JPH11339835A - レドックス電池 - Google Patents

レドックス電池

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JPH11339835A
JPH11339835A JP10150000A JP15000098A JPH11339835A JP H11339835 A JPH11339835 A JP H11339835A JP 10150000 A JP10150000 A JP 10150000A JP 15000098 A JP15000098 A JP 15000098A JP H11339835 A JPH11339835 A JP H11339835A
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JP
Japan
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mol
vanadium
electrolyte
solution
negative electrode
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JP10150000A
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English (en)
Inventor
Sumie Sekiguchi
純恵 関口
Koichi Furusato
洸一 古里
Mitsutaka Miyabayashi
光孝 宮林
Kanji Sato
完二 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KASHIMAKITA KYODO HATSUDEN KK
Original Assignee
KASHIMAKITA KYODO HATSUDEN KK
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バナジウム電解液中のバナジウムイオン、特
に5価のバナジウムイオンの安定性の向上を図る。 【解決手段】液透過性の多孔性炭素電極からなる正極と
負極が隔膜により分離され、正極と負極中の正極液及び
負極液の酸化還元反応を行わせて充放電するレドックス
電池において、正極液及び負極液中のバナジウム濃度が
0.5mol/l〜8mol/l、硫酸イオン濃度が0.3mol/l〜
9mol/lであって、かつ正極液及び負極液中にヘキサメ
タリン酸ナトリウムのようなリン酸塩を存在させること
を特徴とするレドックス電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電力貯蔵用のバナジ
ウムレドックスフロー電池、殊にその電解液に関するも
のである。電力貯蔵用の電池として種々の新型電池が開
発されているが、その中に電解液流通型の電池であるレ
ドックスフロー型電池がある。レドックスフロー電池と
しては電極活物質として鉄、及びクロムを用いる鉄−ク
ロム電池が知られているが、以下のような欠点を有して
いた。 (ア)エネルギー密度が小さい。 (イ)イオン交換膜を通しての鉄イオンとクロムイオン
の混合による電解液の劣化が起こる。 (ウ)電解液成分の副反応により負極が自己放電するた
め両極の充電状態のバランスが崩れてリバランス装置が
必要になる。
【0002】これに対し、バナジウムレドックスフロー
電池では正極液及び負極液ともにバナジウムイオンを用
いるため混合による電解液の劣化がなくリバランス装置
も不要である。また、エネルギー密度、起電力共に鉄−
クロム電池よりも高く、優れた電池性能を持つ新しいレ
ドックスフロー電池として着目されている。
【0003】バナジウム電池では電解液としてバナジウ
ム硫酸溶液が用いられている。バナジウム電池の電解セ
ルに於ける電極反応は以下の通りである。
【0004】
【化1】
【0005】充電動作の時は右方向に、放電動作の時は
逆の左方向に反応が進行する。すなわち、充電時には正
極においては電解液中の4価のバナジウムは酸化されて
5価になり、負極においては3価のバナジウムは2価へ
と還元される。このとき電気エネルギーはイオンの価数
変化により電解液中に蓄積される。上式に示したVO
2+とV2+の濃度はそのまま充電状態の活物質の濃度
を表す。そのため、電池のエネルギー密度は電解液中の
活物質であるバナジウムの濃度に依存し、蓄電容量は電
解液量の増加により増すことができる。電池の安定化、
高密度化のためには電解液中のバナジウムを高濃度で長
期間安定化させる技術が重要となる。また、電池は気候
条件等の変化に対応して幅広い(例えば、0℃〜50℃)
温度域で使用することが出来ることが求められている。
そのため、電池の使用温度域に対応した幅広い温度域で
