JPH11294518A - 防振装置 - Google Patents

防振装置

Info

Publication number
JPH11294518A
JPH11294518A JP10250098A JP10250098A JPH11294518A JP H11294518 A JPH11294518 A JP H11294518A JP 10250098 A JP10250098 A JP 10250098A JP 10250098 A JP10250098 A JP 10250098A JP H11294518 A JPH11294518 A JP H11294518A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid chamber
vibration
sub
pair
partition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10250098A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsumi Someya
勝己 染谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP10250098A priority Critical patent/JPH11294518A/ja
Publication of JPH11294518A publication Critical patent/JPH11294518A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)
  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品点数を削減して製造コストを低減しつつ
広範囲な周波数の振動を低減する。 【解決手段】 外筒金具16の内側に仕切部材28が配
置され、仕切部材28と弾性体18とで区画された空間
が主液室30を構成し、仕切部材28を挟んだ位置に第
1の副液室32が配置される。固定部材84の膜支持部
84Aに形成された第1貫通穴88の部分を覆う弾性膜
80の部分が第2の副液室86の隔壁とされる第2ダイ
ヤフラム80Aとなる。第3の副液室56に対応する固
定部材84の部分に形成される第2貫通穴90の部分を
覆う弾性膜80の部分が第3の副液室56の隔壁とされ
る第3ダイヤフラム80Bとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動を発生する部
材からの振動の伝達を防止する防振装置に関し、例えば
車両に搭載されるエンジンからの振動の伝達を防止する
場合等に適用可能なものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、振動発生部となる車両のエンジ
ンと振動受部となる車体との間にエンジンマウントとし
ての防振装置が配設されていて、エンジンが発生する振
動をこの防振装置が吸収し、振動が車体側に伝達される
のを阻止するような構造が知られている。
【0003】すなわち、この防振装置の一例として、内
部に主液室及び副液室を設けると共に、オリフィスとな
る制限通路でこれらの液室を互いに連通した構造のもの
がある。そして、搭載されたエンジンが作動して振動が
発生した場合には、これら液室を連通する制限通路内の
液体の液柱共振等で低動ばねとして振動を吸収したり振
動を減衰したりして、振動の伝達を阻止するようになっ
ている。
【0004】一方、エンジンの幅広い作動状態に伴って
振動周波数も広範囲なものとなる。従って、このような
広範囲な周波数の振動それぞれにおいても防振特性を維
持するべく、長さ及び内径を種々相違させた制限通路を
有した防振装置が、近年案出されるようになった。
【0005】例えば、振動を低減する周波数を相互に相
違させた3つの制限通路であるシェイクオリフィス、ア
イドルオリフィス及びこもり用オリフィスを有すると共
に、これらオリフィスに対応してそれぞれ副液室及び副
液室用の隔壁となる可動膜であるダイヤフラムを有し、
さらに、切換弁の役割を有するロータをDCモータによ
り回転させる構造とし、車両の状態に合わせて、アイド
ルオリフィスとこもり用オリフィスを切り替えるように
することが考えられている。
【0006】つまり、車両のアイドル状態では、アイド
ルオリフィス側を開放するべくロータを動かすことで、
シェイクオリフィスとアイドルオリフィスが振動を低減
するように作用する。また、車両の走行状態では、こも
り用オリフィス側を開放するべくロータを動かすこと
で、シェイクオリフィスとこもり用オリフィスが振動を
低減するように作用する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の防振装
