JPWO2016104237A1 - レドックスフロー電池 - Google Patents

レドックスフロー電池 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2016104237A1
JPWO2016104237A1 JP2016566134A JP2016566134A JPWO2016104237A1 JP WO2016104237 A1 JPWO2016104237 A1 JP WO2016104237A1 JP 2016566134 A JP2016566134 A JP 2016566134A JP 2016566134 A JP2016566134 A JP 2016566134A JP WO2016104237 A1 JPWO2016104237 A1 JP WO2016104237A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ions
positive electrode
concentration
electrode electrolyte
ion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016566134A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6646896B2 (ja
Inventor
宏一 加來
宏一 加來
遼多 巽
遼多 巽
雍容 董
雍容 董
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Publication of JPWO2016104237A1 publication Critical patent/JPWO2016104237A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6646896B2 publication Critical patent/JP6646896B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/18Regenerative fuel cells, e.g. redox flow batteries or secondary fuel cells
    • H01M8/184Regeneration by electrochemical means
    • H01M8/188Regeneration by electrochemical means by recharging of redox couples containing fluids; Redox flow type batteries
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/18Regenerative fuel cells, e.g. redox flow batteries or secondary fuel cells
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M2300/00Electrolytes
    • H01M2300/0002Aqueous electrolytes
    • H01M2300/0005Acid electrolytes
    • H01M2300/0008Phosphoric acid-based
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M2300/00Electrolytes
    • H01M2300/0002Aqueous electrolytes
    • H01M2300/0005Acid electrolytes
    • H01M2300/0011Sulfuric acid-based
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Sustainable Energy (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

正極電極と負極電極とこれら両電極間に介在される隔膜とを備える電池セルと、前記正極電極に供給する正極電解液と、前記負極電極に供給する負極電解液とを備えるレドックスフロー電池であって、前記正極電解液は、マンガンイオンと、リン含有物とを含有し、前記負極電解液は、チタンイオン、バナジウムイオン、クロムイオン、及び亜鉛イオンから選択される少なくとも一種の金属イオンを含有し、前記リン含有物の濃度が0.001M以上1M以下であるレドックスフロー電池。

