JP2004222684A - ゼリー状澱粉発酵食品の製造方法。 - Google Patents
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Abstract
【課題】澱粉を原料として発酵澱粉を調製し、保健機能を有する発酵食品の原料とする。
【解決手段】糖質以外の栄養成分に乏しい澱粉に微生物の発育に必要な栄養成分としてタンパク質を1〜3%添加しpH4.0〜pH5.0(Aw)=0.90〜0.98、酵素5〜8PPm/ml、温度20℃〜35℃に環境因子を調整し、酵母、乳酸菌、酢酸菌などの有益な微生物を発育させて発酵澱粉を調製する。この発酵澱粉に天然多糖類を添加し、更に天然又は合成の果汁液又は乳酸発酵乳液などにより風味付けした懸濁液を沸騰加熱処理してゼリー状澱粉発酵食品を製造する。
【選択図】なし
【解決手段】糖質以外の栄養成分に乏しい澱粉に微生物の発育に必要な栄養成分としてタンパク質を1〜3%添加しpH4.0〜pH5.0(Aw)=0.90〜0.98、酵素5〜8PPm/ml、温度20℃〜35℃に環境因子を調整し、酵母、乳酸菌、酢酸菌などの有益な微生物を発育させて発酵澱粉を調製する。この発酵澱粉に天然多糖類を添加し、更に天然又は合成の果汁液又は乳酸発酵乳液などにより風味付けした懸濁液を沸騰加熱処理してゼリー状澱粉発酵食品を製造する。
【選択図】なし
Description
【0001】[発明が属する技術分野]
本発明は有益微生物を複合させた発酵澱粉による保健機能を有することを特徴としたゼリー状澱粉発酵食品の製造方法に関する。
【0002】糖質以外の栄養成分に乏しい澱粉に酵母菌、乳酸菌、酢酸菌、などの有益な微生物(発酵菌)を速やかに発育させる目的により、タンパク質又は、タンパク質含有物質を緩和し、そのタンパク質含有量を固形部換算で1〜3重量%に設定し、その後加水を行い澱粉区の水素イオン濃度をpH4.0〜pH5.0の範囲に酸性溶液を用いて調整を行い、水分活性(Aw)=0.90〜0.98の範囲に調整すると共に温度を20℃〜35℃に設定し酸素を5〜8PPm/ml 供給し、前記環境因子の相剰的な操作を行い発酵菌を1×106/g〜1×109/gに増殖させて複合した機能性発酵澱粉を作成する。
【0003】発酵を確認した後に加水澱粉区の温度を10℃〜15℃水素イオン濃度pH3.0〜3.2水分活性(Aw)=0.90〜0.88に調整し発酵現象を停止させる。その後、発酵澱粉の水懸濁液を作成しアルカリ溶液を添加しpH3.0〜pH9.0周辺に段階的に上昇させ発酵現象により生成された短鎖脂肪酸や変性したタンパク質(アミノ酸類)の溶質を添加したアルカリ溶液のイオン電荷により解離させ精製を行い、更にクエン酸を添加しpH3.0〜pH4.0周辺に調整し発酵菌を仮死状態(胞子形成)にして安定させる。
【0004】発酵菌を安定させた発酵澱粉と天然多糖類を含有させた水懸濁液に天然果汁又は合成の果汁、又は乳酸菌発酵乳液などにより味付けした加熱前の水懸濁液を作成し沸騰加熱処理を行いゼリー状澱粉発酵食品を製造する。
【0005】[産業上の利用分野]
澱粉に有益な微生物を発育させた機能性発酵澱粉を原料として生産されるゼリー状澱粉発酵食品は、耐性菌(MRS)及びポストハーベスト農薬などの薬害影響を受けることなく、安全な保健機能食品を次世代に提供することができる。。
