JP2787010B2 - 防振装置 - Google Patents

防振装置

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JP2787010B2
JP2787010B2 JP7166648A JP16664895A JP2787010B2 JP 2787010 B2 JP2787010 B2 JP 2787010B2 JP 7166648 A JP7166648 A JP 7166648A JP 16664895 A JP16664895 A JP 16664895A JP 2787010 B2 JP2787010 B2 JP 2787010B2
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vibration
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両、一般産業用機械等
に用いられ、振動発生部からの振動を吸収減衰する防振
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のエンジンにはエンジンと車体と
の間にエンジンマウントとしての防振装置が配設され、
エンジンの振動が車体に伝達されることを阻止するよう
になっている。
【0003】エンジンに発生する振動には車両が高速で
走行している場合等に発生する所謂シェイク振動やアイ
ドル時及び車両が時速5キロ程度で走行している場合に
発生する所謂アイドル振動等がある。
【0004】一般的に前記シェイク振動は周波数が15
Hz未満であるのに対しアイドル振動は周波数が20〜
50Hzであり、シェイク振動とアイドル振動とでは周
波数が相違する。
【0005】シェイク振動とアイドル振動とを吸収する
防振装置として液体封入式の防振装置が提案されてい
る。この防振装置として、エンジンの吸気系に生ずる吸
入負圧を利用して防振装置の特性を変化させることので
きる防振装置が提案されている。
【0006】この防振装置には、主液室と副液室を備え
ており、主液室と副液室とは、それぞれ大きさの異なる
制限通路で連結されている。周知のように、液体封入式
の防振装置では、振動入力時に制限通路内で液体を行き
来させる(共振させる)ことによって振動を減衰するよ
うになっているため、副液室には反対側が空気と接する
ダイヤフラムが面している。即ち、ダイヤフラムが変形
することで副液室の容積変化が可能となり、主液室と副
液室とを連通する制限通路内で液体を行き来させること
ができるのである。このため、ダイヤフラムの動きを規
制すれば、制限通路内で液体が流動できないようにする
ことができる。
【0007】この原理に基づいて、この防振装置では、
ダイヤフラムの片面に空気室を設け、この空気室を2ポ
ート3位置切換弁(電磁弁)を介してエンジンの吸気系
(インテークマニホールド)に連結し、2ポート3位置
切換弁によって吸気系と空気室とを連通させることで空
気室の内圧を下げ、ダイヤフラムを空気室の内壁に密着
させている。これによって、密着したダイヤフラムに面
する副液室に連結される制限通路以外の他の制限通路で
液体を行き来させ、防振効果を得るようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記防振装
置では、以下の(1)乃至(3)の問題を有する。 (1) エンジンの吸気系(インテークマニホールド)
に発生する負圧を防振装置に供給するための配管ホース
により、そのコストもアップし、また、配管ホースをエ
ンジンルーム内に引き回し、これを固定する工数がかか
る。 (2) ダイヤフラムが万が一切れた場合、防振装置内
の液体がバキュームホースを通ってエンジンに浸入する
虞れがある (3) 負圧によりダイヤフラムを引くと、ダイヤフラ
ムの移動により主液室内の液体が副液室側へ移動し、主
液室内の体積が減少して弾性体が凹み、弾性体に取り付
けられた取り付け部材の位置が変化する、即ち、振動受
部と振動発生部との寸法が変化するという問題がある
(例えば、車体に防振装置でエンジンを支持すると、エ
ンジンの高さが変化する)。
【0009】本発明は上記事実を考慮し、上記問題を解
決して防振特性を可変できる防振装置を提供することが
目的である。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の防振装
置は、振動発生部及び振動受部の一方へ連結される第1
の取付部材と、振動発生部及び振動受部の他方へ連結さ
れる第2の取付部材と、前記第1の取付部材と前記第2
の取付部材との間に設けられ振動発生時に変形する弾性
体と、前記弾性体を隔壁の一部として拡縮可能な主液室
と、前記主液室とは隔離される副液室と、前記主液室と
副液室とを連通する制限通路と、前記副液室の隔壁の一
部を構成するダイヤフラムと、前記ダイヤフラムの副液
室側とは反対側に配置された空気室と、前記空気室を大
気と連通させる状態と前記空気室と大気との間を閉鎖
て前記空気室を閉塞する状態とで切り換え可能な切換弁
と、を備えたことを特徴としている。
【0011】請求項2に記載の防振装置は、振動発生部
及び振動受部の一方へ連結される第1の取付部材と、振
動発生部及び振動受部の他方へ連結される第2の取付部
材と、前記第1の取付部材と前記第2の取付部材との間
に設けられ振動発生時に変形する弾性体と、前記弾性体
を隔壁の一部として拡縮可能な主液室と、前記主液室と
は隔離される第1の副液室と、前記主液室と前記第1の
副液室とを連通する第1の制限通路と、前記主液室とは
隔離される第2の副液室と、前記主液室と前記第2の副
液室とを連通する第2の制限通路と、前記第1の副液室
の隔壁の一部を構成する第1のダイヤフラムと、前記第
2の副液室の隔壁の一部を構成する第2のダイヤフラム
と、前記第2のダイヤフラムの第2の副液室側とは反対
側に配置された空気室と、前記空気室を大気に連通させ
る状態と前記空気室と大気との間を閉鎖して前記空気室
を閉塞する状態とで切り換え可能な切換弁と、を備えた
ことを特徴としている。
【0012】請求項3に記載の防振装置は、振動発生部
及び振動受部の一方へ連結される第1の取付部材と、振
動発生部及び振動受部の他方へ連結される第2の取付部
材と、前記第1の取付部材と前記第2の取付部材との間
に設けられ振動発生時に変形する弾性体と、前記弾性体
を隔壁の一部として拡縮可能とされ且つ液体が封入され
る主液室と、前記主液室とは隔離される第1の副液室
と、前記主液室と前記第1の副液室とを連通して振動を
吸収し得る第1の制限通路と、前記主液室とは隔離され
る第2の副液室と、前記主液室と前記第2の副液室とを
連通し且つ前記第1の制限通路により吸収される振動よ
り高周波数の振動を吸収し得る第2の制限通路と、前記
第1の副液室の隔壁の一部を構成する第1のダイヤフラ
ムと、前記第2の副液室の隔壁の一部を構成する第2の
ダイヤフラムと、前記第1の副液室側と前記第1のダイ
ヤフラムを挟んで対向して配置され且つ気体が封入され
た空気室と、前記空気室を大気に連通させる状態と前記
空気室と大気との間を閉鎖して前記空気室を閉塞する
態とで切り換え可能な切換弁と、を備えたことを特徴と
する。
【0013】請求項4に記載の防振装置は、振動発生部
及び振動受部の一方へ連結される第1の取付部材と、振
動発生部及び振動受部の他方へ連結される第2の取付部
材と、前記第1の取付部材と前記第2の取付部材との間
に設けられ振動発生時に変形する弾性体と、前記弾性体
を隔壁の一部として拡縮可能とされ且つ液体が封入され
る主液室と、前記主液室とは隔離される第1の副液室
と、前記主液室と前記第1の副液室とを連通して振動を
吸収し得る第1の制限通路と、前記主液室とは隔離され
る第2の副液室と、前記主液室と前記第2の副液室との
間に配置されてこれらを相互に隔離する仕切部材と、前
記仕切部材の外周部分に配置されて前記主液室と前記第
2の副液室とを連通し且つ前記第1の制限通路により吸
収される振動より高周波数の振動を吸収し得る第2の制
限通路と、前記第1の副液室の隔壁の一部を構成する第
1のダイヤフラムと、前記第2の副液室の隔壁の一部を
構成する第2のダイヤフラムと、前記第2の副液室側と
前記第2のダイヤフラムを挟んで対向して配置され且つ
気体が封入された空気室と、前記第2の副液室側寄りに
配置されたいずれかの前記取付部材に取り付けられ且つ
前記空気室を大気に連通させる状態と前記空気室と大気
との間を閉鎖して前記空気室を閉塞する状態とで切り換
え可能な切換弁と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
