JPH11210814A - 防振装置 - Google Patents

防振装置

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JPH11210814A
JPH11210814A JP1552798A JP1552798A JPH11210814A JP H11210814 A JPH11210814 A JP H11210814A JP 1552798 A JP1552798 A JP 1552798A JP 1552798 A JP1552798 A JP 1552798A JP H11210814 A JPH11210814 A JP H11210814A
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JP
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vibration
liquid chamber
membrane
valve
main liquid
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JP1552798A
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Katsumi Someya
勝己 染谷
Shoichi Kumakawa
正一 熊川
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メンブランの剛性を変化させて防振特性の調
整代を広げる。 【解決手段】 仕切部材26の上側が主液室30とさ
れ、仕切部材26の下側が副液室32とされ、主液室3
0の隔壁の一部が弾性体18により構成され、副液室3
2の隔壁の一部がダイヤフラム28により構成される。
ダイヤフラム28と底板金具12との間の空間が第1空
気室34とされ、下部ポート13Aによりこの第1空気
室34内の空気が吸排可能とされる。弁体50がアイド
ルオリフィス44の開口部に面して配置される。仕切部
材26と挟持板22との間にメンブラン52が設置され
ている。弁体50の中央に、仕切部材26及びメンブラ
ン52を貫通した連結棒58の下端が固定され、連結棒
58の先端部に円板60が固定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動を発生する部
材からの振動の伝達を防止する防振装置に関し、例えば
車両に搭載されるエンジンからの振動の伝達を防止する
場合等に適用可能なものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、振動発生部となる車両のエンジ
ンと振動受部となる車体との間にエンジンマウントとし
ての防振装置が配設されていて、エンジンが発生する振
動をこの防振装置が吸収し、振動が車体側に伝達される
のを阻止するような構造が知られている。
【0003】すなわち、この防振装置の一例として、内
部に主液室及び副液室を設けると共に、オリフィスとな
る制限通路でこれらの液室を互いに連通した構造のもの
がある。そして、搭載されたエンジンが作動して振動が
発生した場合には、これら液室を連通する制限通路内の
液体の液柱共振等で振動を吸収し、振動の伝達を阻止す
るようになっている。
【0004】一方、エンジンの幅広い作動状態に伴って
振動周波数も広範囲なものとなる。従って、このような
広範囲な周波数の振動それぞれにおいても防振特性を維
持するべく、制限通路を複数設け、これらの制限通路を
選択的に開閉する能動的制御を行う防振装置が、近年案
出されるようになった。
【0005】そして、従来の能動的制御を行う防振装置
として、図4に示すように、主液室112と副液室11
4との間を繋ぐ複数の制限通路116、118の内の一
つ制限通路となるアイドルオリフィス118の副液室1
14側の開口部をバルブ122により開閉可能とする構
造のものが知られている。
【0006】つまり、このバルブ122の開閉によっ
て、車両のエンジンモードに対応して制限通路の切り換
えをし、車両の各エンジンモードでの振動低減を実現す
るようになっている。
【0007】また、図5に示すように、主液室112の
隔壁の一部を可動可能に形成するメンブラン124を有
し、メンブラン124が主液室112内の圧抜きをする
構造の防振装置も知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図4に示す防
