JPH11514333A - アミロイドの凝集の調節剤 - Google Patents

アミロイドの凝集の調節剤

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JPH11514333A JP8527816A JP52781696A JPH11514333A JP H11514333 A JPH11514333 A JP H11514333A JP 8527816 A JP8527816 A JP 8527816A JP 52781696 A JP52781696 A JP 52781696A JP H11514333 A JPH11514333 A JP H11514333A
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Abstract

(57)【要約】 アミロイド形成性蛋白又はペプチドの凝集を調節する化合物を開示する。本発明の調節剤は、アミロイドの凝集を促進し、又は好ましくは天然アミロイドの凝集を抑止することができる。好ましい具体例において、この化合物は、天然β−アミロイドペプチド(β−AP)の凝集を調節する。好ましい具体例において、本発明のβ−アミロイド調節剤化合物は、Aβ凝集コアドメインとこれにカップリングした変性基とからなり、この化合物が天然β−アミロイドペプチドと接触したときに天然β−アミロイドペプチドの凝集を変化させ又はその神経毒性を抑止するようなものである。さらに、この調節剤は、天然β−APが調節剤に対してモル過剰量であるときに天然β−APの凝集を変化させることができる。本発明の化合物からなる製薬組成物並びに本発明の化合物を使用してアミロイド形成性疾病を診断し治療する方法も開示する。

Description

【発明の詳細な説明】 アミロイドの凝集の調節剤発明の背景 アルツハイマー病(AD)は、1907年にバイエルンの精神科医であるアロ イス・アルツハイマーによって最初に報告されたもので、短期間の記憶喪失より 始まって、失見当識、判断及び推理の欠陥、究極的には痴呆に進行する進行性の 神経障害である。この疾病の経過は、通常、兆候があってから4年〜12年の間 にひどく衰弱して不動の状態で死に至る。ADは、65才以上の人口の5〜11 %、そして85才以上の人口の47%以上を悩ましているものと推定された。A Dを処置し取扱うための社会的な経費は、主としてAD患者に必要とされる莫大 な保護ケアのために年間で800億ドル以上になる。さらに、1940年から1 950年代の人口ブームの間に生まれた成人がADがさらに流行するようになる 年齢に近づいているので、ADの抑制と処置はさらに重要なヘルスケアの問題と なるであろう。現在、この疾病の進行を有意に遅らせる治療法はない。ADにつ いての論評については、セルコエD.J.Sci.Amer.Nov.1991,pp.68-78及び ヤンクナーB.A.他 N.Eng.J.Med.325:1849-1857を参照されたい。 最近、アルツハイマー型神経病理学的状態が遺伝子導入マウスにおいて作り出 されたことが報告された(ゲームズ他(1995)Nature 373:523-527)。遺伝子導入 マウスは、高レベルのヒト突然変異アミロイド先駆体蛋白を発現させ、ADと関 係した多くの病理学的な状態を徐々に発生させる。 病理学的には、ADは罹病者の脳に特有の病変が存在するのが特徴である。こ れらの脳の病変には、神経細線維のもつれ(NTFs)と称される異常な細胞内 フィラメント及び老人におけるアミロイド形成性蛋白の細胞外沈着、即ちアミロ イドプラークが含まれる。アミロイドの沈着は、AD患者の脳血管の壁にも存在 する。アミロイドプラークの主要蛋白成分は、β−アミロイドペプチド(β−A P)と称される4キロダルトンのペプチドとして同定された(グレンナーG.G .及びウオングC.W.(1984)Biochem.Biophys.Res.Commun.120 :885- 890 ;マスターズC.他(1985)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:4245-4249)。 β−APの散らばった沈着は、正常な成人にしばしば観察されるのに対して、A Dの脳組織は一層詰まった緻密なコア状のβ−アミロイドプラークによって特徴 づけられる(例えば、デービスL.他(1998)Neurology 38:1688-1693)。これら の観察は、β−APの沈着が、ADにおいて起こるニューロンの破壊に先行し、 その破壊に寄与することを示唆している。β−APの直接の病理学的な役割のさ らなる裏付けして、β−アミロイドは、培養でまたインビボでも成熟ニューロン に対して毒性であることが示された。ヤンカーB.A.他(1989)Science 245:41 7-420;ヤンカーB.A.他(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:9020-9023; ローハーA.E.他(1991)Biochem.Biophys.Res.Commun.174:572-579;コー ウオールN.W.他(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:7247-7251を参照さ れたい。さらに、アミロイドーシス−ドイツ型の遺伝性脳出血(HCHWA−D )(これは大脳皮質及び脳血管系内に散らばったβ−アミロイド沈着を特徴とす る。)のある患者は、β−AP内でアミノ酸置換をもたらす点突然変異を有する ことが示された。レビーE.他(1990)Science 248:1124-1126を参照されたい。 この観察は、β−AP配列の特定の変化がβ−アミロイドを沈着させ得ることを 立証している。 天然β−APは、アミロイド先駆体蛋白(APP)と称される非常に大きい蛋 白から蛋白分解によって誘導される。カングL.他(1987)Nature 325:733 ;ゴ ールドゲーバーD.他(1987)Nature 235:877 ;ロバキスN.K.他(1987)Pro c.Natl.Acad.Sci.USA 84:4190;タンジR.E.他(1980)Science 235:880 を参照されたい。APP遺伝子は染色体21にマップされ、これによって染色 体21の三染色体性によって生じるダウン症候群のある個体において若い年齢で 見られるβ−アミロイドの沈着についての説明が与えられる。マンD.M.他(1 989)Neuropathol.Appl.Neurobiol 15:317;ランブルB.他(1989)N.Eng.J. Med.320:1446 を参照されたい。APPは単一膜を張っている領域と、細胞外の 環境に伸びている長いアミノ末端領域(蛋白の約3分の2)及び細胞質中に突き 出ているこれよりも短いカルボキシ末端領域を含む。APPメッセンジャーRN Aの分化スプライシングでは、563個のアミノ酸(APP−563)、6 95個のアミノ酸(APP−695)、714個のアミノ酸(APP−714) 、751個のアミノ酸(APP−751)又は770個のアミノ酸(APP−7 70)のいずれかからなる少なくとも5形態のAPPがもたらされる。 APP内では、天然産β−アミロイドペプチドは、APP−770のアミノ酸 位置672におけるアスパラギン酸残基で始まる。APPの蛋白分解から誘導さ れる天然産β−APは、異質性を示すカルボキシ末端の終点に応じて、長さが3 9〜43個のアミノ酸残基である。AD患者とび正常な成人の双方の血液及び脳 脊髄液におけるβ−APの支配的な循環形体は、β1−40(“短いβ”)であ る。シューベルトP.他(1992)Nature 359:325 ;ショウジM.他(1992)Scien ce 258:126 を参照されたい。しかし、β1−42及びβ1−43(“長いβ” )もβ−アミロイドプラークの形体である。マスターズC.他(1985)Proc.Natl .Acad.Sci.USA 82:4245;ミラーD.他(1993)Arch.Biochem.Biophys.301: 41;モリH.他(1992)J.Biol.Chem.267:17082 を参照されたい。β−APP の凝集及び沈着をもたらす正確な分子機構はわからないけれども、その過程は、 核形成に依存する重合、例えば、蛋白の結晶化、微小球の形成及びアクチンの重 合の機構になぞらえられた。例えば、ジャレットJ.T.及びランスバリーP. T.(1993)Cell.73:1055-1058を参照されたい。このような過程においては、単 量体成分の重合は、核の形成まで起こらない。従って、これらの過程は、凝集が 起こる前のラグタイム、次いで核形成後の迅速な重合によって特徴づけられる。 核形成は、“種”又は予め形成された核の添加により促進させることになり、こ れが迅速な重合をもたらす。β−APの長いβ体は、種として作用し、これによ って長いβ−AP体及び短いβ−AP体の双方の重合を促進させることが示され た。ジャレットJ.T.他(1993)Biochemistry 32:4693 を参照されたい。 β−APでアミノ酸置換が行われた一つの研究において、2種の突然変異βペ プチドは、突然変異体と非突然変異体のβペプチドが混合されたときに非突然変 異体のβ−APの重合を妨げることが報告された。ヒルビッヒC.他(1992)J.M ol.Biol.228:460-473を参照されたい。しかし、この効果を知るために、等モ ル量の突然変異体と非突然変異体(即ち、天然)のβ−アミロイドペプチドを使 用し、突然変異体ペプチドはインビイボで使用するのに不適当であると報告され た。C.ヒルビッヒ他(1992)同誌を参照されたい。発明の概要 本発明は、アミロイド形成性蛋白及びペプチドの凝集を調節することができる 化合物及びその製薬組成物、特に、天然β−アミロイドペプチド(β−AP)の 凝集を調節することができ且つ天然β−APの神経毒性を抑止することができる 化合物に関する。一つの具体例として、本発明は、アミロイド形成蛋白又はその ペプチド断片を少なくとも1個の調節基に直接に又は間接的にカップリングさせ てなるアミロイド調節剤化合物であって、これが天然アミロイド形成蛋白又はペ プチドと接触したときに天然アミロイド蛋白又はペプチドの凝集を調節するよう にカップリングさせたアミロイド調節剤化合物を提供する。好ましくは、この化 合物は、天然アミロイド形成蛋白又はペプチドと接触したときに天然アミロイド 形成蛋白又はペプチドの凝集を抑止する。アミロイド形成蛋白又はそのペプチド 断片は、例えば、トランスチレチン(TTR)、プリオン蛋白(PrP)、小島 アミロイドポリペプチド(IAPP)、心房ナトリウム排泄因子(ANF)、κ −軽鎖、λ−軽鎖、アミロイドA、プロカルシトニン、シスタチンC、β2−ミ クログロブリン、アポA−I、ゲルソリン、プロカルシトニン、カルシトニン、 フィブリノーゲン及びリゾチームよりなる群から選択される。 本発明の最も好ましい具体例において、この化合物は、天然β−APの凝集を 調節させる。本発明は、下記の式からなるβ−アミロイドペプチド化合物を提供 する。 (ここで、Xaaは、β−アミロイド先駆体蛋白−770(APP−770)の 位置668に対応し又はAPP−770の位置668に対してカルボキシ末端側 の残基に対応するアミノ末端アミノ酸残基を有するβ−アミロイドペプチドであ り、Aは、この化合物が天然β−アミロイドペプチドと接触したときに天然β− アミロイドペプチドの凝集を抑止するように該化合物のアミロイドペプチドに直 接又は間接的に結合した変性基であり、nはこの化合物が天然β−アミロイドペ プチドと接触したときに天然βアミロイドペプチドの凝集を抑止するように選択 される整数である。) 一具体例において、少なくとも1個のA基は、化合物のβ−アミロイドペプチ ドのアミノ末端に直接又は間接的に結合している。別の具体例では、少なくとも 1個のA基が化合物のβ−アミロイドペプチドのカルボキシ末端に直接又は間接 的に結合している。さらに他の具体例では、少なくとも1個のA基が、化合物の β−アミロイドペプチドの少なくとも1個のアミノ酸残基の側鎖に直接又は間接 的に結合している。 また、本発明は、Aβ凝集コアドメイン(ACD)を少なくとも1個の変性基 に直接又は間接的にカップリングしてなるβ−アミロイド調節剤化合物であって 、これが天然β−アミロイドペプチドと接触したときに天然β−アミロイドペプ チドの凝集を調節し又は神経毒性を抑止させるようにカップリングさせたβ−ア ミロイド調節剤化合物を提供する。好ましくは、Aβ凝集コアドメインは、長さ が3〜10個のアミノ酸の天然β−アミロイドペプチドのサブ領域にならってモ デル化される。 また、本発明は、下記の式からなるβ−アミロイド調節剤化合物を提供する。 (ここで、Xaa1、Xaa2及びXaa3はそれぞれアミノ酸構造であり、Xa a1、Xaa2及びXaa3の少なくとも2個は独立してロイシン構造、フェニル アラニン構造及びバリン構造よりなる群から選択され、 Yは、存在しても存在しなくてもよく、式(Xaa)a(ここで、Xaaは任 意のアミノ酸構造であり、aは1〜15の整数である。)を有するペプチド構造 であり、 Zは、存在しても存在しなくてもよく、式(Xaa)b(ここで、Xaaは任 意のアミノ酸構造であり、bは1〜15の整数である。)を有するペプチド構造 であり、 Aは化合物に直接又は間接的に結合した変性基であり、nは整数であり、 Xaa1、Xaa2、Xaa3、Y、Z、A及びnは、この化合物が天然β−ア ミロイドペプチドと接触したときに天然β−アミロイドペプチドの凝集を調節し 又は神経毒性を抑止するように選択される。) 好ましい具体例において、Xaa1及びXaa2はそれぞれフェニルアラニン構造 である。他の具体例においては、Xaa2及びXaa3はそれぞれフェニルアラニ ン構造である。 さらに、本発明は、下記の式からなるβ−アミロイド調節剤化合物を提供する 。 (ここで、Xaa1及びXaa3はアミノ酸構造であり、 Xaa2はバリン構造であり、 Xaa4はフェニルアラニン構造であり、 Yは、存在しても存在しなくてもよく、式(Xaa)a(ここで、Xaaは任 意のアミノ酸構造であり、aは1〜15の整数である。)を有するペプチド構造 であり、 Zは、存在しても存在しなくてもよく、式(Xaa)b(ここで、Xaaは任 意のアミノ酸構造であり、bは1〜15の整数である。)を有するペプチド構造 であり、 Aはこの化合物に直接又は間接的に結合した変性基であり、nは整数であり、 Xaa1、Xaa3、Y、Z、A及びnは、この化合物が天然β−アミロイドペ プチドと接触したときに天然β−アミロイドペプチドの凝集を調節し又は神経毒 性を抑止するように選択される。) 好ましい具体例において、Xaa1はロイシン構造であり、Xaa3はフェニル アラニン構造である。 さらに、本発明は、下記の式からなる化合物を提供する。 A-Xaa1-Xaa2-Xaa3-Xaa4-Xaa5-Xaa6-Xaa7-Xaa8-B (ここで、Xaa1はヒスチジン構造であり、 Xaa2はグルタミン構造であり、 Xaa3はリシン構造であり、 Xaa4はロイシン構造であり、 Xaa5はバリン構造であり、 Xaa6フェニルアラニン構造であり、 Xaa7はフェニルアラニン構造であり、 Xaa8はアラニン構造であり、 A及びBはこの化合物のアミノ末端及びカルボキシ末端にそれぞれ直接又は間 接的に結合した変性基であり、 Xaa1−Xaa2−Xaa3、Xaa1−Xaa2又はXaa1は存在しても存在 しなくてもよく、 Xaa8存在しても存在しなくてもよく、 A及びBの少なくとも1個は存在する。) 本発明は、さらに、変性基をペプチド構造に直接又は間接的に結合してなるβ −アミロイド調節剤化合物であって、該ペプチド構造が よりなる群から選択されるアミノ酸配列を有するアミノ酸構造からなる、該β− アミロイド調節剤化合物を提供する。 調節基を含む本発明の化合物において、好ましくは、変性基は、環式、複素環 式又は多環式基からなる。好ましい変性基は、コラノイル構造のようなcis− デカリン基を含有する。好ましい変性基は、コリル基、ビオチン含有基、ジエチ レントリアミンペンタアセチル基、(−)−メントキシアセチル基、フルオレセ イン含有基又はN−アセチルノイラミニル基を含む。 本発明の化合物は、例えば、化合物の薬物動力学的性質を変更させ又は化合物 を検出可能な物質で標識付けするためにさらに変性することができる。好ましい 放射性標識物は、放射性沃素又はテクネチウムである。 また、本発明は、モル過剰量の天然β−アミロイドペプチドと接触したときに 天然β−アミロイドペプチドの凝集を抑止するβ−アミロイド調節剤を提供する 。 さらに、本発明は、天然β−アミロイドペプチドと接触したときに天然β−ア ミロイドペプチの凝集を抑止するように、βAP1-39になぞらえて少なくとも1 個のアミノ酸欠失を有するアミノ酸配列からなるβ−アミロイドペプチド化合物 を提供する。一具体例において、この化合物は、βAP1-39になぞらえて少なく とも1個の内部アミノ酸欠失を有する。他の具体例では、この化合物は、βAP1-39 になぞらえて少なくとも1個のN−末端アミノ酸欠失を有する。さらに他の 具体例においては、化合物は、βAP1-39になぞらえて少なくとも1個のC−末 端アミノ酸欠失を有する。好ましい化合物は、βAP6-20(SEQ ID NO :13)、βAP16-30(SEQ ID NO:14)、βAP1-20,26-40(S EQ ID NO:15)及びEEVVHHHHQQ−βAP16-40(SEQ ID NO:16)を含む。 本発明の化合物は、この化合物と製薬上許容できるキャリアーを含む製薬組成 物に処方することができる。また、この化合物は、診断薬の製造に又はアミロイ ド形成性疾病の治療に使用することができる。 本発明の別の観点は、本発明の化合物を使用する診断及び治療方法に関する。 本発明は、天然β−アミロイドペプチドの凝集が抑止されるように天然β−アミ ロイドを本発明の化合物と接触させることからなる、天然β−アミロイドペプチ ドの凝集を抑止する方法を提供する。また、本発明は、天然β−アミロイドペプ チドの神経毒性が抑止されるように天然β−アミロイドペプチドを本発明の化合 物と接触させることからなる、天然β−アミロイドペプチドの神経毒性を抑止す る方法を提供する。 他の具体例として、本発明は、生物学的試料中の天然β−アミロイドペプチド の存在の有無を検出するにあたり、生物学的試料を本発明の化合物と接触させ、 天然β−アミロイドペプチドに結合した化合物を検出することにより生物学的試 料中の天然β−アミロイドペプチドの存在の有無を検出することからなる、該検 出方法を提供する。一つの具体例では、β−アミロイド調節剤化合物と生物学的 試料がインビトロで接触される。他の具体例では、β−アミロイド調節剤化合物 は、β−アミロイド調節剤化合物を被検者に投与することによって生物学的試料 と接触される。インビボでの投与のためには、好ましくは化合物は、放射性テク ネチム又は放射性沃素により標識付けされる。 さらに他の具体例において、本発明は、生物学的試料を本発明の化合物と接触 させ、天然β−アミロイドペプチドに結合した化合物を検出してβ−アミロイド 形成性疾病の診断を容易にさせることからなる、β−アミロイド形成性疾病の診 断を容易にさせるために天然β−アミロイドペプチドを検出する方法を提供する 。一つの具体例では、β−アミロイド調節剤化合物と生物学的試料がインビトロ で接触される。他の具体例では、β−アミロイド調節剤化合物は、β−アミロイ ド調節剤化合物を被検者に投与することによって生物学的試料と接触される。イ ンビボでの投与のためには、好ましくは化合物は、放射性テクネチム又は放射性 沃素により標識付けされる。好ましくは、この方法はアルツハイマー病の診断を 容易にさせる。 また、本発明は、被験者がアミロイドーシスと関連した障害のために治療され るように、その被験者に製薬上又は予防上有効な量の本発明の化合物を投与する ことからなる、アミロイドーシスと関連した障害を治療する方法を提供する。こ の方法は、例えば、家族性アミロイド多発性神経障害(ポルトガル、日本及びス エーデン型)、家族性アミロイド心筋症(デンマーク型)、独立性心臓アミロイ ド、全身老人性アミロイドーシス、スクラピー、牛海綿状エンセファロパシー、 クロイツフェルト−ヤコブ病、ゲルストマン−シュトラウスラー−シュアインカ ー症候群、成人発症糖尿病、インスリノーマ、独立性心房アミロイドーシス、特 発性(原発性)アミロイドーシス、骨髄腫又はマクログロブリン血症と関連した アミロイドーシス、ジョーグレン症候群と関連した原発性局所皮膚小結節性アミ ロイドーシス、反応性(二期の)アミロイドーシス、蕁麻疹及び難聴を伴う家族 性地中海熱及び家族性アミロイドネフロパシー(マックルーウエルズ症候群)、 アイスランド型のアミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、長期血液透析と関連し たアミロイドーシス、遺伝性非ニュロパシー全身アミロイドーシス(家族性アミ ロイド多発性神経障害III)、フィンランド型の家族性アミロイドーシス、甲状 腺の髄質癌と関連したアミロイドーシス、フィブリノーゲンと関連した遺伝性腎 臓アミロイドーシス及びリゾチームと関連した遺伝性全身アミロイドーシスより なる群から選択される障害を治療するのに使用することができる。 好ましい具体例において、本発明は、被験者がβ−アミロイドーシスと関連し た障害のために治療されるように、その被験者に製薬上又は予防上有効な量の本 発明の化合物を投与することからなる、β−アミロイドーシスと関連した障害を 治療する方法を提供する。好ましくは、障害はアルツハイマー病である。 さらに他の具体例において、本発明は、β−アミロイドーシスと関連した障害 について被験者を治療するにあたり、本発明の化合物が被験者において合成され 、その被験者がβ−アミロイドーシスと関連した障害のために治療されるように 、その被験者に本発明の化合物をコード化する組換え発現ベクターを投与するこ とからなる、β−アミロイドーシスと関連した障害を治療する方法を提供する。 好ましくは、障害はアルツハイマー病である。図面の簡単な説明 第1図は、β−アミロイド調節剤の不存在下又はβ−アミロイド調節剤N−ビ オチニル−βAP1-40(1%又は5%)の存在下で400nmの光学密度で測定 されたときのβ−AP1-40の濁度を示すグラフである。 第2図は、本発明のβ−アミロイド調節剤を形成するようにβ−AP又はAβ 凝集コアドメインを変性するのに使用できる化合物の該略である。 第3図は、培養されたニューロン細胞に対するAβ1-40凝集物(Aβ1-40単量 体ではなくて)の毒性を示すグラフである。 第4図は、等モル量のコリル−Aβ6-20(パネルA)、〜2倍モル過剰量のコ リル−Aβ6-20(パネルB)又は〜6倍モル過剰量のコリル−Aβ6-20(パネル C)の存在下でのAβ1-40の凝集並びに培養されたニューロン細胞に対応するパ ネルA、B及びCの凝集物の毒性(パネルD、E及びF)を示すグラフである。発明の詳細な説明 本発明は、アミロイド形成蛋白及びペプチドの凝集を調節することができる化 合物及びその製薬組成物、特に、天然β−アミロイドペプチド(β−AP)の凝 集を調節することができ且つ天然β−APsの神経毒性を抑止することができる 化合物に関する。天然β−APの凝集を調節する本発明の化合物(ここでは、β −アミロイド調節剤化合物、β−アミロイド調節剤又は単純に調節剤と換えて使 用するが)は、調節剤が天然β−APと接触したときに天然β−APの凝集を変 化させる。従って、本発明の化合物は、β−APについて天然凝集過程又は速度 を変化させることによってこの過程を壊すように作用する。好ましくは、本発明 の化合物は、β−APの凝集を抑止させる。さらに、本発明は、天然β−アミロ イドペプチドと接触したときに天然β−アミロイドペプチドの凝集を変化させ( 及び好ましくは抑止する)のに十分である(以下に説明するように適当に変性さ れたときに。)β−アミロイドペプチドのサブ領域を提供する。本発明の特に好 ましい調節剤化合物は、β−APについて天然凝集過程又は速度を変化させる( 及び好ましくは抑止する)のに十分である上述のAβサブ領域(以下にさらに説 明する。)にならってモデル化されたAβ凝集コアドメインの変性された形体か らなる。このAβ凝集コアドメインは、3個ほどに少ないアミノ酸残基(又は、 その誘導体、類似体又は擬似体(mimetic))からなることができる。さ らに、Aβ凝集コアドメインのアミノ酸配列は天然β−APに見出されるアミノ 酸配列に直接対応できるけれども、アミノ酸配列がβ−APの配列に直接対応す ることは必須ではない。むしろ、β−APの好ましいサブ領域(位置17〜20 を中心とした疎水性領域)から誘導されるアミノ酸残基は本発明の調節剤化合物 内で順序を再配列し及び(又は)同族の残基により置換することができ、それで もその抑止活性を維持することができる(以下に詳述する。)。 本発明のβ−アミロイド調節剤化合物は、インビトロでの天然β−APの凝集 を抑制し及び(又は)培養された細胞に対する天然β−APフィブリルの神経毒 性を抑止する能力に基づいて(以下に説明する検定法を使用して)選択すること ができる。従って、好ましい調節剤化合物は、天然β−APの凝集を抑制し及び (又は)天然β−APの神経毒性を抑止する。しかし、これらの性質の一方又は 両方に基づいて選択さらた調節剤化合物は、アミロイドーシスの治療において有 益であり得るインビボでの追加性質を有することができる。例えば、調節剤化合 物は、(直接又は間接的なプロテアーゼの抑制によって或はインビボで毒性のβ −AP又はその他のAPP断片を生じる過程を調節することによって天然β−A Pの過程を妨げることができる。或いは、調節剤化合物は、インビトロでのAβ の凝集の抑止よりはむしろこれらの後者の性質に基づいて選択することができる 。さらに、天然β−APとの相互作用に基づいて選択される本発明の調節剤化合 物は、APP又はその他のAPP断片と相互作用することができる。 β−アミロイドの凝集の“調節剤”とは、ここで使用するときは、天然β−ア ミロイドペプチドと接触したときに、天然β−アミロイドペプチドの凝集を変化 させる物質を言うものである。用語“β−アミロイドペプチドの凝集”とは、ペ プチドが互いに会合して多量体の非常に不溶性の錯体を形成するような過程を言 う。さらに、用語“凝集”とは、β−アミロイドフィブリルの形成を包含し、ま たβ−アミロイドプラークも包含するものとする。 ここに相互変換的に使用される用語“天然β−アミロイドペプチド”、“天然 β−AP”及び“天然Aβペプチド”とは、β−APの凝集及びβ−アミロイド ーシスに関係するβ−アミロイド先駆体蛋白(APP)の天然産蛋白分解生成物 を包含するものとする。これらの天然ペプチドは、39〜43個のアミノ酸を有 するβ−アミロイドペプチド(即ち、Aβ1-39、Aβ1-40、Aβ1-41、Aβ1-42 及びAβ1-43)を包含する。天然β−APのアミノ末端アミノ酸残基は、アミロ イド先駆体蛋白の770個のアミノ酸残基形体(“APP−770”)の位置6 72のアスパラギン酸残基に対応する。天然β−APの43個のアミノ酸長さの 形体は次のアミノ酸配列 DAEFRHDSGYEVHHQKLVFFAEDVGSNKGAIIGLMVGGVVIAT (また、SEQ ID NO:1で示される。)を有するが、これよりも短い形 体はカルボキシ末端からの1〜4個のアミノ酸残基欠失を有する。APP−77 0の位置672(即ち、天然β−APのアミノ末端)からそのC末端までのアミ ノ酸配列(103個のアミノ酸)をSEQ ID NO:2で示す。以下に説明 する凝集検定法に使用するのに好ましい形体の天然β−APは、Aβ1-40である 。 本発明の調節剤の存在下では、天然β−アミロイドペプチドの凝集が“変化” 又は“調節”される。種々の形の用語“変化”又は“調節”とは、β−APの凝 集no抑止及びβ−APの凝集の促進の両方を包含するものとする。天然β−A Pの凝集は、調節剤の不存在下にβ−AP凝集の量及び(又は)速度と比べてβ −AP凝集の量及び(又は)速度の低下があるときに、調節剤の存在下に“抑止 ”される。種々の形の用語“抑止”とは、β−APの凝集の完全な抑止及び部分 的な抑止の両方を包含するものとする。凝集の抑止は、実施例に記載するような 凝集検定法を使用して、凝集のための倍で表したラグタイムの増加又は凝集の全 平坦域レベル(即ち、凝集の総量)の減少として定量化することができる。種々 の具体例において、本発明の調節剤は、凝集のラグタイムを少なくとも1.2倍 、1.5倍、1.8倍、2倍、2.5倍、3倍、4倍又は5倍増加させる。種々 の他の具体例においては、本発明の調節剤は、凝集の平坦域レベルを少なくとも 10%、20%、30%、40%、50%、75%又は100%抑止する。 β−APの凝集を抑止する調節剤(“抑止性調節剤化合物”)は、β−アミロ イドの沈着の開始を防止し又は遅延させるのに使用することができる。さらに、 例10において立証するように、本発明の抑止性調節剤化合物は、天然Aβペプ チドの神経毒性凝集物の形成及び(又は)活性を抑止する(即ち、抑止性化合物 は、β−APの神経毒性を抑止するのに使用することができる。)。さらにまた 、例10において立証するように、本発明の抑止性化合物は、予め形成されたβ −AP凝集物の神経毒性を低下させるのに使用することができ、抑止性調節剤が 予め形成されたAβフィブイル又は可溶性凝集物に結合し、その固有の神経毒性 を調節することができ或いは調節剤がβ−APの単量体形体と凝集形体との間の 平衡を神経毒性でない形体の方に撹乱させ得ることを示している。 さらに、別の具体例において、本発明の調節剤化合物は、天然Aβペプチドの 凝集を促進させる。種々の形の用語“促進”とは、調節剤の不存在下でのβ−A Pの凝集の量及び(又は)速度と比べて、調節剤の存在下でのβ−APの凝集の 量及び(又は)速度の増加を言う。Aβの凝集を促進させるこのような化合物は 、刺激性調節剤化合物という。刺激性調節剤化合物は、例えば、β−APの凝集 が有害である生物学的区画から、β−APの凝集が有害でなくてβ−APを枯渇 させ得る生物学的区画にβ−アミロイドペプチドを隠退させるのに有用である。 さらに、刺激性調節剤化合物は、インビトロでの凝集検定法(例えば、実施例に 記載のような検定法)において、例えばこのAβの凝集を抑止し又は逆にさせる ことができる被検化合物のためのスクリーニング検定法においてAβの凝集を促 進させるのに使用することができる(即ち、刺激性調節剤化合物は、Aβ凝集物 の形成を促進させる“種”として作用し得る。)。 好ましい具体例において、本発明の調節剤は、モル過剰量の天然β−APと接 触したときにβ−APの凝集を変化させることができる。