JP2016093151A - 澱粉由来ヨーグルト様飲料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 澱粉に由来するヨーグルト様の乳酸発酵飲料であって、外観や風味に優れるとともに、抗菌性にも優れるものを安定的に製造する方法の提供。
【解決手段】 澱粉の液化工程(I)、殺菌工程(II)、糖化工程(III)及び乳酸発酵工程(IV)を含み、工程(I)は、温水、澱粉及び液化酵素を含む混合物を調製し、液化酵素によって澱粉を液化させる工程であり、工程(II)は、工程(I)の途中又は終了後に実施される、澱粉の少なくとも一部が液化されている混合物を加熱によって殺菌する工程であり、工程(III)は、工程(I)と同時に又は工程(I)よりも後に実施され且つ工程(II)よりも前又は後に実施される、糖化酵素によるブドウ糖及び/又は麦芽糖の生成工程であり、工程(IV)は、糖化液に乳酸菌であるLactobacillus paracaseiを加え、乳酸発酵させる工程である、澱粉由来ヨーグルト様飲料の製造方法を実施する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、米等の澱粉に由来し、ヨーグルト様の風味を呈する乳酸発酵飲料の製造方法、そのような方法によって製造される乳酸発酵飲料、及び本発明の乳酸発酵飲料の製造方法に使用される新規乳酸菌等に関する。
乳酸菌は、哺乳類の腸内においてその代謝産物がウェルシュ菌等を減少させることを通じて在来乳酸菌を増殖させ、もって整腸作用を示す。また、ウェルシュ菌の減少によってそれに対する抗体が減少するため、乳酸菌を摂取するとアレルギーの発症が抑制されるという効果も期待できる。
乳酸菌を多く含有する飲食品の一つにヨーグルトがあり、それを摂取することによって上記のような効果が期待されるが、一方で、ヨーグルトは乳製品であるため、アレルギーの原因となることもある。現に、学校給食等においても、アレルギーが原因でヨーグルトを含む乳製品を摂取できない子供がいる。また、乳糖不耐症の人は、牛乳を摂取した際ほどではないが、ヨーグルトの摂取によっても下痢を生ずることがある。
そこで、本発明者等は、ヨーグルトを摂取できない子供のために、乳製品ではないヨーグルト様飲料の開発を試みることにした。そのような飲料の開発に当たり、アレルギー発症のリスクを低減するという観点から、蛋白質含有率がさほど高くない食品を原料として使用することとし、そのような原料として、米の破砕物(例えば米粉)等の澱粉を多く含む食品を選択した。そして、風味に優れた澱粉に由来する乳酸発酵産物である飲料を提供すべく、研究を開始した。
ところで、特許文献1には、破砕米や米粉等の米加工品に水を加え加熱α化し、得られた米澱粉にアミラーゼ及び乳酸菌を加えて乳酸発酵させる乳酸菌飲料の製造法が開示されている。使用する乳酸菌の例としては、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・アシドフィラス、ストレプトコッカス・ラクチス及びラクトバチルス・サンフランシスコが開示されている。特許文献2には、米の加水物を酵素分解した後、ろ過して得られる糖化液に乳酸菌を加えて乳酸発酵を行った後、ろ過することを特徴とする米からの飲料の製造方法が開示されている。その段落番号[0006]には、米は玄米でも白米でもよく、そのまままたは粉砕して用いる旨の記載、及び、米の糖化時に、澱粉分解酵素に蛋白分解酵素、脂肪分解酵素、繊維分解酵素、ペクチン分解酵素の1種又は2種以上を併用してもよく、併用した方が活性酸素消去効果が優れると共に、様々な風味の飲料が得られる旨の記載がある。しかし、実施例で使用しているのは粉砕した玄米のみであり、また、蛋白分解酵素、脂肪分解酵素、繊維分解酵素、ペクチン分解酵素の併用による風味への影響については、まったく実証されていない。なお、特許文献2の実施例で使用されている乳酸菌は、ラクトバチルス・アシドフィルスとラクトバチルス・ブルガリクスである。
特許文献3には、玄米粉に水を加えた後、液化型アミラーゼ(好ましくはα−アミラーゼ;段落番号[0022])を加えて加熱処理し、この加熱処理液にセルラーゼ、プロテアーゼ及び糖化型アミラーゼを加えて酵素処理し、この酵素処理液から遠心分離又はろ過によって油脂部分を除去し、この処理液に乳酸菌を接種して発酵させることさせることにより得られた糖尿病治療剤及び免疫増強剤が開示されている。ここで、セルラーゼは、段落番号[0023]に記載されているように、玄米粉に含まれている糠の組織の細胞壁を分解するために使用されている。また、使用する乳酸菌の例としては、段落番号[0028]に、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・ビフィズス、ストレプトコッカス・フェカリス、ラクトバチルス・ブルガリカス、ラクトバチルス・サンフランシスコ、ラクトバチルス・カゼイ及びストレプトマイセス・ラクチスが開示されている。これらの中、実施例で使用されているのは、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・ビフィズス及びストレプトコッカス・フェカリスの3種類である。
特許文献4には、玄米を発芽させ、これを水に浸漬すると共にセルラーゼを添加してセルロースを加水分解し、次いで加熱して液状化した後、プロテアーゼおよびアミラーゼを添加して蛋白質および炭水化物を加水分解し、さらに酸性下で糖化アミラーゼを添加してγ−アミノ酪酸含有の糖化物を生成し、この糖化物から固液分離して液体成分を分取することからなるγ−アミノ酪酸入り液糖の製造方法(請求項4)が開示されている。段落番号[0012]に記載されているように、この方法において、セルラーゼは、発芽玄米の皮層部分の糠に含まれているヘミセルロースの加水分解のために使用されている。
特許文献5には、α化米及び澱粉加水分解酵素(α−アミラーゼ、非耐熱性アミラーゼ等)を水に分散させた原料液を75℃未満に制御しつつ澱粉加水分解酵素を作用させる澱粉加水分解工程と、前記澱粉加水分解工程において生成する糖に乳酸菌を作用させる発酵工程を含むことを特徴とするヨーグルト様飲食品の製造法(請求項1−3)が開示されている。この方法では、α化米を使用しているため、澱粉のα化の工程が不要であり、よって、α化米と澱粉加水分解酵素との反応を、75℃未満で行うことができる。また、段落番号[0016]には、澱粉加水分解酵素の具体例が、段落番号[0024]には乳酸菌の具体例が記載されている。
特許文献6には、米に麹、水を加え糖化した甘酒、若しくは米に乳酸菌が利用できる糖類、水を加え、米発酵に適したLactobacillus sp.に属する乳酸菌、該乳酸菌含有物、その処理物の少なくともひとつを含有してなること、を特徴とする飲食品の製造方法(請求項2)が開示されている。その実施例においては、10種類のラクトバチルス属の乳酸菌を使用して飲食品を製造し、においや食味等の試験を行っている。そして、その結果として、ラッキョウ漬物から単離されたLactobacillus sp.FPL1を使用すると、pH、酸度、におい及び食味に優れる飲食品を製造することができることを見出した旨が記載されている。
特許文献7には、GABAを富化した食品の製造方法であって、洗米排水、砕米、くず米等にα−アミラーゼを添加して澱粉を液化し、次いでグルコアミラーゼを添加して米糖化液を得、その米糖化液を殺菌し、遠心分離した後にろ過を行い、ろ液にグルタミン酸ナトリウムと乳酸菌を添加して培養し、乳酸発酵液を得る方法(段落番号[0041])が記載されている。特許文献7には、乳酸菌Lactococcus latis subsp.latis NITE P−741及びP−742が、GABA高生産能を有する(段落番号[0030])旨が記載されている。さらに、特許文献8には、(A)米を粒状に砕く工程、(B)砕いた米を炊く工程、(C)麹と炊いた米を混ぜ発酵させる工程、(D)米が完全に糖化される前に麹を不活化する工程、(E)乳酸菌を加えて発酵させる工程を含む、米を原料とするヨーグルトの製造方法(請求項4)が開示されている。
特公昭61−53008号公報 特開平7−255438号公報 特開平9−40566号公報 特開2003−219899号公報 特開2008−283922号公報 特開2010−142214号公報 特開2011−4723号公報 特開2013−192524号公報