の電解液の安定性が必要となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】バナジウム電池では電
解液として高濃度のバナジウム硫酸溶液が用いられてい
る。電解液の安定性はバナジウム濃度、硫酸濃度、不純
物組成、温度等の影響を受ける。バナジウム及びバナジ
ルイオンの硫酸溶液中の安定性は各価数によって異なっ
ており、V5+とV4+、V3+、V2+の安定性はメ
カニズムが異なっていると思われる。V4+、V3+
2+の安定性はSO 2+あるいはHSO 2−との
溶解度積で決まるがV5+の析出は脱水縮合による重合
反応によって起こる。例えば3価のバナジウムイオンを
例に取ると、 2V3++3SO 2−=V(SO 溶解度積をKとすると K=(V3+(SO 2− 従って、V4+、V3+、V2+の安定性は電解液中の
硫酸濃度が低く、温度が高くなるほど良くなる。
4+、V2+の安定性も同様の機構で説明できる。
【0007】これに対してV5+は強酸性中ではVO
イオンとして存在するが、温度が上昇したり、硫酸濃
度が低ければ脱水縮合反応を起こす。V5+イオンは他
の価数のバナジウムイオンと異なり硫酸濃度が低いほ
ど、温度が高いほど不安定になる。従って、V4+、V
3+、V2+の安定性向上のため硫酸濃度を下げたり、
温度を上げるとV5+は逆に析出しやすくなるという問
題がある。しかも実際には電池が大型になればなるほど
電池の反応熱で液温が上昇する傾向があるので、V5+
の析出を抑えるために温度を常温に保持する必要があっ
た。また、従来バナジウム電池では、正極及び負極電解
液中のバナジウムや硫酸の初期濃度を同一濃度にして使
用するが、充放電操作を繰り返すうちに電解液中のイオ
ンの組成バランスが徐々に崩れて正極電解液中に五酸化
バナジウムが析出するか、あるいは負極電解液中に硫酸
バナジウムが析出しやすくなっていく。特に、正極液中
への5価のバナジウム化合物の重合反応は反応を開始し
てからの沈殿生成速度が非常に速い。
【0008】レドックスフロー型電池のシステム上、バ
ナジウム電池の電解液中にバナジウム化合物の析出が起
こると電池性能が低下するだけでなく、電池セル内に析
出物が詰まり、液の流れを阻害し電池の運転も不可能に
なることがある。従って、バナジウム電解液の安定化の
ためにはまずV5+の高温安定化技術が望まれている。
本発明は、バナジウム電解液中のバナジウムイオン、特
に5価のバナジウムイオンの安定性の向上を図ることを
目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した問題を解決する
ためにバナジウム電解液中でV5+が析出する原因につ
いて研究、調査を行ってきた結果、V5+の析出は脱水
縮合による重合反応によって起こると知見するに至っ
た。V5+は強酸性中ではVO2+イオンとして存在す
るが、温度が上昇したり、硫酸濃度が低ければ脱水縮合
反応を起こすと考えられる。
【0010】そこで、脱水縮合反応を防止することので
きる安定剤等のスクリーニングを数多く行った。この安
定剤はV5+の重合反応を防止することが必須である
が、同時に酸化力の非常に強いV5+により酸化されな
いことが必要である。その結果、特定の組成を有するバ
ナジウム電池用電解液中にバナジウムイオン、特に5価
のバナジウムイオンを安定化させる安定剤としてヘキサ
メタリン酸ナトリウムなどのリン酸塩類を電解液に存在
させてバナジウム化合物の沈殿生成を抑え、高温度域に
おいてのバナジウム電解液の安定性を向上させることで
上記問題点を解決したものである。
【0011】即ち、本発明は,液透過性の多孔性炭素電
極からなる正極と負極が隔膜により分離され、正極と負
極中の正極液及び負極液の酸化還元反応を行わせて充放
電するレドックス電池において、正極液及び負極液中の
バナジウム濃度が0.5mol/l〜8mol/l、硫酸イオン濃
度が0.3mol/l〜9mol/lであって、かつ正極液及び負
極液中にリン酸塩を存在させることを特徴とするレドッ
クス電池である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明で使用されるリン酸塩は、オルトリン酸塩、縮合
リン酸塩を包含するが、これらに限定されない。オルト
リン酸塩としては、リン酸アンモニウムが電解液の安定
性に効果が見られた。縮合リン酸塩としては、ポリリン
酸塩、メタリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、ウルトラリ
ン酸塩のうな鎖状のもの、およびガラス状のポリリン酸
塩のような無定形のものを挙げることができる。これら
の縮合リン酸塩のうち、ヘキサメタリン酸塩、殊にヘキ
サメタリン酸ナトリウムがV5+の安定化に特に効果が
あって非常に好ましい。さらに上記リン酸塩は、V5+
の析出防止のみでなくV2+の析出防止にも効果があ
り、充電状態での電解液の安定性に大きく寄与すること
