酸菌の発酵により第二発酵物を得る第二発酵工程、
    (d) 前記第二発酵物を乾燥させて乾燥乳酸菌発酵物を得る乾燥工程、
    を含み、
    第一発酵工程(a)における乳酸菌発酵は、
    1種又は複数種の乳酸菌が含まれる鮒寿司の少なくとも飯部と、糊化した米粉とを混合して混合物を得、前記混合物に含まれる乳酸菌の発酵であり、
    乾燥工程(d)における乾燥温度は、前記第二発酵物の糊化温度未満である、
    乾燥乳酸菌発酵物の製造方法
  2. 第一発酵工程(a)における糊化した米粉は、糊化温度以上の水に米粉を溶解させて得られた米粉溶解物である、請求項に記載の乾燥乳酸菌発酵物の製造方法
  3. 第二発酵工程(c)における糊化していない米粉は、糊化温度未満の水に米粉を溶解させて得られた米粉溶解物である、請求項1又は2に記載の乾燥乳酸菌発酵物の製造方法
  4. 第二発酵工程(c)において、さらに食酢を混合する、請求項1〜いずれか一項に記載の乾燥乳酸菌発酵物の製造方法
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