振装置には、主液室112内の液体の圧抜き構造が無
く、液柱共振は大きくなるものの、液柱共振する周波数
より高周波数では反共振により動ばね定数が大きく跳ね
上がる欠点を有することになる。そして、弾性体120
及び液室112、114等の構造が決定されると残され
たチューニング要素は、オリフィス116、118の断
面積と長さだけになり、防振特性の調整代が狭くなる。
【0009】また、図5に示す防振装置には、反共振を
抑える為の圧抜き構造であるメンブラン124が設けら
れているが、バルブ122によるオリフィス116、1
18の切替えのどのモードにおいても、主液室112内
の圧抜きが実施され、液柱共振が抑えられてしまう。そ
して、メンブラン124の厚み等を変えて剛性を変更す
ることで、防振特性の調整代は広がるものの、オリフィ
ス116、118を切り替えたどのモードでもメンブラ
ン124の剛性が同じである為、液柱共振の大きさはメ
ンブラン124の剛性により支配される。
【0010】さらに、図5に示す防振装置では、高周波
領域でメンブラン124に起因する共振が発生し、車両
によっては悪影響を及ぼす欠点を有していた。
【0011】本発明は上記事実を考慮し、メンブランの
剛性を変化させて防振特性の調整代を広げ得る防振装置
を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1による防振装置
は、振動発生部及び振動受部の一方に連結される第1の
取付部材と、振動発生部及び振動受部の他方に連結され
る第2の取付部材と、これら一対の取付部材の間に配置
される弾性体と、弾性体を隔壁の一部として液体が封入
され且つ弾性体の変形により内容積が変化する主液室
と、主液室の隔壁の他一部を可動可能に形成するメンブ
ランと、主液室との間が複数の制限通路によりそれぞれ
連通され且つ液体が封入されると共に拡縮可能な副液室
と、複数の制限通路の内のいずれかの制限通路に対応し
て配置され且つこの制限通路を開閉するバルブと、バル
ブの切替えに同調してメンブランの剛性を変化させる剛
性調整機構と、を有することを特徴とする。
【0013】請求項2による防振装置は、請求項1の防
振装置において、複数の制限通路の内の液体の通過抵抗
の最も小さい制限通路に対応してバルブが配置されるこ
とを特徴とする。
【0014】請求項1に係る防振装置の作用を以下に説
明する。いずれかの取付部材に連結された振動発生部側
から振動が伝達されると、弾性体が変形して弾性体によ
り振動が減衰される。この弾性体の変形に伴って、主液
室の内容積が変化し、副液室とこの主液室との間をそれ
ぞれ連通する複数の制限通路内の液体に圧力変化が生
じ、最終的に副液室が拡縮される。
【0015】この結果、振動発生部側からの振動が伝達
されると、弾性体だけでなく、主液室と副液室との間の
制限通路内の液体により振動が減衰されて、振動受部側
に振動が伝達され難くなる。
【0016】また、主液室の隔壁の他一部を可動可能に
メンブランが形成し、複数の制限通路の内のいずれかの
制限通路に対応してバルブが配置され、この制限通路を
バルブが開閉するようになっており、このバルブによる
制限通路の切替えに同調して剛性調整機構がメンブラン
の剛性を変化させる。
【0017】従って、バルブが配置されている制限通路
が閉鎖されることで、複数の制限通路の内の常時開放さ
れている制限通路により例えばシェイク振動が低減され
る。このシェイク振動に伴ってさらに、高周波数の振動
が同時に入力された場合には、メンブランが弾性変形し
て、主液室内の液圧の上昇を防止する。
【0018】さらに、振動発生部側からの振動の周波数
が変わり、常時開放されている制限通路では振動を低減
できないようなシェイク振動より高周波域の振動である
例えばアイドル振動が伝達された場合、これに合わせて
バルブが複数の制限通路の内のいずれかの制限通路を開
放して、このアイドル振動を低減する。
【0019】この際、バルブによる制限通路の切替えに
同調して剛性調整機構がメンブランの剛性を変化させる
ので、開放された制限通路内に液体が十分に流れて、メ
ンブランの剛性により共振の大きさが支配されることは
ない。
【0020】以上より、メンブランの剛性を変化させて
防振特性の調整代を広げた防振装置を得ることが可能と
なった。
【0021】請求項2に係る防振装置の作用を以下に説
明する。本請求項も請求項1と同様な作用を奏する。但
