JPH11125304A - 防振装置 - Google Patents

防振装置

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JPH11125304A
JPH11125304A JP28822897A JP28822897A JPH11125304A JP H11125304 A JPH11125304 A JP H11125304A JP 28822897 A JP28822897 A JP 28822897A JP 28822897 A JP28822897 A JP 28822897A JP H11125304 A JPH11125304 A JP H11125304A
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JP
Japan
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liquid chamber
vibration
diaphragm
main liquid
sub
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JP28822897A
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Hiroshi Kojima
宏 小島
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波数域の振動の発生と同時に低周波数域
の振動が発生する場合でも、十分に振動を低減する。 【解決手段】 外筒金具16の内側に中間筒22及び中
間ブロック24が配置され、中間ブロック24と弾性体
18とで区画された空間が主液室30を構成し、シェイ
クオリフィス64で主液室30と第1の副液室32との
間が連通される。アイドルオリフィス60で主液室30
と第2の副液室86との間が連通され、ロータ46でア
イドルオリフィス60が開閉される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動を発生する部
材からの振動の伝達を防止する防振装置に関し、例えば
車両に搭載されるエンジンからの振動の伝達を防止する
場合等に適用可能なものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、振動発生部となる車両のエンジ
ンと振動受部となる車体との間にエンジンマウントとし
ての防振装置が配設されていて、エンジンが発生する振
動をこの防振装置が吸収し、振動が車体側に伝達される
のを阻止するような構造が知られている。
【0003】すなわち、この防振装置の一例として、筒
状に形成される外筒の内側に内筒が配置されるだけで無
く、外筒の内部に主液室及び副液室を設けると共に、オ
リフィスとなる制限通路でこれらの液室を互いに連通し
た構造のブッシュタイプのものがある。
【0004】そして、搭載されたエンジンが作動して振
動が発生した場合には、これら液室を連通する制限通路
内の液体の液柱共振等で低動ばねとして振動を吸収した
り振動を減衰したりして、振動の伝達を阻止するように
なっている。
【0005】一方、エンジンの幅広い作動状態に伴って
振動周波数も広範囲なものとなる。従って、このような
広範囲な周波数の振動それぞれにおいても防振特性を維
持するべく、長さ及び内径を種々相違させた制限通路を
有した防振装置や、主液室と副液室との間を仕切る仕切
部材の主液室と対向した側にゴム製のメンブランを設け
て、このメンブランの変形により高周波数域の振動の低
動ばね化を図って、高周波数域の振動を低減する構造の
防振装置が、近年案出されるようになった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、高周波数域の
振動の発生と同時に低周波数域の振動が発生する場合、
いずれの構造の防振装置でも、十分に振動を低減するこ
とが困難であった。
【0007】本発明は上記事実を考慮し、高周波数域の
振動の発生と同時に低周波数域の振動が発生する場合で
も、十分に振動を低減し得る防振装置を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1による防振装置
は、振動発生部及び振動受部の一方に連結され且つ筒状
に形成される外筒と、振動発生部及び振動受部の他方に
連結され且つ外筒の内側に配置される内筒と、これら外
筒と内筒との間に配置される弾性体と、弾性体を隔壁の
一部として液体が封入され且つ弾性体の変形により内容
積が変化する主液室と、主液室と通路により連通されて
液体が封入される第1の副液室と、第1の副液室の隔壁