置では、それぞれのオリフィスが繋がる副液室に対応し
て可動膜を有していることから、可動膜の固定及び可動
膜周りのシールの為の部品が必要となり、部材点数が多
くなると共に構造が複雑となって、防振装置の組立時の
作業性が悪かった。
【0008】本発明は上記事実を考慮し、部品点数を削
減して製造コストを低減しつつ広範囲な周波数の振動を
低減し得る防振装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1による防振装置
は、振動発生部及び振動受部の一方に連結される第1の
取付部材と、 筒状に形成されて振動発生部及び振動受部の他方に連結
される第2の取付部材と、 これら一対の取付部材の間に配置されてこれら一対の取
付部材を連結する弾性体と、 弾性体を隔壁の一部として液体が封入されて第2の取付
部材の内側に設けられる主液室と、 液体がそれぞれ封入される一対の副液室と、 主液室に隣接して配置され且つ主液室と一対の副液室と
の間を連通する一対の通路が内部にそれぞれ形成される
通路形成部材と、 一体的に形成されて通路形成部材に取り付けられ且つ一
対の副液室の隔壁をそれぞれ弾性変形可能に構成する弾
性膜と、 を有することを特徴とする。
【0010】請求項2による防振装置は、請求項1の防
振装置において、弾性膜内の相互に異なる部分が一対の
副液室の隔壁をそれぞれ構成し、 弾性膜の一対の副液室の隔壁を構成する部分と異なる部
分を通路形成部材に固定する固定部材を有することを特
徴とする。
【0011】請求項1に係る防振装置の作用を以下に説
明する。
【0012】弾性体を隔壁の一部として液体が封入され
る主液室と、液体がそれぞれ封入される一対の副液室と
を有する。これら主液室と一対の副液室との間を連通す
る一対の通路が内部にそれぞれ形成される通路形成部材
を主液室に隣接して配置し、一体的に形成されて一対の
副液室の隔壁をそれぞれ弾性変形可能に構成する弾性膜
が、この通路形成部材に取り付けられる。
【0013】従って、いずれかの取付部材に連結された
振動発生部側から低周波数域の振動が伝達された場合、
弾性体が変形して弾性体により振動が減衰される。さら
に、この弾性体の変形により主液室の内容積が変化し、
一対の副液室の内の一方の副液室側に、一対の通路の内
のこの一方の副液室に繋がる通路を介して、液体が積極
的に流動するようになる。
【0014】この結果、この主液室と一方の副液室との
間を連通する通路内の液体に圧力変化が生じ、これに伴
って、この一方の副液室の隔壁の少なくとも一部を弾性
変形可能に構成する弾性膜の部分が、変形する。
【0015】つまり、振動発生部側から低周波数域の振
動が伝達されると、弾性体だけでなく、主液室と一方の
副液室との間を繋ぐ通路内の液体によりこの低周波数域
の振動が減衰されて、振動受部側に振動が伝達され難く
なる。
【0016】一方、振動の周波数が変わり、主液室と一
方の副液室との間の通路では、振動を低減できないよう
な高周波数域の振動がいずれかの取付部材に連結された
振動発生部側から伝達された場合、前記と同様に弾性体
の変形により主液室の内容積が変化する。この為、一対
の副液室の内の他方の副液室側に、この他方の副液室に
繋がる通路を介して、液体が積極的に流動するようにな
る結果として、他方の副液室とこの主液室との間を連通
する通路内の液体に圧力変化が生じ、これに伴って、こ
の他方の副液室の隔壁の少なくとも一部を弾性変形可能
に形成する弾性膜の部分が、変形する。
【0017】つまり、振動発生部側から高周波数域の振
動が伝達されると、主液室と他方の副液室との間を繋ぐ
通路によって動ばね定数が低下して、この高周波数域の
振動を吸収し、振動受部側に振動が伝達され難くなる。
【0018】この結果、低周波数域での振動の減衰を図
り、さらに高周波数域での低動ばね化を図り、いずれの
振動周波数においても適切に振動が吸収され、広範囲な
振動を低減することが可能になる。
【0019】さらに、一対の副液室の隔壁をそれぞれ弾
性変形可能に構成する弾性膜が一体的に形成されている
ので、防振装置の部品点数が削減されると共に構造が簡
易化されて、防振装置の製造が容易となり、結果として
防振装置の製造コストが低減される。
【0020】請求項2に係る防振装置の作用を以下に説
明する。
【0021】本請求項においても請求項1と同様な作用
を奏する。但し、本請求項では、弾性膜内の相互に異な
る部分が一対の副液室の隔壁をそれぞれ構成し、弾性膜
の一対の副液室の隔壁を構成する部分と異なる部分を通
路形成部材に固定する固定部材を有する構成とされる。
【0022】この為、弾性膜を弾性変形可能としつつ弾
性膜が容易且つ確実に固定されるようになるので、防振
装置の製造が一層容易となって、結果として防振装置の
製造コストが一層低減される。