【作用】請求項1に記載の防振装置を、例えば自動車エ
ンジンの振動の防振に使用する場合、振動発生源である
自動車エンジンへ第1の取付部材を連結し、振動受部で
ある車体へ第2の取付部材を連結する。エンジンの振動
は、第1の取付部材、弾性体、第2の取付部材を介して
車体へと支持される。このとき、振動は弾性体の内部摩
擦に基づく抵抗により吸収される他、制限通路を流れる
液体の通過抵抗または液柱共振により吸収される。
【0015】ここで、切換弁を開けて空気室と大気とを
連通させる連通状態にさせた場合と、切換弁を閉めて空
気室と大気との間を閉鎖して空気室を閉塞する非連通状
態にさせた場合とでは、ダイヤフラムのばね剛性が異な
る。切換弁を閉めて空気室と大気とを非連通状態にさせ
た場合には、空気室の空気が空気ばねとして働き、ダイ
ヤフラムのばね剛性が高まる。ダイヤフラムのばね剛性
が高くなると、液体が制限通路で共振する周波数が高周
波数側へ移動する。したがって、切換弁を開閉すること
によって周波数の異なる振動に対応することができる。
【0016】また、空気室の空気をエンジンの吸気系の
負圧で吸引することがないので、仮にダイヤフラムが切
れたとしても、液体がエンジンに浸入することはない。
【0017】また、ダイヤフラムが吸引されるようなこ
とが無いため、主液室内の液体が副液室側へ吸引されて
主液室の体積が減少し、弾性体が凹んで防振装置の高さ
が減少するようなことがない。
【0018】請求項2に記載の防振装置を、例えば自動
車エンジンの振動の防振に使用する場合、振動発生源で
ある自動車エンジンへ第1の取付部材を連結し、振動受
部である車体へ第2の取付部材を連結する。エンジンの
振動は、第1の取付部材、弾性体、第2の取付部材を介
して車体へと支持される。このとき、振動は弾性体の内
部摩擦に基づく抵抗により吸収される他、制限通路を流
れる液体の通過抵抗または液柱共振により吸収される。
【0019】ここで、第1の制限通路と第2の制限通路
との大きさ(通路長さ及び通路断面性)、第1のダイヤ
フラムと第2のダイヤフラムとのばね剛性をそれぞれ変
えることによって、異なる周波数の振動を吸収すること
ができる。
【0020】例えば、第1の制限通路を第2の制限通路
よりも長く、且つ細く形成し、第1のダイヤフラムのば
ね剛性を第2のダイヤフラムよりも小さくすれば、周波
数の低い振動、例えば自動車のシェイク振動を、液体が
第1の制限通路を行き来する際の抵抗作用によって吸収
することができる。
【0021】シェイク振動よりも周波数の高い振動が入
力すると、第1の制限通路が目詰まり状態となるが、こ
のときには、第2の制限通路で液体が共振して防振装置
の動ばね定数が低下して振動を吸収することができる。
ここで、切換弁を開けて空気室と大気とを連通させる連
通状態にさせた場合と、切換弁を閉めて空気室と大気と
の間を閉鎖して空気室を閉塞する非連通状態にさせた場
合とでは、第2ダイヤフラムのばね剛性は異なる。
【0022】切換弁を閉めて空気室と大気とを非連通状
態にさせた場合には、空気室の空気が空気ばねとして働
き、第2ダイヤフラムのばね剛性が高まる。第2ダイヤ
フラムのばね剛性が高くなると、液体が第2の制限通路
で共振する周波数が高周波数側へ移動する。したがっ
て、切換弁を開けると、シェイク振動よりも周波数の高
い例えばアイドル振動の周波数領域で防振装置の動ばね
定数が低下し、切換弁と閉じると、アイドル振動よりも
周波数の高い例えばこもり音の原因となる高周波振動の
周波数領域で防振装置の動ばね定数が低下する。即ち、
切換弁で、空気室を大気に開放するが否かで防振装置の
特性を変化させ、幅広い周波数範囲に渡って振動を吸収
することができる。
【0023】また、空気室の空気をエンジンの吸気系の
負圧で吸引することがないので、仮にダイヤフラムが切
れたとしても、液体がエンジンに浸入することはない。
【0024】また、ダイヤフラムが吸引されるようなこ
とが無いため、主液室内の液体が第2副液室側へ吸引さ
れて主液室の体積が減少し、弾性体が凹んで防振装置の
高さが減少するようなことがない。
【0025】請求項3に記載の防振装置の作用を以下に
説明する。本請求項によれば請求項1及び請求項2とほ
ぼ同様な作用を奏する。但し、第1の制限通路により吸
収される振動より高周波数の振動を吸収し得る第2の制
限通路が、主液室と第2の副液室とを連通している。ま
た、第1の副液室側と第1のダイヤフラムを挟んで対向
して配置された空気室に気体が封入され、切り換え可能
な切換弁が、この空気室を大気に連通させる状態とこの
空気室と大気との間を閉鎖して空気室を閉塞する状態と
で状態を切り換える。
【0026】従って、低周波数の振動を吸収する第1の
制限通路の特性が切換弁により変更可能とされるので、
本請求項の防振装置を、例えば自動車のエンジンの振動
の防振に使用した場合、以下のように作用する。
【0027】つまり、切換弁を開放して空気室を大気に
連通させることにより、第1の制限通路でシェイク振動
を吸収でき、また、アイドル振動時には、切換弁を閉鎖
して空気室と大気との間を閉鎖して空気室を閉塞する
とにより、空気室の空気が空気ばねとして働き、ダイヤ
フラムのばね剛性が高まって、アイドル振動時におい
て、第1の制限通路が一層目詰まりし易くなる。
【0028】請求項4に記載の防振装置の作用を以下に
説明する。本請求項によれば請求項1及び請求項2とほ
ぼ同様な作用を奏する。但し、第1の制限通路により吸
収される振動より高周波数の振動を吸収し得る第2の制
限通路が、仕切部材の外周部分に配置されて主液室と第
2の副液室とを連通する。また、第2の副液室側と第2
のダイヤフラムを挟んで対向して配置された空気室に気
体が封入され、第2の副液室側寄りに配置されたいずれ
かの取付部材に取り付けられる切り換え可能な切換弁
が、この空気室を大気に連通させる状態とこの空気室と
大気との間を閉鎖して空気室を閉塞する状態とで状態を
切り換える。
【0029】従って、第2の制限通路が仕切部材の外周
部分に配置されているので、第2の制限通路の長さを一
層長くすることが可能となり、第2の制限通路で液体が
一層強く共振することになる。
【0030】
【実施例】
[第1実施例]本発明に係る防振装置の第1実施例を図
1にしたがって説明する。
【0031】図1に示すように、本実施例の防振装置1
0には第1の取付部材としての底板12が備えられてい
る。この底板12は中央下部に取付ボルト14が突出さ
れ、一例として図示しない自動車の車体へ固定される。
底板12の周囲は直角に屈曲された筒状の立壁部12A
とされており、この立壁部12Aの上端部には直角に屈
曲されたフランジ部12Bが連続形成されている。
【0032】この、底板12のフランジ部12Bには筒
状の外筒16の下端部がかしめ固定されており、フラン
ジ部12Bと外筒16の下端部との間に第1ダイヤフラ
ム18の周縁部が挟持されている。この第1ダイヤフラ
ム18と前記底板12との間は第1空気室20とされ、
立壁部12Aに形成された空気孔21を介して外部と連
通される。
【0033】外筒16の内周面上端部は内径が拡大され
た拡開部16Bとされており、外筒16の開口部分を閉
塞する弾性体22の外周が加硫接着されている。また、
弾性体22の一部は外筒16の内周下端部まで延設され
て加硫接着されている。
【0034】この弾性体22の中央には第2の取付部材
としての支持台24が加硫接着されている。この支持台
24は図示しないエンジンの搭載部であり、エンジンを
固定する取付ボルト26が立設されている。
【0035】ここに外筒16の内周部、弾性体22の下
端部及び第1ダイヤフラム18とによって液室28が形
成されており、この液室28内にはエチレングリコール
等の液体29が充填されている。
【0036】液室28内には合成樹脂等で形成された円
柱状の仕切部材30が配置され、液室28を主液室32
と第1副液室34とに区画している。なお、この仕切部
材30の第1副液室34側には、凹部30Aが形成され
ている。
【0037】仕切部材30の外周には、周方向に沿って
断面矩形状の細溝44Aが形成されている。細溝44A
には、一方に上面まで延びる細溝44Bが連結してお
り、他方に凹部30Aへ貫通する開口部44Cが連結さ
れている。細溝44A,44Bの外筒16側は前記弾性
体22の延長部によって閉塞され、主液室32と第1副
液室34との間が第1の制限通路52とされている。
【0038】さらに、仕切部材30には、外周から反対
側の外周へ向けて矩形孔42が形成されており、図1に
示すように、この矩形孔42の先端は上方へ屈曲し開口