Description

本発明は、マンガンイオンを含む正極電解液を用いるレドックスフロー電池に関するものである。特に、正極電解液中におけるマンガン酸化物の析出を抑制できるレドックスフロー電池に関する。
近年、電力不足の深刻化に伴って、世界規模での風力発電や太陽光発電などの自然エネルギーの急速導入や電力系統の安定化(例えば、周波数や電圧の維持など)が課題となっている。この対策技術の一つとして、大容量の蓄電池を設置して、出力変動の平滑化、余剰電力の貯蓄、負荷平準化などを図ることが注目されている。
大容量の蓄電池の一つにレドックスフロー電池(以下、RF電池と呼ぶことがある)がある。RF電池は、(i)メガワット級(MW級)の大容量化が容易である、(ii)長寿命である、(iii)電池の充電状態(SOC:State of Charge)が正確に監視可能である、(iv)電池出力と電池容量とを独立して設計でき、設計の自由度が高い、などの特徴を有しており、電力系統の安定化用途の蓄電池として最適であると期待される。
RF電池は、正極電解液が供給される正極電極と、負極電解液が供給される負極電極と、両極の電極間に介在される隔膜とを備える電池セルを主体とする。代表的には、RF電池と、RF電池に両極の電解液を循環供給するための循環機構とを備えるRF電池システムを構築する。循環機構は、通常、正極電解液を貯留する正極タンクと、負極電解液を貯留する負極タンクと、各極のタンクとRF電池とをそれぞれ接続する配管とを備える。
各極の電解液には、代表的には、酸化還元により価数が変化する金属イオンを活物質として含有する溶液が利用される。正極活物質に鉄(Fe)イオン、負極活物質にクロム(Cr)イオンを用いるFe−Cr系RF電池、両極の活物質にバナジウム(V)イオンを用いるV系RF電池が代表的である(特許文献1参照)。
特許文献1は、正極活物質にマンガン(Mn)イオン、負極活物質にチタン(Ti)イオンなどを用いたMn−Ti系RF電池を開示している。Mn−Ti系RF電池は、従来のV系RF電池よりも高い起電力が得られる、正極活物質の原料が比較的安価である、といった利点を有する。また、特許文献1は、正極電解液にマンガンイオンに加えてチタンイオンを含有することで、マンガン酸化物(MnO)の発生を抑制でき、Mn2+/Mn3+の反応を安定して行えることを開示している。
国際公開第2011/111254号
マンガンイオンを含む溶液を正極電解液に用いるレドックスフロー電池に対して、マンガン酸化物(MnO)の析出をより抑制できることが望まれる。
上述のようにMn−Ti系RF電池では、正極電解液にチタンイオンを加えれば、マンガン酸化物(MnO)の発生を抑制できる。しかし、マンガンイオンに加えてチタンイオンを添加した正極電解液であっても、長期の繰り返しの使用によって、MnOが発生し得る。即ち、MnOが経時的に生じ得る。例えば、正極電解液の充電状態(SOC)が高い状態で待機するなどといった運転を行うと、MnOが経時的に生じる場合がある。エネルギー密度を向上するために正極電解液におけるマンガンイオン濃度を高めた場合には、特にマンガンイオン濃度を0.8M以上、更に1M以上などとした場合には、MnOが更に析出し易くなる。MnOが析出すると、正極活物質が少なくなり、エネルギー密度が低下するなどの電池特性の低下を招く。また、析出したMnOが電極や配管などに付着するなどして、電解液の流通抵抗の増大を招く恐れもある。
本発明は上述の事情を鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、正極電解液中におけるマンガン酸化物の析出を抑制できるレドックスフロー電池を提供することにある。
本発明の一態様に係るレドックスフロー電池は、正極電極と負極電極とこれら両電極間に介在される隔膜とを備える電池セルと、前記正極電極に供給する正極電解液と、前記負極電極に供給する負極電解液とを備える。
前記正極電解液は、マンガンイオンと、リン含有物とを含有する。
前記負極電解液は、チタンイオン、バナジウムイオン、クロムイオン、及び亜鉛イオンから選択される少なくとも一種の金属イオンを含有する。
前記リン含有物の濃度が0.001M以上1M以下である。
上記のレドックスフロー電池は、正極電解液中におけるマンガン酸化物の析出を抑制できる。
実施形態1のレドックスフロー電池を備えるレドックスフロー電池システムの基本構成と、基本的な動作原理とを示す説明図である。
[本発明の実施の形態の説明]
最初に本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1) 本発明の一態様に係るレドックスフロー電池(RF電池)は、正極電極と負極電極とこれら両電極間に介在される隔膜とを備える電池セルと、上記正極電極に供給する正極電解液と、上記負極電極に供給する負極電解液とを備える。
上記正極電解液は、マンガンイオンと、リン含有物とを含有する。
上記負極電解液は、チタンイオン、バナジウムイオン、クロムイオン、及び亜鉛イオンから選択される少なくとも一種の金属イオンを含有する。
上記リン含有物の濃度が0.001M以上1M以下である。
濃度の単位として示すMとは、体積モル濃度、即ちmol/L(モル/リットル)を意味する。以下、濃度について同様である。
上記のRF電池は、正極電解液に特定量のリン含有物を含むことで、マンガン酸化物の析出を抑制できる。
(2) 上記のRF電池の一例として、上記正極電解液が更にチタンイオンを含有する形態が挙げられる。
上記形態は、正極電解液に、マンガン酸化物の析出抑制効果があるリン含有物を特定量含むと共にチタンイオンをも含むことで、マンガン酸化物の析出をより抑制できる。
(3) 上記のRF電池の一例として、上記正極電解液における上記チタンイオンの濃度が5M以下である形態が挙げられる。
上記形態は、正極電解液におけるチタンイオンの濃度が上述の特定の範囲を満たすことで、電解液を酸の水溶液(リン酸や二リン酸などの水溶液を含む)とする場合でも良好に溶解でき、電解液の製造性に優れる。
(4) 上記のRF電池の一例として、上記正極電解液が、更にマグネシウムイオン、アルミニウムイオン、カドミウムイオン、インジウムイオン、錫イオン、アンチモンイオン、イリジウムイオン、金イオン、鉛イオン、及びビスマスイオンから選択される少なくとも一種の添加金属イオンを含有する形態が挙げられる。
上記に列挙した添加金属イオンも、マンガン酸化物の析出抑制効果を有する。上記形態は、正極電解液に、マンガン酸化物の析出抑制効果があるリン含有物を特定量含むと共に添加金属イオンをも含むことで、マンガン酸化物の析出をより抑制できる。正極電解液が、リン含有物に加えて上述のチタンイオンと添加金属イオンとの双方を含む場合には、マンガン酸化物の析出を更に効果的に抑制できる。
(5) 上記のRF電池の一例として、上記添加金属イオンの濃度が0.001M以上1M以下である形態が挙げられる。添加金属イオンを複数種含む場合、合計濃度とする。
上記形態は、正極電解液における添加金属イオンの濃度が上記の特定の範囲を満たすことで、マンガン酸化物の析出を更に抑制できる。
(6) 上記のRF電池の一例として、上記リン含有物がリン酸及び二リン酸の少なくとも一方を含む形態が挙げられる。
上記形態は、1.リン酸や二リン酸が水溶性であるため、電解液を水溶液にできて、電解液の製造性に優れる、2.リン酸や二リン酸が工業的に汎用されている材料であるため利用し易い、3.リン酸や二リン酸が酸性を示すため、導電性を確保し易い電解液ができる、といった効果を奏する。
(7) 上記のRF電池の一例として、上記負極電解液が上記リン含有物及びマンガンイオンの少なくとも一方を含む形態が挙げられる。
上記形態は、両極の電解液の成分が重複するため、(i)充放電に伴って経時的に液移りが生じて両極の電解液の液量にばらつきが生じた場合でも是正し易い、(ii)電解液の製造性に優れる、といった効果を奏する。
(8) 上記のRF電池の一例として、上記正極電解液と上記負極電解液における上記マンガンイオンの濃度、及び上記負極電解液における上記金属イオンの濃度の少なくとも一方が0.3M以上5M以下である形態が挙げられる。負極電解液における上記金属イオン(以下、負極金属イオンと呼ぶことがある)を複数種含む場合、合計濃度とする。