【0023】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る防振装置の第
1の実施の形態を図1から図6に示し、これらの図に基
づき本実施の形態を説明する。
【0024】本実施の形態を表す図1に示すように、防
振装置10の下部側を皿状の底板金具12が形成し、こ
の底板金具12の下部には、図示しない車体にこの防振
装置10を連結して固着する為のボルト14が植設され
ている。そして、この底板金具12の外側にはフランジ
部12Aが設けられており、このフランジ部12Aの上
部には、円筒状であって上側が拡がるように形成された
外筒金具16が配置されている。
【0025】この外筒金具16の内周面には、円筒形状
をしたゴム製の弾性体18が加硫接着されており、この
弾性体18の下部側を肉薄でリング状に下側に延びる薄
肉ゴム層18Aが構成している。この弾性体18の上部
側中央部は頂板金具20に加硫接着されており、この頂
板金具20の中央部から図示しないエンジンの連結用と
して用いられるボルト22が、上側に突出している。
【0026】以上より、頂板金具20が第1の取付部材
とされ、底板金具12及び外筒金具16が第2の取付部
材とされることになる。
【0027】弾性体18の下部であって弾性体18と空
間を挟んだ位置には、円筒状の通路形成部材である仕切
部材28が薄肉ゴム層18Aを介して外筒金具16に嵌
合されつつ配置されていて、これら弾性体18及び仕切
部材28で区画された空間が主液室30を構成し、例え
ば水、オイル等の液体が封入されている。従って、これ
ら弾性体18及び仕切部材28により液体が封入された
主液室30の隔壁が構成され、主液室30に隣接して仕
切部材28が配置されることになる。尚、この仕切部材
28は合成樹脂、アルミニウム等の金属などで一体成形
により、製造することができ、この際に図3に示すよう
な肉抜き上面側に設けるようにする。
【0028】また、仕切部材28の下部は外周側に突出
しており、この仕切部材28の下部が外筒金具16の下
部と底板金具12のフランジ部12Aとの間に挟まれた
状態とされている。そして、外筒金具16の下部が底板
金具12のフランジ部12Aの外周部分にかしめられる
ことで、これら底板金具12、外筒金具16及び仕切部
材28が一体的に固着されている。
【0029】さらに、薄肉で弾性変形可能なゴム製の第
1ダイヤフラム26が、これら仕切部材28の下部と底
板金具12のフランジ部12Aとの間に外周側を挟まれ
た状態で、仕切部材28の下面に対向しつつ配置されて
いる。
【0030】以上より、この第1ダイヤフラム26と仕
切部材28の下面との間に形成された空間が第1の副液
室32とされており、また、第1ダイヤフラム26の下
側と底板金具12の底部との間の空間が第1空気室40
とされて、この第1ダイヤフラム26の変形を容易にし
ている。
【0031】図1に示すように、仕切部材28の外周面
には、溝部34が仕切部材28の周方向に沿って形成さ
れており、この溝部34と薄肉ゴム層18Aの内周面と
で形成された通路であるシェイクオリフィス64の一端
側は上方に伸びて主液室30に連結されている。さら
に、このシェイクオリフィス64の他端側は内方に伸び
て第1の副液室32に連結されている。そして、このシ
ェイクオリフィス64が、シェイク振動吸収用の制限通
路とされる。
【0032】一方、図1から図3に示すように、仕切部
材28には、仕切部材28の径方向に沿って延びる大径
の通路である円穴36が形成されており、この円穴36
の一端は上方に開放されて主液室30と繋がっている。
この円穴36の他端には、円穴36よりも大径とされる
ざぐり部38が形成されており、このざぐり部38内に
スリーブ42が嵌合されている。
【0033】このスリーブ42の一端側には、バルブで
あるロータ46が回転可能に挿入されている。このロー
タ46の図1において右側の部分は大径の円筒部46A
とされており、図1において左側の部分は回転軸として
の細軸部46Bとされている。さらに、この細軸部46
Bの外周にはOリング47が嵌め込まれており、このO
リング47によって液体がスリーブ42との隙間を介し
て仕切部材28外へ漏れ出ないようにされている。
【0034】また、図3に示すように、ロータ46の円
筒部46A上の周方向に相互に180°異なる部分に
は、それぞれ円筒部46Aの内外を連通する一対の貫通
孔48が形成されている。
【0035】さらに、固定部材84の外周側に形成され
たフランジ部84Bが第1ダイヤフラム26と外筒金具
16の下部との間に挟持されることで、金属製で円盤状
に形成された固定部材84が仕切部材28の下部に配置
されている。
【0036】この固定部材84の円形の中央に位置する
膜支持部84Aはフランジ部84Bより一段高く形成さ
