JP2007071316A - 防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリンダ室内に配置されたプランジャ部材が主液室内の液圧変化に応じて作動し、主液室と副液室とを連通する制限通路を第1の第2の制限通路の一方に切り換えると共に、シリンダ室の外周側に各種の部品を配置し、又は必要とされる空間を形成することを可能とし、装置における設計の自由度を高める。
【解決手段】 防振装置では、シリンダ室60の水平面に沿った断面形状を非円形である長方形に形成すると共に、プランジャ部材78のシール領域132の水平面に沿った断面形状を、シリンダ室60の断面形状に対応する長方形に形成した。これにより、シリンダ室60の内壁面と仕切金具34の外周面との間にシリンダ室60と略平行に軸方向へ延在し、かつ主液室36と副液室38とを繋げるような用途が限定されないフリースペース(連通路130)を確保できるので、フリースペースには一定の幅(受圧面積)がなければ実質的に機能しないメンブランを配設できる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、振動を発生する部材からの振動の伝達を防止する流体封入式の防振装置に係り、特に、自動車のエンジンマウント等に好適に用いられる防振装置に関する。
例えば、乗用車等の車両では、振動発生部となるエンジンと振動受け部となる車体との間にエンジンマウントとしての防振装置が配設されており、この防振装置がエンジンから発生する振動を吸収し、車体側に伝達されるのを阻止するような構造となっている。この種の防振装置としては、幅広い周波数の振動に対応すべく、主液室及び副液室と、これらの液室をそれぞれ連通する複数本のオリフィスが設けられ、入力振動の周波数に応じて、複数本のオリフィスのうち1本のオリフィスにより主液室と副液室とが連通するように、電磁ソレノイド等により駆動されるバルブ機構により複数本のオリフィスを選択的に開閉するものが知られている。
つまり、この防振装置には、オリフィスの開閉状態を制御し、複数のオリフィス間で液体の通路を切り替える為の電気的な電磁ソレノイド等が必要なだけでなく、これら電磁ソレノイド等を入力振動の周波数等に基づいて動作させ、オリフィスを切り替えさせるコントローラが構造上、必要であった。しかし、これらの電磁ソレノイド及びコントローラは、比較的高価なものであり、またこれらの部品は防振装置の構造を著しく複雑化すると共に、車両への取付作業を煩雑なものにする要因となっていた。
上記のような問題に鑑み、本出願の発明者等は、特許文献1において、主液室と副液室がシェイクオリフィス及びアイドルオリフィスによりそれぞれ連通されており、アイドルオリフィスの一部を形成すると共に副液室に連通したシリンダ室内に配置されたプランジャ部材が、シェイク振動の入力時には主液室の液圧によりアイドルオリフィスを閉塞する閉塞位置へ移動し、アイドル振動の入力時にはプランジャ部材をコイルスプリングの付勢力によりアイドルオリフィスを開放する開放位置へ移動させる防振装置を開示している。
また特許文献1の防振装置では、外筒の内周側に仕切部材が配設されており、この仕切部材は、外筒の内周側の空間(液室空間)を主液室と副液室とに区画している。また仕切部材には、その外周側に複数本のオリフィス(シェイクオリフィス及びアイドルオリフィス)となる溝部(オリフィス溝)が形成されると共に、このオリフィス溝の内周側にプランジャ部材を収納するシリンダ室が形成されている。ここで、シリンダ室及びプランジャ部材の開閉方向に直交する方向(面方向)に沿った断面形状は、それぞれ防振装置の外郭形状が円柱状であることや、液体に対するシール対策が容易であること等が考慮されて、通常、円形に形成される。
ところで、近年、防振装置では、更に広い周波数域(特に、こもり音等の高周波域側)の振動を効果的に吸収することが要求されるようになってきており、このような要求に対応するためには、例えば、主液室と副液室との間にメンブランを配設することが行われる。すなわち、アイドル振動よりも高い周波数の振動入力時に、メンブランを主液室内の液圧変化に従って主液室の内容積を拡縮するように弾性変形させることにより、主液室内の液圧上昇が抑制されて、装置の動ばね定数の上昇も抑制されるので、アイドル振動よりも高い周波数の振動をゴム弾性体により効果的に吸収できるようになる。
国際公開WO2004/081408号
しかしながら、特許文献1の防振装置では、略肉厚円筒状に形成された仕切部材の内周側に円柱状のシリンダ室が形成され、このシリンダ室内に肉厚円板状のプランジャ部材が収納されることから、仕切部材にメンブランを配置するためのスペースを確保することが困難になる。
また特許文献1のような防振装置では、液柱共振による吸振効果を高めるために、シェイクオリフィスの路長を十分に長いものにすることが要求される場合もあるが、この要求を満たすため、仕切部材の外周面に形成されるシェイクオリフィス(オリフィス溝)を十分に長くすると、仕切部材の外周面にアイドルオリフィスとなるオリフィス溝を形成するスペースを確保するには装置の軸方向寸法の大型化が避けられない。
すなわち、特許文献1の防振装置では、装置の大型を避けつつ、効果的に吸振可能な振動の周波数範囲を広げ、又は入力振動に対する吸振効果を高めるべく、シリンダ室の外周側にメンブラン等の部品を新たに追加して配置する必要が生じるため、設計の自由度が低くなってしまうという問題が生じる。
本発明の目的は、上記事実を考慮して、シリンダ室内に配置されたプランジャ部材が主液室内の液圧変化に応じて作動し、主液室と副液室とを連通する制限通路を第1及び第2の制限通路の一方に切り換えることができると共に、シリンダ室の外周側に各種の部品を配置し、又は必要とされる空間を形成することができる設計の自由度が高い防振装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明の請求項1に係る防振装置は、振動発生部及び振動受け部の一方に連結される第1の取付部材と、振動発生部及び振動受け部の他方に連結される第2の取付部材と、前記第1の取付部材と前記第2の取付部材との間に配置された弾性体と、前記弾性体を隔壁の一部として液体が封入され、該弾性体の弾性変形に伴って内容積が変化する主液室と、液体が封入され内容積が拡縮可能とされた副液室と、前記主液室と前記副液室とを互いに連通する第1の制限通路と、前記主液室と前記副液室とを互いに連通し、前記第1の制限通路よりも液体の流通抵抗が小さい第2の制限通路と、前記主液室と前記副液室との間に設けられ、液体が充填されたシリンダ室と、前記シリンダ室内を、前記第2の制限通路の一部を構成すると共に前記副液室に連通したオリフィス空間と前記第2の制限通路から隔離された液圧空間とに区画し、前記オリフィス空間及び前記液圧空間の拡縮方向に沿って所定の開放位置と閉塞位置との間で移動可能とされたプランジャ部材と、前記オリフィス空間内に面するように設けられ、前記第2の制限通路における該オリフィス空間と他の部分とを連通させるオリフィス開口と、前記主液室と前記液圧空間との間に配置され、前記主液室内の液圧変化に伴って該主液室と前記液圧空間との間で一方向へのみ液体を流出させ得る逆止弁と、前記プランジャ部材を、前記液圧空間を縮小する前記開放位置側へ付勢する付勢部材と、を有し、前記シリンダ室の前記拡縮方向と直交する面方向に沿った断面形状を非円形に形成すると共に、前記プランジャ部材における前記シリンダ室の内周面に沿ったシール領域の前記面方向に沿った断面形状を、前記シリンダ室の断面形状に対応する非円形に形成し、前記プランジャ部材が、前記液圧空間内の液圧により前記付勢部材の付勢力に抗して前記前記閉塞位置に移動すると、前記オリフィス開口を閉塞させ、前記付勢部材の付勢力により前記開放位置へ復帰すると、前記オリフィス開口を開放することを特徴とする。
