JP2002013584A - 防振装置 - Google Patents

防振装置

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JP2002013584A
JP2002013584A JP2000193807A JP2000193807A JP2002013584A JP 2002013584 A JP2002013584 A JP 2002013584A JP 2000193807 A JP2000193807 A JP 2000193807A JP 2000193807 A JP2000193807 A JP 2000193807A JP 2002013584 A JP2002013584 A JP 2002013584A
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JP
Japan
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vibration
valve
liquid chamber
passage
main liquid
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JP2000193807A
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English (en)
Inventor
Katsumi Someya
勝己 染谷
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動の周波数が微妙に変化した場合でも振動
を低減する。 【解決手段】 外筒金具16の内側に中間筒22及び中
間ブロック24が配置され、中間ブロック24と弾性体
28とで区画された空間が主液室30を構成する。シェ
イクオリフィス64及びアイドルオリフィス60で主液
室30と第1副液室32との間が連通される。アイドル
オリフィス60を開閉する為の弁体34Aとシャフト3
4Bとでバルブ34が構成される。外筒金具16を覆う
ブラケット12の外側にモータユニット70が配設さ
れ、モータユニット70から突出する動力伝達シャフト
70Aの上端がシャフト34Bの下端側に嵌合される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動を発生する部
材からの振動の伝達を防止する防振装置に関し、例えば
車両に搭載されるエンジンからの振動の伝達を防止する
場合等に適用可能なものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、振動発生部となる車両のエンジ
ンと振動受部となる車体との間にエンジンマウントとし
ての防振装置が配設されていて、エンジンが発生する振
動をこの防振装置が吸収し、振動が車体側に伝達される
のを阻止するような構造が知られている。すなわち、こ
の防振装置の一例として、筒状に形成される外筒の内側
に内筒が配置されるだけで無く、外筒の内部に主液室及
び副液室を設けると共に、オリフィスとなる通路でこれ
らの液室を互いに連通した構造のブッシュタイプのもの
がある。そして、搭載されたエンジンが作動して振動が
発生した場合には、これら液室を連通する通路内の液体
の液柱共振等で低動ばねとして振動を吸収したり振動を
減衰したりして、振動の伝達を阻止するようになってい
る。
【0003】一方、幅広いエンジンの作動状態に伴って
振動周波数も広範囲なものとなるので、広範囲な周波数
の振動それぞれにおいても防振特性を維持するべく、近
年、種々の長さ及び内径を有する通路を複数設け、ソレ
ノイドやモータにより作動されるバルブがセンサからの
信号に基づいてこれら通路のいずれかを開閉して、振動
の低減を図るような防振装置も提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような防
振装置は、ソレノイドやモータ等により通路が単純に開
閉される構造となっている為、伝達を阻止したい振動の
周波数が微妙に変化した場合、十分に対応することがで
きなかった。本発明は上記事実を考慮し、伝達を阻止し
たい振動の周波数が微妙に変化した場合でも振動を低減
し得る防振装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1による防振装置
は、振動発生部及び振動受部の一方に連結される第1の
取付部材と、振動発生部及び振動受部の他方に連結され
る第2の取付部材と、これら一対の取付部材間に配置さ
れて弾性変形し得る弾性体と、弾性体を隔壁の一部とし