の少なくとも一部を弾性変形可能に形成する第1ダイヤ
フラムと、主液室と通路により連通されて液体が封入さ
れる第2の副液室と、第2の副液室の隔壁の少なくとも
一部を弾性変形可能に形成し且つ第1ダイヤフラムより
剛性が高い第2ダイヤフラムと、主液室と第2の副液室
との間を繋ぐ通路を開閉するバルブと、バルブに連結さ
れてバルブを作動するアクチュエータと、を有すること
を特徴とする。
【0009】請求項2による防振装置は、請求項1の防
振装置において、第2ダイヤフラムが主液室と隔離され
て配置されたことを特徴とする。
【0010】請求項1に係る防振装置の作用を以下に説
明する。外筒或いは内筒のいずれかに連結された振動発
生部側から低周波数域の振動が伝達された場合、弾性体
が変形して弾性体により振動が減衰される。
【0011】さらに、この弾性体の変形により主液室の
内容積が変化するが、この際、主液室と第2の副液室と
の間を繋ぐ通路をバルブにより閉じた状態とすることに
より、第2の副液室側に液体が流動しないようになっ
て、第1の副液室側に積極的に液体が流動するようにな
る。この結果、この主液室と第1の副液室との間を連通
する通路内の液体に圧力変化が生じ、これに伴って、こ
の第1の副液室の隔壁の少なくとも一部を弾性変形可能
に形成する第1ダイヤフラムが、変形する。
【0012】つまり、振動発生部側から低周波数域の振
動が伝達されると、弾性体だけでなく、主液室と第1の
副液室との間を繋ぐ通路内の液体によりこの低周波数域
の振動が減衰されて、振動受部側に振動が伝達され難く
なる。
【0013】一方、振動の周波数が変わり、主液室と第
1の副液室との間の通路では、振動を低減できないよう
な高周波数域の振動が外筒或いは内筒のいずれかに連結
された振動発生部側から伝達された場合、前記と同様に
弾性体の変形により主液室の内容積が変化する。
【0014】この際、振動の周波数に合わせてアクチュ
エータがバルブを作動して、主液室と第2の副液室との
間を繋ぐ通路を開放した状態とすることで、この主液室
の内容積の変化によって、第2の副液室とこの主液室と
の間を連通する通路内の液体に圧力変化が生じ、これに
伴って、この第2の副液室の隔壁の少なくとも一部を弾
性変形可能に形成する第2ダイヤフラムが、変形する。
【0015】この結果、振動発生部側から高周波数域の
振動が伝達されると、主液室と第2の副液室との間を繋
ぐ通路によって動ばね定数が低下して、この高周波数域
の振動を吸収し、振動受部側に振動が伝達され難くな
る。
【0016】さらに、第2ダイヤフラムの剛性が第1ダ
イヤフラムの剛性より高くなるように第2ダイヤフラム
が形成され、主液室と第1の副液室との間を繋ぐ通路は
常時開放されているので、高周波数域の振動と共に発生
することがある低周波数域の振動により、第1ダイヤフ
ラムを変形させることが可能となる。
【0017】この為、第1ダイヤフラムが変形して、高
周波数域の振動と同時に発生することがあるこの低周波
数域の振動を、主液室と第1の副液室との間を繋ぐ通路
で減衰できることになる。
【0018】つまり、低周波数域での振動の減衰を図
り、さらに高周波数域での低動ばね化を図るだけでな
く、高周波数域の振動に伴って高周波数域の振動と同時
に発生することのある低周波数域の振動が減衰されて、
いずれの振動周波数においても適切に振動が吸収され、
広範囲な振動を低減することが可能になる。
【0019】例えば、振動発生部がエンジンとされ、振
動受部が車両の車体とされた場合、低周波数域の振動が
発生する車両の高速域での振動を減衰しつつ、高周波数
域の振動が発生するアイドリング時において液柱共振を
生じさせて動ばね定数を低下させて、それぞれ振動を低
減するだけでなく、このアイドリング時において高周波
数域の振動の他に発生することのある低周波数域の振動
を低減することが可能となる。
【0020】請求項2に係る防振装置の作用を以下に説
明する。本請求項においても請求項1と同様な作用を奏
する。但し、本請求項では、第2ダイヤフラムが主液室
と隔離されて配置された構成とされる。
【0021】この為、仕切部材の主液室と対向した側に
第2ダイヤフラムを設けた場合には、低周波数域の振動
時にも第2ダイヤフラムが変形して主液室の内圧を吸収
するので、主液室内の内圧損失が大きくなって低周波数
域での減衰が不十分となる虞があったが、本請求項によ
れば第2ダイヤフラムが仕切部材の主液室と対向した側
にないので、低周波数域での減衰が不十分とならない。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明に係る防振装置の一実施の
形態を図1から図3に示し、これらの図に基づき本実施
の形態を説明する。