正極電解液に含まれて正極活物質として機能するマンガンイオンの濃度や負極電解液に含まれて負極活物質として機能する負極金属イオンの濃度が上記の特定の範囲を満たす上記形態は、以下の効果を奏する。
(I)価数変化反応を行う金属元素を十分に含み、高いエネルギー密度を有することができる。
(II)電解液を酸の水溶液(リン酸や二リン酸などの水溶液を含む)とする場合でも良好に溶解でき、電解液の製造性に優れる。
負極電解液がマンガンイオンを含む場合に負極のマンガンイオンの濃度が上述の特定の範囲を満たすと、経時的に正極のマンガンイオンが負極に移動しても、逆に負極のマンガンイオンが正極に移動することで、正極活物質が相対的に減少することによる電池容量の減少を回避し易い。また、負極にもマンガンイオンを含む形態は、上述の(7)の形態と同様に、両極の電解液の成分が重複するため、上述の(I),(II)の効果も奏する。
(9) 上記のRF電池の一例として、上記負極電解液がチタンイオンを含む形態が挙げられる。
上記形態は、正極活物質をマンガンイオン、負極活物質をチタンイオンとするMn−Ti系RF電池である。上記形態は、経時的に負極のチタンイオンが正極に移動した場合に正極電解液がチタンイオンを含有することで、マンガン酸化物の析出をより抑制できる。
(10) 上記のRF電池の一例として、上記正極電解液が更に硫酸を含有する形態が挙げられる。
上記形態は、正極電解液を酸性である硫酸系の電解液にでき、酸性度が高い電解液とし易く、導電性を確保し易い。また、上記形態は、リン含有物が特に酸性を示すもの、例えば上述のリン酸や二リン酸であれば、硫酸系の電解液の酸性度を大きく低下させ難いため、導電性をより確保し易い。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るレドックスフロー電池を詳細に説明する。
図1を参照して、実施形態1のRF電池を説明する。図1において正極タンク106内及び負極タンク107内に示すイオンは、各極の電解液中に含むイオン種の一例を示す。図1において正極タンク106内に示すリン酸は、正極電解液中に含むリン含有物の一例を示す。図1において、実線矢印は、充電、破線矢印は、放電を意味する。
・全体構成
RF電池システム10は、RF電池1と、RF電池1に電解液を循環供給する循環機構とを備える。RF電池1は、代表的には、交流/直流変換器200や変電設備210などを介して、発電部300と電力系統や需要家などの負荷400とに接続され、発電部300を電力供給源として充電を行い、負荷400を電力提供対象として放電を行う。発電部300は例えば、太陽光発電機、風力発電機、その他一般の発電所などが挙げられる。
RF電池1は、正極電極104を内蔵する正極セル102と、負極電極105を内蔵する負極セル103と、両電極104,105間に介在されて両セル102,103を分離すると共に所定のイオンを透過する隔膜101とを備える電池セル100を主要構成部材とする。循環機構は、正極電極104に循環供給する正極電解液を貯留する正極タンク106と、負極電極105に循環供給する負極電解液を貯留する負極タンク107と、正極タンク106と電池セル100との間を接続する配管108,110と、負極タンク107と電池セル100との間を接続する配管109,111と、上流側(供給側)の配管108,109に設けられたポンプ112,113とを備える。
RF電池システム10では、正極タンク106から上流側の配管108を介して正極セル102に正極電解液が供給され、正極セル102から下流側(排出側)の配管110を介して正極電解液が正極タンク106に戻される、という正極電解液の循環経路が構築される。
また、RF電池システム10では、負極タンク107から上流側の配管109を介して負極セル103に負極電解液が供給され、負極セル103から下流側(排出側)の配管111を介して負極電解液が負極タンク107に戻される、という負極電解液の循環経路が構築される。
RF電池システム10は、上述の正極電解液の循環経路及び負極電解液の循環経路を利用して、正極セル102(正極電極104)に正極電解液を循環供給すると共に、負極セル103(負極電極105)に負極電解液を循環供給しながら、各極の電解液中の活物質となる金属イオンの価数変化反応に伴って充放電を行う。
RF電池1には、代表的には、複数の電池セル100を備えるセルスタックと呼ばれる形態が利用される。電池セル100には、一面に正極電極104、他面に負極電極105が配置される双極板(図示せず)と、上記双極板の外周に形成された枠体(図示せず)とを備えるセルフレームを用いた構成が代表的である。枠体は、電解液を供給する給液孔及び電解液を排出する排液孔を有しており、複数のセルフレームを積層することで上記給液孔及び上記排液孔は電解液の流路を構成し、この流路に配管108〜111が接続される。セルスタックは、セルフレーム、正極電極104、隔膜101、負極電極105、セルフレーム、…と順に繰り返し積層されて構成される。RF電池1、RF電池システム10の基本構成は、公知の構成を適宜利用できる。
実施形態1のRF電池1は、正極電解液がマンガンイオンを含有し、負極電解液が特定の負極金属イオンを含有する。特に実施形態1のRF電池1では、正極電解液がリン含有物を含むことを特徴の一つとする。以下、電解液を詳細に説明する。
・電解液
・・正極電解液
・・・マンガンイオン
実施形態1のRF電池1及びRF電池システム10(以下、まとめてRF電池1などと呼ぶことがある)に備える正極電解液は、正極活物質としてマンガンイオンを含有する。マンガンイオンは種々の価数をとり得る。代表的には、2価のマンガンイオン(Mn2+)及び3価のマンガンイオン(Mn3+)の少なくとも一方を含む形態が挙げられる。更に、正極電解液は4価のマンガンイオンを含有する場合がある。4価のマンガンイオンは、MnOと考えられる。但し、このMnOは、固体の析出物ではなく、電解液中に溶解したような安定な状態で存在し、放電時、2電子反応(Mn4++2e→Mn2+)によって得られたMn2+を正極活物質として繰り返し使用できて、電池容量の増加に寄与することがある。即ち、4価のマンガンイオンは正極活物質とみなすことができ、固体の析出物であるマンガン酸化物とは別物として取り扱う。正極電解液における4価のマンガンイオンの含有量は、若干量、例えばマンガンイオンの総量(mol)に対して10%以下程度であれば許容する。
正極電解液中のマンガンイオンの濃度(以下、Mn濃度と呼ぶことがある)は、例えば、0.3M以上5M以下が挙げられる。Mn濃度が0.3M以上であれば、大容量の蓄電池として十分なエネルギー密度(例えば、10kWh/m程度)を有することができる。Mn濃度が高いほどエネルギー密度を高められることから、0.5M以上、更に1.0M以上、1.2M以上、1.5M以上とすることができる。実施形態1のRF電池1などでは、正極電解液がリン含有物を特定量含むため、Mn濃度を高めても、特に1M以上とした場合でも、マンガン酸化物といった析出物の析出を良好に抑制でき、マンガンイオンを安定して存在させられる。正極電解液が更にチタンイオンをも含有する場合には、Mn濃度を高めた場合でもマンガン酸化物の析出をより抑制できて好ましい。溶媒に対する溶解度を考慮すると、Mn濃度は、5M以下、更に2M以下が利用し易く、電解液の製造性に優れる。各極の電解液に含まれる各種の金属イオンの濃度、リン含有物の濃度は、例えば、ICP発光分光法やICP質量分析法などを利用することで測定できる。
・・・リン含有物
実施形態1のRF電池1などに備える正極電解液は、マンガンイオンと共に、リン含有物を含有する。このリン含有物は、主要な正極活物質が析出してなるマンガン酸化物の析出を抑制することを主要な機能とする。リン含有物は、リン(P)を含む化合物や混合物などが挙げられる。具体的なリン含有物は、リン酸類、リンを含むキレート剤などが挙げられる。