て液体が封入され且つ弾性体の変形により内容積が変化
する主液室と、通路を介して主液室と連通されると共に
隔壁の少なくとも一部が弾性変形可能な副液室と、通路
との間の隙間の大きさを変えて通路の開放量を変化させ
るバルブと、バルブに連結され且つこのバルブを移動す
ることで通路の開放量を調整するアクチュエータと、を
有することを特徴とする。
【0006】請求項1に係る防振装置の作用を以下に説
明する。第1の取付部材或いは第2の取付部材のいずれ
かに連結された振動発生部側から振動が伝達された場
合、弾性体が変形してこの弾性体により振動が減衰され
る。さらに、この弾性体の変形により主液室の内容積が
変化するのに伴って、通路を介して副液室側に積極的に
液体が流動するようになる。この結果、この通路内の液
体に流動等が生じ、これに伴って、副液室の隔壁の少な
くとも一部が弾性変形して副液室が拡縮する。
【0007】つまり、振動発生部側から振動が伝達され
ると、弾性体の変形だけでなく、主液室と副液室との間
を繋ぐ通路によって動ばね定数が低下して、この振動が
吸収されて、第2の取付部材或いは第1の取付部材のい
ずれかに連結された振動受部側に振動が伝達され難くな
る。
【0008】また、通路との間の隙間の大きさを変えて
通路の開放量を変化させるバルブが、アクチュエータに
より移動されることで、通路の開放量が調整される。こ
の為、バルブが移動されて通路の開放量が変化すること
によって、振動発生部側からの振動の周波数の変化に対
応して振動の吸収に用いられる通路の断面積が実質的に
変化することになる。この結果、伝達を阻止したい振動
の周波数が微妙に変化した場合でも振動を確実に低減す
ることが可能となり、より一層幅広い周波数の振動を低
減できるようになった。
【0009】請求項2に係る防振装置の作用を以下に説
明する。本請求項では請求項1と同様に作用するが、さ
らに、通路のバルブと対向する部分がテーパ状に形成さ
れてテーパ状通路とされると共に、このテーパ状通路と
のバルブの対向面がテーパ状通路に対応してテーパ状に
形成されるので、アクチュエータがバルブを移動するこ
とで、通路の内のバルブと対向したテーパ状通路の部分
の開放量がテーパ状通路全体にわたって確実に調整され
るようになる。
【0010】請求項3に係る防振装置の作用を以下に説
明する。本請求項では請求項1と同様に作用するが、さ
らに、バルブが主液室側寄りの部分に配置され、主液室
側への通路の開放端の開放量をこのバルブが調整するよ
うな構成とした。つまり、主液室側寄りの部分にバルブ
を配置すれば、主液室の拡縮に伴って主液室内の液体の
圧力が高まった場合でも、このバルブが主液室側への通
路の開放端に押しつけられる形のセルフシールとなる
為、バルブが通路の壁面に当接した通路の閉鎖状態にお
いてのシール性が高まることになる。
【0011】請求項4に係る防振装置の作用を以下に説
明する。本請求項では請求項1と同様に作用するが、さ
らに、アクチュエータがモータとされるという構成を有
する。つまり、駆動源として一般的で低コストなモータ
をアクチュエータに採用することで、低コストな構造で
通路の開放量を調整することが可能となる。
【0012】請求項5に係る防振装置の作用を以下に説
明する。本請求項では請求項1と同様に作用するが、さ
らに、一対の取付部材外にアクチュエータが配置される
という構成を有する。つまり、防振装置の一対の取付部
材の外側にアクチュエータが配置されることで、このア
クチュエータが防振装置本体と独立した構造となり、防
振装置の組立てが非常に容易となって防振装置の製造コ
ストが低減される。
【0013】請求項6に係る防振装置の作用を以下に説
明する。本請求項では請求項1と同様に作用するが、さ
らに、バルブが弁体及びシャフトを有し、このシャフト
を介してアクチュエータにバルブが連結されるという構
成を有する。つまり、シャフトがアクチュエータよって
直線的に動かされることで、弁体が移動して通路の開放
量を調整可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に係る防振装置の一実施の
形態を図1から図5に示し、これらの図に基づき本実施
の形態を説明する。図1から図5に示すように、この所
謂ブッシュタイプの防振装置10には図示しない車体へ
の連結用のリング状に形成されるブラケット12が備え
られており、このブラケット12内には円筒状の外筒金
具16が嵌合されて配設されている。
【0015】金属製で四角い枠状に形成された支持フレ
ーム14に、ゴム製で薄肉の弾性膜である第1ダイヤフ
ラム20の外周部分が加硫接着されている。そして、こ
の支持フレーム14が、外筒金具16内の上部寄りの位