がわかった。
【0013】電解液に存在させるリン酸塩の量は、バナ
ジウム1molに対して0.0003mol〜0.20molであることが好
ましく、より好ましくは0.0005mol〜0.08mol、さらに好
ましくは0.0010mol〜0.06mol、特に好ましくは0.007mol
〜0.05mol、最も好ましくは0.005mol〜0.02molである。
リン酸塩は、バナジウムのモル数に対してごく少量の添
加でも効果が見られ、添加量の増加とともにそのV5+
の沈殿生成防止効果が上昇する。ただし、リン酸塩がバ
ナジウム1モルに対して0.0003mol未満の量である場合
は、高温におけるV5+の析出防止効果はきわめて微弱
であり好ましくない。一方、リン酸塩がバナジウム1モ
ルに対して0.20molを越えて存在すると、電池の充放電
に伴うセル抵抗が増大して充放電効率が低下する。ま
た、これらの安定剤を添加した電解液を用いて充放電評
価を行い、安定剤の電池性能に与える影響を調べ、バナ
ジウム電池用電解液としての実用性に問題ないことが確
認された。
【0014】本発明の電池に用いられる電解液は、バナ
ジウムの濃度が、0.5mol/l〜8.0mol/l、好ましくは
0.6mol/l〜6.0mol/l、より好ましくは0.8mol/l〜
5.0mol/l、さらに好ましくは1.0mol/l〜4.0mol/
l、特に好ましくは1.2mol/l〜3.5mol/l、最も好ま
しくは1.5mol/l〜3.0mol/lの水溶液である。バナジ
ウムの濃度が、0.5mol/l未満であると電池のエネルギ
ー密度が小さくなり、8.0mol/lを越えると、電解液の
粘度が高くなり電池セルの抵抗が高くなり、かつ電力効
率も低いものとなる。
【0015】電解液としてはバナジウムの硫酸水溶液が
好ましく用いられ、電解液における硫酸イオンの濃度
は、好ましくは0.5mol/l〜9.0mol/l、より好ましく
は0.8mol/l〜8.5mol/l、さらに好ましくは1.0mol/
l〜8.0mol/l、特に好ましくは1.2mol/l〜7.0mol/
l、最も好ましくは1.5mol/l〜6.0mol/lである。
【0016】本発明の電池は、正極電解液中では、充電
状態で4価/5価のバナジウムイオンの混合または5価
のバナジウムイオン単独の状態をとりうるが、好ましく
は充電終止状態における正極電解液中の5価のバナジウ
ムイオンの濃度が、0.5mol/l〜7.5mol/l、好ましく
は0.6mol/l〜5.5mol/l、より好ましくは0.8mol/l
〜4.5mol/l、さらに好ましくは1.0mol/l〜4.0mol/
l、特に好ましくは1.2mol/l〜3.8mol/l、最も好ま
しくは1.5mol/l〜3.5mol/lの水溶液である。
【0017】充電終止状態における正極電解液中の5価
のバナジウムイオンの濃度の全バナジウムイオンの濃度
に対する割合は、好ましくは50%〜100%、より好まし
くは60%〜99%、さらに好ましくは65%〜98%、特に好
ましくは70%〜97%、最も好ましくは75%〜96%であ
る。
【0018】本発明の電池は、正極電解液中では、放電
状態で4価/5価のバナジウムイオンの混合又は4価の
バナジウムイオン単独、または4価/3価のバナジウム
イオンの混合状態をとりうるが、好ましくは放電終止状
態における正極電解液中の4価のバナジウムイオンの濃
度が、0.5mol/l〜7.5mol/l、好ましくは0.6mol/l
〜5.5mol/l、より好ましくは0.8mol/l〜4.5mol/
l、さらに好ましくは1.0mol/l〜4.0mol/l、特に好
ましくは1.2mol/l〜3.8mol/l、最も好ましくは1.5m
ol/l〜3.5mol/lの水溶液である。
【0019】放電終止状態における正極電解液中の4価
のバナジウムイオンの濃度の全バナジウムイオンの濃度
に対する割合は、好ましくは50%〜100%、より好まし
くは60%〜99%、さらに好ましくは65%〜98%、特に好
ましくは70%〜97%、最も好ましくは75%〜96%であ
る。
【0020】放電終止状態における正極電解液中の3価
のバナジウムイオンの濃度の全バナジウムイオンの濃度
に対する割合は、好ましくは30%以下、より好ましくは
25%以下、さらに好ましくは20%以下、特に好ましくは
10%以下、最も好ましくは5%以下である。
【0021】本発明の電池は、負極電解液中では、充電
状態で3価/2価のバナジウムイオンの混合又は2価の
バナジウムイオン単独の状態をとりうるが、好ましくは
充電終止状態における負極電解液中の2価のバナジウム
イオンの濃度が、0.5mol/l〜7.5mol/l、好ましくは
0.6mol/l〜5.5mol/l、より好ましくは0.8mol/l〜
4.5mol/lさらに好ましくは1.0mol/l〜4.0mol/l、