“モル過剰量の天然β −AP”とは、調節剤のモル濃度よりも大きい天然β−APのモル濃度を言う。 例えば、調節剤とβ−APが両方とも1μMの濃度で存在するならば、それらは “等モル”といわれるが、これに対して調節剤が1μMの濃度で存在し且つβ− APが5μMの濃度で存在するならば、β−APは調節剤と比べて5倍モル過剰 量で存在するという。好ましい具体例において、本発明の調節剤は、天然β−A Pが調節剤の濃度と比べて少なくとも2倍、3倍又は5倍モル過剰量で存在する ときに天然β−APの凝集を変化させるのに有効である。他の具体例において、 調節剤は、天然β−APが調節剤の濃度と比べて少なくとも10倍、20倍、3 3倍、50倍、100倍、500倍又は1000倍モル過剰量で存在するときに β−APの凝集を変化させるのに有効である。 本発明の調節剤及びその用途のさらに種々の観点について以下に詳細に説明す る。 I.調節剤化合物 一つの具体例において、本発明の調節剤化合物は、次式よりなるβ−アミロイ ドペプチド化合物からなる。 (ここで、Xaaはβ−アミロイドペプチドであり、Aは、この化合物が天然β −アミロイドペプチドと接触したときに天然アミロイドペプチドの凝集を抑止す るように化合物のアミロイドペプチドに直接又は間接的に結合した調節基であり 、nはこの化合物が天然β−アミロイドペプチドと接触したときに天然βアミロ イドペプチドの凝集を抑止するように選択される整数である。) 好ましくは、本発明の化合物のβ−アミロイドペプチドは、β−アミロイド先 駆体蛋白−770(APP−770)の位置668に対応し又はAPP−770 の位置668に対してカルボキシ末端側の残基に対応するアミノ末端アミノ酸残 基を有する。位置668から位置770(即ち、カルボキシ末端)までのAPP −770のアミノ酸配列は、SEQ ID NO:2として以下の式 EVKMDAEFRHDSGYEVHHQKLVFFAEDVGSNKGAIIGLMVGGVVIATVIVITL VMLKKKQYTSIHHGVVEVDAAVTPEERHLSKMQQNGYENPTYKFFEQMQN で示される。さらに好ましくは、β−アミロイドペプチドのアミノ末端アミノ酸 残基は、APP−770の位置672(SEQ ID NO:2のアミノ酸配列 の位置5)に対応し又はAPP−770の位置672に対してカルボキシ末端側 の残基に対応する。本発明の化合物のβ−アミロイドペプチドは、APP−77 0の位置668〜770に対応する103個のアミノ酸残基を包むことができ、 好ましくはペプチドは長さが6〜60個のアミノ酸、さらに好ましくは長さが1 0〜40個のアミノ酸、最も好ましくは長さが10〜25個のアミノ酸残基の間 である。 用語“β−アミロイドペプチド”とは、ここで使用するときは、本発明の調節 剤において使用したように、APPにおける天然配列のアミノ酸配列と同等のア ミノ酸配列を有するペプチド並びに天然配列から許容できるアミノ酸置換を有す るペプチドを包含するものとする。許容できるアミノ酸置換は、ペプチドが天然 β−APの凝集を変化させる能力に影響を与えないものである。さらに特定のア ミノ酸置換は、ペプチドが天然β−APの凝集を変化させる能力に寄与し得るし 及び(又は)ペプチドに追加の有益な性質(例えば、溶解度の増加、その他のア ミロイド蛋白との会合の減少など)を付与し得る。例えば、天然β−APの位置 19及び20(SEQ ID NO:1で示されるアミノ酸配列の位置19及び 20)の2個のフェニルアラニン残基の疎水性アミノ酸残基による置換は、ペプ チドが天然β−APの凝集を変化させる能力にさらに寄与し得る(ヒルビッヒC .(1992)J.Mol.Biol.228:460-473を参照)。従って、一つの具体例において 、化合物のβ−APは、SEQ ID NO:3として示される下記の式 DAEFRHDSGYEVHHQKLV(Xaa19)(Xaa20)AEDVGSNKGAIIGLMVGGVVIAT (又はそのアミノ末端又はカルボキシ末端の欠失) (ここで、Xaaは疎水性アミノ酸である。) のアミノ酸配列からなる。疎水性アミノ酸の例は、イソロイシン、ロイシン、ト レオニン、セリン、アラニン、バリン又はグリシンである。好ましくは、F1920 がT1920又はG1920により置換される。 その他の好適なアミノ酸置換には、ヒトペプチドにおけるアミノ酸の齧歯類β −APペプチドの対応アミノ酸による置換が含まれる。ヒトβ−APとラットβ −APの間で異なる3個のアミノ酸残基は、SEQ ID NO:1及び3で示 されるアミノ酸配列の位置5、10及び13である。ヒトと齧歯類の置換:Ar g5とGly、Tyr10とPhe及びHis13とArgを有するヒトβ−APは 、ヒトペプチドの性質を保持することが示された(フレーザーP.E.他(1992) Biochemistry 31:10716-10723 及びヒルビッヒC.他(1991)Eur.J.Bio.Chem .201:61-69を参照されたい。)。従って、齧歯類β−APa.a.置換を有す るヒトβ−APは、本発明の調節剤において使用するのに好適である。 その他の可能なβ−APアミノ酸置換は、ヒルビッヒC.他(1991)J.Mol.Bi ol.218:149-163 及びヒルビッヒC.他(1992)J.Mol.Biol.228:460-473 に 記載されている。さらに、β−APがその他の蛋白と会合する能力に影響を与え るアミノ酸置換を導入することができる。例えば、β−APがセルピン酵素錯体 (SEC)受容体、α1−アンチキモトリプシン(ACT)及び(又は)アポリ ポ蛋白E(ApoE)と会合する能力を減少させる一つ以上のアミノ酸置換を導 入することができる。SEC受容体に対する結合を減少させるための好ましい置 換は、L3435とA3435(SEQ ID NO:1及び3で示されるアミノ酸 配列の位置34及び35)である。ACTに対する結合を減少させるための好ま しい置換は、S8とA8(SEQ ID NO:1及び3で示されるアミノ酸配列 の位置8)である。 ここに説明した又は斯界で知られたβ−APアミノ酸置換の別法として、少な くとも一部がアミノ酸置換β−アミロイドペプチドからなる調節剤を、標準的な 手順で製造し、ここに説明する凝集検定法を使用してβ−APの凝集を変化させ る能力について試験することができる。元の調節剤の性質を保持するためには、 好ましくは保存的なアミノ酸置換が1個以上のアミノ酸残基で行われる。“保存 的なアミノ酸置換”とは、アミノ酸残基が類似の側鎖を有するアミノ酸残基によ り置換されるようなものである。類似の側鎖を有するアミノ酸残基の部類は、斯 界で定義されており、塩基性側鎖(例えば、リシン、アルギニン、ヒスチジン) 、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、帯電していない極性側 鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロ シン、システイン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソ ロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β− 分岐状側鎖(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)及び芳香族側鎖(例 えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を包含する 。従って、天然β−APの凝集を変化させる能力を依然として保持しているAP P−770における野生型配列のアミノ酸配列から突然変異したアミノ酸配列を 有するβ−アミロイドペプチドからなる調節剤は、本発明の範囲内に入る。 用語“β−アミロイドペプチド”とは、ここで使用するときは、さらに、ここ に説明するような天然β−APの凝集を変化させる能力を保持するペプチド類似 体又はペプチド誘導体又はペプチド擬似体を包含するものとする。例えば、本発 明の調節剤のβ−アミロイドペプチドは、その安定性、バイオアベイラビリテイ 、溶解度などを増大させるように変性することができる。用語“ペプチド類似体 ”、“ペプチド誘導体”及び“ペプチド擬似体”とは、ここで使用するときは、 ペプチドの化学構造を模倣し且つペプチドの機能的性質を保持する分子を包含す るものとする。ペプチド類似体を設計する方法は斯界で知られいる。例えば、フ ァーマーP.S.「ドラッグ・デザイン」(E.J.アリエンス編)アカデミッ ク・プレス社、NY、1980,vol.10,pp.119-143;ボールJ.B.及びアレウッ ドP.F.(1990)J.Mol.Recognition 3:55 ;モルガンB.A.及びゲイノア J.A.(1989)Ann.Rep.Med.Chem.24:243;フライディンガーR.M.(1989 )Trends Pharmacol.Sci.10:270を参照されたい。ペプチド類似体、誘導体及 びペプチド擬似体の例には、1個以上のベンゾジアゼピン分子により置換された ペプチド(例えば、ジェームズG.L.他(1993)Science 260:1937-1942を参照 されたい。)、メチル化アミド結合を有するペプチド及び“レトロ−インバーソ ”ペプチド(シストによる米国特許第4,522,752号を参照)が含まれる 。ペプチド類似体、ペプチド誘導体及びペプチド擬似体は、Aβ凝集コアドメイ ンを含む化合物に関して以下に詳細に説明する。 上で示した式を有する本発明の調節剤において、調節基(“A”)は、調節剤 のβ−アミロイドペプチドに直接又は間接的に結合される(用語“調節基”及び “変性基”は、ここで使用するときは、Aβから誘導のペプチド構造に直接又は 間接的に結合した化学基を説明するために相互変換的に使用する。)。例えば、 調節基はβ−アミロイドペプチドに共有結合により直接又は間接的に結合し、或 いは調節基は安定な非共有的会合により直接又は間接的に結合することができる 。本発明の一具体例において、調節基は調節剤のβ−アミロイドペプチドのアミ ノ末端に結合される。従って、調節剤は、次式 を有する化合物からなる。また、本発明の別の具体例においては、調節基は、調 節剤のβ−アミロイドペプチドのカルボキシ末端に結合される。従って、調節剤 は、次式 を有する化合物からなる。さらに他の具体例において、調節基は、化合物のβ− アミロイドペプチドの少なくとも1個のアミノ酸残基の側鎖に結合される(例え ば、リシル残基のε−アミノ基により、アスパラギン酸残基又はグルタミン酸残 基のカルボキシル基により、チロシル残基、セリン残基又はトレオニン残基のヒ ドロキシル基により、或いはアミノ酸側鎖上の他の好適な反応性基により)。 調節基は、化合物が天然β−アミロイドペプチドと接触したときに天然β−ア ミロイドペプチドの凝集を抑止するように選択される。従って、化合物のβ−A ペプチドがその天然状態から変性されるので、調節基“A”は、ここで使用する ときは、水素を含まないものとする。好ましい具体例において、調節基は、次式 (ここで、X1〜X3はそれぞれS、O及びNR2(R2は水素、又はアリール、低 級アルキル、アルケニル若しくはアルキニル部分である。)から独立に選択され 、Wは=O又はNR2であり、R1は低級アルキレニル部分であり、Yは直接結合 又はβ−AP上のターゲット基と反応する能力に関して選択されるスペーサー分 子である。X1〜X3又はWの少なくとも1個はNR2である。) のビオチン化合物である。 用語“アリール”とは、置換又は非置換の環を含有する芳香族部分、例えば、 ベンジル、ナフチルなどを包含するものとする。その他のより複雑な縮合環部分 も包含されるものとする。 用語“低級アルキル又はアルキレニル部分”とは、1〜約6個、好ましくは1 〜3個の炭素原子を含有する飽和の直鎖又は分岐鎖状(又はこの組合せ)炭化水 素を言う。用語“低級アルケニル部分”及び“低級アルキニル部分”とは、1〜 約6個、好ましくは1〜3個の炭素原子を含有する不飽和の炭化水素を言う。好 ましくは、R2は1〜3個の炭素原子を含有する。好ましくは、R1は4個の炭素 原子を含有する。 スペーサー分子(Y)は、例えば、低級アルキル基又はリンカーペプチドであ ってよく、好ましくは、遊離アミノ基(例えば、β−APのアミノ末端のα−ア ミノ基)と結合する能力に関して選択される。従って、好ましい具体例において 、ビオチン化合物は、β−アミロイドペプチドのアミノ末端を変性させる。 さらに好適な調節基には、その他の環式及び複素環式化合物並びに類似の立体 的な“嵩さ”を有するその他の化合物が含まれる。β−APを変性するのに使用 できる化合物の限定的ではない例を第2図に概略的に示すが、N−アセチルノイ ラミン酸、コール酸、trans−4−コチニンカルボン酸、2−イミノ−1− イミダゾリジン酢酸、(S)−(−)−インドリン−2−カルボン酸、(−)− メントキシ酢酸、2−ノルボルナン酢酸、γ−オキソ−5−アセナフテン酪酸、 (−)−2−オキソ−4−チアゾリンカルボン酸、テトラヒドロ−3−フラン酸 、2−イミノビオチン−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、ジエチレント リアミン五酢酸二無水物、塩化4−モルホリンカルボニル、塩化2−チオフェン アセチル、塩化2−チオフェンスルホニル、5−(及び6−)カルボキシフルレ セイン(スクシンイミジルエステル)、フルオレセインイソチオシアネート及び 酢酸(又はその誘導体)が含まれる。好適な調節基は、後記のIIの部で詳述する 。 本発明の調節剤には、単一の調節基をβ−アミロイドペプチドに結合させるこ とができ(例えば、上に示した基においてn=1)、又は多くの調節基をペプチ ドに結合することができる。調節基の数は、化合物が天然β−アミロイドペプチ ドと接触したときに天然β−アミロイドペプチドの凝集を抑止させるように選択 される。しかし、nは、好ましくは1〜60、さらに好ましくは1〜30、最も 好ましくは1〜10又は1〜5の間の整数である。 他の具体例において、本発明のβ−アミロイド調節剤化合物は、Aβ凝集コア ドメイン(以下、ACDと略記する。)を、この化合物が天然β−アミロイドペ プチドと接触したときに天然β−アミロイドペプチドの凝集を調節し又は神経毒 性を抑止させるように、変性基に直接又は間接的に結合させてなるものである。 用語“Aβ凝集コアドメイン”とは、ここで使用するときは、天然β−APのこ のサブ領域は以下に説明するように適切に変性される(例えば、アミノ末端で変 性される。)ときに天然β−APsの凝集を調節するのに十分である天然β−A Pのサブ領域にならってモデル化される構造を言うものとする。用語“天然β− アミロイドペプチドのサブ領域”とは、天然β−APのアミノ末端及び(又は) カルボキシ末端失欠を包含するものとする。従って、用語“天然β−APのサブ 領域”は、天然β−APの全長を包含しないものとする(即ち、“サブ領域”は Aβ1-39、Aβ1-40、Aβ1-41、Aβ1-42及びAβ1-43を包含しない)。 特定の機構によって限定するつもりはないが、本発明の調節剤のACDは、化 合物を認識して天然β−APと特異的に相互作用させる特定のターゲット官能基 を化合物に与えるものと思われる。好ましくは、ACDは、長さが15個よりも 少ないアミノ酸、さらに好ましくは長さが3〜13個のアミノ酸である天然β− APのサブ領域にならってモデル化される。種々の具体例において、ACDは、 長さが10、9、8、7、6、5、4又は3個のアミノ酸であるβ−APのサブ 領域にならってモデル化される。一つの具体例において、ACDがモデル化され るβ−APのサブ領域は、β−APの内部又はカルボキシ末端領域(即ち、アミ ノ酸位置1のアミノ末端の下流)である。他の具体例では、ACDは、疎水性で あるβ−APのサブ領域にならってモデル化される。ある特定の具体例では、用 語“Aβ凝集コアドメイン”は、アミノ酸位置1〜15(Aβ1-15)、6〜20 (Aβ6-20)及び16〜40(Aβ16-40)に対応するβ−APサブ領域を特に 除外する。 Aβ凝集コアドメインは、ペプチド結合により連結されたアミノ酸残基からな っていてよい。即ち、ACDは、β−APのサブ領域に対応するペプチドであっ てよい。或いは、Aβ凝集コアドメインは、天然Aβペプチド領域にならってモ デル化さてもよいが、ペプチド類似体、ペプチド誘導体又はペプチド擬似体或い は天然ペプチドの構造及び機能をまねるその他の類似の化合物からなっていてよ い。従って、“Aβ凝集コアドメイン”とは、ここで使用するときは、適切に変 性されたときに、変性された天然Aβペプチドサブ領域の凝集調節活性を保持す るペプチド、ペプチド類似体、ペプチド誘導体又はペプチド擬似体化合物を包含 するものとする。アミノ酸配列に基づいて設計されるこのような構造は、ここで は“Aβから誘導のペプチド構造”と言う。ペプチド類似体、ペプチド誘導体又 はペプチド擬似体を設計する方法は斯界で知られている。例えば、ファーマーP .S.「ドラッグ・デザイン」(E.J.アリエンス編)アカデミック・プレス 社、NY、1980,vol.10,pp.119-143;ボールJ.B.及びアレウッドP.F.(1 990)J.Mol.Recognition 3:55;モルガンB.A.及びゲイノアJ.A.(1989) Ann.Rep.Med.Chem.24:243 ;フライディンガーR.M.(1989)Trends Pharm acol.Sci.10:270を参照されたい。また、ソーヤーT.K.(1990)“ペプチ ド擬似体の設計及びペプチド代謝への化学的アプローチ”、テーラーM.D.及 びアミドンG.L.編“ペプチド系のドラッグデザイン:輸送及び代謝の制御” 17章;スミスA.B.他(1995)J.Am.Chem.Soc.,117:1113-11123 ;スミス A.B.三世他(1994)J.Am.Chem.Soc.116:9947-9962;ヒルシュマンR.他( 1993)J.Am.Chem.Soc.115:12550-12568を参照されたい。 化合物X(例えば、ペプチド又はアミノ酸)の“誘導体”とは、ここで使用す るときは、化合物上の1個以上の反応基が置換基によって誘導体化された形のX を言う。ペプチド誘導体の例には、アミノ酸側鎖、ペプチド主鎖又はアミノ若し くはカルボキシ末端が誘導体化されたペプチドが包含される(例えば、メチル化 アミド結合を有するペプチド化合物)。化合物Xの“類似体”とは、ここで使用 するときは、Xの機能的活性に必要なXの化学構造を保持するが、Xと異なった ある種の化学構造を含有する化合物を言う。天然産ペプチドの類似体の例は、1 個以上の非天然産アミノ酸を含むペプチドである。化合物Xの“擬似体”とは、 ここで使用するときは、Xの機能的活性に必要なXの化学構造がXの立体配座を まねるその他の化学構造により置き換えられている化合物を言う。ペプチド擬似 体の例には、ペプチド主鎖が1個以上のベンゾジアゼピン分子により置換された ペプチド化合物(例えば、ジェームズG.L.他(1993)Science 260:1937-1942 を参照されたい。)、全てのL−アミノ酸が対応するD−アミノ酸により置換さ れたペプチド及び“レトロ−インバーソ”ペプチド(シストによる米国特許第4 ,522,752号を参照されたい。)が含まれる。 用語“擬似体”、特に“ペプチド擬似体”とは、イソスターを包含するものと する。ここで、用語“イソスター”とは、第二の化学構造を置き換えることがで きる第一の化学構造を包含するものとする。なぜならば、第一の構造の空間立体 配座が第二の構造に特有の結合部位に合致するからである。この用語は、当業者 に周知のペプチド主鎖の変性(即ち、アミド結合擬似体)を特に包含する。この ような変性には、アミド窒素、α−炭素、アミドカルボニルの変性、アミド結合 の完全置換、延長、失欠又は主鎖の架橋が含まれる。いくつかのペプチド主鎖の 変性は周知であって、Ψ[CH2S]、Ψ[CH2NH]、Ψ[CSNH2]、Ψ [NHCO]、Ψ[COCH2]及びΨ[(E)又は(Z)CH=CH]を含む 。上で使用した命名において、Ψはアミド結合の不存在を示す。アミド基を置き 換える構造は、括弧内に示す。イソスターのその他の例は、1個以上のベンゾジ アゼピン分子により置換されたペプチド(例えば、ジェームズG.L.他(1993) Science 260:1937-1942 を参照されたい。)を含む。 その他の可能な変性はN−アルキル(又はアリール)置換(Ψ[CONR]) 、ラクタム及びその他の環式構造を構成するための主鎖の架橋、化合物内の全て のL−アミノ酸のD−アミノ酸による置換(“インバーソ”化合物)又は“レト ロ−インバーソ”アミノ酸組込み(Ψ[NHCO])を包含する。用語“インバ ーソ”とは配列のL−アミノ酸をD−アミノ鎖により置き換えることを意味し、 また“レトロ−インバーソ”又は“エナンチオ−レトロ”とはアミノ酸の配列を 逆にし(“レトロ”)、L−アミノ酸をD−アミノ酸により置き換えることを意 味する。 例えば、親のペプチドがThr−Ala−Tyrであるならば、レトロ変性体 はTyr−Ala−Thrであり、インバーソ体はthr−ala−tyrであ り、レトロ−インバーソ体はtyr−ala−thrである(小文字はD−アミ ノ酸を言う。)。親のペプチドと比べて、レトロ−インバーソペプチドは逆の主 鎖を有するが、側鎖の元の空間立体配座を実質上保持し、親のペプチドにぴった りと類似するトポロジーを有するレトロ−インバーソ異性体をもたらす。グッド マン他、“ペプチド化学における展望”pp.283-294(1981)を参照されたい。また 、“レトロ−インバーソ”ペプチドについてはシストによる米国特許第4,52 2,752号を参照されたい。 本発明の調節剤化合物のその他の誘導体は、C−末端ヒドロキシメチル誘導体 、O−変性誘導体(例えば、C−末端ヒドロキシメチルベンジルエーテル)、ア ルキルアミド及びヒドラジドのような置換アミドを含めてN−末端変性誘導体、 C−末端フェニルアラニン残基がフェネチルアミド類似体で置き換えられている 化合物(例えば、トリペプチドVal−Phe−Pheの類似体としてのVal −Phe−フェネチルアミド)を包含する。 好ましい具体例において、調節剤のACDは、アミノ酸位置17〜20(即ち 、Leu−Val−Phe−Phe、SEQ ID NO:12)を包含するβ −APのサブ領域にならってモデル化される。例7、8及び9においてさらに説 明するように、Aβ1-40のペプチドサブ領域を製造し、アミノ末端を変性し、そ れらの天然β−アミロイドペプチドの凝集を調節する能力を評価した。凝集を抑 止するのに有効であった一つのサブ領域は、Aβ6-20(即ち、天然Aβ1-40ペプ チドのアミノ酸残基6〜20。このアミノ酸配列はSEQ ID NO:4で示 される)であった。凝集抑止活性のために十分であった最小のサブ領域をさらに 明確にするために上記のサブ領域のアミノ末端又はカルボキシ末端からアミノ酸 残基を連続的に欠如させた。この方法は、適切に変性されたときに、凝集抑止活 性のために十分である最小サブ領域としてAβ17-20(即ち、天然Aβ1-40ペプ チドのアミノ酸残基17〜20)を規定した。従って、本発明の調節剤化合物内 の“Aβ凝集コアドメイン”は、Aβ17-20にならってモデル化することができ る。一具体例において、Aβ凝集コアドメインはAβ17-20自体からなる(即ち 、アミノ酸配列ロイシン−バリン−フェニルアラニン−フェニルアラニンからな るペプチド、SEQ ID NO:12)。他の具体例において、Aβ17-20の 構造は、Aβ17-20と類似の構造及び機能を有するAβ凝集コアドメインを設計 するためのモデルとして使用される。例えば、Aβ17-20のペプチド擬似体、誘 導体又は類似体(上記のような)をAβ凝集コアドメインとして使用することが できる。Aβ17-20の他に、天然Aβペプチドは、凝集抑止活性のために十分で あるその他の最小サブ領域を含有するようである。このような追加の最小サブ領 域は、例7、8及び9に記載の方法により同定すことができる。これらの例では 、Aβ1-40の15両体のサブ領域がアミノ末端又はカルボキシ末端から欠如され 、欠如されたペプチドを適切に変性し、次いで凝集抑止活性について評価した。 Aβ17-20にならってモデル化したAβ凝集コアドメインを少なくとも1個の 変性基に直接又は間接的に結合させてなるβ−アミロイド調節剤化合物の一つの 形体は、次式 (ここで、Xaa1及びXaa3はアミノ酸構造であり、 Xaa2はバリン構造であり、 Xaa4はフェニルアラニン構造であり、 Yは、存在しても存在しなくてもよく、式(Xaa)a(ここで、Xaaは任 意のアミノ酸構造であり、aは1〜15の整数である。)を有するペプチド構造 であり、 Zは、存在しても存在しなくてもよく、式(Xaa)b(ここで、Xaaは任 意のアミノ酸構造であり、bは1〜15の整数である。)を有するペプチド構造 であり、 Aは化合物に直接又は間接的に結合した変性基であり、nは整数であり、 Xaa1、Xaa3、Y、Z、A及びnは、この化合物が天然β−アミロイドペ プチドと接触したときに天然β−アミロイドペプチドの凝集を調節し又は神経毒 性を抑止するように選択される。) を有する。 好ましくは、上記の式の調節剤化合物は、天然β−アミロイドペプチドと接触 したときに天然β−アミロイドペプチドの凝集を抑止し及び(又は)Aβ神経毒 性を抑止する。或いは、この調節剤化合物は、天然β−アミロイドペプチドと接 触したときに天然β−アミロイドペプチドの凝集を促進させることができる。調 節剤に結合した変性基(“A”)の種類及び数は、この化合物が天然β−アミロ イドペプチドと接触したときに天然β−アミロイドペプチドの凝集を変化(及び 好ましくは抑止)するように選択される。単一の変性基を調節剤に結合させるこ とができ(即ち、上記の式においてn=1)、或いは多くの変性基を調節剤に結 合させることができる。種々の具体例において、nは、1〜60、1〜30、1 〜10、1〜5又は1〜3の間の整数である。変性基の好適なタイプは、以下の IIの部においてさらに説明する。 例9で立証するように、Aβ17-20(Xaa2及びXaa4に対応する。)のア ミノ酸位置18(Val18)及び20(Phe20)は、調節剤化合物の抑止活性 のためにコアドメイン内で特に重要である。従って、これらの位置は上記の式に おいてコアドメイン内で保存される。用語“バリン構造”及び“フェニルアラニ ン構造”とは、上記の式で使用するときは、天然アミノ酸並びに化合物の機能的 活性を保持するバリン及びフェニルアラニン(D−アミノ酸も含めて)のそれぞ れの非天然産の類似体、誘導体及び擬似体を包含するものとする。さらに、Va l18及びPhe20は重要な機能的役割を有するが、Xaa2及び(又は)Xaa4 がそれぞれバリン又はフェニルアラニンと構造的に関連するがそれでも化合物の 活性を保持するその他の天然産アミノ酸により置換できることが可能である。従 って、用語“バリン構造”とはXaa2でバリンの活性を保持する保存性のアミ ノ酸置換を包含するものとし、また用語“フェニルアラニン構造”とはXaa4 でフェニルアラニンの活性を保持する保存性のアミノ酸置換を包含するものとす る。しかし、用語“バリン構造”は、トレオニンを包含しないものとする。 Aβ17-20の一18及び20とは逆に、19位置(Xaa3に対応する。)での PheとAlaの置換は、調節剤の活性を破壊せず、位置19はアミノ酸置換に 対して影響を受けやすいことを示した。上記の式の種々の具体例において、位置 Xaa1及びXaa3は任意のアミノ酸構造である。用語“アミノ酸構造”とは、 D−アミノ酸を含めて、天然の及び天然でないアミノ酸並びにそれらの類似 体、誘導体及び擬似体を包含するものとする。上記の式の好ましい具体例におい て、Xaa1はロイシン構造であり、Xaa3はフェニルアラニン構造である(即 ち、天然Aβペプチド配列においてそれぞれLeu17及びPhe19にならってモ デル化される)。用語“ロイシン構造”は上記のバリン構造及びフェニルアラニ ン構造と同様に使用される。或いは、他の具体例では、Xaa3はアラニン構造 である。 上記の式の調節剤の4個のアミノ酸構造ACDは、天然Aβペプチド配列か又 は天然でないAβ配列から誘導されたペプチド構造によりアミノ末端側で、カル ボキシ末端側で又は両方で結合させることができる。用語“ペプチド構造”とは 、前記のようにペプチド類似体、誘導体及び擬似体を包含するものとする。ペプ チド構造は1個以上の連結したアミノ酸構造からなっており、そのタイプ及び数 は可変である。例えば、一つの具体例では、Xaa1−Xaa2−Xaa3−Xa a4コア配列に隣接する追加のアミノ酸構造はない(即ち、Y及びZは上記の式 では不存在である。)。他の具体例においては、1個以上の追加のアミノ酸構造 がコア配列のアミノ末端のみに隣接する(即ち、上記の式でYは存在するが、Z は存在しない。)。さらに他の具体例において、1個以上の追加のアミノ酸構造 がコア配列のカルボキシ末端のみに隣接する(即ち、上記の式でZは存在するが 、Yは存在しない。)。また、Z又はYを隣接させる長さは可変である。例えば 、一つの具体例において、a及びbは1〜15の間の整数である。さらに好まし くは、a及びbは1〜10の間の整数である。さらに好ましくは、a及びbは1 〜5の間の整数である。最も好ましくは、a及びbは1〜3の間の整数である。 Aβ17-20にならってモデル化したAβ凝集コアドメインを少なくとも1個の 変性基に直接又は間接的に結合させてなるβ−アミロイド調節剤化合物の一つの 形体は、次式 A-(Y)-Xaa1-Xaa2-Xaa3-Xaa4-(Z)-B (ここで、Xaa1及びXaa3はアミノ酸又はアミノ酸擬似体であり、 Xaa2はバリン又はバリン擬似体であり、 Xaa4はフェニルアラニン又はフェニルアラニン擬似体であり、 Yは、存在しても存在しなくてもよく、式(Xaa)a(ここで、Xaaは任 意のアミノ酸又はアミノ酸擬似体であり、aは1〜15の整数である。)を有す るペプチド又はペプチド擬似体であり、 Zは、存在しても存在しなくてもよく、式(Xaa)b(ここで、Xaaは任 意のアミノ酸又はアミノ酸擬似体であり、bは1〜15の整数である。)を有す るペプチド又はペプチド擬似体であり、 A及びBはそのうちの少なくとも1個が存在し、この化合物のアミノ末端及び カルボ基末端にそれぞれ直接又は間接的に結合した変性基であり、 Xaa1、Xaa3、Y、Z、A及びBは、化合物が天然β−アミロイドペプチ ドと接触したときに天然β−アミロイドペプチドの凝集を調節し又は神経毒性を 抑止するように選択される。) を有する。 この具体例において、調節剤化合物は、そのアミノ末端、そのカルボ基末端又 は両方において特異的に変性される。この式において使用される用語は上記と同 じである。