部42Aを介して主液室32へ連通して第2の制限通路
46を構成している。
【0039】外筒16の側面には、仕切部材30の矩形
孔42に対応する位置に貫通孔48が形成されており、
外周面にはブロック50が取り付けられている。
【0040】ブロック50には、外筒16とは反対側に
凹部54が形成されており、凹部54の底部中央には、
外筒16の貫通孔48と同軸に貫通孔55が形成されて
いる。なお、外筒16の貫通孔48には、弾性体22の
一部を貫通してブロック50の貫通孔55と仕切部材3
0の矩形孔42とを連通する枠状の連通部材49が挿入
されている。
【0041】ブロック50には、凹部54の開口部分外
側に環状凹部76が形成されており、この環状凹部76
とブロック78との間に第2ダイヤフラム68の周縁部
が挟持されている。第2ダイヤフラム68は、自由状態
では凹部54側へ向けて略半球状に突出されている。
【0042】凹部54が第2ダイヤフラム68によって
閉塞されて第2副液室70を構成している。
【0043】また、ブロック78の第2ダイヤフラム6
8に向かい合う面には、略半球状の凹部78Aが形成さ
れている。この凹部78Aと第2ダイヤフラム68との
間は第2空気室74とされている。
【0044】ブロック78には、ブロック50とは反対
側に切換弁82の本体82Aが取り付けられている。
【0045】本体82Aには、コイル84及びプランジ
ャ86を収納した収納室90が設けられている。
【0046】プランジャ86は、先端が円錐状とされ、
コイル84へ電圧を印加していない場合には、スプリン
グ92に付勢されて本体82A及びブロック78を貫通
して第2空気室74と収納室90とを連通する孔94を
閉塞している。一方、コイル84へ所定の電圧を印加す
ると、プランジャ86がコイル84の発生する電磁力に
よって吸引され、プランジャ86の先端が孔94から離
間する(図1に示す状態)。
【0047】コイル84は、印加電圧をオン・オフする
制御手段60に連結されている。制御手段60は車両電
源によって駆動され、少なくとも車速センサ及びエンジ
ン回転数センサ(共に図示せず)からの検出信号を受
け、車速及びエンジン回転数を検出できる。これにより
制御手段60は車両がアイドル時かシェイク時かを判断
できる。
【0048】また、本体82Aには、収納室90の内部
と大気とを常時連通させている空気孔91が形成されて
いる。
【0049】なお、第1の制限通路52及び第2の制限
通路46は、通路長さは第1の制限通路52の方が長
く、通路断面積は第1の制限通路52の方が小さくなっ
ている。
【0050】また、第1ダイヤフラム18及び第2ダイ
ヤフラム68は、それぞればね剛性が異なり、第2ダイ
ヤフラム68の方がばね剛性が高くなっている。
【0051】ここで、制限通路の大きさとダイヤフラム
のばね剛性とで、制限通路での液柱共振周波数が決定さ
れており、第2の制限通路46での液柱共振周波数を第
2ダイヤフラム68のばね剛性の値を変更することによ
って変更が可能である。
【0052】次に実施例の作用を説明する。この防振装
置10の底板12を一例として自動車等の車両の車体へ
固定し、支持台24にエンジンを搭載して固定すると、
エンジンの振動は支持台24、弾性体22、外筒16及
び底板12を介して自動車の車体へ支持され、弾性体2
2の内部摩擦に基づく抵抗によって振動が吸収される。
【0053】また、車両が例えば70〜80km/hで
走行するとシェイク振動(例えば、周波数15Hz未
満)が生じ得る。このとき、制御回路60は車速センサ
及びエンジン回転数センサによりシェイク振動発生時で
あると判断し、コイル84に電圧を印加しない。これに
よって、プランジャ86がスプリング92に付勢され、
プランジャ86の先端が孔94を塞ぎ、切換弁82が第
2空気室74と大気との間を閉鎖する閉鎖状態となる。
【0054】この結果、第2空気室74内の空気が空気
ばねの役目を果たすようになるため、第2ダイヤフラム
68の剛性が高まる。
【0055】この際、液体29は第1の制限通路52を
通って主液室32と第1副液室34とを行き来すること
になり、液体29が第1の制限通路52を通過する際の
抵抗で減衰力が生じ、シェイク振動が効果的に吸収され
る。なお、シェイク振動では、剛性の高い第2ダイヤフ
ラム68は殆ど変形せず、第2の制限通路46には、液
体29の流れは殆ど生じない。
【0056】また、エンジンがアイドリング運転の場合
や車速が5km/h以下の場合にはアイドル振動(例え
ば、周波数20〜50Hz)が生じる。
【0057】アイドル振動時には、第1の制限通路52
が目詰まり状態となる。制御手段60は車速センサ及び
エンジン回転数センサによりアイドル振動発生時である
ことを判断し、コイル84に電圧を印加してプランジャ
86を吸引する。これによって、第2空気室74が大気
に開放された状態となり、アイドル振動の振動周波数領
域での防振装置10の動ばね定数が低下してアイドル振
動が確実に吸収される。
【0058】また、車速が100km/h以上、エンジン回
転数が3000rpm以上の場合等には、こもり音(例
えば、周波数80Hz 付近)が生じる。制御手段60が
車速センサ及びエンジン回転数センサによりエンジンが
こもり音の発生時であると判断すると、制御手段60は
コイル84に電圧を印加するのを停止する。これによっ
て、プランジャ86の先端が孔94を塞ぎ、第2空気室
74が閉塞されるので、第2ダイヤフラム68のばね剛
性が上がる(第2空気室74の空気がばねの役目を果た
すようになるため)。これによって第2の制限通路46
での液柱共振周波数が高周波数側へ移動し、防振装置1
0の高周波振動の周波数領域の動ばね定数が低下して、
こもり音が確実に吸収される。
【0059】このように、本実施例の防振装置10で
は、第2空気室74を大気に開放するか否かで防振特性
を可変することができる。また、液体に面した第2空気
室74の空気をエンジンの吸気系で吸引するわけではな
いので、仮に第2ダイヤフラム68が切れたとしもエン
ジンに影響を及ぼすことは一切無い。また、第2ダイヤ
フラム68を吸引することがないので、主液室32内の
容積変化は生じず、防振装置10の高さ変化を起こすこ
ともない。
【0060】[第2実施例]本発明の第2実施例を図2
にしたがって説明する。なお、第1実施例と同一構成に
関しては同一符号を付し、その説明は省略する。
【0061】図2に示すように、本実施例の防振装置1
0の外筒16は、厚肉の円筒状とされており、下部の一
部が薄肉状とされている。
【0062】また、本実施例の防振装置10の仕切部材
30には、下部にフランジ30Aが設けられている。
【0063】本実施例では、底板12のフランジ部12
Bと外筒16の厚肉部分の下端部との間に仕切部材30
のフランジ30A及び第1ダイヤフラム18の周縁部が
挟持され、外筒16の薄肉部分でかしめ固定されてい
る。
【0064】外筒16の外周には、仕切部材30の矩形
孔42に対応する位置に凹部62が形成されており、こ
の凹部62はブロック64によって閉塞されている。凹
部62の底部には貫通孔72が形成されており、この貫
通孔72は矩形孔42に連通している。
【0065】凹部62の底部には、環状凹部66が形成
されており、この環状凹部66とブロック64との間に
第2ダイヤフラム68の周縁部が挟持されている。第2
ダイヤフラム68は、自由状態では貫通孔72側へ向け
て略半球状に突出されており、貫通孔72が第2ダイヤ
フラム68によって閉塞されて第2副液室70を構成し
ている。また、ブロック64の第2ダイヤフラム68に
向かい合うには凹部64Aが形成されている。この凹部
64Aと第2ダイヤフラム68との間は第2空気室74
とされている。
【0066】ブロック64には第2空気室74に連通す
る管部64Bが設けられている。管部64Bにはパイプ
88の一端が接続され、パイプ88の他方は切換弁とし
ての2ポート2位置切換弁56に接続されている。な
お、パイプ88は、第2空気室74と2ポート2位置切
換弁56とをただ単に接続するためのものであるため、
できる限り短い方がコスト的、組立性の点で好ましい。
なお、パイプ88を用いずに、第2空気室74と2ポー
ト2位置切換弁56とを直接的に接続しても良い。
【0067】2ポート2位置切換弁56にはパイプ88
の他に大気と連通するパイプ58が接続されている。こ
の2ポート2位置切換弁56は制御手段60に接続され
て開閉が制御される。
【0068】さらに、仕切部材30には、矩形孔42の
反対側に、外周から反対側の外周へ向けて矩形孔200