特に好ましくは1.2mol/l〜3.8mol/l、最も好ましく
は1.5mol/l〜3.5mol/lの水溶液である。
【0022】充電終止状態における負極電解液中の2価
のバナジウムイオンの濃度の全バナジウムイオンの濃度
に対する割合は、好ましくは50%〜100%、より好まし
くは60%〜99%、さらに好ましくは65%〜98%、特に好
ましくは70%〜97%、最も好ましくは75%〜96%であ
る。
【0023】本発明の電池は、負極電解液中では、放電
状態で3価/2価のバナジウムイオンの混合または3価
のバナジウムイオン単独、または4価/3価のバナジウ
ムイオンの混合状態をとりうるが、好ましくは放電終止
状態における負極電解液中の3価のバナジウムイオンの
濃度が、0.5mol/l〜7.5mol/l、好ましくは0.6mol/
l〜5.5mol/l、より好ましくは0.8mol/l〜4.5mol/
l、さらに好ましくは1.0mol/l〜4.0mol/l、特に好
ましくは1.2mol/l〜3.8mol/l、最も好ましくは1.5m
ol/l〜3.5mol/lの水溶液である。
【0024】放電終止状態における負極電解液中の3価
のバナジウムイオンの濃度の全バナジウムイオンの濃度
に対する割合は、好ましくは50%〜100%、より好まし
くは60%〜99%、さらに好ましくは65%〜98%、特に好
ましくは70%〜97%、最も好ましくは75%〜96%であ
る。
【0025】放電終止状態における負極電解液中の4価
のバナジウムイオンの濃度の全バナジウムイオンの濃度
に対する割合は、好ましくは30%以下、より好ましくは
25%以下、さらに好ましくは20%以下、特に好ましくは
10%以下、最も好ましくは5%以下である。
【0026】
【実施例】以下に好適な実施例について説明する。 実施例1〜6及び比較例1 実施例1〜6はV5+の析出を防止する安定剤として各
種リン酸塩を用いた例を示す。 ・電解液の調製 V4+:2M/SO 2−:4Mのバナジウム電解液に安
定剤(リン酸塩)を溶解させた後、図1に示した装置を
用いてV4+→V5+へと電解酸化を行い、V5+を含
有する安定剤添加電解液を作製した。また、比較例1(R
ef.)として安定剤をいっさい添加しないバナジウム電解
液も同様の方法で調整した。安定剤としてピロリン酸ナ
トリウム、ピロリン酸カリウム、ポリリン酸ナトリウ
ム、トリポリリン酸ナトリウム、ニトリロトリスメチレ
ンホスホン酸、ヘキサメタリン酸ナトリウムを用いた。
【0027】・V5+の静置安定性評価試験方法 以下に評価実験方法について説明する。上記方法におい
て調整した安定剤添加のV5+電解液をそれぞれ10mlサ
ンプル瓶に採取し、35℃、45℃恒温槽内で放置した。析
出物の有無を目視観察し、沈殿の生成開始までの日数を
調べた。
【0028】・結果 結果を表1に示す。これらの安定剤は比較例1と比べ沈
殿生成抑制の効果が見られた。
【0029】
【表1】
【0030】実施例7及び比較例2 実施例7はV5+の析出を防止する安定剤としてヘキサ
メタリン酸ナトリウム(SHMP)を用いた例を示す。
上記実施例1〜6と同様に試験用電解液のバナジウムイ
オン、及び硫酸イオン濃度を:4Mとし、高温温度域で
の安定剤の効果を調べた。
【0031】・電解液の調整 上記実施例1〜6と同様にV4+:2M/SO 2−:4
Mのバナジウム電解液にSHMPを0.6g/l、6.1g/l及
び12g/lの濃度で溶解させた後、図1に示した装置を用
いてV4+→V5+へと電解酸化を行い、V5+を含有
する安定剤添加電解液を作製した。また、比較例2とし
て安定剤をいっさい添加しないバナジウム電解液も同様
の方法で調整した。
【0032】・V5+の静置安定性評価試験方法 以下に評価実験方法について説明する。上記方法におい
て調整した安定剤添加のV5+電解液をそれぞれ10mlサ
ンプル瓶に採取し、35℃、45℃恒温槽内で放置した。析
出物の有無を目視観察し、沈殿の生成開始までの日数を
調べた。また、それぞれの電解液の6日後、14日後の全
バナジウム濃度の測定を行った。
【0033】・結果 結果を表2〜4に示す。添加するSHMPの量としては
0.61g/lという少量添加から沈殿抑制効果が見られ、こ
れはヘキサメタリン酸ナトリウムの平均分子量を(NaPO
36=611.8とした場合、バナジウムのモル濃度(2M)
に対して0.0005倍に相当する。添加量の増加とともにそ
の沈殿抑制効果は上昇する。バナジウムに対して0.005
倍以上のSHMPを添加することでV5+の析出をかな
り抑えられる。
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】実施例8及び比較例3 実施例8はV5+の析出を防止する安定剤としてSHM
Pを用い、実際のバナジウム電池用セルを用いて連続充
放電試験を行った例を示す。試験用電解液のバナジウム
イオン、及び硫酸イオン濃度はV4+:2M/SO42