本発明の請求項1に係る防振装置の作用を以下に説明する。
請求項1の防振装置では、基本的に、第1及び第2の取付部材の何れか一方に振動が伝達されると、第1及び第2の取付部材間に配置された弾性体が弾性変形し、この弾性体の内部摩擦等に基づく吸振作用によって振動が吸収され、振動受け部側へ伝達される振動が低減される。
また請求項1に係る防振装置では、主液室と副液室とが第1の制限通路により互いに連通すると共に、オリフィス開口が開口している状態では、主液室と副液室が第1の制限通路よりも液体の流通抵抗が小さい第2の制限通路によっても互いに連通する。
更に、請求項1に係る防振装置では、開放位置にあったプランジャ部材が、逆止弁を通して主液室から液圧空間内へ供給される液圧により閉塞位置へ付勢部材の付勢力に抗して移動すると、弾性体の弾性変形に伴って、第1の制限通路のみを通って主液室と副液室との間を液体が行き来し、また閉塞位置にあったプランジャ部材が、付勢部材の付勢力により開放位置へ復帰すると、第1の制限通路及び第2の制限通路の双方が開放された状態となるが、弾性体の弾性変形に伴って、液体の流通抵抗が相対的に小さい第2の制限通路を優先的に通って主液室と副液室との間を液体が行き来する。
すなわち、請求項1に係る防振装置では、相対的に周波数が低く振幅が大きい振動(以下、「低周波域振動」という。)が入力した場合には、この低周波域振動によって弾性体が弾性変形し、主液室内に相対的に大きな液圧変化が生じると共に、主液室内の周期的な液圧変化時に逆止弁を通して主液室から液圧空間へ液体が流入し、又は液圧空間から主液室へ液体が流出して、液圧空間内の液圧も主液室内の液圧(最高値又は最低値)と略平衡する平衡圧に達する。このとき、付勢部材の付勢力を液圧空間内の平衡圧に対応する値よりも小さく設定しておけば、プランジャ部材が付勢部材の付勢力に抗して開放位置から閉塞位置側へ間欠的に移動し、液圧空間内の液圧により閉塞位置へ保持される。
従って、第1の制限通路における液体の流通抵抗を低周波域振動の周波数及び振幅に対応するように設定(チューニング)しておけば、第1の制限通路を通って主液室と副液室との間を行き来する液体に共振現象(液柱共振)が生じるので、この液柱共振の作用によって低周波域振動を特に効果的に吸収できる。
また請求項1に係る防振装置では、相対的に周波数が高く振幅が小さい振動(以下、「高周波域振動」という。)が入力した場合には、この高周波域振動によって弾性体が弾性変形すると共に、主液室内に相対的に小さな液圧変化が生じることから、主液室内の周期的な液圧変化時に逆止弁を通して主液室から液圧空間へ液体が流入し、又は液圧空間から主液室へ液体が流出して、液圧空間内の液圧が主液室内の液圧(最高値又は最低値)と略平衡する平衡圧に達する。このとき、付勢部材の付勢力を液圧空間内の平衡圧に対応する値よりも大きく設定しておけば、プランジャ部材が開放位置にあるときには、付勢部材の付勢力により開放位置に保持され、また閉塞位置にある場合には、付勢部材の付勢力により閉塞位置から開放位置へ移動(復帰)する。
従って、請求項1に係る防振装置では、高周波域振動の入力時には、弾性体の弾性変形に伴って、第1の制限通路に対して液体の流通抵抗が小さい第2の制限通路を優先的に通って主液室と副液室との間を液体が行き来することから、第2の制限通路における液体の流通抵抗を高周波域振動の周波数及び振幅に対応するように設定(チューニング)しておけば、第2の制限通路を通って主液室と副液室との間を行き来する液体に共振現象(液柱共振)が生じるので、この液柱共振の作用によって高周波域振動を特に効果的に吸収できる。
この結果、請求項1に係る防振装置によれば、電磁ソレノイドや空圧ソレノイド等の外部からの制御及び動力供給を受けて作動するバルブ機構を用いることなく、入力振動の周波数変化に応じて、主液室と副液室とを連通する制限通路を第1の制限通路及び第2の制限通路の何れか一方に、主液室内の液圧変化を駆動力として用いて切り換えることができる。
また請求項1に係る防振装置では、シリンダ室の拡縮方向と直交する面方向に沿った断面形状を非円形に形成すると共に、プランジャ部材におけるシリンダ室の内周面に沿ったシール領域の面方向に沿った断面形状を、シリンダ室の断面形状に対応する非円形に形成したことにより、防振装置の外郭形状が一般的な略円柱状である場合に、シリンダ室の内周面と装置の外周面との間にシリンダ室と略平行に延在し、かつ主液室と副液室とを繋げ、しかも用途が限定されないスペース(フリースペース)を確保できるので、このフリースペース内にメンブラン部材等の各種の部品を配置し、又は制限通路等を形成するために必要とされる空間を形成することができる。
また本発明の請求項2に係る防振装置は、請求項1記載の防振装置において、前記シリンダ室の前記面方向に沿った断面形状及び前記プランジャ部材における前記シール領域の前記面方向に沿った断面形状を、それぞれ略矩形状に形成したことを特徴する。
また本発明の請求項3に係る防振装置は、請求項1又は2記載の防振装置において、前記プランジャ部材に前記拡縮方向に沿って貫通するように設けられた軸受穴と、前記軸受穴内に摺動可能に挿入されて前記プランジャ部材を前記拡縮方向に沿って移動するように案内するガイド軸と、を有することを特徴とする。
また本発明の請求項4に係る防振装置は、請求項3記載の防振装置において、前記軸受穴の内周面に前記拡縮方向に沿って延在する溝部を形成すると共に、前記ガイド軸の外周面に、前記溝部内に前記拡縮方向に沿って相対的に摺動可能となるように挿入される突起部を形成したことを特徴とする。
また本発明の請求項5に係る防振装置は、請求項3記載の防振装置において、前記プランジャ部材に複数個の前記軸受穴を設けると共に、該複数個の軸受穴にそれぞれ前記ガイド軸を挿入したことを特徴とする。
また本発明の請求項6に係る防振装置は、請求項1乃至5の何れか1項記載の防振装置において、前記シリンダ室の外周側に前記主液室及び前記副液室にそれぞれ連通する連通路を設けると共に、前記連通路を前記主液室内の液圧変化に従って該主液室を拡縮するように弾性変形するメンブラン部材により閉塞したことを特徴とする。
以上説明したように、本発明に係る防振装置によれば、シリンダ室内に配置されたプランジャ部材が主液室内の液圧変化に応じて作動し、主液室と副液室とを連通する制限通路を第1及び第2の制限通路の一方に切り換えることができると共に、シリンダ室の外周側に各種の部品を配置し、又は必要とされる空間を形成することを可能とし、装置における設計の自由度を高めることができる。
以下、本発明の実施形態に係る防振装置について図面を参照して説明する。なお、図中、符号Sは装置の軸心を表しており、この軸心Sに沿った方向を装置の軸方向として以下の説明を行う。
(第1の実施形態)