が形成されており、この矩形孔200の先端は上方へ屈
曲し開口部200Aを介して主液室32へ連通して第3
の制限通路202を構成している。
【0069】さらに、外筒16の外周には、仕切部材3
0の矩形孔200に対応する位置に凹部204が形成さ
れており、この凹部204はブロック206によって閉
塞されている。凹部206の底部には貫通孔208が形
成されており、この貫通孔208は矩形孔200に連通
している。
【0070】凹部206の底部には、環状凹部210が
形成されており、この環状凹部210とブロック206
との間に第3ダイヤフラム212の周縁部が挟持されて
いる。第3ダイヤフラム212は、自由状態では貫通孔
208へ向けて略半球状に突出されており、貫通孔20
8が第3ダイヤフラム212によって閉塞されて第3副
液室214を構成している。また、ブロック206の第
3ダイヤフラム212に向かい合う面には、凹部206
Aが形成されている。
【0071】この凹部206Aと第3ダイヤフラム21
2との間は第3空気室216とされている。なお、この
第3空気室216は、大気と連通していない。
【0072】ここで、第1の制限通路52、第2の制限
通路46及び第3の制限通路202は、それぞれ大きさ
が異なり、通路長さは第1の制限通路52、第2の制限
通路46、第3の制限通路202の順に短くなってお
り、通路断面積は第1の制限通路52、第2の制限通路
46、第3の制限通路202の順に大きくなっている。
【0073】また、第1ダイヤフラム18、第2ダイヤ
フラム68及び第3ダイヤフラム212は、それぞれば
ね剛性が異なり、第1ダイヤフラム18、第2ダイヤフ
ラム68、第3ダイヤフラム212の順にばね剛性が高
くなっている。
【0074】次に実施例の作用を説明する。シェイク振
動時には、制御回路60が2ポート2位置切換弁56を
閉じて第2空気室74と大気との間を閉鎖する。この結
果、第2空気室74内の空気が空気ばねの役目を果たす
ようになるため、第2ダイヤフラム68の剛性が高ま
る。
【0075】そして、液体29が第1の制限通路52を
通過する際の抵抗でシェイク振動が効果的に吸収され
る。なお、シェイク振動では、ばね剛性の高い第2ダイ
ヤフラム68及び第3ダイヤフラム212は殆ど変形せ
ず、第2の制限通路46及び第3の制限通路202に
は、液体29の流れは殆ど生じない。
【0076】また、アイドル振動時には、第1の制限通
路52が目詰まり状態となる。このため、液体29は、
第2の制限通路46を通って主液室32と第2副液室7
0とを行き来することになり、第2の制限通路46内で
液柱共振をする。なお、アイドル振動では、ばね剛性の
高い第3ダイヤフラム212は殆ど変形せず、第3の制
限通路202には、液体29の流れは殆ど生じない。
【0077】ここで、制御手段60は車速センサ、エン
ジン回転数センサによりアイドル振動の周波数が低い方
であるか高い方であるかを判断する。アイドル振動の周
波数が低い方(例えば、通常のアイドル振動の時)であ
ると判断すると、制御手段60は2ポート2位置切換弁
56を開いて第2空気室74と大気とを連通させる。こ
れによって、第2ダイヤフラム68のばね剛性は第2空
気室74を閉塞した場合と比較して低い状態となり、周
波数が低いアイドル振動の周波数領域での防振装置10
の動ばね定数が低下し、周波数の低いアイドル振動が確
実に吸収される。
【0078】一方、アイドル振動の周波数が高い方(例
えば、エンジン始動の際におけるアイドル振動の時)で
あると判断すると、制御手段60は2ポート2位置切換
弁56を閉じて第2空気室74を大気と連通させない。
これによって、第2ダイヤフラム68のばね剛性は高い
状態となり、第2の制限通路46での液柱共振周波数が
高周波数側へ移動し、周波数の高いアイドル振動の周波
数領域での防振装置10の動ばね定数が低下し、周波数
の高いアイドル振動が確実に吸収される。
【0079】また、車速が100km/h以上、エンジン回
転数が3000rpm以上の場合等には、こもり音の発
生原因となる高周波振動(例えば、周波数80Hz 付
近)が生じる。この際には、第2の制限通路46が目詰
まり状態となり、液体29が第3の制限通路202で液
柱共振をし、これによって高周波振動の周波数領域(例
えば、80Hz 付近)の動ばね定数が低下して、高周波
振動が確実に吸収される。
【0080】このように、本実施例の防振装置10で
は、第2空気室74を大気に開放するか否かで、低い周
波数のアイドル振動と高い周波数のアイドル振動との両
方に対応できる。
【0081】また、液体に面した空気室74の空気をエ
ンジンの吸気系で吸引するわけではないので、仮に第2
ダイヤフラム68が切れたとしもエンジンに影響を及ぼ
すことは一切無い。また、第2ダイヤフラム68を吸引
することがないので、主液室32内の容積変化は生じ
ず、防振装置10の高さ変化を起こすこともない。 [第3実施例]本発明の第3実施例を図3にしたがって
説明する。なお、第1実施例及び第2実施例と同一構成
に関しては同一符号を付し、その説明は省略する。
【0082】図3に示すように、本実施例の防振装置1
0の仕切部材30には、主液室32側の中央に凹部30
0が形成されており、凹部300にはダイヤフラム固定
パイプ302が挿入固定されている。
【0083】ダイヤフラム固定パイプ302の内周面に
は軸方向中間部に円板状の第3ダイヤフラム304の外
周が加硫接着されており、第3ダイヤフラム304と凹
部300の底部との間の空間が第3空気室306となっ
ている。なお、この第3空気室306は、大気と連通し
ていない。
【0084】また、本実施例では、第1ダイヤフラム1
8、第2ダイヤフラム68、第3ダイヤフラム304の
順にばね剛性が高くなっている。
【0085】次に、本実施例の作用を説明する。本実施
例では、シェイク振動時には、液体29が第1の制限通
路52を通過する際の抵抗でシェイク振動が効果的に吸
収される。なお、シェイク振動では、ばね剛性の高い第
2ダイヤフラム68及び第3ダイヤフラム304は殆ど
変形せず、第2の制限通路46には液体29の流れは殆
ど生じない。
【0086】また、アイドル振動時には、第1の制限通
路52が目詰まり状態となる。このため、液体29は、
第2の制限通路46を通って主液室32と第2副液室7
0とを行き来することになり、第2の制限通路70内で
液柱共振をする。なお、アイドル振動では、ばね剛性の
高い第3ダイヤフラム304は殆ど変形しない。
【0087】ここで、制御手段60は車速センサ、エン
ジン回転数センサによりアイドル振動の周波数が低い方
であるか高い方であるかを判断する。アイドル振動の周
波数が低い方であると判断すると、制御手段60はコイ
ル84に電圧を印加してプランジャー86を孔94から
離間させ、第2空気室74と大気とを連通させる。これ
によって、第2ダイヤフラム68のばね剛性は、第2空
気室74を閉塞した状態と比較して低い状態となり、周
波数の低いアイドル振動の周波数領域での防振装置10
の動ばね定数が低下し、周波数の低いアイドル振動が確
実に吸収される。
【0088】一方、アイドル振動の周波数が高い方であ
ると判断すると、制御手段60はコイル84に電圧を印
加するのを停止する。これによって、プランジャ86の
先端が孔94を塞ぎ、第2空気室74が閉塞されるの
で、第2ダイヤフラム68のばね剛性が上がり、これに
よって第2の制限通路46での液柱共振周波数が高周波
数側へ移動し、周波数の高いアイドル振動の周波数領域
での防振装置10の動ばね定数が低下し、周波数の高い
アイドル振動が確実に吸収される。
【0089】また、車速が100km/h以上、エンジン回
転数が3000rpm以上の場合等には、こもり音の発
生原因となる高周波振動(例えば、周波数80Hz 付
近)が生じる。この際には、第2の制限通路46が目詰
まり状態となるが、第3ダイヤフラム304が変形して
主液室32の圧力上昇を抑えるので、動ばね定数の上昇
が抑えられ、高周波振動を吸収することができる。
【0090】このように、本実施例の防振装置10で
は、第2実施例の防振装置10と同様に第2空気室74
を大気に開放するか否かで、低い周波数のアイドル振動
と高い周波数のアイドル振動との両方に対応できる。
【0091】また、本実施例においても、前述した第
1、2実施例と同様に、液体29に面した第2空気室7
4の空気をエンジンの吸気系で吸引するわけではないの
で、仮に第2ダイヤフラム68が切れたとしもエンジン
に影響を及ぼすことは一切無い。また、第2ダイヤフラ
ム68を吸引することがないので、主液室32内の容積