置に設置されることで、この第1ダイヤフラム20が外
筒金具16の内周面側の図1及び図2において上部寄り
に配置される。
【0016】一方、外筒金具16内には中間筒22及び
中間ブロック24が挿入されており、これら中間筒22
及び中間ブロック24が仕切部材を構成することとな
る。この中間ブロック24は、外筒金具16の軸方向か
ら見て略半円形のブロック状とされており、図1に示す
ように、中間ブロック24の外周面が外筒金具16の内
周面に密着している。図2に示すように、中間筒22の
軸方向両端部には、それぞれフランジ部22Aが形成さ
れており、これら一対のフランジ部22A間であって中
間筒22の下部側寄りに中間ブロック24が嵌入される
こととなる。また、一対のフランジ部22Aの外周面は
外筒金具16の内周面へ密着されている。
【0017】これに伴って、一対のフランジ部22A間
であって中間筒22の上部側寄りに支持フレーム14が
嵌入されることで、第1ダイヤフラム20の外周部分が
外筒金具16の上部寄りの内周面側と中間筒22との間
で支持されつつ固定されることになる。また、図1及び
図2に示すように、この第1ダイヤフラム20と外筒金
具16との間の空間は第1空気室31とされている。
尚、第1空気室31内の空気は図示しない貫通孔を介し
て外部と行き来できるようにしても良い。
【0018】図1及び図2に示すように、中間ブロック
24の上面となる平面部24Bに対向した中間筒22の
部分は、切り欠かれると共に内部が空洞とされており、
この空洞内を図示しないエンジンに連結される内筒金具
26が貫通している。この内筒金具26は外筒金具16
と平行に配置され、中間筒22との間にゴム材等で形成
される弾性体28が掛け渡されている。これによって内
筒金具26は外筒金具16に対して相対移動可能となっ
ている。つまり、振動発生部であるエンジンに連結され
る内筒金具26が第1の取付部材とされ、振動受部であ
る車体にブラケット12を介して連結される外筒金具1
6が第2の取付部材とされる。
【0019】さらに、弾性体28は中間筒22のフラン
ジ部22A間の外周面にも延設されており、中間ブロッ
ク24の両端部にそれぞれ突出して円弧状に形成された
部分の内周側の内周円弧面24Aに、弾性体28の一部
が密着している。また、弾性体28の中間部であって内
筒金具26の下側には、弾性体28の下面を凹ますよう
に切欠部28Aが形成されており、この切欠部28Aと
中間ブロック24との間の空間が主液室30とされてい
る。
【0020】一方、中間筒22の一対のフランジ部22
A間には、中間筒22及び第1ダイヤフラム20によっ
て囲まれた第1副液室32が形成されており、第1ダイ
ヤフラム20が第1副液室32の隔壁の一部を弾性変形
可能に構成している。また、図1及び図2に示すよう
に、中間ブロック24の外周面には、溝部46が周方向
に沿って形成されている。この溝部46の一端は、中間
ブロック24の図1において右側の端部に開口して第1
の副液室32に連結されている。この溝部46の他端
は、中間ブロック24を貫通して形成される貫通孔48
を介して、主液室30と連通している。そして、これら
溝部46及び貫通孔48は、シェイク振動吸収用の通路
としてのシェイクオリフィス64となる。
【0021】主液室30の隔壁とされる中間ブロック2
4の平面部24Bにはテーパ状に形成されたテーパ状通
路36が設けられており、このテーパ状通路36の底面
に中間ブロック24を貫通する円穴38が形成されてい
る。この円穴38の下部には、円穴38よりも断面が大
きな空間である空間部40が形成されている。この空間
部40の一端は中間ブロック24の外周に周方向に沿っ
て形成される溝部50の一端と連通されており、この溝
部50の他端は第1副液室32と連通されている。
【0022】さらに、図1及び図4に示すように、テー
パ状通路36との対向面がテーパ状通路36に対応して
テーパ状に形成される弁体34Aが主液室30側寄りの
部分に配置されている。この弁体34Aの中央には、弁
体34Aとでバルブ34を構成するシャフト34Bが連
結されており、このシャフト34Bを摺動自在に支持す
る支持部42が円穴38を架け渡すように円穴38内に
形成されている。
【0023】このシャフト34Bの長手方向中程の外周
には、薄肉状のゴム膜であるシール材44が加硫接着さ
れており、シャフト34Bがシール材44に接着されつ
つシール材44を貫通する構造となっている。そして、
このシール材44の外周端部が、中間ブロック24と外
筒金具16との間に挟持されることで、このシール材4
4が防振装置10内から液体の漏れ出しを防ぐようにな