図1及び図2には本発明の第1の実施形態に係る防振装置が示されている。この防振装置10には、その外周部の下端側に円筒状の第1外筒12が設けられると共に、この第1外筒12の上側に円筒状の第2外筒14が連結固定されている。第1外筒12には、その上端部に外周側に延出するフランジ部16が屈曲形成されている。第2外筒14には、軸方向中間部に周方向に延在する環状の段差部18が形成されると共に、この段差部18を介して下側及び上側にそれぞれ大径円筒部20及び小径円筒部22が設けられている。また第2外筒14には、その下端部に外周側へ延出するフランジ部24が屈曲形成されており、このフランジ部24の下側には、第1外筒12のフランジ部16が当接している。防振装置10では、フランジ部16の外周側がフランジ部24の外周側を挟み込みむように内周側へ屈曲されることにより、第1外筒12と第2外筒14とが互いにかしめ固定されている。防振装置10は、第1外筒12又は第2外筒14がカップ状のホルダ金具(図示省略)内へ嵌挿され、このホルダ金具を介して車両のエンジン側へ連結固定される。
第2外筒14には、その小径円筒部22の内周面に略円筒形状に形成されたゴム弾性体26の外周部が加硫接着されると共に、大径円筒部20の内周面にゴム弾性体26の外周部から下方へ延出する薄肉円筒状の被覆部28が加硫接着されている。ゴム弾性体26は、その断面形状が外周側から内周側へ向って下方へ傾斜する略逆V字状に形成されている。防振装置10には、第2外筒14の内周側に円柱状の取付金具30が配置されており、この取付金具30の外周面にはゴム弾性体26の内周面が加硫接着されている。取付金具30には、その上端面から軸心Sに沿ってねじ穴32が穿設されている。防振装置10は、ねじ穴32にねじ込まれたボルト(図示省略)を介して取付金具30が車体側へ連結固定される。
防振装置10内には、全体として略肉厚円板状に形成された仕切金具34が外筒12,14の内周側に嵌挿されている。仕切金具34は、外筒12,14の内周側の空間を軸方向に沿って2個の小空間に区画しており、これら2個の小空間はそれぞれ水、エチレングリコール等の液体が封入される主液室36及び副液室38とされる。ここで、主液室36は、ゴム弾性体26を隔壁の一部としており、その内容積がゴム弾性体26の弾性変形に伴って変化(拡縮)する。また副液室38は、後述するダイヤフラム40を隔壁の一部としており、ダイヤフラム40の変形により内容積が拡縮可能とされている。
図1に示されるように、第1外筒12には、その内周面及び外周面に薄膜状に形成されたゴム製の被覆部42が加硫接着されており、この被覆部42の下端部には、上方へ向って開いた椀状に形成されたゴム製のダイヤフラム40の周縁部が全周に亘って接合されている。ダイヤフラム40は第1外筒12の下端側を閉止しており、十分に小さい荷重(液圧)により副液室38を拡縮するように変形可能とされている。
図5に示されるように、仕切金具34には、その下端側に樹脂材料やアルミニウム等の金属材料により形成された略肉厚円筒状の第1オリフィス部材44が設けられると共に、この第1オリフィス部材44の上側にアルミニウム等の金属材料により形成された略円板状の第2オリフィス部材46が配置されている。
第1オリフィス部材44は、下端側が底板部により閉止された略有底円筒状に形成されている。第1オリフィス部材44の底板部には、その中央部に外周側に対して凹状に窪んだシリンダ室60が形成されている。シリンダ室60は、軸心Sに対する直交する平面(便宜上、以下、この平面を「水平面」と呼称する。)における断面形状が長方形とされおり、このシリンダ室60内には、後述するプランジャ部材78が軸方向に沿って移動可能に収納される。またシリンダ室60の下端側は長方形の底壁部61により閉止されており、この底壁部61には、その長手方向に沿った両端部にそれぞれ略矩形状の流通開口48が穿設されている。
第1オリフィス部材44の底板部には、シリンダ室60の長手直角方向に沿って外側の部分に肉厚部128が形成されており、これら一対の肉厚部128は、それぞれ水平面に沿った断面形状がシリンダ室60に沿った輪郭が直線となった略三日月状になっている。つまり、この肉厚部128は、円柱状の第1オリフィス部材44の中心部に長方形のシリンダ室60を設けたことにより、シリンダ室60と第1オリフィス部材44の外周面との間に形成される。一対の肉厚部128には、それぞれ軸方向へ貫通する連通路130(図3参照)が穿設されており、これらの連通路130の断面形状は、それぞれ肉厚部128の断面形状と略相似となった略三日月状に形成されている。また第1オリフィス部材44には、その外周面の上端側に外周側へ延出する環状のフランジ部52が形成されている。
第2オリフィス部材46には、その中央部に下方へ向かって突出する円筒状に形成された嵌挿部50が形成されると共に、外周部に第1オリフィス部材44のフランジ部52に対応する環状のフランジ部55が形成されている。また第2オリフィス部材46には、径方向に沿って嵌挿部50とフランジ部55との間に周方向へ延在する樋状部56が全周に亘って形成されている。この樋状部56は、その断面が下方へ向って開いた略U字状(図3参照)とされており、その頂板部には、周方向に沿った所定の部位に略矩形状の上部連通穴58が穿設されている。
図1に示されるように、仕切金具34では、第2オリフィス部材46の嵌挿部50が上方から第1オリフィス部材44の内周側に嵌挿されると共に、第2オリフィス部材46のフランジ部55が第1オリフィス部材44のフランジ部52へ突き当てられた状態とされ、これらのフランジ部52,55が第1外筒12のフランジ部16と第2外筒14のフランジ部24との間に挟持される。これにより、第1オリフィス部材44と第2オリフィス部材46とが互いに固定されて一体化されると共に、仕切金具34が第1外筒12及び第2外筒14に対して固定される。
図3に示されるように、第1オリフィス部材44の上端側が第2オリフィス部材46の樋状部56の内周側により閉塞されることにより、第1オリフィス部材44のシリンダ室60は外部から区画され、このシリンダ室60内にも、主液室36及び副液室38と同一の液体が充填される。また第1オリフィス部材44には、その外周面における上端部がL字状に切り欠かれることにより、周方向へ延在する上端溝部62が形成されている。この上端溝部62は、第1オリフィス部材44の外周面を一周近くに亘って周回するC字状に形成されており、その周方向に沿った両端部が第1オリフィス部材44の上端部により閉塞されている。
仕切金具34では、第1オリフィス部材44の上端側に第2オリフィス部材46が固定されると、第1オリフィス部材44の上端部が第2オリフィス部材46の樋状部56内へ嵌挿されると共に、第1オリフィス部材44の上端溝部62の外周側及び頂面側がそれぞれ樋状部56の内壁により閉塞される。これにより、第1オリフィス部材44の上端溝部62内には、外部から区画された周方向へ細長い有端状の空間である上段オリフィス通路64が形成される。この上段オリフィス通路64の一端部は、上部連通穴58を介して主液室36と連通する。
図5に示されるように、第1オリフィス部材44には、その外周面に軸心Sを中心として螺旋状に延在する外周溝66が形成されている。この外周溝66は、第1オリフィス部材44の外周面を2周以上に亘って周回している。外周溝66は、その周方向両端部がそれぞれ第1オリフィス部材44の内壁部により閉塞されている。また外周溝66には、図3に示されるように、その副液室38側の一端部から周方向中間部までの部分に軸方向に沿った幅が相対的に狭い専用オリフィス部68が設けられると共に、この専用オリフィス部68の終端部から主液室36側の他端部までの部分に軸方向に沿った幅が相対的に広く、かつ専用オリフィス部68よりも路長が短い共用オリフィス部70が設けられている。
