JPH11325161A - 防振装置 - Google Patents

防振装置

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Publication number
JPH11325161A
JPH11325161A JP13533498A JP13533498A JPH11325161A JP H11325161 A JPH11325161 A JP H11325161A JP 13533498 A JP13533498 A JP 13533498A JP 13533498 A JP13533498 A JP 13533498A JP H11325161 A JPH11325161 A JP H11325161A
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JP
Japan
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vibration
orifice
liquid chamber
sub
frequency
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Pending
Application number
JP13533498A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kojima
宏 小島
Katsumi Someya
勝己 染谷
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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Publication of JPH11325161A publication Critical patent/JPH11325161A/ja
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  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 広範囲な周波数の振動を低減可能とする。 【解決手段】 弾性体18が加硫接着される上部支持円
筒16の内側に仕切部材28が配置され、仕切部材28
と弾性体18とで区画された空間が主液室30を構成す
る。ロウアイドルオリフィス64及びこもり用オリフィ
ス62を介して主液室30と第1の副液室48とが連通
され、ハイアイドルオリフィス60を介して主液室30
と第2の副液室56とが連通される。仕切部材28内に
モータ70に連結されるロータ36が回転可能に挿入さ
れ、ハイアイドルオリフィス60及びこもり用オリフィ
ス62を切り換える。また、ロウアイドルオリフィス6
4が2次のアイドル振動を吸収し、ハイアイドルオリフ
ィス60が4次のアイドル振動を吸収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動を発生する部
材からの振動の伝達を防止する防振装置に関し、例えば
車両に搭載されるエンジンからの振動の伝達を防止する
場合等に適用可能なものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、振動発生部となる車両のエンジ
ンと振動受部となる車体との間にエンジンマウントとし
ての防振装置が配設されていて、エンジンが発生する振
動をこの防振装置が吸収し、振動が車体側に伝達される
のを阻止するような構造が知られている。
【0003】すなわち、この防振装置の一例として、内
部に主液室及び副液室を設けると共に、オリフィスとな
る制限通路でこれらの液室を互いに連通した構造のもの
がある。そして、搭載されたエンジンが作動して振動が
発生した場合には、これら液室を連通する制限通路内の
液体の粘性抵抗及び液柱共振等で振動を吸収し、振動の
伝達を阻止するようになっている。
【0004】一方、エンジンの幅広い作動状態に伴って
振動周波数も広範囲なものとなる。従って、このような
広範囲な周波数の振動それぞれにおいても防振特性を維
持するべく、長さ及び内径を種々相違させたアイドルオ
リフィス及びシェイクオリフィス等を有する防振装置
が、近年案出されるようになった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような防
