JP6597678B2 - 負極用電解液及びフロー電池 - Google Patents
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Description
電解液を流通させて充放電するフロー電池の負極に用いられる負極用電解液であって、
チタンイオンと、キレート剤と、カテコール構造を有するカテコール系化合物と、を含むものである。
上述した負極用電解液を流動させて負極集電体に接触させる送液部、を備えたものである。
本開示のフロー電池は、上述したいずれかの負極用電解液を流動させて負極集電体に接触させる送液部を備えたものである。この負極用電解液は、それ自体が酸化還元可能であるため、アノライトとして利用することができる。このフロー電池は、負極用電解液がチタンイオンとキレート剤とカテコール系化合物とを含む錯体をメディエータとして含むメディエータ含有電解液であるものとし、負極用電解液が流通する流路内に固体活物質が共存しているものとしてもよい。また、この負極用電解液は、固体活物質の酸化還元電位よりも低い低電位側酸化還元電位と固体活物質の酸化還元電位よりも高い高電位側酸化還元電位とを有することが好ましい。このフロー電池は、ケースと、ケースの内部を正極室と負極室とに分離するセパレータと、負極室に配設された負極集電体と、負極用電解液が流動する経路に配設され固体活物質を収容した収容部とを備えたものとしてもよい。このフロー電池において、正極は、正極活物質溶液(カソライト)が流通する構成としてもよいし、固体の正極活物質とメディエータ含有電解液を流通させる構成とを併用する構成としてもよいし、正極活物質を備え電解液が流通しない構成としてもよい。以下には、正極と負極とが、固体活物質とメディエータを含むメディエータ含有電解液とを利用したフロー電池について主として説明する。
正極で用いる固体活物質は、水系電解液中で充放電可能な電圧域にあるものであれば、特に限定されるものではない。例えば、リン酸鉄リチウム(LiFePO4)、リン酸バナジウムナトリウム(Na3V2(PO4)3)、リチウムマンガネート(LiMn2O4)などの無機系の活物質を好適に用いることができる。このうち、リン酸鉄リチウムやリン酸バナジウムナトリウムがより好適である。固体活物質としては、無機系活物質に限らず、キノン系やポリアニリンなどの導電性高分子など水に不溶か難溶な有機系活物質としてもよい。この固体活物質の形状は限定されるものではなく、メディエータとの接触面積を多くできるものとして、粒子状や繊維状、シート状、多孔質状などとすることができる。例えば、粒子状とする場合には、10mm〜0.1mmのサイズとしてもよい。粒子状の固体活物質は、例えば、固体活物質と結着材とを混練し塊状にしたものを、粉砕したものとしてもよい。結着材としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、或いはポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、エチレン−プロピレン−ジエンマー(EPDM)、スルホン化EPDM、天然ブチルゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリロニトリル(PAN)等を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。固体活物質と結着材との比率は、例えば、質量比で99:1〜90:10の範囲などとしてもよい。また、固体活物質としては、例えば、その表面をカーボン被覆したものを用いてもよい。カーボン被覆によって、固体活物質成分の電解液への溶解が防止でき、劣化防止の効果が期待される。カーボン被覆の方法は、例えば、固体活物質の表面を炭素源となる物質で被覆し、その後、不活性雰囲気下で焼成してもよい。炭素源としては、有機化合物としてもよく、例えば、スクロースのような糖化合物としてもよい。不活性雰囲気としては、アルゴン雰囲気や窒素雰囲気などが挙げられる。
この負極は、負極室には負極集電体が配設され、収容部に固体活物質を収容しており、送液部が上記負極用電解液をメディエータ含有電解液として負極室と収容部との間を送液するものとしてもよい。固体活物質は、例えば、LTPやNTPを用いることができる。負極集電体としては、例えば、上述した正極のものを利用することができる。また、負極の送液部は、正極の送液部と同様の構成としてもよい。
[実験例1]
1Mの硫酸チタン水溶液に水酸化リチウムで中和した1Mの1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン−N,N,N’,N’−四酢酸(DPTA(DPTALi))水溶液を1モル当量加えた。その後、水酸化リチウムで中和した1Mの4,5−ジヒドロキシ−1,3−ベンゼンジスルホン酸(DHBDS(DHBDSLi))水溶液を1モル当量加え、負極用電解液(メディエータ含有電解液)である実験例1の濃褐色のTiDDLi(1:1:1)を得た。この電解液では、水酸化リチウムにて徐々に中和し、pH=8の弱アルカリ性まで調整しても沈殿は発生しなかった。