っている。つまり、テーパ状通路36、円穴38、空間
部40及び溝部50は、シール材44によって封止され
つつ、アイドル振動吸収用の通路として主液室30と第
1副液室32とを連通するアイドルオリフィス60とな
る。
【0024】一方、図1及び図2に示すように、空間部
40に対応した外筒金具16の位置には、円穴38より
も径の小さい円孔66が設けられており、さらに、円孔
66に対応したブラケット12の位置には、円孔66よ
りも径の大きい円孔68が設けられている。ブラケット
12の外側であって円孔68に対応した位置には、アク
チュエータとしてのモータユニット70が配設されてい
る。このモータユニット70内には、駆動回転可能なモ
ータ及び、このモータの回転力を往復動に変換するラッ
クとピニオン等からなる伝達機構が、図示しないものの
内蔵されている。
【0025】このモータユニット70を収納したケース
72には連結材74の一端側が取り付けられており、こ
の連結材74の他端側は、ブラケット12の外径に沿っ
た円弧状に形成されている。この連結材74の他端側が
ブラケット12に溶接されることによって、モータユニ
ット70はブラケット12に固定されている。また、モ
ータユニット70から突出する動力伝達シャフト70A
の上端は、シャフト34Bの下端側に嵌合されて、この
動力伝達シャフト70Aがシャフト34Bに連結されて
いる。
【0026】以上より、バルブ34を移動することでア
イドルオリフィス60の開放量を変化させ得るモータユ
ニット70が、内筒金具26や主液室30等を内蔵する
外筒金具16の外側に配置され、モータユニット70か
ら突出する動力伝達シャフト70A及びシャフト34B
が円孔66、68をそれぞれ貫通して外筒金具16内に
バルブ34の弁体34Aが挿入される構造となってい
る。
【0027】従って、モータユニット70内のモータが
駆動回転すると、回転運動がモータユニット70内で直
線運動に変換されて、シャフト34Bの下端側がモータ
ユニット70の動力伝達シャフト70Aで押され、動力
伝達シャフト70A及びシャフト34Bが移動するよう
になる。これに伴って、弁体34Aが図1及び図2の矢
印Aで示すように上下に移動されて、主液室30側への
アイドルオリフィス60の開放端の開放量がこのバルブ
により調整される。
【0028】つまり、弁体34Aが上昇すると、テーパ
状通路36の壁面から離れてアイドルオリフィス60を
開放する開放状態となり、アイドルオリフィス60を介
して主液室30と第1副液室32とが連通される。さら
に、この開放状態において、弁体34Aが上下動するこ
とで、アイドルオリフィス60の開放端を構成するテー
パ状通路36と弁体34Aとの間の隙間の大きさが変わ
りテーパ状通路36の開放量が調整されると共に、テー
パ状通路36と弁体34Aとの間の隙間の長さである通
路長さが変わるようになる。
【0029】また、モータユニット70内のモータが逆
方向に回転すると、動力伝達シャフト70A及びシャフ
ト34Bが移動するのに伴って、弁体34Aが下方に移
動される。そして、弁体34Aがテーパ状通路36の壁
面に当接することによって、図3に示すようにアイドル
オリフィス60を閉鎖する閉鎖状態となり、主液室30
と第1副液室32とが連通されないようになる。
【0030】以上より、弁体34Aが、図1及び図2に
示すようにアイドルオリフィス60を介して主液室30
と第1副液室32との間を連通する開放状態と、図3に
示すように主液室30と第1副液室32との間を連通し
ない閉鎖状態とを選択的に採るように、モータユニット
70によって移動されるだけでなく、図1及び図2に示
す状態において弁体34Aが上下動することで、アイド
ルオリフィス60の一部を構成するテーパ状通路36の
開放量及び通路長さが調整されることになる。
【0031】具体的には、図5(A)に示す閉鎖状態か
ら図5(B)に示すテーパ状通路36が若干開放された
開放状態に弁体34Aが移動された時において、この部
分の通路長さであるテーパ状通路36の上端部から弁体
34Aのテーパ部分の下端部までの長さをS1とすると
共に、テーパ状通路36の開放部分の断面積の代用値と
される隙間量をD1とする。また、図5(C)に示すテ
ーパ状通路36が大きく開放された開放状態に弁体34
Aが移動された時において、この部分の通路長さである
テーパ状通路36の上端部から弁体34Aのテーパ部分
の下端部までの長さをS2とすると共に、テーパ状通路
36の開放部分の断面積の代用値とされる隙間量をD2
とする。
【0032】この結果として、図5(B)に示す状態と
図5(C)に示す状態とでは、通路長さの関係において
S1>S2とされ、通路の隙間量の関係においてD1<