振装置において、例えばアイドルオリフィスにより予め
定められた周波数で液体共振を生じさせれば、その液体
共振の生じた周波数の動ばね定数を低減できるが、その
予め定められた周波数の倍次数の周波数では、動ばね定
数が逆に上昇してしまう。この為、この倍次数の周波数
の動ばね定数を低減できず、倍次数の周波数では振動低
減の効果が少ない。
【0006】例えば4サイクル4気筒エンジンではクラ
ンクシャフトが2回転する間に4回の爆発工程が実行さ
れるので、クランクシャフトの1回転である1エンジン
回転当たりの爆発回数は2回である。さらにこの場合、
エンジン回転数の2倍となる2次の周波数の振動が最も
大きくなる。
【0007】つまり、エンジンの回転数が600rpm
の場合には、1秒当たり10回転するので、2倍の20
Hzの振動が最も大きくなる。そして、2次の整数倍の4
次(40Hz)、6次(60Hz)…等でも振動が大きくな
るものの、4次、6次と順次小さくなる傾向を有する。
【0008】従って、これら2次、4次、6次…等が次
数であり、4次、6次…等が2次の倍次数となる。
【0009】尚、4サイクル6気筒エンジンでは、同様
に3次の周波数の振動が最も大きくなり、6次、9次…
等と振動が順次小さくなる。
【0010】以上より、車両の場合、エンジンから複数
の次数成分の振動が複合して同時に入力される為、アイ
ドルオリフィスにより2次成分の周波数で液体共振させ
ても、その倍次数成分である4次成分の領域では、反共
振域になって動ばね定数が上昇して振動低減の効果が少
なくなってしまう。
【0011】この結果、所定の周波数で液体共振を生じ
させて振動を低減させても、反共振のために全体として
は十分な防振効果が得られない欠点を有していた。
【0012】本発明は上記事実を考慮し、本来低減すべ
き振動を低減するだけでなくこの振動の周波数の倍次数
の振動をも低減して、広範囲な周波数の振動を低減可能
とした防振装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1による防振装置
は、振動発生部及び振動受部の一方に連結される第1の
取付部材と、振動発生部及び振動受部の他方に連結され
る第2の取付部材と、これら一対の取付部材の間に配置
される弾性体と、弾性体を隔壁の一部として液体が封入
され且つ弾性体の変形により内容積が変化する主液室
と、第1の弾性膜により内壁の少なくとも一部が構成さ
れる第1の副液室と、主液室と第1の副液室との間を連
通し且つ予め定められた振動周波数で液柱共振される第
1のオリフィスと、第2の弾性膜により内壁の少なくと
も一部が構成される第2の副液室と、主液室と第2の副
液室との間を連通し且つ第1のオリフィスが液柱共振す
る周波数の2倍の振動周波数で液柱共振される第2のオ
リフィスと、を有することを特徴とする。
【0014】請求項2による防振装置は、振動発生部及
び振動受部の一方に連結される第1の取付部材と、振動
発生部及び振動受部の他方に連結される第2の取付部材
と、これら一対の取付部材の間に配置される弾性体と、
弾性体を隔壁の一部として液体が封入され且つ弾性体の
変形により内容積が変化する主液室と、第1の弾性膜に
より内壁の少なくとも一部が構成される第1の副液室
と、主液室と第1の副液室との間を連通し且つ予め定め
られた振動周波数で液柱共振される第1のオリフィス
と、第2の弾性膜により内壁の少なくとも一部が構成さ
れる第2の副液室と、主液室と第2の副液室との間を連
通し且つ第1のオリフィスが液柱共振する周波数の2倍
の振動周波数で液柱共振される第2のオリフィスと、主
液室と第1の副液室との間を連通する第3のオリフィス
と、第2のオリフィスと第3のオリフィスとの間で通路
を切り換えるバルブと、バルブを作動するアクチュエー
タと、を有することを特徴とする。
【0015】請求項1に係る防振装置の作用を以下に説
明する。
【0016】一対の取付部材の間に配置される弾性体を
隔壁の一部とした主液室に液体が封入される。第1の弾
性膜により内壁の少なくとも一部が構成される第1の副
液室と主液室との間を連通する第1のオリフィスが、予
め定められた振動周波数で液柱共振される。また、第2
の弾性膜により内壁の少なくとも一部が構成される第2
の副液室と主液室との間を連通する第2のオリフィス
が、第1のオリフィスが液柱共振する周波数の2倍の振
動周波数で液柱共振される。
【0017】従って、いずれかの取付部材に連結された