好適な変性基は、以下のIIの部において説明する。一つの具体例にお いて、化合物は、そのアミノ末端においてのみ変性される(即ち、Bは不存在で あり、化合物は式A−(Y)−Xaa1−Xaa2−Xaa3−Xaa4−(Z)か らなる。)。他の具体例において、化合物は、そのカルボキシ末端においてのみ 変性される(即ち、Aは不存在であり、化合物は式(Y)−Xaa1−Xaa2− Xaa3−Xaa4−(Z)−Bからなる。)。さらに他の具体例において、化合 物は、そのアミノ及びカルボキシ末端の両方において変性される(即ち、化合物 は式A−(Y)−Xaa1−Xaa2−Xaa3−Xaa4−(Z)−Bからなり、 AとBの両方が存在する。)。上記のように、上記の式においてXaa1−Xa a2−Xaa3−Xaa4コア配列を隣接させるアミノ酸構造のタイプ及び数は可 変である。例えば、一つの具体例において、a及びbは1〜15の間の整数であ る。さらに好ましくは、a及びbは1〜10の間の整数である。さらに好ましく は、a及びbは1〜5の間の整数である。最も好ましくは、a及びbは1〜3の 間の整数である。 例7、8及び9で立証するように、本発明の好ましいAβ調節剤化合物は、変 性された形体のAβ14-21(His−Gln−Lys−Leu−Val−Phe −Phe−Ala、SEQ ID NO:5)又はそのアミノ末端若しくはカル ボキシ末端欠失体からなり、好ましい“最小コアドメイン”はAβ17-20からな る。従って、特定の具体例において、本発明は次式 A-Xaa1-Xaa2-Xaa3-Xaa4-Xaa5-Xaa6-Xaa7-Xaa8-B (ここで、Xaa1はヒスチジン構造であり、 Xaa2はグルタミン構造であり、 Xaa3はリシン構造であり、 Xaa4はロイシン構造であり、 Xaa5はバリン構造であり、 Xaa6フェニルアラニン構造であり、 Xaa7はフェニルアラニン構造であり、 Xaa8はアラニン構造であり、 A及びBは化合物のアミノ末端及びカルボキシ末端にそれぞれ直接又は間接的 に結合した変性基であり、 Xaa1−Xaa2−Xaa3、Xaa1−Xaa2又はXaa1は存在しても存在 しなくてもよく、 Xaa8存在しても存在しなくてもよく、 A及びBの少なくとも1個は存在する。) からなる化合物を提供する。 特定の具体例において、化合物は、式:A−Xaa4−Xaa5−Xaa6−X aa7−B(例えば、アミノ酸配列Leu−Val−Phe−Phe:SEQ ID NO:12からなる変性された形のAβ17-20)からなる。 別の特定の具体例において、化合物は式:A−Xaa4−Xaa5−Xaa6− Xaa7−Xaa8−B(例えば、アミノ酸配列Leu−Val−Phe−Phe −Ala:SEQ ID NO:11からなる変性された形のAβ17-21)から なる。 さらに特定の具体例において、化合物は、式:A−Xaa3−Xaa4−Xaa5 −Xaa6−Xaa7−B(例えば、アミノ酸配列Lys−Leu−Val−P he−Phe:SEQ ID NO:10からなる変性された形のAβ16-20) からなる。 さらに特定の具体例において、化合物は、式:A−Xaa3−Xaa4−Xaa5 −Xaa6−Xaa7−Xaa8−B(例えば、アミノ酸配列Lys−Leu−V al−Phe−Phe−Ala:SEQ ID NO:9からなる変性された形 のAβ16-21)からなる。 さらに特定の具体例において、化合物は、式:A−Xaa2−Xaa3−Xaa4 −Xaa5−Xaa6−Xaa7−B(例えば、アミノ酸配列Gln−Lys−L eu−Val−Phe−Phe:SEQ ID NO:8からなる変性された形 のAβ15-20)からなる。 さらに特定の具体例において、化合物は、式:A−Xaa2−Xaa3−Xaa4 −Xaa5−Xaa6−Xaa7−Xaa8−B(例えば、アミノ酸配列Gln− Lys−Leu−Val−Phe−Phe−Ala:SEQ ID NO:7か らなる変性された形のAβ15-21)からなる。 さらに他の特定の具体例において、化合物は、式:A−Xaa1−Xaa2−X aa3−Xaa4−Xaa5−Xaa6−Xaa7−B(例えば、アミノ酸配列Hi s−Gln−Lys−Leu−Val−Phe−Phe:SEQ ID NO: 6からなる変性された形のAβ14-20)からなる。 さらに他の特定の具体例において、化合物は、式:A−Xaa1−Xaa2−X aa3−Xaa4−Xaa5−Xaa6−Xaa7−Xaa8−B(例えば、アミノ酸 配列His−Gln−Lys−Leu−Val−Phe−Phe−Ala:SE Q ID NO:5からなる変性された形のAβ14-21)からなる。 上記の特定の具体例の好ましい具体例において、A又はBはコラノイル構造又 はビオチン含有構造(以下のIIの部においてさらに説明する。)である。 Aβ凝集コアドメインがをモデル化できるAβのサブ領域を明確にするための さらなる実験において(この結果は例11で説明する。)、抑止活性を有する調 節剤化合物は3個ほどに少ないAβアミノ酸残基(例えば、Aβ18-20に対応す るVal−Phe−Phe又はAβ19-21に対応するPhe−Phe−Ala) からなっていてよいことが立証された。また、これらの結果は、そのカルボキシ 末端に調節基を有する調節剤化合物がAβの凝集を抑止するのに有効であること を立証した。さらにまた、これらの結果は、調節基としてのコリル基が化合物の 抑止活性を保持しながら改変できること並びに化合物がAβの凝集を抑止する能 力を保持しながらフェニルアラニンをヨードチロシルで置き換えることができる (例えば、Aβ配列の位置19又は20で)ことを立証した。 さらに、これらの結果は、抑止活性を有する化合物がほぼ位置17〜21の領 域のAβ配列から誘導されるがアミノ酸配列が再配列されたか又は非Aβ誘導型 のアミノ酸により置換を有するアミノ酸残基を使用して創製すことができること を立証した。このような化合物の例は、Aβ17-21の配列(LVFFA)が再配 列された(FFVLA)PPI−426、Aβ16-20の配列(KLVFF)が再 配列された(FKFVL)PPI−372、Aβ17-21の配列(LVFFA)が アラニン残基によりそれぞれ位置17、18又は19で置換されたPPI−38 8、−389及び−390(PPI−388についてAVFFA、PPI−38 9についてLAFFA及びPPI−390についてLVAFA)を包含する。こ れらの化合物の抑止活性は、Aβの一部に直接対応するアミノ酸配列の存在が抑 止活性に対して必須ではないことを示すが、むしろ、フェニルアラニン、バリン 、ロイシンのようなアミノ酸残基の導入(その正確な順序に関係なく)によって 、このコアドメインの疎水性の保持がAβの凝集の抑止にとって十分であり得る ことを示唆する。従って、Aβ凝集コアドメインは、直接のAβアミノ酸配列に 基づいて設計することができ又はAβサブ領域、例えば、位置17−20の回り の領域の疎水性を保持する再配列されたAβ配列に基づいて設計することができ る。Aβのこの領域はアミノ酸残基Leu、Val及びPheを含有する。従っ て、好ましいAβ凝集コアドメインは、少なくとも3個のアミノ酸構造(この用 語は上記のように定義されるとき、アミノ酸誘導体、類似体及び擬似体を含む。 )からなり、この場合にアミノ酸構造の少なくとも2個は独立してロイシン構造 、バリン構造又はフェニルアラニン構造のいずれかである(これらの用語は上記 のように定義されるとき、アミノ酸誘導体、類似体及び擬似体を含む。)。 従って、別の具体例において、本発明は、次式 (ここで、Xaa1、Xaa2及びXaa3はそれぞれアミノ酸構造であり、Xa a1、Xaa2及びXaa3の少なくとも2個は独立してロイシン構造、フェニル アラニン構造及びバリン構造よりなる群から選択され、 Yは、存在しても存在しなくてもよく、式(Xaa)a(ここで、Xaaは任 意のアミノ酸構造であり、aは1〜15の整数である。)を有するペプチド構造 であり、 Zは、存在しても存在しなくてもよく、式(Xaa)b(ここで、Xaaは任 意のアミノ酸構造であり、bは1〜15の整数である。)を有するペプチド構造 であり、 Aはこの化合物に直接又は間接的に結合した変性調節基であり、nは整数であ り、 Xaa1、Xaa2、Xaa3、Y、Z、A及びnは、この化合物が天然β−ア ミロイドペプチドと接触したときに天然β−アミロイドペプチドの凝集を調節し 又は神経毒性を抑止するように選択される。) からなるβ−アミロイド調節剤化合物を提供する。 好ましくは、この化合物は、天然β−アミロイドペプチドと接触したときに天 然β−アミロイドペプチドの凝集を抑止する。好ましい具体例において、Xaa1 及びXaa2はそれぞれフェニルアラニン構造であり又はXaa2及びXaa3は それぞれフェニルアラニン構造である。“n”は1〜5の整数であるが、“a” 及び“b”は例えば1〜5の整数である。変性基“A”は、好ましくは環式、複 素環式又は多環式基からなる。さらに好ましくは、Aは、コラノイル構造又はコ リル基のようなcis−デカリン基を含有する。他の具体例では、Aはビオチン 含有基、ジエチレントリアミンペンタアセチル基、(−)−メトキシアセチル基 、フルオレセイン含有基又はN−アセチルノイラミニル基からなるこ とができる。さらに他の具体例において、化合物は、天然β−アミロイドペプチ ドと接触したときに天然β−アミロイドペプチドの凝集を促進させことができ、 化合物の薬物動力学的性質を変化させるようにさらに変性でき、又は化合物を検 出可能な物質により標識付けするようにさらに変性することができる。 さらに他の具体例において、本発明は、次式 A−(Y)−Xaa1−Xaa2−Xaa3−(Z)−B (ここで、Xaa1、Xaa2及びXaa3はそれぞれアミノ酸構造であり、Xa a1、Xaa2及びXaa3の少なくとも2個は独立してロイシン構造、フェニル アラニン構造及びバリン構造よりなる群から選択され、 Yは、存在しても存在しなくてもよく、式(Xaa)a(ここで、Xaaは任 意のアミノ酸構造であり、aは1〜15の整数である。)を有するペプチド構造 であり、 Zは、存在しても存在しなくてもよく、式(Xaa)b(ここで、Xaaは任 意のアミノ酸構造であり、bは1〜15の整数である。)を有するペプチド構造 であり、 A及びBはそのうちの少なくとも1個が存在し、化合物のアミノ末端及びカル ボキシ基末端にそれぞれ直接又は間接的に結合した変性基であり、 Xaa1、Xaa2、Xaa3、Y、Z、A及びBは、この化合物が天然β−ア ミロイドペプチドと接触したときに天然β−アミロイドペプチドの凝集を調節し 又は神経毒性を抑止するように選択される。) からなるβ−アミロイド調節剤化合物を提供する。 好ましくは、この化合物は、天然β−アミロイドペプチドと接触したときに天 然β−アミロイドペプチドの凝集を抑止する。好ましい具体例において、Xaa1 及びXaa2はそれぞれフェニルアラニン構造であり又はXaa2及びXaa3は それぞれフェニルアラニン構造である。一つの具体例において、化合物は、次式 A−(Y)−Xaa1−Xaa2−Xaa3−(Z) からなる。さらに他の具体例において、化合物は、次式 (Y)−Xaa1−Xaa2−Xaa3−(Z)−B からなる。“n”は1〜5の整数であるが、“a”及び“b”は例えば1〜5の 整数である。変性基“A”は、好ましくは環式、複素環式又は多環式基からなる 。さらに好ましくは、Aは、コラノイル構造又はコリル基のようなcis−デカ リン基を含有する。他の具体例では、Aはビオチン含有基、ジエチレントリアミ ンペンタアセチル基、(−)−メトキシアセチル基、フルオレセイン含有基又は N−アセチルノイラミニル基からなることができる。さらに他の具体例において 、化合物は、天然β−アミロイドペプチドと接触したときに天然β−アミロイド ペプチドの凝集を促進させことができ、化合物の薬物動力学的性質を変化させる ようにさらに変性でき、又は化合物を検出可能な物質により標識付けするように さらに変性することができる。 好ましい特定の具体例において、本発明は、変性基をペプチド構造に直接又は 間接的に結合してなるβ−アミロイド調節剤化合物であって、該ペプチド構造が よりなる群から選択されるアミノ酸配列を有するアミノ酸構造からなるものであ る該β−アミロイド調節剤化合物を提供する。 これらの特定の化合物は、化合物の薬物動力学的性質を変化させるようにさら に変性でき及び(又は)化合物を検出可能な物質により標識付けするようにさら に変性することができる。 本発明の調節剤化合物は、製薬組成物に配合でき(以下のVの部においてさら に説明する。)、また以下のVIの部においてさらに説明するように検出及び治療 法に使用することができる。 II.変性基 本発明の調節剤化合物内では、ペプチド構造(例えば、Aβから誘導のペプチ ド、又はAβ凝集コアドメイン、又は再配列されたAβ凝集コアドメインに対応 するアミノ酸配列)は、少なくとも1個の変性基(MGと略記)と直接又は間接 的に結合される。一つの具体例として、凝集コアドメインを変性基に結合させて なる本発明の調節剤化合物では、この化合物はMG−ACDと例示することがで きる。用語“変性基”とは、ペプチド構造に(例えば、共有結合により)直接結 合した構造並びにペプチド構造に(例えば、安定な非共有結合性の会合により又 はAβから誘導のペプチド構造に隣接し得る追加のアミノ酸残基、その擬似体、 類似体又は誘導体に共有結合することにより)間接的に結合した構造を包含する ものとする。例えば、変性基は、Aβから誘導のペプチド構造のアミノ末端又は カルボキシ末端に、或いはコアドメインに隣接するペプチド又はペプチド擬似体 と結合させることができる。或いは、変性基は、Aβから誘導のペプチド構造の 少なくとも1個のアミノ酸残基の側鎖と、或いはコアドメインに隣接するペプチ ド又はペプチド擬似体と(例えば、リシル残基のε−アミノ基を介して、アスパ ラギン酸残基又はグルタミン酸のカルボキシル基を介して、チロシル残基、セリ ン残基又はトレオニン残基のヒドロキシル基を介して或いはアミノ酸側鎖上の他 の好適な反応性基により)結合させることができる。ペプチド構造に共有結合さ れた変性基は、例えば、アミド、アルキルアミノ、カルバメート又は尿素結合を 含めて化学構造を結合させるのに斯界で周知の手段及び方法により結合させるこ とができる。 用語“変性基”とは、未変性の形態にある天然Aβペプチドに当然に結合して いない基を包含するものとする。従って、用語“変性基”は、水素を包含しない ものとする。変性基は、調節剤化合物が天然β−アミロイドペプチドと接触した ときに天然β−アミロイドペプチドの凝集を変化させ及び好ましくは抑止し、或 いは天然β−アミロイドペプチドと接触したときに天然β−アミロイドペプチド の神経毒性を抑止するように選択される。特定の機構により限定しようと欲しな いが、本発明の調節剤化合物の変性基は、Aβの重合を壊す能力を調節剤に与え るために重要であるキーとなる薬物発生団(pharmacophore)とし て機能するものと思われる。 好ましい具体例において、変性基は、環式、複素環式又は多環式基からなる。 用語“環式基”とは、ここでは、約3〜10個、好ましくは約4〜8個、さらに 好ましくは約5〜7個の炭素原子を有する環状の飽和又は不飽和の(即ち、芳香 族)基を包含するものとする。環式の例としては、シクロプロピル、シクロブチ ル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロオクチルが含まれる。環式基は 非置換であるか或いは1個又はそれ以上の環位置で置換されていてよい。しかし て、環式基は、例えば、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、ア ルキニル、アリール、複素環、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、チオール、アミ ン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、 シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、スルホネート、セレノエーテル 、ケトン、アルデヒド、エステル、−CF3、−CNなどにより置換されていて よい。 用語“複素環式基”とは、ここで使用するときは、約3〜10個、好ましくは 4〜8個、さらに好ましくは約5〜7個の炭素原子を有する環状の飽和又は不飽 和の(即ち、芳香族)基であって、その環構造が約1〜4個の複素原子を含むも のを包含するものとする。複素環式基には、ピロリジン、オキソラン、チオラン 、イミダゾール、オキサゾール、ピペリジン、ピペラジン、モルホリンなどが含 まれる。複素環式基は、1個以上の位置で、例えば、ハロゲン、アルキル、シク ロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、他の複素環、ヒドロキシル、 アミノ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィ ン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル 、スルホネート、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、エステル、−CF3、 −CNなどのような置換基により置換されていてよい。また、複素環は、以下に 記載のようなその他の環式基に架橋し又は縮合していてもよい。 用語“多環式基”とは、ここで使用するときは、2個以上の飽和又は不飽和の (即ち、芳香族)環状の環であって、その2以上の炭素が2個の隣接する環に共 有であるものを言うものとする。例えば、環は“縮合環”である。隣接していな い原子を介して結合している環は、“架橋”した環と称される。多環式基の環の それぞれは、例えば、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アル キニル、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、 ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チ オエーテル、スルホニル、スルホネート、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド 、エステル、−CF3、−CNなどのような前記した置換基により置換されてい てよい。 好ましい多環式基は、cis−デカリン構造を含有する基である。特定の機構 により限定しようと欲しないが、cis−デカリン構造の存在により変性基に与 えられた“曲がった”立体配座がAβの重合の破壊に際して変性基の効能に寄与 しているものと思われる。従って、cis−デカリン構造の“曲がった”立体配 座をまねるその他の構造も変性基として使用することができる。変性基として使 用することができるcis−デカリン含有構造の例は、コリル基のようなコラニ ル構造である。例えば、調節剤化合物は、例4に記載のように凝集コアドメイン をコール酸、胆汁酸と反応させることにより、そのアミノ末端でコリル基により 変性させることができる(コール鎖の構造は第2図に例示する。)。さらに、調 節剤化合物は、斯界で周知の方法に従ってそのカルボキシ末端でコリル基により 変性することができる(例えば、ウエスG.他(1993)Tetrahedron Lettes 34:81 7-822;ウエスG.他(1992)Tetrahedron Lettes 33:195-198;クラマーW.他(1 992)J.Biol.Chem.267:18598-18604 を参照)。また、コリル誘導体及び類似 体も変性基として使用することができる。例えば、好ましいコリル誘導体は、A ic(3−(O−アミノエチル−iso)−コリル)であり、これは調節剤化合 物をさらに変性するのに使用できる遊離のアミノ基を有する(例えば、Aicの 遊離アミノ基を介して99mTcのためのキレート化基を導入することができる。 )。用語“コラノイル基”とは、ここで使用するときは、コリル基並びにその誘 導体及び類似体、特に、四環cis−デカリン立体配座を保持するものを包含す るものとする。コラノイル構造の例は、その他の胆汁酸、例えば、デオキシコー ル酸、リトコール酸、ウルソデオキシコール酸、ケノデオキシコール酸及びヒオ デオキシコール酸並びにその他の関連構造、例えば、コラン酸、ブファリン及び レジブホゲニン(後者の二つの化合物は変性基として使用するには好ま しくないが)を包含する。cis−デカリン含有化合物の他の例は、5β−コレ スタン−3α−オール((+)−ジヒドロコレステリンのcis−デカリン異性 体)である。胆汁酸及びステロイドの構造及び命名の詳細については、ネスW. R.及びマッキーンM.L.「ステロイド及びその他のイソペンタノイドの生化 学」、ユニバーシテー・パーク・プレス社、バルチモア、MD、第二章を参照さ れたい。 cis−デカリン含有基の他に、その他の多環式を変性基として使用すること ができる。例えば、ステロイド又はβ−ラクタムから誘導される変性基も好適な 変性基であり得る。さらに、Aβ−誘導ペプチド構造を変性するのに使用できる いくつかの追加の環式、複素環式又は多環式化合物の限定的でない例を第2図に 示す。一つの具体例において、変性基は“ビオチニル構造”であって、これには ビオチニル基並びにその類似体及び誘導体(例えば、2−イミノビオチニル基) が含まれる。他の具体例において、変性基は“フルオレセイン含有基”、例えば Aβ−誘導ペプチド構造を5−(及び6−)−カルボキシフルオレセイン、スク シンイミジルエステル又はフルオレセインイソシアネートと反応させることによ り誘導される基からなる。種々の他の具体例において、変性基は、N−アセチル ノイラミニル基、trans−4−コチニンカルボキシル基、2−イミノ−1− イミダゾリジンアセチル基、(S)−(−)−インドリン−2−カルボキシル基 、(−)−メントキシアセチル基、2−ノルボルナンアセチル基、γ−オキソ− 5−アセナフテンブチリル基、(−)−2−オキソ−4−チアゾリジンカルボキ シル基、テトラヒドロ−3−フロイル基、2−イミノビオチニル基、ジエチレン トリアミンペンタアセチル基、4−モルホリンカルボニル基、2−チオフェンア セチル基又は2−チオフェンスルホニル基からなる。 好ましい変性基は、コリル構造、ビオチニル構造を含む基、フルオレセイン含 有基、ジエチレントリアミンペンタアセチル基、(−)−メントキシアセチル基 及びN−アセチルノイラミニル基を包含する。さらに好ましい変性基は、コリル 構造を含むもの又はイミノビオチニル基である。 上で検討した環式、複素環式又は多環式基の他に、その他の変性基を本発明の 調節剤に使用することができる。例えば、小さい疎水性基が好適な変性基である 。好適な環状でない変性基はアセチル基である。 さらに別のタイプの変性基は、β−ターンミメチックとして作用する非天然型 アミノ酸を含有する化合物、例えば、ツァンクK.Y.他(1994)J.Am.Chem.S oc.116:3988-4005;ディアズH.及びケリーJ.W.(1991)Tetrahedron Lette rs 41:5725-5728;ディアズH.他(1992)J.Am.Chem.Soc.114:8316-8318に記 載のようなジベンゾフランをベースにしたアミノ酸である。このような変性基の 例は、ペプチド−アミノエチルジベンゾフラニルプロピオン酸(Adp)基(例 えば、DDIIL−Adp)である。このタイプの変性基は、このタイプの化合 物が天然β−APと相互作用するときに天然β−APの凝集に対してさらなる立 体障害を導入するために1個以上のN−メチルペプチド結合を含むことができる 。 III.Aβ調節剤の追加の化学的変性 本発明のβ−アミロイド調節剤化合物は、この化合物がAβの凝集を変化させ 且つAβの神経毒性を抑止する能力を保持しながら該化合物の特異的な性質を変 化させるようにさらに変性することができる。例えば、一つの具体例において、 化合物は、その薬物動力学的性質、例えばインビボでの安定性又は半減期を変化 させるためにさらに変性される。他の具体例では、化合物は、これに検出可能な 物質で標識付けするためにさらに変性される。さらに他の具体例では、化合物は 、これを追加の治療的部分に結合させるためにさらに変性される。概略的には、 Aβ凝集コアドメインを少なくとも1個の変性基に直接又は間接的に結合ささせ てなる本発明の調節剤は、MG−ACDとして例示できるが、調節剤の性質を変 化させるためにさらに変性されたこの化合物はMG−ACD−CMとして例示す ることができる。ここで、CMは追加の化学的変性を表す。 化合物を化学的にさらに変性させるためには、例えば化合物の薬物動力学的性 質を変化させるためには、反応基を誘導体化することができる。例えば、変性基 が凝集コアドメインのアミノ末端に結合しているときは、この化合物のカルボキ シ末端をさらに変性することができる。好ましいC−末端変性には、化合物がカ ルボキシペプチダーゼのための基質として作用する能力を低下させるようなもの が含まれる。好ましいC−末端変性剤の例は、アミド基、エチルアミド基、そし て種々の非天然系アミノ酸、例えばD−アミノ酸及びβ−アラニンを含む。或い は、変性基が凝集コアドメインのカルボキシ末端に結合しているときは、例えば 、化合物がアミノペプチダーゼのための基質として作用する能力を低下させるた めにこの化合物のアミノ末端をさらに変性することができる。 調節剤化合物は、これを検出可能な物質と反応させることによってこれを標識 付けするようにさらに変性することができる。好適な検出可能な物質には、種々 の酵素、補欠分子族、蛍光物質、ルミネセンス物質及び放射性物質が含まれる。 好適な酵素の例は、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスホター ゼ、β−ガラクトシダーゼ又はアセチルコリンエステラーゼを包含する。好適な 補欠分子族錯体の例は、ストレプタビジン/ビオチン及びアビジン/ビオチンが 含まれる。好適な蛍光物質の例としては、ウンベリフェロン、フルオレセイン、 フルオレセインイソシアネート、ローダミン、ジクロルトリアジニルアミンフル オレセイン、塩化ダンシル又はフィコエリスリンが含まれる。ルミネセンス物質 の例には、ルミノールが含まれる。好適な放射性物質の例には、14C、123I、1 24 I、125I、131I、99mTc、35S又は3Hが含まれる。好ましい具体例におい て、調節剤化合物は、その化合物内の変性基か又は1個以上のアミノ酸構造に14 Cを組み込むことによって14Cにより放射能標識される。標識付き調節剤化合物 は、化合物のインビボでの薬物動力学を評価し並びに例えば診断の目的のために Aβの凝集を検出するために使用することができる。Aβの凝集は、インビボで 又は被験者から得たインビトロ試料に標識付き調節剤化合物を使用して検出する ことができる。 好ましくは、インビボでの診断剤として使用するためには、本発明の調節剤化 合物は、放射性テクネチウム又は沃素により標識付けされる。従って、一つの具 体例において、本発明は、テクネチウム、好ましくは99mTcにより標識付けさ れた調節剤化合物を提供する。ペプチド化合物をテクネチウムにより標識付けす るための方法は斯界で周知である(例えば、いずれもディーン他による米国特許 第5,443,815号、同5,225,180号及び同5,405,597号 ;ステプニアクービニアキエビックD.他(1992)J.Med.Chem.35:274-279 ; フリッツバーグA.R.他(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:4025-4029; バイドーK.E.他(1990)Cancer Res.Suppl.50:799s-803s;レーガンL.及 びスミスC.K.(1995)Science 270:980-982を参照)。99mTcのためのキレー ト化基を導入できる部位を与える変性基、例えば、遊離のアミノ基を有するコー ル酸のAic誘導体を選定することができる(例11を参照されたい。)。別の 具体例において、本発明は、放射性沃素により標識付けされた調節剤化合物を提 供する。例えば、Aβの配列内のフェニルアラニン残基(例えば、Phe19又は Phe20)を放射性ヨードトシルにより置換することができる(例11を参照さ れたい)。放射性沃素の種々の同位体のいずれも診断剤を作るために組み込むこ とができる。好ましくは、123I(半減期=13.2時間)は全身のシンチグラ フィーのために使用され、124I(半減期=4時間)は陽電子射出断層撮影法( PET)のために使用され、125I(半減期=60日)は代謝回転の研究のため に使用され、131I(半減期=8日)は全身計数研究及び遅延低解像度画像研究 のために使用される。 さらに、本発明の調節剤化合物の追加の変性は、化合物に追加の治療学的性質 を付与するのに役立つ。即ち、追加の化学的変性としては追加の官能性部分を入 れることである。例えば、アミロイドプラークを壊し又は溶解させるように働く 官能性部分を調節剤化合物に結合することができる。この形態では、調節剤のM G−ACD部分は、化合物をAβペプチドに向けさせAβペプチドの重合を妨げ るように働くのに対して、追加の官能性部分は化合物がこれらの部位に向けられ た後にアミロイドプラークを壊し又は溶解させるように働く。 これとは別の化学的変性においては、本発明のβ−アミロイド化合物は、“プ ロドラッグ”の形態で製造される。この場合に、化合物自体はAβの凝集を調節 しないが、インビボで代謝を受けると、上記のようなβ−アミロイド調節剤化合 物に転換されることができる。例えば、このタイプの化合物では、調節基は、代 謝を受けると活性な調節基の形態に転化され得るプロドラッグ形態で存在できる 。変性基のこのようなプロドラッグ形態をここでは“二次変性基”と言う。斯界 では、ペプチドを基材とした薬剤の活性形体の放出を最適化するために代謝を制 限するペプチドプロドラッグを製造するための種々の方策が知られたいる(例え ば、モスJ.(1995)「ペプチド系薬剤の設計、輸送及び代謝の制御」、テイラー M.D.及びアンミドンG.L.編、第18章を参照)。さらに、“逐次代謝” に基づくCNS放出を達成するための方策が特に仕上げられた(例えば、ボーダ ーN.他(1992)Science 257:1698-1700;プロカイL.他(1994)J.Am.Chem.So c.116:2643-2644;ボーダーN.及びプロカイL.(1995)「ペプチド系薬剤の設 計、輸送及び代謝の制御」、テイラーM.D.及びアンミドンG.L.編、第1 4章を参照)。本発明の調節剤のプロドラッグ形態の一つの具体例において、変 性基は、血液脳関門の透過性を助長するためのアルキルエステルを含む。 