第1オリフィス部材44には、図5に示されるように、外周溝66(専用オリフィス部68)の一端部と第1オリフィス部材44の下面部との間を貫通する下部連通穴72が形成されると共に、外周溝66(共用オリフィス部70)の他端部を樋状部56の他端部に接続する中間接続穴74が穿設されている。また第1オリフィス部材44には、図3に示されるように、外周溝66における専用オリフィス部68と共用オリフィス部70との境界部付近に外周溝66の内周側の底面部とシリンダ室60の内壁面との間を貫通したオリフィス開口76が形成されている。このオリフィス開口76は、シリンダ室60の長手方向に沿って一端側の内壁面(幅の狭い壁面)に開口しており、その開口形状がシリンダ室60の長手直角方向に沿って細長いスロット状に形成されている。
図1に示されるように、防振装置10では、仕切金具34が外筒12,14の内周側へ嵌挿された状態で、第1オリフィス部材44の外周面が被覆部42を介して第1外筒12の内周面に圧接する。これにより、第1オリフィス部材44の外周溝66(専用オリフィス部68及び共用オリフィス部70)の外周側が被覆部42の内周面により閉塞される。このとき、上段オリフィス通路64と外周溝66(共用オリフィス部70及び専用オリフィス部68)内の空間は、中間接続穴74を通して互いに接続され、1本の細長い空間であるシェイクオリフィス118を形成する。この第1の制限通路であるシェイクオリフィス118は、その一端部が第1オリフィス部材44の下部連通穴72を通して副液室38に接続されると共に、他端部が第2オリフィス部材46の上部連通穴58を通して主液室36に連通する。
ここで、シェイクオリフィス118は、入力振動のうち相対的に低周波域の振動であるシェイク振動(例えば、9〜15Hz)に対応するように、その路長及び断面積、すなわち液体の流通抵抗が設定(チューニング)されている。
図3に示されるように、第1オリフィス部材44のシリンダ室60には、略長方形のプレート状(図5参照)に形成されたプランジャ部材78が軸方向に沿って移動可能に収納されている。このプランジャ部材78は、シリンダ室60を軸方向に沿って主液室36側の小空間である液圧空間112と副液室38側の小空間であるオリフィス空間114とに区画している。プランジャ部材78は、その外周面がシリンダ室60の内壁面と液密状態で接し、また微小間隔を空けて対向するシール領域132として構成されており、このシール領域132は、その水平面に沿った断面形状がシリンダ室60の断面形状と略一致し、又は僅かに寸法が小さい長方形とされている。
但し、プランジャ部材78を樹脂材料等の弾性に富む材料により形成した場合には、シール領域132の断面形状がシリンダ室60の断面形状よりも僅かに大きくし、プランジャ部材78を内周側へ圧縮変形させつつ、シール領域132をシリンダ室60の内壁面に圧接させることにより、プランジャ部材78とシリンダ室60との間のシール性を向上させることも可能になる。またシール領域132における各コーナ部を円形状(R状)に形成すると共に、シリンダ室60の内壁面における各コーナ部もシール領域132と曲率半径が略一致するR状に形成しても良い。これにより、シール領域132における各コーナ部及びシリンダ室60の内壁面における各コーナ部が直角である場合よりも、それぞれの加工及びシール性の確保がそれぞれ容易になる。
図5に示されるように、プランジャ部材78には、その長手方向に沿った一端部が下方へ屈曲されることにより閉塞部134が形成されている。閉塞部134は、その外側の面がプランジャ部材78の長手直角方向に沿って細長い長方形の平面状の閉塞面136とされており、この閉塞面136は、その軸方向及び軸直角方向に沿った幅がそれぞれオリフィス開口76の開口幅よりも大きくなっている。また閉塞部134は、その上端側及び下端側のエッジ部がオリフィス開口76の長手方向(軸直角方向)と平行に延在している。
図3に示されるように、プランジャ部材78には、その下面中心部に肉厚円筒状のボス部81が下方へ突出するように一体的に形成されている。ボス部81の先端部には、基端側よりも外径が縮小された座受突起84が一体的に形成されており、この座受突起84は、後述するコイルスプリング86上端部の内周側に嵌挿される。またプランジャ部材78には、その上端面とボス部81の下端面との間を貫通する円形の貫通する液圧解放路126が穿設されている。
図3に示されるように、仕切金具34では、プランジャ部材78が第1オリフィス部材44のシリンダ室60内へ挿入されている。これにより、プランジャ部材78は、シリンダ室60の内壁面により軸方向へ案内されつつ、所定の範囲(後述する開放位置と閉塞位置との間)で移動可能となる。また仕切金具34内には、プランジャ部材78と第1オリフィス部材44の底板部45との間に圧縮状態とされたコイルスプリング86が介装されている。このコイルスプリング86は、その上端部をプランジャ部材78の座受突起84の外周側に嵌挿すると共に、その上端面及び下端面をそれぞれプランジャ部材78のボス部81の下端面及びシリンダ室60内の底壁部61に圧接させている。これにより、コイルスプリング86はプランジャ部材78を常に上方(開放位置側)へ付勢する。
第2オリフィス部材46は、その嵌挿部50の内周側が後述する逆止弁116の弁座部88として構成されており、この弁座部88には、図5に示されるように、その外周側に略扇状に形成された複数(本実施形態では、2個)の弁座開口90が穿設されると共に、略三日月状に形成された2個のメンブラン開口138が穿設されている。
ここで、2個の弁座開口90はシリンダ室60の長手方向に沿って弁座部88の両端部にそれぞれ配置されており、それぞれがシリンダ室60内へ面している。2個のメンブラン開口138は、シリンダ室60の長手直角方向に沿って弁座部88の両端部にそれぞれ配置されており、2個の連通路130にそれぞれ正対している。第1オリフィス部材44には、図3に示されるように、連通路130メンブラン開口138の周縁部に沿ってリブ状のメンブラン押圧枠140が全周に亘って形成されている。また第2オリフィス部材46には、メンブラン開口138の開口端に沿って第1オリフィス部材44側へ延出するリブ状のメンブラン押圧枠144が形成されている。
図3に示されるように、第1オリフィス部材44は、そのシリンダ室60に対して上側が円形凹状になっており、その内径がシリンダ室60の長辺の寸法よりも大きくなっている。これにより、第1オリフィス部材44には、その内周面にシリンダ室60の上端部から外周側へ延出する環状の段差部94が形成される。
仕切金具34では、第1オリフィス部材44の段差部94と第2オリフィス部材46の弁座部88との間に略円板状の弁体95が配設されている。弁体95には、図5に示されるように、その外周部にステンレス、アルミ合金等の金属材料により形成された支持リング96が配置されると共に、この支持リング96の内周側にNR、NBR等のゴム材料により弁本体98が設けられている。支持リング96は、径方向に沿った肉厚が一定とされ軸方向へ扁平な円筒状に形成されており、その軸方向に沿った寸法が弁本体98の肉厚よりも厚くなっている。また支持リング96の外径は、第1オリフィス部材44における段差部94の上側の内径よりも僅かに小さくなっている。
弁本体98は肉厚が略一定とされた円板状に形成されており、その中心部には円形の流通穴100が貫通している。この流通穴100の内径は、弁座部88の突起部92の外径よりも僅かに大きくなっている。弁本体98には、流通穴100の周縁部から外周側へ向って下方へ傾斜するテーパ状に形成された可撓部102が形成されると共に、可撓部102の外周側におけるメンブラン開口138及び連通路130に対応する部位に平板状のメンブラン部146が形成されている。可撓部102は、径方向に沿って弁本体98における流通穴100の周縁部からの中央部付近までの部分に設けられている。ここで、弁本体98は、その外周面が支持リング96の内周面に全周に亘って加硫接着されて支持リング96に連結固定されている。