−:4Mとし、これに安定剤をバナジウムのモル量に対
して0.005倍量添加した。
【0038】・電解液の調整 V4+:2M/SO 2−:4Mのバナジウム電解液にS
HMPを6.1g/lの濃度で溶解させた。また、比較例
3として安定剤をいっさい添加しないバナジウム電解液
(Ref.)も準備した。
【0039】・充放電条件 図1に示した装置を用いて充放電評価を行った。電池セ
ル用のイオン交換膜としてポリスルホン系のアニオン交
換膜、電極として液透過性多孔質炭素電極を用いた。正
極液タンク、及び負極液タンクに上記方法で調整した電
解液を各80ml入れ、セル電圧1.25V〜1.65Vの範囲で連続
充放電を行った。温度は35℃一定にした。
【0040】・試験方法 上記の方法で調整したSHMP添加電解液及び安定剤を
加えない比較電解液(Ref.)を用いて上記条件で連続充
放電を行った。それぞれ正極液中に沈殿物が析出し系内
の圧力上昇が見られた時点で充放電を終了した。それぞ
れの電池性能の比較と連続して充放電可能な最大サイク
ル数の比較を行った。
【0041】・結果 電解液中のバナジウムのモル数に対して0.005倍のSH
MPを添加した電解液を用いて充放電評価を行った結果
は、電池性能的には通常の添加剤を用いない電解液を用
いた充放電結果と比較してほとんど変化はないが、逆に
寿命評価においては比較電解液の約3倍の連続サイクル
寿命を示した。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年8月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】追加
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電池を構成する単一セルの概略説明図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 完二 茨城県稲敷郡阿見町中央8丁目3番1号 鹿島北共同発電株式会社V電池開発室内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液透過性の多孔性炭素電極からなる正極
    と負極が隔膜により分離され、正極と負極中の正極液及
    び負極液の酸化還元反応を行わせて充放電するレドック
    ス電池において、正極液及び負極液中のバナジウム濃度
    が0.5mol/l〜8mol/l、硫酸イオン濃度が0.3mol/l
    〜9mol/lであって、かつ正極液及び負極液中にリン酸
    塩を存在させることを特徴とするレドックス電池。
  2. 【請求項2】 前記リン酸塩をバナジウム1molに対して
    0.0003mol〜0.20molの量存在させる請求項1記載のレド
    ックス電池。
  3. 【請求項3】 前記リン酸塩が縮合リン酸塩である請求
    項1記載のレドックス電池。
  4. 【請求項4】 前記リン酸塩が結晶状縮合リン酸塩又は
    無定形縮合リン酸塩である請求項1記載のレドックス電
    池。
  5. 【請求項5】 前記結晶状縮合リン酸塩が鎖状又は環状
    の縮合リン酸塩である請求項1記載のレドックス電池。
  6. 【請求項6】 前記鎖状の縮合リン酸塩がポリリン酸
    塩、メタリン酸塩、およびウルトラリン酸塩からなる群
    から選ばれる請求項5記載のレドックス電池。
  7. 【請求項7】 前記無定形縮合リン酸塩(ガラス状縮合
    リン酸塩)が長鎖状のポリリン酸塩である請求項4記載
    のレドックス電池。
  8. 【請求項8】 前記長鎖状のガラス状ポリリン酸塩がヘ
    キサメタリン酸ナトリウムある請求項7記載のレドック
    ス電池。
  9. 【請求項9】 充電終止の正極電解液中のV6+/全V
    が50〜100%である請求項1〜8記載のレドックス電
    池。
  10. 【請求項10】 放電終止の負極電解液中のV2+/全
    Vが50〜100%である請求項1〜8記載のレドックス電
    池。
JP10150000A 1998-05-29 1998-05-29 レドックス電池 Pending JPH11339835A (ja)

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JP10150000A JPH11339835A (ja) 1998-05-29 1998-05-29 レドックス電池

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JP10150000A JPH11339835A (ja) 1998-05-29 1998-05-29 レドックス電池

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