し、本請求項では、複数の制限通路の内の液体の通過抵
抗の最も小さい制限通路に対応してバルブが配置される
構成とされている。
【0022】すなわち、液体の通過抵抗の最も小さい制
限通路に対応してバルブが配置されているので、低周波
数のシェイク振動に伴って前述のように高周波数の振動
が同時に入力された場合にも、通過抵抗の大きい制限通
路でシェイク振動が低減されると共に、液体の通過抵抗
の最も小さい制限通路に対応して配置されたバルブがこ
の制限通路を閉鎖し、メンブランが確実に弾性変形して
主液室内の液圧の上昇を防止することが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る防振装置の一
実施の形態を図1から図3に示し、これらの図に基づき
本実施の形態を説明する。
【0024】本実施の形態を表す図1から図3に示すよ
うに、防振装置10の下部側を第1の取付部材である底
板金具12が底部を有した円筒状に形成されている。こ
の底板金具12の底部には、円板状に形成された接続金
具13が配置されていて、この接続金具13に外部への
開口となる下部ポート13Aが形成されている。
【0025】また、この底板金具12の外周側には、図
示しない車体にこの防振装置10を連結して固着する為
のブラケットが、図示しないものの底板金具12の円周
方向に等間隔で複数個設置されている。
【0026】さらに、この底板金具12には円筒状に形
成された筒部12Aが設けられており、この筒部12A
の上端部がかしめられることで、この筒部12Aの内周
側に、円筒状に形成された外筒金具14が底板金具12
に連結されつつ配置されている。この外筒金具14の上
部側は小径とされるように形成されており、この外筒金
具14の上部側の内周面には、円筒形状をしたゴム製の
弾性体18の下部側が加硫接着されている。
【0027】この弾性体18の上部側中央部には、第2
の取付部材となるテーパ状に形成された上部取付金具2
0が位置しており、この上部取付金具20に弾性体18
の上部側が加硫接着されている。そして、この上部取付
金具20の中央部には、エンジンの連結用として用いら
れる図示しないボルトがねじ込まれるねじ孔20Aが形
成されており、このねじ孔20Aにボルトがねじ込まれ
ることで、図示しないエンジンが上部取付金具20に固
定されつつ連結されることになる。
【0028】一方、この外筒金具14の下部側の内周面
には、リング状に形成された嵌合金具24が嵌合されて
設置されている。この嵌合金具24の内側には、薄肉で
弾性変形可能なゴム製の弾性膜であるダイヤフラム28
が、その外周端を嵌合金具24の内周面に加硫接着され
て配置されており、これら弾性体18及びダイヤフラム
28により挟まれて区画された空間が、例えば水、オイ
ル等の液体が封入される液室を構成している。
【0029】さらに、この液室内には、円板状に形成さ
れた仕切部材26が、弾性体18の薄肉部分を介して外
筒金具14の内側に嵌合されつつ、配置されている。こ
の仕切部材26の上面側の中央部には、周囲より一段低
い凹部26Aが形成されており、この凹部26A内の位
置に仕切部材26を貫通する孔部26Bが形成されてい
る。そして、この仕切部材26の上部には、同様に円板
状に形成され且つ中央部に貫通穴22Aが設けられた挟
持板22が配置されており、これら仕切部材26と挟持
板22との間に、ゴム製の弾性膜であるメンブラン52
がその周囲部分をこれらに挟持されつつ設置されてい
る。
【0030】この結果、液室を二分するように仕切部材
26、挟持板22及びメンブラン52が液室を区画し、
これら仕切部材26等の上側の液室部分が主液室30と
され、仕切部材26等の下側の液室部分が副液室32と
されている。従って、液体が封入された主液室30の隔
壁の一部が弾性体18により構成され、主液室30の隔
壁の他一部がメンブラン52により可動可能に構成さ
れ、液体が封入された副液室32の隔壁の一部がダイヤ
フラム28により構成されることになる。またこれに伴
って、挟持板22の貫通穴22Aが高周波振動吸収用の
制限通路である高周波オリフィス54とされる。
【0031】一方、この仕切部材26と挟持板22との
間の外周側には、仕切部材26の周方向に沿って延びる
ように溝部40が形成されることになり、この溝部40
と外筒金具14の内周面とでシェイク振動吸収用の制限
通路であるシェイクオリフィス42が形成されている。
このシェイクオリフィス42の一端側は上方に伸びて主