変化は生じず、防振装置10の高さ変化を起こすことも
ない。 [第4実施例]本発明の第4実施例を図4及び図5にし
たがって説明する。なお、第1乃至第3実施例と同一構
成に関しては同一符号を付し、その説明は省略する。
【0092】図4及び図5に示すように、この防振装置
10には図示しない車体への取付用とされる取付フレー
ム112が備えられており、この取付フレーム112の
環状部114には外筒116が挿入されている。外筒1
16の内側には薄肉ゴム層118が加硫接着されてお
り、この薄肉ゴム層118は、上側の一部が外筒116
の内周面から離れた第1ダイヤフラム120とされてお
り、下側の一部が外筒116の内周面から離れ略球面状
に凸に形成された第2ダイヤフラム121とされてい
る。
【0093】第1ダイヤフラム120と外筒116との
間は第1空気室31とされており必要に応じて外部と連
通される。また、ダイヤフラム21と外筒116との間
は第2空気室37とされている。
【0094】外筒116の内部には中間ブロック122
及び中間ブロック124が挿入されている。中間ブロッ
ク122は軸方向両端部にフランジ部122Aが形成さ
れて外周面が薄肉ゴム層118へ密着されており、この
フランジ部122Aの間に中間ブロック124が嵌入さ
れている。中間ブロック124は外筒116の軸方向か
ら見て略半円形のブロック形状とされており、外周面が
薄肉ゴム層118へ密着している。
【0095】中間ブロック122には中間ブロック12
4に面した中央部に切欠部122Bが形成され、内筒1
26が貫通している。この内筒126は外筒116と同
軸的に配置され、中間ブロック122との間に弾性体1
28が掛け渡されている。これによって内筒126は外
筒116と相対移動可能となっている。
【0096】弾性体128の外周面の一部は中間ブロッ
ク124の頂面124Aに密着されており、中間部の一
部には中間ブロック124との間に主液室130を形成
する切欠部128Aが形成されている。また、中間ブロ
ック122のフランジ部122A間には、中間ブロック
122、中間ブロック124、薄肉ゴム層118及び第
1ダイヤフラム120によって区画された第1副液室1
32が形成されている。
【0097】中間ブロック124の外周には通路135
が形成されている。この通路135は一端が第1副液室
132に連結され、他端が開口135Aを介して主液室
130に連結されており、外筒116によって囲まれて
シェイク振動吸収用の第1の制限通路136を構成して
いる。また、中間ブロック124の下部には切欠部12
4Bが形成されており、この切欠部124Bは薄肉ゴム
層118及び第2ダイヤフラム121によって囲まれて
第2副液室133を構成している。さらに、中間ブロッ
ク124には、一端が第2副液室133に連結され、他
端が中間ブロック124の内周部に形成される開口13
4Aを介して主液室130と連結されるアイドル振動吸
収用の第2の制限通路134が形成されている。
【0098】なお、これらの主液室130、第1副液室
132、第2副液室33、第2の制限通路134及び第
1の制限通路136には、エチレングリコール等の液体
29が充填されている。
【0099】前記第2空気室137に対応する外筒11
6には、外筒116の内外を連通する開口部としての円
孔140が形成されている。また、環状部114の外周
面には、円孔140の同軸上にボス142が固着されて
いる。ボス142及び環状部114には、円孔140と
同軸的に円孔140よりも径の大きい大径孔144が形
成されている。
【0100】このボス142には、連結金具146が取
付けられている。連結金具146は、外筒116側に大
径孔144よりも若干径の小さくされた円柱状の突起部
148が設けられ、反対側にはパイプ88の連結される
接続部152が設けられており、軸芯部には連通孔15
4が設けられている。また、連結金具146には、中間
部にフランジ部156が設けられている。フランジ部1
56には一対の取付穴158が設けられており、連結金
具146は、取付穴158を挿通したビス159によっ
てボス142にねじ止めされている。
【0101】一方、突起部148の外筒116側の端部
148Aは、外筒116の外周面に沿って円弧状に形成
されており、この端部148Aには連通孔154の外側
に、環状溝162が形成されている。この環状溝62に
は、シール部材としてのオーリング164が嵌め込まれ
ており、オーリング164は環状溝162と外筒116
の外周面とに密着されて所定量圧縮されている。
【0102】一方、接続部152には、パイプ88の一
端が接続され、パイプ88の他方は2ポート2位置切換
弁56に接続されている。
【0103】本実施例では、通路長さは第1の制限通路
136の方が第2の制限通路134よりも長く、通路断
面積は第2の制限通路134の方が第1の制限通路13
6よりも大きい。また、第2ダイヤフラム121の方が
第1ダイヤフラム120よりもばね剛性が高くなってい
る。
【0104】本実施例では、第2の制限通路134での
液柱共振周波数は、第2ダイヤフラム121のばね剛性
の値を変更することによって変更が可能である。
【0105】次に本実施例の作用を説明する。シェイク
振動には、液体29が第1の制限通路136を通過する
際の抵抗でシェイク振動が効果的に吸収される。なお、
シェイク振動では、ばね剛性の高い第2ダイヤフラム1
21は殆ど変形せず、第2の制限通路134には、液体
29の流れは殆ど生じない。
【0106】また、アイドル振動時には、第1の制限通
路136が目詰まり状態となる。このため、液体29
は、第2の制限通路134を通って主液室132と第2
副液室133とを行き来することになる。
【0107】ここで、制御手段60は車速センサ、エン
ジン回転数センサによりアイドル振動の周波数が低い方
であるか高い方であるかを判断する。アイドル振動の周
波数が低い方であると判断すると、制御手段60は2ポ
ート2位置切換弁56を開いてて第2空気室137と大
気とを連通させる。これによって、第2ダイヤフラム1
21のばね剛性は低い状態となり、周波数が低いアイド
ル振動の周波数領域での防振装置10の動ばね定数が低
下し、周波数の低いアイドル振動が確実に吸収される。
【0108】一方、アイドル振動の周波数が高い方であ
ると判断すると、制御手段60は2ポート2位置切換弁
56を閉じて第2空気室137を大気と連通させない。
これによって、第2ダイヤフラム121のばね剛性は高
い状態となり、第2の制限通路134での液柱共振周波
数が高周波数側へ移動し、周波数の高いアイドル振動の
周波数領域での防振装置10の動ばね定数が低下し、周
波数の高いアイドル振動が確実に吸収される。
【0109】このように、本実施例の防振装置10で
は、第2空気室137を大気に開放するか否かで特性を
可変することができる。また、液体に面した第2空気室
137の空気をエンジンの吸気系で吸引するわけではな
いので、仮に第2ダイヤフラム121が切れたとしもエ
ンジンに影響を及ぼすことは一切無い。
【0110】なお、第4実施例では、2ポート2位置切
換弁56を開閉させて第2空気室137と大気との連通
を切り換えたが、第1実施例及び第3実施例に示した切
換弁82を2ポート2位置切換弁56の代わりに用いて
もよいのは勿論である。 [第5実施例]次に、外筒116の外面に切換弁82を
取り付けた例を、図6を参照しながら簡単に説明する。
図6に示すように、この実施例の防振装置10の環状部
114には、外筒116の孔140と同軸に小径の孔1
38が形成されており、この孔138に合わせて切換弁
82の孔94が位置している。この実施例においても、
切換弁82の開閉によって第4実施例と同様の作用をす
ることは言うまでもない。 [第6実施例]本発明に係る防振装置の第6実施例を図
7に示し、この図に基づき本実施例を説明する。
【0111】図7に示すように、本実施例の防振装置1
0には第1の取付部材としての底板12が備えられてい
る。この底板12の中央下部には取付ボルト14が突出
され、一例として図示しない自動車の車体へこの取付ボ
ルト14を用いて防振装置10が固定される。底板12
の周囲は直角に屈曲された筒状の立壁部12Aとされて
おり、この立壁部12Aの上端部には直角に屈曲された
フランジ部12Bが連続して形成されている。
【0112】この底板12のフランジ部12Bには筒状
の外筒16の下端部がかしめ固定されており、フランジ
部12Bと外筒16の下端部との間に、第2ダイヤフラ
ム426の周縁部が挟持されている。この第2ダイヤフ
ラム426と前記底板12との間の空間は第2空気室4
