JP2847537B2 - 小麦紅麹の製造法 - Google Patents
小麦紅麹の製造法Info
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- JP2847537B2 JP2847537B2 JP21399789A JP21399789A JP2847537B2 JP 2847537 B2 JP2847537 B2 JP 2847537B2 JP 21399789 A JP21399789 A JP 21399789A JP 21399789 A JP21399789 A JP 21399789A JP 2847537 B2 JP2847537 B2 JP 2847537B2
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- yeast rice
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、小麦粉加工物を製麹原料とした紅麹の製造
法に関し、これの薬理効果を最大限に増強することを目
的としたものである。
法に関し、これの薬理効果を最大限に増強することを目
的としたものである。
(従来の技術) 従来、麹菌にモナスカス属のカビを用いて製麹される
紅麹は、中国や東南アジア方面では紅酒、豆腐乳などの
醸造食品の原料として、また、「消食活血」「健脾燥
胃」の効能をもつ生薬として用いられてきた。
紅麹は、中国や東南アジア方面では紅酒、豆腐乳などの
醸造食品の原料として、また、「消食活血」「健脾燥
胃」の効能をもつ生薬として用いられてきた。
また、モナスカス属の生産する紅色色素は、 無毒で鮮紅色という特殊な色調を呈することから、水
産練り製品などの食品着色剤としても多用されてきてい
る。
産練り製品などの食品着色剤としても多用されてきてい
る。
一方、近年、かかる紅麹に優れた血圧降下作用を有す
ることが明らかにされ、(特開昭61−197524,62−29859
8)その作用の発現を企図して玄米酢、味噌、醤油、パ
ン等の機能性食品が製造されている。
ることが明らかにされ、(特開昭61−197524,62−29859
8)その作用の発現を企図して玄米酢、味噌、醤油、パ
ン等の機能性食品が製造されている。
(発明が解決しようとする課題) 即ち、酢、味噌、醤油等においては前記した血圧降下
作用発現のためにこれを醸造原料の一部として、また、
パン、麺等においては添加原料として使用されている
が、、かかる紅麹には苦味があり特にパン、麺等のよう
に原料の一部として直接添加するような場合には風味上
の問題が残る。
作用発現のためにこれを醸造原料の一部として、また、
パン、麺等においては添加原料として使用されている
が、、かかる紅麹には苦味があり特にパン、麺等のよう
に原料の一部として直接添加するような場合には風味上
の問題が残る。
即ち、前記した血圧降下作用と風味の関係において、
添加量を多くすれば薬理効果は高まるものの風味を損
ね、添加量を少なくすれば風味は改善されるものの薬理
効果が期待できない等、相反する関係にあり、かかる性
能を改善できる新規な小麦紅麹の出現が強く望まれると
ころであった。
添加量を多くすれば薬理効果は高まるものの風味を損
ね、添加量を少なくすれば風味は改善されるものの薬理
効果が期待できない等、相反する関係にあり、かかる性
能を改善できる新規な小麦紅麹の出現が強く望まれると
ころであった。
かかる点に鑑み本発明者らは先に、小麦紅麹の苦味を
減少させるため嫌気的な条件下で熟成させる方法(特開
昭63−198973)を開発したがその効果にやや乏しく、熟
成に時間を要すること、また清浄管理が複雑であること
等の問題を有した。
減少させるため嫌気的な条件下で熟成させる方法(特開
昭63−198973)を開発したがその効果にやや乏しく、熟
成に時間を要すること、また清浄管理が複雑であること
等の問題を有した。
本発明は、かかる点につき鋭意研究の結果、従来にも
増して強い薬理効果を有する小麦紅麹の製造を可能とし
たものである。
増して強い薬理効果を有する小麦紅麹の製造を可能とし
たものである。
(問題を解決するための手段) しかるに、本発明はモナスカス属菌を用いた小麦紅麹
の製造法において、水分率を60〜75%に調整した小麦粉
加工物を製麺原料とし、これにモナスカス属菌を植菌、
繁殖させて製麺することに特徴を有する小麦紅麹の製造
法に関する。
の製造法において、水分率を60〜75%に調整した小麦粉
加工物を製麺原料とし、これにモナスカス属菌を植菌、
繁殖させて製麺することに特徴を有する小麦紅麹の製造
法に関する。
本発明における小麦加工物とは、パン粉、パン等の加
工物、小麦粉をエクストルーダー加工等して好気性菌で
あるモナスカス属のカビが繁殖しやすいよう粒状でポー
ラスな性状に加工したものをいう。また、本発明に適用
しうる紅麹菌としては、モナスカス・ピロウサス、モナ
スカス・アンカ、モナスカス・ピュープレウス等のモナ