本発明者等は、上記のような従来の米を原料とする乳酸発酵物について追試を行った。その結果、得られる発酵物は、色合い、におい、酸味、口当たりが多種多様であることがわかった。また、精米後の米や米粉を原料とする場合には、乳酸発酵前の工程として、澱粉の液化及び糖化のみが着目されており、したがってアミラーゼ(より具体的にはα−アミラーゼ)及びグルコアミラーゼを使用して糖化液を得るとの記載があるのみである。なお、例えば特許文献2には、乳酸発酵前の工程で、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ等を使用する旨の記載があるが、この例では原料として玄米粉を使用しており、このような酵素は、玄米粉中の糠を生成するために使用されている。
このように、従来においては、米や米粉を原料とし、乳酸発酵によって得られるヨーグルト様飲料であって、色合い、におい及び口当たりがよく、適切な酸味を示し、しかも抗菌性に優れるものを安定的に製造する方法は知られていなかった。
本発明は、このような状況下においてなされたものであり、米等の澱粉に由来するヨーグルト様の乳酸発酵飲料であって、外観や風味に優れるとともに、抗菌性にも優れるものを安定的に製造する方法の提供を目的とする。また、本発明は、風味に優れた米等の澱粉に由来するヨーグルト様の乳酸発酵飲料の提供を目的とする。さらに、本発明は、そのような乳酸発酵飲料の製造やその他の発酵食品(例えば漬物)の製造に使用する乳酸菌の提供を目的とする。
本発明者等は、多種多様な乳酸菌の中から、米等の澱粉に由来するヨーグルト様の乳酸発酵飲料の製造に適するものを選別するとともに、高品質なヨーグルト様の乳酸発酵飲料が得られる製造条件について鋭意検討し、その結果として、本件発明を完成させた。
即ち、本発明は、澱粉の液化工程(I)、殺菌工程(II)、糖化工程(III)及び乳酸発酵工程(IV)を含み、工程(I)は、温水と、温水の5乃至50質量%の澱粉と、液化酵素とを含む混合物を調製し、液化酵素によって澱粉を液化させる工程であり、ここで、工程(I)の少なくとも前半は、液化酵素が失活しない温度で実施し、工程(I)中に混合物の温度が澱粉に糊化を生じさせる温度に到達する場合には、液化条件として、糊化による著しい増粘が生じない条件を選択し、工程(II)は、工程(I)の途中又は終了後に実施される、澱粉の少なくとも一部が液化されている混合物を加熱によって殺菌する工程であり、工程(III)は、工程(I)と同時に又は工程(I)よりも後に実施され、且つ、工程(II)よりも前又は後に実施される、糖化酵素によるブドウ糖及び/又は麦芽糖の生成工程であり、そして、工程(IV)は、糖化液に、乳酸菌であるLactobacillus paracaseiを加え、乳酸発酵させる工程である、澱粉由来ヨーグルト様飲料の製造方法に関する。
工程(I)乃至(III)は、例えば、次の(1)乃至(4)のいずれかの方法において実施することができる:
(1)液化酵素として非耐熱性α−アミラーゼを使用し、その量は、澱粉の0.01乃至1.50質量%であり、温水、澱粉及び非耐熱性α−アミラーゼを含む混合物を非耐熱性α−アミラーゼが活性を示す温度に保持して澱粉を液化させ、次いで、液化された混合物を85乃至100℃まで昇温し、同温に保持して殺菌し、但し、昇温時に糊化による著しい増粘が生じないように、昇温前の液化時間を十分に取るか及び/又は昇温時に糊化よりも液化が優勢となるように昇温速度を調節し、殺菌終了後に得られた混合物を糖化酵素としてのグルコアミラーゼ及び/又はβ−アミラーゼが失活しない温度まで冷却し、グルコアミラーゼ及び/又はβ−アミラーゼを澱粉の0.01乃至1.50質量%の量で添加し、糖化反応を行わせる;
(2)液化酵素として非耐熱性α−アミラーゼを使用し、その量は、澱粉の0.01乃至1.50質量%であり、温水、澱粉及び非耐熱性α−アミラーゼを含む混合物を非耐熱性α−アミラーゼが活性を示す温度に保持して澱粉を液化させ、次いで、液化された混合物を85乃至100℃まで昇温し、同温に保持して殺菌し、但し、昇温時に糊化による著しい増粘が生じないように、昇温前の液化時間を十分に取るか及び/又は昇温時に糊化よりも液化が優勢となるように昇温速度を調節し、殺菌終了後に得られた混合物を非耐熱性α−アミラーゼが失活しない温度まで冷却し、再度、澱粉の0.01乃至1.50質量%の量の非耐熱性α−アミラーゼを添加してさらに液化を進行させ、次いで、糖化酵素としてのグルコアミラーゼ及び/又はβ−アミラーゼを澱粉の0.01乃至1.50質量%の量で添加し、糖化反応を行わせる、但し、再度の非耐熱性α−アミラーゼの添加と、グルコアミラーゼ及び/又はβ−アミラーゼの添加は、同時に行ってもよく、あるいは、逆の順序で行ってもよい;
(3)液化酵素として耐熱性α−アミラーゼを使用し、その量は、澱粉の0.01乃至1.50質量%であり、温水、澱粉及び耐熱性α−アミラーゼを含む混合物を耐熱性α−アミラーゼが活性を示す温度に保持して澱粉を液化させ、次いで、液化された混合物を85乃至100℃まで昇温し、同温に保持して殺菌し、但し、昇温時に糊化による著しい増粘が生じないように、昇温前の液化時間を十分に取るか及び/又は昇温時に糊化よりも液化が優勢となるように昇温速度を調節し、殺菌終了後に得られた混合物を糖化酵素としてのグルコアミラーゼ及び/又はβ−アミラーゼが失活しない温度まで冷却し、グルコアミラーゼ及び/又はβ−アミラーゼを澱粉の0.01乃至1.50質量%の量で添加し、糖化反応を行わせる;及び
(4)液化酵素として非耐熱性α−アミラーゼを使用し、その量は、澱粉の0.01乃至1.50質量%であり、温水、澱粉及び非耐熱性α−アミラーゼを含む混合物を非耐熱性α−アミラーゼが活性を示す温度に保持して澱粉を液化させ、次いで、液化された混合物に、グルコアミラーゼ及び/又はβ−アミラーゼを澱粉の0.01乃至1.50質量%の量で添加し、グルコアミラーゼ及び/又はβ−アミラーゼが活性を示す温度に保持して糖化反応を行わせ、但し、非耐熱性α−アミラーゼと、グルコアミラーゼ及び/又はβ−アミラーゼを同時に添加して、液化反応と糖化反応とを同時に進行させてもよく、次いで、糖化液を85乃至100℃まで昇温し、同温に保持して糖化液を殺菌する。
上記の方法で使用する乳酸菌Lactobacillus paracaseiとして、独立行政法人製品評価技術基盤機構、特許微生物寄託センター(あて名:〒292−0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8 122号室)に、受託日:2014(平成26)年10月30日(通知年月日:2014年11月6日)、受託番号:NITE P−01958として寄託された、米発酵物より純粋分離同定された植物由来乳酸菌のLactobacillus paracasei YK130220株を使用することが好ましい。
工程(I)において又は工程(I)の終了後に、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ及びキシラナーゼからなる群から選択される少なくとも一種の酵素による分解反応を実施させてもよい。ここで、セルラーゼはセルロースを、ヘミセルラーゼはヘミセルロースを、キシラナーゼはキシランを分解する。また、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ及びキシラナーゼからなる群から選択される少なくとも一種の酵素の量は、それらの酵素の総量で、澱粉の0.01乃至3.00質量%の量で使用することが好ましい。
工程(IV)において、牛乳からのヨーグルトの製造に使用されているヨーグルト用乳酸菌を併用してもよい。
澱粉として米澱粉を選択し、ヨーグルト様飲料の製造原料として、米粉を使用することができる。米粉は、粳米の米粉でも、糯米の米粉でもよく、あるいは、α化米の粉砕物でもよい。
工程(IV)の実施前に、糖化液に、果物及び/又は野菜のジュース及び/又はピューレを添加してもよい。
また、本発明は、上記の澱粉由来ヨーグルト様飲料の製造方法によって製造された澱粉由来ヨーグルト様飲料に関する。
さらに、本発明は、本発明の澱粉由来ヨーグルト様飲料の製造方法中、糖化液に果物及び/又は野菜のジュース及び/又はピューレを添加しない方法で製造された乳酸発酵産物に、果物及び/又は野菜のジュース及び/又はピューレを添加してなる、澱粉由来ヨーグルト様飲料に関する。
加えて、本発明は、Lactobacillus paracasei YK130220株(受託番号:NITE P−01958)を提供する。
本発明は、Lactobacillus paracasei、好ましくはLactobacillus paracasei YK130220株(受託番号:NITE P−01958)を含有する漬物又は糠床も提供する。このような漬物や糠床は、好ましくは、本発明に係るヨーグルト様乳酸発酵飲料をスターターとして使用して製造されたものである。