【0023】図1から図3に示すように、この所謂ブシ
ュタイプの防振装置10には図示しない車体への連結用
の取付フレーム12が備えられており、この取付フレー
ム12の環状部14内には円筒状の外筒金具16が配設
されている。
【0024】この外筒金具16の内周面にはゴム製で薄
肉の第1ダイヤフラム20の外周部分が加硫接着され、
外筒金具16の図1において左上部の内側にこの第1ダ
イヤフラム20が配置されている。また、図1に示すよ
うに、この第1ダイヤフラム20と外筒金具16との間
は空気室31とされており、必要に応じて外部と連通さ
れる。
【0025】外筒金具16内には中間筒22及び中間ブ
ロック24が挿入されており、これら中間筒22及び中
間ブロック24が仕切部材を構成することとなる。
【0026】この中間ブロック24は、外筒金具16の
軸方向から見て略半円形のブロック状とされており、図
1に示すように、中間ブロック24の外周面が外筒金具
16の内周面に密着している。図3に示すように、中間
筒22の軸方向両端部には、それぞれフランジ部22A
が形成されており、これら一対のフランジ部22A間に
中間ブロック24が嵌入されることとなる。また、一対
のフランジ部22Aの外周面は外筒金具16の内周面へ
密着されている。
【0027】図1に示すように、中間ブロック24の上
面となる平面部24Bに対向した中間筒22の部分に
は、切欠部22Bが形成されており、この切欠部22B
内を図示しないエンジンに連結される内筒金具26が貫
通している。この内筒金具26は外筒金具16と同軸的
に配置され、中間筒22との間にゴム材等で形成される
弾性体28が掛け渡されている。これによって内筒金具
26は外筒金具16に対して相対移動可能となってい
る。
【0028】弾性体28は中間筒22のフランジ部22
A間の外周面にも延設されており、中間ブロック24の
両端部にそれぞれ突出して円弧状に形成された部分の内
周側の内周円弧面24Aに、弾性体28の一部が密着し
ている。また、弾性体28の中間部であって内筒金具2
6の下側に、切欠部28Aが形成されており、切欠部2
8Aと中間ブロック24との間の空間が主液室30とさ
れている。
【0029】一方、中間筒22の一対のフランジ部22
A間には、中間筒22及び第1ダイヤフラム20によっ
て囲まれた第1の副液室32が形成されている。また、
図1に示すように、中間ブロック24の外周面には、溝
部46が形成されている。この溝部46の一端は、中間
ブロック24の図1において左側の端部に開口して第1
の副液室32に連結されている。この溝部46の他端
は、中間ブロック24内を貫通して形成される貫通孔4
8を介して、主液室30と連通している。そして、これ
ら溝部46及び貫通孔48は、シェイク振動吸収用の制
限通路としてのシェイクオリフィス64となる。
【0030】中間ブロック24の平面部24B側には円
穴34が形成されており、円穴34の底部には、円穴3
4よりも細径とされると共に中間ブロック24の外周面
に貫通する円形貫通孔35が、円穴34と同軸的に形成
されている。また、中間ブロック24の外筒金具16側
には、円形貫通孔35と同軸的に係合部としての座ぐり
部39が設けられており、さらに座ぐり部39の外側に
シール用のOリング41が嵌め込まれている。
【0031】これら円穴34及び円形貫通孔35には、
バルブであるロータ36が回転可能に挿入されている。
このロータ36の主液室30側は円筒状の円筒部36A
とされており、円筒部36Aと反対側には回転軸として
の細軸部36Bが一体的に設けられている。さらに、中
間ブロック24の平面部24B側には座金40が固定さ
れ、ロータ36の抜け出しを防止している。
【0032】また、細軸部36Bの外周には一対のOリ
ング44がそれぞれ嵌め込まれている。従って、このO
リング44によって液体は円形貫通孔35を介して中間
ブロック24の外方へ漏れ出ることはない。
【0033】さらに、第1ダイヤフラム20と一体的に
形成される仕切壁21を挟んで第1ダイヤフラム20と
隣合う部分には、弾性変形可能なゴム製であって第1ダ
イヤフラム20より高剛性の第2ダイヤフラム82が、
配置されている。この第2ダイヤフラム82は、外筒金
具16の内周面にその外周側が加硫接着された形で、外
筒金具16に取り付けられている。
【0034】そして、第2ダイヤフラム82と中間筒2
2の外周面との間の隙間が第2の副液室86とされ、こ
の第2ダイヤフラム82が第2の副液室86の隔壁の少
なくとも一部を弾性変形可能に形成している。さらに、
この第2ダイヤフラム82と外筒金具16の内周面側と
の間の空間が、外筒金具16に内蔵されて内部に気体が
封入された第2空気室88とされ、この第2空気室88