D2とされる。そして、オリフィスが短い程、液体の共
振周波数は高く、またオリフィスの断面積が大きい程、
液体の共振周波数は高いことから、図5(B)に示す状
態から図5(C)に示す状態に移行するのに伴って、共
振点が低周波数から高周波数に大きく移行するので、弁
体34Aが上下動することで、低周波数の振動から高周
波数の振動まで幅広く振動を低減することが可能とな
る。
【0033】一方、このモータユニット70は制御手段
であるコントローラ52に連結されており、通電をオン
オフするコントローラ52よってその作動が制御される
ようになっている。このコントローラ52は車両電源に
よって駆動され、少なくとも車速センサ54及びエンジ
ン回転数検出センサ56からの検出信号を受け、車速及
びエンジン回転数を検出し、アイドル振動発生時かシェ
イク振動発生時かを判断できるだけでなく、アイドル振
動発生時における振動の周波数の微妙な変化の状態を判
断できるようになっている。
【0034】他方、図1及び図3に示すように、中間ブ
ロック24には、中間ブロック24を貫通するこもり用
穴部82が、溝部50より遙に短いものの、形成されて
いる。このこもり用穴部82の開口端に対応する中間ブ
ロック24の部分には、円弧状の空間とされる第2副液
室86が形成されており、こもり用穴部82の端部が第
2副液室86に開口されている。つまり、溝部50より
遙に短く形成されたこもり用穴部82により主液室30
と第2副液室86とが連通されることで、このこもり用
穴部82によってアイドル振動より高周波数の振動であ
る中低速こもり音を吸収する為の通路とされるこもり用
オリフィス62が構成されることになる。
【0035】この第2副液室86に対して中間ブロック
24の外周側の部分には、ゴム製で肉薄の第2ダイヤフ
ラム84が、その外周部分を外筒金具16と中間ブロッ
ク24との間に挟まれて配置されていて、この第2ダイ
ヤフラム84が第2副液室86の弾性変形可能な隔壁と
されている。この為、この第2ダイヤフラム84と外筒
金具16の内周面側との間の空間が、外筒金具16に内
蔵されて内部に気体が封入された第2空気室88とさ
れ、この第2空気室88が第2ダイヤフラム84の変形
を可能としている。
【0036】従って、第2ダイヤフラム84が第2副液
室86の隔壁の一部を構成することになるが、図1に示
すように、この第2ダイヤフラム84の面積は第1副液
室32の隔壁の一部を構成する第1ダイヤフラム20の
面積より小さく、また第2ダイヤフラム84の厚みは第
1ダイヤフラム20とほぼ同等とされているので、第2
ダイヤフラム84は第1ダイヤフラム20より剛性が高
いことになる。そして、これら主液室30、第1副液室
32及び第2副液室86には、エチレングリコール等の
液体が充填されるように封入されている。
【0037】次に、本実施の形態に係る防振装置10の
作用を説明する。内筒金具26と連結されて防振装置1
0に搭載されるエンジンが作動すると、エンジンの振動
が内筒金具26を介して弾性体28に伝達される。弾性
体28は吸振主体として作用し、弾性体28の内部摩擦
に基づく制振機能によって振動を吸収することができ
る。さらに、弾性体28及び第1ダイヤフラム20の変
形に伴って内容積が変化する主液室30及び第1副液室
32の中の液体がシェイクオリフィス64或いはアイド
ルオリフィス60を介して相互に流動等し、また、弾性
体28及び第2ダイヤフラム84の変形に伴って内容積
が変化する主液室30及び第2副液室86の中の液体が
こもり用オリフィス62を介して相互に流動等し、これ
らオリフィス空間に生ずる液体流動の粘性抵抗及び液柱
共振等に基づく減衰作用で防振効果を向上することがで
きる。
【0038】そして、常時開放されているシェイクオリ
フィス64及びこもり用オリフィス62の他に、アイド
ルオリフィス60を設けると共に、モータユニット70
により作動されてこのアイドルオリフィス60の開放量
を変化させるバルブ34を設けた結果として、以下のよ
うに作用する。
【0039】例えば、エンジンがアイドリング運転の場
合や車速が5km/h以下の場合には、アイドル振動(2
5Hz程度)が生じる。コントローラ52は車速センサ5
4、エンジン回転数検出センサ56によりアイドル振動
発生時か否かを判断する。コントローラ52がアイドル
振動発生時であると判断すると、コントローラ52はモ
ータユニット70内のモータを回転させて、図1に示す
ように、バルブ34を上昇してアイドルオリフィス60
を開放した配置にする。これによって、アイドルオリフ
ィス60を介して主液室30と第1副液室32との間を
液体が行き来することになり、このアイドルオリフィス