本発明により、澱粉を原料として、色合い、香味及び口当たりがよく、適切な酸味を示し、しかも抗菌性に優れるヨーグルト様の乳酸発酵飲料が、安定的に供給されるようになる。
特に、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ又はキシラナーゼを併用する方法では、さらに口当たりに優れるものが製造される。また、α化米を原料として用いる場合には、さらに、澱粉の糊化工程を省略できるという利点もある。
本発明により、乳製品アレルギーや乳糖不耐症の人でも、おいしい乳酸菌飲料を摂取することが可能となり、それにより、アレルギー症状に悩む人の体質改善が実現される。
本発明により、風味に優れる乳酸発酵飲料の製造に適する、新たな植物性乳酸菌YK130220株が提供される。この乳酸菌は、従前よりヨーグルトの製造に用いられている動物性乳酸菌に比較して、より低温、より高糖濃度下においても乳酸発酵する。さらに、新たな乳酸菌YK130220株を、従前よりヨーグルトの製造に用いられている動物性乳酸菌と併用すると、澱粉の糖化液中で、従前から使用されている乳酸菌も増殖可能となり、その併用の結果、ヨーグルト様風味により優れる澱粉由来ヨーグルト様飲料の製造が可能となる。
本発明に係る新たな植物性乳酸菌YK130220株を使用して製造されたヨーグルト様乳酸発酵飲料をスターターとして使用することにより、短時間の発酵で、程よい発酵臭を示す糠床や、色調、香味及び保存性に優れる白菜漬け等の漬物が提供されるようになる。
本発明に係る澱粉由来ヨーグルト様飲料の製造方法では、原料として、澱粉を用いる。より具体的には、米澱粉、小麦澱粉、緑豆澱粉、コーンスターチ、ワキシー澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉、葛澱粉、ワラビ澱粉、レンコン澱粉等が挙げられる。
米澱粉を用いる場合には、本発明に係るヨーグルト様飲料の製造原料として、米の破砕物を用いることができる。米の破砕物とは、米を砕いてその表面積を大きくしたものである。破砕される米は、未加熱の粳米や糯米であってもよいし、α化した米(α化乾燥米)であってもよい。また、米の破砕物の具体例としては、米粉、砕米、屑米等が挙げられる。なお、米の澱粉含有量は、およそ70乃至80質量%である。
本発明の澱粉由来ヨーグルト様飲料の製造方法は、少なくとも、澱粉の液化工程(I)、殺菌工程(II)、糖化工程(III)及び乳酸発酵工程(IV)を含む。
工程(I)は、温水と、温水の5乃至50質量%、好ましくは10乃至40質量%の量の澱粉と、液化酵素とを含む混合物を調製し、その液化酵素によって澱粉を液化させる工程である。温水と澱粉とをこのような量比とするのは、本発明の方法を実施することによって、充分な量の発酵産物を含有する、換言すれば、ヨーグルト様の風味、物性を有する飲料が得られるようにすること、及び、工程(II)、(III)及び(IV)の実施の際に、反応系の流動性が保たれるようにするためである。
「温水と、澱粉と、液化酵素とを含む混合物」としたのは、例えば米等の、澱粉を主成分とするが他の成分も含有するものを原料として使用することがあるからである。また、液化酵素以外の酵素を併用することがあるからである。
液化酵素の代表例は、α−アミラーゼである。α−アミラーゼは、澱粉のα−1,4−結合を不規則に切断し、多糖、オリゴ糖、麦芽糖を生じる。α−アミラーゼには、至適温度が35乃至40℃のものの他に、至適温度が55乃至60℃のものや65乃至70℃のもの(中温型)、さらには至適温度が約90℃で、105乃至110℃の条件下でも使用可能なもの(耐熱性)も知られている。本発明では、通常のあるいは非耐熱性α−アミラーゼ(耐熱性α−アミラーゼ以外のα−アミラーゼをいう。以下、同様)を使用することもできるし、耐熱性α−アミラーゼを使用することもできる。α−アミラーゼを生み出す微生物の例を挙げると、Bacillus属のもの(Bacillus subtilis、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus licheniformisなど)及びAspergillus属のもの(Aspergillus oryzaeなど)がある。また、α−アミラーゼは、動物の唾液、膵液、血液、尿などの中や、麦芽やトウモロコシ種子等の多くの植物中においても見出されている。
工程(I)において、α−アミラーゼは、好ましくは澱粉の0.01乃至1.50質量%の量で、さらに好ましくは0.02乃至1.00質量%の量で使用する。澱粉の液化をスムーズに進行させるためである。なお、α−アミラーゼと他の酵素との混合物も使用することができるが、その場合は、混合物中のα−アミラーゼの量が上記の量となるように、酵素混合物を使用する。
工程(I)の少なくとも前半は、液化酵素が失活しない温度で、好ましくは液化酵素の至適温度付近の温度で、液化反応を実施させる。換言すれば、液化酵素による液化反応が生ずる温度で、酵素反応を実施させる。これにより、澱粉の加水分解がスムーズに進行する。なお、工程(I)の実施の間に、混合物の温度が澱粉に糊化を生じさせる温度に到達するような条件で工程(I)を実施する場合には、液化条件として、糊化による著しい増粘が生じない条件を選択する。具体的には、昇温前に充分に液化を実施するとか、昇温をゆっくりと実施して、昇温の間に十分な液化を行わしめるのがよい。このような手段を採用することにより、澱粉が加水分解されて低分子化されるので、糊化による著しい増粘が生じ難くなる。
工程(I)は、具体的には、例えば、澱粉の糊化開始温度以下であり且つα−アミラーゼが失活しない温度の温水を用意し、その温水にα−アミラーゼを添加し、次いでその温水に澱粉を加えて分散させ、得られた混合物を、澱粉の糊化温度以下であってα−アミラーゼが活性を示す温度に保持して、澱粉を加水分解させる。その後、必要に応じ、混合物を徐々に昇温させ、澱粉の糊化と同時に加水分解(液化)を実施する。
なお、澱粉、例えば米澱粉の糊化開始温度以下であり且つ耐熱性が中温型のα−アミラーゼが失活しない温度とは、好ましくは60℃以下の温度である。
工程(I)において、液化酵素、澱粉及び温水を含む混合物を澱粉の糊化温度以下に保持して液化させる時間は、特に限定されない。一般的には、澱粉の加水分解が適切に進行する時間であり、例えば30乃至120分間である。また、その後、混合物を加熱する場合(この加熱は、工程(II)の実施のためである場合を含む)には、澱粉の糊化による粘度の増加が瞬間的に進まないような加熱速度を選択することが好ましい。なお、「工程(I)の少なくとも前半は、液化酵素が失活しない温度で実施」するとしたのは、ここに記載したように、工程(I)の後半における加熱(工程(II)の殺菌温度に到達するまでの加熱)により、液化酵素が失活することを許容していることを意味する。
工程(II)は、工程(I)の途中又は終了後に実施される、加熱によって混合物を殺菌する工程である。殺菌のための温度は、85乃至100℃であることが好ましく、90乃至95℃であることがさらに好ましい。また、このような温度に保持する時間は、好ましくは30乃至120分間、より好ましくは40乃至90分間である。
工程(I)で通常の(即ち、非耐熱性)α−アミラーゼを使用した場合には、この工程において通常のα−アミラーゼは失活する。そのような場合であって、液化が不十分な場合には、殺菌工程(II)終了後に得られた混合物を冷却し、再度、α−アミラーゼ(通常のものでも耐熱性のものでもよい)を添加して、液化をさらに進行させればよい。このような場合を、工程(II)が工程(I)の途中に実施されるという。
工程(III)は、糖化酵素によるブドウ糖や麦芽糖の生成工程である。この工程(III)は、工程(I)と同時に又は工程(I)よりも後に実施され、且つ、工程(II)よりも前又は後に実施される。
糖化酵素とは、例えばグルコアミラーゼやβ−アミラーゼである。澱粉の加水分解物(澱粉を液化した後の混合物中の多糖やオリゴ糖)から、グルコアミラーゼはブドウ糖を、β−アミラーゼは麦芽糖を生成する。グルコアミラーゼやβ−アミラーゼは、好ましくは澱粉の0.01乃至1.50質量%の量で、さらに好ましくは澱粉の0.02至1.00質量%の量で使用する。なお、この量は、グルコアミラーゼとβ−アミラーゼを併用する場合にはその合計量である。グルコアミラーゼやβ−アミラーゼと他の酵素との混合物も使用することができるが、その場合は、混合物中のグルコアミラーゼとβ−アミラーゼとの合計量が上記の量となるように、酵素混合物を使用する。