【0006】冷水に不溶で沈殿性のたかい泥状物である澱粉は水素イオン濃度にも安定であり、利用目的の有益な微生物を発育させて複合させるには非常に合理的な菌床(培地)である。目的の微生物を加水澱粉区に大量に増殖させても澱粉の物性はほとんど変化することがなく、変化したとしても澱粉のα−1.4結合部分のアミロースが2−3%程度消化されるにとどまり、残りの20〜30%のアミロースが微生物が作成する化合物(酵母アミラーゼ)などにより短鎖に切断される程度であり、ゼリー状食品を作成するには適材となる。又、有益微生物の発育による発酵現象は加水澱粉区に短鎖脂肪酸や変性したタンパク質(アミノ酸類)などの電解質の溶質を生成し、これらの変性物質による発酵臭も同時に発生させるが、水素イオン濃度に安定である澱粉はアルカリ溶液水、及び、酸性溶液水を使い分けすることにより前記生成の電解質の溶質をイオンの活量により解離し無臭の有益微生物複合澱粉に精製することが出来る。
【0007】[従来の技術及び発明が解決しようとする課題]
発酵食品は味噌、正油、漬物類、納豆、乳酸発酵乳などの発酵食品が古くから生産され人々の健康に貢献している。
【0008】しかしながら有益な微生物を利用した発酵食品は製品に含有される微生物のコントロールが非常に難しいものが有り、製品がもつ栄養成分や水素イオン濃度(pH)、水分活性(Aw)、酸素の含有及び流通保存温度などの木目こまかなコントロールが必要であることから目新しい発酵食品の開発が行われていないのが現状である。
【0009】[発明が課題を解決する手段]
本発明者は新しい発酵食品の鋭意研究を行うなかで、澱粉が発酵性微生物によってその物性が殆ど変化しない事に着目し研究を重ねた結果、糖質以外の栄養成分に乏しい澱粉に発酵菌の発育に必要な栄養成分としてタンパク質、又は、タンパク質含有物質を緩和すると共に、加水澱粉区の水素イオン濃度pH4.0〜pH5.0、水分活性(Aw)=0.90〜0.98、酸素5〜8PPm/ml、温度20℃〜35℃に調整し環境因子の相剰的な操作を行うことで栄養成分に乏しい澱粉に短期間で大量の発酵菌を発育させることに成功した。
【0010】有益な微生物である酵母、乳酸菌、酢酸菌、有益細菌などを複合した澱粉により、澱粉ヨーグルト、豆乳ヨーグルト、澱粉発酵乳、澱粉発酵ゼリー、澱粉発酵ポタージュスープ、澱粉発酵豆腐、澱粉発酵カレー、などの多くの発酵食品が製菓、製麺、製パン冷凍食品、果汁飲料食品、乳液食品などの幅広い分野で新しい発酵食品が生産できる。
【0011】澱粉に有益な微生物の発育に必要な量の栄養素を緩和することが出来ると共に、水素イオン濃度に安定な澱粉はpH5.0〜pH3.5周辺の酸性の領域で発育できる酵母、乳酸菌、酢酸菌、及び、その他の有益な細菌を優先して発育させることができ食中毒などの原因と成る有害菌を発育させることなく、有益な微生物を優先して発育させることができる又、発酵現象を停止させた後の澱粉は沈殿性がたかいことから数回に渡り水洗することが可能であり、アルカリ溶液水や酸性の溶液水を使用して発酵現象による変性物質をイオンに解離させ澱粉から分離することができ、発酵菌が混在していても無臭の機能性発酵澱粉に精製することができる。
【0012】又、発酵澱粉の水懸濁液を作成しこの懸濁液に空洞現象(キャビテーション)を発生させ、水懸濁液の媒質に物理化学的な変化をもたらせ、増殖しすぎた発酵菌を間引き調整することが可能であり、目的の発酵食品の必要生菌数に調整することができる。
【0013】澱粉に増殖しすぎた発酵菌を空洞現象を発生させて澱粉から分離し間引き調整を行っても、発酵澱粉には次世代発育可能な芽胞(胞子)を大量に有しており、喫食後消化器官内の栄養成分や体温(36℃)などの条件により速やかに発育し酵素を生産することができる保健機能を有する発酵食品を得ることが出来る。
【0014】実施例により本発明を更に詳しく説明する。尚、本発明はこの実施例により限定されるものではない。
【0015】実施例
請求項(2)に記載した地上系澱粉群の中から、粳米澱粉、小麦吟澱粉、トウモロコシ澱粉、じゃがいも澱粉の4種を選び、この4種の澱粉にグルテン含有量約12重量%の小麦粉を20%緩和し、澱粉に加水して温度35℃に加熱保温し、水素イオン濃度pH5.0に調整を行い、澱粉が沈殿しないようにタンク底部に水中ポンプを作動させて攪拌移動させ水分活性(Aw)=0.98周辺に調整を行なった4日経過後に発酵現象を確認した。10日継続した結果1×108/gの発酵菌を発育させることができた。