が第2ダイヤフラム82の変形を可能としている。
【0035】また、ロータ36の円筒部36Aには、円
筒部36Aの内外を連通する貫通孔38が形成されてい
る。一方、中間ブロック24には、円穴34の半径方向
に沿って通路56が形成されており、この通路56の一
端は円穴34の内周に開口されている。この通路56の
他端は中間ブロック24の外周に周方向に沿って形成さ
れる溝部である通路58の一端と連通されており、この
通路58の他端は第2の副液室86と連通されている。
従って、ロータ36が回転して貫通孔38がこの通路5
6と対向すると、主液室30と第2の副液室86との間
が連通されることになる。
【0036】つまり、これら通路56、58により、主
液室30と第2の副液室86とを連通してアイドル振動
吸収用の制限通路とされるアイドルオリフィス60が構
成されることになる。
【0037】他方、図1に示すように、中間ブロック2
4には、さらに円穴34の半径方向に沿い且つ通路56
と逆方向に向かう小径のこもり用穴部92が形成されて
いる。このこもり用穴部92の開口端に対応する中間ブ
ロック24内の部分には、円弧状の空間とされる第3の
副液室96が形成されており、こもり用穴部92の端部
が第3の副液室96に開口されている。従って、ロータ
36が回転して貫通孔38がこのこもり用穴部92と対
向すると、主液室30と第3の副液室96との間が連通
されることになる。
【0038】つまり、こもり用穴部92により、主液室
30と第3の副液室96とを連通してこもり音吸収用の
制限通路とされるこもり用オリフィス62が構成される
ことになる。
【0039】この第3の副液室96に対して中間ブロッ
ク24の外周側の部分には、ゴム製で肉薄の第3ダイヤ
フラム94が、その外周部分を外筒金具16と中間ブロ
ック24との間に挟まれて配置されていて、この第3ダ
イヤフラム94が第3の副液室96の弾性変形可能な隔
壁とされている。
【0040】この為、この第3ダイヤフラム94と外筒
金具16の内周面側との間の空間が、外筒金具16に内
蔵されて内部に気体が封入された第3空気室98とさ
れ、この第3空気室98が第3ダイヤフラム94の変形
を可能としている。
【0041】つまり、第3ダイヤフラム94が第3の副
液室96の隔壁の一部を構成することになり、図1に示
すように、この第3ダイヤフラム94の面積は第1の副
液室32の隔壁の一部を構成する第1ダイヤフラム20
の面積より小さくされているので、第3ダイヤフラム9
4は第1ダイヤフラム20より剛性が高いことになる。
【0042】そして、これら主液室30、第1の副液室
32、第2の副液室86及び第3の副液室96には、エ
チレングリコール等の液体が充填されるように封入され
ている。
【0043】一方、取付フレーム12の環状部14の外
側には、アクチュエータとしてのモータ70が配設され
ている。このモータ70の回転軸71の先端は、ロータ
36の細軸部36Bの先端側に嵌入されている。さら
に、モータ70には係合部としてのボス70Aが回転軸
71と同軸的に設けられている。このボス70Aの外径
は座ぐり部39の内径よりも所定寸法小さくされてお
り、ボス70Aと座ぐり部39とが緊密に嵌合されてい
る。したがって、ボス70Aは前述した中間ブロック2
4の座ぐり部39にがたなく嵌入されている。
【0044】また、モータ70にはフランジ部70Bが
設けられており、このフランジ部70Bは、取付フレー
ム12の環状部14の外径に沿った円弧状に形成されて
いる。この為、フランジ部70Bを挿通したビス(図示
せず)が環状部14に設けられた図示しないねじ部に螺
入されることによって、モータ70が環状部14に固定
されることになる。
【0045】以上のような構造より、ロータ36が回転
されて、図1に示すように、円筒部36Aの貫通孔38
がアイドルオリフィス60を開放すると、アイドルオリ
フィス60を介して主液室30と第2の副液室86とが
連通される。また、この位置からロータ36が180°
回転されて、図2に示すように、円筒部36Aの貫通孔
38がこもり用オリフィス62を開放すると、こもり用
オリフィス62を介して主液室30と第3の副液室96
とが連通される。この為、これらのオリフィス60、6
2をロータ36が開閉して通路を切り換えることとな
る。
【0046】以上より、ロータ36が、図1に示すよう
にアイドルオリフィス60を介して主液室30と第2の
副液室86との間を連通する配置と、図2に示すように
こもり用オリフィス62を介して主液室30と第3の副
液室96との間を連通する配置とを選択的に採るよう
に、モータ70によって回転される。
【0047】このモータ70は制御手段であるコントロ
ーラ72に連結されており、コントローラ72よってそ