振動発生部側から振動が伝達されると、弾性体が変形す
るのに伴って主液室の内容積が変化するだけでなく、第
1の副液室側の第1の弾性膜が変形して、主液室と第1
の副液室との間を連通する第1のオリフィス内の液体に
圧力変化が生じる。この為、第1のオリフィス内で液柱
共振し低動ばね化されることになる。
【0018】この結果、弾性体の弾性変形だけでなく、
第1のオリフィス内の液体により振動が低減されて、振
動受部側に振動が伝達され難くなる。つまり、最も低減
する必要を有する振動の周波数で液柱共振するように第
1のオリフィスを作成すれば、この周波数の振動が積極
的に低減されて、振動受部側に振動が伝達され難くな
る。
【0019】またこの際、例えば振動発生部を車両のエ
ンジンとすれば、第1のオリフィスにより低減される振
動の倍次数の周波数の振動が発生する。そして、この倍
次数の周波数の振動の内の最も大きな振動の周波数であ
って第1のオリフィスで液柱共振される周波数の2倍の
振動周波数で、第2の弾性膜が変形し主液室と第2の副
液室との間を連通する第2のオリフィス内の液体に圧力
変化が生じる。この為、第2のオリフィス内で液柱共振
し低動ばね化されることになる。
【0020】この結果、第2のオリフィス内の液体によ
り倍次数の振動が低減されて、振動受部側にこの振動が
伝達され難くなる。つまり、倍次数の振動の周波数で液
柱共振するように第2のオリフィスを作成すれば、この
周波数の振動が積極的に低減されて、振動受部側に振動
が伝達され難くなる。
【0021】従って、本請求項の防振装置によれば、第
1のオリフィスにより最も低減する必要を有する振動を
吸収できるだけでなく、第2のオリフィスによって高周
波域の振動をも吸収できるので、広範囲に振動を低減す
ることが可能になる。
【0022】請求項2に係る防振装置の作用を以下に説
明する。
【0023】本請求項においても請求項1と同様な作用
を奏する。但し、本請求項では、主液室と第1の副液室
との間を連通する第3のオリフィスを有し、アクチュエ
ータにより作動するバルブによって、この第3のオリフ
ィスと第2のオリフィスとの間で通路を切り換える構成
をも有している。
【0024】従って、振動発生部側からの振動の周波数
が変わり、第1のオリフィス及び第2のオリフィスで
は、振動を十分に低減できないような周波域の振動が伝
達された場合、これに合わせてアクチュエータがバルブ
を作動して、第2のオリフィスから第3のオリフィスに
通路を切り換えることになる。
【0025】この結果、この第3のオリフィスにより第
1のオリフィス及び第2のオリフィスでは、振動を十分
に低減できないような振動を低減し、いずれの振動数に
おいても適切に振動が吸収されて、より広範囲に振動を
低減することが可能になる。
【0026】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る防振装置の一
実施の形態を図1から図5に示し、これらの図に基づき
本実施の形態を説明する。
【0027】本実施の形態を表す図1及び図2に示すよ
うに、防振装置10の下部側を第1の取付部材である皿
状の底板金具12が形成し、この底板金具12の下部に
は、図示しない車体にこの防振装置10を連結して固着
する為のボルト14が一対植設されている。そして、こ
の底板金具12の外側にはフランジ部12Aが設けられ
ており、このフランジ部12Aの上部に金属製で円筒状
に形成された下部支持円筒15が配置されている。
【0028】この下部支持円筒15の上部で下部支持円
筒15と同軸の位置には、金属製であって下部支持円筒
15とほぼ同一の径で円筒状形成された上部支持円筒1
6が配置されている。この上部支持円筒16の内周面に
は、円筒形状をしたゴム製の弾性体18の下部側を形成
する薄肉ゴム層18Aが加硫接着されており、この弾性
体18の上部側中央部は、第2の取付部材となる頂板金
具20へ加硫接着されている。そして、この頂板金具2
0の中央部から図示しないエンジンの連結用として用い
られるボルト22が、上側に突出している。尚ここで4
サイクル4気筒エンジンをエンジンの例として以下の説
明をする。
【0029】また、頂板金具20の下側には、カップ状
に形成されると共に複数の貫通孔24Aが設けられた補
強金具24が、頂板金具20に溶接等で接合されて配置
されており、この補強金具24が弾性体18の頂板金具
20へ加硫接着の際の補強を図っている。