【0016】前記[0015]と同方法により各澱粉に大豆豆腐のおから(タンパク質約7%)を30重量%緩和させ前記[0015]と同方法で発育させた結果、小麦グルテンの緩和と同じ結果を得ることができた。
【0017】発酵性微生物の生育が確認された後に、クエン酸溶液を添加しpH3.0に調整を行い、温度15℃に低下させ発酵菌を胞子形成により休眠させ発酵現象を停止させた。15日経過後に完全に発酵停止を確認した。
【0018】発酵停止後の澱粉15重量%の水懸濁液を作成し、攪拌しながら2重量%の水酸化ナトリウム溶液を添加しpH3.0〜pH9.0に段階的に上昇させて、発酵現象により生じた短鎖脂肪酸及び変性したタンパク質(アミノ酸類)などの溶質をアルカリ溶液の活量によりイオン電解させ解離した。
【0019】その後、水洗いを行いpH7.0に低下させ、更にクエン酸溶液を添加しpH3.0に調整し水分45%に脱水し温度4℃で保存した。
【0020】発酵菌複合小麦吟澱粉固形部換算で5重量%に天然多糖類から寒天を選び固形部換算で0.4重量%を混合させた後に、天然果汁の中からアセロラ飲料約950cc加えた加熱前の懸濁液を作成し、pHをクエン酸溶液を添加しpH3.5に調整し沸騰加熱処理を行い目的のゼリー状澱粉発酵食品を完成させた。
【0021】完成したゼリー状澱粉発酵食品は、前記[0018]に記載した方法により発酵澱粉に混在する溶質を解離させたことにより、発酵臭を感じさせることなくアセロラ飲料の味を生かした口当たりの良いテクスチャーであった。
【0022】通常では澱粉5重量%の懸濁液を沸騰加熱させた場合、澱粉が膨潤し糊化してべとつきがありテクスチャーがよくないものであるが、天然多糖類のなかから選んだ寒天粉を0.4重量%緩和したことによりサクッとした乳ヨーグルトと同等テクスチャーを得ることができた。
【0023】天然多糖類は酵素や化学物質に比較的安定でありゼリー状食品のテクスチャーの改善及び製品の保存安定に不可欠であることから0.2重量%〜1.0重量%添加する。
【0024】前記[0015]〜[0020]と同方法により、粳米澱粉、じゃがいも澱粉、トウモロコシ澱粉によりゼリー状発酵食品を作成した。前記[0020]記載の小麦吟澱粉と同等のテクスチャーを得ることができた。
【0025】又動物性タンパク質を含有した物質の中から、牛乳及び乳酸菌発酵乳液を選び、澱粉に緩和しpH3.7〜pH4.0の酸性領域に設定を行い、前記乳酸菌を発育させた乳酸菌複合澱粉を作成し[0015]〜[0020]記載と同方法で乳酸菌を複合したゼリー状澱粉発酵食品を得ることができた。
【0026】前記[0015]〜[0020]に記載した方法により生産されたゼリー状澱粉発酵食品の酵母菌又は乳酸菌の生菌数を1×107/mlに設定し無脂固形分8重量%以上に調整を行い大腸菌群を陰性にすることにより、現在生産され市場を流通している乳酸菌発酵乳(ヨーグルト)の規格に適合するものであり、植物性澱粉発酵乳又は植物性澱粉発酵ヨーグルトの生産が可能である。
【0027】[発明の効果]
以上本発明を詳しく説明したように、糖質以外の栄養成分に乏しい澱粉でも利用目的微生物の発育に必要な条件を整えることで、短期間に大量の微生物を安全な方法(有害菌が発育しない)で発育させることができ、この発酵菌複合澱粉を原料として製菓、製麺、製パン、冷凍食品、果汁飲料食品、乳液食品などの幅広い分野で多くの機能性食品を生産することができる。
【0028】今後の課題