液室30に連結されており、このシェイクオリフィス4
2の他端側は下方に伸びて副液室32に連結されてい
る。
【0032】他方、仕切部材26には、仕切部材26の
半径方向に沿って延びる大径の通路であるアイドルオリ
フィス44が形成されている。このアイドルオリフィス
44の一端は上方に伸びて主液室30に連結されてお
り、このアイドルオリフィス44の他端側は下方に伸び
て副液室32に連結されている。そして、このアイドル
オリフィス44が、アイドル振動吸収用の制限通路とな
る。
【0033】以上より、シェイクオリフィス42及びア
イドルオリフィス44を介して、主液室30と副液室3
2とがそれぞれ連通されることになる。また、一対のオ
リフィス42、44の内のアイドルオリフィス44は、
その通路の長さが短く且つ大径であるので、シェイクオ
リフィス42と比較して液体の通過抵抗が小さくされて
いる。
【0034】さらに、底板金具12と仕切部材26との
間には、ダイヤフラム28の中央部を塞ぐように円盤状
に形成された金属製の弁体50が、アイドルオリフィス
44の開口部に面して配置されている。この為、アイド
ルオリフィス44の閉鎖時において、弁体50の周囲の
ダイヤフラム28がアイドルオリフィス44の開口部の
周囲に当接することで、弁体50がアイドルオリフィス
44を確実に封止することになる。
【0035】また、ダイヤフラム28は弁体50から下
側に筒状に延びており、この延びた部分が弾性封止部2
8Aとされて、前述の接続金具13の外周面に下端が固
定されている。この為、ダイヤフラム28及び弁体50
を上面とすると共に底板金具12の底面を下面とした空
間が、弾性封止部28Aにより同軸状に区画され、この
弾性封止部28Aの内周側の空間が第1空気室34とさ
れ、この弾性封止部28Aの外周側の空間が第2空気室
36とされている。そして、この第2空気室36に対応
する底板金具12の部分には、貫通孔12Bが形成され
ている。
【0036】つまり、副液室32に面するダイヤフラム
28の部分と底板金具12の底部との間の空間が第2空
気室36とされて、ダイヤフラム28の変位を容易にし
ているだけでなく、前述の下部ポート13Aにより第1
空気室34内の空気が吸排可能とされている。
【0037】そして、第1空気室34内の接続金具13
の上面と弁体50との間には、弁体50を上方に付勢す
る為のコイルスプリング48が配置されている。つま
り、ダイヤフラム28と繋がって上下動可能とされる弁
体50が、コイルスプリング48により上方に常時付勢
されていることになる。
【0038】以上より、コイルスプリング48及び弁体
50等によりバルブ46が構成されることになる。
【0039】また、この弁体50の中央には、仕切部材
26の孔部26B及びメンブラン52を貫通した連結棒
58の下端がかしめ加工等により固定されており、この
連結棒58の先端部に円板60が固定されている。従っ
て、図2に示すように、弁体50の下降時には円板60
も下降してメンブラン52の変形を抑えることになるの
で、バルブ46の切替えに同調してメンブラン52の剛
性を変化させる剛性調整機構56が、これら連結棒58
及び円板60により構成されることになる。
【0040】さらに、前述の下部ポート13Aには配管
62の一端が連結され、この配管62の他端が切換弁8
2に連結されている。つまり、ダイヤフラム28の背面
側の第1空気室34に切換弁82が連結されている。こ
の切換弁82は、電磁的に作動する電磁弁である3ポー
ト2位置切換弁を構成し、図1に示すように、エンジン
の吸気部分であるインテークマニホールド76と繋がる
接続パイプ66に連結されると共に、大気側にも開放可
能とされている。
【0041】以上より、切換弁82は、第1空気室34
がインテークマニホールド76側に連通される状態と第
1空気室34が大気側に連通される状態との間で、これ
らの間を繋ぐ通路を切り換え可能としている。
【0042】他方、切換弁82は、車両の運転状況を判
断して印加電圧をオン・オフする制御手段である制御回
路70に連結されている。制御回路70は車両電源によ
って駆動され、少なくとも車両の運転状況を判断する車
速センサ72及びエンジン回転数センサ74からの検出
信号を受け、車速及びエンジン回転数を検出できる。こ
れにより制御回路70は、シェイク振動発生時かアイド
ル振動発生時かの判断、すなわち車両の停止時か走行時
かの判断ができるようになっている。