スカス属の菌が挙げられるがモナスカス・ピローサス
が、最も強い降血圧作用を有することから望ましい。ま
た、製麹環境は通常の25〜40℃の温度で時々通気撹はん
し、好気的に4〜10日間培養すればよい。
工物、小麦粉をエクストルーダー加工等して好気性菌で
あるモナスカス属のカビが繁殖しやすいよう粒状でポー
ラスな性状に加工したものをいう。また、本発明に適用
しうる紅麹菌としては、モナスカス・ピロウサス、モナ
スカス・アンカ、モナスカス・ピュープレウス等のモナ
スカス属の菌が挙げられるがモナスカス・ピローサス
が、最も強い降血圧作用を有することから望ましい。ま
た、製麹環境は通常の25〜40℃の温度で時々通気撹はん
し、好気的に4〜10日間培養すればよい。
尚、ここでいう水分率とは、製麹原料として水分調整
された小麦加工物の総重量中に占める水分の割合であ
る。
された小麦加工物の総重量中に占める水分の割合であ
る。
(作用) 本発明においてはその水分率が極めて重要であり、水
分率60〜75%と、小麦加工物の吸水能力以上の極めて高
い水分率の範囲においてこれを培養することに特長を有
する。
分率60〜75%と、小麦加工物の吸水能力以上の極めて高
い水分率の範囲においてこれを培養することに特長を有
する。
即ち、これが60%未満であると紅麹菌の繁殖菌体量が
充分ではなく、血圧降下の作用も通常の35〜50%の水分
率で製麹した場合と大差がなく、また、75%を超えると
培地自体がダンゴ状に固まり、通気が不充分となって好
気性菌である紅麹菌の繁殖がその表面のみとなるため共
に好ましくない。
充分ではなく、血圧降下の作用も通常の35〜50%の水分
率で製麹した場合と大差がなく、また、75%を超えると
培地自体がダンゴ状に固まり、通気が不充分となって好
気性菌である紅麹菌の繁殖がその表面のみとなるため共
に好ましくない。
また、水分量を更に多くし、液体培養した場合におい
ても培養液自体降圧作用は弱く、また得られる降圧成分
を含有する固形分も少ないため好ましくない。
ても培養液自体降圧作用は弱く、また得られる降圧成分
を含有する固形分も少ないため好ましくない。
また、製麹原料が米、脱脂大豆等小麦加工物以外の原
料であると吸水性が悪く水分含量を60〜75%に調整する
ことは不可能である。また、単にエクストルーダー加工
等により膨化処理し、吸水性を改善してもかかる水分率
の範囲でなければ本発明の降圧作用を有する紅麹は得ら
れない。
料であると吸水性が悪く水分含量を60〜75%に調整する
ことは不可能である。また、単にエクストルーダー加工
等により膨化処理し、吸水性を改善してもかかる水分率
の範囲でなければ本発明の降圧作用を有する紅麹は得ら
れない。
以下、具体的に実施例を挙げて説明する。
(実施例1) パン粉(雪印(株)製)を水分率(水分含量)40%に
なるよう調整し、フェルンバッハに50g入れ121℃,20分
間蒸煮滅菌した。これに、更に滅菌水を加え、水分含量
がそれぞれ50、60、70、75、80%になるよう調整した
後、夫々にモナスカス・ピローサスIFO−4520菌を無菌
的に接種し、30℃にて7日間培養した。この期間中、ダ
ンゴ状となった培地は出来るだけつぶし、繁殖が均一に
なるようにした。
なるよう調整し、フェルンバッハに50g入れ121℃,20分
間蒸煮滅菌した。これに、更に滅菌水を加え、水分含量
がそれぞれ50、60、70、75、80%になるよう調整した
後、夫々にモナスカス・ピローサスIFO−4520菌を無菌
的に接種し、30℃にて7日間培養した。この期間中、ダ
ンゴ状となった培地は出来るだけつぶし、繁殖が均一に
なるようにした。
得られた紅麹5種をそれぞれ70℃で3時間送風乾燥
し、これを粉砕した後、第1表に示す飼料に0.3重量%
の割合で添加し、また、対照として紅麹の原料であるパ
ン粉を添加した飼料を調整した。
し、これを粉砕した後、第1表に示す飼料に0.3重量%
の割合で添加し、また、対照として紅麹の原料であるパ
ン粉を添加した飼料を調整した。
これらの飼料をそれぞれ20週令の自然発症高血圧ラッ
ト(SHR)6頭に蒸留水と共に自由摂取させ、3週間飼
育し、週1回血圧を測定した。
ト(SHR)6頭に蒸留水と共に自由摂取させ、3週間飼
育し、週1回血圧を測定した。
その結果、第1図に示すごとく水分率60%、70%、75
%で製麹した本発明紅麹は、無添加のものや80%の水分
率のものと際立った降圧降下の差があり、特に通常の水
分含量50%製麹のものに比べ約2倍の血圧降下作用が認
られた。
%で製麹した本発明紅麹は、無添加のものや80%の水分
率のものと際立った降圧降下の差があり、特に通常の水
分含量50%製麹のものに比べ約2倍の血圧降下作用が認
られた。
(実施例2) 強力小麦粉100重量部(以下単に部という)および、
水32部を2軸エクストルーダー(Werner&Pfleiderer社
製、C−37型)に投入し、スクリュー回転300rpm.バレ