60内で液柱共振して動ばね定数が低下し、アイドル振
動が吸収される。
【0040】他方、車両が例えば70〜80km/h以上
の高速で走行するとシェイク振動(10Hz程度)が生じ
る。前記コントローラ52は車速センサ54、エンジン
回転数検出センサ56によりシェイク振動発生時か否か
を判断する。コントローラ52がシェイク振動発生時で
あると判断すると、コントローラ52はモータユニット
70内のモータを逆方向に回転させることによりバルブ
34を下降し、図3に示すようにアイドルオリフィス6
0を閉鎖した配置にする。
【0041】これによってアイドルオリフィス60は閉
鎖され、常時開放されているシェイクオリフィス64が
主液室30と第1副液室32とを連通すると共に、こも
り用オリフィス62が主液室30と第2副液室86とを
連通する。この結果、主液室30内に生じるエンジン振
動に基づく圧力変化がシェイクオリフィス64及びこも
り用オリフィス62内の液体に伝達されると共にこの液
体の抵抗等を受けシェイク振動が吸収される。さらに、
シェイク振動と共に生じることがある高周波で小振幅の
振動である中低速こもり音(80Hz程度)に対しては、
長さの短いこもり用オリフィス62内で液柱共振して動
ばね定数が低下し、このこもり音が吸収される。
【0042】以上より、主液室30と第1副液室32と
の間を連通して振動を低減し得るアイドルオリフィス6
0の一端と対向して配置されるバルブ34の弁体34A
が、モータユニット70により上下動されるのに合わせ
て、オリフィスが選択的に切り換えられることになり、
これに伴って、相互に異なる複数段階の周波数の振動を
それぞれ低減し得るようになった。
【0043】さらに、アイドルオリフィス60の弁体3
4Aと対向する部分がテーパ状に形成されてテーパ状通
路36とされると共に、このテーパ状通路36との弁体
34Aの対向面がテーパ状通路36に対応してテーパ状
に形成されている。そして、モータユニット70がバル
ブ34を移動することで、このバルブ34の一部を構成
する弁体34Aとアイドルオリフィス60の内の弁体3
4Aに対向したテーパ状通路36の部分との間の隙間の
大きさが変わって、アイドルオリフィス60の開放量が
変化して開放量が調整されると共に、テーパ状通路36
と弁体34Aとの間の隙間の長さである通路長さが変わ
る構造となっている。
【0044】この為、バルブ34が移動されてテーパ状
通路36の部分の開放量及び通路長さが調整されること
で、エンジン側からの振動の周波数の変化に対応して振
動の吸収に用いられるアイドルオリフィス60の断面積
及び長さが実質的に変化することになる。この結果、い
ずれの振動周波数においても適切に振動が吸収され、広
範囲な振動を低減することが可能になるだけでなく、伝
達を阻止したい振動の周波数が微妙に変化した場合でも
振動を確実に低減することが可能となり、より一層幅広
い周波数の振動を低減できるようになる。
【0045】一方、本実施の形態では、バルブ34が弁
体34A及びシャフト34Bを有し、このシャフト34
Bを介してモータユニット70にバルブ34が連結され
ると共に、弁体34Aが主液室30側寄りの部分に配置
され、主液室30側へのアイドルオリフィス60の開放
端の開放量をこの弁体34Aが調整するようになってい
る。
【0046】つまり、主液室30側寄りの部分に弁体3
4Aが配置されているので、シャフト34Bがモータユ
ニット70よって直線的に動かされれば、これに伴って
弁体34Aが移動してアイドルオリフィス60の開放量
を調整可能となる。さらに、主液室30の拡縮に伴って
主液室30内の液体の圧力が高まった場合でも、このバ
ルブ34の弁体34Aが主液室30側へのアイドルオリ
フィス60の開放端に押しつけられる形のセルフシール
となる為、弁体34Aがアイドルオリフィス60の壁面
に当接したアイドルオリフィス60の閉鎖状態において
のシール性が高まることになる。
【0047】他方、本実施の形態では、防振装置10の
外筒金具16の外側にモータが内蔵されるモータユニッ
ト70が配置されることで、このモータユニット70が
防振装置10の本体を構成するブラケット12内の部材
と独立した構造となり、防振装置10の組立てが非常に
容易となって防振装置10の製造コストが低減される。
また、駆動源として一般的で低コストなモータをアクチ
ュエータとして採用することで、低コストな構造でアイ
ドルオリフィス60の開放量を調整することが可能とも
なる。
【0048】尚、上記実施の形態において車体に外筒金
具16側が取り付けられ、エンジンに内筒金具26側が
取り付けられる構成としたが、この逆の構成としても良