リン酸類は、無機リン酸、有機リン酸が挙げられる。無機リン酸は、リン酸(HPO、オルトリン酸)、二リン酸(H、ピロリン酸)、三リン酸(H10、トリポリリン酸)、分子量が更に大きいポリリン酸などが挙げられる。リン酸や二リン酸などの無機リン酸は水溶性であるため、リン含有物が無機リン酸である場合には、電解液を酸の水溶液とすることができる。そのため、製造性に優れる上に、導電性を確保し易い電解液とすることができる。有機リン酸は、官能基を制御することで、溶媒に対する溶解性を高めることができるため、電解液の製造性に優れる。リン酸類は、代表的には電解液中にイオンとして存在する。リンを含むキレート剤は、キレート化によって起電力の向上が期待できる。列挙したリン含有物のうち、単一種のものを含有する形態、複数種のものを組み合わせて含有する形態のいずれも利用できる。例えば、リン酸のみ、二リン酸のみ、又はリン酸及び二リン酸の双方を含むことができる。このようなリン含有物を含む正極電解液は、例えば、リン酸類などを添加したり、リン酸塩などを添加したりすることで容易に製造できる。
上述のリン含有物は、後述する試験例に示すように、微量であっても、マンガン酸化物(MnO)といった析出物の析出抑制に効果がある。リン含有物を溶媒に溶解するときに溶解に時間を要する場合があるが、リン含有物の添加量を微量にできることで、リン含有物の溶解時間を短縮でき、電解液の製造性に優れる。ここで、本発明者らは、マンガンイオンを含む電解液の製造にあたり、特にマンガンイオンと硫酸とを含む水溶液とする場合に、Mn濃度が0.5M以上、更に0.8M以上、1M以上の高濃度な液としたり、チタンイオンや添加金属イオンを更に含む液としたりすると、更にリン含有物を添加した際にリン含有物の溶解に時間がかかる、との知見を得た。撹拌装置を適宜利用すると、上記の溶解時間を短縮でき、電解液の製造性に優れる。
正極電解液中のリン含有物の濃度(複数種のものを含む場合には合計濃度)は、0.001M以上1M以下が挙げられる。上記濃度が0.001M以上であれば、マンガン酸化物(MnO)といった析出物の発生を抑制できる。上記濃度が高いほどマンガン酸化物の抑制効果が高い傾向にあり、0.005M以上、更に0.01M以上とすることができる。リン含有物の濃度が高過ぎると、溶解性の低下(特にチタンイオンを含む場合にはチタンイオンの溶解性の低下)、電解液の製造性の低下などを招く。リン含有物の濃度は、0.8M以下、更に0.5M以下とすることで、上述の析出抑制効果を十分に得られながら、溶解時間を短縮でき、電解液の製造性に優れて好ましい。
・・・添加金属イオン
実施形態1のRF電池1などに備える正極電解液は、更に、上述のマンガン酸化物の析出抑制に効果があるイオンを含有することができる。この析出抑制イオンとして、例えば、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン、カドミウムイオン、インジウムイオン、錫イオン、アンチモンイオン、イリジウムイオン、金イオン、鉛イオン、及びビスマスイオンから選択される少なくとも一種の添加金属イオンが挙げられる。添加金属イオンとして列挙した各金属イオンは、以下に例示するように種々の価数をとり得る。その他の価数も有り得る。正極電解液には、上記の添加金属イオンであって、少なくとも一つの価数のイオンが存在する形態とすることができる。同一元素のイオンであって、価数が異なるイオンを含む場合がある。
[1]マグネシウムイオン:1価のマグネシウムイオン、2価のマグネシウムイオン
[2]アルミニウムイオン:1価のアルミニウムイオン、2価のアルミニウムイオン、3価のアルミニウムイオン
[3]カドミウムイオン:1価のカドミウムイオン、2価のカドミウムイオン
[4]インジウムイオン:1価のインジウムイオン、2価のインジウムイオン、3価のインジウムイオン
[5]錫イオン:2価の錫イオン、4価の錫イオン
[6]アンチモンイオン:3価のアンチモンイオン、5価のアンチモンイオン
[7]イリジウムイオン:1価のイリジウムイオン、2価のイリジウムイオン、3価のイリジウムイオン、4価のイリジウムイオン、5価のイリジウムイオン、6価のイリジウムイオン
[8]金イオン:1価の金イオン、2価の金イオン、3価の金イオン、4価の金イオン、5価の金イオン
[9]鉛イオン:2価の鉛イオン、4価の鉛イオン
[10]ビスマスイオン:3価のビスマスイオン、5価のビスマスイオン
添加金属イオンとして列挙した各金属イオンは、微量であっても、上述のリン含有物との添加と相俟って、マンガン酸化物(MnO)といった析出物の析出抑制効果を一層向上できる。添加金属イオンの添加量を微量にできることで、正極電解液における添加金属イオンの含有に伴う正極活物質の割合の低下を抑制し易い。即ち、正極電解液中における正極活物質の割合を高め易く、エネルギー密度を高め易いと期待される。上記列挙した各金属イオンは、主として、マンガン酸化物の析出抑制剤として機能し、正極活物質として実質的に機能しないと考えられるが、イオン種によっては、活物質として機能する場合がある(例えば、鉛イオンなど)。添加金属イオンが正極活物質としても機能する場合、エネルギー密度を更に高められる。添加金属イオンとして列挙した金属イオンのうち、単一種の添加金属イオンを含有する形態、複数種の添加金属イオンを含有する形態のいずれも利用できる。
正極電解液中の添加金属イオンの濃度(複数種の添加金属イオンを含む場合には合計濃度)は、例えば、0.001M以上1M以下が挙げられる。上記濃度が0.001M以上であれば、マンガン酸化物(MnO)といった析出物の発生を効果的に抑制できる。上記濃度が高いほどマンガン酸化物の抑制効果が高いと期待されることから、0.005M以上、更に0.01M以上とすることができる。添加金属イオンの濃度が高過ぎると、正極電解液中における正極活物質の割合の低下を招き、ひいてはエネルギー密度の低下を招く。従って、添加金属イオンの濃度は、0.8M以下、更に0.5M以下が好ましい。
正極電解液中の添加金属イオンの濃度は、未使用である運転前だけでなく、使用途中の任意のときに上記範囲を満たすことが好ましい。ここで、添加金属イオンは、経時的な液移りなどに起因して負極電解液中に混入し得る。即ち、正極電解液中の添加金属イオンの濃度は経時的に変化し、代表的には経時的に減少する傾向にある。正極電解液中の添加金属イオンが経時的に減少した場合でも、上記範囲を満たす程度に添加しておくことで、長期に亘り、高い析出抑制効果を得られる。使用途中に、負極電解液中に混入した添加金属イオンを正極電解液に戻す操作を行うと、高い析出抑制効果を長期に亘り維持できる。
・・・チタンイオン
実施形態1のRF電池1などに備える正極電解液は、更に、チタンイオンを含有することができる。正極電解液中のチタンイオンは、マンガン酸化物の析出抑制剤として機能し、正極活物質として実質的に機能しない。正極電解液がリン含有物に加えてチタンイオンを含有する場合には、マンガン酸化物の析出抑制効果を高められる。正極電解液がリン含有物に加えて、上述の添加金属イオン及びチタンイオンの双方を含有する場合には、後述する試験例に示すように析出抑制効果を飛躍的に高められる。
正極電解液中のチタンイオンは、4価のチタンイオン(主としてTi4+)及び3価のチタンイオンの少なくとも一方として存在する。4価のチタンイオンは、TiO2+などを含む。正極電解液中のチタンイオンの濃度(以下、Ti濃度と呼ぶことがある)は、例えば、5M以下(0を除く)が挙げられる。Ti濃度が5M以下、好ましくは2M以下であれば、例えば、電解液を酸の水溶液とする場合でも良好に溶解でき、電解液の製造性に優れる。正極電解液中のTi濃度は、0.3M以上2M以下程度、更に0.5M以上1.5M以下程度が利用し易いと考えられる。Mn濃度とTi濃度とが等しい形態、異なる形態のいずれも利用できる。後述するように負極電解液がチタンイオンを含有する場合には、正極電解液中のTi濃度は、負極電解液中のチタンイオンの濃度に対応して、0.3M以上、0.5M以上、更に1M以上とすることができる。
・・負極電解液
実施形態1のRF電池1などに備える負極電解液は、負極活物質としてチタンイオン、バナジウムイオン、クロムイオン、及び亜鉛イオンから選択される少なくとも一種の金属イオン(負極金属イオン)を含有する。これらの負極金属イオンはいずれも、正極活物質のマンガンイオンと組み合わせて、高い起電力を有するレドックス対を構成できる。負極金属イオンはいずれも、以下に例示するように種々の価数をとり得る。負極電解液には、上記の負極金属イオンであって、少なくとも一つの価数のイオンが存在する。同一元素のイオンであって、価数が異なるイオンを含む場合がある。負極電解液には、これらの元素がイオンに加えて、固体金属として存在する場合を許容する。負極金属イオンとして列挙した金属イオンのうち、単一種の負極金属イオンを含有する形態、複数種の負極金属イオンを含有する形態のいずれも利用できる。