この実験例1の電解液をpHを7.09に調整し、サイクリックボルタンメトリー(CV)を評価した。CV評価は、作用極を白金、対極を白金、参照極を銀塩化銀電極とし、窒素雰囲気下、掃引速度20mV/秒の条件で行った。また、負極活物質であるリン酸チタンリチウム(LiTi2(PO4)3、LTP)のCV評価も行った。LTPのCV評価では、LTPを80質量部、導電材としてケッチェンブラックを10質量部、結着材としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を10質量部、秤量し、混練したものを5mgとり、ステンレスメッシュに挟み込んだ電極を用い評価した。その他の条件は実験例1のCV評価と同じとした。図3は、実験例1の電解液及び固体活物質(LTP)のCV測定結果である。この電解液では、中性域で沈殿は発生せず、LTPの酸化還元電位を挟む形で複数の酸化還元電位が観察された(図3の矢印参照)。このため、負極活物質溶液(アノライト)として、また固体活物質を共存させた場合のメディエータとして使用できることがわかった。
フロー電池評価用のアノライトは、以下のように調整した。30質量%の硫酸チタン水溶液10gに、1Mの水酸化リチウムで中和したDPTA(DPTALi)を12.5mL(1モル当量)加え溶解した。その後、水酸化リチウムで中和したDHBDS(DHBDSLi)を3.75g(1モル当量)加え、濃褐色のTiDDLi(1:1:1)を得た。水酸化リチウムにて中和後、1.25Mの硫酸リチウム水溶液を加え、50mLに希釈し、pH=4.12、濃度0.25MのTiDDLi(1:1:1)の褐色液体を得た。このTiDDLi液15mLに、pH=5.57に調整した2M−HEPES(4-(2-hydroxyethyl)-1-piperazineethanesulfonic acid)をバッファとして1mL加え、pH=4.80に調整したものを、フロー電池用負極活物質溶液(アノライト)として用いた。正極液(カソライト)にはポリオキシメタレート(POM)であるケイバナドモリブデン酸(10質量%)のpH=5.40、1.25M硫酸リチウム液を用いた。正極固体活物質には、リン酸鉄リチウム(LFP)を用いた。イオン交換膜(隔膜)にはナフィオン(登録商標)膜を用いた。図1に示すフロー電池を以下のように組み立てた。まず、ケース内に、イオン交換膜と、イオン交換膜を介して対向する正極集電体及び負極集電体とを配設した。正極集電体及び負極集電体としてはいずれも厚さ3mm、4cm2のカーボンフェルトを用いた。次に、正極側のリザーバ容器内に、上述したLFPを1.5g及びカソライト15mLを投入し、負極側のリザーバ容器内に顆粒状のLTP固体活物質(LTP85質量%、ケッチェンブラック10質量%、PTFE結着材5質量%)を1g、及び実験例1のアノライト15mLを投入した。なお、各リザーバ容器には、あらかじめ、固体活物質粒子の流出を防止するフィルタを配設し、固体活物質粒子がフロー電池内を流動しないように構成した。このように、アノライト、カソライトを流しながら充放電を行うことができるフロー電池を構成した(図1参照)。充放電の最初において、アノライトの流路内に設けたリザーバ内に収容したLTPにアノライト液を流通させ評価を行った。所定サイクル評価後、LTPをリザーバ内より取り出し、アノライト液のみを循環する方法で評価を行った。図4は、LTPを添加しアノライトをLTPに流通させて行ったアノライトの充放電曲線(LTP添加)と、LTPを取り出しアノライトのみを流通させて行ったアノライトの充放電曲線(LTP無添加)である。また、図5は、LTP添加時のフロー電池特性の評価結果である。図4に示すように、LTP無添加では、−0.6Vと−0.8V(Ag/AgCl基準)付近に、図3のCV波形に対応した2段のプラトーが現れており、アノライトとして機能することが分かった。また、実験例1のアノライトにLTPを添加することにより、容量が大幅に増加しており、負極活物質溶液の流路内に固体活物質を共存させるフロー電池用のメディエータ含有電解液として良好に機能することがわかった。図5に示すように、繰り返し充放電時の充放電曲線及びアノライトのpH変化を見ると、pH変動があってもフロー電池として機能していることがわかった。