【0043】従って、制御回路70により、切換弁82
への通電及び通電の停止が制御されて、第1空気室34
内の気圧が大気圧と負圧との間で切り換えられることに
なる。
【0044】次に本実施の形態の作用を説明する。上部
取付金具20に搭載されるエンジンが作動すると、エン
ジンの振動が上部取付金具20を介して弾性体18に伝
達される。弾性体18は吸振主体として作用し、弾性体
18の内部摩擦に基づく制振機能によって振動を吸収す
ることができる。さらに、この弾性体18の変形に伴っ
て、主液室30の内容積が変化し、隔壁の一部がダイヤ
フラム28により変形可能に形成される副液室32とこ
の主液室との間をそれぞれ連通するオリフィス42、4
4内の液体に圧力変化が生じ、また、ダイヤフラム28
が変形することで、主液室30と連通する副液室32が
拡縮される。
【0045】この結果、エンジン側からの振動が伝達さ
れると、弾性体18だけでなく、主液室30と副液室3
2との間のオリフィス42、44内の液体の流動の粘性
抵抗及び液柱共振等に基づく減衰作用により振動が減衰
されて、車体側に振動が伝達され難くなる。
【0046】そして、主液室30の隔壁の他一部を可動
可能にメンブラン52が形成し、バルブ46がアイドル
オリフィス44に対応して配置され、このバルブ46を
構成する弁体50の移動によりこのアイドルオリフィス
44を開閉するようにし、バルブ46の切替えに同調し
て剛性調整機構56がメンブラン52の剛性を変化させ
るようにした結果として、以下のように作用する。
【0047】以下に具体的な動作を説明する。例えば車
両が走行すると、シェイク振動(15Hz未満)が生じ
る。制御回路70は、車速センサ72及びエンジン回転
数センサ74によりシェイク振動発生時であると判断
し、切換弁82により第1空気室34内を大気側と連通
させる。
【0048】これによって、第1空気室34内の空気圧
が大気圧となり、図1に示すように、弁体50がコイル
スプリング48の付勢力により押し上げられ、弁体50
の仕切部材26の下面への当接によって、アイドルオリ
フィス44を閉鎖する閉鎖状態となり、シェイクオリフ
ィス42のみで、主液室30と副液室32との間が連通
される。この結果、シェイクオリフィス42内を液体が
積極的に行き来して通過抵抗を受け、または液柱共振す
ることによって、シェイク振動が吸収される。
【0049】一方、例えば車両が停止すると、エンジン
がアイドリング運転となって振動の周波数が高いアイド
ル振動(20〜40Hz)が生じる。この場合、シェイク
オリフィス42が目詰まり状態となるが、この際、制御
回路70は、車速センサ72及びエンジン回転数センサ
74によりアイドル振動発生時であると判断し、切換弁
82により第1空気室34内をインテークマニホールド
76側と連通させる。
【0050】これによって、第1空気室34内が負圧と
なり、図2に示すように、弁体50が仕切部材26の下
面から離れて弁体50がコイルスプリング48に抗しつ
つ下方に移動され、アイドルオリフィス44を開放する
開放状態となる。この為、アイドルオリフィス44を介
して主液室30と副液室32とが連通され、液体がアイ
ドルオリフィス44を行き来することができるようにな
る。この結果、アイドルオリフィス44内で液体が液柱
共振して防振装置10の動ばね定数が低減され、アイド
ル振動が吸収される。
【0051】以上より、バルブ46が配置されているア
イドルオリフィス44が閉鎖されることで、オリフィス
42、44の内の通過抵抗が大きく常時開放されている
シェイクオリフィス42により例えばシェイク振動が低
減される。このシェイク振動に伴ってさらに、こもり音
等の高周波数の振動が同時に入力された場合には、メン
ブラン52が弾性変形して、主液室30内の液圧の上昇
を防止することができる。
【0052】さらに、メンブラン52につながる挟持板
22の貫通穴22A内を高周波オリフィス54とし、こ
の高周波オリフィス54内での液柱共振を利用可能とさ
れているので、メンブラン52自体が共振することな
く、さらに動ばね定数の上昇の抑制が可能となる。
【0053】一方、エンジン側からの振動の周波数が変
わり、常時開放されているシェイクオリフィス42では
振動を低減できないようなシェイク振動より高周波域の
振動であるアイドル振動が伝達された場合、これに合わ
せてバルブ46が液体の通過抵抗の小さい側のアイドル
オリフィス44を開放して、このアイドル振動を低減す
ることになる。