の回転が制御されるようになっている。コントローラ7
2は車両電源によって作動し、少なくとも車速センサ7
4及びエンジン回転数検出センサ76からの検出信号を
受け、車速及びエンジン回転数を検出し、アイドル振動
発生時かシェイク振動発生時かを判断できるようになっ
ている。
【0048】次に本実施の形態の作用を説明する。内筒
金具26に搭載されるエンジンが作動すると、エンジン
の振動が内筒金具26を介して弾性体28に伝達され
る。弾性体28は吸振主体として作用し、弾性体28の
内部摩擦に基づく制振機能によって振動を吸収すること
ができる。
【0049】さらに、弾性体28及び第1ダイヤフラム
20の変形に伴って内容積が変化する主液室30及び第
1の副液室32の中の液体がシェイクオリフィス64を
介して相互に流動し、弾性体28及び第2ダイヤフラム
82の変形に伴って内容積が変化する主液室30及び第
2の副液室86の中の液体がアイドルオリフィス60を
介して相互に流動し、弾性体28及び第3ダイヤフラム
94の変形に伴って内容積が変化する主液室30及び第
3の副液室96の中の液体がこもり用オリフィス62を
介して相互に流動し、これらオリフィス空間に生ずる液
体流動の粘性抵抗及び液柱共振等に基づく減衰作用で防
振効果を向上することができる。
【0050】そして、常時開放されているシェイクオリ
フィス64の他に、アイドルオリフィス60及びこもり
用オリフィス62を設けると共に、これらアイドルオリ
フィス60とこもり用オリフィス62との間で通路を切
り換えるロータ36を設けた結果として、以下のように
作用する。
【0051】車両が例えば70〜80km/h以上の高速
で走行するとシェイク振動(15Hz未満)が生じる。前
記コントローラ72は車速センサ74、エンジン回転数
検出センサ76によりシェイク振動発生時か否かを判断
する。コントローラ72がシェイク振動発生時であると
判断すると、コントローラ72はモータ70を作動させ
てロータ36を回転し、図2に示すように、貫通孔38
をこもり用オリフィス62と対応させ、アイドルオリフ
ィス60とは対応しない配置にする。
【0052】これによってアイドルオリフィス60は閉
止され、常時開放されているシェイクオリフィス64が
主液室30と第1の副液室32とを連通すると共に、こ
もり用オリフィス62が主液室30と第3の副液室96
とを連通する。
【0053】この結果、主液室30内に生じるエンジン
振動に基づく圧力変化がシェイクオリフィス64及びこ
もり用オリフィス62内の液体に伝達されると共にこの
液体の抵抗等を受けシェイク振動が吸収される。
【0054】さらに、シェイク振動と共に生じることが
ある高周波で小振幅の振動であるこもり音(50〜10
0Hz)に対しては、こもり用オリフィス62内で液柱共
振して動ばね定数が低下し、こもり音が吸収される。
【0055】また、エンジンがアイドリング運転の場合
や車速が5km/h以下の場合にはアイドル振動(20〜
40Hz)が生じる。コントローラ72は車速センサ7
4、エンジン回転数検出センサ76によりアイドル振動
発生時か否かを判断する。コントローラ72がアイドル
振動発生時であると判断すると、コントローラ72はモ
ータ70を回転させて、図1に示すように、ロータ36
の貫通孔38をアイドルオリフィス60と対応させ、こ
もり用オリフィス62とは対応しない配置にする。
【0056】これによってこもり用オリフィス62は閉
止され、液体は通過抵抗の小さなアイドルオリフィス6
0を介して主液室30と第2の副液室86と行き来する
ことになり、アイドルオリフィス60内で液柱共振して
動ばね定数が低下して、振動が吸収される。
【0057】さらに、第2ダイヤフラム82の剛性が第
1ダイヤフラム20の剛性より高くなるように第2ダイ
ヤフラム82が形成され、主液室30と第1の副液室3
2との間を繋ぐシェイクオリフィス64は常時開放され
ているので、剛性が高くされて第2ダイヤフラム82が
変形し難くなるのに伴って、シェイクオリフィス64側
にも液体が流動するようになる。この為、アイドル振動
の振動と共に発生することがあるシェイク振動と同様の
低周波数域の振動により、第1ダイヤフラム20を変形
させることが可能となる。
【0058】従って、第1ダイヤフラム20が変形し
て、アイドル振動の振動と同時に発生することがあるこ
の低周波数域の振動を、主液室30と第1の副液室32
との間を繋ぐシェイクオリフィス64で減衰できること
になる。
【0059】具体的には、本実施の形態のように、振動
発生部がエンジンとされ、振動受部が車両の車体とされ
た場合、アイドル振動等の高周波数域の振動が発生する
アイドリング運転等の時にエンジンの3次振動であるこ
のアイドル振動が発生すると同時に、10Hz程度のエ