図3に示されるように、仕切金具34では、弁体95が第1オリフィス部材44の上側の開口端から内周側に嵌挿されてり、第1オリフィス部材44内で支持リング96が第1オリフィス部材44の段差部94と弁座部88の外周部との間に挟持されている。これにより、弁体95は、第1オリフィス部材44の内周側におけるシリンダ室60と弁座部88との間に固定され、弁本体98の可撓部102がシリンダ室60内へ面するように支持される。また弁本体98における一対のメンブラン部146がそれぞれ第2オリフィス部材46のメンブラン押圧枠140と第1オリフィス部材44のメンブラン押圧枠144との間に挟持される。これにより、弁本体98における一対のメンブラン部146は、第1オリフィス部材44における一対の連通路130の上端側をそれぞれ閉塞するように張設される。
弁体95は、シリンダ室60と弁座部88との間に固定された状態で、弁本体98における可撓部102の内周端付近を弁座部88における中央部に圧接させると共に、可撓部102の内周端付近を所定の変形量だけ下方へ撓み変形させている。このとき、可撓部102は、その内周端付近を弁座部88の下面における2個の弁座開口90の内周側の領域に全周に亘って圧接させており、可撓部102の内周端付近は、可撓部102の撓み方向での変形量に対応する与圧力で弁座部88の下面へ圧接している。また弁本体98の流通穴100内には弁座部88の突起部92が装脱可能に挿入される。
防振装置10では、弁体95の可撓部102が弁座部88に圧接することにより、弁体95により複数個の弁座開口90がそれぞれ閉塞される。また、図4の2点鎖線で示されるように、主液室36内の液圧により弁体95の可撓部102が下方へ撓み変形して弁座部88から離間すると、弁座開口90が開放されて主液室36がシリンダ室60の液圧空間112内に連通する。すなわち、防振装置10では、弁体95及び第2オリフィス部材46(弁座部88)が主液室36とシリンダ室60との間で逆止弁116(図5参照)を構成しており、この逆止弁116は、主液室36からシリンダ室60(液圧空間112)内へのみ液体の流入を許容するが、液圧空間112から主液室36内への液体の流出を阻止する。
図1に示されるように、シリンダ室60のオリフィス空間114は、第1オリフィス部材44の複数の流通開口48を通して常に副液室38と連通している。また防振装置10では、上段オリフィス通路64、共用オリフィス部70及び、この共用オリフィス部70にオリフィス開口76を通して連通したオリフィス空間114が、シェイク振動に対して相対的に高周波域の振動であるアイドル振動(例えば、18〜30Hz)に対応するアイドルオリフィス120を形成している。この第2の制限通路であるアイドルオリフィス120は、その路長及び断面積、すなわち液体の流通抵抗がアイドル振動に対応するように設定(チューニング)されている。ここで、アイドルオリフィス120における液体の流通抵抗は、シェイクオリフィス118における液体の流通抵抗よりも小さくなっている。またオリフィス開口76の開口面積は、共用オリフィス部70及び上段オリフィス通路64の断面積よりも大きくなっている。
防振装置10では、図2に示されるように、プランジャ部材78が閉塞位置へ移動(下降)すると、第1オリフィス部材44のオリフィス開口76がプランジャ部材78における閉塞部134(閉塞面136)により閉塞され、共用オリフィス部70がオリフィス空間114と非連通状態となる。これにより、主液室36と副液室38とは、シェイクオリフィス118のみを通して互いに連通する。
このとき、プランジャ部材78の閉塞面136は、図4に示されるように、シリンダ室60の内周面におけるオリフィス開口76に対して上側及び下側の領域とそれぞれオーバラップする。このようにプランジャ部材78が閉塞位置にある状態で、プランジャ部材78の外周面とシリンダ室60の内周面とを軸方向に沿ってオーバラップさせることにより、主液室36内の液圧変化に伴ってプランジャ部材78が軸方向に沿って振動しても、プランジャ部材78によりオリフィス開口76を確実に閉塞状態に維持できる。
また防振装置10では、図1に示されるように、プランジャ部材78が開放位置へ移動(上昇)すると、プランジャ部材78の閉塞部134がオリフィス開口76から離れてオリフィス開口76が開放され、共用オリフィス部70が上段オリフィス通路64内と連通する。
プランジャ部材78が開放位置に移動することにより、主液室36と副液室38とは、シェイクオリフィス118及びアイドルオリフィス120の双方を通して互いに連通するが、主液室36内の液圧が変化した際には、上段オリフィス通路64及び中間接続穴74を通して共用オリフィス部70内へ流入した液体は、専用オリフィス部68との境界部付近に達すると、専用オリフィス部68よりも液体の流通抵抗が小さいオリフィス開口76を通ってオリフィス空間114内へ優先的に流入し、またオリフィス開口76を通って共用オリフィス部70内へ流入した液体も、専用オリフィス部68よりも液体の流通抵抗が小さい共用オリフィス部70及び上段オリフィス通路64内を優先的に通って主液室36内へ抜ける。これにより、防振装置10では、プランジャ部材78が開放位置にある場合、実質的にアイドルオリフィス120のみを通って主液室36と副液室38との間で液体が流通する。
またプランジャ部材78の液圧解放路126は、コイルスプリング86の付勢力によりプランジャ部材78が開放位置側へ移動する際に、外部から閉じられた液圧空間112内の液体をオリフィス空間114内へ流出させ、液圧空間112の液圧上昇を防止してプランジャ部材78を開放位置側へ移動可能にする。
図1に示されるように、弁本体98のメンブラン部146は、第1オリフィス部材44の連通路130の上端側を閉塞すると共に、第2オリフィス部材46のメンブラン開口138を通して主液室36内へ面する。これにより、主液室36内の液圧が変化すると、この液圧変化に従って主液室36の内容積を拡縮するように弾性変形する。具体的には、主液室36内の液圧上昇に従って主液室36の内容積を拡張するように所定の変形量の範囲内で弾性変形し、主液室36内の液圧低下に従って主液室36の内容積を縮小するように所定の変形量の範囲内で弾性変形する。
次に、本発明の第1の実施形態に係る防振装置10の作用を説明する。
防振装置10では、例えば、車両におけるエンジンが作動すると、エンジンが発生した振動が取付金具30を介してゴム弾性体26に伝達され、ゴム弾性体26が弾性変形する。このとき、ゴム弾性体26は吸振主体として作用し、ゴム弾性体26の内部摩擦等に基づく吸振作用によって振動が吸収され、外筒12,14を介して車体側へ伝達される振動が低減される。また自動車等の車両では、アイドリング運転時にエンジンが相対的に高周波域の振動であるアイドル振動を発生し、また所定速度以上での走行時にはエンジンが相対的に低周波域の振動であるシェイク振動を発生する。
また防振装置10では、シェイクオリフィス118の主液室36側の一部が、アイドルオリフィス120の一部を形成する共用オリフィス部70とされ、この共用オリフィス部70と専用オリフィス部68との境界部付近にシリンダ室60のオリフィス空間114に連通するオリフィス開口76が形成されていることから、主液室36と副液室38とがシェイクオリフィス118により互いに連通すると共に、オリフィス開口76が開放されている場合には、アイドルオリフィス120によっても互いに連通する。