工程(III)は、糖化酵素が活性を示す温度で行う。グルコアミラーゼが活性を示す温度とは、好ましくはグルコアミラーゼの至適温度付近の温度であり、例えば50乃至70℃程度である。グルコアミラーゼを生み出す微生物の例を挙げると、Rhizopus属(Rhizopus niveus、Rhizopus delemarなど)のもの、Aspergillus属のもの(Aspergillus nigerなど)がある。
また、β−アミラーゼが活性を示す温度とは、好ましくはβ−アミラーゼの至適温度付近の温度であり、例えば大麦麦芽由来のβ−アミラーゼでは45℃付近である。このほか、β−アミラーゼは、小麦、大豆などの穀類やサツマイモにも豊富に含有されている。このような植物由来のβ−アミラーゼは、生澱粉に作用できないが、原料として、α化米の破砕物を使用したり、澱粉の糊化工程の後に工程(III)を実施すれば、多糖や他のオリゴ糖を麦芽糖へと分解できる。また、Bacillus属の微生物が耐熱性β−アミラーゼを産生することも知られており、その至適温度は55℃付近である。
糖化工程(III)の処理時間は特に限定されないが、必要であれば、Brix糖度計にて糖度を測定し、所定の糖度(例えば10乃至30°Bx、より好ましくは15乃至25°Bx)となったら、工程(III)を終了すればよい。
糖化工程(III)は、液化工程(I)と同時に行ってもよいし、液化工程(I)の後に行ってもよい。また、殺菌工程(II)よりも前に行ってもよいし、その後に行ってもよい。
工程(IV)は、糖化液に、乳酸菌であるLactobacillus paracaseiを加え、乳酸発酵させる工程である。乳酸菌には多種多様なものが知られており、その使用菌株により、発酵生産物の風味は異なるものとなる。本発明で使用する乳酸菌は、Lactobacillus paracaseiに属するものであるが、特に、Lactobacillus paracasei YK130220株(受託番号:NITE P−01958)が好ましい。この菌株の特徴は、乳製品の製造に使用される反応系の通常の温度である30乃至37℃よりも低い15乃至20℃でも発酵が進み、系のpHが急速に低下することである。そのため、乳酸発酵飲料の製造工程において、雑菌による腐敗が生じ難い、即ち、抗菌性に優れる。
乳酸菌であるLactobacillus paracaseiの量は、澱粉の量の0.1乃至15質量%であることが好ましく、0.5乃至10質量%であることがさらに好ましい。また、工程(IV)は、10乃至40℃で実施することが好ましく、15乃至35℃で実施することがさらに好ましい。
工程(IV)において、従前より牛乳からのヨーグルトの製造に使用されているヨーグルト用乳酸菌を併用してもよい。従前より牛乳からのヨーグルトの製造に使用されているヨーグルト用乳酸菌には、動物性のものも植物性のものもあるが、いずれであってもよい。そのような従前から使用されているヨーグルト様乳酸菌の代表例は、動物性乳酸菌であるLactobacillus delbrueckii subsp. BulgaricusとStreptoccus salivarius subsp. Themophilusである。澱粉由来糖化液は、乳酸発酵にこれらの従前より牛乳からのヨーグルトの製造に使用されている動物性乳酸菌のみを使用すると、発酵が不十分となりがちであるが、本発明で使用しているLactobacillus paracasei、特にそのYK130220株(受託番号: NITE P−01958)と併用すると、充分な発酵が生じ、味や香りに優れるヨーグルト様飲料が得られる。
本発明の澱粉由来ヨーグルト様飲料の製造方法の各工程は上記のとおりであるが、工程(I)乃至(III)の一部は同時に実施されることもある。工程(I)乃至(III)の具体例として、以下の(1)乃至(4)の方法がある。
(1)液化酵素として非耐熱性α−アミラーゼを使用し、その量は、澱粉の0.01乃至1.50質量%の、さらに好ましくは0.02乃至1.00質量%の量であり、温水、澱粉及び非耐熱性α−アミラーゼを含む混合物を非耐熱性α−アミラーゼが活性を示す温度に保持して澱粉を液化させ、次いで、液化された混合物を85乃至100℃まで、さらに好ましくは90乃至95℃まで昇温し、同温に例えば30乃至120分間保持して殺菌し、但し、昇温時に糊化による著しい増粘が生じないように、昇温前の液化時間を十分に取るか及び/又は昇温時に糊化よりも液化が優勢となるように昇温速度を調節し、殺菌終了後に得られた混合物を糖化酵素としてのグルコアミラーゼ及び/又はβ―アミラーゼが失活しない温度まで冷却し、グルコアミラーゼ及び/又はβ―アミラーゼを澱粉の0.01乃至1.50質量%の、さらに好ましくは0.02乃至1.00質量%の量で添加し、これらの酵素が活性を示す温度、好ましくは至適温度付近の温度に保持して、糖化反応を行わせる。
この方法(1)は、工程(I),(II)及び(III)をこの順序で実施する方法である。液化酵素は殺菌工程(II)で失活するが、糖化酵素は失活せず、乳酸発酵工程(IV)で並行複発酵に利用される。
(2)液化酵素として非耐熱性α−アミラーゼを使用し、その量は、澱粉の0.01乃至1.50質量%の、さらに好ましくは0.02乃至1.00質量%の量であり、温水、澱粉及び非耐熱性α−アミラーゼを含む混合物を非耐熱性α−アミラーゼが活性を示す温度に保持して澱粉を液化させ、次いで、液化された混合物を85乃至100℃まで、さらに好ましくは90乃至95℃まで昇温し、同温に例えば30乃至120分間保持して殺菌し、但し、昇温時に糊化による著しい増粘が生じないように、昇温前の液化時間を十分に取るか及び/又は昇温時に糊化よりも液化が優勢となるように昇温速度を調節し、殺菌終了後に得られた混合物を非耐熱性α−アミラーゼが失活しない温度まで冷却し、再度、澱粉の0.01乃至1.50質量%の、さらに好ましくは0.02乃至1.00質量%の量の非耐熱性α−アミラーゼを添加してさらに液化を進行させ、次いで、糖化酵素としてのグルコアミラーゼ及び/又はβ−アミラーゼを澱粉の0.01乃至1.50質量%の、さらに好ましくは0.02乃至1.00質量%の量で添加し、これらの酵素が活性を示す温度、好ましくは至適温度付近の温度に保持して、糖化反応を行わせる。なお、方法(2)には、再度の非耐熱性α−アミラーゼの添加と、グルコアミラーゼ及び/又はβ−アミラーゼの添加を、同時に行う場合、あるいは、これらの添加を逆の順序で行う場合も包含される。
この方法(2)は、α−アミラーゼによる液化を、殺菌工程(II)を間に挟んで二回に分けて実施するものであり、この方法では、澱粉の高い分解(液化)効率が達成される。したがって、後工程の乳酸発酵は高糖濃度下で実施され得る。また、殺菌工程(II)よりも後に添加される酵素は、乳酸発酵工程(IV)の開始時には失活しておらず、したがって、それらの酵素は、乳酸発酵工程(IV)で並行複発酵に利用される。
(3)液化酵素として耐熱性α−アミラーゼを使用し、その量は、澱粉の0.01乃至1.50質量%の、さらに好ましくは0.02乃至1.00質量%の量であり、温水、澱粉及び耐熱性α−アミラーゼを含む混合物を耐熱性α−アミラーゼが活性を示す温度に保持して澱粉を液化させ、次いで、液化された混合物を85乃至100℃まで、さらに好ましくは90乃至95℃まで昇温し、同温に例えば30乃至120分間保持して殺菌し、但し、昇温時に糊化による著しい増粘が生じないように、昇温前の液化時間を十分に取るか及び/又は昇温時に糊化よりも液化が優勢となるように昇温速度を調節し、殺菌終了後に得られた混合物を糖化酵素としてのグルコアミラーゼ及び/又はβ−アミラーゼが失活しない温度まで冷却し、グルコアミラーゼ及び/又はβ−アミラーゼを澱粉の0.01乃至1.50質量%の、さらに好ましくは0.02乃至1.00質量%の量で添加し、これらの酵素が活性を示す温度、好ましくは至適温度付近の温度に保持して、糖化反応を行わせる。
この方法(3)は、耐熱性α−アミラーゼを使用するため、この耐熱性α−アミラーゼ及び殺菌工程(II)よりも後に添加されるグルコアミラーゼ及び/又はβ―アミラーゼは、乳酸発酵工程(IV)でもすぐには失活せず、並行複発酵に利用される。