ンジンの1次振動であって低周波数域の振動であるエン
ジンのロール共振が発生するが、このエンジンのロール
共振域での減衰機能を持たせて、ロール共振を低減する
ことが可能ともなる。
【0060】つまり、本実施の形態の防振装置10によ
れば、シェイク振動の減衰を図り、さらにアイドル振動
での低動ばね化を図るだけでなく、アイドル振動に伴っ
てアイドル振動と同時に発生することのある低周波数域
の振動が減衰されて、いずれの振動周波数においても適
切に振動が吸収され、広範囲な振動を低減することが可
能になる。
【0061】一方、従来のメンブランを仕切部材の主液
室と対向した側に設けたものと異なり、本実施の形態で
は、第2ダイヤフラム82が主液室30と隔離され、開
閉可能なロータ36及びアイドルオリフィス60を介し
て主液室30と繋がる第2の副液室86の隔壁とされて
いる。
【0062】この為、仕切部材の主液室と対向した側に
第2ダイヤフラム82を設けた場合には、低周波数域の
振動時にも第2ダイヤフラム82が変形して主液室30
の内圧を吸収するので、主液室30内の内圧損失が大き
くなってシェィク振動での減衰が不十分となる虞があっ
たが、本実施の形態によれば、主液室30内の内圧損失
が少なくなりシェィク振動の減衰が不十分とならない。
【0063】尚、上記実施の形態において車体に外筒金
具16側が取り付けられ、エンジンに内筒金具26側が
取り付けられる構成としたが、この逆の構成としてもよ
い。
【0064】一方、上記実施の形態において、車両に搭
載されるエンジンの防振を目的としたが、本発明の防振
装置は他の用途にも用いられることはいうまでもなく、
また、形状等も実施の形態のものに限定されるものでは
ない。
【0065】他方、上記実施の形態において、ロータを
モータによって回転させる構成としたが、本発明はこれ
に限らず、ロータを回転させるアクチュエータはモータ
以外のものであってもよく、弁体もロータ以外の弁等を
用いることとしてもよい。
【0066】
【発明の効果】本発明の防振装置は、以上のように説明
した構成とした結果、高周波数域の振動の発生と同時に
低周波数域の振動が発生する場合でも、十分に振動を低
減することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る防振装置の一実施の形態を示す断
面図であって、アイドル振動発生時を示す図である。
【図2】本発明に係る防振装置の一実施の形態を示す断
面図であって、シェイク振動発生時を示す図である。
【図3】本発明に係る防振装置の一実施の形態の分解状
態を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 防振装置 16 外筒金具 20 第1ダイヤフラム 26 内筒金具 28 弾性体 30 主液室 32 第1の副液室 36 ロータ 60 アイドルオリフィス 64 シェイクオリフィス 70 モータ 82 第2ダイヤフラム 86 第2の副液室

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動発生部及び振動受部の一方に連結さ
    れ且つ筒状に形成される外筒と、 振動発生部及び振動受部の他方に連結され且つ外筒の内
    側に配置される内筒と、 これら外筒と内筒との間に配置される弾性体と、 弾性体を隔壁の一部として液体が封入され且つ弾性体の
    変形により内容積が変化する主液室と、 主液室と通路により連通されて液体が封入される第1の
    副液室と、 第1の副液室の隔壁の少なくとも一部を弾性変形可能に
    形成する第1ダイヤフラムと、 主液室と通路により連通されて液体が封入される第2の
    副液室と、 第2の副液室の隔壁の少なくとも一部を弾性変形可能に
    形成し且つ第1ダイヤフラムより剛性が高い第2ダイヤ
    フラムと、 主液室と第2の副液室との間を繋ぐ通路を開閉するバル
    ブと、 バルブに連結されてバルブを作動するアクチュエータ
    と、 を有することを特徴とする防振装置。
  2. 【請求項2】 第2ダイヤフラムが主液室と隔離されて
    配置されたことを特徴とする請求項1記載の防振装置。
JP28822897A 1997-10-21 1997-10-21 防振装置 Withdrawn JPH11125304A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100956983B1 (ko) 2007-12-05 2010-05-11 현대자동차주식회사 하이드로 트랜스미션 마운트

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