カテコール類であるDHBDSを用いずに、硫酸チタンとキレート剤のDPTAOHとを当量加えたTiDPTA溶液を作製し、これを実験例2の電解液とした。また、キレート剤を用いずに、硫酸チタンに対し、Liで中和したDHBDSを3倍当量加えた溶液(TiDHBDSLi)を作製し、これを実験例3の電解液とした。実験例2のTiDPTA液をpH調整したところ、pH=0.4以上になると白濁し、更に中和すると沈殿し固化してしまった。このように沈殿が多量発生するため、実験例2では、フロー電池用アノライトとしては使用できないことが分かった。実験例3のTiDHBDSLi液は、沈殿の発生はなく、褐色液となった。実験例3のTiDHBDSLiのCVを評価した。図6は、実験例3の電解液のCV測定結果である。実験例3のTiDHBDSLi液は、アルカリ領域まで沈殿は起こらないものの、実験例1で見られた、−0.9V付近には明瞭な還元ピークがみられず水素発生に対応する電流の急激な増大が起きているのみであった。このことから、実験例3の電解液では、水素発生なしに還元(充電)できないことがわかった。さらに、実験例3の電解液では、固体活物質の酸化還元電位から離れた、しかも、還元側にのみ酸化還元電位が存在することから、固体活物質と共存させ容量増加を行うには不適格であることがわかった。
実験例1のLi塩に代えてNa塩を用いて作製したメディエータ含有電解液を実験例4とした(TiDDNa)。この実験例4の電解液では、水酸化ナトリウムによりpH=8の弱アルカリ性まで徐々に中和しても沈殿は発生しなかった。この実験例4の電解液をpH=7.03に調整し、CV評価を行った。図7は、実験例4のメディエータ含有電解液及び固体活物質(リン酸チタン酸ナトリウム:NTP)のCV測定結果である。その結果、Li塩からNa塩に変更しても、弱酸性から弱アルカリ性域まで沈殿することなく良好な酸化還元電位を示すことがわかった。また、実験例4では、NTPの酸化還元電位を挟む形で複数の酸化還元電位が観察された(図7の矢印参照)。このため、実験例4は、負極液(アノライト)として、また固体活物質を共存させた場合のメディエータ含有電解液として使用できることがわかった。
また、実験例1と同様な操作により、実験例4のメディエータ含有電解液を用いたフロー電池の評価を行った。このフロー電池では、LTPの代わりにNTP固体活物質を用い、正極固体活物質は用いずにカソライトに0.5M−DHBDSNaの1.5M硫酸ナトリウム水溶液を用いた。充放電の最初において、アノライトの流路内に設けたリザーバ内に固体活物質を入れず、アノライト液のみを循環させ、その後、リザーバ内に顆粒状のNTP固体活物質1gを添加し、固体活物質にアノライト液を循環させ、評価を行った。それ以外は、実験例1と同様である。図8は、実験例4のフロー電池の充放電曲線である。図9は、実験例4のNTP添加前後のフロー電池特性の評価結果である。図8、9に示すように、実験例4のフロー電池では、CV波形に応じたプラトーが観察され、アノライトとして機能することがわかった。また、NTP添加により容量が大きな充放電特性を示すことから、実験例4のアノライトは、負極活物質溶液の流路内に固体活物質を共存させるフロー電池用のメディエータとして良好に機能することがわかった。
Ti/DPTA/DHBDSの当量比を、1:1:0.5、1:1:0.25、1:0.5:1、1:0.5:2とした液を調整し、それぞれを実験例5〜8のメディエータ含有電解液とした。この実験例5〜8の電解液に対し、水酸化リチリウムでpHを調整後、CV評価を行った。図10は、実験例5、6のメディエータ含有電解液のCV測定結果である。図11は、実験例7、8のメディエータ含有電解液のCV測定結果である。DHBDSの当量比を0.25と減じても中性域で沈殿は発生せず、複数の酸化還元電位が観察されアノライトとして使用できることがわかった。また、DPTAの当量比を0.5としTiに比して減じても、中性域で沈殿は発生せず、複数の酸化還元電位が観察されアノライトとして使用できることがわかった。また、固体活物質を共存させた場合のメディエータとして使用できることがわかった。例えば、DHBDSはTiの1〜2倍の当量比としても良好に機能することがわかった。
DPTAの代わりに EDTAOHを用い、実験例1と同様な操作により1:1:1の当量比で作製したメディエータ含有電解液を実験例9とした。また、DPTAの代わりにEDTAを用い、リチウムの代わりにナトリウムを用い、実験例1と同様な操作により1:1:1の当量比としたメディエータ含有電解液を実験例10とした。実験例9,10のいずれも、中和時に沈殿は発生しなかった。図12は、実験例9、10のメディエータ含有電解液のCV測定結果である。図12に示すように、両者とも中性域で複数の酸化還元電位を示しており、カルボキシル基が分子内に3つ以上あるキレート剤がフロー電池のメディエータの構成物質として使用できることがわかった。
カテコール類を用いずに、硫酸TiとEDTAOHとを当量混ぜ、リチウム塩を用いて作製した電解液を実験例11とした。また、カテコール類を用いずに、硫酸TiとEDTAとを当量混ぜ、ナトリウム塩を用いて作製した電解液を実験例12とした。これらの電解液を、それぞれ水酸化リチウム、水酸化ナトリウムで中和したところ、pH=0.4以上で白濁し、アノライトとして用いることができないことが分かった。