(w)チタンイオン:3価のチタンイオン、4価のチタンイオン
(x)バナジウムイオン:2価のバナジウムイオン、3価のバナジウムイオン
(y)クロムイオン:2価のクロムイオン、3価のクロムイオン
(z)亜鉛イオン:2価の亜鉛イオン
特に、負極活物質としてチタンイオンを含むMn−Ti系RF電池とすると、(i)1.4V程度の起電力が得られる、(ii)負極電解液から正極電解液にチタンイオンが経時的に移動した場合、このチタンイオンは正極電解液中でマンガン酸化物の析出抑制剤として機能できる、といった効果を奏する。
複数種の負極金属イオンを含有する場合、各負極金属イオンの標準酸化還元電位を考慮した組み合わせとすると、即ち貴な電位のものと卑な電位のものとの組み合わせとすると、負極電解液での負極金属イオンの利用率を高められ、エネルギー密度の向上に寄与できる。例えば、チタンイオンとバナジウムイオンとを含む形態とすることができる。
負極電解液中における負極金属イオンの濃度(複数種の負極金属イオンを含む場合には合計濃度)は、例えば、0.3M以上5M以下が挙げられる。上記濃度が0.3M以上であれば、大容量の蓄電池として十分なエネルギー密度(例えば、10kWh/m程度)を有することができる。上記濃度が高いほどエネルギー密度が高められることから、0.5M以上、更に1.0M以上、1.2M以上、1.5M以上とすることができる。溶媒に対する溶解度を考慮すると、上記濃度は、5M以下、更に2M以下が利用し易く、電解液の製造性に優れる。
負極電解液は、正極電解液と重複する構成成分を含むことができる。即ち、負極電解液は、リン含有物を含んだり、マンガンイオンを含んだり、リン含有物及びマンガンイオンの双方を含んだりすることができる。両極の電解液の構成成分の少なくとも一部が共通することで、両極の電解液量の経時的なばらつきを是正し易かったり、電解液の製造性に優れたりする。負極電解液がリン含有物を含む場合、上述のリン含有物の項で列挙したもののうち、単一種のものを含有する形態、複数種のものを組み合わせて含有する形態のいずれも利用できる。また、両極の電解液に含むリン含有物の種類が等しい形態、少なくとも一部が異なる形態のいずれも利用できる。
・・両極の電解液の成分
マンガン酸化物の析出抑制の効果を一層高めるためには、正極電解液は、マンガンイオンと、リン含有物と、チタンイオンと、添加金属イオンとを含み、負極電解液は、チタンイオンを含むことが好ましい。更に、正極電解液及び負極電解液の双方が、マンガンイオンと、チタンイオンと、リン含有物とを含むと、(α)経時的な活物質の低減による電池容量の減少を回避し易い、(β)液移りによる両極の電解液の液量のばらつきを是正し易い、(γ)対極へのマンガンイオン及びチタンイオンの移動に起因する濃度の変化を防止し易い、(δ)電解液を製造し易い、といった効果を奏する。
両極の電解液中のマンガンイオンの濃度、チタンイオンの濃度、及びリン含有物の濃度は、両極で異なる形態、両極で等しい形態のいずれも利用できる。両極の電解液中におけるマンガンイオンの価数及びチタンイオンの価数は、両極で異なる形態、両極で等しい形態のいずれも利用できる。負極電解液中におけるマンガンイオンの濃度とチタンイオンの濃度とが等しい形態、異なる形態のいずれも利用できる。両極の電解液中のマンガンイオンの濃度が等しく、更に価数も等しく、両極の電解液中のチタンイオンの濃度が等しく、更に価数も等しく、両極の電解液中のリン含有物の濃度が等しいと、電解液の製造性により優れる。
・・電解液の溶媒など
上述の各極の電解液に含有する金属イオンは、いずれも水溶性イオンである。従って、正極電解液及び負極電解液には、溶媒を水とする水溶液を好適に利用できる。特に、原料に硫酸や硫酸塩を用いて電解液を作製して、硫酸を含む水溶液とすると、(Α)各種の金属イオンの安定性の向上、活物質となる金属イオンの反応性の向上、溶解度の向上が得られる場合がある、(Β)マンガンイオンのような電位が高い金属イオンを用いる場合でも副反応が生じ難い(水の電気分解が生じ難い)、(C)イオン伝導度が高く、電池の内部抵抗が小さくなる、(D)塩酸を利用した場合と異なり、塩素ガスが発生しない、(Ε)硫酸塩などと水とを用いて電解液が容易に得られ、製造性に優れる、といった複数の効果が期待できる。上記硫酸や硫酸塩を用いて作製した硫酸の水溶液の電解液は、代表的には、硫酸(HSO)やスルホン酸(R−SOH、Rは置換基)などを含む。電解液を酸溶液とする場合、酸の濃度を高めると、マンガン酸化物といった析出物の発生をある程度抑制できる。電解液には、硫酸や硫酸塩の他、公知の酸(硝酸など)や公知の塩(硝酸塩など)を用いて作製した水溶液を利用できる。
特に、正極電解液は、リン含有物と、とりわけリン酸や二リン酸といった無機リン酸と、硫酸との双方を含む形態とすることができる。この形態では、無機リン酸と硫酸とのいずれもが酸性を示し、酸性の電解液を製造し易い。硫酸の濃度は、1M以上10M以下程度が好ましい。硫酸の濃度が上述のリン含有物の濃度よりも高い場合には、電解液全体の酸濃度を高め易くなる結果、電解液の導電性を良好に確保できる。
・その他の構成部材の材質など
・・電極
正極電極104及び負極電極105の材質は、炭素繊維を主体とするもの、例えば、不織布(カーボンフェルト)やペーパーが挙げられる。カーボンフェルト製の電極を利用すると、(a)電解液に水溶液を用いた場合において充電時に酸素発生電位になっても酸素ガスが発生し難い、(b)表面積が大きい、(c)電解液の流通性に優れる、といった効果を奏する。公知の電極を利用できる。
・・隔膜
隔膜101は、例えば、陽イオン交換膜や陰イオン交換膜といったイオン交換膜が挙げられる。イオン交換膜は、(A)正極活物質のイオンと負極活物質のイオンとの隔離性に優れる、(B)電池セル100内での電荷担体であるHイオンの透過性に優れる、といった効果を奏し、隔膜101に好適に利用できる。公知の隔膜を利用できる。
・効果
実施形態1のRF電池1及びRF電池システム10は、正極電解液を、マンガンイオンを含むと共にリン含有物を特定量含む特定の液組成とすることで、マンガン酸化物の析出を抑制できる。
以下、試験例を挙げて、実施形態1のRF電池1などにおけるマンガン酸化物の析出抑制効果を具体的に説明する。
[試験例1]
実施形態1のRF電池1を備えるRF電池システム10を構築し、正極電解液にマンガンイオンに加えて、リン含有物を添加した効果を調べた。また、さらに、チタンイオンや添加金属イオンを添加した効果についても調べた。
この試験では、いずれの試料も、正極電解液及び負極電解液の双方にマンガンイオンを含む酸の水溶液を用いた。また、いずれの試料も原料には、硫酸マンガン、硫酸を用いた。リン含有物を含む試料については、リン酸又は二リン酸を更に用い、チタンイオンを含む試料については、硫酸チタンを更に用い、添加金属イオンを含む試料については、硫酸ビスマスを更に用いた。
試料として用いた正極電解液の組成を表1に示す。ここで、試料No.1−100,1−1(以下、まとめてグループ1の試料と呼ぶ)は、金属イオンとしてマンガンイオンのみを含有する正極電解液である。試料No.2−100,2−1〜2−4(以下、まとめてグループ2の試料と呼ぶ)は、マンガンイオンに加えてチタンイオンを含有する。試料No.3−100,3−1,3−2(以下、まとめてグループ3の試料と呼ぶ)は、マンガンイオンとチタンイオンに加えて更に添加金属イオンとしてビスマスイオンを含有する。各試料について以下に説明する。
試料No.1−1は、正極電解液として、リン含有物を含むものを用意した。
試料No.1−1は、マンガンイオン濃度が1M、硫酸イオン濃度が4M、リン含有物の濃度が表1に示す濃度(M)となるように、原料を調整した。
試料No.2−1〜2−4は、正極電解液として、リン含有物と共にチタンイオンを含むものを用意した。
試料No.2−1〜2−4は、マンガンイオン濃度が1M、チタンイオン濃度が1M、硫酸イオン濃度が5M、リン含有物の濃度が表1に示す濃度(M)となるように、原料を調整した。
試料No.3−1,3−2は、正極電解液として、リン含有物及びチタンイオンと共に、添加金属イオンとしてビスマスイオンを含むものを用意した。