【0030】弾性体18の下部であって空間を挟んだ位
置には、円筒状の仕切部材28が上部支持円筒16の内
側に薄肉ゴム層18Aを介して嵌合されつつ配置されて
いて、仕切部材28と弾性体18とで区画されたこの空
間が主液室30を構成し、例えば水、オイル等の液体が
封入されている。従って、これら弾性体18及び仕切部
材28により液体が封入された主液室30の隔壁が構成
されることになる。尚、この仕切部材28は合成樹脂、
アルミニウム等の金属などで一体成形により、製造する
ことが出来る。
【0031】一方、仕切部材28の下部は外側に突出し
ており、この仕切部材28の下部が、下部支持円筒15
に支持されると共に、上部支持円筒16の下部へ薄肉ゴ
ム層18Aを介して当接されている。
【0032】さらに、仕切部材28の上部側には、座ぐ
り部34Aを上端部に有した円穴34が形成されてお
り、この座ぐり部34A内に止めリング37が接着等さ
れて固着されている。仕切部材28の下部中央には筒部
28Cが突出して形成され、円穴34の底面であって円
穴34と略同軸の位置の筒部28C内には、円穴34よ
りも細径とされる円形貫通孔35が形成されている。
【0033】これら円穴34及び円形貫通孔35内に
は、止めリング37により抜け止めされつつバルブであ
るロータ36が回転可能に挿入されている。このロータ
36の主液室30側の部分は円筒部36Aとされてお
り、主液室30と反対側の部分は回転軸としての細軸部
36Bとされている。この細軸部36Bの外周にはOリ
ング40が嵌め込まれており、このOリング40によっ
て液体が円形貫通孔35を介して仕切部材28の下方へ
漏れ出ないようにされている。
【0034】また、図2に示すように、ロータ36の円
筒部36A上の周方向に相互に180°異なる部分に
は、それぞれ円筒部36Aの内外を連通する一対の貫通
孔38が形成されている。
【0035】一方、仕切部材28には、円穴34の半径
方向に沿って通路であって第2のオリフィスとされるハ
イアイドルオリフィス60が形成されており、このハイ
アイドルオリフィス60の一端は円穴34の内周面に開
口されている。このハイアイドルオリフィス60は途中
で屈曲されてこのハイアイドルオリフィス60の他端は
仕切部材28の下面に開口されている。そして、このハ
イアイドルオリフィス60が、最も低減する必要を有す
る2次のアイドル振動の倍次数の4次のアイドル振動を
吸収する為の制限通路となる。
【0036】さらに、このハイアイドルオリフィス60
の開口端に対応する仕切部材28内の部分には、ゴム製
の膜材である第2の弾性膜であるメンブラン54が、仕
切部材28に接着等されて固着される止めリング52に
より抜け止めされつつ、配置されている。
【0037】他方、図2に示すように、仕切部材28に
は、円穴34の半径方向であってハイアイドルオリフィ
ス60と90°異なる方向に沿って通路であって第3の
オリフィスとされるこもり用オリフィス62が形成され
ており、このこもり用オリフィス62の一端は円穴34
の内周面に開口されている。このこもり用オリフィス6
2は途中で屈曲されてこのこもり用オリフィス62の他
端は仕切部材28の下面に開口されている。そして、こ
のこもり用オリフィス62が、こもり音吸収用の制限通
路となる。
【0038】仕切部材28の外周面には、溝部68が仕
切部材28の周方向に沿って形成されており、この溝部
68と薄肉ゴム層18Aとで形成された通路であって第
1のオリフィスとされるロウアイドルオリフィス64の
一端は上方に伸びる孔部28Aで主液室30に繋がり、
図2に示すように、他端は仕切部材28の下方に伸びる
孔部28Bで仕切部材28の下面に開口されている。そ
して、このロウアイドルオリフィス64が、最も低減す
る必要を有する2次のアイドル振動を吸収する為の制限
通路となる。
【0039】また、上部支持円筒16の外周側には、上
部支持円筒16及び下部支持円筒15を全周にわたって
覆うように円筒状に形成された外筒金具42が配置され
ている。この外筒金具42の下端側は底板金具12のフ
ランジ部12Aの外周部分にかしめられており、また、
上端側は上部支持円筒16の上端部にかしめられてい
て、外筒金具42によって挟み付けられた形で底板金具
12に上部支持円筒16及び下部支持円筒15が接合さ
れている。
【0040】一方、この下部支持円筒15の内側にはゴ
ム製でリング状の第1の弾性膜であるダイヤフラム46