れており、弾性変形可能なゴム製であり且つ第1ダイヤ
フラム26より肉厚であって高剛性の弾性膜80が、こ
の固定部材84の膜支持部84Aに加硫接着された形で
取り付けられている。
【0037】また、図3及び図6に示すように、固定部
材84の膜支持部84Aには、固定部材84を貫通する
第1貫通穴88が形成されており、この第1貫通穴88
の部分を覆う弾性膜80の部分が第2ダイヤフラム80
Aとされる。この為、第2ダイヤフラム80Aが切部材
28の下面側である第1の副液室32側に配置されるこ
とになる。
【0038】そして、第2ダイヤフラム80Aと仕切部
材28の下面との間の隙間が液体が封入される第2の副
液室86とされ、この第2ダイヤフラム80Aが第2の
副液室86の隔壁の少なくとも一部を弾性変形可能に形
成している。
【0039】一方、円筒部46Aの下側に対応した仕切
部材28の部分であって第2の副液室86と対向する部
分には、連通穴50が形成されており、ロータ46が回
転して貫通孔48がこの連通穴50と対向すると、円穴
36と第2の副液室86との間が連通される。
【0040】つまり、円穴36及び連通穴50により、
主液室30と第2の副液室86とを連通してアイドル振
動吸収用の制限通路とされるアイドルオリフィス60が
構成されることになる。
【0041】他方、図2及び図3に示すように、円筒部
46Aの横側に対応した仕切部材28の部分には、円筒
部46Aから円穴36の軸方向と交差する方向に向かっ
て延びる小径のこもり用穴部52が形成されている。
【0042】このこもり用穴部52の途中から図3にお
ける下方に向かって仕切部材28を貫通する開口穴54
が仕切部材28に形成され、この開口穴54に対応する
仕切部材28の下側の位置に空間とされる第3の副液室
56が形成されており、こもり用穴部52の端部が第3
の副液室56に開口されている。
【0043】従って、図5に示すように、ロータ46が
回転して貫通孔48がこのこもり用穴部52と対向する
と、円穴36と第3の副液室56との間が連通される。
つまり、円穴36及びこもり用穴部52により、主液室
30と第3の副液室56とを連通してこもり音吸収用の
制限通路とされるこもり用オリフィス62が構成される
ことになる。
【0044】図3及び図6に示すように、この第3の副
液室56に対応する固定部材84の部分には、固定部材
84を貫通する第2貫通穴90が形成されており、この
第2貫通穴90の部分を覆う弾性膜80の部分が肉薄の
第3ダイヤフラム80Bとされ、この第3ダイヤフラム
80Bが第3の副液室56の弾性変形可能な隔壁とされ
ている。この為、第3ダイヤフラム80Bも切部材28
の下面側である第1の副液室32側に配置されることに
なる。
【0045】以上より、一体的に形成される弾性膜80
内の相互に異なる部分が、一対の副液室である第2の副
液室86及び第3の副液室56の隔壁となる第2ダイヤ
フラム80A及び第3ダイヤフラム80Bをそれぞれ弾
性変形可能に構成し、弾性膜80の第2ダイヤフラム8
0A及び第3ダイヤフラム80Bを構成する部分と異な
る部分を固定部材84が仕切部材28に固定すること
で、この弾性膜80が仕切部材28に取り付けられてい
る。
【0046】つまり、一体的に形成された弾性膜80を
固定部材84で第2ダイヤフラム80Aと第3ダイヤフ
ラム80Bとに仕切ることで、これら第2ダイヤフラム
80A及び第3ダイヤフラム80Bをそれぞれ独立させ
ている。
【0047】また、以上のような構造より、ロータ46
が回転されて、図1及び図2に示すように、円筒部46
Aの貫通孔48がアイドルオリフィス60を開放する
と、アイドルオリフィス60を介して主液室30と第2
の副液室86とが連通される。また、この位置からロー
タ46が90°回転されて、図4及び図5に示すよう
に、円筒部46Aの貫通孔48がこもり用オリフィス6
2を開放すると、こもり用オリフィス62を介して主液
室30と第3の副液室56とが連通される。この為、こ
れらのオリフィス60、62をロータ46が開閉して通
路を切り換えることとなる。
【0048】一方、外筒金具16の側面であってスリー
ブ42に対応する外筒金具16及び薄肉ゴム層18Aの
部分には、貫通穴68が形成されている。この貫通穴6
8に対応する外筒金具16の外周側には、アクチュエー
タとしてのモータ70が配設されており、図示しない取
付け用のねじでねじ止めることにより外筒金具16の外
周側にモータ70が固定されることになる。そして、こ
のモータ70の回転軸70Aは、ロータ46の細軸部4
6Bの先端側に連結されている。
【0049】以上より、ロータ46が、図1及び図2に
示すようにアイドルオリフィス60を介して主液室30
と第2の副液室86との間を連通する配置と、図4及び
図5に示すようにこもり用オリフィス62を介して主液