本発明の調節剤化合物は、斯界で周知の標準的な技術により製造することがで きる。少なくとも一部がペプチドからなる調節剤のペプチド成分は、標準的な技 術、例えば、ボダンスキーD.「ペプチド合成の原理」、スプリンガー・フェル ラーク社、ベルリン(1993)及びグラントG.A.編「合成ペプチド、ユーザーガ イド」、W.H.フリーマン&カンパニー、ニューヨーク(1992)に記載の技術を 使用して合成することができる。自動化ペプチド合成器が市場で入手できる(例 えば、アダバンスト・ケムテク社、モデル396、ミリゲン/ビオサーチ960 0)。さらに、標準的な方法により、例えば、アミノ基(例えば、ペプチドのア ミノ末端のα−アミノ基)、カルボキシル基(例えば、ペプチドのカルボキシ末 端で)、ヒドロキシル基(例えば、チロシン、セリン又はトレオニン上の)又は アミノ酸側鎖上の他の好適な反応基を介する反応法を使用してAβ−誘導ペプチ ド成分(例えば、Aβ凝集コアドメイン)に1個以上の調節基を結合することが できる(例えば、グリーンT.W.及びウッツP.G.M.「有機合成における 保護基」、ジョンウイリー&ソンズ社、ニューヨーク(1991)を参照)。好ましい β−アミロイド調節剤の合成例は例1、4及び11に詳述する。 IV.スクリーニング検定法 本発明の他の観点は、β−アミロイド凝集の調節剤を選定するための方法に関 する。この方法においては、被検化合物が天然β−アミロイドペプチドと接触さ れ、天然β−APの凝集が測定され、被検化合物が天然β−APの凝集を変化さ せる(例えば、凝集を抑止し又は促進させる)能力に基づいて調節剤が選定され る。好ましい具体例においては、被検化合物がモル過剰量の天然β−APと接触 される。被検化合物の存在下での天然β−APの凝集の量及び(又は)速度は、 以下に説明する(例えば、例2、5及び6を参照)β−APの凝集を表示する適 当な検定法によって決定することができる。 好ましい検定法においては、天然β−APが被検化合物の存在下に溶液状に溶 解され、天然β−APの凝集が核形成検定法(例6を参照)で、405nmでの 溶液の見かけ吸光度によって測定される溶液の濁度を時間を経時的に評価するこ とによって評価される(例6にさらに説明する。また、ジャレット他(1993)Bioc hemistry 32:4693-4697を参照)。β−アミロイド調節剤の不存在下では、溶液 のA405nmはβ−APが溶液状で留まっているラグタイム中は典型的に比較的一 定のままであるが、しかし、溶液のA405nmは、β−APが凝集して溶液から出 てくるにつれて、急速に増加し、究極的には平坦域レベルに達する(即ち、溶液 のA405nmは経時的にS字状の動力学を示す。)。これとは逆に、β−APの凝 集を抑止する被検化合物の存在下では、溶液のA405nmは、調節剤が不存在であ ると比べて減少する。従って、抑止性調節剤の存在下では、溶液は、調節剤の不 存在のときと比べて、ラグタイムの増大、凝集勾配の低下及び(又は)低い平坦 域レベルを示すであろう。β−アミロイドの重合の調節剤を選定するためのこの 方法は、同様に、β−APの凝集を促進させる調節剤を選定するのに使用するこ とができる。従って、β−APの凝集を促進させる調節剤の存在下では、溶液の A405nmは、溶液の不存在のときと比較して増大する(例えば、溶液は、調節剤 の不存在のときと比較して、ラグタイムの減少、凝集勾配の増加及び(又は)高 い平坦域レベルを示すことができる。)。 また、本発明のスクリーニング法に使用するのに好適な別の検定法である播種 拡大検定法も例6に詳述する。この検定法では、β−AP単量体と凝集したβ− APの“種”が被検化合物の存在下及び不存在下に一緒にされ、β−フィブリル の形成量が、β−APフィブイルと接触したときの染料チオフラビンTの発色の 増大に基づいて検定される。さらに、β−APの凝集は、調節剤の存在下又は不 存在下でβ−AP調製物を電子顕微鏡(EM)によって評価することができる。 例えば、EMにより検出できるβ−アミロイドフィブイルの形成は、β−APの 凝集を抑止する調節剤の存在下では減少する(即ち、調節剤の存在下ではβ−フ ィブリルの量又は数の減少がある。)のに対して、β−フィブイルの形成 は、β−APの凝集を促進する調節剤の存在下では増大する(即ち、調節剤の存 在下ではβ−フィブリルの量又は数の増大がある。)。 好適な調節剤を選定するために本発明のスクリーニング法において使用するの にさらに好ましい検定法は、例3及び10に記載する神経毒性検定法である。神 経毒性Aβ凝集物の形成を抑止し及び(又は)予め形成されたAβフィブイルの 神経毒性を抑止する化合物が選定される。この神経毒性検定法は、インビボでの 神経毒性を予測するものとみなされる。従って、インビトロでの神経毒性検定法 における調節剤化合物の抑止活性は、インビボでの神経毒性に対して化合物の類 似の抑止活性を予測させるものである。 V.製薬組成物 本発明の他の観点は、本発明のβ−アミロイド調節剤化合物の製薬組成物に関 する。一つの具体例において、この組成物は、天然β−アミロイドペプチドの凝 集を変化させる、好ましくは抑止するのに十分な治療学的又は予防的に有効な量 のβ−アミロイド調節剤化合物及び製薬上許容できるキャリアーを含有する。別 の具体例では、この組成物は、天然β−アミロイドペプチドの神経毒性を抑止す るのに十分な治療学的又は予防的に有効な量のβ−アミロイド調節剤化合物及び 製薬上許容できるキャリアーを含有する。用語“治療学的に有効な量”とは、所 望の治療効果、例えば、β−アミロイドの沈着の減少若しくは逆転及び(又は) Aβの神経毒性の減少若しくは逆転を達成するのに必要な薬量及び時間における 有効な量を言う。調節剤の治療学的に有効な量は、種々の因子、例えば、疾病の 状態、個体の年齢、性別、体重並びに調節剤が個体において所望の応答を引き出 す能力に従って変化し得る。投薬法は、最適な治療応答を提供するように調節す ることができる。また、治療学的に有効な量は、調節剤のどんな毒性又は有害な 効果よりも治療学的に有益な効果の方が優っているようなものである。本発明の 調節剤の潜在的な神経毒性は例3及び10に記載の細胞に基づく検定法を使用し て検定できるので、有意の神経毒性を示さない治療学的に有効な調節剤を選定す ることができる。好ましい具体例において、調節剤の治療学的に有効な量は、モ ル過剰量の天然β−アミロイドペプチドの凝集を変化させる、好ましくは抑止さ せるのに十分である。用語“予防的に有効な量”とは、所望の予防的結果、例え ば、β−アミロイドの沈着にかかりやすくさせた被験者におけるβ−アミロイド の沈着速度及び(又は)Aβ神経毒性の防止又は抑止を達成するのに必要な薬量 及び時間で有効な量を言う。予防的に有効な量は、治療学的に有効な量について 前記したのと同様に決定することができる。典型的には、予防的な投薬は疾病の 前に又は疾病の早期の段階で被験者に使用されるので、予防的に有効な量は治療 学的に有効な量よりも少ないであろう。 β−アミロイド調節剤の治療学的又は予防的に有効な量を決定するときに考慮 できる因子の一つは、被験者の生物学的区域、例えば被験者の脳脊髄液(CSF )における天然β−APの濃度である。ASF中の天然β−APの濃度は、3n Mで概算された(シュワルツマン(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:8368-8 372)。β−アミロイド調節剤の治療学的又は予防的に有効な量の限定的でない 範囲は、0.01nM〜10nMである。投薬値は軽減しようとする状態の発病 度によって変わるものと言える。さらに、任意の特定の被験者について、特定の 投薬法が個体のニーズ並びに組成物を投与し又はその投与を管理する専門家の判 断に従って経時的に調節されるべきであること、並びにここに記載した投薬量の 範囲は例示にすぎず、本発明の組成物の範囲又は実施を制限するものではないこ とを理解すべきである。 組成物中の活性化合物の量は、個体の疾病状態、年齢、性別及び体重のような 因子に従って変動し得る(これらのそれぞれは個体における天然β−APの量に 影響する。)。投薬法は、最適の治療応答を提供するように調節することができ る。例えば、1個の巨丸薬を投与でき、いくつかに分けた薬量を経時的に投与で き、或いは薬量を治療状況の危急によって指示された通りに比例的に削減し又は 増加させることができる。投薬を容易にし且つ薬量の均一化を図るために投薬単 位形体の非経口用組成物を処方することが特に有益である。ここで、投薬単位形 態とは、治療すべき哺乳動物の被験体のために単一の投薬として適した物理的に 分離された単位であって、各単位が所要の製薬用キャリアーと共に所望の治療効 果を生じるように計算された所定量の活性化合物を含有するものを言う。本発明 の投薬単位形体についての明細は、(a)活性化合物の独特の特性及び達成すべ き特定の治療効果並びに(b)このような活性化合物を個体における感受性の処 置のために配合する当業界における固有の制限によって及びこれらに直接依存し て指図される。 用語“製薬上許容できるキャリアー”とは、ここで使用するときは、生理学的 に適合する任意の全ての溶媒、分散媒、コーティング、抗細菌抗菌剤、等張性吸 収遅延剤などを包含するものとする。一つの具体例において、キャリアーは、非 経口的投与にとって好適である。好ましくは、キャリアーは、中枢神経系に投与 するのに好適である(例えば、脊髄内に又は大脳内に)。或いは、キャリアーは 静脈内、腹腔内又は筋肉内投与に好適であろう。別の具体例では、キャリアーは 経口投与に好適である。製薬上許容できるキャリアーには、無菌の水溶液又は分 散液及び無菌の注射用溶液又は分散液を即時に調製するための無菌の粉末が含ま れる。製薬学的に活性な物質のためにこのような媒体及び部室を使用することは 斯界で周知である。任意の周知の媒体又は物質が活性化合物と適合性でないこと を除けば、本発明の製薬組成物へのそれらの使用が考慮される。また、補助的な 活性化合物も組成物に配合することができる。 製薬組成物は、典型的には製造及び貯蔵の条件下で無菌で且つ安定でなければ ならない。組成物は、溶液、マイクロエマルジョン、リポソーム又は高い薬物濃 度に適したその他のあつらえられた構造として処方することができる。キャリア ーは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセリン、プロピレン グリコール、液状ポリエチレングリコールなど)、これらの混合物などを含有す る溶媒又は分散媒であってよい。適度の流動性は、例えば、レシチンのようなコ ーティングを使用することによって、分散液の場合には所要の粒度を維持するこ とによって及び界面活性剤の使用によって維持することができる。多くの場合に 、等張剤、例えば、糖類、マンニット、ソルビットのようなポリアルコール、又 は塩化ナトリウムを組成物に包含させることが好ましい。注射用組成物の持続性 吸収は、組成物中に、吸収を遅らせる物質、例えば、モノステアリン酸塩及びゼ ラチンを包含させることによってもたらすことができる。さらに、調節剤は、時 間放出処方物、例えば、遅い放出性の重合体を含む組成物で投与することができ る。活性化合物は、迅速な放出に対して化合物を保護するキャリアーを使用して 、例えば、植込み物及びマイクロカプセル化送出系を含めて放出制御組成物を使 用して調製することができる。生物分解性の生体適合性重合体、例えば、エチレ ン酢酸ビニル重合体、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルト エステル、ポリ乳酸及びポリ乳酸−ポリグリコール酸共重合体(PLG)を使用 することができる。このような処方物の多くの調製法が特許され、また当業者に 一般に知られている。 無菌の注射用溶液は、活性成分(例えば、β−アミロイド調製剤)を所要の量 で上に列挙した成分の一つ以上と組合せて適当な溶媒に配合し、次いで濾過によ る殺菌を行って調製することができる。一般に、分散液は、基本分散媒及び上に 列挙したたものから選ばれた所要の他の成分を含有する無菌のビヒクルに化合物 を配合することによって調製される。無菌の注射用溶液の調製のための無菌粉末 の場合には、好ましい調製法は真空乾燥及び凍結乾燥であって、これはその前の 無菌の濾過溶液から活性成分+任意の追加の所望成分の粉末を生じる。 本発明の調節剤化合物は、調節剤化合物の溶解度を高める1種以上の追加の化 合物と共に処方することができる。調節剤の溶解度を高めるために処方物に添加 される好ましい化合物は、シクロデキストリン誘導体、好ましくはヒドロキシプ ロピル−γ−シクロデキストリンである。中枢神経系にペプチドを送出するため にシクロデキストリンを含有する薬物送出用ビヒクルは、ボーダーN.他(1992) Science 257:1698-1700 に記載されている。本明細書に記載するβ−アミロイド 調節剤については、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリンを処方物に5 0〜200nMの濃度で配合すると、化合物の水溶解度が上昇する。溶解度の増 大の他に、処方物へのシクロデキストリンの配合は、その他の有益な効果を有す ることができる。何故ならば、β−シクロデキストリン自体はAβペプチドと相 互作用してインビトロでフィブリル形成を抑止することが報告されているからで ある(カミレリP.他(1994)FEBS Leters 341:256-258)。従って、本発明の調 節剤化合物をシクロデキストリン誘導体と併用することは、調節剤単独の使用よ りも大きなAβ凝集の抑止をもたらすであろう。シクロデキストリンの化学的変 性は斯界で周知である(ハネシアンS.他(1995)J.Org.Chem.60:4786-4797) 。また、本発明の調節剤を含有する製薬組成物への添加剤としての使用の他に、 シクロデキストリン誘導体は、変性基として有用でもあり、従って本発明の調 節剤を形成するようにAβペプチド化合物に共有結合させることができる。 他の具体例において、本発明の調節剤を含有する製薬組成物は、調節剤が血液 脳関門(BBB)を通して輸送されるように処方される。BBBを介する輪送を 増大させるために斯界で知られた種々の方策を本発明の調節剤に適合させてBB Bを介する調節剤の輸送を高めることができる(このような方策については、例 えば、パードリッジW.M.(1994)Trends in Biotechnol.12:239-245;バンブ リーJ.B.他(1993)Pharm.World Sci.15:2-9 ;パードリッジW.M.(1992 )Pharmcol.Toxicol.71:3-10を参照されたい。)。一つの方法において、調節 剤は、膜透過による輸送が高められたプロドラッグを形成するために化学的に変 性される。好適な化学的変性には、脂肪酸を調節剤にアミド又はエステル結合を 介して共役結合させること(例えば、共にシャショウアによる米国特許第4,9 33,324号及びPCT公間WO89/07938;ヘス他による米国特許第 5,284,876号;トスI.他(1994)J.Drug Target.2:217-239;シャシ ョウアV.E.他(1984)J.Med.Chem.27:659-664 を参照)及び調節剤をグリ ケート化すること(例えば、ポヂュスロ他による米国特許第5,260,308 号を参照)が含まれる。また、N−アシルアミノ酸誘導体を調節剤に使用して“ リピド型”プロドラッグを形成することができる(例えば、ハシモト他による米 国特許第5,112,863号を参照)。 BBBを介する輸送を高める別の方法では、ペプチド又はペプチド擬似体調節 剤が第二のペプチド又は蛋白と抱合され、これにより、第二のペプチド又は蛋白 がBBBを介して吸収剤媒介又は受容体媒介トランスサイトーシスを受けるキメ ラ蛋白を形成する。従って、調節剤をこの第二のペプチド又は蛋白に結合させる ことによって、キメラ蛋白はBBBを通して輸送される。第二のペプチド又は蛋 白は、脳毛細血管内皮細胞受容体配位子のための配位子であてよい。例えば、好 ましい配位子は、脳毛細血管内皮細胞上のトランスフェリン受容体に特異的に結 合するモノクロナール抗体である(例えば、共にフライデン他による米国特許第 5,182,107号、PCT公開WO93/10819及びWO95/024 21を参照)。BBBを介する輸送を媒介できるその他の好ましいペプチド又は 蛋白は、ヒストン(例えば、パードリッジ及びシンメルによる米国特許第4,9 02,505号を参照)並びにビオチン、葉酸塩又はエステル、ニアシン、パン トテン酸、リボフラビン、チアミン、ピリドキサール及びアスコルビン酸のよう な配位子(例えば、共にハインシュタインによる米国特許第5,416,016 号及び同5,108,921号を参照)を包含する。さらに、グルコース輸送体 GLUT−1はBBBを通してグリコペプチド([Met5]エンケファリンの L−セリル−β−D−グルコシド類似体)を輸送させると報告された(ポルトR .他(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:7114-1778)。従って、調節剤化合 物は、調節剤をGLUT−1グルコース輸送体に向けるようにこのようなグリコ ペプチドに結合させることができる。例えば、アミノ末端で変性基Aic(3− (O−アミノエチル−iso)コリル、遊離のアミノ基を有するコール酸の誘導 体)により変性される調節剤化合物は、標準的な方法によりAicのアミノ基を 介してグリコペプチドに結合させることができる。キメラ蛋白は、組換え型DN A法(例えば、融合蛋白をコード化するキメラ遺伝子の形成によって)又はキメ ラ蛋白を形成するように調節剤を第二のペプチド又は蛋白に化学的に架橋させる ことによって形成させることができる。多くの化学的架橋剤が斯界で周知である (例えば、ピアース社、ロックフォルド、ILから商業的に入手できる)。調節 剤を第二のペプチド又は蛋白に高収率でカップリングさせ且つ次いでリンカーを 解裂させて生物活性の調節剤を放出させる架橋剤を選定することができる。例え ば、ビオチン−アビジンをベースとしたリンカー系を使用することができる。 BBBを介する輸送を高めるためのさらに別の方法においては、調節剤は、B BBを介する輸送を媒介するキャリアーベクター中にカプセル化される。例えば 、調節剤は、リポソーム、例えば、正帯電した単層リポソーム(例えば、共にフ ァデンによるPCT公開WO88/07851及びWO88/07852を参照 )又は重合体微小球(例えば、カーン他による米国特許第5,413,797号 、マチオビッツ他による米国特許第5,271,961号及びゴムボッツ他によ る米国特許第5,019,400号を参照)にカプセル化される。さらに、キャ リアーベクターは、BBBを介する輸送のためにそれを仕向けるように変性する ことができる。例えば、キャリアーベクター(例えば、リポソーム)は、BBB を介して積極的に輸送される分子により又は脳内皮細胞受容体のための配位子、 例えばトランスフェリン受容体に特異的に結合するモノクロナール抗体により( 例えば、コリンズ他によるPCT公開WO91/04014及びグレイグ他によ るPCT公開WO94/02178を参照)共有結合的に変性される。 BBBを介する調節剤の輸送を高めるさらに別の方法においては、調節剤は、 BBBを透過性化させるように機能する他の物質と共に投与される。このような BBB“透過性化剤”の例は、ブラジキニン及びブラジキニンアゴニスト(例え ば、マルフロリー−カミンによる米国特許第5,112,596号を参照)並び にコザルッチ他による米国特許第5,268,164号に開示されたペプチド化 合物を包含する。 本発明の調節剤化合物は、調節剤が唯一の活性成分である製薬組成物に又はそ れが追加の活性化合物を含有できる製薬組成物に処方することができる。例えば 、2種以上の調節剤化合物を併用することができる。さらに、本発明の調節剤化 合物は、抗アミロイド形成性を有する1種以上の薬剤と併用することができる。 例えば、調節剤化合物は、非特異的コリンエステラーゼ阻害剤タクリン(Cog nexR、パークーデービス社)と併用することができる。 他の具体例において、本発明の製薬組成物は、パッケージ処方物として提供さ れる。パッケージ処方物は、β−アミロイドーシスを伴う障害、例えば、アルツ ハイマー病を有する患者を治療するための組成物を投与するための容器及び印刷 された指図書に本発明の製薬組成物を含むことができる。 VI.Aβ調節剤を使用する方法 本発明の別の観点は、天然β−アミロイドペプチドの凝集を変化させ又はその 神経毒性を抑止するための方法に関する。本発明の方法においては、天然β−ア ミロイドペプチドは、天然β−アミロイドペプチドの凝集が変化するように又は 天然β−アミロイドペプチドの神経毒性が抑止されるようにβ−アミロイド調節 剤と接触される。好ましい具体例において、調節剤は、天然β−アミロイドペプ チドの凝集を抑止させる。他の具体例では、調節剤は、天然β−アミロイドペプ チドの凝集を促進させる。好ましくは、調節剤の量に対してモル過剰量のβ−A Pの凝集は、調節剤と接触すると変化する。 本発明の方法において、天然β−アミロイドペプチドは、インビトロか又はイ ンビボで調節剤と接触させることができる。しかして、用語“と接触させる”と は、調節剤を天然β−AP調製物をインビトロでインキュベーションすること及 び天然β−APが存在するインビボの部位に調節剤を送出することを包含するも のとする。調節剤化合物は天然β−APと相互作用するので、調節剤化合物は天 然β−APをインビトロで又はインビボで検出するのに使用することができる。 従って、本発明の調節剤化合物の用途の一つは、被験者の生物学的試料又はイン ビボの天然β−APの存在を検出するための診断剤としての使用である。さらに 、本発明の調節剤化合物を使用する天然β−APの検出は、被験者のアミロイド ーシスを診断するのに使用することができる。従って、本発明の調節剤化合物は 、β−APの凝集を破壊し且つβ−APの神経毒性を抑止するので、また調節剤 化合物はβ−アミロイドーシスを伴う障害の処置に予防的又は治療学的に有用で ある。従って、本発明の調節剤化合物の他の用途は、天然β−APの凝集及び( 又は)神経毒性を変化させるための治療剤としての用途である。 一つの具体例において、本発明の調節剤化合物は、例えば、試料(例えば、生 物学的液体試料)中の天然β−APを検出し定量化するためにインビトロで使用 される。検出を助成するために、調節剤化合物は、検出可能な物質により変性す ることができる。この方法に使用される天然β−AP源は、例えば、脳脊髄液( 例えば、AD患者、家族歴からADになりやすい成人、又は正常な成人)の試料 である。天然β−AP試料が本発明の調節剤と接触され、β−APの凝集が、 例えば、例2、5及び6に記載の検定法によって測定される。好ましくは、例6 に記載の核形成検定法及び(又は)播種拡大検定法が使用される。次いで、β− AP試料の凝集度が、同様に調節剤と接触させたβ−APの既知の濃度の対照例 試料の凝集度と比較され、その結果は被験者がβ−アミロイドーシスになりやす いか又はβ−アミロイドーシスを伴う障害を有するかどうかの指針として使用す ることができる。さらに、β−APは、調節剤に組み入れた調節基を検出するこ とによって検出することができる。例えば、前記のようなビオチン化合物を組み 込んだ調節剤(例えば、アミノ末端をビオチニル化したβ−APペプチド)は、 検出可能な物質(例えば、ペルオキシダーセのような酵素)で標識付けしたスト レプタビジン又はアビジンプローベを使用して検出することができる。調節基に 結合するプローベ(例えば、ビオチン/ストレプタビジン)を使用する本発明の 調節剤と混合された天然β−AP凝集物の検出は、例2においてさらに説明する 。 別の具体例では、本発明の調節剤化合物は、例えば、被験者のβ−アミロイド ーシスの診断を助成するために、被験者における天然β−APの沈着を検出し、 所望ならば、定量化するのにインビボで使用される。検出を助成するために、調 節剤化合物は、被験者においてインビボで検出できる検出可能な物質、好ましく は99mTc又は放射性沃素により標識付けすることができる。標識付きβ−アミ ロイド調節剤化合物が被験者に投与され、アミロイド沈着の箇所に調節剤を蓄積 させるのに十分な時間の後に、標識付き調節剤化合物が標準的画像形成技術によ って検出される。標識付き化合物により発生した放射能シグナルが直接検出でき (例えば全血液の計数)、或いは別法として放射能シグナルは被験者におけるア ミロイドの沈着を画像化させるオートラジオグラフ上で又はコンピューター上で 画像に転換させることができる。放射能標識付き蛋白を使用するアミロイドを画 像化する方法は、斯界で周知である。例えば、123I又は99mTcにより放射能標 識付けされた血清アミロイドP成分(SAP)は、全身アミロイドーシスを画像 化するのに使用された(例えば、ホーキンスP.N.及びペピーズM.B.(199 5)Eur.J.Nucl.Med.22:59-599を参照)。放射性沃素の種々の同位体のうちで は、好ましくは123I(半減期=13.2時間)は全身のシンチグラフィー のために使用され、124I(半減期=4日)は陽電子射出断層撮影法(PET) のために使用され、125I(半減期=60日)は代謝回転研究のために使用され 、131I(半減期=8日)は全血液計数及び遅延低解像画像形成の研究のために 使用される。放射能標識付きSAPを使用する研究と同様に、本発明の標識付き 調節剤化合物は、例えば、ほぼ180MBqの放射能を有する100μgの標識 付き化合物を含有する巨大丸薬として適当な経路(例えば、静脈内、脊髄内、大 脳内)で被験者に送出することができる。 本発明は、生物学的試料を本発明の化合物と接触させ、天然β−アミロイドペ プチドに結合した化合物を検出して生物学的試料中の天然β−アミロイドペプチ ドの存在の有無を検出することからなる、生物学的試料中の天然β−アミロイド ペプチドの存在の有無を検出する方法を提供する。一つの具体例においては、β −アミロイド調節剤化合物と生物学的試料とがインビトロで接触される。他の具 体例では、β−アミロイド調節剤化合物は、これを被験者に投与することによっ て生物学的試料と接触される。インビボでの投与のためには、好ましくは化合物 は、放射性テクネチウム又は放射性沃素により標識付けされる。 また、本発明は、生物学的試料を本発明の化合物と接触させ、天然β−アミロ イドペプチドに結合した化合物を検出してβ−アミロイド形成性疾病の診断を容 易にさせることからなる、β−アミロイド形成性疾病の診断を容易にさせるため に天然β−アミロイドペプチドを検出する方法を提供する。一つの具体例におい ては、β−アミロイド調節剤化合物と生物学的試料とがインビトロで接触される 。他の具体例では、β−アミロイド調節剤化合物は、これを被験者に投与するこ とによって生物学的試料と接触される。インビボでの投与のためには、好ましく は化合物は、放射性テクネチウム又は放射性沃素により標識付けされる。好まし くは、この方法を使用するとアルツハイマー病の診断が容易になされる。 他の具体例として、本発明は、天然β−APの凝集を変化させ又はβ−APの 神経毒性を抑止させる方法を提供する。これは、β−アミロイドーシスを伴う疾 病、例えばアルツハイマー病の処置又は予防に予防的又は治療学的に使用するこ とができる。例10で立証するように、本発明の化合物は、培養された神経細胞 に対する天然β−AP凝集物の毒性を減少させる。さらに、調節剤は、神経毒凝 集物の形成を減少させるのみならず、予め形成されたAβフィブイルの神経毒性 を減少させる能力を有する。従って、本発明の調節剤化合物は、被験者(例えば 、β−アミロイドの沈着にかかりやすくされた被験者に予防的に)における神経 毒Aβフィブイルの形成を抑止し又は防止するのに使用することができ、またβ −アミロイドの沈着を既に示している被験者においてβ−アミロイドーシスを治 療学的に逆転させるのに使用することができる。 本発明の調節剤は、被験者(例えば、被験者の脳脊髄液又は大脳)に存在する 天然β−アミロイドペプチドと接触して天然β−APの凝集を変化させ及び(又 は)天然β−APの神経毒性を抑止させる。また、調節剤化合物のみを被験者に 投与することができ、或いは、調節剤化合物をその他の治療活性薬剤と併用して 投与することができる(例えば、上記のIVの項で検討したように)。併用治療を 使用するときは、治療剤は、単一に製薬組成物で一緒に投与し、別個の製薬組成 物で一緒に投与し、又は続けて投与することができる。 調節剤は被験者における天然β−APの凝集を抑止するのに有効な任意の好適 な経路により被験者に投与することができるが、特定の好ましい具体例において は、調節剤は非経口的に、最も好ましくは被験者の中枢神経系に投与される。C NSの可能な投与経路には、脊髄内投与及び大脳内投与(例えば、大脳血管内投 与)が含まれる。別法として、化合物は、例えば、経口的に、腹腔内経路で、静 脈内で又は筋肉内で投与することができる。CNSではない投与経路のためには 、化合物は、BBBを介する輸送を可能させる処方物で投与することができる。 ある種の調節剤はさらに追加の変性を行うことなくBBBを介して輸送すること ができるが、他のものは前記のIVの項で説明したようにさらに変性を必要としよ う。 被験者のCNSに治療用化合物を送出するための好適な方式及び装置は、斯界 で周知であって、大脳血管レザバー(例えば、オマヤ又はリッカーのレザバー、 例えば、ラネーJ.P.他(1988)J.Neurosci.Nurs.,20:23-29;サンダーサン N.他(1989)Oncology 3:15-22)、鞘内送出のためのカテーテル(例えば、ポー ト・ア・キャス、Y−カテーテルなど、例えば、プラムマーJ.L.(1991)Pain 44:215-220 ;ヤクシT.L.他(1986)Pharmacol.Biochem.Behav.25 :483-485)、注射用鞘内レザバー(例えば、スピナルゲシック(Spinalg esic)、例えば、ブラゼノールG.A.Neurosurgery 21:484-491 を参照) 、植え込み可能な注入ポンプ系(例えば、インフーセッド(Infsaid)、 例えば、ジールスキーJ.他(1998)Acta Neurochem.Suppl.43:94-99;カノフ R.B.(1994)J.Am.Osteopath.Assoc.9:487-493 を参照)、及び浸透ポンプ (アルザ社から販売)を含む。特に好ましい投与方法は、埋め込み可能な外部か らプログラム可能な注入ポンプである。