が加硫接着されており、このダイヤフラム46の内周側
が仕切部材28の筒部28Cに嵌合された嵌合リング4
7に加硫接着されて、この下部支持円筒15の内側にダ
イヤフラム46が設置されている。そして、このダイヤ
フラム46は、ハイアイドルオリフィス60及びロウア
イドルオリフィス64の開口端に対応する部分を含む仕
切部材28の下側部分を覆っている。
【0041】この為、ダイヤフラム46の上面側と仕切
部材28の下面との間の空間が、こもり用オリフィス6
2及びロウアイドルオリフィス64を介して主液室30
と連通される第1の副液室48とされており、また、ダ
イヤフラム46の下面側と底板金具12の上面側との間
の空間が第1空気室50とされ、ダイヤフラム46の変
形を可能としている。
【0042】また、前述のこもり用オリフィス62の開
口端周辺部分とメンブラン54との間の空間が、こもり
用オリフィス62を介して主液室30と連通される第2
の副液室56とされる。
【0043】つまり、メンブラン54が第2の副液室5
6の内壁の一部を構成することになり、図1及び図2に
示すように、このメンブラン54の肉厚は第1の副液室
48の内壁の一部を構成するダイヤフラム46の肉厚よ
り厚くされ、またメンブラン54の面積はこのダイヤフ
ラム46の面積より小さくされているので、メンブラン
54はダイヤフラム46より剛性が高いことになる。そ
して、ハイアイドルオリフィス60はロウアイドルオリ
フィス64より通路の断面積が小さく形成されて、液体
の通過抵抗が大きくされている。
【0044】この結果、2次のアイドル振動で液柱共振
するようにロウアイドルオリフィス64が形成され、4
次のアイドル振動で液柱共振するようにハイアイドルオ
リフィス60が形成されることになる。
【0045】以上のような構造より、ロータ36が回転
されて、図1及び図2に示すように、円筒部36Aの貫
通孔38がハイアイドルオリフィス60と対向すると、
ハイアイドルオリフィス60を介して主液室30と第2
の副液室56とが連通される。また、この位置からロー
タ36が90°回転されて、図4及び図5に示すよう
に、円筒部36Aの貫通孔38がこもり用オリフィス6
2と対向すると、こもり用オリフィス62を介して主液
室30と第1の副液室48とが連通される。この為、こ
れらのオリフィス60、62をロータ36が開閉して通
路を切り換えることとなる。
【0046】一方、仕切部材28の下側には、アクチュ
エータとしてのモータ70が配設されており、図示しな
い取付け用のねじでねじ止めることにより仕切部材28
の下側にモータ70が固定されることになる。そして、
このモータ70の図示しない回転軸は、ロータ36の細
軸部36Bの先端側に連結されている。
【0047】以上より、ロータ36が、図1及び図2に
示すようにハイアイドルオリフィス60を介して主液室
30と第2の副液室56との間を連通する配置と、図4
及び図5に示すようにこもり用オリフィス62を介して
主液室30と第1の副液室48との間を連通する配置と
を選択的に採るように、モータ70によって回転され
る。このモータ70は制御手段72に連結されており、
制御手段72よってその回転が制御されるようになって
いる。制御手段72は車両電源によって作動し、少なく
とも車速センサ74及びエンジン回転数検出センサ76
からの検出信号を受け、車速及びエンジン回転数を検出
し、アイドル振動発生時かシェイク振動発生時かを判断
できるようになっている。
【0048】次に本実施の形態の作用を説明する。
【0049】頂板金具20に搭載されるエンジンが作動
すると、エンジンの振動が頂板金具20を介して弾性体
18に伝達される。弾性体18は吸振主体として作用
し、弾性体18の内部摩擦に基づく制振機能によって振
動を吸収することができる。
【0050】さらに弾性体18及びダイヤフラム46の
変形に伴って内容積が変化する主液室30及び第1の副
液室48の中の液体がオリフィス62、64を介して相
互に流動するだけでなく、メンブラン54の変形に伴っ
て液体が第2の副液室56と主液室30との間のハイア
イドルオリフィス60内を流動し、これらオリフィス空
間に生ずる液体流動の粘性抵抗及び液柱共振等に基づく
減衰作用で防振効果を向上することができる。
【0051】そして、予め定められた振動周波数である
2次のアイドル振動で液柱共振するようにロウアイドル
オリフィス64を形成し、ロウアイドルオリフィス64
が液柱共振する周波数の2倍の振動周波数である4次の