更に、防振装置10では、プランジャ部材78が、シリンダ室60の液圧空間112内の液圧によりコイルスプリング86の付勢力に抗して開放位置から閉塞位置に移動するとオリフィス開口76を閉塞させ、コイルスプリング86の付勢力により閉塞位置から開放位置へ復帰するとオリフィス開口76を開放することから、シェイク振動の入力時に、開放位置にあったプランジャ部材78が閉塞位置へ移動すると、ゴム弾性体26の弾性変形に伴って、シェイクオリフィス118のみを通って主液室36と副液室38との間を液体が行き来し、またアイドル振動の入力時に、閉塞位置にあったプランジャ部材78が開放位置へ復帰すると、シェイクオリフィス118及びアイドルオリフィス120の双方が開放された状態となるが、ゴム弾性体の弾性変形に伴って、液体の流通抵抗が相対的に小さいアイドルオリフィス120を優先的に通って主液室36と副液室38との間を液体が行き来する。
すなわち、防振装置10では、相対的に周波数が低く振幅が大きいシェイク振動が入力した場合には、このシェイク振動によってゴム弾性体26が弾性変形し、主液室36内に相対的に大きな液圧変化が生じると共に、主液室36内の周期的な液圧上昇時に逆止弁116を通して主液室36から液圧空間112へ液体が流入して、液圧空間112内の液圧も主液室36内の上昇時の液圧と略平衡する平衡圧まで上昇する。
ここで、防振装置10では、プランジャ部材78に対するコイルスプリング86の付勢力がシェイク振動の入力時の液圧空間112内の液圧(平衡圧)に対応する値よりも小さく設定されており、これにより、シェイク振動の入力時には、プランジャ部材78がコイルスプリング86の付勢力に抗して開放位置から閉塞位置側へ間欠的に移動し、液圧空間112内の液圧により閉塞位置へ保持される。
従って、防振装置10では、シェイク振動の入力時には、ゴム弾性体26の弾性変形に伴って、シェイクオリフィス118のみを通して主液室36と副液室38の間を液体が行き来することから、このシェイクオリフィス118を通過する液体の粘性抵抗や圧力損失により入力振動(低周波域振動)を吸収できるので、エンジン側から車体側へ伝達されるシェイク振動を低減できる。
このとき、シェイクオリフィス118における液体の流通抵抗がシェイク振動の周波数及び振幅に対応するように設定(チューニング)されていることから、シェイクオリフィス118を通って主液室36と副液室38との間を行き来する液体に共振現象(液柱共振)が生じ、この液柱共振の作用によってシェイク振動を特に効果的に吸収できる。
また防振装置10では、相対的に周波数が高く振幅が小さいアイドル振動が入力した場合には、このアイドル振動によってゴム弾性体26が弾性変形すると共に、主液室36内に相対的に小さな液圧変化が生じることから、この場合にも、主液室36内の周期的な液圧上昇時に逆止弁116を通して主液室36から液圧空間112へ液体が流入して、液圧空間112内の液圧が上昇して主液室36内の上昇時の液圧(最高値)と略平衡する平衡圧まで達する。
ただし、防振装置10では、コイルスプリング86の付勢力が、アイドル振動の入力時における液圧空間112内の平衡圧に対応する値よりも大きく設定されており、これにより、プランジャ部材78が開放位置にあるときには、コイルスプリング86の付勢力により開放位置に保持され、また閉塞位置にある場合には、コイルスプリング86の付勢力により閉塞位置から開放位置へ移動(復帰)する。
なお、プランジャ部材78が開放位置側へ移動する際には、プランジャ部材78に形成された液圧解放路126が、外部から閉じられた液圧空間112内の液体をオリフィス空間114内へ流出させることから、液圧空間112の液圧上昇を防止してプランジャ部材78を開放位置側へ円滑に、かつ低い移動抵抗で移動可能にする。
従って、防振装置10では、アイドル振動の入力時には、ゴム弾性体26の弾性変形に伴って、シェイクオリフィス118に対して液体の流通抵抗が小さいアイドルオリフィス120を優先的に通って主液室36と副液室38との間を液体が行き来することから、このアイドルオリフィス120を流通する液体の粘性抵抗や圧力損失等により入力振動(アイドル振動)を吸収できるので、エンジン側から車体側へ伝達されるアイドル振動を低減できる。
このとき、アイドルオリフィス120における液体の流通抵抗がアイドル振動の周波数及び振幅に対応するように設定(チューニング)されていることから、アイドルオリフィス120を通って主液室36と副液室38との間を行き来する液体に共振現象(液柱共振)が生じ、この液柱共振の作用によってアイドル振動を特に効果的に吸収できる。
この結果、防振装置10によれば、電磁ソレノイドや空圧ソレノイド等の外部からの制御及び動力供給を受けて作動するバルブ機構を用いることなく、主液室36と副液室38とを連通するオリフィスを、入力振動の周波数に応じて、シェイクオリフィス118及びアイドルオリフィス120の何れか一方に、主液室36内の液圧変化を駆動力として用い切り換えることができる。
また防振装置10では、シリンダ室60の水平面に沿った断面形状を非円形である長方形に形成すると共に、プランジャ部材78のシール領域132の水平面に沿った断面形状を、シリンダ室60の断面形状に対応する長方形に形成したことにより、装置の外郭形状(主として外筒12,14の形状)に対応して略円柱状とされた仕切金具34の内周側に形成されたシリンダ室60の内壁面と仕切金具34の外周面との間にシリンダ室60と略平行に軸方向へ延在し、かつ主液室36と副液室38とを繋げ、しかも用途が限定されないスペース(フリースペース)を確保できる。このフリースペースは、例えば、シリンダ室を円柱状に形成した場合と比較すると、径方向に沿った寸法を十分に広いものにできるので、このフリースペースには、本実施形態のように、副液室38及び主液室36にそれぞれ連通する連通路130及びメンブラン開口138を形成すると共に、一定の幅(受圧面積)がなければ実質的に機能しないメンブラン部146を配設することが可能になる。
なお、本実施形態に係る防振装置10では、シリンダ室60の内壁面と仕切金具34の外周面との間に形成されたフリースペースに連通路130及びメンブラン開口138を形成すると共に、メンブラン部146を配設したが、これ以外にも、フリースペースには、例えば、仕切金具34の外周面にシェイクオリフィス118の一部となる溝部のみを形成し、主液室36と副液室38とを連通させるアイドルオリフィスの一部となる細長い空間を形成しても良く、またアイドル振動よりも更に高い周波数域の振動(例えば、こもり音)に対応するオリフィスの一部となる空間を形成しても良い。この場合にも、プランジャ部材78により開閉されるオリフィス開口は、フリースペースに形成されたオリフィスとなる空間とシリンダ室60とを連通させるものになる。
この結果、本実施形態に係る防振装置10によれば、シリンダ室60内に配置されたプランジャ部材78が主液室36内の液圧変化に応じて作動し、主液室36と副液室38とを連通するオリフィスをシェイクオリフィス118及びアイドルオリフィス120の一方に切り換えることができると共に、仕切金具34におけるシリンダ室60と外周面との間に各種の部品を配置し、又は必要とされる空間を形成することを可能にできるので、装置における設計の自由度を高めることができる。