数十年の長期にわたり養畜産及び養殖魚類などに大量に投与され続けてきた抗生物質が主な原因とされているMRSA(耐性菌)が次世代に及ぼす影響は避けられないものと思われることから、今後安全で有意義な食品の提供が必要であり、微生物を発育させても物性の機能変化が最も少ない澱粉に有益な微生物を合理的に発育させた発酵澱粉を原料として多くの安全な発酵食品を開発することができる技術研究が求められる。
本発明は有益微生物を複合させた発酵澱粉による保健機能を有することを特徴としたゼリー状澱粉発酵食品の製造方法に関する。
【0002】糖質以外の栄養成分に乏しい澱粉に酵母菌、乳酸菌、酢酸菌、などの有益な微生物(発酵菌)を速やかに発育させる目的により、タンパク質又は、タンパク質含有物質を緩和し、そのタンパク質含有量を固形部換算で1〜3重量%に設定し、その後加水を行い澱粉区の水素イオン濃度をpH4.0〜pH5.0の範囲に酸性溶液を用いて調整を行い、水分活性(Aw)=0.90〜0.98の範囲に調整すると共に温度を20℃〜35℃に設定し酸素を5〜8PPm/ml 供給し、前記環境因子の相剰的な操作を行い発酵菌を1×106/g〜1×109/gに増殖させて複合した機能性発酵澱粉を作成する。
【0003】発酵を確認した後に加水澱粉区の温度を10℃〜15℃水素イオン濃度pH3.0〜3.2水分活性(Aw)=0.90〜0.88に調整し発酵現象を停止させる。その後、発酵澱粉の水懸濁液を作成しアルカリ溶液を添加しpH3.0〜pH9.0周辺に段階的に上昇させ発酵現象により生成された短鎖脂肪酸や変性したタンパク質(アミノ酸類)の溶質を添加したアルカリ溶液のイオン電荷により解離させ精製を行い、更にクエン酸を添加しpH3.0〜pH4.0周辺に調整し発酵菌を仮死状態(胞子形成)にして安定させる。
【0004】発酵菌を安定させた発酵澱粉と天然多糖類を含有させた水懸濁液に天然果汁又は合成の果汁、又は乳酸菌発酵乳液などにより味付けした加熱前の水懸濁液を作成し沸騰加熱処理を行いゼリー状澱粉発酵食品を製造する。
【0005】[産業上の利用分野]
澱粉に有益な微生物を発育させた機能性発酵澱粉を原料として生産されるゼリー状澱粉発酵食品は、耐性菌(MRS)及びポストハーベスト農薬などの薬害影響を受けることなく、安全な保健機能食品を次世代に提供することができる。。
【0006】冷水に不溶で沈殿性のたかい泥状物である澱粉は水素イオン濃度にも安定であり、利用目的の有益な微生物を発育させて複合させるには非常に合理的な菌床(培地)である。目的の微生物を加水澱粉区に大量に増殖させても澱粉の物性はほとんど変化することがなく、変化したとしても澱粉のα−1.4結合部分のアミロースが2−3%程度消化されるにとどまり、残りの20〜30%のアミロースが微生物が作成する化合物(酵母アミラーゼ)などにより短鎖に切断される程度であり、ゼリー状食品を作成するには適材となる。又、有益微生物の発育による発酵現象は加水澱粉区に短鎖脂肪酸や変性したタンパク質(アミノ酸類)などの電解質の溶質を生成し、これらの変性物質による発酵臭も同時に発生させるが、水素イオン濃度に安定である澱粉はアルカリ溶液水、及び、酸性溶液水を使い分けすることにより前記生成の電解質の溶質をイオンの活量により解離し無臭の有益微生物複合澱粉に精製することが出来る。
【0007】[従来の技術及び発明が解決しようとする課題]
発酵食品は味噌、正油、漬物類、納豆、乳酸発酵乳などの発酵食品が古くから生産され人々の健康に貢献している。
【0008】しかしながら有益な微生物を利用した発酵食品は製品に含有される微生物のコントロールが非常に難しいものが有り、製品がもつ栄養成分や水素イオン濃度(pH)、水分活性(Aw)、酸素の含有及び流通保存温度などの木目こまかなコントロールが必要であることから目新しい発酵食品の開発が行われていないのが現状である。
【0009】[発明が課題を解決する手段]