また、好適な注入ポンプ系及びレザバー 系は、ブロムキストによる米国特許第5,368,562号及びドアンによる米 国特許第4,731,058号に記載されており、ファルマシア・デルテック社 により開発された。 インビボでのβ−Aの凝集を変化させ、特にβ−Aの凝集を抑止しするための 本発明の方法は、異常なβ−アミロイドの凝集及び沈着と関連する疾病に治療学 的に使用してβ−アミロイドの沈着速度を遅くさせ及び(又は)β−アミロイド の沈着度を少なくさせ、もって疾病の過程を改善することができる。好ましい具 体例において、この方法は、アルツハイマー病(例えば、AD症候群を示してい る個体と家族性のADにかかりやすい個体の両者を含めて散発性又は家族性のA D)を治療するのに使用される。また、この方法は、β−アミロイド沈着のその 他の臨床的な発生、例えば、ダウン症候群の個体及びアミロイドーシスドイツ型 (HCHWA−D)の遺伝性脳出血のある患者において治療するのに予防的又は 治療学的に使用することができる。β−APの凝集の抑止が好ましい治療法であ るが、また、β−APの凝集を抑止させる調節剤も、神経学的障害をもたらさな い部位でβ−APの封鎖を可能させることによって治療学的に有用である。 さらに、筋線維におけるβ−アミロイド先駆体蛋白の異常な蓄積は、散発性封 入体筋炎(IBM)の病理に関係をしていた(アスカナV.他(1996)Proc.Natl .Acad.Sci.USA 93:1314-1319 ;アスカナV.他(1995)Curent Opinion in Rh eumatology 7:486-496)。従って、本発明の調節剤は、β−AP又はAPPが非 神経学的な位置に異常に沈着する障害の治療に、例えば、IBMの治療に、調節 剤を筋線維に送出することによって予防的又は治療学的に使用することができる 。 VII.天然β−APの凝集を抑止する未変性Aβペプチド Aβペプチドが変性基と結合している上で説明したβ−アミロイド調節剤に加 えて、また本発明は、未変性Aβペプチドからなるβ−アミロイド調節剤を提供 する。ここに、天然β−APのある部分が天然β−APと接触したときに天然β −APの凝集を変化させることができることが発見された(例12を参照)。従 って、これらの未変性のAβペプチドは、天然β−AP配列の一部分(即ち、β AP1-39、βAP1-40、βAP1-42及びβAP1-43の一部分)からなる。特に、 これらの未変性Aβペプチドは、化合物が天然β−アミロイドペプチドと接触し たときに天然β−アミロイドペプチドの凝集を変化させるように、最も短い天然 β−APである、βAP1-39と比べて少なくとも1個のアミノ酸欠失を有する。 種々の具体例において、これらの未変性ペプチド化合物は、天然β−アミロイド ペプチドの凝集を促進し、又はさらに好ましくは天然β−アミロイドペプチドと 接触したときに天然β−アミロイドペプチドの凝集を抑止することができる。さ らに好ましくは、この未変性ペプチド化合物は、モル過剰量の天然β−アミロイ ドペプチド(例えば、10倍、33倍又は100倍モル過剰量の天然β−AP) と接触したときに天然β−アミロイドペプチドの凝集を抑止する。 上で検討したように、本発明の未変性ペプチド化合物は、βAP1-39のアミノ 酸配列になぞらえて少なくとも1個のアミノ酸欠失を有するアミノ酸配列からな る。或いは、本発明の未変性のペプチド化合物は、βAP1-39になぞらえて少な くとも5、10、15、20、25、30又は35個のアミノ酸欠失を有するこ とができる。さらに、未変性のペプチド化合物は、βAP1-39になぞらえて1〜 5、1〜10、1〜15、1〜20、1〜25、1〜30又は1〜35個のアミ ノ酸欠失を有することができる。アミノ酸欠失は、β−AP配列のアミノ末端、 カルボキシ末端、中間部位又はその組合せで起こり得る。従って、一つの具体例 において、本発明の未変性ペプチド化合物は、βAP1-39になぞらえて少なくと も1個の内部アミノ酸欠失を有するアミノ酸配列からなる。或いは、また、未変 性ペプチド化合物は、βAP1-39になぞらえて少なくとも5、10、15、20 、25、30又は35個の内部アミノ酸欠失を有することができる。またさらに 、未変性のペプチド化合物は、βAP1-39になぞらえて1〜5、1〜10、1〜 15、1〜20、1〜25、1〜30又は1〜35個の内部アミノ酸欠失を有す ることができる。内部欠失を有するペプチドについては、好ましくは、ペプチド は、天然βAPのアミノ酸残基1に対応するアミノ末端及び天然βAPの残基4 0に対応するカルボキシ末端を有し、また1個以上の内部β−APアミノ酸残基 欠失を有する(即ち、非隣接Aβペプチド)。 他の具体例においては、未変性ペプチド化合物は、βAP1-39と比べて少なく とも1個のN−末端アミノ酸欠失を有するアミノ酸配列からなる。或いは、未変 性ペプチド化合物は、βAP1-39になぞらえて少なくとも5、10、15、20 、25、30又は35個のN−末端アミノ酸欠失を有することができる。またさ らに、未変性のペプチド化合物は、βAP1-39になぞらえて1〜5、1〜10、 1〜15、1〜20、1〜25、1〜30又は1〜35個のN−末端アミノ酸欠 失を有することができる。 さらに他の具体例においては、未変性ペプチド化合物は、βAP1-39になぞら えて少なくとも1個のC−末端アミノ酸欠失を有するアミノ酸配列からなる。或 いは、未変性ペプチド化合物は、βAP1-39になぞらえて少なくとも5、10、 15、20、25、30又は35個のC−末端アミノ酸欠失を有することができ る。またさらに、未変性のペプチド化合物は、βAP1-39になぞらえて1〜5、 1〜10、1〜15、1〜20、1〜25、1〜30又は1〜35個のC−末端 アミノ酸欠失を有することができる。 βAP1-39になぞらえたときのアミノ酸の欠失に加えて、本発明のペプチド化 合物は、例えば、そのアミノ末端、カルボキシ末端又は内部の部位で付加された 追加の非β−AP型のアミノ酸残基を有することができる。一つの具体例におい て、ペプチド化合物は、そのN−末端に少なくとも1個の非β−アミロイドペプ チドから誘導のアミノ酸を有する。或いは、化合物は、そのN−末端に、1〜3 、1〜5、1〜7、1〜10、1〜15又は1〜20個の非β−アミロイドペプ チドから誘導のアミノ酸を有することができる。他の具体例では、ペプチド化合 物は、そのC−末端に少なくとも1個の非β−アミロイドペプチドから誘導のア ミノ酸を有する。或いは、化合物は、そのC−末端に、例えば、1〜3、1〜5 、1〜7、1〜10、1〜15又は1〜20個の非β−アミロイドペプチドから 誘導のアミノ酸を有することができる。 特に好ましい具体例において、本発明の未変性ペプチド化合物は、Aβ6-20( そのアミノ酸配列をSEQ ID NO:4で示す。)、Aβ16-30(そのアミ ノ酸配列をSEQ ID NO:14で示す。)、Aβ1-20、26ー40(そのアミノ 酸配列をSEQ ID NO:15で示す。)又はEEVVHHHHQQ−Aβ16-40 (そのアミノ酸配列をSEQ ID NO:16で示す。)からなる。こ こで使用する命名法において、βAP1-2026-40は、内部アミノ酸残基21〜 25が欠失したβAP1-40を表す。 本発明の未変性ペプチド化合物は、ボンダスキーM.「ペプチド合成の原理」 、スプリンガー・フェルラグ社、ベルリン(1993)及びグラントG.A.編 「合成ペプチド、ユーザーガイド」W.H.フリーマン&カンパニー、NY(1 992)に記載の技術のような標準的技術を使用して化学的に合成することがで きる。自動化されたペプチド合成器が市場で入手できる(例えば、アドバンスド ・ケムテク社、モデル396、ミリガン/バイオサーチ9600)。或いは、未 変性ペプチド化合物は、ペプチドをコード化する核酸分子を使用する標準的組換 えDNA技術に従って製造することができる。ペプチドをコード化するヌクレオ チド配列は、遺伝子コードを使用して決定することができ、またこのヌクレオチ ド配列を有するオリゴヌクレオチド分子は標準的DNA合成法(例えば、自動化 DNA合成器)によって合成することができる。別法として、未変性ペプチド化 合物をコード化するDNA分子は、標準的分子生物学技術に従って、天然β−ア ミロイド先駆体蛋白遺伝子又はcDNAから(例えば、ポリメラージ連鎖反応及 び(又は)制限酵素消化を使用して)誘導することができる。 従って、さらに、本発明は、β−アミロイドペプチド化合物をコード化するヌ クレオチド配列からなる単離核酸分子であって、該β−アミロイドペプチド化合 物はこのものが天然β−アミロイドペプチドと接触したときに天然β−アミロイ ドペプチドの凝集を変化させるように、βAP1-39になぞらえて少なくとも1個 のアミノ酸欠失を有するアミノ酸配列からなるものである、該単離核酸分子を提 供する。用語“核酸分子”とは、ここで使用するときは、DNA分子及びRNA 分子を包含するものとし、また一本鎖又は二本鎖であってよいが、好ましくは二 本鎖DNAである。単離核酸は、上で検討したように、1個以上のアミノ酸がβ AP1-39のN−末端、C−末端及び(又は)内部の部位から欠失しているペプチ ドをコード化する。さらに他の具体例において、単離核酸は、βAP1-39になぞ らえて1個以上のアミノ酸欠失を有し且つ例えばアミノ末端、カルボキシ末端又 は内部の部位で付加された少なくとも1個の非β−APから誘導のアミノ酸残基 を有するペプチド化合物をコード化する。特に好ましい具体例においては、本発 明の単離核酸分子は、βAP6-20、βAP16-30、βAP1-20,26-40又はEEV VHHHHQQ−βAP16-40をコード化する。 標準的組換えDNA技術による宿主細胞におけるペプチド化合物の発現を容易 にさせるために、ペプチドをコード化する単離核酸を組換え発現ベクターに組み 込むことができる。従って、本発明は、また、本発明の核酸分子からなる組換え 発現ベクターを提供する。用語“ベクター”とは、ここで使用するときは、それ が結合した別の核酸を輸送することができる分子を言う。ベクターの一つのタイ プは“プラスミド”であって、これは中に追加のDNA断片を繋ぐことができる 環状の二本鎖DNAループを言う。ベクターの別のタイプは、ウイルスベクター であって、ここでは追加のDNA断片がウイルスゲノムに繋がれる。ある種のベ クターは、宿主細胞において自律的複製を行うことができ、その中に導入される (例えば、細菌性複製起源を有する細菌ベクター及びエピソーム性哺乳類ベクタ ー)。その他のベクター(例えば、非エピソーム性哺乳類ベクター)は、宿主細 胞に導入すると宿主細胞のゲノム中に組み込まれ、これにより宿主ゲノムと一緒 に複製される。さらに、ある種のベクターは、それらが機能的に連結される遺伝 子の発現を命令することができる。このようなベクターは、ここでは、“組換え 発現ベクター”又は単に“発現ベクター”と言う。一般に、組換えDNA技術に おいて有益な発現ベクターは、しばしばプラスミドの形態にある。この明細書に おいて、“プラスミド”及び“ベクター”は、プラスミドがベクターの最も普通 に使用される形態であるので、相互変換的に使用することができる。しかし、本 発明は、このような他の形態の発現ベクター、例えば、同等の機能を果たすウイ ルスベクターなども包含するものとする。 本発明の組換え発現ベクターにおいて、ペプチド化合物をコード化するヌクレ オチド配列は、発現のために使用すべき宿主細胞に基づいて選択された1個以上 の調節配列に機能的に連結する。用語“機能的に連結する”とは、ペプチド化合 物をコード化する配列が調節配列にペプチド化合物の発現を可能にさせるような 態様で連結することを意味するものとする。用語“調節配列”とは、プロモータ ー、エンハンサー及びその他の発現制御要素(例えば、ポリアデニル化シグナル )を包含するものとする。このような調節配列は、例えば、ゲッデルの「遺伝子 発現技術、酵素学における方法」185、アカデミック・プレス社、サンジェゴ 、CA(1990)に記載されている。調節配列には、多くのタイプの宿主細胞 におけるヌクレオチド配列の構成的発現を命令するもの、ある種の宿主細胞にお けるヌクレオチド配列のみの発現を命令するもの(例えば、組織に特異的な調節 配列)及び制御可能な態様での(例えば、誘導剤の存在下でのみ)発現を命令す るものが含まれる。当業者には、発現ベクトルのデザインが、転換すべき宿主細 胞の選定、所望のペプチドの発現の程度などのような因子に依存し得ることが認 められよう。本発明の発現ベクトルは、宿主細胞に導入してここに記載のように 核酸によりコード化されるペプチド化合物を生じさせることができる。 本発明の組換え発現ベクトルは、原核細胞又は真核細胞においてペプチド化合 物を発現させるために設計することができる。例えば、ペプチド化合物は、細菌 細胞、例えば、E.coli.、昆虫細胞(バキュロウイルス発現ベクターを使 用して)、酵母細胞又は哺乳類細胞で発現させることができる。好適な宿主細胞 は、さらに、ゲッデルの「遺伝子発現技術、酵素学における方法」185、アカ デミック・プレス社、サンジェゴ、CA(1990)に検討されている。これと は別に、組換え発現ベクトルは、例えば、T7プロモーター調節配列及びT7ポ リメラーゼを使用してインビトロで転写し翻訳することができる。酵母S.ce rivisaeにおいて発現させるためのベクターの例は、pYepSec1( バルダリ他(1987)EMBO J.6:229-234)、pMFa(クリャン及びハースコビッ チ(1982)Cell 30:933-943)、pJRY88(シュルツ他(1987)Gene 54:113-1 23)及びpYES2(インビトロゲン社、サンジエゴ、CA)を含む。培養昆虫 細胞(例えば、Sf9細胞)でたんぱく質又はペプチドを発現させるために入手 できるバキュロウイルスベクターは、pAc系(スミス他(1983)Mol.Cell. Biol.3:2156-2165)及びpVL系(ラックロウV.A.及びサマーズM.D.( 1989)Virology 170:31-39)を含む。哺乳類発現ベクターの例は、pCDM8( シードB.(1987)Nature 329:840)及びpMT2PC(カウフマン他(1987)EMBO J.6:187-195)を包含する。哺乳類細胞で使用するときは、発現ベクターの制 御機能は、ウイルス調節要素によってしばしば提供される。例えば、普通に使用 されるプロモーターは、ポリオーマ、アデノウイルス2、サイトメガロウイルス 及びシミアンウイルス40から誘導される。 上で検討した調節性制御配列に加えて、組換え発現ベクターは、追加のヌクレ オチド配列を含有することができる。例えば、組換え発現ベクターは、ベクター を組み込んだ宿主細胞を同定するように選択マーカーをコード化することができ る。このような選択マーカーは斯界で周知である。さらに、宿主細胞、特に哺乳 類宿主細胞からのペプチド化合物の分泌を容易にさせるために、好ましくは、組 換え発現ベクターは、発現したならばペプチド化合物がそのアミノ末端に融合し たシグナル配列で合成されるように、ペプチド化合物のアミノ末端をコード化す る配列に効果的に結合したシグナル配列をコード化する。このシグナル配列は、 ペプチド化合物を細胞の分泌経路に向け、次いで解裂されて宿主細胞から成熟ペ プチド化合物(即ち、シグナル配列を有しないペプチド化合物)を放出させる。 哺乳類宿主細胞からの蛋白又はペプチドの分泌を容易にさせるためにシグナル配 列を使用することは、斯界で周知である。 天然β−APの凝集を変化させるペプチド化合物をコード化する核酸からなる 組換え発現ベクターは、宿主細胞に導入して宿主細胞にペプチド化合物を生じさ せることができる。したがって、本発明は、また、本発明の組換え発現ベクター を含有する宿主細胞を提供する。用語“宿主細胞”及び“組換え宿主細胞”は、 ここでは相互交換的に使用される。このような用語は、特定の主題細胞のみなら ずそのような細胞の子孫又は潜在的な子孫をも言うことを理解されたい。ある種 の変性が突然変異又は環境の影響のために次の世代で起こり得るが、このような 子孫は、実際には、親細胞と同等ではないが、それでもここで使用するときの用 語の範囲に包含されるものである。宿主細胞は、どんな原核細胞でも真核細胞で も良い。例えば、ペプチド化合物は、E.coll.のような細菌細胞、昆虫細 胞、酵母又は哺乳類細胞において発現させることができる。好ましくは、ペプチ ド化合物は、哺乳類細胞で発現される。好ましい具体例におて、ペプチド化合物 は、遺伝子治療(以下に検討する)により哺乳類被験体におけるアミロイドーシ スを治療するために被検体においてインビボで哺乳類細胞で発現される。好まし くは、組換え発現ベクターによりコード化されたβ−アミロイドペプチド化合物 は、宿主細胞で発現されると宿主細胞から分泌される。 ベクターDNAを慣用の形質転換又は転入技術によって原核細胞又は真核細胞 に導入することができる。用語“形質転換”又は“転入”は、ここで使用すると きは、りん酸カルシウム又は塩化カルシウム共沈、DEAE−デキストラン媒介 転入、リポフェクション、エレクトロポレーション、ミクロインジェクション及 びウイルス媒介転入を含めて、異種核酸(例えば、DNA)を宿主細胞に導入す るための斯界で認められた各種の技術を言うものとする。宿主細胞を形質転換し 又は転入させるための好適な方法は、サムブルック他「分子クローニング、実験 室マニュアル」、第二版、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プ レス社(1989)及びその他の実験室マニュアルに見出すことができる。DN Aをインビボで哺乳類細胞に導入する方法も、斯界で周知であって、遺伝子治療 (以下に検討する。)のために被検体にベクターDNAを送出するのに使用する ことができる。 哺乳類細胞の安定な形質転入のためには、使用する発現ベクター及び転入技術 に従って、細胞の小さい画分のみが異種のDNAをそのゲノムに組み込む(in tegrate)ことができることが知られている。これらの組み込み物を同定 し選定するためには、選択マーカー(例えば、抗生物質耐性)をコード化する遺 伝子が、関心のある遺伝子と一緒に宿主細胞に一般に導入される。好ましい選択 マーカーには、薬物に耐性を与えるもの、例えば、G418、ヒグロマイシン及 びメトトレキセートが含まれる。選択マーカーをコード化する核酸は、ペプチド 化合物をコード化するベクターと同じベクター上で宿主細胞に導入することがで き、又はセパレーターベクターに導入することができる。導入された核酸により 安定して形質転入された細胞は、薬物の選定によって同定することができる(例 えば、選択マーカー遺伝子を組み入れた細胞は生存するが、その他の細胞は死亡 する)。 本発明の核酸は、斯界で周知の方法、例えば、DNAの直接注入、受容体媒介 DNAの取り込み又はウイルス媒介形質転入を使用して、インビボで細胞に送出 することができる。直接注入は、裸のDNAをインビボで細胞に導入するのに使 用された(例えば、アクサジ他(1991)Nature 332:815-818 ;ウオルフ他(1990)S cience 247:1465-1468 を参照)。DNAをインビボで細胞に注入するための送 出装置(例えば、“遺伝子ガン”)を使用することができる。このような装置は 市場で入手できる(例えば、バイオラド社から)。また、裸のDNAは、DNA を、細胞表面受容体のための配位子に結合させた陽イオン、例えばポリリシンと 錯化させることによって細胞に導入することができる(例えば、ウーG.及びウ ーC.H.(1988)J.Biol.Chem.263:14621;ウイルソン他(1992)J.Biol.Che m.267:963-967 及び米国特許第5,166,320号を参照)。DNA−配位 子錯体を受容体に結合させると、受容体媒介エンドサイトーシスによるDNAの 取り込みが容易になる。さらに、エンドソームを自然に分断してこれにより物質 を細胞質に放出させる、アデノウイルスカプシドに連結したDNA−配位子錯体 は、細胞内リソソームによる錯体の分解を防止するのに使用することができる( 例えば、キュリエル他(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:8850 ;クリスチ アノ他(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:2122-2126を参照)。 欠損レトロウイルスが、遺伝子治療のための遺伝子運搬に使用するために十分 に特徴づけられている(概説については、ミラーA.D(1990)Blood 76:271を参 照)。組換えレトロウイルスを生成させ且つこのようなウイルスにより細胞をイ ニビトロ又はインビボで感染させるためのプロトコルは、「分子生物学における 最新のプロトコル」、オウスベル他編、グリーン・プブリッシング・アソシアイ ツ社(1989)、セクション9.10〜9.14及びその他の標準的実験室マ ニュアルに見出すことができる。好適なレトロウイルスの例には、当業者に周知 のpLJ、pZIP、pWE及びpEMが含まれる。好適なパッケジングウイル ス系統の例としては、ΨCrip、ΨCre、Ψ2及びΨAmがある。レトロウ イルスは、上皮細胞、内皮細胞、リンパ球、筋芽細胞、肝細胞、骨髄細胞を含め て、多くの異なった細胞に種々の遺伝子をインビトロで及び(又は)インビボで 導入するのに使用された(例えば、エグリチス他(1985)Science 230:1395-1398 ;ダノス及びミュリガン(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:6460-6464;ウ イルソン他(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:3014-3018;アルメンタノ他( 1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:6141-6145;ヒューバー他(1991)Proc.Na tl.Acad.Sci.USA 88:8039-8043;フェリー他(1991)Proc.Natl.Acad.Sci. USA 88:8377-8381 ;ショウドハリ他(1991)Science 254:1802-1805;バンボイス ケム他(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:7640-7644;ケイ他(1992)Human G ene therapy 3:641-647;ダイ他(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10892-1 0895;ホウ他(1993)J.Immunol.150:4104-4115;米国特許第4,868,11 6号;米国特許第4,980,286号;PCT出願WO89/07136;P CT出願WO89/02468;PCT出願WO89/05345;PCT出願 WO92/07573を参照)。 或いは、さらに、アデノウイルスのゲノムは、それがペプチド化合物をコード 化し発現させるがそれが正常な溶解ウイルス生活周期において複製する能力の点 で不活性化されるように改変することができる。例えば、バークナー他(1988)Bi o Techniques 6:616;ローゼンフェルド他(1991)Science 252:431-434及びロー ゼンフェルド他(1992)Cell 68:143-155を参照されたい。アデノウイルス株Ad タイプ5 d1324又はその他のアデノウイルス株(例えば、Ad2、Ad3 、Ad7など)から誘導される好適なアデノウイルスベクターは当業者に周知で ある。組換えアデノウイルスは、それが有効な遺伝子送出ビヒクルであるように 細胞分裂を要求せず且つ広範なタイプの細胞、例えば、気道上皮細胞(ロゼンフ ェルド他(1992)同上誌)、内皮細胞(レマーシャンド他(1992)Proc.Natl.Acad .Sci.USA 89:6482-6486)、肝細胞(ヘルツ及びジェラルド(1993)Proc.Natl .Acad.Sci.USA 90:2812-2816、筋細胞(クアンチン他(1992)Proc.Natl.A cad.Sci.USA 89:2581-2584)を含めて種々の細胞を感染させるのに使用するこ とができるという点で有益である。さらに、導入アデノウイルスDNA(及びそ れに含まれる異種DNA)は宿主細胞のゲノムに組み込まれないが、エピソーム のままであるので、導入DNA(例えば、レトロウイルスDNA)が宿主ゲノム 中に組み込まれるようになる状況で挿入突然変異誘発の結果とし て起こり得る潜在的な問題を回避させる。 また、アデノ関連性ウイルス(AAV)は、遺伝子治療のためにDNAを送出 させるに使用することができる。AAVは、効率的な複製及び増殖生活周期のた めにヘルパーウイルスとしてアデノウイルス又はヘルペスウイルスのような別の ウイルスを要求する天然産欠損ウイルスである(概説については、例えば、ミュ ジツカ他Curr.Topics in Micro.and Immunol.,(1992)158:97-129を参照)。ま た、それは、そのDNAを非分裂細胞に組み込み、高頻度の安定な組み込みを示 すことができるウイルスの一つである(例えば、フロット他(1992)Am.J.Respi r.Cell.Mol.Biol.7:349-356;サミュルスキー他(1989)J.Virol.63:3822-3 828 ;マックロウリン他(1989)J.Virol.62:1963-1973を参照)。300個ほど に少ない塩基対を含有するベクターをパッケージし組み込むことができる。AA Vベクター、例えば、トラッチン他(1985)Mol.Cell.Biol.5:3251-3260に記載 のようなものをDNAを細胞に導入するのに使用することができる。種々の核酸 が、AAVベクターを使用して異なったタイプの細胞に導入された(例えば、ハ ーモナート他(1984)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6466-6470;トラッチン他( 1985)Mol.Cell.Biol.4:2072-2081 ;ウオンジスホルド他(1988)Mol.Endoc rinol.2:32-39;トラッチン他(1984)J.Virol.,51:611-619 及びフロット他(19 93)J.Bol.Chem.268:3781-3790 を参照)。 また、本発明は、被験者に、β−アミロイドペプチド化合物であってβAP1- 39 にぞらえて少なくとも1個のアミノ酸欠失を有するアミノ酸配列からなるもの をコード化する組換え発現ベクターを投与し、しかも該β−アミロイドペプチド 化合物が被験者において合成され且つ被験者がβ−アミロイドーシスと関連する 障害について治療されるように投与することからなる、β−アミロイドーシスと 関連する障害のために被験者を治療する方法を提供する。好ましくは、この障害 はアルツハイマー病である。一つの具体例において、組換え発現ベクターは神経 細胞でのペプチド化合物の発現を命令する。他の具体例においては、組換え発現 ベクターはグリア細胞でのペプチド化合物の発現を命令する。さらに他の具体例 において、組換え発現ベクターは、線維芽細胞でのペプチド化合物の発現を命令 する。 遺伝子治療の一般的方法は、斯界で周知である。例えば、アンダーソン他によ る米国特許第5,399,346号を参照されたい。遺伝子物質を送出させるた めの生体適合性のカプセルがベーツエ他によるPCT公開WO95/05452 に記載されている。中枢神経系の障害を治療するための遺伝子的に変性された細 胞を移植する方法が、共にゲージ他による米国特許第5,082,670号、P CT公開WO90/06757及びWO93/10234に記載されている。ま た、多能性神経幹細胞又は神経誘導胎児細胞の単離及び(又は)遺伝子的変性が アンダーソン他によるPCT公開94/02593、バイス他による同WO94 /16718及びメイジャー他による同WO94/23754に記載されている 。遺伝子物質を形質導入した線維芽細胞がミュリガン他によるPCT公開89/ 02468に記載されている。中枢神経系の細胞に遺伝子物質を運搬するための アデノウイルスベクターがカーン他によるPCT公開WO94/08026に記 載されている。神経障害を治療するのに好適なヘルペス単式ウイルスベクターが カプリットによるPCT公開WO94/04695及びゲラー他による同WO9 0/09441に記載されている。連結された遺伝子又は遺伝子断片上に神経膠 星状細胞の特異的発現を与えることができ、したがって神経膠星状細胞にAβペ プチドを特異的に発現させるのに使用することができるグリア線維性酸性蛋白の プロモーター要素がブレンナー他によるPCT公開WO93/07280に記載 されている。さらに、アミロイドーシスを調節するためにAβペプチドを発現さ せることとは別に、ここに記載のペプチドに対応するβ−アミロイド先駆体蛋白 mRNAの領域に対して補足的であるアンチセンスオリゴヌクレオチドを、アミ ロイドーシスを調節するために被験者に発現させることができる。中枢神経系の 障害を調節するためにアンチセンスオリゴヌクレオチドを発現させる一般的な方 法は、PCT公開WO95/09236に記載されている。 遺伝子治療による送出とは別に、βAP1-39にぞらえて少なくとも1個のアミ ノ酸欠失を有するアミノ酸配列からなる本発明のペプチド化合物は、本発明の変 性されたペプチド化合物について詳述したように被験者にペプチド化合物を直接 投与することによって被験者に送出することができる。このペプチド化合物は、 製薬上有効な量のβ−アミロイドペプチド化合物及び製薬上許容できるキャリア ーを含む製薬組成物に処方することができる。ペプチド化合物は、天然β−アミ ロイドペプチドの凝集が抑止されるように天然β−アミロイドペプチドと接触さ せることができる。さらに、ペプチド化合物は、被験者がアルツハイマー病のよ うなβ−アミロイドーシスと関連する障害について治療されるように治療学的に 有効な量で被験者に投与することができる。 VIII.その他の具体例 本発明をAβペプチド化合物に関して例示したが、ペプチド化合物に対する変 性基の結合を伴う上記に説明は、アミロイドの凝集を調節し、好ましくは抑止す る調節剤化合物を創製するための手段として、どんなアミロイド形成蛋白又はペ プチドにも適用することができる。従って、本発明は、各種の形態及び臨床環境 でアミロイドーシスを治療するのに使用することができる。 アミロイドーシスは、アミロイドの存在によって特徴づけられる病理学的状態 を説明するのに使用される一般的な用語である。アミロイドは、多数の異なった 疾病において見られる多様であるが特定の細胞外蛋白沈着の一群を言う一般的な 用語である。