JPH08247209A - 防振装置 - Google Patents

防振装置

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Publication number
JPH08247209A
JPH08247209A JP5012895A JP5012895A JPH08247209A JP H08247209 A JPH08247209 A JP H08247209A JP 5012895 A JP5012895 A JP 5012895A JP 5012895 A JP5012895 A JP 5012895A JP H08247209 A JPH08247209 A JP H08247209A
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JP
Japan
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diaphragm
vibration
air chamber
chamber
liquid chamber
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Application number
JP5012895A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kojima
宏 小島
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ダイヤフラムの固着を防止すると共に、ダイ
ヤフラムに傷が生じることを防止する。 【構成】 外筒116の内側に薄肉ゴム層118が加硫
接着され、薄肉ゴム層118の下側の一部は外筒116
の内周面から離れて第2ダイヤフラム121とされる。
第2ダイヤフラム121と外筒116との間は第2空気
室137とされる。第2空気室137内に通気性を有す
るスポンジ180が第2空気室137の内壁面に固定さ
れない自由な状態で配置される。中間ブロック124の
下部に切欠部124Bが形成され、切欠部124Bは薄
肉ゴム層118及び第2ダイヤフラム121によって囲
まれて第2副液室133を構成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両、一般産業用機械等
に用いられ、振動発生部からの振動を吸収減衰する防振
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のエンジンと車体との間には、エ
ンジンマウントとしての防振装置が配設され、エンジン
の振動が車体に伝達されるのを阻止するようになってい
る。
【0003】エンジンに発生する振動には車両が高速で
走行している場合等に発生する所謂シェイク振動や、ア
イドル時及び車両が時速5キロ程度で走行している場合
に発生する所謂アイドル振動等がある。一般的に、前記
シェイク振動は周波数が15Hz未満であるのに対し、
アイドル振動は周波数が20〜50Hzであり、シェイ
ク振動とアイドル振動とでは周波数が相違する。
【0004】このようなシェイク振動及びアイドル振動
を吸収する防振装置として、液体封入式の防振装置が提
案されている。
【0005】この液体封入式の防振装置は、相互に大き
さの異なる制限通路で連結される主液室と複数の副液室
とを備えている。そして、振動入力時に制限通路内で液
体を行き来させて共振させることにより振動を減衰する
為、ダイヤフラムが副液室の隔壁の一部として配置さ
れ、ダイヤフラムの反対側は空気と接する構造とされて
いる。即ち、ダイヤフラムが変形することで副液室の容
積変化が可能となり、主液室と副液室とを連通する制限
通路内で液体を行き来させることが可能となる。
【0006】このため、ダイヤフラムの動きを規制すれ
ば、制限通路内で液体が流動できないようにすることが
できる。そして、この原理に基づき、エンジンの吸気系
に生ずる吸入負圧を利用して任意にダイヤフラムの動き
を規制して防振特性を変化させることのできる防振装置
が提案されている。
【0007】この防振装置では、ダイヤフラムの片面に
設けられた空気室を例えば2ポート3位置切換弁等の電
磁弁を介してエンジンの吸気系のインテークマニホール
ドに連結し、2ポート3位置切換弁等によって吸気系と
空気室とを連通させることで空気室の内圧を一時的に下
げ、ダイヤフラムを空気室の内壁に密着させていた。こ
れによって、密着したダイヤフラムに面する副液室以外
の他の副液室に連結される制限通路に液体を積極的に行