(4)液化酵素として非耐熱性α−アミラーゼを使用し、その量は、澱粉の0.01乃至1.50質量%の、さらに好ましくは0.02乃至1.00質量%の量であり、温水、澱粉及び非耐熱性α−アミラーゼを含む混合物を非耐熱性α−アミラーゼが活性を示す温度に保持して澱粉を液化させ、次いで、液化された混合物に、グルコアミラーゼ及び/又はβ−アミラーゼを澱粉の0.01乃至1.50質量%の、さらに好ましくは0.02乃至1.00質量%の量で添加し、グルコアミラーゼ及び/又はβ−アミラーゼが活性を示す温度、好ましくは至適温度付近の温度に保持して糖化反応を行わせ、但し、非耐熱性α−アミラーゼと、グルコアミラーゼ及び/又はβ−アミラーゼを同時に添加して、液化反応と糖化反応とを同時に進行させてもよく、次いで、糖化液を85乃至100℃まで、さらに好ましくは90乃至95℃まで昇温し、同温に例えば30乃至120分間保持して糖化液を殺菌する。
この方法(4)は、すべての酵素反応が終了した後に、殺菌工程を実施するものである。
本発明の澱粉由来ヨーグルト様飲料の製造方法では、工程(I)において又は工程(I)の終了後に、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、キシラナーゼによるセルロース、ヘミセルロース、キシランの分解を実施ししてもよい。セルラーゼ、ヘミセルラーゼ及びキシラナーゼは、一種のみを使用してもよく、二種または三種を使用してもよく、その量は、合計で、澱粉の好ましくは0.01乃至3.00質量%の量であり、より好ましくは0.05乃至1.00質量%の量である。なお、これらの酵素に他の酵素との混合物も使用することができるが、その場合は、混合物中の上記酵素の量が上記の量となるように、酵素混合物を使用する。
例えば、α−アミラーゼと、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ及びキシラナーゼからなる群から選択される少なくとも一種の酵素とを併存させ、澱粉の分解と同時に、澱粉表面に存在する繊維状物質の分解を実施することが好ましい。また、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ及びキシラナーゼからなる群から選択される少なくとも一種の酵素を、グルコアミラーゼ及び/又はβ−アミラーゼと併存させ、糖化時に、分解されずに残っていた澱粉の表面に存在する繊維状物質の分解を実施させてもよい。あるいは、澱粉の分解(液化)工程(I)と糖化工程(III)との間や、工程(I)の終了後に、独立の工程として、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ又はキシラナーゼによる澱粉の表面に存在する繊維状物質の分解工程を実施してもよい。
セルラーゼ、ヘミセルラーゼ及びキシラナーゼには、様々な起源のものがあり、またその至適温度も様々(25℃程度から70℃程度まで)であるので、他の酵素と併用する場合には、併用酵素の至適温度に近い至適温度を有するものを使用することが好ましい。また、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ又はキシラナーゼによる酵素反応を独立の工程として実施する場合には、その工程の前後の工程のいずれかとの温度差が小さくて済むような至適温度を有するものを選択することが好ましい。なお、セルラーゼを生ずる微生物の例を挙げると、Acremonium属のもの(Acremonium Cellulolyticusなど)、Tricoderma属のもの(Tricoderma reeseiやTricoderma longibrachiatumなど)及びAspergillrus属のもの(Aspergillrus nigerなど)等がある。
本発明の澱粉由来ヨーグルト様飲料は、上記の方法によって製造されたものである。その酸度は、澱粉原料の種類によって変わるが、米由来の場合、好ましくは0.80以上、より好ましくは0.90以上、さらにより好ましくは1.0以上であり、甘藷澱粉の場合には、好ましくは0.20以上、より好ましくは0.30以上、さらにより好ましくは0.40以上である。なお、ここでいう酸度とは、次の方法によって測定された値である。
酸度の測定方法: 測定用試料20mlを100ml容三角フラスコに採取し、フェノールフタレン指示薬数滴を加えた後、1/10規定の標準苛性ソーダ溶液にて、指示薬の発色点を終点として苛性ソーダ溶液の滴下量を測定し、それを酸度とする。
また、本発明の澱粉由来ヨーグルト様飲料のpHは、4.5以下であることが好ましい。このpHは、ヨーグルト様飲料に、直接、pH測定器を差し込み、常温にて測定した値である。
本発明の澱粉由来ヨーグルト様飲料の製造方法において、乳酸発酵を、果物及び/又は野菜のジュース及び/又はピューレの併存下において実施してもよい。すなわち、果物や野菜の風味を有する澱粉由来ヨーグルト様飲料を製造するために、工程(IV)の実施前に、糖化液に、果物及び/又は野菜のジュース及び/又はピューレを添加し、得られた混合物に乳酸菌を添加して、乳酸発酵を行ってもよい。乳酸菌の至適pHは酸性であるので、果物及び/又は野菜のジュース及び/又はピューレが併存しても、乳酸発酵は妨害され難い。
また、本発明の澱粉由来ヨーグルト様飲料の製造方法において、果物や野菜のジュースやピューレを使用することなく乳酸発酵工程まで終了した後、得られた発酵産物(ヨーグルト様飲料)に、果物及び/又は野菜のジュース及び/又はピューレを添加して、果物や野菜の風味を有する澱粉由来ヨーグルト様飲料を製造してもよい。
果物や野菜の風味を有する米由来ヨーグルト様飲料の製造に使用される果物や野菜は、特に限定されないが、例を挙げると、イチゴ、リンゴ、マンゴー、プラム、梅、柑橘類、ブルーベリー、柿、キウイーフルーツ、トマト等がある。
本発明に係る新規乳酸菌、Lactobacillus paracasei YK130220株(受託番号:NITE P−01958)は、その遺伝子がLactobacillus paracasei subsp.paracasei JCM8130株の塩基配列と99.8%の相同率であり、細胞形態は桿菌、グラム染色+、芽胞形成−、標準寒天平板培養コロニーの色調は淡黄色という性質を示す。
本発明に係る漬物又は糠床は、Lactobacillus paracasei、好ましくはLactobacillus paracasei YK130220株(受託番号:NITE P−01958)を含有するものである。このような漬物や糠床は、従来の方法による漬物や糠床の調製の際に、乳酸菌スターターとしてLactobacillus paracaseiを添加することで製造することができるが、乳酸菌スターターとして本発明に係る澱粉由来ヨーグルト様飲料を使用することによっても製造することができる。
以下に、様々な条件にて実験を行った実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
(実施例1)米由来ヨーグルト様飲料の製造及び評価−その1−
新規植物性乳酸菌Lactobacillus paracasei YK130220株又は牛乳からのヨーグルトの製造に使用されているヨーグルト用混合乳酸菌(動物性乳酸菌)を使用して、米由来ヨーグルト様飲料を製造し、得られた飲料を評価した。
(1)原材料
使用した原材料は、次のとおりである。
(米粉)
アイトップ株式会社製の微細粒米粉であるパン用ライスパウダーPL−J(米粉(I));澱粉含有率=70乃至80質量%
(酵素)
α−アミラーゼ(天野エンザイム株式会社製クライスターゼSD8(至適温度=約70℃))
グルコアミラーゼ(天野エンザイム株式会社製グルクザイムAF6(至適温度=約55℃))
(乳酸菌)
新規植物性乳酸菌(Lactobacillus paracasei YK130220株(NITE P−01958))
培地組成: 清酒5質量%、グルコース1質量%、酵母エキス1.25質量%、硫酸マグネシウム0.02質量%、酢酸ナトリウム0.1質量%(pH=7.0、殺菌:121℃/20分)
上記培地を使用し、上記新規植物性乳酸菌を24乃至28℃で48時間培養し(乳酸菌濃度=10個/ml)、その後、10℃にて保存し、スターター(種菌)として用いた。
なお、乳酸菌濃度は、検体を滅菌水で希釈し、得られた希釈液をBCP寒天培地に播いて30℃で培養し、48時間後に出現コロニー数を計測し、それを検体中の乳酸菌数に換算することによって求めた。
ヨーグルト用混合乳酸菌(Lactobacillus delbrueckii subsp. Bulgaricus + Streptoccus salivarius subsp. Themophilus;動物性乳酸菌),ディーエスエムジャパン株式会社製、乳酸菌数=10個/g
(2)製造方法