その発生は多様であるが、全てのアミロイド沈着は、共通の形態学 的性質を有し、特定の染料(例えば、コンゴーレッド)で染色し、染色後に偏光 光線で特徴的な赤−緑色複屈折を有する。また、共通の微細構造の特徴、共通の X線解説及び赤外スペクトルを共有する。アミロイドーシスは、臨床的に、原発 性、続発性、家族性及び(又は)単独型として分類される。原発性アミロイドは 、どんな疾病前歴なしに新たに現れる形態である。続発性アミロイドは、前から 存在する疾病の合併症として現れる形態である。家族性のアミロイドは、特定の 地理学的集団で見出される遺伝的に受け継がれる形態である。アミロイドの単独 型は、単一の臓器系を巻き込む傾向のあるものである。 種々のアミロイドは、沈着物中に存在する蛋白又はペプチドのタイプによって 特徴づけられる。例えば、上で説明したように、アルツハイマー病と関連するア ミロイド沈着物は、β−アミロイドペプチドからなり、しかしてアルツハイマー 病を検出し及び(又は)治療するために本発明の調節剤化合物はβ−アミロイド ペプチドの変性に基づいて設計される。多数のその他のアミロイド形成性疾病と 関連するアミロイド沈着物中に存在するたんぱく及び(又は)ペプチドの同一性 が解明された。従って、これらのその他のアミロイド形成性疾病を検出し及び( 又は)治療するのに使用するための調節剤化合物を、β−APから誘導の調節剤 について上で説明したものと同じ方式で創製することができる。また上で説明し たAβ検定法と同様にして、インビトロでフィブリルを形成するアミロイド形成 蛋白及び(又は)ペプチドを使用してインビトロでの検定法を確立することがで きる。調節剤は、このような検定法を使用し、調節剤がフィブリルのβ−シート 構造を壊す能力に基づいて同定することができる。まず、全体のアミロイド形成 蛋白を変性し、又はさらに好ましくはインビトロでフィブリルを形成することが 知られたそのペプチド断片(例えば、上で説明したAβ1-40に類似の)を変性す ることができる。次いで、変性された蛋白又はペプチドについてアミノ酸欠失及 び置換の分析を行って、変性されときにフィブリルの形成を壊すのに十分な凝集 コアドメインの輪郭を描くことができる。 アミロイド形成蛋白又はペプチド並びにそれらに関連するアミロイド形成性疾 病の限定的でない例としては、下記のものが含まれる。 トランスチレチン(TTR):トランスチレチンを含有するアミロイドは、家 族性アミロイド多発性神経障害(ポルトガル、日本及びスイス型)、家族性アミ ロイド心筋症(デンマーク型)、単独型心臓アミロイド及び全身型老人性アミロ イドーシスに起こる。トランスチレチンのペプチド断片はインビトロでアミロイ ドフィブリルを形成することが示された。例えば、TTR10〜20及びTTR 105〜115は、20〜30%アセトニトリル/水中で室温でアミロイド様フ ィブイルを形成する(ジャービスJ.A.他(1994)Int.J.Protein Res.44:38 8-398)。さらに、家族性心筋症(デンマーク型)は位置111のLeuのMe tへの突然変異と関連しており、また位置111の野生型LeuがMetで置換 されたTTR105〜115の類似体(TTR105〜115Met111)は インビボでアミロイド様フィブリルを形成する(例えば、ハーマンセンL.F. 他(1995)Eur.J.Biochem.227:772-779 ;ジャービス他、同誌)。また、イン ビトロでアミロイドフィブリルを形成するTTRの断片がジャービスJ.A.他 (1993)Biochem.Biophys.Res.Commun.192:991-998 及びガスタブソンA.他( 1991)Biochem.Biophys.Res.Commun.175:1159-1164 に記載された。しかして 、アミロイドフィブリルを形成する野生型又は突然変異型トラスチレチンのペプ チド断片は、家族性アミロイド多発性神経障害(ポルトガル、日本及びスイス型 )、家族性アミロイド心筋症(デンマーク型)、単独型心臓アミロイド又は全身 型老人性アミロイドーシスの検出又は治療に使用することができるアミロイドの 調節剤を創製するためにここに説明するように変性することができる。 プリオン蛋白(PrP):羊のスクラピー、牛における牛海綿状エンセファロ パシー(脳障害)及びヒトのクロイツフェルト−ヤコブ病(CJ)及びゲルスト マンーシュトラウスラー−シュラインカー症候群(GSS)を含めて、多数の海 綿状エンセファロパシー(脳障害)におけるアミロイドは、PrPを含有する。 PrPSc(スクラピーと関連したプリオン蛋白)の制限された蛋白分解は、棒 状のアミロイドに重合する27〜30kDaの断片(PrP27〜30)を導く (例えば、パンK.K.他(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:10962-10966 ;ガセットM.他(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:1-5を参照)。ヒト及 び他の哺乳類からのPrPのペプチド断片は、インビトロでアミロイドフィブリ ルを形成することが示された。例えば、コドン178及びコドン200の領域の PRNP遺伝子(CJに係るプリオン蛋白の先駆体をコード化する)の正常な及 び変異体の対立因子によりコード化された配列に対応するポリペプチドは、イン ビトロでアミロイドフィブリルを自然に形成する(例えば、ゴールドファブL. G.他(1993)Proc.Nati.Acad.Sci.USA 90:4451-4454 を参照)。ヒトPrP の残基106〜126を包含するペプチドはGSS脳から抽出したものと類似の 直鎖状フィブリルを形成することが報告されたのに対して、ヒトPrPの残基1 27〜147を包含するペプチドはスクラピーと関連したフィブリルと類似する ねじれたフィブリルを形成することが報告された(タグリアビニF.他(1993)Pr oc.Natl.Acad.Sci.USA 90:9678-9682)。残基109〜122、113〜1 27、113〜120、178〜191又は202〜218を包含するシリアハ ムスターPrPのペプチドは、アミロイドフィブイルを形成し、最もアミロイド 形成性のペプチドがAla−Gly−Ala−Ala−Ala−Ala−Gly −Ala(SEQ ID NO:17)であり、これはシリアハムスターPrP の残基113〜120に対応するが他の種からのPrPに保存されることが報告 された(ガセットM.他(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10940-10944) 。しかして、アミロイドフィブリルを形成するPrPのペプチド断片は、スクラ ピー、牛海綿状エンセファロパシー及びヒトのクロイツフェルト−ヤコブ病及び ゲルストマー−シュトラウスラー−シュラインカー症候群の検出又は治療に使用 できるアミロイドーシスの調節剤を創製するためにここで説明するよう に変性することができる。 アイレットアミロイドポリペプチド(IAPP、アミリンとして知られる): IAPPを含有するアミロイドは、成人の初期糖尿病及びインスルノーマにおい て起こる。IAPPは、89個のアミノ酸先駆体蛋白から形成される37個のア ミノ酸ポリペプチドである(例えば、ベッツホルツC.他(1989)Exp.Cell.Res .183:484-493;ウエスターマークP.他(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84 :3881-3885を参照)。IAPP残基20〜29に対応するペプチドは、インビト ロでアミロイド様フィブリルを形成し、残基25〜29が配列Ala−Ile− Leu−Ser−Ser(SEQ ID NO:18)を有し、強くアミロイド 形成性であることが報告された(ウエスターマークP.他(1990)Proc.Natl.Ac ad.Sci.USA 87:5036-5040;グレンナーG.G.他(1988)Biochem.Biophys.R es.Commun.155:608-614)。しかして、アミロイドフィブリルを形成するIA PPのペプチド断片は、成人の初期糖尿病及びインスルノーマの検出又は治療に 使用できるアミロイドーシスの調節剤を創製するためにここに説明したように変 性することができる。 心房ナトリウム排泄増加因子(ANF):ANFを含有するアミロイドは、単 独型心房アミロイドと関連している(例えば、ヨハンセンB.他(1987)Biochem .Biophys.Res.Commun.148:1087-1092を参照)。ANFは、ANFプロホル モン(proANF1〜126)のアミノ酸残渣99〜126(proANF9 9〜126)に対応する(パッチA.他(1991)J.Pathol.165:241)。しかして 、アミロイドフィブリルを形成するANF又はその断片は、単独型心房アミロイ ドの検出又は治療に使用できるアミロイドーシスの調節剤を創製するためにここ で説明したように変性することができる。 κ又はλ軽鎖:κ又はλ軽鎖を含有するアミロイドは、特発性(原発性)アミ ロイドーシス、骨髄種又はマクログロブリン血症と関連するアミロイドーシス及 びショーグレン症候群と関連する原発性限局性小結節アミロイドーシスと関係す る。アミロイド形成性κ及びはλ軽鎖の構造は、アミノ酸配列分析も含めて、特 徴づけられた(例えば、バックスバウムJ.N.他(1990)Ann.INtern.Med.11 2 :455-464 ;スコールマンN.他(1995)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92: 9490-9494 ;ハールM.R.他(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:5446-5 450;リープニークスJ.J.他(1990)Mol.Immunol.27:481-485 ;ゲルツM. A.他(1985)Scand.J.Immunol.22:245-250;イナズミT.他(1994)Dermatolo gy 189:125-128 を参照)。しかして、アミロイドフィブリルを形成するκ又は λ軽鎖或いはそのペプチド断片は、特発性(原発性)アミロイドーシス、骨髄種 又はマクログロブリン血症と関連するアミロイドーシス及びショーグレン症候群 と関連する原発性限局性小結節アミロイドーシスの検出又は治療に使用できるア ミロイドーシスの調節剤を創製するためにここで説明したように変性することが できる。 アミロイドA:血清アミロイドAから誘導されたアミロイドA蛋白(AA蛋白 )を含有するアミロイドは、反応性(続発性)アミロイドーシス(例えば、リー プニークスJ.J.他(1995)Biochim.Biophys.Acta 1270:81-86を参照)、家 族性地中海熱並びに蕁麻疹及び難聴を伴う家族性アミロイドネフロパシー(マッ クル−ウエルズ症候群)(例えば、リンケR.P.他(1983)Lab.Invest.48:69 8-704)と関連している。組換えヒト血清アミロイドAは、インビトロでアミロ イド様フィブリルを形成し(ヤマダT.他(1994)Biochim.Biophys.Acta 1226: 323-329)、そして円二色性の研究はきわだったβシート/回転構造を明らかに した(マックビンW.D.他(1998)Biochem.J.256:775-783)。しかして、ア ミロイドフィブリルを形成する血清アミロイドA、アミロイドA蛋白又はその断 片は、反応性(続発性)アミロイドーシス、家族性地中海熱並びに蕁麻疹及び難 聴を伴う家族性アミロイドネフロパシー(マックル−ウエルズ症候群)の検出又 は治療に使用できるアミロイドーシスの調節剤を創製するためにここに記載した ように変性することができる。 シスタチンC:シスタチンCの変異体を含有するアミロイドは、アイスランド 型のアミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血と関連している。この疾病は、位置6 8でのロイシンからグリシンの突然変異及びこの突然変異体を含有するシスタチ ンCと関連している(エーブラハムソンM及びグラッブA.(1994)Proc.Nati. Acad.Sci.USA 91:1416-1420)。しかして、アミロイドフィブリルを形成する シスタチンC又はそのペプチド断片は、アイスランド型のアミロイドーシスを伴 う遺伝性脳出血の検出又は治療に使用できるアミロイドーシスの調節剤を創製す るためにここに記載のように変性することができる。 β2ミクログリブリン:β2ミクログリブリン(β2M)を含有するアミロイ ドは、長期の血液透析の主たる合併症である(例えば、ステインG.他(1994)Ne phrol.Dial.Transplant.9:48-50 ;フロージJ.他(1992)Kidney Int.Suppl .38:S78-S85 ;モーリーC.P.(1990)Rheumatol.Tnt.10:1-8を参照)。天 然β2M蛋白は、インビトロでアミロイドフィブリルを形成することが示された (コンノールズL.H.他(1985)Biochem.Biophys.Res.Commun.131:1063-10 68 ;オノK.他(1994)Nephron 66:404-407)。しかして、アミロイドフィブリ ルを形成するβ2M又はそのペプチド断片は、長期の血液透析と関連するアミロ イドーシスの検出又は治療に使用できるアミロイドーシスの調節剤を創製するた めにここに記載のように変性することができる。 アポリポ蛋白A−I(ApoA−I):ApoA−Iの変異体をアミロイドは 、遺伝性の非神経障害性全身アミロイドーシス(家族性アミロイド多発性神経障 害III)において見出された。例えば、位置50でのTrpからArgの突然変 異を有するApoA−I変異体のN−末端断片(残基1〜86、1〜92及び1 〜93)がアミロイドで検出された(ブースD.R.他(1995)OJM 88:695-702 )。別の系統では、位置60でのロイシンからアルギニンの突然変異が見出され た(ソウターA.K.他(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:7389-7393)。 しかして、アミロイドフィブリルを形成するApoA−I又はそのペプチド断片 は、遺伝性の非神経障害性全身アミロイドーシスの検出又は治療に使用できるア ミロイドーシスの調節剤を創製するためにここに記載のように変性することがで きる。 ゲルソリン:ゲルソリンの変異体を含有するアミロイドは、フィンランド型の 家族性アミロイドーシスと関連している。野生型又は突然変異体ゲルソリンと相 同の配列を有し且つインビトロでアミロイドフィブリルを形成する合成ゲルソリ ンペプチドがモーリーC.P.他(1994)Lab.Invest.70:558-564に報告された 。残基187を取り巻く9個の残基断片(家族性ゲルソリンアミロイドーシスで 突然変異した)がアミロイド形成領域と規定された(モーリーC.P.他、同誌 ;モーリーC.P.他(1992)Biochem.Biophys.Res.Commun.183:227-231 ; モーリーC.P.(1991)J.Clin.Invest.87:119-1199)。しかして、アミロイ ドフィブリルを形成するゲルソリン又はそのペプチド断片は、フィンランド型の 家族性アミロイドーシスの検出又は治療に使用できるアミロイドーシスの調節剤 を創製するためにここに記載のように変性することができる。 プロカルシトニン又はカルシトニン:プロカルシトニン、カルシトニン又はカ ルシトニン免疫反応性を含有するアミロイドが、甲状腺の髄質癌と関連するアミ ロイドフィブリルにおいて検出された(例えば、バトラーM.及びカーンS.(1 986)Arch.Pathol.Lab.Med.,110:647-649 ;スレッテンK.他(1976)J.Exp. Med.143:993-998)。カルシトニンは、インビトロで非分枝状フィブリル構造を 形成することが示された(ケダーI.他(1976)Isr.J.Med.12:1137-1140)。 しかして、アミロイドフィブリルを形成するプロカルシトニン、カルシトニン又 はその断片は、甲状腺の髄質癌と関連するアミロイドーシスの検出又は治療に使 用できるアミロイドーシスの調節剤を創製するためにここに記載のように変性す ることができる。 フィブリノーゲン:フィブリノーゲンα−鎖の変異体を含有するアミロイドが 、遺伝性腎アミロイドーシスにおいて見出された。位置554でのアルギニンか らロイシンの突然変異体が、罹患した個体の死後の腎臓から単離されたアミロイ ドフィブリル蛋白中に存在することが報告された(ベンソンM.D.他(1993)Nat ure Genetics 3:252-255)。しかして、アミロイドフィブリルを形成するフィブ リノーゲンα−鎖又はそのペプチド断片は、フィブリノーゲンと関連する遺伝性 腎アミロイドーシスの検出又は治療に使用できるアミロイドーシスの調節剤を創 製するためにここに記載のように変性することができる。 リゾチーム:リゾチームの変異体を含有するアミロイドが、遺伝性全身アミロ イドーシスにおいて見出された。ある系統ではこの疾病は位置56でのトレオニ ンからイソロイシンの突然変異と関連したが、他の系統ではこの疾病は位置67 でのヒスチジンからアスパラギン酸の突然変異と関連した(ペピーズM.B.他 (1993)Nature 362:553-557)。しかして、アミロイドフィブリルを形成するリゾ チーム又はそのペプチド断片は、リゾチームと関連した遺伝性全身アミロイド ーシスの検出又は治療に使用できるアミロイドーシスの調節剤を創製するために ここに記載のように変性することができる。 本発明を下記の実施例によって詳細に例示するが、これらは制限的なものでは ない。以下に説明する検定法において調節剤がβ−アミロイドの凝集を変化させ る能力は、この調節剤がインビボで同じ機能を果たす能力を予測させるものであ る。この明細書と通じて引用された全ての参考文献、特許及び公開特許の内容は 、ここで引用することによってここに含めるものとする。例1 :β−アミロイド調節剤の構成 次のアミノ酸配列 DAEFRHDSGYEVHHQKLVFFAEDVGSNKGAIIGLMVGGVV (SEQ ID NO:1の位置1〜40)のアミノ末端ビオチニル化β−アミ ロイドペプチドからなるβ−アミロイド調節剤を、以下に記載のようなNα−9 −フルオレニルメトキシカルボニル(FMOC)をベースにした保護方法を使用 して固相ペプチド合成によって製造した。2.5ミリモルのFMCO−Val− Wang樹脂から出発して、各アミノ酸の逐次添加を4倍過剰量の保護アミノ酸 、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)及びジイソプロピルカルボジ イミド(DIC)を使用して行った。再カップリングは、カップリング後の樹脂 のニンヒドリン試験により決定して必要なときに行った。各合成サイクルは、3 分間の脱保護(25%ピペリジン/N−メチルピロリジン(NMP))、15分 間の脱保護、5回の1分間NMP洗浄、60分間のカップリングサイクル、5回 のNMP洗浄及びニンヒドリン試験によて最小限に記述した。完全に組み立てら れたペプチド−樹脂の700mgの部分に、ビオチン(モレキュラー・プロベズ 社から入手できる)を用いて上記のプロトコルによってカップリングされたFM OC−アミノ酸の置換を行った。樹脂をトリフルオル酢酸(TFA)(82.5 %)、水(5%)、チオアニソール(5%)、フェノール(5%)及びエタンジ チオオール(2.5%)で2時間処理することによりペプチドを取り出し、次い でペプチドを冷エーテル中で沈殿させたた。固形物を遠心分離(2400rpm ×10分間)によりペレットにし、エーテルをデカンテーションした。これをエ ーテルに再懸濁させ、ペッレトにし、第二のデカンテーションを行った。固形物 を10%酢酸に溶解し、凍結乾燥して230mgの粗製のビオチニル化ペプチド を生じさせた。固形物の60mgを25%アセトニトリル(ACN)/0.1% TFAに溶解し、逆相高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)カラムに適用 した。30〜45%アセトニトリル/0.1%TFAの線状勾配を使用してビオ チニルβAP1-40を40分間にわたり溶離した。一つの主要画分(4mg)とい くつかの追加の画分が単離された。主要画分は、4556の質量スペクトル(マ トリックス補助レーザー脱着イオン化−飛行時間)を生じたが、これはこのペプ チドの理論値(4555)と一致する。 次のアミノ酸配列 DAEFRHDSGYEVHHQ (SEQ ID NO:1の位置1〜15)のアミノ末端ビトチニル化β−アミ ロイドペプチドからなるβ−アミロイド調節剤を、0.025ミリモルスケール の合成のために製造者により確立された自動化プロトコルを使用してアダバンス ド・ケムテク・モデル396多段ペプチド合成器で製造した。2−(1H−ベン ゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサ フルオルホスフェート(HBTU)/N,N−ジイソプロピルエチルアミン(D IEA)/HOBt/FMOC−AAを4倍過剰量で30分間、次いでDIC/ HOBt/FMOC−AAを4倍過剰量で45分間使用して、ダブルカップリン グを全てのサイクルで行った。このペプチドを脱保護し、TFA/水(95%/ 5%)で3時間処理することにより樹脂から取り出し、上記のようにエーテルで 沈殿させた。ペレットを10%酢酸に再懸濁し、凍結乾燥した。この物質をVy dacC18カラム(21×250mm)で15%〜40%アセトニトリルを使 用して80分間にわたり分取HPLCにより精製した。主要単離物が、分析HP LCにより分析すると単一の対称ピークとして溶離し、エレクトロスプレー質量 分光測定により分析すると所期の分子量を与えた。結果=2052.6(理論値 2052)。 β−APアミノ酸配列のその他の領域(例えば、Aβ凝集コアドメイン)から なるβ−アミロイド調節剤化合物を上記の合成法を使用して同様に製造した。さ らに、他のアミロイド形成ペプチドからなる分子も同様に製造することができる 。例2 :調節剤によるβ−アミロイドの凝集の抑止 天然β−APと一緒にしたときにβ−アミロイド調節剤が天然β−APの凝集 を抑止する能力を、一連の凝集検定法によって検査した。天然β−AP(β−A P1-40)はベーケム社(トーランス、CA)から市場で得た。アミノ末端ビオチ ニル化β−AP調節剤は、例1に記載のように製造した。 A.光学濃度検定法 第一の検定法では、β−APの凝集は、種々の濃度の調節剤の存在下又は不存 在下での天然β−AP溶液の時間経過による濁度の増加を決定することによって 測定した。溶液の濁度は、溶液の400nmでの光学濃度(A400nm)を経時的 に決定することにより定量化した。 調節剤の不存在下での天然β−APの凝集は、以下のように決定した。β−A P1-40をヘキサフルオルイソプロパノール(HFIP、アルドリッチ・ケミカル 社)に2mg/mlで溶解した。HFIP溶液の一定量(87μl)を個々の1 0mm×75mmの試験管に移した。各試験管にアルゴンガスの流れを通じてH FIPを蒸発させた。生じたペプチドの薄いフィルムにジメチルスルホキシド( DMSO、アルドリッチ・ケミカル社)(25μl)を添加してペプチドを溶解 させた。2mm×7mmのテフロン被覆磁気攪拌棒を各試験管に入れた。DMS O溶液に緩衝液(475μl。100mMのNaCl、10mMのりん酸ナトリ ウム、pH7.4)攪拌しながら添加した。生じた混合物を連続攪拌し、光学濃 度を400nmで監視して不溶性ペプチド凝集物の形成を観察した。 別法として、β−AP1-40を1.6mM(6.9mg/ml)で上記のように DMSOに溶解し、その一定量(25μl)を攪拌した緩衝液(457μl)に 添加し、次いで400nmで吸光度を監視した。 β−アミロイド調節剤を天然β−APと一緒に溶液状に溶解した抑止研究では 、調節剤は、HFIPへの予備溶解を行い又はそれなしでDMSOに溶解した。 次いで、これらの化合物を緩衝液に攪拌しながら添加し、次いでβ−AP1-40の DMSO溶液を添加した。別法として、調節剤のHFIPの溶液をβ−AP1-40 のHFIP溶液と一緒にし、次いで蒸発させ、混合物をDMSOに再溶解した。 次いで、緩衝液をDMSO溶液に添加して検定法を開始させた。アミノ末端ビオ チニル化β−アミロイドペプチド調節剤のN−ビオチニル−βAP1-40及びN− ビオチニル−βAP1-15を1%及び5%の濃度で天然β−AP1-40中で試験した 。 結果の代表的な例を第1図に示す。これはN−ビオチニル−βAP1-40による 天然β−AP1-40の凝集の抑止を図示する。調節剤の不存在下では、天然β−A P溶液の光学密度は特徴的なS字状の曲線を示し、A400nmが低い凝集前のラグ タイム(第1図においてほぼ3時間)があり、次いでA400nmの急速な増加があ り、これが急速に平坦域になったが、これは天然β−アミロイドペプチドの凝集 を表している。これと対照的に、1%ほどに少量のN−ビオチニル−βAP1-40 調節剤の存在下では、天然β−アミロイドペプチドの凝集は、著しく抑止された 。ラグタイムの増加、凝集の傾斜の低下及び溶液の濁度に達する平坦域の低下に より示される(第1図を参照)。5%濃度のN−ビオチニル−βAP1-40は、天 然β−アミロイドペプチドの凝集を同様に抑止した。さらに、N−ビオチニル− βAP1-15を調節剤として使用しても、同様の結果が観察された。これらの結果 は、N−末端ビオチニル化β−AP調節剤が、天然β−アミロイドペプチドが1 00倍モル過剰濃度で存在するときでさえも、天然β−アミロイドペプチドの凝 集を効果的に抑止することができることを立証している。 B.蛍光検定法 第二の検定法では、β−APの凝集は、実質的にはレビンH.(1993)Protein Science 2:404-410 に記載のような蛍光光度法を使用して測定した。この検定法 では、染料のチフラビン(ThT)をβ−AP溶液と接触させる。ThTと凝集 したβ−AP(単量体又はゆるく会合したβ−APではない)との会合では、遊 離の染料についての385nmでの励起最大発光(ex)及び445nmでの活 性化発光(em)と比べて、新たに450nmで(ex)及び482nmで(e m)が生じる。β−APの凝集をこの方法によって以下のように検定した。前記 のAの部に説明したような凝集検定法で使用した溶液の一定量(2.9μl)を 試料から取り出し、チオフラビンT(10μM、アルドリッチ・ケミカル社 から入手した。)を含有する200μlのりん酸カリウム緩衝液(50μM、p H7.0)で希釈した。励起を450nmに設定し、発光を482nmで測定し た。Aの部で説明した光学濃度検定法により得られ得た結果と同様に、1%ほど に少量のN−ビオチニル化β−AP調節剤は、この蛍光光度検定法を使用して、 天然β−アミロイドペプチドの凝集を抑止するにあたって有効であった。 C.静的凝集検定法 第三の検定法では、β−APの凝集は、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気 泳動(SDS−PAGE)を使用してペプチド凝集物を可視化させることによっ て測定された。この検定法では、β−AP溶液を所定の時間にわたって凝集させ 、次いで反応物の一定量を標準SDS−PAGEゲル上に流した。典型的な溶液 の条件はPBS中200μMのβ−AP1-40で37℃で8日であるか又は0.1 Mの酢酸ナトリウム中200μMのβ−AP1-40で37℃で3日であった。ペプ チド凝集物はゲルをコーマシーブルーにより染色させることにより可視化させる か、又は、ビオチニル化β−AP調節剤を含有したβ−AP溶液については、ゲ ルから作ったフィルムをストレプタビジン−ペルオキシダーゼプローベによりウ エスターンブロッチングし、次いで標準ペルオキシダーゼにより可視化させた。 β−AP凝集物はゲル上で高分子量、低易動度のバンドとして同定でき、これは 低分子量、高易動度のβ−AP単量体又は二量体バンドから容易に識別すること ができる。 天然β−AP1-40の凝集をこの方法によりβ−アミロイド調節剤の不存在下に 検定した時に、高分子量の凝集物はゲル上で容易に検出できた。これと対照をな して、N−ビオチニル−βAP1-40調節剤の自己凝集(即ち、天然β−APの不 存在下でのN−ビオチニルペプチドのみの凝集)を検定すると、高分子量の凝集 物はあっても少ししか観察されなかったが、これは調節剤が自己凝集する能力が 天然β−APと比べて有意に減少したことを示している。最後に、天然β−AP1-40 とN−ビオチニル−βAP1-40との混合物の凝集をこの方法により検定する と、ペプチド混合物が高分子量の凝集物中に会合する量が減少し、しかしてβ− アミロイド調節剤が天然β−アミロイドペプチドの凝集を抑止するのに有効であ ることを立証している。例3 :β−アミロイド調節剤の神経毒性の分析 β−アミロイド調節剤の神経毒性を細胞をベースとした検定法で、ニューロン 先駆細胞株PC−12又は一次ニューロン細胞及び生存指示薬3−(4,4−ジ メチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド( MTT)を使用して試験する(シャーマンM.S.他(1994))Proc.Natl.Acad .Sci.USA 91:1470-1474 ;ハンセンM.B.他(1989)J.Immun.Methods 119: 203-210 を参照)。PC−12は、ラット副腎褐色細胞腫細胞株であり、アメリ カ基準菌株コレクション(ロクビル、MD)から入手できる(ATCC CRL 1721)。MTT(シグマ・ケミカル社から入手できる)は、生存細胞にお いて黄色から青色に変化する色素体基質であって、分光光度法により検出ことが できる。 β−アミロイド調節剤の神経毒性を試験する(単独か又は天然β−APと共に )ためには、細胞はまず96のウエルプレートに1個のウエル当たり7,000 〜10,000個の細胞で入れ、37℃で一夜培養することによって固着させる 。リン酸塩緩衝塩水溶液(PBS)に新たに溶解したか又は“経時した”調節剤 の段階希釈溶液(単独か又は天然β−APと共に)をウエルに3通りに添加し、 インキュベーションを2日以上続ける。経時した調節剤は、調節剤の水溶液を3 7℃で長期間(例えば、5日以上)乱さないでインキュベーションすることによ って調製した。細胞を調節剤調製物に暴露する最後の2日間について、MTTを 媒体に1mg/mlの最終濃度まで添加し、37℃でインキュベーションする。 MTTと共に2時間インキュベーションしてから、媒体を取り出し、細胞をイソ プロパノール/0.4N HCl中で攪拌しながら溶解させる。