本発明者は新しい発酵食品の鋭意研究を行うなかで、澱粉が発酵性微生物によってその物性が殆ど変化しない事に着目し研究を重ねた結果、糖質以外の栄養成分に乏しい澱粉に発酵菌の発育に必要な栄養成分としてタンパク質、又は、タンパク質含有物質を緩和すると共に、加水澱粉区の水素イオン濃度pH4.0〜pH5.0、水分活性(Aw)=0.90〜0.98、酸素5〜8PPm/ml、温度20℃〜35℃に調整し環境因子の相剰的な操作を行うことで栄養成分に乏しい澱粉に短期間で大量の発酵菌を発育させることに成功した。
【0010】有益な微生物である酵母、乳酸菌、酢酸菌、有益細菌などを複合した澱粉により、澱粉ヨーグルト、豆乳ヨーグルト、澱粉発酵乳、澱粉発酵ゼリー、澱粉発酵ポタージュスープ、澱粉発酵豆腐、澱粉発酵カレー、などの多くの発酵食品が製菓、製麺、製パン冷凍食品、果汁飲料食品、乳液食品などの幅広い分野で新しい発酵食品が生産できる。
【0011】澱粉に有益な微生物の発育に必要な量の栄養素を緩和することが出来ると共に、水素イオン濃度に安定な澱粉はpH5.0〜pH3.5周辺の酸性の領域で発育できる酵母、乳酸菌、酢酸菌、及び、その他の有益な細菌を優先して発育させることができ食中毒などの原因と成る有害菌を発育させることなく、有益な微生物を優先して発育させることができる又、発酵現象を停止させた後の澱粉は沈殿性がたかいことから数回に渡り水洗することが可能であり、アルカリ溶液水や酸性の溶液水を使用して発酵現象による変性物質をイオンに解離させ澱粉から分離することができ、発酵菌が混在していても無臭の機能性発酵澱粉に精製することができる。
【0012】又、発酵澱粉の水懸濁液を作成しこの懸濁液に空洞現象(キャビテーション)を発生させ、水懸濁液の媒質に物理化学的な変化をもたらせ、増殖しすぎた発酵菌を間引き調整することが可能であり、目的の発酵食品の必要生菌数に調整することができる。
【0013】澱粉に増殖しすぎた発酵菌を空洞現象を発生させて澱粉から分離し間引き調整を行っても、発酵澱粉には次世代発育可能な芽胞(胞子)を大量に有しており、喫食後消化器官内の栄養成分や体温(36℃)などの条件により速やかに発育し酵素を生産することができる保健機能を有する発酵食品を得ることが出来る。
【0014】実施例により本発明を更に詳しく説明する。尚、本発明はこの実施例により限定されるものではない。
【0015】実施例
請求項(2)に記載した地上系澱粉群の中から、粳米澱粉、小麦吟澱粉、トウモロコシ澱粉、じゃがいも澱粉の4種を選び、この4種の澱粉にグルテン含有量約12重量%の小麦粉を20%緩和し、澱粉に加水して温度35℃に加熱保温し、水素イオン濃度pH5.0に調整を行い、澱粉が沈殿しないようにタンク底部に水中ポンプを作動させて攪拌移動させ水分活性(Aw)=0.98周辺に調整を行なった4日経過後に発酵現象を確認した。10日継続した結果1×108/gの発酵菌を発育させることができた。
【0016】前記[0015]と同方法により各澱粉に大豆豆腐のおから(タンパク質約7%)を30重量%緩和させ前記[0015]と同方法で発育させた結果、小麦グルテンの緩和と同じ結果を得ることができた。
【0017】発酵性微生物の生育が確認された後に、クエン酸溶液を添加しpH3.0に調整を行い、温度15℃に低下させ発酵菌を胞子形成により休眠させ発酵現象を停止させた。15日経過後に完全に発酵停止を確認した。
【0018】発酵停止後の澱粉15重量%の水懸濁液を作成し、攪拌しながら2重量%の水酸化ナトリウム溶液を添加しpH3.0〜pH9.0に段階的に上昇させて、発酵現象により生じた短鎖脂肪酸及び変性したタンパク質(アミノ酸類)などの溶質をアルカリ溶液の活量によりイオン電解させ解離した。
【0019】その後、水洗いを行いpH7.0に低下させ、更にクエン酸溶液を添加しpH3.0に調整し水分45%に脱水し温度4℃で保存した。