α−アミラーゼ(クライスターゼSD8)0.2gを、55乃至60℃の温水800gに加えて分散させ、酵素分散物を調製した。得られた酵素分散物に米粉(I)200gを加え、撹拌し、米粉及び酵素の温水分散物を調製した。撹拌下、米粉及び酵素の温水分散物を55乃至60℃に約60分間保持し、米澱粉を液化させた。撹拌下、得られた液化液を90乃至95℃まで加熱し、その後、同温に約60分間保持した。この工程においては、加熱の間、α−アミラーゼの耐熱温度に達するまでは液化と糊化とが同時に進行し、その後は糊化と殺菌とが同時に進行した。加熱の間、液化と糊化とが同時に進行したため、著しい増粘は生じず、撹拌に支障は生じなかった。
殺菌後の液化物を約60℃まで冷却し、次いで、グルコアミラーゼ(グルクザイムAF6)0.2gを添加し、その後、撹拌下に58℃に60分間保持して糖化液を得た。糖化液のBrix糖度を測定したところ、16.0°Bxであった。
糖化工程終了時点においてグルコアミラーゼは失活しておらず、したがって、次の乳酸発酵工程において並行複発酵が生じる。
得られた糖化液を四等分し、その中の二つ(A及びB)は約35℃まで、他の二つ(C及びD)は約20℃まで冷却した。次いで、A及びCには、各々、新規植物性乳酸菌2mlを添加し、同温に24時間保持して発酵させた。また、B及びDには、各々、ヨーグルト用混合乳酸菌200mgを添加し、同温に24時間保持して発酵させた。
なお、糖度は、株式会社アタゴ製ポケット糖度計PAL−1を用い、計測皿に糖化液をサンプリングして常温で計測し、そのデジタル表示値を糖度とした。
(3)評価
(3−1)pH
A乃至Dの各々について、発酵液そのものにpH測定器(株式会社堀場製作所製ポータブル型D71(デジタル)pHメーター)を差し込んで、常温にてpHを測定した。
(3−2)酸度
A乃至Dの各々について、発酵液20mlを100ml容三角フラスコに採取し、フェノールフタレン指示薬数滴を加えた後、1/10規定標準苛性ソーダ溶液(和光純薬工業株式会社製)にて、指示薬の発色点を終点としてその滴下量を測定し、それを酸度とした。(3−3)官能試験
専門パネラー5名により、外観(主として「色」)、匂い、並びに酸味や甘味、さら舌触りを含む風味を評価した。また、それらの総合的な評価を、1乃至5の5段階(最もよい:5,よい:4,普通:3,やや悪い:2,悪い:1)で評価した。
(4)結果
結果を表1に示す。米粉糖化液を本発明の乳酸菌で発酵させる(A及びC)と、従前から使用されているヨーグルト用混合乳酸菌で発酵させた場合(B及びD)と比べ、発酵の進行が速く、pHも十分に低下し、牛乳由来のヨーグルト様の美味しい飲料が得られることが明らかとなった。
Figure 2016093151
(実施例2)米由来ヨーグルト様飲料の製造及び評価−その2−
α−アミラーゼを二回に分けて添加したこと以外は、実施例1と同様の方法によって米由来ヨーグルト様飲料を製造し、得られた飲料を評価した。
(1)原材料
使用した原材料は実施例1と同様である。
(2)製造方法
α−アミラーゼの温水への分散から、90乃至95℃で行った糊化及び殺菌工程までは、実施例1と同様であった。
殺菌後の液化物を撹拌下に冷却し、約70℃となったら、α−アミラーゼ(クライスターゼSD8)0.2gを添加した。その後、撹拌下、60℃となるまで放冷した。60℃でグルコアミラーゼ(グルクザイムAF6)0.2gを添加し、その後、撹拌下に58℃に60分間保持して糖化液を得た。糖化液のBrix糖度を測定したところ、17.1°Bxであった。
糖化液を4等分し、実施例1と同様の方法で乳酸発酵を実施した。
(3)評価
発酵液について、実施例1と同様の方法で評価した。
(4)結果
結果を表2に示す。米粉糖化液を本発明の乳酸菌で発酵させる(A及びC)と、従前から使用されているヨーグルト用混合乳酸菌で発酵させた場合(B及びD)と比べ、発酵の進行が速く、pHも十分に低下し、牛乳由来のヨーグルト様の美味しい飲料が得られることが明らかとなった。特に、乳酸発酵を低温(20℃)で行った場合には、ヨーグルト用混合乳酸菌で発酵させる(D)と発酵が遅れたが、本発明の乳酸菌で発酵させる(C)と、35℃で発酵させた場合(A)と比べて孫色の無い飲料が得られた。
Figure 2016093151
(実施例3)米由来ヨーグルト様飲料の製造及び評価−その3−
α−アミラーゼの代わりにβ−アミラーゼを用い、グルコアミラーゼを使用しなかったこと以外は、実施例2とほぼ同様の方法によって米由来ヨーグルト様飲料を製造し、得られた飲料を評価した。
(1)原材料
β−アミラーゼ(日本バイオコン株式会社製大麦麦芽由来β−アミラーゼであるベータラーゼ(至適温度=約45℃))
これ以外の原材料は、実施例1と同様である。
(2)製造方法
β−アミラーゼ(ベータラーゼ)0.2gを、55乃至60℃の温水800gに加えて分散させ、酵素分散物を調製した。得られた酵素分散物に米粉(I)200gを加え、撹拌し、米粉及び酵素の温水分散物を調製した。撹拌下、米粉及び酵素の温水分散物を55乃至60℃に約60分間保持し、米澱粉を液化させた。撹拌下、得られた液化液を90乃至95℃まで加熱し、その後、同温に約60分間保持した。この工程においては、加熱の間、β−アミラーゼの耐熱温度に達するまでは液化と糊化とが同時に進行し、その後は糊化と殺菌とが同時に進行した。得られた殺菌後の液化物の粘度が高かったので、当該液化物を55℃まで冷却した後、β−アミラーゼ(ベータラーゼ)0.3gを添加し、その後55℃にて60分間撹拌した。
このようにして得られた糖化液のBrix糖度を測定したところ、9.1°Bxであった。
糖化液を4等分し、実施例1と同様の方法で乳酸発酵を実施した。
(3)評価
発酵液について、実施例1と同様の方法で評価した。
(4)結果
結果を表3に示す。いずれの飲料も、液化が不十分であり、粘度がやや高かった。また、乳酸発酵に関しては、従前から使用されているヨーグルト用混合乳酸菌で発酵させた場合(B及びD)には、発酵が不十分又は未熟であったが、本発明の乳酸菌で発酵させる(A及びC)と、十分に発酵した。
Figure 2016093151
(実施例4)米由来ヨーグルト様飲料の製造及び評価−その4−
米粉として、ル・マロニエ(SOIE LISSE)を使用し、α−アミラーゼとして耐熱性α−アミラーゼを使用したこと以外は、実施例1と同様の方法によって米由来ヨーグルト様飲料を製造し、得られた飲料を評価した。
(1)原材料
米粉: 日の本穀粉株式会社製の粳米の米粉であるル・マロニエ(SOIE LISSE)(米粉(II);澱粉含有率=70乃至80質量%)
α−アミラーゼ: 耐熱性α−アミラーゼ(天野エンザイム株式会社製クライスターゼT10S(至適温度=約90℃))
これ以外の原材料は、実施例1と同様である。
(2)製造方法
α−アミラーゼ及び米粉(II)の温水への分散から、90乃至95℃で行った糊化及び殺菌工程までは、実施例1と同様であった。但し、耐熱性α−アミラーゼを使用したため、液化物を加熱してその温度を90乃至95℃に上昇させる工程及び90乃至95℃に60分間保持する工程において、常に液化が生じていた。
殺菌後の液化物を撹拌下に冷却し、60℃でグルコアミラーゼ(グルクザイムAF6)0.2gを添加し、その後、撹拌下に58℃に60分間保持して糖化液を得た。糖化液の糖度を測定したところ、16.4°Bxであった。
糖化液を4等分し、実施例1と同様の方法で乳酸発酵を実施した。
なお、耐熱性α−アミラーゼは、液化工程、殺菌工程及び糖化工程では完全には失活せず、乳酸発酵工程で利用される。したがって、この乳酸発酵工程においても、pHが約3.7以下となるまで、並行複発酵が生じていた。
(3)評価
発酵液について、実施例1と同様の方法で評価した。
(4)結果
結果を表4に示す。耐熱性α−アミラーゼを使用したことで、液化が十分に進行した。その結果、次の糖化工程で十分な量のブドウ糖が生成され、そのブドウ糖が乳酸発酵に供されて、外観も美しいヨーグルト様飲料が得られた。耐熱性α−アミラーゼを使用したことで、従前から使用されているヨーグルト用混合乳酸菌で発酵させた場合(B及びD)でも、飲用可能なレベルの飲料が得られたが、本発明の乳酸菌で発酵させる(A及びC)ことにより、さらに美味しいヨーグルト様飲料となった。
Figure 2016093151
(実施例5)米由来ヨーグルト様飲料の製造及び評価−その5−
酵素の代わりに自家製黄麹粉末を使用して、米由来ヨーグルト様飲料を製造し、得られた飲料を評価した。
(1)原材料
黄麹粉末: 自家製
これ以外の原材料は、実施例1と同様である。
(2)製造方法