また本実施形態に係る防振装置10では、シリンダ室60の外周側に主液室36及び副液室38にそれぞれ連通する連通路130及びメンブラン開口138が設けられており、この連通路130とメンブラン開口138との間に主液室36内の液圧変化に従って主液室36の内容積を拡縮するように弾性変形するメンブラン部146が設けられていることにより、車両がシェイク振動の発生ピークとなる速度よりも高速で走行して、防振装置10へ伝達される振動がアイドル振動よりも高い周波数域の振動であって、振幅が小さいこもり音等の高周波振動になると、シェイクオリフィス118及びアイドルオリフィス120がそれぞれ目詰まり状態となり、シェイクオリフィス118及びアイドルオリフィス120は液体が流れ難くなるが、メンブラン部146が入力振動に同期して主液室36の内容積を拡縮するように弾性変形することにより、主液室36内の液圧上昇を抑制できるので、主液室36内の液圧上昇に起因する装置(ゴム弾性体26)の動ばね定数の上昇を抑えることができ、このようなこもり音等の高周波振動の入力時もゴム弾性体26の動ばね定数を低く維持し、このゴム弾性体26の弾性変形により高周波振動も効果的に吸収できる。
(第2の実施形態)
図6には本発明の第2の実施形態に係る防振装置が示されている。なお、本実施形態に係る防振装置150において、第1の実施形態に係る防振装置10と同一の部分には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係る防振装置150が第1の実施形態に係る防振装置10と異なる点は、図6及び図7(B)に示されるように、プランジャ部材78の中心部に軸方向へ貫通する円形の軸受穴152が設けられると共に、図6及び図7(A)に示されるように、第1オリフィス部材44の底壁部61に軸心Sに沿って上方へ突出する丸棒状のガイドロッド154が一体的に形成され、このガイドロッド154が軸受穴152内に相対的に摺動可能に挿入されている点である。
この結果、本実施形態に係る防振装置140では、プランジャ部材78がガイドロッド154により軸方向へ案内されると共に、プランジャ部材78の軸直角方向への変位及び軸心Sに対する傾きが制限されている。これにより、プランジャ部材78におけるシール領域132の一部がシリンダ室60の内壁面に他の部分より強く当たることがなくなり、プランジャ部材78の移動抵抗が増加することを防止できるので、プランジャ部材78が開放位置と閉塞位置との間で円滑に移動可能になる。
また防振装置140では、図8(A)及び(B)に示されるように、軸受穴152の内周面に軸方向に延在するスプライン溝156を形成すると共に、ガイドロッド154の外周面にスプライン溝156内に軸方向沿って相対的に摺動可能となるように挿入されるスプライン突起158を形成しても良い。これにより、プランジャ部材78の軸心Sを中心とする回転方向の変位を制限できるので、プランジャ部材78におけるシール領域132を形成する長辺部又は短辺部のコーナ部付近がシリンダ室60の内壁面に他の部分より強く当たることがなくなり、プランジャ部材78の移動抵抗が増加することを防止できるので、プランジャ部材78が開放位置と閉塞位置との間で更に円滑に移動可能になる。
なお、軸受穴152にスプライン突起を形成すると共に、ガイドロッド154にスプライン溝を形成しても良く、また軸受穴152にスプライン溝156を形成すると共に、ガイドロッド154にスプライン突起158を形成することに代えて、軸受穴152の水平面に沿った断面形状を非円形に形成すると共に、ガイドロッド154の断面形状を軸受穴152の断面形状に対応する非円形としても、プランジャ部材78の回転方向への変位を制限できる。
また防振装置140では、図9に示されるように、プランジャ部材78における長手方向に沿った一端側及び他端側にそれぞれ軸受穴152を形成すると共に、第1オリフィス部材44の底壁部61に一対の軸受穴152にそれぞれ対応する一対のガイドロッド154を一体的に形成し、これら一対のガイドロッド154をそれぞれ一対の軸受穴152内に相対的に摺動可能に挿入しても良い。これにより、プランジャ部材78がガイドロッド154により軸方向へ案内されると共に、プランジャ部材78の軸直角方向への変位、軸心Sに対する傾き及び、軸心Sを中心とする回転方向の変位をそれぞれ制限できるので、プランジャ部材78におけるシール領域132の一部がシリンダ室60の内壁面に他の部分より強く当たることがなくなり、プランジャ部材78が開放位置と閉塞位置との間で円滑に移動可能になる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る防振装置150の作用を説明する。
防振装置150によれば、第1の実施形態に係る防振装置10と同様に、装置の外郭形状(主として外筒12,14の形状)に対応して略円柱状に形成された仕切金具34の内周側に形成されたシリンダ室60の内壁面と仕切金具34の外周面との間にシリンダ室60と略平行に軸方向へ延在し、かつ主液室36と副液室38とを繋げるような用途が限定されないスペース(フリースペース)を確保できるので、このフリースペースを利用し、仕切金具34におけるシリンダ室60と外周面との間に各種の部品を配置し、又は必要とされる空間を形成することを可能にできるので、装置における設計の自由度を高めることができる。
また防振装置150によれば、メンブラン部146が主液室36内の液圧変化に従って弾性変形することにより、アイドル振動よりも高い周波数の振動の入力時もゴム弾性体26の動ばね定数を低く維持し、このゴム弾性体26の弾性変形によりアイドル振動よりも高い周波数の振動も効果的に吸収できる。
なお、本実施形態に係る防振装置10,150では、第1オリフィス部材44の外周溝66における主液室36側を共用オリフィス部70すると共に、副液室38側を専用オリフィス部68として、共用オリフィス部70をシェイクオリフィス118及びアイドルオリフィス120で共用していたが、第1オリフィス部材44にシェイクオリフィス118を形成する外周溝66から分離された別の溝部を形成し、この別の溝部をアイドルオリフィス120の一部とするようにしても良い。
また防振装置10,150では、2本のオリフィス(第1の制限通路及び第2の制限通路)の一方をシェイク振動に対応するシェイクオリフィス118とし、他方をアイドル振動に対応するアイドルオリフィス120としたが、2本の第1の制限通路及び第2の制限通路を必ずしもシェイク振動及びアイドル振動に対応させる必要はなく、第1の制限通路が相対的に低い周波域の振動に対応するものとなり、第2の制限通路が相対的に高い周波域の振動に対応するものとなれば良い。
また防振装置10,150では、取付金具30をエンジン側に連結すると共に、外筒12,14を車体側に連結するように構成したが、これとは逆に、取付金具30を車体側に連結すると共に、外筒12,14をエンジン側に連結するようにしても良い。
また以上の本実施形態に係る記載では、防振装置10,150における取付金具30側を装置の上側(軸方向に沿って上方)とし、第2外筒14側を装置の下側(軸方向に沿って下方)として説明したが、車両においては防振装置10,150の取付方向は限定されず、例えば、防振装置10,150を、図1、図2及び図6に示されている方向とは上下を反転した状態で、車両に取り付けても良く、また装置の軸方向を鉛直方向に対して傾けた状態で取り付けても良い。