【0020】発酵菌複合小麦吟澱粉固形部換算で5重量%に天然多糖類から寒天を選び固形部換算で0.4重量%を混合させた後に、天然果汁の中からアセロラ飲料約950cc加えた加熱前の懸濁液を作成し、pHをクエン酸溶液を添加しpH3.5に調整し沸騰加熱処理を行い目的のゼリー状澱粉発酵食品を完成させた。
【0021】完成したゼリー状澱粉発酵食品は、前記[0018]に記載した方法により発酵澱粉に混在する溶質を解離させたことにより、発酵臭を感じさせることなくアセロラ飲料の味を生かした口当たりの良いテクスチャーであった。
【0022】通常では澱粉5重量%の懸濁液を沸騰加熱させた場合、澱粉が膨潤し糊化してべとつきがありテクスチャーがよくないものであるが、天然多糖類のなかから選んだ寒天粉を0.4重量%緩和したことによりサクッとした乳ヨーグルトと同等テクスチャーを得ることができた。
【0023】天然多糖類は酵素や化学物質に比較的安定でありゼリー状食品のテクスチャーの改善及び製品の保存安定に不可欠であることから0.2重量%〜1.0重量%添加する。
【0024】前記[0015]〜[0020]と同方法により、粳米澱粉、じゃがいも澱粉、トウモロコシ澱粉によりゼリー状発酵食品を作成した。前記[0020]記載の小麦吟澱粉と同等のテクスチャーを得ることができた。
【0025】又動物性タンパク質を含有した物質の中から、牛乳及び乳酸菌発酵乳液を選び、澱粉に緩和しpH3.7〜pH4.0の酸性領域に設定を行い、前記乳酸菌を発育させた乳酸菌複合澱粉を作成し[0015]〜[0020]記載と同方法で乳酸菌を複合したゼリー状澱粉発酵食品を得ることができた。
【0026】前記[0015]〜[0020]に記載した方法により生産されたゼリー状澱粉発酵食品の酵母菌又は乳酸菌の生菌数を1×107/mlに設定し無脂固形分8重量%以上に調整を行い大腸菌群を陰性にすることにより、現在生産され市場を流通している乳酸菌発酵乳(ヨーグルト)の規格に適合するものであり、植物性澱粉発酵乳又は植物性澱粉発酵ヨーグルトの生産が可能である。
【0027】[発明の効果]
以上本発明を詳しく説明したように、糖質以外の栄養成分に乏しい澱粉でも利用目的微生物の発育に必要な条件を整えることで、短期間に大量の微生物を安全な方法(有害菌が発育しない)で発育させることができ、この発酵菌複合澱粉を原料として製菓、製麺、製パン、冷凍食品、果汁飲料食品、乳液食品などの幅広い分野で多くの機能性食品を生産することができる。
【0028】今後の課題
数十年の長期にわたり養畜産及び養殖魚類などに大量に投与され続けてきた抗生物質が主な原因とされているMRSA(耐性菌)が次世代に及ぼす影響は避けられないものと思われることから、今後安全で有意義な食品の提供が必要であり、微生物を発育させても物性の機能変化が最も少ない澱粉に有益な微生物を合理的に発育させた発酵澱粉を原料として多くの安全な発酵食品を開発することができる技術研究が求められる。
Claims (10)
- 酵母、乳酸菌、酢酸菌などの有益な微生物を複合させた発酵澱粉と天然多糖類とが含有され、且つ、天然又は合成の果汁液類又は乳液類などにより風味付けした懸濁液を沸騰加熱処理して成る、ゼリー状澱粉発酵食品の製造方法。
- 澱粉が米、小麦、トウモロコシ、じゃがいも、さつまいも、タピオカなどの地上系澱粉群の中から選ばれた少なくとも一種類以上の澱粉であり、発酵現象により酵母、酢酸菌、乳酸菌などの発酵菌が1×106/g〜1×109/gの範囲に発育複合した発酵澱粉あることを特徴とした請求項(1)記載のゼリー状澱粉発酵食品の製造方法。
- 天然多糖類がカラギーナン、ローストビーンガム、グアーガム、ファーセレン、キサンタンガム、ペクチン、寒天、グルコマンナン、及び、アルギン酸ナトリウムなどの群の中から選ばれた少なくとも一種類以上のものである請求項(1)記載のゼリー状澱粉発酵食品の製造方法。