室30と第3の副液室56との間を連通する配置とを選
択的に採るように、モータ70によって回転される。こ
のモータ70は制御手段であるコントローラ72に連結
されており、コントローラ72よってその回転が制御さ
れるようになっている。コントローラ72は車両電源に
よって作動し、少なくとも車速センサ74及びエンジン
回転数検出センサ76からの検出信号を受け、車速及び
エンジン回転数を検出し、アイドル振動発生時かシェイ
ク振動発生時かを判断できるようになっている。
【0050】次に本実施の形態の作用を説明する。
【0051】頂板金具20に搭載されるエンジンが作動
すると、エンジンの振動が頂板金具20を介して弾性体
18に伝達される。弾性体18は吸振主体として作用
し、弾性体18の内部摩擦に基づく制振機能によって振
動を吸収することができる。
【0052】さらに、弾性体18及び第1ダイヤフラム
26の変形に伴って内容積が変化する主液室30及び第
1の副液室32の中の液体がシェイクオリフィス64を
介して相互に流動し、弾性体18及び第2ダイヤフラム
80Aの変形に伴って内容積が変化する主液室30及び
第2の副液室86の中の液体がアイドルオリフィス60
を介して相互に流動し、弾性体18及び第3ダイヤフラ
ム80Bの変形に伴って内容積が変化する主液室30及
び第3の副液室56の中の液体がこもり用オリフィス6
2を介して相互に流動し、これらオリフィス空間に生ず
る液体流動の粘性抵抗及び液柱共振等に基づく減衰作用
で防振効果を向上することができる。
【0053】そして、常時開放されているシェイクオリ
フィス64の他に、アイドルオリフィス60及びこもり
用オリフィス62を設けると共に、これらアイドルオリ
フィス60とこもり用オリフィス62との間で通路を切
り換えるロータ46を設け、さらに、一体的に形成され
る弾性膜80内の相互に異なる部分が、一対の副液室で
ある第2の副液室86及び第3の副液室56の隔壁とな
る第2ダイヤフラム80A及び第3ダイヤフラム80B
をそれぞれ弾性変形可能に構成するようにした結果とし
て、以下のように作用する。
【0054】車両が例えば70〜80km/h以上の高速
で走行するとシェイク振動(15Hz未満)が生じる。前
記コントローラ72は車速センサ74、エンジン回転数
検出センサ76によりシェイク振動発生時か否かを判断
する。コントローラ72がシェイク振動発生時であると
判断すると、コントローラ72はモータ70を作動させ
てロータ46を回転し、図4及び図5に示すように、貫
通孔48をこもり用オリフィス62と対応させ、アイド
ルオリフィス60とは対応しない配置にする。
【0055】これによってアイドルオリフィス60は閉
止され、常時開放されているシェイクオリフィス64が
主液室30と第1の副液室32とを連通すると共に、こ
もり用オリフィス62が主液室30と第3の副液室56
とを連通する。
【0056】この結果、主液室30内に生じるエンジン
振動に基づく圧力変化がシェイクオリフィス64及びこ
もり用オリフィス62内の液体に伝達されると共にこの
液体の抵抗等を受けシェイク振動が吸収される。
【0057】さらに、シェイク振動と共に生じることが
ある高周波で小振幅の振動であるこもり音(50〜10
0Hz)に対しては、仕切部材28に内蔵されたこもり用
オリフィス62内で液柱共振して動ばね定数が低下し、
こもり音が吸収される。
【0058】また、エンジンがアイドリング運転の場合
や車速が5km/h以下の場合にはアイドル振動(20〜
40Hz)が生じる。コントローラ72は車速センサ7
4、エンジン回転数検出センサ76によりアイドル振動
発生時か否かを判断する。コントローラ72がアイドル
振動発生時であると判断すると、コントローラ72はモ
ータ70を回転させて、図1及び図2に示すように、ロ
ータ46の貫通孔48をアイドルオリフィス60と対応
させ、こもり用オリフィス62とは対応しない配置にす
る。
【0059】これによってこもり用オリフィス62は閉
止され、液体は通過抵抗の小さなアイドルオリフィス6
0を介して主液室30と第2の副液室86と行き来する
ことになり、アイドルオリフィス60内で液柱共振して
動ばね定数が低下して、振動が吸収される。
【0060】つまり、本実施の形態の防振装置10によ
れば、シェイク振動の減衰を図り、さらにアイドル振動
での低動ばね化を図り、いずれの振動周波数においても
適切に振動が吸収され、広範囲な振動を低減することが
可能になる。
【0061】具体的には、本実施の形態のように、振動
発生部がエンジンとされ、振動受部が車両の車体とされ
た場合、前述のようにシェイク振動等の低周波数域の振
動が発生する車両の高速域での振動を減衰しつつ、アイ
ドル振動等の高周波数域の振動が発生するアイドリング
時において液柱共振を生じさせて動ばね定数を低下させ
て、それぞれ振動を低減する。