ル温度120℃、出口温度120℃、出口圧力10Kg/cm2で押出
し膨化させた。これを約13cmの長さに切断し、食品用粉
砕機(ミカワ電機製作所製、18RT37型)に入れて粒径1
〜7mmに粉砕した後、水分含量13%まで乾燥し、紅麹用
小麦培地を得た。
水32部を2軸エクストルーダー(Werner&Pfleiderer社
製、C−37型)に投入し、スクリュー回転300rpm.バレ
ル温度120℃、出口温度120℃、出口圧力10Kg/cm2で押出
し膨化させた。これを約13cmの長さに切断し、食品用粉
砕機(ミカワ電機製作所製、18RT37型)に入れて粒径1
〜7mmに粉砕した後、水分含量13%まで乾燥し、紅麹用
小麦培地を得た。
これを実施例1と同様水分含量がそれぞれ50、60、7
0、75、80%になるよう調整し、モナスカス・ピローサ
スIFO−4520菌を接種し、6日間培養した。
0、75、80%になるよう調整し、モナスカス・ピローサ
スIFO−4520菌を接種し、6日間培養した。
得られた紅麹5種を実施例1と同様0.3重量%飼料に
添加し、SHRに自由摂取させ、血圧を測定したが、実施
例1と同様の傾向を示した。
添加し、SHRに自由摂取させ、血圧を測定したが、実施
例1と同様の傾向を示した。
(発明の効果) 本発明は、小麦加工物を用い、かかる培地の水分率の
調整という簡単な方法により、紅麹の血圧降下作用を増
強することを可能としたもので、従来の小麦紅麹に比べ
て少量の添加で同一以上の効果が期待でき、従って、風
味も著しく改善され、各種機能性食品原料として好適に
利用できる。
調整という簡単な方法により、紅麹の血圧降下作用を増
強することを可能としたもので、従来の小麦紅麹に比べ
て少量の添加で同一以上の効果が期待でき、従って、風
味も著しく改善され、各種機能性食品原料として好適に
利用できる。
第1図は、実施例1の各飼料によるラットの飼育日数と
血圧の関係を示したグラフである。
血圧の関係を示したグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】その水分率を61〜75%に調整した小麦粉加
工物を製麹原料とし、これにモナスカス属菌を植菌、繁
殖させることを特徴とする小麦紅麹の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21399789A JP2847537B2 (ja) | 1989-08-19 | 1989-08-19 | 小麦紅麹の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21399789A JP2847537B2 (ja) | 1989-08-19 | 1989-08-19 | 小麦紅麹の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0376573A JPH0376573A (ja) | 1991-04-02 |
JP2847537B2 true JP2847537B2 (ja) | 1999-01-20 |
Family
ID=16648548
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21399789A Expired - Lifetime JP2847537B2 (ja) | 1989-08-19 | 1989-08-19 | 小麦紅麹の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2847537B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100404067B1 (ko) * | 2001-01-04 | 2003-11-01 | 주식회사 이지바이오시스템 | 유기태 셀레늄 함유 홍보리쌀 및 그의 제조방법 |
US7938060B2 (en) | 2004-09-13 | 2011-05-10 | Southeastern Mills, Inc. | Breadcrumb manufacturing system and method |
KR100882613B1 (ko) * | 2007-06-12 | 2009-02-12 | 주식회사 파리크라상 | 모나스커스를 이용한 밀가루 코지 제조방법 |
CN104004623A (zh) * | 2014-06-09 | 2014-08-27 | 泰安生力源生物工程有限公司 | 一种固态发酵基质的传质传热改良方法 |
-
1989
- 1989-08-19 JP JP21399789A patent/JP2847537B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0376573A (ja) | 1991-04-02 |
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