- 懸濁液に含有される発酵澱粉が固形部換算で5〜10重量%の範囲に設定されるものである請求項(1)記載のゼリー状澱粉発酵食品の製造方法。
- 懸濁液に含有される天然多糖類が固形部換算で0.2〜1重量%の範囲に設定されるものである、請求項(1)記載のゼリー状澱粉発酵食品の製造方法。
- 有益な微生物を発育させる目的の澱粉に栄養成分として、タンパク質又は、タンパク質を含有した物質を緩和させ、タンパク含有量を固形部換算で1〜3重量%の範囲に設定すると共に、加水澱粉区の水素イオン濃度がpH4.0〜pH5.0の範囲に調整されると共に水分活性(Aw)=0.90〜0.98の範囲に調整し、温度を20℃〜30℃に設定し酸素5〜8PPm/mlの範囲に調整を行い速やかに発酵現象を得ることを特徴とする請求項(1)記載のゼリー状澱粉発酵食品の製造方法。
- 加水澱粉区のpHを3.0〜3.2に低下させると共に、温度15℃以下に調整し澱粉に発育した生菌を胞子形成させ休眠させることを特徴とする。請求項(1)又は(6)記載のゼリー状澱粉発酵食品の製造方法。
- 発酵現象により加水澱粉区に生じた短鎖脂肪酸及び変性したタンパク質(アミノ酸類)などの溶質をアルカリ溶液を発酵澱粉水懸濁液に添加しpH3.0〜pH9.0に段階的に上昇させ電解質の溶質をイオンに解離し精製を行うことを特徴とする請求項(1)記載のゼリー状澱粉発酵食品の製造方法。
- 溶質を解離させた加水澱粉に、クエン酸、アスコルビン酸、酢酸などの中から選ばれた食酸を添加し、pH3.0〜pH4.0に調整され目的の加熱前の懸濁液が作成されるものである請求項(1)記載のゼリー状澱粉発酵食品の製造方法。
- ゼリー状澱粉発酵食品における酵母菌又は乳酸菌の生菌数が1×107/mlに設定されると共に、無脂固形分が8重量%以上に設定され、大腸菌群が陰性であることを特徴とし、乳酸菌発酵乳液又は、ヨーグルトの規格に適合されるものである請求項(1)〜(9)記載のゼリー状澱粉発酵食品の製造方法。
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JP (1) | JP2004222684A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101032114B1 (ko) | 2009-02-24 | 2011-05-02 | 최혜숙 | 딸기 조청 쨈의 제조 방법 |
US10017727B2 (en) | 2005-11-28 | 2018-07-10 | Gen-Ichiro Soma | Method for fermentation and culture, fermented plant extract, fermented plant extract composition, method for producing lipopolysaccharide and lipopolysaccharide |
CN112006226A (zh) * | 2020-07-27 | 2020-12-01 | 湖北省农业科学院农产品加工与核农技术研究所 | 具有多种保健功能的甘薯面条及制作方法 |
CN112971024A (zh) * | 2021-03-30 | 2021-06-18 | 四川省食品发酵工业研究设计院有限公司 | 发酵鲜湿面及其制备方法 |
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2003
- 2003-01-17 JP JP2003043355A patent/JP2004222684A/ja active Pending
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