き来させ、防振効果を向上するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の防振
装置では、以下のような欠点を有する。
【0009】空気室の内圧を下げると、ダイヤフラムが
空気室の内壁に密着して固定された状態となるが、固定
された状態と変形可能な状態との間で、ダイヤフラムの
状態が繰り返し切り替えられると、ダイヤフラムが空気
室の内壁面に固着する虞が生じる。このように固着が生
じると、その状態のままダイヤフラムが空気室の内壁面
に貼り付いて離れにくくなり、ダイヤフラムの状態の切
り替えが悪くなるという欠点が生じる。
【0010】また、空気室内に2ポート3位置切換弁側
への吸入口が存在することになるが、この吸入口の周囲
のエッジ部分へのダイヤフラムの接触により、ダイヤフ
ラムに傷が生じる虞があるという欠点を有する。
【0011】さらに、2ポート3位置切換弁を介して外
部からごみ、異物等が混入するという欠点がある。
【0012】本発明は上記事実を考慮し、ダイヤフラム
の固着を防止すると共に、ダイヤフラムに傷が生じるこ
とを防止し、さらには、ごみ、異物等の混入を防止する
防振装置を提供することが目的である。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の防振装
置は、振動発生部及び振動受部の一方へ連結される第1
の取付部材と、振動発生部及び振動受部の他方へ連結さ
れる第2の取付部材と、前記第1の取付部材と前記第2
の取付部材との間に設けられ振動発生時に変形する弾性
体と、前記弾性体を隔壁の一部として拡縮可能とされ且
つ液体が充填された主液室と、前記主液室と隔離されて
配置され且つ液体が充填された副液室と、前記主液室と
前記副液室とを連通する制限通路と、前記副液室の隔壁
の一部を構成し且つ弾性変形可能なダイヤフラムと、前
記ダイヤフラムの前記副液室側とは反対側に配置されて
内圧を変更可能な空気室と、前記空気室内に配置される
と共に通気性を有する通気性弾性体と、を備えたことを
特徴とする。
【0014】
【作用】請求項1に係る防振装置の作用を以下に説明す
る。
【0015】振動発生部側から振動が第1の取付部材あ
るいは第2の取付部材に伝達されると、弾性体が変形
し、結果として弾性体の変形により振動が減衰され、第
2の取付部材あるいは第1の取付部材に連結される振動
受け部側に振動が伝達され難くなる。
【0016】さらに、弾性体の変形に伴って主液室が拡
縮して、主液室及び主液室と連通されている副液室内の
液体に圧力変化が生じたり、これら液室間の制限通路内
で液体が流動する際に粘性抵抗等が生じることになり、
弾性体の変形だけでなく、液体の圧力変化、液柱共振及
び粘性抵抗等により振動が減衰されて、振動受け部側に
振動がより一層伝達され難くなる。
【0017】一方、空気室内に通気性弾性体が配置され
るので、ダイヤフラムが空気室の内壁面に直接接触しな
いようになる為、ダイヤフラムが空気室の内壁面に固着
する虞が無くなり、固定された状態のままダイヤフラム
が空気室の内壁面に貼り付いて離れにくくなって、ダイ
ヤフラムの状態の切り替えが悪くなることがない。
【0018】さらに、空気室内に空気室内の内圧である
気圧を変化する為の吸入口が存在する場合、通気性弾性
体が空気室内に配置されているので、この吸入口の周囲
のエッジ部分にもダイヤフラムが接触することがなくな
り、ダイヤフラムに傷が生じないようになる。
【0019】また、通気性弾性体は通気性を有し、空気
と共に外部から侵入するごみ、異物等の内の空気のみを
通過させるので、ごみ、異物等は通気性弾性体に付着す
ることになる。この為、通気性弾性体がフィルタ替わり
となるので、ごみ、異物等が空気室内に入っても問題を
生じることがない。
【0020】
【実施例】本発明に係る防振装置の第1実施例を図1か
ら図3にしたがって説明する。
【0021】図1から図3に示すように、この防振装置
10には図示しない車体への取付用とされる第1の取付
部材である取付フレーム112が備えられており、この
取付フレーム112の環状部114には外筒116が挿
入されている。外筒116の内側には薄肉ゴム層118
が加硫接着されており、この薄肉ゴム層118の上側の
一部は、外筒116の内周面から離れた第1ダイヤフラ
ム120とされており、下側の一部は、外筒116の内
周面から離れて略球面状に凸に形成された第2ダイヤフ
ラム121とされている。
【0022】第1ダイヤフラム120と外筒116との
間は第1空気室131とされており必要に応じて外部と
連通される。また、第2ダイヤフラム121と外筒11
6との間は第2空気室137とされている。