【0062】さらに、第2の副液室86及び第3の副液
室56の隔壁をそれぞれ弾性変形可能に構成する弾性膜
80が一体的に形成されているので、防振装置10の部
品点数が削減されると共に構造が簡易化されて、防振装
置10の製造が容易となり、結果として防振装置10の
製造コストが低減される。
【0063】また、本実施の形態では、弾性膜80内の
相互に異なる部分が第2の副液室86及び第3の副液室
56の隔壁をそれぞれ構成し、固定部材84が弾性膜8
0の第2の副液室86及び第3の副液室56の隔壁であ
る第2ダイヤフラム80A及び第3ダイヤフラム80B
を構成する部分と異なる部分を仕切部材28側に押しつ
けるように固定している。
【0064】この為、弾性膜80を弾性変形可能としつ
つ弾性膜80が容易且つ確実に固定されるようになるの
で、防振装置10の製造が一層容易となって、結果とし
て防振装置10の製造コストが一層低減される。
【0065】次に、本発明に係る防振装置の第2の実施
の形態を図7に示し、この図に基づき本実施の形態を説
明する。尚、第1の実施の形態で説明した部材と同一の
部材には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0066】図7に示すように本実施の形態の防振装置
10は第1の実施の形態とほぼ同様に構造を有している
ものの、ゴム製の弾性膜102が仕切部材28の主液室
30側である上面側に配置されており、これに対応して
金属製の固定部材104も仕切部材28の上面側に配置
されている。
【0067】そして、アイドルオリフィス106が図7
において円穴36から右側に延びて仕切部材28の右側
寄りの位置に第2の副液室108が形成されている。そ
して、この第2の副液室108の上部の隔壁となる弾性
膜102の部分が第2ダイヤフラム102Aとされてい
る。
【0068】また、こもり用オリフィス112が図7に
おいて円穴36から左側に延びて仕切部材28の左側寄
りの位置に第3の副液室114が形成されている。そし
て、この第3の副液室114の上部の隔壁となる弾性膜
102の部分が第3ダイヤフラム102Bとされてい
る。
【0069】さらに、固定部材104と第2ダイヤフラ
ム102Aとの間の空気が封入された空間が第2空気室
116とされ、固定部材104と第3ダイヤフラム10
2Bとの間の空気が封入された空間が第3空気室118
とされており、それぞれ固定部材104及び弾性膜10
2により密閉されている。
【0070】以上より、一体的に形成されて一対の副液
室の隔壁をそれぞれ弾性変形可能に構成する弾性膜10
2が、仕切部材28に取り付けられるので、本実施の形
態の第1の実施の形態と同様の作用を奏することが可能
となる。
【0071】尚、第1の実施の形態においては、弾性膜
の剛性の変化に依り得られる防振特性が異なるので、部
分的に弾性膜の膜厚を変えたり、固定部材のくり抜き部
分である貫通穴の面積を変えることで、防振特性のチュ
ーニングを実施することができる。また、第2の実施の
形態においても、空気室の容積と弾性膜の部分的な膜厚
変更に依り、防振特性のチューニングを実施することが
できる。
【0072】一方、実施の形態において、車両に搭載さ
れるエンジンの防振を目的としたが、本発明の防振装置
は他の用途にも用いられることはいうまでもなく、ま
た、形状等も実施の形態のものに限定されるものではな
い。
【0073】さらに、上記実施の形態において、ロータ
をモータによって回転させる構成としたが、本発明はこ
れに限らず、ロータを回転させるアクチュエータはモー
タ以外のものであってもよく、バルブもロータ以外の弁
等を用いることとしてもよい。
【0074】また、上記実施例において車体に第1の取
付部材である頂板金具20側が取り付けられ、エンジン
に第2の取付部材である底板金具12及び外筒金具16
側が取り付けられる構成としたが、この逆の構成として
もよい。
【0075】
【発明の効果】本発明の防振装置は、以上のように説明
した構成とした結果、部品点数を削減して製造コストを
低減しつつ広範囲な周波数の振動を低減することが可能
となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る防振装置の第1の実施の形態の断
面図であって、アイドル振動時を示す図である。
【図2】図1の2−2矢視線断面図である。
【図3】図1の3−3矢視線断面図である。
【図4】本発明に係る防振装置の第1の実施の形態の断
面図であって、シェイク振動時を示す図である。
【図5】図4の5−5矢視線断面図である。
【図6】図3の6−6矢視線断面に対応する固定部材及
び弾性膜の底面図である。
【図7】本発明に係る防振装置の第2の実施の形態の断
面図である。