また本実施形態に係る防振装置10,150では、シリンダ室60及びプランジャ部材78の断面形状が略長方形とされていたが、これらシリンダ室60及びプランジャ部材78の断面形状については、略長方形に限定されるものではなく、例えば、楕円形、長方形、又は円形の一部が弦方向へ切り欠かれて直線状の辺部が形成された形状等のものであって、略円柱状の第1オリフィス部材44の内部に配置された際に、シリンダ室60の外周側に径方向に沿って十分な幅を有するスペースを確保できるものでれば良い。
また本実施形態に係る防振装置10,150では、主液室36内の液圧上昇時に逆止弁116を通して液体を主液室36から液圧空間112内へ供給し、この液圧空間112内の液圧を主液室36の液圧上限値に対応する平衡圧に上昇させ、シェイク振動の入力時に、液圧空間112の液圧(正圧)によりプランジャ部材78を開放位置から閉塞位置へ移動させていたが、これとは逆に、逆止弁を液圧空間112から主液室36へのみ液体が流出させ得るように構成し、主液室36内の液圧低下時に、この逆止弁を通して液体を液圧空間112から主液室36内へ流出させることにより、液圧空間112内の液圧を主液室36の液圧下限値に対応する平衡圧まで低下させ、シェイク振動の入力時に、液圧空間112の液圧(負圧)によりプランジャ部材78を開放位置から閉塞位置へ移動させるようにして良い。
上記の場合には、防振装置10,150は、プランジャ部材78がコイルスプリング86により軸方向に沿って下方へ付勢し、このプランジャ部材78が下限位置(開放位置)にある状態で、オリフィス開口76が開放され、液圧空間112内の負圧の作用によりコイルスプリング86の付勢力に抗して下限位置から上限位置(閉塞位置)へ上昇すると、オリフィス開口76が開放されるように構成される。
本発明の第1の実施形態に係る防振装置の構成を示す軸方向に沿った断面図であり、プランジャ部材が開放位置にある状態を示している。 図1に示される防振装置の構成を示す軸方向に沿った断面図であり、プランジャ本体が閉塞位置にある状態を示している。 図1に示される防振装置における仕切金具及びプランジャ部材の構成を示す断面図であり、プランジャ部材が開放位置にある状態を示している。 図1に示される防振装置における仕切金具及びプランジャ部材の構成を示す断面図であり、プランジャ部材が閉塞位置にある状態を示している。 図1に示される防振装置における仕切金具及びプランジャ部材の構成を示す分解斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る防振装置の構成を示す軸方向に沿った断面図である。 (A)は図6に示される防振装置における第1オリフィス形成部材の構成を示す斜視図、(B)は図6に示されるプランジャ部材の構成を示す斜視図である。 (A)は図7に示されるガイドロッドにスプライン突起を設けた場合の第1オリフィス部材の構成を示す斜視図、(B)は図7に示される軸受穴にスプライン溝を設けた場合のプランジャ部材の構成を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る防振装置を示す軸方向に沿った断面図であり、プランジャ部材及び第1オリフィス部材にそれぞれ一対の軸受穴及びガイドロッドを設けた場合を示している。
符号の説明
10 防振装置
12 第1側外筒(第1の取付部品)
14 第2外筒(第1の取付部品)
26 ゴム弾性体(弾性体)
30 取付金具(第2の取付部品)
34 仕切金具
36 主液室
38 副液室
40 ダイヤフラム
60 シリンダ室
64 上段オリフィス通路
66 外周溝
68 専用オリフィス部
70 共用オリフィス部
76 オリフィス開口
78 プランジャ部材
95 弁体
96 支持リング
98 弁本体
100 流通穴
102 可撓部
112 液圧空間
114 オリフィス空間
116 逆止弁
118 シェイクオリフィス
120 アイドルオリフィス
130 連通路
132 シール領域
138 メンブラン開口(連通路)
142 メンブラン部(メンブラン部材)
150 防振装置
152 軸受穴
154 ガイドロッド
156 スプライン溝
158 スプライン突起

Claims (6)

  1. 振動発生部及び振動受け部の一方に連結される第1の取付部材と、
    振動発生部及び振動受け部の他方に連結される第2の取付部材と、
    前記第1の取付部材と前記第2の取付部材との間に配置された弾性体と、
    前記弾性体を隔壁の一部として液体が封入され、該弾性体の弾性変形に伴って内容積が変化する主液室と、
    液体が封入され内容積が拡縮可能とされた副液室と、
    前記主液室と前記副液室とを互いに連通する第1の制限通路と、
    前記主液室と前記副液室とを互いに連通し、前記第1の制限通路よりも液体の流通抵抗が小さい第2の制限通路と、
    前記主液室と前記副液室との間に設けられ、液体が充填されたシリンダ室と、
    前記シリンダ室内を、前記第2の制限通路の一部を構成すると共に前記副液室に連通したオリフィス空間と前記第2の制限通路から隔離された液圧空間とに区画し、前記オリフィス空間及び前記液圧空間の拡縮方向に沿って所定の開放位置と閉塞位置との間で移動可能とされたプランジャ部材と、
    前記オリフィス空間内に面するように設けられ、前記第2の制限通路における該オリフィス空間と他の部分とを連通させるオリフィス開口と、
    前記主液室と前記液圧空間との間に配置され、前記主液室内の液圧変化に伴って該主液室と前記液圧空間との間で一方向へのみ液体を流出させ得る逆止弁と、
    前記プランジャ部材を、前記液圧空間を縮小する前記開放位置側へ付勢する付勢部材と、を有し、
    前記シリンダ室の前記拡縮方向と直交する面方向に沿った断面形状を非円形に形成すると共に、前記プランジャ部材における前記シリンダ室の内周面に沿ったシール領域の前記面方向に沿った断面形状を、前記シリンダ室の断面形状に対応する非円形に形成し、
    前記プランジャ部材が、前記液圧空間内の液圧により前記付勢部材の付勢力に抗して前記前記閉塞位置に移動すると、前記オリフィス開口を閉塞させ、前記付勢部材の付勢力により前記開放位置へ復帰すると、前記オリフィス開口を開放することを特徴とする防振装置。
  2. 前記シリンダ室の前記面方向に沿った断面形状及び前記プランジャ部材における前記シール領域の前記面方向に沿った断面形状を、それぞれ略矩形状に形成したことを特徴する請求項1記載の防振装置。
  3. 前記プランジャ部材に前記拡縮方向に沿って貫通するように設けられた軸受穴と、
    前記軸受穴内に摺動可能に挿入されて前記プランジャ部材を前記拡縮方向に沿って移動するように案内するガイド軸と、を有することを特徴とする請求項1又は2記載の防振装置。
  4. 前記軸受穴の内周面に前記拡縮方向に沿って延在する溝部を形成すると共に、前記ガイド軸の外周面に、前記溝部内に前記拡縮方向に沿って相対的に摺動可能となるように挿入される突起部を形成したことを特徴とする請求項3記載の防振装置。
  5. 前記プランジャ部材に複数個の前記軸受穴を設けると共に、該複数個の軸受穴にそれぞれ前記ガイド軸を挿入したことを特徴とする請求項4記載の防振装置。
  6. 前記シリンダ室の外周側に前記主液室及び前記副液室にそれぞれ連通する連通路を設けると共に、前記連通路を前記主液室内の液圧変化に従って該主液室を拡縮するように弾性変形するメンブラン部材により閉塞したことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の防振装置。
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