自家製黄麹粉末20gを、55乃至60℃の温水800gに加えて分散させ、黄麹分散物を調製した。得られた黄麹分散物に米粉200gを加え、撹拌し、米粉(I)及び黄麹の温水分散物を調製した。撹拌下、米粉及び酵素の温水分散物を55乃至60℃に約60分間保持し、米澱粉を液化させた。撹拌下、得られた液化液を90乃至95℃まで加熱し、その後、同温に約60分間保持した。この工程においては、加熱の間、黄麹中の酵素(α−アミラーゼ等)の耐熱温度に達するまでは液化と糊化とが同時に進行し、その後は糊化と殺菌とが同時に進行した。液化と糊化とが同時に進行したため、著しい増粘は生じず、撹拌に支障は生じなかった。
殺菌後の液化物を約60℃まで冷却し、次いで、黄麹粉末40gを添加し、その後、撹拌下に58℃に60分間保持して糖化液を得た。糖化液の糖度を測定したところ、17.0°Bxであった。
糖化液を4等分し、実施例1と同様の方法で乳酸発酵を実施した。
(3)評価
発酵液について、実施例1と同様の方法で評価した。
(4)結果
結果を表5に示す。精製酵素の代わりに麹を使用すると、どうしても麹臭が残る。
Figure 2016093151
(実施例6)液化及び糖化工程にセルラーゼ製剤が添加された米由来ヨーグルト様飲料の製造及び評価
実施例4において、耐熱性α−アミラーゼ及びグルコアミラーゼと共にセルラーゼ製剤を添加して、その発酵状態の評価と製品の総合評価とを行った。
使用したセルラーゼ製剤は、有限会社ラヴィアンサンテ販売のアクレモニューム由来セルラーゼであるセルラーゼAC及びトリコデルマ由来セルラーゼであるセルラーゼBCPであり、いずれかのセルラーゼ製剤を、米粉(II)(ル・マロニエ)100g(試験Nos.II+V又は試験Nos.III+VI)に対して0.1g(耐熱性α−アミラーゼと共に0.05g、グルコアミラーゼと共に0.05g)を添加した。
乳酸発酵は、新規植物性乳酸菌Lactobacillus paracasei YK130220株又は牛乳からのヨーグルトの製造に使用されているヨーグルト用混合乳酸菌を、試験Nos.I及びIVについては実施例4と同量で、その他は実施例4の1/2の量で使用し、30℃で24時間発酵させた。
実施例1と同様の方法で、発酵液のpH、酸度及び乳酸菌の生菌濃度を測定し、官能試験を行った。
結果を表6に示す。本発明の乳酸菌で発酵させること(試験Nos.IV,V及びVI)により、美しい乳白色のヨーグルト様飲料が得られた。また、味に関しては、従前から使用されているヨーグルト用混合乳酸菌で発酵させた場合(試験Nos.I,II及びIII)と比べ、本発明の乳酸菌で発酵させると乳酸発酵がより進行するため、酸味がより強い飲料となった。さらに、セルラーゼの添加により、ザラツキが低減し、滑らかさが高まるという効果が得られた。
Figure 2016093151
(実施例7)薩摩芋澱粉由来のヨーグルト様飲料の製造及び評価
耐熱性α−アミラーゼ(クライスターゼT10S)0.4gを、約60℃の温水800gに加えて分散させ、酵素分散物を調製した。得られた酵素分散物に、日本澱粉工業株式会社製の「こなみずき澱粉(薩摩芋澱粉)」200gを加え、撹拌し、澱粉及び酵素の温水分散物を調製した。撹拌下、澱粉及び酵素の温水分散物を約65℃に約120分間保持し、薩摩芋澱粉を液化させた。なお、こなみずき澱粉の澱粉含有率は、93.5質量%である。
得られた液化物を二等分し、その一方(7−1)に、55℃にてグルコアミラーゼ(グルクザイムAF6)0.1gを添加し、その後、撹拌下に55℃に90分間保持して糖化液を得た。他方(7−2)には、55℃にてβ−アミラーゼ(日本バイオコン株式会社製大麦麦芽由来β−アミラーゼであるベータラーゼ(至適温度=約45℃))0.1gを添加し、その後、撹拌下に55℃に90分間保持して糖化液を得た。
グルコアミラーゼで糖化させた糖化液のpH及び糖度を、実施例1に記載の方法で測定したところ、pH=6.82、糖度は17.1°Bxであった。
また、β−アミラーゼで糖化させた糖化液のpH及び糖度を、実施例1に記載の方法で測定したところ、pH=6.87、糖度は18.2°Bxであった。
得られた二種類の糖化液を20℃まで冷却し、各々をさらに二等分した。その一方(7−1−A+7−1−Cと、7−2−A+7−2−C)には、実施例1で使用した新規植物性乳酸菌(Lactobacillus paracasei YK130220株)を各々に2ml、他方(7−1−B+7−1−Dと、7−2−B+7−2−D)には同じく実施例1で使用したヨーグルト用混合乳酸菌を各々に200mg添加した。その後、各々をさらに二等分し、30℃又は17℃にて、24時間、乳酸発酵を行わせた。
得られた発酵液8種について、実施例1に記載の方法で、pH、酸度、乳酸菌生菌濃度を測定した。さらに、実施例1に記載のように、官能試験を行った。
結果を表7及び表8に示す。
グルコアミラーゼで糖化を行った場合(表7参照)には、従前から使用されているヨーグルト用混合乳酸菌で発酵させた場合と比べて、本発明の乳酸菌で発酵させると、発酵がより進み、pHが低下し、酸度がより大きく、且つ酸味がより強くなった。また、乳酸菌生菌濃度も、より大きくなった。
β−アミラーゼで糖化を行った場合(表8参照)には、従前から使用されているヨーグルト用混合乳酸菌で発酵させた場合と比べて、本発明の乳酸菌で発酵させると、発酵がより進み、pHが低下し、酸度がより大きく、且つ酸味がより強くなった。また、従前から使用されているヨーグルト用混合乳酸菌では、発酵が未熟又は不十分となった。
Figure 2016093151
Figure 2016093151
(実施例8)牛乳からのヨーグルトの製造に使用されているヨーグルト用混合乳酸菌と新規植物性乳酸菌との併用による米由来ヨーグルト様飲料の製造
新規植物性乳酸菌(Lactobacillus paracasei YK130220株)は、糖濃度が高い米由来糖化液を原料として用いた場合でも、速やかに糖を消化して糖濃度を下げ、乳酸発酵を行って系のpHを低下させる。したがって、この新規乳酸菌と併用することで、従前より牛乳からのヨーグルトの製造に使用されている乳酸菌も増殖可能であると考えた。すなわち、新規乳酸菌が系の糖濃度を低下させた後には、従前より牛乳からのヨーグルトの製造に使用されている乳酸菌も増殖可能となると考えられた。そこで、米由来糖化液を、新規植物性乳酸菌のみで、又は、新規植物性乳酸菌と従前より牛乳からのヨーグルトの製造に使用されている乳酸菌とを併用して発酵させ、得られた発酵液について、実施例1と同様の評価を行った。
(製造方法)
α−アミラーゼ(クライスターゼSD8)0.2gを、約60℃の温水800gに加えて分散させ、酵素分散物を調製した。得られた酵素分散物に米粉(I)200gを加え、撹拌し、米粉及び酵素の温水分散物を調製した。撹拌下、米粉及び酵素の温水分散物を55乃至60℃に約60分間保持し、米澱粉を液化させた。撹拌下、得られた液化液を約95℃まで加熱し、その後、同温に約60分間保持して殺菌した。殺菌後の液化物を約60℃まで冷却し、次いで、グルコアミラーゼ(グルクザイムAF6)0.2gを添加し、その後、撹拌下に55乃至58℃に60分間保持して糖化液を得た。糖化液のBrix糖度を測定したところ、16.8°Bxであった。
糖化液を約30℃まで冷却し、その後、二等分した。一方(A)には、新規乳酸菌を8ml、他方(B)には、新規乳酸菌4ml及び実施例1に記載されているヨーグルト用混合乳酸菌400mgを添加し、いずれも25℃にて24時間発酵させた。
(評価)
実施例1と同様に、評価を行った。
(結果)
結果を表9に示す。A,Bいずれも良い発酵を示した。専門パネラーによる匂いや風味等の評価は割れたが、B(併用系)は、牛乳由来ヨーグルト風の香味を有し、淡いクリーム色であり、牛乳由来ヨーグルトにより近かった。
Figure 2016093151
(実施例9)本発明の澱粉由来ヨーグルト様飲料によるその他の発酵食品の製造
(9−1)糠床の製造
煮沸後30℃以下に冷却した白湯に、食塩40gを添加・溶解させ、さらに、実施例1−Cのヨーグルト様飲料40gを分散させた。このようにして調製された混合物に炒り糠200gを加えてよく混合し、その後、25℃で3日間発酵させて発明例の糠床を調製した。
また、上記発明例において、実施例1−Cのヨーグルト様飲料の代わりに冷却した白湯を加えたこと以外は同様に処理し、比較例の糠床を調製した。
糠床に直接pHメーターを挿入して、pHを測定した。発酵前の時点においては、いずれもpH=6.4であった。3日間の発酵後においては、発明例はpH=5.3であり、比較例はpH=6.25であった。また、発明例は、程良い発酵臭を示し、糠床として、比較例よりも早期に野菜を漬け込むことが可能となった。
(9−2)白菜漬物
白菜を縦に四つ割りにし、流水下でよく洗浄した。その白菜を2乃至3cm幅に切り、流水下でさらに洗浄し、水切り籠にて水気を切った。