アイドル振動で液柱共振するようにハイアイドルオリフ
ィス60を形成し、オリフィス60、62の端部が繋が
る円穴34内にロータ36を設けた結果として以下のよ
うに作用する。
【0052】車両が例えば70〜80km/h以上の高速
で走行するとシェイク振動(15Hz未満)が生じる。前
記制御手段72は車速センサ74、エンジン回転数検出
センサ76によりシェイク振動発生時か否かを判断す
る。制御手段72がシェイク振動発生時であると判断す
ると、制御手段72はモータ70を作動させてロータ3
6を回転し、図4及び図5に示すように、貫通孔38を
こもり用オリフィス62と対応させ、ハイアイドルオリ
フィス60とは対応しない配置にする。これによってハ
イアイドルオリフィス60は閉止され、常時開放されて
いるロウアイドルオリフィス64及びこもり用オリフィ
ス62が主液室30と第1の副液室48とを連通する。
【0053】この結果、主液室30内に生じるエンジン
振動に基づく圧力変化がロウアイドルオリフィス64及
びこもり用オリフィス62内の液体に伝達されると共に
この液体の抵抗等を受けシェイク振動が吸収される。
【0054】さらに、シェイク振動と共に生じることが
ある高周波で小振幅の振動であるこもり音(60〜10
0Hz)に対しては、こもり用オリフィス62内で液柱共
振して、動ばね定数が低減され、こもり音が吸収され
る。
【0055】また、エンジンがアイドリング運転の場合
や車速が5km/h以下の場合にはアイドル振動(25〜
50Hz)が生じる。この際、最も低減する必要を有する
振動の周波数であるエンジンの回転の2次の周波数の振
動で、第1の副液室48側のダイヤフラム46が変形し
て、主液室30と第1の副液室48との間を連通するロ
ウアイドルオリフィス64内の液体に圧力変化が生じ
る。この為、ロウアイドルオリフィス64内で液柱共振
し図3の特性曲線Aのように、25Hz周辺で低動ばね化
されることになる。
【0056】この結果、弾性体18の弾性変形だけでな
く、ロウアイドルオリフィス64内の液体により振動が
低減されて、車体側に2次の周波数の振動が伝達され難
くなる。
【0057】これに伴って、制御手段72は車速センサ
74、エンジン回転数検出センサ76によりアイドル振
動発生時か否かを判断する。制御手段72がアイドル振
動発生時であると判断すると、制御手段72はモータ7
0を回転させて、図1及び図2に示すように、ロータ3
6の貫通孔38をハイアイドルオリフィス60と対応さ
せ、こもり用オリフィス62とは対応しない配置にす
る。
【0058】これによってこもり用オリフィス62は閉
止され、液体はハイアイドルオリフィス60を介して主
液室30と第2の副液室56と行き来することになる。
【0059】つまり、エンジンの回転に伴って、ロウア
イドルオリフィス64により低減される振動の倍次数の
周波数の振動が発生する。
【0060】そして、この倍次数の周波数の振動の内の
最も大きな振動の周波数であってロウアイドルオリフィ
ス64で液柱共振される周波数の2倍の4次の振動周波
数で、メンブラン54が変形し主液室30と第2の副液
室56との間を連通するハイアイドルオリフィス60内
の液体に圧力変化が生じる。この為、ハイアイドルオリ
フィス60内で液柱共振し図3の特性曲線Bのように、
50Hz周辺で低動ばね化されることになる。
【0061】この結果、ハイアイドルオリフィス60内
の液体により4次の振動が低減されて、車体側にこの4
次の周波数の振動が伝達され難くなる。
【0062】以上より、本実施の形態の防振装置10に
よれば、ロウアイドルオリフィス64により最も低減す
る必要を有する振動を吸収できるだけでなく、ハイアイ
ドルオリフィス60によって高周波域の振動をも吸収で
きるので、図3の特性曲線A及び特性曲線Bを加え合わ
せた特性曲線Cの特性となって、広範囲に振動を低減す
ることが可能になる。
【0063】尚、上記一実施の形態において、4サイク
ル4気筒エンジンを支持する防振装置10を用いて本発
明を説明したが、4サイクル6気筒エンジンを支持する
防振装置にも適用できることは言うまでもない。そして
この場合には、3次及び6次(30〜60Hz)の周波数
の振動を低減することになる。
【0064】他方、一実施の形態において、ロータをモ
ータによって回転させる構成としたが、本発明はこれに
限らず、ロータを回転させるアクチュエータはモータ以
外のものであってもよく、バルブもロータ以外の弁等を