各ウエルに等容 量のPBSを添加し、570nmでの各ウエルの吸光度を測定して生存している 細胞を定量化する。別法として、MTTをウエル中の媒体に直接添加した50% N,N−ジメチルホルムアミド/20%ドデシル疏酸ナトリウムの添加により可 溶化させ、同様に生存している細胞を570nmでの吸光度を測定することによ り定量化する。β−アミロイド調節剤(単独か又は天然β−APと共に)の相対 的な神経毒性は、この検定法で神経毒性を示し、従って積極的な対照例として役 立つ天然β−AP単独(例えば、β1〜40、β1〜42)と比較することによ り決定される。例4 :追加の変性β−アミロイドペプチド化合物の合成 この例では、種々のN−末端又はランダム側鎖の変性を有する一連のβ−AP を合成した。 標準的な方法を使用して一連のN−末端変性β−アミロイドペプチドを合成し た。Wang樹脂上で例1に記載のようにAβ(1〜15)及びAβ(〜40) に対応する完全に保護された樹脂に結合したペプチドを製造して究極的にカルボ キシル末端ペプチド酸を得た。各ペプチド樹脂の少量(それぞれ13及び20μ モル)をアドバンスド・ケムテク・モデル396マルチペプチド合成器の反応ブ ロックのウエルに分配した。各試料のN−末端FMOC保護基を25%ピペリジ ンNMP溶液により標準的な態様で除去し、次いでNMPにより激しく洗浄した 。各ペプチド−樹脂試料の保護されていないN−末端−α−アミノ酸を下記の方 法を使用して変性した。 方法A:遊離カルボン酸基を含有する変性剤のカップリング 変性剤(5当量)をNMP、DMSO又はこれらの2種の溶媒の混合物に予め 溶解した。溶解した変性剤にHOBT及びDIC(各試薬の5等量)を添加し、 得られた溶液を1当量の遊離アミノペプチド−樹脂に添加した。カップリングを 終夜進行させ、次いで洗浄した。ペプチド−樹脂の少量試料についてのニンヒロ リン試験が、カップリングが完全でないことを示したならば、HOBtの代わり に1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)を使用してカップ リングを繰り返した。 方法B:予め活性化された形態で得られた変性剤のカップリング 変性剤(5当量)をNMP、DMSO又はこれらの2種の溶媒の混合物に予め 溶解し、1当量のペプチド−樹脂に添加した。活性化された変性剤とペプチド− 樹脂の懸濁液にジイソプロピルエチルアミン(DIEA、6当量)を添加した。 カップリングを終夜行わせ、次いで洗浄した。ペプチド−樹脂の少量試料につい てのニンヒロリン試験が、カップリングが完全でないことを示したならば、カッ プリングを繰り返した。 第二のカップリング(必要ならば)の後、N−末端変性ペプチド−樹脂を減圧 下に乾燥し、例1に記載のように側鎖保護基を除去して樹脂から取り出した。ミ リポアSep−Pakカートリッジ又は分取逆相HPLCを使用して精製された 生じた粗製ペプチド中に主生成物が存在することを確認するために、分析用逆相 HPLCを使用した。生成物中に所望の化合物が存在することを確認するために 質量スペクトルを使用した。 方法Aは、N−アセチルノイラミ酸、コール酸、trans−4−コチニンカ ルボン酸、2−イミノ−1−イミダゾリジン酢酸、(S)−(−)−インドリン −2−カルボン酸、(−)−メントキシカルボン酸、2−ノルボルナン酢酸、γ −オキソ−5−アセナフテン酪酸、(−)−2−オキソ−4−チゾリジンカルボ ン酸及びテトラヒドロ−3−フラン酸をカップリングさせるのに使用した。方法 Bは、2−イミノビオチン−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、ジエチレ ントリアミンペンタ酢酸二無水物、塩化4−モルホリンカルボニル、塩化2−チ オフェンアセチル及び塩化2−チオフェンスルホニルをカップリングさせるため に使用した。 上で記載したN−末端変性Aβ(1〜15)及びAβ(1〜40)ペプチドの 構成と類似の態様で、N−フルオレセイニルAβ(1〜15)及びAβ(1〜4 0)を、予備活性化試薬の5−(及び6)−カルボキシフルオレセインスクシン イミジルエステル及びフルオレセイン−5−イソシアネート(FITC 異性体 I)を使用して二つの異なる態様で製造した。両試薬はモレキュラー・プローベ 社から得た。カップリングは、1当量のペプチド−樹脂当たり4当量の試薬を使 用し、DIEAを添加して反応溶液を湿ったpH紙まで塩基性にして、行った。 Aβ(1〜15)樹脂への各試薬のカップリングは、一夜のカップリングの後に 完全であると思われた。Aβ(1〜40)樹脂へのカップリングは正のニンヒド リン試験により指示されるように低かったので、両試薬をテトラヒドロフラン− NMP(1:2v/v)中でこのペプチド−樹脂に再カップリングさせた。生じ たN−末端変性ペプチド−樹脂を例Aに記載のように解裂させ、脱保護し、精製 した。 上記のN−フルオレセイニルAβペプチドに加えて、Aβ(1〜40)をフル オレセインによりランダムに変性したものからなるβ−アミロイド調節剤を製造 した。ベーケム社から販売されたAβ(1〜40)をDMSOにほぼ2mg/m lで溶解した。モレキュラー・プローベ社から販売された5−(及び6)−カル ボキシフルオレセインを1.5モル過剰量で添加し、DIEAを添加して溶液を 湿ったpH紙まで塩基性にした。反応を周囲温度で1時間進行させ、次いでトリ エタノールアミンにより急冷させた。生成物をこの粗製混合物として添加して検 定した。 また、β−APアミノ酸配列の他の領域(例えば、Aβ凝集コアドメイン)か らなるβ−アミロイド調節剤化合物を上記の合成法を使用して同様に製造した。 さらに、その他のアミロイド形成ペプチドからなる調節剤を同様に製造すること ができる。例5 :追加のβ−アミロイド調節剤の同定 この例では、Aβ凝集の二つの検定法を使用してこの過程を抑止することがで きるβ−アミロイド調節剤を同定した。 第一の検定法は、播種静的検定法(SSA)といい、以下のように実施した。 Aβ単量体の溶液を作るために、適当量のAβ(1〜40)ペプチド(ベーケ ム社)を微量天秤で秤量した(量は調製物中の水の量について較正されたが、こ れはロットナンバーによって20〜30%w/wであった。)。ペプチドを1/ 25容量のジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、次いで水により1/2 容となし、1/2容の2×PBS(10×PBS:137mMのNaCl;2. 7mMのKCl;4.3mMのNa2HPO4・7H2O;1.4mMのKH2PO4 ;pH7.2)により200μMの最終濃度にした。 原料の種を調製するために、1mlの上記のAβ単量体調製物を37℃で8日 間インキュベーションし、18、23、26及び30ゲージの針によりそれぞれ 25回、25回、50回及び100回続けて剪断を加えた。蛍光単位(FU)が 安定な平坦域となるまで(ほぼ100〜150×)30ゲージの針を50回ごと 通した後に、剪断処理した物質の2μlの試料を蛍光測定のために採取した。 候補の抑止剤を調製するために、所要量の候補抑止剤を秤量し、原料を1mM の最終濃度(10×原料)まで1×PBSに溶解した。不溶であるならば、これ を1/10容のDMSOに溶解し、1×PBSで1mまで希釈した。さらに、各 候補を100μM及び10μMの双方で試験するために1/10の希釈物を調製 した。 凝集の検定のためには、各試料を3通りに設定した[50μlの200μMの 単量体、125FUの剪断処理した種(種のバッチに応じて可変の量であり、通 常は3〜6μl)、10μlの10×抑止剤溶液、最終容量は1×PBSにより 100μlにした。]。1:1及び1:10の単量体対抑止剤のモル比に等しい 各抑止剤の二つの濃度、100μM及び10μMを試験した。対照例は、新たな 単量体が種を含まなかったことを確認するための播種しない反応並びに推定され る抑止剤と比較するための参照例としての抑止剤の不存在下での播種された反応 を含んだ。検定物は、蛍光測定のために2μlの試料を1時間ごとに採取しなが ら37℃で6時間インキュベーションした。蛍光を測定するために、Aβの2μ lの試料を400μlのチオフラビン−T溶液(50mMのりん酸カリウム、1 0mMのチオフラビン−T、pH7.5)に添加した。試料をうず巻き回転し、 蛍光を0.5mlのミクロ石英キュベットでEX450nm及びEM482nm で読み取った(日立4500蛍光光度計)。β凝集は、チオフラビン−Tの高め られた発光をもたらす。従って、有効な抑止剤化合物を含む試料は、抑止剤化合 物を含まない対照例試料と比べて、減少した発光を示す。 第二の検定法を振盪板凝集検定法といい、以下のように行った。 ベーケム社(トーランス、CA)から得たAβ(1〜40)をHFIP(1, 1,1,3,3,3−ヘキサフルオル−2−プロパノール、アルドリッチ社、1 0.522−8)に2mgのペプチド/mlの濃度で溶解し、室温で30分間イ ンキュベーションした。HFIPにより可溶化されたペプチドを水浴音波処理器 で最高の設定で5分間音波処理し、次いでアルゴン気流中で蒸発乾固させた。ペ プチドフィルムを無水のジメチルホルムアミド(DMSO)に6.9mg/ml の濃度で再懸濁させ、上記のように5分間音波処理し、次いで0.2μのナイロ ンシリンジフィルター(VWR社、cat.No.28196−050)により 濾過した。候補抑止剤をDMSに、一般的には、Aβ(1〜40)ペプチドのモ ル濃度の4倍の濃度で直接溶解した。 候補は3回検定した。各被検候補について、DMSO中の4部のAβ(1〜 40)ペプチドをDMSO中1部の候補抑止剤とガラスびんで一緒にし、混合し て1:1のモル比のAβペプチド対候補とした。異なったモル比を得るために、 候補をAβ(1〜40)と混合する前にDMSOで希釈して最終DFMSO及び Aβ(1〜40)の濃度を一定に保持した。ウルトラロウバインディング96ウ エルプレート(コーニング・コスター社、cat.No.2500、ケンブリッ ジ、MA)に、ウエル1個当たり100μlのPTL緩衝液(150mMのNa Cl、10mMのNaH2PO4、pH7.4)を定量配分した。各候補のために 、緩衝液を入れた3個のウエルのそれぞれにDMSO中10μlのペプチド混合 物を定量配分した。カバーしたプレートをプレート振盪機上で高速で30秒間う ず巻き運動させた。各ウエルに追加の100μlのPTL緩衝液を添加し、プレ ートを30秒間激しくうず巻き運動させた。基準線を読み取るためにプレートリ ーダーで405nmでの吸光度を直ちに読み取った。プレートをプレート振盪器 に戻し、室温で5時間緩慢な速度でうず巻き運動させ、吸光度の読み取りを15 〜20分間隔で行った。吸光度の増大は凝集を示した。従って、有効な抑止剤化 合物は、抑止剤のない対照例試料と比べて、被検試料における吸光度の減少を生 じさせる。 好ましいβ−アミロイド調節剤についての静的播種検定法及び振盪プレート検 定法の代表的な結果を以下の表1に示す *++=強い凝集抑止剤。抑止剤の存在下での凝集速度は、対照例と 比較して少なくとも30〜50%まで低下した。 これらの結果は、広範な種類のN−末端変性基により変性されたβ−APがβ −アミロイドの凝集の調節にあたって有効であることを示す。例6 :追加のβ−アミロイド凝集検定法 最も好ましくは、β−アミロイド調節剤化合物が天然β−APと接触したとき に天然β−APの凝集を調節(例えば、抑止又は促進)させる能力は、以下に説 明する凝集検定法のいずれか又は両方により検査される。凝集検定法に使用する ための天然β−AP(β−AP1-40)は、ベーケム社(トーランス、CA)から 商業的に入手できる。 A.核形成検定法 被検化合物が単量体β−APからのβ−AP繊維の形成の際の早期の成り行き を変化(例えば、抑止)させる能力を決定するために核形成検定法を使用する。 核形成重合の機構の特徴であるラグタイムが核形成の前に観察され、その後、ペ プチドは濁度の直線的な上昇で反映されるように急速に繊維を形成させる。β− AP単量体の重合前の時間遅れは、不溶性繊維の形成の程度と同様に、光散乱( 濁度)によって定量化することができる。最大濁度が平坦行きになったときに重 合は平衡に達する。種々の濃度のβ−アミロイド調節剤化合物の存在下及び不存 在下での天然β−APの溶液の濁度は、405nmでの見かけ吸光度(A405nm )を経時的に測定することによって決定される。濁度の測定のための感度の閾値 は、15〜20μβ−APの範囲内にある。調節剤の不存在下での濁度と比較し て、調節剤の存在下での濁度の経時的な減少は、調節剤が単量体β−APからの β−AP繊維の形成を抑止させることを示す。この検定法は、重合を促進させる ために攪拌又は振盪を使用し、これによって検定の速度を上昇させることによっ て達成することができる。 核形成検定法を行うためには、まずAβ1-40ペプチドをHFIP(1,1,1 ,3,3,3−ヘキサフルオル−2−プロパノール、アルドリッチ社、10.5 22−8)に2mgのペプチド/mlの濃度で溶解し、室温で30分間インキュ ベーションする。HFIPにより可溶化されたペプチドを水浴音波処理器で最高 の設定で5分間音波処理し、次いでアルゴン気流中で蒸発乾固させる。ペプチド のフィルムを無水のジメチルホルムアミド(DMSO)に6.9mg/mlの濃 度(25×濃度)で再懸濁させ、上記のように5分間音波処理し、次いで0.2 μのナイロンシリンジフィルター(VWR社、cat.No.28196 −050)により濾過する。被検化合物をDMSOに100×濃度で溶解する。 4容のDMSO中の25×Aβ1-40ペプチドを1容のDMSO中の被検化合物と ガラスびんで一緒にし、混合して1:1のモル比のAβペプチド対被検化合物と する。異なったモル比を得るために、被検化合物をAβ1-40と混合する前にDM SOで希釈して最終DFMSO及びAβ1-40の濃度を一定に保持する。対照例試 料は被検化合物を含有しない。次いで、数μlの混合物をコーニング・コスター ・ウルトラロウバインド96ウエルプレート(コーニング・コスター社、ケンブ リッジ、MA、cat.No.2500)の底部に添加する。ウエルに90μl の水を添加し、プレートを回転振盪機上で一定速度で30秒間振盪させ、追加の 100μlの2×PTL緩衝液(20mMのNaH2PO4、300mMのNaC l、pH7.4)をウエルに添加し、プレートを30秒間再振盪させ、バイオー ラッドモデル450マイクロプレートリーダーを使用して405nmでの見かけ 吸光度を測定することによって基準線(t=O)濁度の読み取りを行う。プレー トをプレート振盪機に戻し、5時間連続的に振盪させる。濁度の読み取りを15 分間隔で行う。 調節剤の不存在下でのβ−アミロイドの凝集は、天然β−AP溶液の濁度の上 昇(即ち、405nmでの見かけ吸光度の経時的増大)を生じさせる。従って、 有効な調節剤化合物を含む溶液は、調節剤化合物のない対照例試料と比較して、 濁度の減少(即ち、対照例試料と比較して低い405nmでの経時的な見かけ吸 光度)を示す。 B.播種拡大検定法 播種拡大検定法を使用して、重合体Aβ繊維の“種”を添加した後のAβ単量 体の溶液中に形成されるAβ繊維の速度を測定することができる。先に沈着した アミロイドに単量体Aβのさらなる沈着を化合物が防止させる能力は、蛍光を使 用するβ−シート形成の直接指示薬を使用して決定される。核形成検定法とは対 照的に、種の添加は直ちに核形成をもたらし、連続的な攪拌の必要もなく予め形 成されたフィブリルの連続した成長をもたらし、しかして重合が開始する前のラ グタイムの不存在となる。この検定法は静的重合条件を使用するので、核形成検 定法での陽性の化合物の活性をこの第二の検定法において異なった条件で且つア ミロイド構造の追加の試験により確認することができる。 播種拡大検定法においては、単量体Aβ1-40を“種”核(制御された静的条件 下で予め重合せしめられたAβの10モル%)の存在下にインキュベーションさ れる。次いで、溶液試料をチフラビンT(Th−T)で希釈する。Th−TとA βとの重合体に特異的な会合は、フィブリルの形成の程度の測定を可能にさせる 蛍光性錯体を生じる(レビンH.(1993)Protein Science 2:404-410)。特に、 Th−Tと凝集したβ−AP(単量体でも又はゆるく会合したβ−APでもない )との会合は、遊離の染料についての385nmでの励起最大発光(ex)及び 455nmでの活性化発光(em)と比べて、新たに450nmで(ex)及び 482nmで(em)をもたらす。重合体混合物の少量試料は、反復試料採取に よって反応混合物を監視させるのに十分なTh−Tと混合すべきフィビリルを含 有する。過剰の単量体の存在下では直線的な成長曲線が観察される。チオフラビ ンTに応答するβ−シートフィブリルの形成は、核形成検定法を使用して観察さ れる濁度の増加と近似している。 播種拡大検定法に使用するためのAβ単量体の溶液は、適当量のAβ1-40ペプ チドを1/25容量のジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、次いで水に より1/2容となし、1/2容の2×PBS(10×PBS:NaCl137m M;KCl2.7mM;Na2HPO4・7H2O4.3mM;KH2PO41.4 mM;pH7.2)により200μMの最終濃度にする。原料の種を調製するた めに、1mlの上記のAβ単量体調製物を37℃でほぼ8日間インキュベーショ ンし、18、23、26及び30ゲージの針によりそれぞれ25回、25回、5 0回及び100回続けて剪断を加える。蛍光単位(FU)が安定な平坦行きとな るまで(ほぼ100〜150×)30ゲージの針を50回ごと通した後に、剪断 処理した物質の2μlの試料を蛍光測定のために採取する。被検化合物は、適当 量の被検化合物を1mM(10×原料)の最終濃度まで1×PBSに溶解して調 製する。不溶であるならば、化合物を1/10容のDMSOに溶解し、1×PB Sに1mまで希釈する。さらに、各被検候補を100μM及び10μMの双方で 試験するために1/10の希釈物を調製する。 播種拡大検定法を実施するためには、各試料を、50μlの200μMの単量 体、125FUの剪断処理した種(種のバッチに応じて可変の量であって、通常 は3〜6μlである)、10μlの10×調節剤溶液により調整する。試料の容 量は、1×PBSにより100μlの最終容量に調整する。1:1及び1:10 の単量体対調節剤のモル比に等しい各調節剤の二つの濃度、100μM及び10 μMを典型的に試験する。対照例は、新たな単量体が種を含まなかったことを確 認するための播種しない反応並びに候補の調節剤と比較するための参照例として の調節剤の不存在下での播種された反応を含む。検定物は、蛍光測定のために2 μlの試料を1時間ごとに採取しながら37℃で6時間インキュベーションする 。蛍光を測定するために、Aβの2μlの試料を400μlのチオフラビン−T 溶液(50mMのりん酸カリウム、10mMのチオフラビン−T、pH7.5) に添加する。試料をうず巻き回転し、蛍光を0.5mlのミクロ石英キュベット でEX450nm及びEM482nmで読み取る(日立4500蛍光光度計)。 β−アミロイド凝集は、チオフラビン−Tの高められた発光をもたらす。従っ て、有効な抑止性調節剤化合物を含む試料は、調節剤化合物を含まない対照例試 料と比べて、減少した発光を示す。例7 :β−アミロイド調節剤化合物の抑止活性に対するAβペプチドのアミノ酸 サブ領域の効果 β−アミロイド調節剤の抑止活性に対するAβ1-40の種々のサブ領域の効果を 決定するために、重複するAβペプチドの15量体を構成した。各15量体につ いては、4種の異なったアミノ末端変性剤:コリル基、イミノビオチニル基、N −アセチルノイラミニル基(NANA)及び5−(及び6−)−カルボキシフル オレセイニル基(FICO)を試験した。調節剤を例6に記載の核形成及び播種 拡大検定法で評価した。 核形成検定法の結果を下記の表IIに要約する。検定法で使用したAβ1-40の濃 度は50μMであった。表IIにリストした“モル%”は、Aβ1-40に対する被検 化合物の%濃度を言う。従って、100%は、Aβ1-40と被検化合物が等モルで あることを示す。100%未満のモル%は、Aβ1-40が被検化合物に対してモル 過剰であったことを示す(例えば、10%は、Aβ1-40が被検化合物に対して1 0倍モル過剰であったことを示す)。核被検化合物についての核形成検定法の結 果を表IIに二通りで示す。“ラグタイムの増加(倍)”は、化合物が凝集の開始 を遅らせる能力の尺度であって、被検化合物なしの対照例において観察されたラ グタイムに対する被検化合物の存在下で観察されたラグタイムの比率を言う。従 って、1.0倍のラグタイムの増加はラグタイムに変化がないことを示すのに対 して、>1.0の数はラグタイムの増加を示す。“平坦域の%抑止率”は、化合 物が凝集の全量を減少させる能力の尺度であって、被検化合物なしの対照例の% として表した、被検化合物の存在下での最終濁度の減少を言う。従って、検定の 過程で凝集を破壊する抑止剤は、100の%抑止率を有する。抑止活性を示すN −末端変性Aβサブ領域を表IIでは太字で示す。 これらの結果は、Aβ1-40のある種のサブ領域が適当な変性基により変性され たときにAβ1-40の凝集を抑止するのに有効であることを示す。コリル基は、い くつかのサブ領域のために有効な変性基であった。コール酸自体を抑止活性につ いて試験したが、Aβの凝集に作用を及ぼさなかった。Aβ6-20は、いくつかの 異なった変性基(コリル、NANA、イミノビオチニル)で変性すると高レベル の抑止活性を示し、コリル−Aβ6-20(PPI−264)が最も活性体であった 。従って、この調節剤化合物を例8に記載のさらなる分析のために選択した。例8 :β−アミロイド調節剤化合物の抑止活性に対して十分な5個のアミノ酸サ ブ領域の同定 抑止活性にとって十分なコリル−Aβ6-20の最小サブ領域をさらに明確にする ために、コリル−Aβ6-20の一連のアミノ末端及びカルボキシ末端アミノ酸欠失 を構成した。全ての調節剤は、同じコリルアミノ末端変性を有した。さらに、ペ プチドシリーズはカルボキシ末端欠失を有するので、カルボキシ末端をアミドま でさらに変性した。調節剤は、例7に記載のように評価し、結果を以下の表III に要約するが、ここではデータは例7に記載のように表した。 これらの結果は、アミノ酸残基6が調節剤のアミノ末端から除去されると調節 剤の活性が保持される(即ち、コリル−Aβ7-20は活性を保持した。)が、ペプ チドがアミノ酸位置7からアミノ酸位置12まで除去することによってさらに欠 失される(即ち、コリル−Aβ8-20からコリル−Aβ13-20まではAβの凝集の 平坦域を抑止しなかった。)と活性が失われることを示す。しかし、アミノ酸位 置13のさらなる欠失は、抑止活性が回復する化合物(即ち、コリル−Aβ14-2 0 )を生じさせた。さらに、アミノ酸位置14の欠失(即ち、コリル−Aβ15-20 )又は位置14及び15の欠失(即ち、コリル−Aβ16-20)は依然として抑止 活性を保持した。しかして、Aβ6-20のアミノ酸欠失は、適当に変性したときに 抑止活性に対して十分である最小サブ領域としてAβ16-20であるとを同定した 。これとは逆に、アミノ酸位置20のカルボキシ末端の欠失は、ペプ チドがカルボキシ末端でさらに欠失されたので十分に回復しない活性の損失をも たらした。しかして、調節剤内で位置20の保持は抑止活性にとって重要である かもしれない。例9 :β−アミロイド調節剤化合物の抑止活性に対して十分な4個のアミノ酸サ ブ領域の同定 この例では、例8に記載の研究で同定された最も小さい有効な調節剤コリル− Aβ16-20(PPI−350)をさらに分析した。調節剤の抑止活性に対して十 分な最も小さい領域を同定するために、さらにアミノ−及びカルボキシ−末端の 欠失並びにアミノ酸置換(Val18→THr)をコリル−Aβ16-20について行 った。コール酸によりそのアミノ−末端を変性した5個のアラニン残基(Ala )5からなるペプチドを特定の対照例として使用した。調節剤を例7に記載のよ うに評価し、結果を以下の表IVに要約するが、ここでのデータは例7に記載のよ うに表す。 表IVに示すように、コリル−Aβ16-20(APP−350)及びコリル−Aβ1 7-21 (PPI−368)は共に抑止活性を示し、位置17〜20の4個のアミノ 酸最小サブ領域が抑止活性について十分であることを示した。位置20の損失( 例えば、PPI−366及びPPI−321)は抑止活性の損失を生じ、位置2 0の重要性を証明した。さらに、位置18のバリンからトレオニンへの変異(P PI−369)は、活性の損失を生じ、位置18の重要性を立証した。これとは 逆に、位置19のフェニルアラニンからアラニンへの変異(コリル−Aβ16-20 Phe→Ala;PPI−370)は検出できる抑止活性を依然保持している化 合物を生じた。従って、位置19のフェニルアラニンは、好ましくはその他の疎 水性アミノ酸残基による置換に一層従いやすい。コリル−ペンタアラニン(PP I−365)は抑止活性を示さず、調節剤のAβペプチド部分の特異 性を立証した。さらに、未変性のコリル−Aβ16-20(PPI−377)は、抑 止活性を示さず、アミノ末端変性基の機能的な重要性を立証した。また、特定の 官能基が調節剤の活性に影響した。例えば、イミノビオチニル−Aβ16-20(P PI−374)はコリル−Aβ16-20と類似の抑止活性を示したが、N−アセチ ルノイラミン酸(NASNA)−変性Aβ16-20は有効な抑制調節剤ではなかっ た(表IVにはリストしなかった)。コリル−Aβ16-20(PPI−319)のC −末端アミド誘導体は、凝集のラグタイムを遅らせるのに高い活性を保持し、調 節剤のカルボキシ末端が抑止活性の損失なしに誘導体化できることを示した。こ のアミド誘導体化化合物は全体の平坦域レベルの経時的凝集を抑止しなかったが 、化合物は33モル%よりも高い濃度で試験しなかった。これよりも高い濃度の アミド誘導体化化合物は、コリル−Aβ16-20(APP−350)と類似して、 全体の平坦域レベルの凝集を抑止することが予測される。例10 :天然β−アミロイドペプチド凝集物の神経毒性に対するβ−アミロイド 調節剤の効果 β−アミロイド調節剤の存在下又は不存在下での天然β−アミロイドペプチド 凝集物の神経毒性をラット又はヒトニューロン誘導細胞株(それぞれPC−12 又はNT−2細胞)及び生存指示薬3−(4,4−ジメチルチアゾール−2−イ ル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)を使用して細胞に 基づく検定法で試験する(例えば、類似の細胞に基づく生存度検定法の記述につ いて、シェアーマンM.S.他(1994)Pro.Natl.Acad.Sci.USA 91:1470-14 74;ハンセンM.B.他(1989)J.Immun.Methods 119:203-210)。PC−12 はラットの褐色細胞腫細胞株であり、アメリカ基準細胞コレクション(ロックビ ル、MD)から入手できる(ATCC CRL 1721)。MTT(シグマ・ ケミカルズ社から商業的に入手できる)は生存細胞では黄色から緑色に変換する 色素原物質であり、分光光度法により検出できるものである。 天然β−アミロイドペプチドの神経毒性を試験するためには、新鮮なAβ単量 体及び経時したAβ凝集物の原料溶液をまず調製した。100%DMSO中のA β1-40溶液を凍結乾燥粉末から調製し、直ちにH2Oで最終容量の半分に希釈し 、次いで4%DMSO中200μMのペプチドの最終濃度が得られるように2× PBSで最終容量の半分に希釈した。このように調製し且つ直ちに細胞で試験す るペプチドを“新鮮な”Aβ単量体という。“経時した”Aβ凝集物を調製する ためには、ペプチド溶液を1.5mlのエッペンドルフ試験管に入れ、37℃で 8日間インキュベーションしてフィブリルを形成させた。このような“経時した ”Aβペプチドは、細胞で直接試験でき又は−80℃で凍結することができる。 新鮮な単量体及び経時した凝集物の神経毒性は、PC−12及びNT−2細胞を 使用して試験した。PC−12細胞は、10%のウマ血清、5%の胎生ウシ血清 、4mMのグルタミン及び1%のゲンタマイシンを含有するDulbecoの変 性Eagle培地で普通に培養した。NT−2細胞は、10%の胎生牛血清、2 mMのグルタミン及び1%のゲンタマイシンを補充したOPTI−MEM培地( GIBCO BRL cat.#31985)で普通に培養した。細胞は、処理 の3〜4時間前に96−ウエル組織培養プレートで90μlの新鮮な培地中で1 0〜15,000個(1個のウエル当たり)の細胞で培養した。次いで、新鮮な 又は経時したAβ溶液(10μl)を1:10に希釈して直接組織培養培地に最 終濃度が1〜10μMのペプチドとなるように入れた。細胞をペプチドの存在下 に培地の変更なく37℃で48時間インキュベーションする。細胞をβ−AP調 製物に暴露する最後の3時間の間に、MTTを培地に1mg/mlの最終濃度ま で添加し、インキュベーションを37℃で継続した。MTTと共に2時間インキ ュベーションした後に、培地を取り出し、細胞を100μlのイソプロパノール /0.4N HCl中で攪拌しながら溶解させた。各ウエルに等容量のPBSを 添加し、プレートをさらに10分間攪拌した。ミクロタイタープレートリーダー を使用して570nmでの各ウエルの吸光度を測定して生存細胞を定量化した。 経時した(5日間又は8日間)Aβ1-40凝集物のみ(新鮮なAβ1-40単量体で はない)の神経毒性を実験で確認した。その結果を第3図に示す。これは、新鮮 なAβ1-40単量体の量を増大させながらニューロン細胞をインキュベーションす ると細胞に対してそれほど毒性ではないのに対して、5日間又は8日間のAβ1- 40 凝集物の量を増大させて細胞をインキュベーションすると神経毒性の量が増大 したことを立証している。経時したAβ1-40凝集物の毒性のED50はP C−12細胞及びNT−2細胞の双方に対して1〜2μMであった。 Aβ1-40凝集物の神経毒性に対するβ−アミロイド調節剤化合物の効果を決定 するために、調節剤化合物コリル−Aβ6-20(PPI−264)をAβ1-40単量 体と共に例6に記載のような標準核形成検定法条件及び特定の時間間隔後インキ ュベーションにより予備インキュベーションし、β−AP/調節剤溶液の一定量 を取り出し、1)その溶液の濁度を凝集の尺度として評価し、2)その溶液を培 養ニューロン細胞に48時間適用し、その時点で細胞の生存度をMTTを使用し て評価して溶液の神経毒性を決定した。濁度分析の結果を第4図のパネルA、B 及びCに示す。