そのような白菜1kgをビニール袋に秤り採り、食塩20gを加えて軽く手もみした。手もみによって若干の水分が出たところで、実施例1−Cのヨーグルト様飲料2mlを添加し、よく混合し、その後、15℃にて2乃至10日間発酵させた(発明例)。
同様に、白菜1kgをビニール袋に秤り採り、食塩20gを加えて軽く手もみした。手もみによって若干の水分が出たところで、漬物用乳酸菌であるLactobacillus sake HS−1スターター(有限現会社那須バイオファーム製)2mlを添加し、よく混合し、その後、15℃にて2乃至10日間発酵させた(参照例)。
2日間の発酵後においては、発明例、参照例のいずれも、塩慣れが早く、白菜の色調もよく、程よい発酵の香味を有していた。また、いずれも、3日目には、旨い漬物として仕上がっていた。したがって、本発明の澱粉由来ヨーグルト様飲料が、漬物用乳酸菌スターターとして使用可能である。
10日間の発酵後においては、参照例には古漬け臭が発生していたが、発明例には古漬け臭の発生が無く、白菜の色調や食感もよく、保存性に優れることが明らかであった。
なお、発酵10日後のpHは、発明例が3.7であり、参照例は3.9であった。

Claims (11)

  1. 澱粉の液化工程(I)、殺菌工程(II)、糖化工程(III)及び乳酸発酵工程(IV)を含み、
    工程(I)は、温水と、温水の5乃至50質量%の澱粉と、液化酵素とを含む混合物を調製し、液化酵素によって澱粉を液化させる工程であり、ここで、工程(I)の少なくとも前半は、液化酵素が失活しない温度で実施し、工程(I)中に混合物の温度が澱粉に糊化を生じさせる温度に到達する場合には、液化条件として、糊化による著しい増粘が生じない条件を選択し、
    工程(II)は、工程(I)の途中又は終了後に実施される、澱粉の少なくとも一部が液化されている混合物を加熱によって殺菌する工程であり、
    工程(III)は、工程(I)と同時に又は工程(I)よりも後に実施され、且つ、工程(II)よりも前又は後に実施される、糖化酵素によるブドウ糖及び/又は麦芽糖の生成工程であり、そして、
    工程(IV)は、糖化液に、乳酸菌であるLactobacillus paracaseiを加え、乳酸発酵させる工程である、
    澱粉由来ヨーグルト様飲料の製造方法。
  2. 澱粉の液化工程(I)、液化液の殺菌工程(II)及び糖化工程(III)を、次の(1)乃至(4)のいずれかの方法で実施する、請求項1に記載の澱粉由来ヨーグルト様飲料の製造方法:
    (1)液化酵素として非耐熱性α−アミラーゼを使用し、その量は、澱粉の0.01乃至1.50質量%であり、温水、澱粉及び非耐熱性α−アミラーゼを含む混合物を非耐熱性α−アミラーゼが活性を示す温度に保持して澱粉を液化させ、次いで、液化された混合物を85乃至100℃まで昇温し、同温に保持して殺菌し、但し、昇温時に糊化による著しい増粘が生じないように、昇温前の液化時間を十分に取るか及び/又は昇温時に糊化よりも液化が優勢となるように昇温速度を調節し、殺菌終了後に得られた混合物を糖化酵素としてのグルコアミラーゼ及び/又はβ―アミラーゼが失活しない温度まで冷却し、グルコアミラーゼ及び/又はβ―アミラーゼを澱粉の0.01乃至1.50質量%の量で添加し、糖化反応を行わせる;
    (2)液化酵素として非耐熱性α−アミラーゼを使用し、その量は、澱粉の0.01乃至1.50質量%であり、温水、澱粉及び非耐熱性α−アミラーゼを含む混合物を非耐熱性α−アミラーゼが活性を示す温度に保持して澱粉を液化させ、次いで、液化された混合物を85乃至100℃まで昇温し、同温に保持して殺菌し、但し、昇温時に糊化による著しい増粘が生じないように、昇温前の液化時間を十分に取るか及び/又は昇温時に糊化よりも液化が優勢となるように昇温速度を調節し、殺菌終了後に得られた混合物を非耐熱性α−アミラーゼが失活しない温度まで冷却し、再度、澱粉の0.01乃至1.50質量%の量の非耐熱性α−アミラーゼを添加してさらに液化を進行させ、次いで、糖化酵素としてのグルコアミラーゼ及び/又はβ―アミラーゼを澱粉の0.01乃至1.50質量%の量で添加し、糖化反応を行わせる、但し、再度の非耐熱性α−アミラーゼの添加と、グルコアミラーゼ及び/又はβ―アミラーゼの添加は、同時に行ってもよく、あるいは、逆の順序で行ってもよい;
    (3)液化酵素として耐熱性α−アミラーゼを使用し、その量は、澱粉の0.01乃至1.50質量%であり、温水、澱粉及び耐熱性α−アミラーゼを含む混合物を耐熱性α−アミラーゼが活性を示す温度に保持して澱粉を液化させ、次いで、液化された混合物を85乃至100℃まで昇温し、同温に保持して殺菌し、但し、昇温時に糊化による著しい増粘が生じないように、昇温前の液化時間を十分に取るか及び/又は昇温時に糊化よりも液化が優勢となるように昇温速度を調節し、殺菌終了後に得られた混合物を糖化酵素としてのグルコアミラーゼ及び/又はβ―アミラーゼが失活しない温度まで冷却し、グルコアミラーゼ及び/又はβ―アミラーゼを澱粉の0.01乃至1.50質量%の量で添加し、糖化反応を行わせる;及び
    (4)液化酵素として非耐熱性α−アミラーゼを使用し、その量は、澱粉の0.01乃至1.50質量%であり、温水、澱粉及び非耐熱性α−アミラーゼを含む混合物を非耐熱性α−アミラーゼが活性を示す温度に保持して澱粉を液化させ、次いで、液化された混合物に、グルコアミラーゼ及び/又はβ−アミラーゼを澱粉の0.01乃至1.50質量%の量で添加し、グルコアミラーゼ及び/又はβ−アミラーゼが活性を示す温度に保持して糖化反応を行わせ、但し、非耐熱性α−アミラーゼと、グルコアミラーゼ及び/又はβ−アミラーゼを同時に添加して、液化反応と糖化反応とを同時に進行させてもよく、次いで、糖化液を85乃至100℃まで昇温し、同温に保持して糖化液を殺菌する。
  3. 乳酸菌が、平成26年10月30日に独立行政法人製品評価技術基盤機構、特許微生物寄託センター(あて名:千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8)に受託番号:NITE P−01958として寄託されたLactobacillus paracasei YK130220株である、請求項1又は2に記載の澱粉由来ヨーグルト様飲料の製造方法。
  4. 工程(I)において又は工程(I)の終了後に、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ及びキシラナーゼからなる群から選択される少なくとも一種による分解反応を実施させ、ここで、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ及びキシラナーゼからなる群から選択される少なくとも一種の量は、総量で、澱粉の量の0.01乃至3.00質量%である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の澱粉由来ヨーグルト様飲料の製造方法。
  5. 工程(IV)において、牛乳からのヨーグルトの製造に使用されているヨーグルト用乳酸菌を併用する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の澱粉由来ヨーグルト様飲料の製造方法。
  6. 澱粉が米澱粉であり、飲料製造原料として米粉を使用する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の澱粉由来ヨーグルト様飲料の製造方法。
  7. 工程(IV)の実施前に、糖化液に、果物及び/又は野菜のジュース及び/又はピューレを添加する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の澱粉由来ヨーグルト様飲料の製造方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法によって製造された澱粉由来ヨーグルト様飲料。
  9. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法によって製造された澱粉由来ヨーグルト様飲料に、果物及び/又は野菜のジュース及び/又はピューレが添加されてなる、澱粉由来ヨーグルト様飲料。
  10. Lactobacillus paracasei YK130220株(受託番号:NITE P−01958)。
  11. Lactobacillus paracaseiを含有する漬物又は糠床。
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