【0054】この際、バルブ46によるオリフィス4
2、44の切替えに同調して剛性調整機構56の円板6
0が下降してメンブラン52を押さえ、メンブラン52
の剛性を高くするように変化させるので、開放されたア
イドルオリフィス44内に液体が十分に流れて、メンブ
ラン52の剛性により液柱共振の大きさが支配されるこ
とはない。つまり、メンブラン52による主液室30内
の圧抜きが生じなくなり、液柱共振が大きくなって動ば
ね定数も大きく低減される。
【0055】以上より、メンブラン52の剛性を変化さ
せて防振特性の調整代を広げた防振装置10を得ること
が可能となった。すなわち、オリフィス42、44の寸
法だけでなく、メンブラン52の剛性の変化で防振特性
が調整されることになる。
【0056】尚、上記実施例においてバルブ46を構成
する弁体50を円盤状に形成したが、弁体は他の形状で
あっても良い。
【0057】一方、上記実施の形態においてアイドルオ
リフィスの開口部に吸入負圧を利用したバルブを配置し
たが、バルブはモータにより回転されるロータリバルブ
であっても良く、また、制限通路の内部にバルブを設置
しても良い。
【0058】さらに、上記実施の形態において車体に第
1の取付部材である底板金具12側が取り付けられ、エ
ンジンに第2の取付部材である上部取付金具20側が取
り付けられる構成としたが、この逆の構成としてもよ
い。
【0059】また、上記実施の形態において、車両に搭
載されるエンジンの防振を目的としたが、本発明の防振
装置は他の用途にも用いられることはいうまでもなく、
また、形状等も実施の形態のものに限定されるものでは
ない。
【0060】
【発明の効果】本発明の防振装置は、以上のように説明
した構成とした結果、メンブランの剛性を変化させて防
振特性の調整代を広げることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る防振装置の一実施の形態の断面図
であって、シェイク振動発生時の図である。
【図2】本発明に係る防振装置の一実施の形態の断面図
であって、アイドル振動発生時の図である。
【図3】図1の3−3矢視線図である。
【図4】従来の第1の防振装置を示す断面図である。
【図5】従来の第2の防振装置を示す断面図である。
【符号の説明】
10 防振装置 12 底板金具(第1の取付部材) 18 弾性体 20 上部取付金具(第2の取付部材) 30 主液室 32 副液室 46 バルブ 50 弁体 52 メンブラン 56 剛性調整機構

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動発生部及び振動受部の一方に連結さ
    れる第1の取付部材と、 振動発生部及び振動受部の他方に連結される第2の取付
    部材と、 これら一対の取付部材の間に配置される弾性体と、 弾性体を隔壁の一部として液体が封入され且つ弾性体の
    変形により内容積が変化する主液室と、 主液室の隔壁の他一部を可動可能に形成するメンブラン
    と、 主液室との間が複数の制限通路によりそれぞれ連通され
    且つ液体が封入されると共に拡縮可能な副液室と、 複数の制限通路の内のいずれかの制限通路に対応して配
    置され且つこの制限通路を開閉するバルブと、 バルブの切替えに同調してメンブランの剛性を変化させ
    る剛性調整機構と、 を有することを特徴とする防振装置。
  2. 【請求項2】 複数の制限通路の内の液体の通過抵抗の
    最も小さい制限通路に対応してバルブが配置されること
    を特徴とする請求項1記載の防振装置。
JP1552798A 1998-01-28 1998-01-28 防振装置 Pending JPH11210814A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003004089A (ja) * 2001-06-22 2003-01-08 Yamashita Rubber Co Ltd 液封防振装置
KR100966731B1 (ko) 2008-02-28 2010-06-29 쌍용자동차 주식회사 자동차의 진동 절연용 엔진 마운트
DE102008010618B4 (de) * 2008-02-22 2014-11-27 Carl Freudenberg Kg Hydrolager

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