パネルAでは、Aβ1-40及びコリル−Aβ6-20が共に64μMで 存在した。パネルBでは、Aβ1-40が30μMで存在し、コリル−Aβ6-20が6 4μMで存在した。パネルCでは、Aβ1-40が10μMで存在し、コリル−Aβ6-20 が64μMで存在した。これらのデータは、等モル量のAβ6-20がAβ1-40 の凝集を抑止するのに有効であること(第4図のパネルAを参照されたい。)及 びAβ1-40の濃度が減少するにつれて、Aβ1-40単量体の検出可能な凝集の量が それに応じて減少すること(第4図のパネルB及びCとパネルAを比較されたい 。)を示す。これに対応した神経毒性の分析結果を第4図のパネルD、E及びF に示す。これらの結果は、β−アミロイド調節剤化合物がAβ1-40単量体の凝集 を抑止するのみならず、Aβ1-40単独の場合と比べてAβ1-40/調節剤溶液とイ ンキュベーションしたときに細胞の%毒性が減少することによって例示される( 例えば、第4図のパネルDを参照されたい。)ように、Aβ1-40溶液の神経毒性 も抑止することを立証している。さらに、光散乱法により測定したときにAβ1- 40 の凝集が検出できなかたときでも、調節剤化合物はAβ1-40溶液の神経毒性を 抑止した(第4図のパネルE及びFを参照されたい)。従って、神経毒性Aβ1- 40 凝集物の形成は光散乱により検出できる不溶性凝集物の形成に先行し、調節剤 化合物はこれらの神経毒性凝集物の形成及び(又は)活性を抑止するのに有効で ある。類似の結果は、その他の調節剤化合物、例えば、イミノビオチニル−Aβ16-20 (PPI−267)、コリル−Aβ16-20(PPI−350)及びコリル− Aβ16-20−アミド(PPI−319)について見られた。 さらに、β−アミロイド調節剤化合物は、予め形成されたAβ1-40凝集物の神 経毒性を低下させることが立証された。これらの実験では、Aβ1-40凝集物は単 量体を調節剤の不存在下にインキュベーションすることによって予備形成した。 次いで、調節剤化合物をこの予備形成されたAβ1-40凝集物と共に37℃で24 時間インキュベーションし、その後β−AP/調節剤溶液を集め、その神経毒性 を上記のように評価した。予備形成されたAβ1-40凝集物を調節剤化合物と共に インキュベーションしてからその溶液をニューロン細胞に適用すると、Aβ1-40 溶液の神経毒性の低下があった。これらの結果は、調節剤がAβフィブリル又は 可溶性凝集物に結合しその固有の神経毒性を調節できること、或いは調節剤がA β1-40の単量体と凝集物形態との間の平衡を非神経毒性形態の方に有利のように 撹乱させ得ることを示唆している。例11 :さらに他のβ−アミロイド調節剤化合物の特徴付け この例では、Aβのアミノ酸17〜20、LVFF(例9で同定された)に基 づいて設計したさらに他の調節剤化合物を製造し、β−アミロイドの凝集の抑止 に必要な構造的特色をさらに明らかにするために分析した。分析した化合物のタ イプは、Aβ凝集コアドメインの3個のアミノ酸残基のみを有するもの、Aβ凝 集コアドメインのアミノ酸残基が再配列されたか又はアミノ酸置換がされた化合 物、カルボキシ−末端変性基により変性した化合物並びに変性基が誘導体化され た化合物を包含した。この例で使用する略語は、−h(遊離のアミノ末端)、− oh(遊離のカルボン酸末端)、−nh2(アミド末端)、CA(コリル、コー ル酸のアシル部分)、NANA(N−アセチルノイラミニル)、IB(イミノビ オチニル)、βA(β−アラニル)、DA(D−アラニル)、Adp(アミノエ チルジベンゾフラニルプロパン酸)、Aic(3−(O−アミノエチル−iso )コリル、コール酸の誘導体)、IY(ヨードチロシル)、o−methyl( カルボキシ末端メチルエステル)、N−me(N−メチルペプチド結合)、De oxyCA(デオキシコリル)及びLithoCA(リトコリル)である。 アミノ−末端か又はカルボキシ−末端にAic変性基を有する調節剤化合物( 例えば、PPI−408及びPPI−418)は、既知の方法を使用して製造し た(例えば、ウエスG.他(1993)Tetrahedron Letters 34:817-822 ;ウエス G.他(1992)Tetrahedron Letters 33:195-198 を参照)。概説すれば、3−i so−O−(2−アミノエチル)コール酸(3β−(2−アミノエトキシ)−7 α,12α−ジヒドロキシ−5β−コラン酸)を、FMOC−OSu(FMOC 基のヒドロキシスクシンイミドエステル、これは市場で入手できる)を使用して FMOC−保護誘導体に転化して試薬を得た。これを使用して化合物にコール酸 誘導体を導入した。コール酸部分をN−末端に導入するためには、FMOC−保 護した試薬を標準的態様で固相ペプチドのN−末端アミノ酸に結合させ、次いで 標準的なFMOC−脱保護条件にし、次いで樹脂から解裂させ、次いでHPLC 精製を行った。コール酸部分をC−末端に導入するためには、FMOS−保護し た試薬を標準的な態様で塩化2−クロルトリチルに結合させた。次いで、このア ミノアシル誘導体化した樹脂を標準的な態様で使用して完全変性ペプチドを合成 した。 調節剤は例6に記載の核形成及び播種拡大検定法で評価し、結果を表5に要約 する。ラグタイムの変化(ΔLag)は、対照例のラグタイムに対する被検化合 物の存在下で観察されたダグタイムの比率として表される。データはAβ1-40の 濃度に対して100モル%の抑止剤の存在下での検定について報告するが、PP I−315、PPI−348、PPI−380、PPI−407及びPPI−4 18についてはデータは33モル%の抑止剤の存在下でのものを報告する。核形 成法での抑止率(%Inucl'n)は検定期間の終了時の対照例において観察された 最大の濁度の%低下としてリストする。拡大検定法での抑止率(%Iext'n)は 25モル%の抑止剤の存在下でのβ−構造のチオフラビン−T蛍光の%低下とし てリストする。少なくとも30%の%Inucl'nを有する化合物を太字で強調して ある。 *ND=測定せず **=33モル% ***=h-DDIII(N-Me-Val)DLL(Adp) ****=h-DDII(N-Me-Leu)VEH(Adp) また、表Vに示すある種の化合物(PPI−319、PPI−349、PPI −350、PPI−368及びPPI−426)を神経毒性検定法、例えば、例 10に記載の検定法で試験した。各化合物について、対照例に対する神経毒性の 発現の遅れは、Aβの重合が核形成検定法で開始した時間の遅れと一致した。こ の神経毒性Aβ種の形成の防止とAβの重合の防止との間の相関関係は、試験し た全ての化合物について観察された。 表Vに示す結果は、有効な調節剤化合物が3個ほどに少ないAβアミノ酸から なり得ることを立証している(例えば、Aβ18-20に相当するアミノ酸配列VF FからなるPPI−394及びAβ19-21に相当するアミノ酸配列FFAからな るPPI−395を参照されたい)。また、これらの結果は、カルボキシ−末端 に調節基を有する調節剤化合物がAβのも凝集の抑止に有効であることを立証し ている(例えば、C末端でAicにより変性されたPPI−408を参照された い)。さらに、これらの結果は、調製基としてのコリル基が化合物の抑止活性を 保持しながらさらに改変できることを立証している(例えば、両方ともコリル誘 導体Aicを含むPPI−408及びPPI−418を参照されたい)。コール 酸のAic誘導体の遊離のアミノ基は、例えば、診断剤を創製するために、99m Tcのためのキレート化基を導入できる位置を表している。さらに、化合物がA βの凝集を抑止する能力を保持しながらAβ配列の位置19又は20のフェニル アラニンをヨードチロシルで置換できる能力(PPI−396及びPPI−39 7を参照)は、例えば、診断剤を創製するために、化合物の抑止活性を失うこと なく、化合物を放射性沃素により標識化できることを示している。 最後に、Aβから誘導のアミノ酸であるが、そのアミノ酸配列が再配列された か又は非−Aβから誘導のアミノ酸による置換を有するものを使用して、抑止活 性を有する化合物を創製した。このような例の化合物は、Aβ17-21の配列(L VFFA)が再配列されたPPI−426(FFVLA)、Aβ16-20の配列( KLVFF)が再配列されたPPI−372(FKFVL)、Aβ17-21の配列 (LVFFA)がそれぞれ位置17、18又は19でアラニン残基により置換さ れたPPI−388、PPI−389及びPPI−390(PPI−388につ いてはAVFFA、PPI−389についてはLAFFA、PPI−390につ いてはLVAFA)を包含する。これらの化合物の抑止活性は、化合物における Aβの一部に直接相当するアミノ酸配列の存在が抑止活性にとって必須ではない ことを示し、むしろ、フェニルアラニン、バリン、ロイシンのようなアミノ酸残 基を包含させる(その正確な順序に関係なく)ことによってこのコア領域の疎水 性を保持することがAβの凝集の抑止にとって十分であり得ることを示唆してい る。例12 :未変性のβ−アミロイドペプチドからなるβ−アミロイド調節剤化合物 の特徴付け 未変性Aβペプチドが天然β−APの凝集を調節する能力を検査するために、 Aβ1-40と比べてアミノ−及び(又は)カルボキシ−末端欠失を有し或いは内部 アミノ酸欠失を有する一連のAβペプチド(即ち、非近接ペプチド)を製造した 。一つのペプチド(PPI−220)は、そのアミノ−末端に追加の非−Aβか ら誘導のアミノ酸残基を有した。これらのペプチドの全ては、アミノ−末端に遊 離のアミノ基を、カルボキシ−末端に遊離のカルボン酸を有した。これらの未変 性ペプチドを例7に記載のような検定法で評価した。結果を表VIに要約する。こ こでは、データは例7におけるように表した。少なくとも1.5倍のラグタイム の増加を示した化合物は太字で強調してある。 表VIに示したこれらの結果は、ペプチドが変性基により変性されていないとき でもAβ配列の限られた部分が天然β−APの凝集に対して有意の抑止活性を有 し得ることを立証している。好ましい未変性のペプチドは、Aβ6-20(PPI− 226)、Aβ16-30(PPI−228)、Aβ1-20,26-40(PPI−249) 及びEEVVHHHHQQ−Aβ16-40(PPI−220)であって、そのアミ ノ酸配列は、それぞれSEQ ID NO:4、14、15及び16で示す。 この開示の一部を構成するものとしてさらに追加の配列のリストを挙げるが、 その内容を下記の表に要約する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 08/548,998 (32)優先日 1995年10月27日 (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),AU,CA,JP (72)発明者 ベンジャミン,ハワード アメリカ合衆国 02173 マサチューセッ ツ,レクシントン,マーレット ロード 410 (72)発明者 ガーニック,マーク ビー. アメリカ合衆国 02146 マサチューセッ ツ,ブルックライン,ダドリー ストリー ト 140 (72)発明者 ゲフター,マルコム エル. アメリカ合衆国 01773 マサチューセッ ツ,リンカン,ベイカー ブリッジ ロー ド 46 (72)発明者 フンダル,アルビンド アメリカ合衆国 02135 マサチューセッ ツ,ブライトン,コモンウェルス アベニ ュー 1875,アパートメント 7 (72)発明者 カスマン,ローラ アメリカ合衆国 30605 ジョージア,ア シンズ,ハイランド パーク ドライブ 240 (72)発明者 ムッソー,ゲアリー アメリカ合衆国 01748 マサチューセッ ツ,ホプキントン,プロクター ストリー ト 38 (72)発明者 シグナー,イーサン アール. アメリカ合衆国 02140 マサチューセッ ツ,ケンブリッジ,フォレスト ストリー ト 20 (72)発明者 ウエイクフィールド,ジェイムズ アメリカ合衆国 02146 マサチューセッ ツ,ブルックライン,ビーコン ストリー ト 1862 アイ−ビー2 (72)発明者 リード,マイケル ジェイ. アメリカ合衆国 37830 テネシー,オー クリッジ,イースト モーニングサイド ドライブ 104 (72)発明者 モーリンオークス,スーザン アメリカ合衆国 02146 マサチューセッ ツ,ブルックライン,センター ストリー ト 69 (72)発明者 クーバセク,ウィリアム アメリカ合衆国 02178 マサチューセッ ツ,ベルモント,ウエイバリー 153 (72)発明者 ジン,ジョーゼフ アメリカ合衆国 01970 マサチューセッ ツ,セーレム,ローリング アベニュー 190 (72)発明者 リー,ジュンジャ アメリカ合衆国 01778 マサチューセッ ツ,ウエイランド,コチチュエイト ロー ド 261 (72)発明者 ケリー,マイケル アメリカ合衆国 02174 マサチューセッ ツ,アーリントン,フローレンス アベニ ュー 15

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. アミロイド形成蛋白又はそのペプチド断片を少なくとも1個の調節基に直 接又は間接的にカップリングさせてなるアミロイド調節剤化合物であって、これ が天然アミロイド形成蛋白又はペプチドと接触したときにモル過剰量の天然β− アミロイド蛋白又はペプチドの凝集を調節するようにカップリングさせたアミロ イド調節剤化合物。 2. 天然アミロイド形成蛋白又はペプチドと接触したときに天然アミロイド蛋 白又はペプチドの凝集を抑止する請求項1に記載の化合物。 3. アミロイド形成蛋白又はそのペプチド断片がトランスチレチン(TTR) 、プリオン蛋白(PrP)、小島アミロイドポリペプチド(IAPP)、心房ナ トリウム排泄因子(ANF)、κ−軽鎖、λ−軽鎖、アミロイドA、プロカルシ トニン、シスタチンC、β2−ミクログロブリン、ApoA−I、ゲルソリン、 プロカルシトニン、カルシトニン、フィブリノーゲン及びリゾチームよりなる群 から選択される請求項1に記載の化合物。 4. 下記の式からなるβ−アミロイドペプチド化合物: (ここで、Xaaは、β−アミロイド先駆体蛋白−770(APP−770)の 位置668に対応し又はAPP−770の位置668に対してカルボキシ末端側 の残基に対応するアミノ末端アミノ酸残基を有するβ−アミロイドペプチドであ り、Aは、この化合物が天然β−アミロイドペプチドと接触したときに天然β− アミロイドペプチドの凝集を抑止するように該化合物のアミロイドペプチドに直 接又は間接的に結合した変性基であり、nはこの化合物が天然β−アミロイドペ プチドと接触したときに天然βアミロイドペプチドの凝集を抑止するように選択 される整数である)。 5. 少なくとも1個のA基が化合物のβ−アミロイドペプチドのアミノ末端に 直接又は間接的に結合している請求項4に記載の化合物。 6. 少なくとも1個のA基が化合物のβ−アミロイドペプチドのカルボキシ末 端に直接又は間接的に結合している請求項4に記載の化合物。 7. 少なくとも1個のA基が化合物のβ−アミロイドペプチドの少なくとも1 個のアミノ酸残基の側鎖に直接又は間接的に結合している請求項4に記載の化合 物。 8. Aβ凝集コアドメイン(ACD)を少なくとも1個の変性基に直接又は間 接的にカップリングしてなるβ−アミロイド調節剤化合物であって、これが天然 β−アミロイドペプチドと接触したときに天然β−アミロイドペプチドの凝集を 調節し又は神経毒性を抑止させるようにカップリングさせたβ−アミロイド調節 剤化合物。 9. Aβ凝集コアドメインが、長さが3〜10個のアミノ酸の天然β−アミロ イドペプチドのサブ領域にならってモデル化される請求項8に記載の化合物。 10. 下記の式からなるβ−アミロイド調節剤化合物: (ここで、Xaa1、Xaa2及びXaa3はそれぞれアミノ酸構造であり、Xa a1、Xaa2及びXaa3の少なくとも2個は独立してロイシン構造、フェニル アラニン構造及びバリン構造よりなる群から選択され、 Yは、存在しても存在しなくてもよく、式(Xaa)a(ここで、Xaaは任 意のアミノ酸構造であり、aは1〜15の整数である。)を有するペプチド構造 であり、 Zは、存在しても存在しなくてもよく、式(Xaa)b(ここで、Xaaは任 意のアミノ酸構造であり、bは1〜15の整数である。)を有するペプチド構造 であり、 Aは化合物に直接又は間接的に結合した変性基であり、nは整数であり、 Xaa1、Xaa2、Xaa3、Y、Z、A及びnは、この化合物が天然β−ア ミロイドペプチドと接触したときに天然β−アミロイドペプチドの凝集を調節し 又は神経毒性を抑止するように選択される)。 11. Xaa1及びXaa2それぞれフェニルアニリン構造である請求項10 に記載の化合物。 12. Xaa2及びXaa3それぞれフェニルアニリン構造である請求項10に 記載の化合物。 13. 下記の式からなるβ−アミロイド調節剤化合物: (ここで、Xaa1及びXaa3はアミノ酸構造であり、 Xaa2はバリン構造であり、 Xaa4はフェニルアラニン構造であり、 Yは、存在しても存在しなくてもよく、式(Xaa)a(ここで、Xaaは任 意のアミノ酸構造であり、aは1〜15の整数である。)を有するペプチド構造 であり、 Zは、存在しても存在しなくてもよく、式(Xaa)b(ここで、Xaaは任 意のアミノ酸構造であり、bは1〜15の整数である。)を有するペプチド構造 であり、 Aはこの化合物に直接又は間接的に結合した変性基であり、nは整数であり、 Xaa1、Xaa3、Y、Z、A及びnは、この化合物が天然β−アミロイドペ プチドと接触したときに天然β−アミロイドペプチドの凝集を調節し又は神経毒 性を抑止するように選択される)。 14. Xaa1がロイシン構造であり、Xaa3がフェニルアラニン構造である 請求項13に記載の化合物。 15. 下記の式からなる化合物: A-Xaa1-Xaa2-Xaa3-Xaa4-Xaa5-Xaa6-Xaa7-Xaa8-B (ここで、Xaa1はヒスチジン構造であり、 Xaa2はグルタミン構造であり、 Xaa3はリシン構造であり、 Xaa4はロイシン構造であり、 Xaa5はバリン構造であり、 Xaa6フェニルアラニン構造であり、 Xaa7はフェニルアラニン構造であり、 Xaa8はアラニン構造であり、 A及びBはこの化合物のアミノ末端及びカルボキシ末端にそれぞれ直接又は間 接的に結合した変性基であり、 Xaa1−Xaa2−Xaa3、Xaa1−Xaa2又はXaa1は存在しても存在 しなくてもよく、 Xaa8は存在しても存在しなくてもよく、 A及びBの少なくとも1個は存在する)。 16. 変性基をペプチド構造に直接又は間接的に結合してなるβ−アミロイド 調節剤化合物であって、該ペプチド構造が よりなる群から選択されるアミノ酸配列を有するアミノ酸構造からなる、該β− アミロイド調節剤化合物。 17. 変性基が環式、複素環式又は多環式基からなる請求項1〜16のいずれ かに記載の化合物。 18. 変性基がcis−デカリン基を含有する請求項1〜16のいずれかに記 載の化合物。 19. 変性基がコラノイル構造を含有する請求項1〜16のいずれかに記載の 化合物。 20. 変性基がコリル基である請求項1〜16のいずれかに記載の化合物。 21. 変性基がビオチン含有基、ジエチレントリアミンペンタアセチル基、( −)−メントキシアセチル基、フルオレセイン含有基又はN−アセチルノイラミ ニル基からなる請求項1〜16のいずれかに記載の化合物。 22. 化合物の薬物動力学性質を変化させるようにさらに変性される請求項1 〜16のいずれかに記載の化合物。 23. 化合物を検出可能な物質により標識化するようにさらに変性される請求 項1〜16のいずれかに記載の化合物。 24. モル過剰量の天然β−アミロイドペプチドと接触したときに天然β−ア ミロイドペプチドの凝集を抑止するβ−アミロイド調節剤。 25. 天然β−アミロイドペプチドと接触したときに天然β−アミロイドペプ チの凝集を抑止するように、βAP1-39になぞらえて少なくとも1個のアミノ酸 欠失を有するアミノ酸配列からなるβ−アミロイドペプチド化合物。 26. βAP1-39になぞらえて少なくとも1個の内部アミノ酸欠失を有するア ミノ酸配列からなる請求項25に記載の化合物。 27. βAP1-39になぞらえて少なくとも1個のN−末端アミノ酸欠失を有す るアミノ酸配列からなる請求項25に記載の化合物。 28. βAP1-39になぞらえて少なくとも1個のC−末端アミノ酸欠失を有す るアミノ酸配列からなる請求項25に記載の化合物。 29. βAP6-20(SEQ IDNO:13)、βAP16-30(SEQ ID NO:14)、βAP1-20,26-40(SEQ ID NO:15)及びEEVV HHHHQQ−βAP16-40(SEQ ID NO:16)よりなる群から選択 される化合物。 30. 請求項1〜29のいずれかに記載の化合物と製薬上許容できるキャリア ーを含む製薬組成物。 31. アミロイド形成性疾病の診断用薬剤の製造のための請求項1〜29のい ずれかに記載の化合物の使用。 32. アミロイド形成性疾病の治療用薬剤の製造のための請求項1〜29のい ずれかに記載の化合物の使用。 33. 天然β−アミロイドペプチドの凝集が抑止されるように天然β−アミロ イドを請求項4〜29のいずれかに記載の化合物と接触させることからなる、天 然β−アミロイドペプチドの凝集を抑止する方法。 34. 天然β−アミロイドペプチドの神経毒性が抑止されるように天然β−ア ミロイドペプチドを請求項4〜29のいずれかに記載の化合物と接触させること からなる、天然β−アミロイドペプチドの神経毒性を抑止する方法。 35. 生物学的試料中の天然β−アミロイドペプチドの存在の有無を検出する にあたり、生物学的試料を請求項4〜29のいずれかに記載の化合物と接触させ 、天然β−アミロイドペプチドに結合した化合物を検出することにより生物学的 試料中の天然β−アミロイドペプチドの存在の有無を検出することからなる、該 検出方法。 36. β−アミロイド調節剤化合物と生物学的試料をインビトロで接触させる 請求項35に記載の方法。 37. β−アミロイド調節剤化合物を被検者に投与することによって生物学的 試料と接触させる請求項35に記載の方法。 38. 化合物が放射性テクネチム又は放射性沃素により標識付けされる請求項 37に記載の方法。 39. 生物学的試料を請求項4〜29のいずれかに記載の化合物と接触させ、 天然β−アミロイドペプチドに結合した化合物を検出してβ−アミロイド形成性 疾病の診断を容易にさせることからなる、β−アミロイド形成性疾病の診断を容 易にさせるために天然β−アミロイドペプチドを検出する方法。 40. β−アミロイド調節剤化合物と生物学的試料をインビトロで接触させる 請求項39に記載の方法。 41. β−アミロイド調節剤化合物を被検者に投与することによって生物学的 試料と接触させる請求項39に記載の方法。 42. 化合物が放射性テクネチム又は放射性沃素により標識付けされる請求項 41に記載の方法。 43. アルツハイマー病の診断を容易にさせる請求項39に記載の方法。 44. 被験者がアミロイドーシスと関連した障害のために治療されるように、 その被験者に製薬上又は予防上有効な量の請求項1〜3のいずれかに記載の化合 物を投与することからなる、アミロイドーシスと関連した障害を治療する方法。 45. 障害が、家族性アミロイド多発性神経障害(ポルトガル、日本及びスエ ーデン型)、家族性アミロイド心筋症(デンマーク型)、独立性心臓アミロイド 、全身老人性アミロイドーシス、スクラピー、牛海綿状エンセファロパシー、ク ロイツフェルト−ヤコブ病、ゲルストマン−シュトラウスラー−シュアインカー 症候群、成人発症糖尿病、インスリノーマ、独立性心房アミロイドーシス、特発 性(原発性)アミロイドーシス、骨髄腫又はマクログロブリン血症と関連したア ミロイドーシス、ジョーグレン症候群と関連した原発性局所皮膚小結節性アミロ イドーシス、反応性(二期の)アミロイドーシス、蕁麻疹及び難聴を伴う家族性 地中海熱及び家族性アミロイドネフロパシー(マックル−ウエルズ症候群)、ア イスランド型のアミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、長期血液透析と関連した アミロイドーシス、遺伝性非ニュロパシー全身アミロイドーシス(家族性アミロ イド多発性神経障害III)、フィンランド型の家族性アミロイドーシス、甲状腺 の髄質癌と関連したアミロイドーシス、フィブリノーゲンと関連した遺伝性腎臓 アミロイドーシス及びリゾチームと関連した遺伝性全身アミロイドーシスよりな る群から選択される請求項44に記載の方法。 46. 被験者がβ−アミロイドーシスと関連した障害のために治療されるよう に、その被験者に製薬上又は予防上有効な量の請求項4〜29のいずれかに記載 の化合物を投与することからなる、β−アミロイドーシスと関連した障害のため に被験者を治療する方法。 47. 障害がアルツハイマー病である請求項46に記載の方法。 48. β−アミロイドーシスと関連した障害について被験者を治療するにあた り、本発明の化合物が被験者において合成され、その被験者がβ−アミロイドー シスと関連した障害のために治療されるように、その被験者に請求項25〜29 のいずれかに記載の本発明の化合物をコード化する組換え発現ベクターを投与す ることからなる、β−アミロイドーシスと関連した障害を治療する方法。 49. 障害がアルツハイマー病である請求項48に記載の方法。 50. 化合物のペプチド成分の少なくとも1種のアミノ酸がD−アミノ酸であ る請求項1〜16のいずれかに記載の化合物。 51. 化合物のペプチド成分が完全にD−アミノ酸からなる請求項1〜16の いずれかに記載の化合物。 52. 少なくとも1個のD−アミノ酸を含むβ−アミロイドペプチドからなる β−アミロイド調節剤化合物であって、該化合物は天然β−アミロイドペプチド に結合するか又は天然β−アミロイドペプチドと接触したときに天然β−アミロ イドペプチドの凝集を調節し若しくはその神経毒性を抑止するようなものである 、β−アミロイド調節剤化合物。 53. β−アミロイドペプチドからなるβ−アミロイド調節剤化合物であって 、該β−アミロイドペプチドは完全にD−アミノ酸からなり、しかも該化合物は 天然β−アミロイドペプチドに結合するか又は天然β−アミロイドペプチドと接 触したときに天然β−アミロイドペプチドの凝集を調節し若しくはその神経毒性 を抑止するようなものである、β−アミロイド調節剤化合物。 54. β−アミロイドペプチドのレトロ−インバーソ異性体からなるβ−アミ ロイド調節剤化合物であって、該化合物は天然β−アミロイドペプチドに結合す るか又は天然β−アミロイドペプチドと接触したときに天然β−アミロイドペプ チドの凝集を調節し若しくはその神経毒性を抑止するようなものである、β−ア ミロイド調節剤化合物。 55. β−アミロイドペプチドがアミノ末端で変性された請求項52〜54の いずれかに記載の化合物。 56. β−アミロイドペプチドが、環式、複素環式又は多環式基からなる変性 基によりアミノ末端で変性された請求項55に記載の化合物。 57. 変性基がcis−デカリン含有基、コリル基、ビオチン含有基、ジエチ レントリアミンペンタアセチル基、(−)−メントキシアセチル基、フルオレセ イン含有基及びN−アセチルノイラミニル基よりなる群から選択される請求項5 6に記載の化合物。 58. β−アミロイドペプチドがカルボキシ末端で変性された請求項52〜5 4のいずれかに記載の化合物。 59. β−アミロイドペプチドがアミド基又はエチルアミド基によりカルボキ シ末端で変性された請求項58に記載の化合物。 60. β−アミロイドペプチドがアミノ末端で変性され且つカルボキシ末端で 変性された請求項52〜54のいずれかに記載の化合物。 61. 化合物の薬物動力学性質を変化させるようにさらに変性される請求項5 2〜54のいずれかに記載の化合物。 62. 化合物を検出可能な物質により標識化するようにさらに変性される請求 項52〜54のいずれかに記載の化合物。 63. 請求項52〜54のいずれかに記載の化合物と製薬上許容できるキャリ アーを含む製薬組成物。 64. アミロイド形成性疾病の診断用薬剤の製造のための請求項52〜54の いずれかに記載の化合物の使用。 65. アミロイド形成性疾病の治療用薬剤の製造のための請求項52〜54の いずれかに記載の化合物の使用。 66. 天然β−アミロイドペプチドの凝集が抑止されるように天然β−アミロ イドを請求項52〜54のいずれかに記載の化合物と接触させることからなる、 天然β−アミロイドペプチドの凝集を抑止する方法。 67. 天然β−アミロイドペプチドの神経毒性が抑止されるように天然β−ア ミロイドペプチドを請求項52〜54のいずれかに記載の化合物と接触させるこ とからなる、天然β−アミロイドペプチドの神経毒性を抑止する方法。 68. 生物学的試料中の天然β−アミロイドペプチドの存在の有無を検出する にあたり、生物学的試料を請求項52〜54のいずれかに記載の化合物と接触さ せ、天然β−アミロイドペプチドに結合した化合物を検出することにより生物学 的試料中の天然β−アミロイドペプチドの存在の有無を検出することからなる、 該検出方法。 69. β−アミロイド調節剤化合物と生物学的試料をインビトロで接触させる 請求項68に記載の方法。 70. β−アミロイド調節剤化合物を被検者に投与することによって生物学的 試料と接触させる請求項68に記載の方法。 71. 化合物が放射性テクネチム又は放射性沃素により標識付けされる請求項 68に記載の方法。 72. 生物学的試料を請求項52〜54のいずれかに記載の化合物と接触させ 、天然β−アミロイドペプチドに結合した化合物を検出してβ−アミロイド形成 性疾病の診断を容易にさせることからなる、β−アミロイド形成性疾病の診断を 容易にさせるために天然β−アミロイドペプチドを検出する方法。 73. β−アミロイド調節剤化合物と生物学的試料をインビトロで接触させる 請求項72に記載の方法。 74. β−アミロイド調節剤化合物を被検者に投与することによって生物学的 試料と接触させる請求項72に記載の方法。 75. 化合物が放射性テクネチム又は放射性沃素により標識付けされる請求項 72に記載の方法。 76. アルツハイマー病の診断を容易にさせる請求項72に記載の方法。 77. 被験者がアミロイドーシスと関連した障害のために治療されるように、 その被験者に製薬上又は予防上有効な量の請求項52〜54のいずれかに記載の 化合物を投与することからなる、アミロイドーシスと関連した障害のために被験 者を治療する方法。 78. 障害がアルツハイマー病である請求項77に記載の方法。
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