DHBDSの代わりにピロカテコール(PyC)を用いた以外は実験例1と同様に作製したメディエータ含有電解液を実験例13とした。また、DHBDSの代わりにピロガロール(PyG)を用いた以外は実験例1と同様に作製したメディエータ含有電解液を実験例14とした。いずれの電解液についても、pH=9まで中和しても沈殿は発生しなかった。図13は、実験例13、14のメディエータ含有電解液のCV測定結果である。図13に示すように、両者とも複数の酸化還元電位が観察され、アノライトとして、また、固体活物質共存させた場合のメディエータとして使用できることがわかった。
キレート剤を用いず、カテコール類としてPyCを用い、Tiと3倍当量のカテコール溶液を調整し、水酸化リチウムでアルカリ域まで中和した電解液を実験例15(TiPyC3)とした。また、キレート剤を用いず、カテコール類としてPyGを用い、Tiと3倍当量のカテコール溶液を調整し、水酸化リチウムでアルカリ域まで中和した電解液を実験例16(TiPyG3)とした。図14は、実験例15、16の電解液のCV測定結果である。実験例15、16の電解液は、中和によって沈殿は発生しないものの、実験例3と同様であり、−0.9V近傍には明瞭な還元ピークがみられず、電流の急激な増大が起きているのみであることから、水素発生なしに還元(充電)できないことがわかった。固体活物質の酸化還元電位から離れた、しかも、還元側にのみ酸化還元電位が存在することから、メディエータに用いるには不適格であることがわかった。
Claims (13)
- 電解液を流通させて充放電するフロー電池の負極に用いられる負極用電解液であって、
チタンイオンと、キレート剤と、カテコール構造を有するカテコール系化合物と、を含み、
前記カテコール系化合物は、ピロカテコール、ピロガロール、4,5−ジヒドロキシ−1,3−ベンゼンジスルホン酸及びこれらの誘導体のうち1以上を含み、
前記キレート剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン四酢酸(DPTA)およびこれらの誘導体のうち1以上を含む、負極用電解液。 - 前記カテコール系化合物は、ピロカテコール及び、置換基として水酸基、スルホ基及びカルボキシ基のうち1以上を有するカテコール誘導体のうち1以上を含む、請求項1に記載の負極用電解液。
- 前記キレート剤は、ジアミン構造を有し、分子内に3以上のカルボキシ基を有する化合物である、請求項1又は2に記載の負極用電解液。
- 前記キレート剤は、置換基を有してもよい炭素数2以上5以下の炭素鎖を含む前記ジアミン構造を有し該ジアミン構造の窒素に前記カルボキシ基が結合した化合物である、請求項3に記載の負極用電解液。
- 前記キレート剤は、前記チタンイオンに対して1.5モル当量以下の範囲で含まれている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の負極用電解液。
- 前記カテコール系化合物は、前記チタンイオンに対して1.5モル当量以下の範囲で含まれている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の負極用電解液。
- 前記負極用電解液は、pHが3以上9以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の負極用電解液。
- 前記カテコール系化合物は、アルカリ金属塩であり、
前記キレート剤は、アルカリ金属塩である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の負極用電解液。 - 請求項1〜8のいずれか1項に記載の負極用電解液を流動させて負極集電体に接触させる送液部、を備えた、フロー電池。
- 前記負極用電解液が流通する流路内に固体活物質が共存しており、
前記負極用電解液は、前記チタンイオンと前記キレート剤と前記カテコール系化合物とを含む錯体をメディエータとして含むメディエータ含有電解液である、請求項9に記載のフロー電池。 - 前記負極用電解液は、前記固体活物質の酸化還元電位よりも低い低電位側酸化還元電位と前記固体活物質の酸化還元電位よりも高い高電位側酸化還元電位とを有する、請求項10に記載のフロー電池。
- 請求項9〜11のいずれか1項に記載のフロー電池であって、
ケースと、
前記ケースの内部を正極室と負極室とに分離するセパレータと、
前記負極室に配設された前記負極集電体と、
前記負極用電解液が流動する経路配設され固体活物質を収容した収容部と、
を備えたフロー電池。 - 前記固体活物質は、リン酸チタン酸リチウム及びリン酸チタン酸ナトリウムのうち1以上を含む、請求項10〜12のいずれか1項に記載のフロー電池。
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