く、また、副液室を第1副液室と第2副液室の2つ設け
たが1つの副液室としても良く、オリフィスを1つのみ
としても良い。さらに、上記実施の形態では、第1の取
付部材とされる内筒金具26が第2の取付部材とされる
外筒金具16の内周側に配置されたブッシュタイプの防
振装置の例を用いて本発明が説明されているが、このよ
うなブッシュタイプではない構造の防振装置に本発明を
用いても良い。また、アクチュエータとしては、上記実
施の形態のモータユニット70の他にリニアアクチュエ
ータやステッピングモータ等を採用しても良い。一方、
上記実施の形態において、車両に搭載されるエンジンの
防振を目的としたが、本発明の防振装置は他の用途にも
用いられることはいうまでもなく、また、形状等も実施
の形態のものに限定されるものではない。
【0049】
【発明の効果】本発明の防振装置は、以上のように説明
した構成とした結果、伝達を阻止したい振動の周波数が
微妙に変化した場合でも振動の低減を図ることが可能と
なった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る防振装置の一実施の形態を示す断
面図であって、アイドルオリフィスが開放された状態を
示す図である。
【図2】図1の2−2矢視線図である。
【図3】本発明に係る防振装置の一実施の形態を示す断
面図であって、アイドルオリフィスが閉鎖された状態を
示す図である。
【図4】本発明に係る防振装置の一実施の形態に適用さ
れる中間ブロック及びバルブの分解斜視図である。
【図5】本発明に係る防振装置の一実施の形態を示す要
部拡大断面図であって、(A)はアイドルオリフィスの
閉鎖状態であり、(B)はアイドルオリフィスの一端が
若干開放された状態であり、(C)はアイドルオリフィ
スの一端が大きく開放された状態である。
【符号の説明】
10 防振装置 16 外筒金具 26 内筒金具 28 弾性体 30 主液室 32 第1副液室 34 バルブ 60 アイドルオリフィス 70 モータユニット

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動発生部及び振動受部の一方に連結さ
    れる第1の取付部材と、 振動発生部及び振動受部の他方に連結される第2の取付
    部材と、 これら一対の取付部材間に配置されて弾性変形し得る弾
    性体と、 弾性体を隔壁の一部として液体が封入され且つ弾性体の
    変形により内容積が変化する主液室と、 通路を介して主液室と連通されると共に隔壁の少なくと
    も一部が弾性変形可能な副液室と、 通路との間の隙間の大きさを変えて通路の開放量を変化
    させるバルブと、 バルブに連結され且つこのバルブを移動することで通路
    の開放量を調整するアクチュエータと、 を有することを特徴とする防振装置。
  2. 【請求項2】 通路のバルブと対向する部分がテーパ状
    に形成されてテーパ状通路とされると共に、このテーパ
    状通路とのバルブの対向面がテーパ状通路に対応してテ
    ーパ状に形成されることを特徴とする請求項1記載の防
    振装置。
  3. 【請求項3】 バルブが主液室側寄りの部分に配置さ
    れ、主液室側への通路の開放端の開放量をこのバルブが
    調整することを特徴とする請求項1記載の防振装置。
  4. 【請求項4】 アクチュエータがモータとされたことを
    特徴とする請求項1記載の防振装置。
  5. 【請求項5】 一対の取付部材外にアクチュエータが配
    置されたことを特徴とする請求項1記載の防振装置。
  6. 【請求項6】 バルブが弁体及びシャフトを有し、この
    シャフトを介してアクチュエータにバルブが連結される
    ことを特徴とする請求項1記載の防振装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1544501A1 (de) * 2003-12-18 2005-06-22 Vibracoustic GmbH & Co. KG Hydraulisch dämpfendes Stützlager
JP2010276189A (ja) * 2009-06-01 2010-12-09 Bridgestone Corp 防振装置
JP2010276190A (ja) * 2009-06-01 2010-12-09 Bridgestone Corp 防振装置
JP2010276168A (ja) * 2009-05-29 2010-12-09 Bridgestone Corp 防振装置

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