試料No.3−1,3−2の正極電解液は、マンガンイオン濃度が1M、チタンイオン濃度が1M、硫酸イオン濃度が5.15M、リン含有物の濃度が表1に示す濃度(M)、ビスマスイオン濃度が0.1Mとなるように、原料を調整した。
試料No.1−100は、正極電解液として、マンガンイオンを含むが、リン含有物、チタンイオン、及びビスマスイオンを含まないものを用意した。この正極電解液は、マンガンイオン濃度が1M、硫酸イオン濃度が4Mとなるように、原料を調整した。
試料No.2−100は、正極電解液として、マンガンイオンとチタンイオンとを含み、リン含有物及びビスマスイオンを含まないものを用意した。この正極電解液は、マンガンイオン濃度が1M、チタンイオン濃度が1M、硫酸イオン濃度が5Mとなるように、原料を調整した。
試料No.3−100は、正極電解液として、マンガンイオンとチタンイオンとビスマスイオンとを含み、リン含有物を含まないものを用意した。この正極電解液は、マンガンイオン濃度が1M、チタンイオン濃度が1M、硫酸イオン濃度が5.15M、ビスマスイオン濃度が0.1Mとなるように、原料を調整した。
いずれの試料も、負極電解液は、マンガンイオン(濃度:1M)及びチタンイオン(濃度:1M)を含み、リン含有物及びビスマスイオンの双方を含まないものを用意した。
RF電池システム10に対して、用意した両極の電解液を用いて、以下の条件で充電を行った後、充電した正極電解液を別容器に取り出して保管し、目視にて経時的な観察を行って、析出物(ここではマンガン酸化物)が析出するか否かを確認した。その結果を表1に示す。保管温度は、室温(ここでは25℃)とする、又は恒温室に収納して40℃となるように制御した。析出物の確認は、例えば、配管やタンクなどに透明窓を設けておくことでも容易に行える。配管内などに沈殿物が存在した場合にこの沈殿物を採取して成分分析を行い、マンガン酸化物であれば、析出物(沈殿)が確認できたとした。なお、表1中の析出確認までの時間において、「−」は試験を実施していないことを示す。
電池セルには、カーボンフェルト製の電極(9cm)と、隔膜として陽イオン交換膜とを用いた。この電池セルと、作製した各極の電解液(それぞれ7ml)とを用いて小型セルを作製して充電を行った。充電条件は、315mAの定電流(電流密度が35mA/cmの定電流)とし、マンガンイオンの充電状態(SOC)が50%、70%又は90%となるまで充電を行った。
マンガンイオンの充電状態(SOC、%)は、(充電電気量/1電子反応の理論電気量)×100によって求めた。上記充電電気量、1電子反応の理論電気量は、以下のように表わされる。マンガンイオンの1電子反応は、Mn2+→Mn3++eである。ファラデーの定数は、96,485(A・秒/mol)とする。
充電電気量(A・h)=充電電流(A)×充電時間(h)
1電子反応の理論電気量(A・h)=電解液の体積(L)×マンガンイオンの濃度(mol/L)×ファラデーの定数×1(電子)/3600
Figure 2016104237
表1に示すように、グループ1〜グループ3のいずれの試料グループにおいても、正極電解液にリン含有物を含む試料の方がリン含有物を含まない試料より析出確認までの時間が長くなっており、マンガン酸化物の析出を抑制できることが分かる。たとえば、グループ1の試料においては、マンガンイオンを含有し、リン含有物を含まない正極電解液(試料No.1−100)では室温で充電直後に析出が見られるのに対し、マンガンイオンとリン含有物を含有する正極電解液(試料No.1−1)では充電終了後も10分まで析出が見られない。また、マンガンイオンとチタンイオンを含有するグループ2の正極電解液の試料においては、リン含有物を0.001M以上含有する試料No.2−1〜2−4は、リン含有物を含有しない試料No.2−100に比較して、析出確認までの時間が長くなっており、マンガン酸化物の析出をより抑制できることが分かる。特に、表1に示すように電解液の温度がある程度高い状態では(ここでは40℃)、マンガン酸化物の析出が促進される傾向にある(室温での析出確認までの時間と、40℃での析出確認までの時間とを比較参照)。このような場合にでも、正極電解液がリン含有物を含有することにより析出確認までの時間を長くできること、即ち、マンガン酸化物の析出を抑制できることが分かる(試料No.2−100とNo.2−1とを比較参照)。また、表1に示すように、リン含有物の濃度が高くなると、マンガン酸化物の析出をより抑制し易いことが分かる(試料No.2−1〜2−4を比較参照)。
また、マンガンイオンに、更にチタンイオンを含有するグループ2の正極電解液の試料(試料No.2−100、2−1〜2−4)では、チタンイオンを含有しないグループ1の試料(試料No.1−100、1−1)に比べて室温における析出確認までの時間が長くなっている。即ち、マンガン酸化物の析出をさらに抑制し易いことが分かる。
更に、表1に示すように、マンガンイオンとチタンイオンを含有する正極電解液に添加金属イオンを含有すると(グループ3の試料)、マンガン酸化物の析出抑制効果を飛躍的に高められることが分かる。この試験では、正極電解液に析出抑制剤としてチタンイオンのみを含有する試料No.2−100に比較して、添加金属イオン(ここではビスマスイオン)をも含有する試料No.3−100は、電解液の温度がある程度高い場合であっても(ここでは40℃)、試料No.2−100に比較して、析出確認までの時間を10倍以上、更には100倍以上も延ばせることが分かる。
特に、表1に示すように、マンガンイオンを含有する正極電解液にチタンイオンに加えて、リン含有物及び添加金属イオンの双方を含有すると、マンガン酸化物の析出抑制効果を更に高められることが分かる(試料No.3−100と試料No.3−1,3−2とを比較参照)。この試験では、リン含有物及び添加金属イオンを含有する試料No.3−1,3−2は、リン含有物及び添加金属イオンの双方を含有しない試料No.2−100に比較して、室温での析出確認までの時間を30倍以上も延長できることが分かる。更に試料No.3−1,3−2は、電解液の温度がある程度高い場合であっても(ここでは40℃)、リン含有物を含有しない試料No.3−100に比較して、析出までの時間を2倍程度以上も延長できることが分かる。
その他、表1に示すようにリン含有物の濃度は、1M以下、更に0.5M以下、0.3M以下といった微量であっても、マンガン酸化物の析出を十分に抑制できることが分かる。また、リン含有物の濃度が0.01M以上、更に0.1M以上であると、マンガン酸化物の析出を効果的に抑制できることが分かる。
本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、試験例1では、正極電解液及び負極電解液の双方にマンガンイオンを含む場合を示したが、以下のように変更しても本発明の効果を得ることができる。
1.負極電解液にマンガンイオンを含まない。
2.添加金属イオンをビスマスイオンに代えて又はビスマスイオンに加えて、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン、カドミウムイオン、インジウムイオン、錫イオン、アンチモンイオン、イリジウムイオン、金イオン、及び鉛イオンから選択される少なくとも1種を含む。
3.負極電解液にリン含有物及び添加金属イオンの少なくとも一方を含む。
4.各金属イオンの濃度、溶媒に用いる酸の種類(例えば、硫酸に代えて硝酸にするなど)や酸の濃度、電極の材質、電極の大きさ、及び隔膜の材質の少なくとも一つを変更する。
本発明のレドックスフロー電池は、太陽光発電、風力発電などの自然エネルギーの発電に対して、発電出力の変動の安定化、発電電力の余剰時の蓄電、負荷平準化などを目的とした大容量の蓄電池に利用できる。また、本発明のレドックスフロー電池は、一般的な発電所に併設されて、瞬低・停電対策や負荷平準化を目的とした大容量の蓄電池としても好適に利用できる。
1 レドックスフロー電池(RF電池)
10 レドックスフロー電池システム(RF電池システム)
100 電池セル 101 隔膜 102 正極セル 103 負極セル
104 正極電極 105 負極電極
106 正極タンク 107 負極タンク
108,109,110,111 配管 112,113 ポンプ
200 交流/直流変換器 210 変電設備 300 発電部 400 負荷