【符号の説明】 10 防振装置 12 底板金具(第2の取付部材) 16 外筒金具(第2の取付部材) 18 弾性体 20 頂板金具(第1の取付部材) 28 仕切部材(通路形成部材) 30 主液室 56 第3の副液室 86 第2の副液室 80 弾性膜 84 固定部材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動発生部及び振動受部の一方に連結さ
    れる第1の取付部材と、 筒状に形成されて振動発生部及び振動受部の他方に連結
    される第2の取付部材と、 これら一対の取付部材の間に配置されてこれら一対の取
    付部材を連結する弾性体と、 弾性体を隔壁の一部として液体が封入されて第2の取付
    部材の内側に設けられる主液室と、 液体がそれぞれ封入される一対の副液室と、 主液室に隣接して配置され且つ主液室と一対の副液室と
    の間を連通する一対の通路が内部にそれぞれ形成される
    通路形成部材と、 一体的に形成されて通路形成部材に取り付けられ且つ一
    対の副液室の隔壁をそれぞれ弾性変形可能に構成する弾
    性膜と、 を有することを特徴とする防振装置。
  2. 【請求項2】 弾性膜内の相互に異なる部分が一対の副
    液室の隔壁をそれぞれ構成し、 弾性膜の一対の副液室の隔壁を構成する部分と異なる部
    分を通路形成部材に固定する固定部材を有することを特
    徴とする請求項1記載の防振装置。
JP10250098A 1998-04-14 1998-04-14 防振装置 Pending JPH11294518A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10250098A JPH11294518A (ja) 1998-04-14 1998-04-14 防振装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10250098A JPH11294518A (ja) 1998-04-14 1998-04-14 防振装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11294518A true JPH11294518A (ja) 1999-10-29

Family

ID=14329139

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10250098A Pending JPH11294518A (ja) 1998-04-14 1998-04-14 防振装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11294518A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012082942A (ja) * 2010-10-14 2012-04-26 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 液封入式防振装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012082942A (ja) * 2010-10-14 2012-04-26 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 液封入式防振装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH11108108A (ja) 防振装置
JP6355242B2 (ja) 防振装置
JPH0650379A (ja) 防振装置
JPH11294518A (ja) 防振装置
JP4137197B2 (ja) 防振装置
JP2002013584A (ja) 防振装置
JP2001020995A (ja) 防振装置及び防振装置のバルブ
JPH1047427A (ja) 防振装置
JPH11325161A (ja) 防振装置
JP2968923B2 (ja) 防振装置
JP2001003978A (ja) 防振装置
JPH11125304A (ja) 防振装置
JPH11344071A (ja) 防振装置
JP3461018B2 (ja) 防振装置
JP2001003977A (ja) 防振装置
JP2000136843A (ja) 防振装置
JP2002227913A (ja) 防振装置
JP2581998B2 (ja) 防振装置
JPH0674285A (ja) 防振装置
JP4409661B2 (ja) 防振装置
JPH11125301A (ja) 防振装置
JPH06129480A (ja) 防振装置
JPH11210814A (ja) 防振装置
JP4072798B2 (ja) 防振装置
JP2002266928A (ja) 防振装置及び防振装置の製造方法