用いることとしてもよい。
【0065】また、上記実施例において車体に第1の取
付部材である底板金具12側が取り付けられ、エンジン
に第2の取付部材である頂板金具20側が取り付けられ
る構成としたが、この逆の構成としてもよい。
【0066】
【発明の効果】本発明の防振装置は、以上のように説明
した構成とした結果、本来低減すべき振動を低減するだ
けでなくこの振動の周波数の倍次数の振動をも低減し
て、広範囲な周波数の振動を低減することが可能となっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る防振装置の一実施の形態のアイド
ル時における断面図である。
【図2】本発明に係る防振装置の一実施の形態のアイド
ル時における断面図であって、図1の2−2矢視線断面
図である。
【図3】本発明に係る防振装置の一実施の形態の振動周
波数と動ばね定数との関係を表すグラフを示す図であ
る。
【図4】本発明に係る防振装置の一実施の形態のシェイ
ク時における断面図である。
【図5】本発明に係る防振装置の一実施の形態のシェイ
ク時における断面図であって、図4の5−5矢視線断面
図である。
【符号の説明】
10 防振装置 12 底板金具(第1の取付部材) 18 弾性体 20 頂板金具(第2の取付部材) 30 主液室 36 ロータ(バルブ) 46 ダイヤフラム(第1の弾性膜) 48 第1の副液室 54 メンブラン(第2の弾性膜) 56 第2の副液室 60 ハイアイドルオリフィス(第2のオリフィ
ス) 62 こもり用オリフィス(第3のオリフィス) 64 ロウアイドルオリフィス(第1のオリフィ
ス) 70 モータ(アクチュエータ)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動発生部及び振動受部の一方に連結さ
    れる第1の取付部材と、 振動発生部及び振動受部の他方に連結される第2の取付
    部材と、 これら一対の取付部材の間に配置される弾性体と、 弾性体を隔壁の一部として液体が封入され且つ弾性体の
    変形により内容積が変化する主液室と、 第1の弾性膜により内壁の少なくとも一部が構成される
    第1の副液室と、 主液室と第1の副液室との間を連通し且つ予め定められ
    た振動周波数で液柱共振される第1のオリフィスと、 第2の弾性膜により内壁の少なくとも一部が構成される
    第2の副液室と、 主液室と第2の副液室との間を連通し且つ第1のオリフ
    ィスが液柱共振する周波数の2倍の振動周波数で液柱共
    振される第2のオリフィスと、 を有することを特徴とする防振装置。
  2. 【請求項2】 振動発生部及び振動受部の一方に連結さ
    れる第1の取付部材と、 振動発生部及び振動受部の他方に連結される第2の取付
    部材と、 これら一対の取付部材の間に配置される弾性体と、 弾性体を隔壁の一部として液体が封入され且つ弾性体の
    変形により内容積が変化する主液室と、 第1の弾性膜により内壁の少なくとも一部が構成される
    第1の副液室と、 主液室と第1の副液室との間を連通し且つ予め定められ
    た振動周波数で液柱共振される第1のオリフィスと、 第2の弾性膜により内壁の少なくとも一部が構成される
    第2の副液室と、 主液室と第2の副液室との間を連通し且つ第1のオリフ
    ィスが液柱共振する周波数の2倍の振動周波数で液柱共
    振される第2のオリフィスと、 主液室と第1の副液室との間を連通する第3のオリフィ
    スと、 第2のオリフィスと第3のオリフィスとの間で通路を切
    り換えるバルブと、 バルブを作動するアクチュエータと、 を有することを特徴とする防振装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001280405A (ja) * 2000-03-29 2001-10-10 Yamashita Rubber Co Ltd 液封防振装置
JP2008228482A (ja) * 2007-03-14 2008-09-25 Nippon Densan Corp 軸受機構およびモータ
JP2010249288A (ja) * 2009-04-20 2010-11-04 Bridgestone Corp 防振装置

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