28とされ、立壁部12Aに形成された空気孔21を介
して第2空気室428と外部とが連通される。
【0113】外筒16の内周面上端部は内径が拡大され
た拡開部16Bとされており、この拡開部16Bには、
外筒16の開口部分を閉塞する弾性体22の外周が加硫
接着されている。また、弾性体22の一部は外筒16の
内周下端部まで延設されており、弾性体22の外周側が
外筒16に加硫接着されている。
【0114】この弾性体22の中央には第2の取付部材
としての支持台24が加硫接着されている。この支持台
24は図示しないエンジンの搭載部であり、エンジンを
固定する取付ボルト26が立設されている。
【0115】ここに外筒16の内周部、弾性体22の下
端部及び第2ダイヤフラム426等によって液室28が
形成されており、この液室28内にはエチレングリコー
ル等の液体29が充填されている。
【0116】液室28内には合成樹脂等で形成された円
柱状の仕切部材30が配置され、液室28を主液室32
と第2副液室422とに区画している。なお、この仕切
部材30の第2副液室422側には、凹部30Aが形成
されている。
【0117】仕切部材30の外周には、周方向に沿って
断面矩形状の太溝423Aが形成されている。太溝42
3Aの一端には、仕切部材30の上面まで延びる太溝4
23Bが連結しており、太溝423Aの他端に凹部30
Aへ貫通する開口部423Cが連結されている。太溝4
23A、423Bの外筒16側は前記弾性体22の延長
部によって閉塞され、主液室32と第2副液室422と
の間を連通する第2の制限通路424とされている。
【0118】さらに、仕切部材30には、外周から仕切
部材30の中心側へ向けて延びる矩形孔413が形成さ
れており、図7に示すように、この矩形孔413の先端
は上方へ屈曲し、開口部413Aを介して主液室32へ
連通して第1の制限通路414を構成している。
【0119】外筒16の側面であって仕切部材30の矩
形孔413に対応する位置には、貫通孔48が形成され
ており、貫通孔48に対応する外筒16の外周面にはブ
ロック50が取り付けられている。
【0120】ブロック50には凹部54が形成されてお
り、凹部54の底部中央には、外筒16の貫通孔48と
同軸となる貫通孔55が形成されている。なお、外筒1
6の貫通孔48には、弾性体22の一部を貫通してブロ
ック50の貫通孔55と仕切部材30の矩形孔413と
を連通する枠状の連通部材49が、挿入されている。
【0121】凹部54の開口部分外側のブロック50の
部分には、環状凹部76が形成されており、この環状凹
部76とブロック78との間に第1ダイヤフラム416
の周縁部が挟持されている。第1ダイヤフラム416
は、自由状態では凹部54側へ向けて略半球状に突出さ
れている。この為、凹部54が第1ダイヤフラム416
によって閉塞されて第1副液室412を構成している。
【0122】また、ブロック78の第1ダイヤフラム4
16に向かい合う面には、略半球状の凹部78Aが形成
されている。この凹部78Aと第1ダイヤフラム416
との間は第1空気室418とされている。
【0123】ブロック50と反対側のブロック78の部
分には、切換弁82の本体82Aが取り付けられてい
る。この本体82Aには、コイル84、プランジャ86
及びスプリング92を収納した空間である収納室90
が、設けられている。本体82A及びブロック78に
は、本体82A及びブロック78をそれぞれ貫通して第
1空気室418と収納室90とを連通する孔94が形成
されており、また、本体82Aには収納室90と大気と
を連通させる開口としての空気孔91が形成されてい
る。そして、プランジャ86の先端は円錐状とされてお
り、この先端側が孔94と対向して配置されている。
【0124】以上より、コイル84へ電圧を印加してい
ない場合には、プランジャ86がスプリング92に付勢
されて、プランジャ86の先端が第1空気室418と収
納室90とを連通する孔94を閉塞している。一方、コ
イル84へ所定の電圧を印加した場合には、図7に示す
ようにプランジャ86がコイル84の発生する電磁力に
よって吸引され、プランジャ86の先端が孔94から離
間する。
【0125】コイル84は、印加電圧をオン・オフする
制御回路である制御手段60に連結されている。制御手
段60は車両電源によって駆動され、少なくとも車速セ
ンサ及びエンジン回転数センサからの検出信号を受け、
車速及びエンジン回転数を検出できる。これにより制御
手段60は車両がアイドル時かシェイク時かまたはこも
り音発生時かを判断できる。
【0126】なお、第2の制限通路424の通路断面積
の方が、第1の制限通路414の通路断面積より大きく
なっている。また、第1ダイヤフラム416及び第2ダ
イヤフラム426の剛性は相互に異なり、第1ダイヤフ
ラム416より第2ダイヤフラム426の方が剛性が高
くなっている。
【0127】ここで、制限通路の大きさとダイヤフラム
の剛性とで、制限通路により吸収される振動の周波数が
決定されるので、第1の制限通路414により吸収され
る振動より高周波数の振動を第2の制限通路424が吸
収し得ることになる。
【0128】次に実施例の作用を説明する。この防振装
置10の底板12を自動車等の車両の車体へ固定し、支
持台24にエンジンを搭載して固定すると、エンジンは
支持台24、弾性体22、外筒16及び底板12を介し
て自動車の車体へ支持され、弾性体22の内部摩擦に基
づく抵抗によって振動が吸収される。
【0129】さらに、第1の制限通路414により吸収
される振動より高周波数の振動を吸収し得る第2の制限
通路424が、主液室32と第2副液室422とを連通
している。また、第1副液室412側と第1ダイヤフラ
ム416を挟んで対向して配置された第1空気室418
に気体が封入され、開閉可能な切換弁82が、この第1
空気室418と大気とを連通させ得るようになってい
る。この為、低周波数側の振動を吸収する第1の制限通
路414の特性が切換弁82により変更可能とされてい
る。
【0130】従って、車両が例えば70〜80km/h
で走行するとシェイク振動(例えば、周波数15Hz未
満)が生じ得る。このとき、制御手段60は車速センサ
及びエンジン回転数センサによりシェイク振動発生時で
あることを判断し、コイル84に電圧を印加してプラン
ジャ86を吸引する。これによって、第1空気室418
が大気に開放された状態となり、第1ダイヤフラム41
6のばね剛性が低下して、液体29は第1の制限通路4
14を通って主液室32と第1副液室412とを行き来
することになる。この為、液体29が第1の制限通路4
14を通過する際の抵抗で減衰力が生じて、シェイク振
動が効果的に吸収される。
【0131】なお、シェイク振動では、ばね剛性の高い
第2ダイヤフラム426は殆ど変形せず、第2の制限通
路424には、液体29の流れは殆ど生じない。
【0132】また、エンジンがアイドリング運転の場合
や車速が5km/h以下の場合にはアイドル振動(例え
ば、周波数20〜50Hz)が生じる。
【0133】アイドル振動時には、断面積の小さい第1
の制限通路414が目詰まり状態となり、液体29は第
2の制限通路424で液柱共振して、アイドル振動の振
動周波数領域で動ばね定数が低下してアイドル振動が吸
収される。
【0134】但し、制御手段60が車速センサ及びエン
ジン回転数センサによりエンジンがアイドル振動時であ
ると判断すると、制御手段60はコイル84に電圧を印
加するのを停止する。これによって、プランジャ86の
先端が孔94を塞ぎ、第1空気室418が閉塞されるの
で、第1空気室418の空気が空気ばねとして働き、第
1ダイヤフラム416のばね剛性が高まって、アイドル
振動時において、第1の制限通路414がより一層目詰
まりし易くなる。
【0135】このように、本実施例の防振装置10で
は、第1空気室418を大気に開放するか否かで防振特
性を可変することができる。また、液体に面した第1空
気室418の空気をエンジンの吸気系で吸引するわけで
はないので、仮に第1ダイヤフラム416が切れたとし
もエンジンに影響を及ぼすことは一切無い。また、第1
ダイヤフラム416を吸引することがないので、主液室
32内の容積変化は生じず、防振装置10の高さ変化を
起こすこともない。 [第7実施例]本発明に係る防振装置の第7実施例を図
8に示し、この図に基づき本実施例を説明する。尚、第
6実施例で説明した部材と同一の部材に同一の符号を付
し、重複した説明を省略する。
【0136】図8に示すように、本実施例の防振装置1
0には、第6実施例のような第1副液室412、第1の
制限通路414、第1ダイヤフラム416及び第1空気