Claims (10)

  1. 正極電極と負極電極とこれら両電極間に介在される隔膜とを備える電池セルと、前記正極電極に供給する正極電解液と、前記負極電極に供給する負極電解液とを備えるレドックスフロー電池であって、
    前記正極電解液は、マンガンイオンと、リン含有物とを含有し、
    前記負極電解液は、チタンイオン、バナジウムイオン、クロムイオン、及び亜鉛イオンから選択される少なくとも一種の金属イオンを含有し、
    前記リン含有物の濃度が0.001M以上1M以下であるレドックスフロー電池。
  2. 前記正極電解液は、更にチタンイオンを含有する請求項1に記載のレドックスフロー電池。
  3. 前記正極電解液における前記チタンイオンの濃度は、5M以下である請求項2に記載のレドックスフロー電池。
  4. 前記正極電解液は、更にマグネシウムイオン、アルミニウムイオン、カドミウムイオン、インジウムイオン、錫イオン、アンチモンイオン、イリジウムイオン、金イオン、鉛イオン、及びビスマスイオンから選択される少なくとも一種の添加金属イオンを含有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のレドックスフロー電池。
  5. 前記正極電解液における前記添加金属イオンの濃度は、0.001M以上1M以下である請求項4に記載のレドックスフロー電池。
  6. 前記リン含有物は、リン酸及び二リン酸の少なくとも一方を含む請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のレドックスフロー電池。
  7. 前記負極電解液は、前記リン含有物及びマンガンイオンの少なくとも一方を含む請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のレドックスフロー電池。
  8. 前記正極電解液と前記負極電解液における前記マンガンイオンの濃度、及び前記負極電解液における前記金属イオンの濃度の少なくとも一方は、0.3M以上5M以下である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のレドックスフロー電池。
  9. 前記負極電解液は、チタンイオンを含む請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のレドックスフロー電池。
  10. 前記正極電解液は、更に硫酸を含有する請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のレドックスフロー電池。
JP2016566134A 2014-12-22 2015-12-15 レドックスフロー電池 Active JP6646896B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014259318 2014-12-22
JP2014259318 2014-12-22
PCT/JP2015/085017 WO2016104237A1 (ja) 2014-12-22 2015-12-15 レドックスフロー電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2016104237A1 true JPWO2016104237A1 (ja) 2017-09-28
JP6646896B2 JP6646896B2 (ja) 2020-02-14

Family

ID=56150262

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016566134A Active JP6646896B2 (ja) 2014-12-22 2015-12-15 レドックスフロー電池

Country Status (8)

Country Link
US (1) US10615441B2 (ja)
EP (1) EP3240084B1 (ja)
JP (1) JP6646896B2 (ja)
KR (1) KR20170099888A (ja)
CN (1) CN107112569B (ja)
AU (1) AU2015368865B2 (ja)
TW (1) TWI716373B (ja)
WO (1) WO2016104237A1 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20210280899A1 (en) * 2018-06-14 2021-09-09 Research Foundation Of City University Of New York A high-voltage ion-mediated flow/flow-assist manganese dioxide-zinc battery
CN111200151A (zh) * 2018-11-19 2020-05-26 大连融科储能技术发展有限公司 一种用于降低电池材料沉积的全钒液流电池电解液及其制备方法
GB201902695D0 (en) * 2019-02-28 2019-04-17 Imperial Innovations Ltd Redox flow cell
CN110649304A (zh) * 2019-09-25 2020-01-03 何国珍 锡-碘酸可充电电池
FR3102614B1 (fr) * 2019-10-24 2023-05-05 Arkema France Composition electrolytique a base d’acide sulfonique comprenant un additif phosphore
US20220190364A1 (en) * 2020-12-11 2022-06-16 Raytheon Technologies Corporation Redox flow battery with improved efficiency
US11664518B2 (en) * 2021-05-21 2023-05-30 Raytheon Technologies Corporation Alkaline manganese redox flow battery with inhibitor
WO2023149224A1 (ja) * 2022-02-01 2023-08-10 国立研究開発法人産業技術総合研究所 レドックスフロー電池用電解液の再生方法及びレドックスフロー電池の運転方法
US11502323B1 (en) 2022-05-09 2022-11-15 Rahul S Nana Reverse electrodialysis cell and methods of use thereof
US11502322B1 (en) 2022-05-09 2022-11-15 Rahul S Nana Reverse electrodialysis cell with heat pump
US11855324B1 (en) 2022-11-15 2023-12-26 Rahul S. Nana Reverse electrodialysis or pressure-retarded osmosis cell with heat pump

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS579073A (en) * 1980-06-17 1982-01-18 Agency Of Ind Science & Technol Bedox battery
JPH11339835A (ja) * 1998-05-29 1999-12-10 Kashimakita Kyodo Hatsuden Kk レドックス電池
WO2011111254A1 (ja) * 2010-03-12 2011-09-15 住友電気工業株式会社 レドックスフロー電池
WO2015019972A1 (ja) * 2013-08-07 2015-02-12 住友電気工業株式会社 レドックスフロー電池

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4362791A (en) 1980-06-17 1982-12-07 Agency Of Industrial Science & Technology Redox battery
WO2011111717A1 (ja) * 2010-03-12 2011-09-15 住友電気工業株式会社 レドックスフロー電池
CN103620845B (zh) * 2011-06-27 2016-10-05 住友电气工业株式会社 氧化还原液流电池
KR101968639B1 (ko) * 2012-01-31 2019-04-12 삼성전자주식회사 유기 전해액 및 이를 포함하는 레독스 플로우 전지
KR102014986B1 (ko) * 2012-10-04 2019-08-27 삼성전자주식회사 유기 전해액 및 이를 포함하는 레독스 플로우 전지
WO2014125331A1 (en) * 2013-02-14 2014-08-21 Hydraredox Technologies Inc. ALL-VANADIUM REDOX FLOW BATTERY SYSTEM EMPLOYING A V+4/V+5 REDOX COUPLE AND AN ANCILLARY Ce+3/Ce+4 REDOX COUPLE IN THE POSITIVE ELECTROLYTE SOLUTION

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS579073A (en) * 1980-06-17 1982-01-18 Agency Of Ind Science & Technol Bedox battery
JPH11339835A (ja) * 1998-05-29 1999-12-10 Kashimakita Kyodo Hatsuden Kk レドックス電池
WO2011111254A1 (ja) * 2010-03-12 2011-09-15 住友電気工業株式会社 レドックスフロー電池
WO2015019972A1 (ja) * 2013-08-07 2015-02-12 住友電気工業株式会社 レドックスフロー電池

Also Published As

Publication number Publication date
EP3240084A4 (en) 2017-11-01
TW201630242A (zh) 2016-08-16
EP3240084A1 (en) 2017-11-01
AU2015368865A1 (en) 2017-06-29
US10615441B2 (en) 2020-04-07
CN107112569B (zh) 2021-06-15
TWI716373B (zh) 2021-01-21
CN107112569A (zh) 2017-08-29
US20180269513A1 (en) 2018-09-20
EP3240084B1 (en) 2018-11-28
WO2016104237A1 (ja) 2016-06-30
AU2015368865B2 (en) 2020-08-27
JP6646896B2 (ja) 2020-02-14
KR20170099888A (ko) 2017-09-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2016104237A1 (ja) レドックスフロー電池
JP6390810B2 (ja) レドックスフロー電池
JP6365883B2 (ja) レドックスフロー電池用電解液
JP4835792B2 (ja) レドックスフロー電池
WO2011111717A1 (ja) レドックスフロー電池
JP5712688B2 (ja) レドックスフロー電池
WO2015019973A1 (ja) レドックスフロー電池
JP2012079678A (ja) レドックスフロー電池
JP2011210696A (ja) レドックスフロー電池
JP6719728B2 (ja) 電解液、電解槽用電解液、及び電解槽システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180621

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190607

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190726

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191213

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191226

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6646896

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250