室418は用いられていない。
【0137】但し、本実施例の防振装置10の仕切部材
30の中央には穴部440が形成されており、この穴部
440内にはダイヤフラム固定パイプ442が挿入固定
されている。ダイヤフラム固定パイプ442の内周面側
の軸方向中間部には、円板状の第1ダイヤフラム436
の外周が加硫接着されており、第1ダイヤフラム436
と穴部440の頂部との間の空間が第1副液室432と
なっている。
【0138】一方、仕切部材30の外周には、周方向に
沿って断面矩形状で太溝423Aより細い細溝433A
が形成されている。細溝433Aの一端には、仕切部材
30の上面まで延びる細溝433Bが連結しており、細
溝433Aの他端に第1副液室432へ貫通する孔部4
33Cが連結されている。細溝433A、433Bの外
筒16側は前記弾性体22の延長部によって閉塞され、
主液室32と第1副液室432との間を連通し且つ、第
2の制限通路により吸収される振動より低周波数の振動
を吸収し得る第1の制限通路434とされている。
【0139】他方、第1ダイヤフラム436と穴部44
0の底部との間の空間が第1空気室438とされてい
る。仕切部材30には、外周からこの第1空気室438
側へ向けて延びる孔部444が形成されており、外筒1
6の側面であって仕切部材30の孔部444に対応する
位置には、貫通孔446が形成されている。そして、貫
通孔446に対応する外筒16の外周面には切換弁82
が取り付けられている。
【0140】外筒16の貫通孔446には、弾性体22
の一部を貫通して切換弁82の収納室90と仕切部材3
0の孔部444とを連通する枠状の連通部材448が、
挿入されている。
【0141】従って、本実施例では、第1副液室43
2、第1の制限通路434、第1ダイヤフラム436及
び第1空気室438が、第6実施例の第1副液室41
2、第1の制限通路414、第1ダイヤフラム416及
び第1空気室418と同様に機能するので、第6実施例
と同様な作用を奏することができる。 [第8実施例]本発明に係る防振装置の第8実施例を図
9に示し、この図に基づき本実施例を説明する。尚、第
6実施例及び第7実施例で説明した部材と同一の部材に
同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0142】図9に示すように、本実施例の防振装置1
0の外筒16の外周面には切換弁82が取り付けられて
おらず、孔部444を介して第1空気室438が防振装
置10の外側の大気に連通した形となっている。但し、
必要に応じて第1空気室438は大気側と連通しないこ
ととしてもよい。
【0143】この一方、底板12の筒状の立壁部12A
が第6実施例及び第7実施例より長く形成されており、
第2ダイヤフラム426と底板12との間の第2空気室
428が大きく形成されている。そして、第2空気室4
28と外部とを連通する空気孔21はないものの、長く
形成された立壁部12Aに切換弁82が取り付けられて
おり、この切換弁82の収納室90と第2空気室428
とを連通する貫通孔452が立壁部12Aに形成されて
いる。
【0144】次に実施例の作用を説明する。第1の制限
通路434により吸収される振動より高周波数の振動を
吸収し得る第2の制限通路424が、仕切部材30の外
周部分に配置されて主液室32と第2副液室422とを
連通する。また、第2副液室422側と第2のダイヤフ
ラムを挟んで対向して配置された第2空気室428に気
体が封入され、第2副液室422側寄りに配置された取
付部材である底板12に切換弁82が取り付けられ、こ
の切換弁82が第2空気室428と大気とを連通させ得
るようになっている。
【0145】以上より、シェイク振動時には、制御回路
60は車速センサ及びエンジン回転数センサによりシェ
イク振動発生時であると判断し、コイル84に電圧を印
加しない。これによって、プランジャ86がスプリング
92に付勢され、プランジャ86の先端が貫通孔452
を塞ぎ、切換弁82が第2空気室428と大気との間を
閉鎖する閉鎖状態となる。
【0146】この結果、第2空気室428内の空気が空
気ばねの役目を果たすようになるため、第2ダイヤフラ
ム426の剛性が高まる。
【0147】この際、液体29は第1の制限通路434
を通って主液室32と第1副液室432とを行き来する
ことになり、液体29が第1の制限通路434を通過す
る際の抵抗で減衰力が生じ、シェイク振動が効果的に吸
収される。なお、シェイク振動では、剛性の高い第2ダ
イヤフラム426は殆ど変形せず、第2の制限通路42
4には、液体29の流れは殆ど生じない。
【0148】また、アイドル振動時には、第1の制限通
路434が目詰まり状態となるものの、制御回路60は
車速センサ及びエンジン回転数センサによりアイドル振
動発生時であると判断し、切換弁82のコイル84に電
圧を印加してプランジャ86を吸引する。これによっ
て、第2空気室428が大気に開放された開放状態とな
り、アイドル振動の振動周波数領域での防振装置10の
動ばね定数が低下してアイドル振動が確実に吸収され
る。
【0149】こもり音の発生時には、制御回路60が車
速センサ及びエンジン回転数センサによりこもり音の発
生時であると判断し、制御回路60は切換弁82のコイ
ル84に電圧を印加するのを停止する。これによって、
プランジャ86の先端が貫通孔452を塞ぎ、切換弁8
2が第2空気室428と大気との間を閉鎖する閉鎖状態
となる。
【0150】この結果、第2空気室428内の空気が空
気ばねの役目を果たすようになるため、第2ダイヤフラ
ム426の剛性が上がり、これによって第2の制限通路
424での液柱共振周波数が高周波数側へ移動して、こ
もり音の周波数領域の動ばね定数が低下して、こもり音
が確実に吸収される。
【0151】つまり本実施例では、第2の制限通路42
4が仕切部材30の外周部分に配置されていて、第2の
制限通路424の長さを一層長くすることが可能となる
ので、第2の制限通路424内で液柱共振が生じるアイ
ドル振動及びこもり音の発生の際に、液体29が一層強
く共振して防振効果が向上することになる。 [第9実施例]本発明に係る防振装置の第9実施例を図
10に示し、この図に基づき本実施例を説明する。尚、
第6実施例から第8実施例で説明した部材と同一の部材
に同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0152】図10に示すように、本実施例の防振装置
10の外筒16は、厚肉の円筒状とされており、下部の
一部が薄肉状とされている。また、この防振装置10の
仕切部材30の下部には、フランジ30Aが設けられて
いる。
【0153】さらに、底板12のフランジ部12Bと外
筒16の厚肉部分の下端部との間に、仕切部材30のフ
ランジ30A及び第2ダイヤフラム426の周縁部が挟
持され、外筒16の薄肉部分でかしめ固定されている。
【0154】仕切部材30の矩形孔413に対応する外
筒16の外周側の位置には、凹部62が形成されてお
り、この凹部62はブロック64によって閉塞されてい
る。凹部62の底部には貫通孔72が形成されており、
この貫通孔72は矩形孔42に連通している。
【0155】また、凹部62の底部であって貫通孔72
の外周側には、環状凹部66が形成されており、この環
状凹部66とブロック64との間に第1ダイヤフラム4
16の周縁部が挟持されている。第1ダイヤフラム41
6は、自由状態では貫通孔72側へ向けて略半球状に突
出されており、貫通孔72が第1ダイヤフラム416に
よって閉塞されて第1副液室412を構成している。ま
た、ブロック64の第1ダイヤフラム416に向かい合
う側には凹部64Aが形成されている。この凹部64A
と第1ダイヤフラム416との間は第1空気室418と
されており、この第1空気室418と大気とがブロック
64に形成された孔64Bにより連通されている。但
し、必要に応じて第1空気室418は大気側と連通しな
いこととしてもよい。
【0156】この一方、底板12の筒状の立壁部12A
が第6実施例及び第7実施例より長く形成されており、
第8実施例と同様に、第2ダイヤフラム426と底板1
2との間の第2空気室428が大きく形成されている。
そして、第2空気室428と外部とを連通する空気孔2
1はないものの、長く形成された立壁部12Aに切換弁
82が取り付けられており、この切換弁82の収納室9
0と第2空気室428とを連通する貫通孔452が立壁
部12Aに形成されている。
【0157】従って、本実施例の切換弁82も第8実施
例と同様に機能して、本実施例の防振装置10は第8実
施例と同様な作用を奏することになる。 [第10実施例]本発明に係る防振装置の第10実施例
を図11に示し、この図に基づき本実施例を説明する。
尚、第1実施例で説明した部材と同一の部材に同一の符
号を付し、重複した説明を省略する。
【0158】図11に示すように、本実施例の防振装置
10は第1実施例とほぼ同様な構造となっている。但
し、仕切部材30には主液室32と第1副液室34との
間を貫通する貫通孔310が形成されており、この貫通
孔310にメンブラン固定パイプ312が挿入固定され
ている。メンブラン固定パイプ312の内周面側であっ
て軸方向中間部には、円板状のメンブラン314の外周
が加硫接着されている。
【0159】尚、本実施例では、第1ダイヤフラム1
8、第2ダイヤフラム68、メンブラン314の順に剛
性が高くなっている。
【0160】次に、本実施例の作用を説明する。シェイ
ク振動時及びアイドル振動時には前述の第1実施例から
第3実施例までと同様に振動を吸収する。
【0161】また、高周波振動が生じた際には、第2の
制限通路46が目詰まり状態となるが、メンブラン31
4が変形して主液室32の圧力上昇を第3実施例の第3
ダイヤフラム304以上に抑えるので、動ばね定数の上
昇が一層抑えられ、高周波振動を吸収することができ
る。
【0162】尚、前記実施例では防振装置10をエンジ
ンマウントとして用いる構成を示したが、本発明はこれ
に限らず、防振装置10をキャブマウント、ボデイマウ
ント、一般産業用機械の支持等に用いてもよいことは勿
論である。
【0163】
【発明の効果】以上説明した如く請求項1から請求項4
に記載の防振装置では、従来の防振装置に対し、以下の
(1)乃至(3)の優れた効果を有する。 (1) エンジンの吸気系(インテークマニホールド)
等の負圧を防振装置に供給するための配管ホースがない
ので、配管ホースを例えばエンジンルーム内に引き回
し、これを固定する工程が不要となる。 (2) ダイヤフラムが万が一切れた場合でも、液体が
エンジンに浸入することがない。 (3) 負圧によってダイヤフラムを移動させることが
ないので、特性を切り換えた際に、振動発生部と振動受
部との間の寸法が変化しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の防振装置の断面図である。
【図2】第2実施例の防振装置の断面図である。
【図3】第3実施例の防振装置の断面図である。
【図4】第4実施例の防振装置の断面図である。
【図5】第4実施例の防振装置の分解斜視図である。
【図6】第5実施例の防振装置の断面図である。
【図7】第6実施例の防振装置の断面図である。
【図8】第7実施例の防振装置の断面図である。
【図9】第8実施例の防振装置の断面図である。
【図10】第9実施例の防振装置の断面図である。
【図11】第10実施例の防振装置の断面図である。
【符号の説明】
10 防振装置 12 底板(第1の取付部材) 18 第1ダイヤフラム 22 弾性体 24 支持台(第2の取付部材) 30 仕切部材 32 主液室 34 第1副液室 46 第2の制限通路 52 第1の制限通路 56 2ポート2位置切換弁 68 第2ダイヤフラム 70 第2副液室 74 第2空気室 82 切換弁 116 外筒(第1の取付部材) 120 第1ダイヤフラム 121 第2ダイヤフラム 126 内筒(第2の取付部材) 128 弾性体 132 第1副液室 133 第2副液室 134 第2の制限通路 136 第1の制限通路 412 第1副液室 414 第1の制限通路 416 第1ダイヤフラム 418 第1空気室 422 第2副液室 424 第2の制限通路 426 第2ダイヤフラム 428 第2空気室 432 第1副液室 434 第1の制限通路 436 第1ダイヤフラム 438 第1空気室

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】振動発生部及び振動受部の一方へ連結され
    る第1の取付部材と、 振動発生部及び振動受部の他方へ連結される第2の取付
    部材と、 前記第1の取付部材と前記第2の取付部材との間に設け
    られ振動発生時に変形する弾性体と、 前記弾性体を隔壁の一部として拡縮可能な主液室と、 前記主液室とは隔離される副液室と、 前記主液室と副液室とを連通する制限通路と、 前記副液室の隔壁の一部を構成するダイヤフラムと、 前記ダイヤフラムの副液室側とは反対側に配置された空
    気室と、 前記空気室を大気と連通させる状態と前記空気室と大気
    との間を閉鎖して前記空気室を閉塞する状態とで切り換
    え可能な切換弁と、 を備えたことを特徴とする防振装置。
  2. 【請求項2】振動発生部及び振動受部の一方へ連結され
    る第1の取付部材と、 振動発生部及び振動受部の他方へ連結される第2の取付
    部材と、 前記第1の取付部材と前記第2の取付部材との間に設け
    られ振動発生時に変形する弾性体と、 前記弾性体を隔壁の一部として拡縮可能な主液室と、 前記主液室とは隔離される第1の副液室と、 前記主液室と前記第1の副液室とを連通する第1の制限
    通路と、 前記主液室とは隔離される第2の副液室と、 前記主液室と前記第2の副液室とを連通する第2の制限
    通路と、 前記第1の副液室の隔壁の一部を構成する第1のダイヤ
    フラムと、 前記第2の副液室の隔壁の一部を構成する第2のダイヤ
    フラムと、 前記第2のダイヤフラムの第2の副液室側とは反対側に
    配置された空気室と、 前記空気室を大気に連通させる状態と前記空気室と大気
    との間を閉鎖して前記空気室を閉塞する状態とで切り換
    え可能な切換弁と、 を備えたことを特徴とする防振装置。
  3. 【請求項3】振動発生部及び振動受部の一方へ連結され
    る第1の取付部材と、 振動発生部及び振動受部の他方へ連結される第2の取付
    部材と、 前記第1の取付部材と前記第2の取付部材との間に設け
    られ振動発生時に変形する弾性体と、 前記弾性体を隔壁の一部として拡縮可能とされ且つ液体
    が封入される主液室と、 前記主液室とは隔離される第1の副液室と、 前記主液室と前記第1の副液室とを連通して振動を吸収
    し得る第1の制限通路と、 前記主液室とは隔離される第2の副液室と、 前記主液室と前記第2の副液室とを連通し且つ前記第1
    の制限通路により吸収される振動より高周波数の振動を
    吸収し得る第2の制限通路と、 前記第1の副液室の隔壁の一部を構成する第1のダイヤ
    フラムと、 前記第2の副液室の隔壁の一部を構成する第2のダイヤ
    フラムと、 前記第1の副液室側と前記第1のダイヤフラムを挟んで
    対向して配置され且つ気体が封入された空気室と、 前記空気室を大気に連通させる状態と前記空気室と大気
    との間を閉鎖して前記空気室を閉塞する状態とで切り換
    え可能な切換弁と、 を備えたことを特徴とする防振装置。
  4. 【請求項4】振動発生部及び振動受部の一方へ連結され
    る第1の取付部材と、 振動発生部及び振動受部の他方へ連結される第2の取付
    部材と、 前記第1の取付部材と前記第2の取付部材との間に設け
    られ振動発生時に変形する弾性体と、 前記弾性体を隔壁の一部として拡縮可能とされ且つ液体
    が封入される主液室と、 前記主液室とは隔離される第1の副液室と、 前記主液室と前記第1の副液室とを連通して振動を吸収
    し得る第1の制限通路と、 前記主液室とは隔離される第2の副液室と、 前記主液室と前記第2の副液室との間に配置されてこれ
    らを相互に隔離する仕切部材と、 前記仕切部材の外周部分に配置されて前記主液室と前記
    第2の副液室とを連通し且つ前記第1の制限通路により
    吸収される振動より高周波数の振動を吸収し得る第2の
    制限通路と、 前記第1の副液室の隔壁の一部を構成する第1のダイヤ
    フラムと、 前記第2の副液室の隔壁の一部を構成する第2のダイヤ
    フラムと、 前記第2の副液室側と前記第2のダイヤフラムを挟んで
    対向して配置され且つ気体が封入された空気室と、 前記第2の副液室側寄りに配置されたいずれかの前記取
    付部材に取り付けられ且つ前記空気室を大気に連通させ
    る状態と前記空気室と大気との間を閉鎖して前記空気室
    を閉塞する状態とで切り換え可能な切換弁と、 を備えたことを特徴とする防振装置。
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