【0023】そして、この第2空気室137内には、通
気性を有する通気性弾性体であるスポンジ180が、第
2空気室137の内壁面に固定されない自由な状態で、
配置されている。
【0024】また、外筒116の内部には中間ブロック
122及び中間ブロック124が挿入されている。中間
ブロック122の軸方向両端部には、それぞれ外周面が
薄肉ゴム層118へ密着されているフランジ部122A
が形成されており、このフランジ部122Aの間に中間
ブロック124が嵌入されている。中間ブロック124
は外筒116の軸方向から見て略半円形のブロック形状
とされており、外周面が薄肉ゴム層118へ密着してい
る。
【0025】中間ブロック124に面した中間ブロック
122の中央部には切欠部122Bが形成され、内筒1
26が貫通している。この内筒126は外筒116と同
軸的に配置され、中間ブロック122との間に弾性体1
28が掛け渡されている。これによって第2の取付部材
である内筒126は外筒116と相対移動可能となって
いる。
【0026】弾性体128の外周面の一部は中間ブロッ
ク124の頂面124Aに密着されており、弾性体12
8の中間部の一部には、中間ブロック124との間に主
液室130を形成する切欠部128Aが形成されてい
る。また、中間ブロック122の一対のフランジ部12
2A間には、中間ブロック122、中間ブロック12
4、薄肉ゴム層118及び第1ダイヤフラム120によ
って区画された第1副液室132が形成されている。
【0027】中間ブロック124の外周には通路135
が形成されている。この通路135の一端は第1副液室
132に連結され、他端は開口135Aを介して主液室
130に連結されており、外筒116によって囲まれて
シェイク振動吸収用の第1の制限通路136を構成して
いる。
【0028】また、中間ブロック124の下部には切欠
部124Bが形成されており、この切欠部124Bは薄
肉ゴム層118及び第2ダイヤフラム121によって囲
まれて第2副液室133を構成している。さらに、中間
ブロック124には、一端が第2副液室133に連結さ
れ、他端が中間ブロック124の内周部に形成される開
口134Aを介して主液室130と連結されるアイドル
振動吸収用の第2の制限通路134が形成されている。
【0029】なお、これらの主液室130、第1副液室
132、第2副液室33、第2の制限通路134及び第
1の制限通路136には、エチレングリコール等の液体
が充填されている。
【0030】前記第2空気室137に対応する外筒11
6の部分には、外筒116の内外を連通する開口部とし
ての円孔140が形成されている。また、環状部114
の外周面には、円孔140の同軸上にボス142が固着
されている。ボス142及び環状部114には、円孔1
40と同軸的に円孔140よりも径の大きい大径孔14
4が形成されている。
【0031】このボス142には、連結金具146が取
付けられている。連結金具146は、外筒116側に大
径孔144よりも若干径の小さくされた円柱状の突起部
148が設けられ、反対側にはパイプ182の連結され
る接続部152が設けられており、軸芯部には連通孔1
54が設けられている。また、連結金具146には、中
間部にフランジ部156が設けられている。フランジ部
156には一対の取付穴158が設けられており、連結
金具146は、取付穴158を挿通したビス159によ
ってボス142にねじ止めされている。
【0032】一方、突起部148の外筒116側の端部
148Aは、外筒116の外周面に沿って円弧状に形成
されており、この端部148Aには連通孔154の外側
に、環状溝162が形成されている。この環状溝62に
は、シール部材としてのOリング164が嵌め込まれて
おり、Oリング164は環状溝162と外筒116の外
周面とに密着されて所定量圧縮されている。
【0033】他方、接続部152には、パイプ182の
一端側が接続されており、このパイプ182の他端側が
3ポート2位置切換弁184に連結されている。従っ
て、第2空気室137は、円孔140、連通孔154及
びパイプ182を介して3ポート2位置切換弁184に
連結されることになる。そして、図1に示すように、3
ポート2位置切換弁184は図示しないエンジンのイン
テークマニホールド186と連通する接続パイプ187
と外気連通パイプ188とに接続されている。
【0034】また、3ポート2位置切換弁184はいわ
ゆる電磁弁となっており、車両の運転状況を判断する制
御装置190によって第2空気室137内への気体の給
配の切り換えが制御される。なお、制御装置190には
車両の運転状況を判断するセンサとして、少なくともエ
ンジン回転センサ192と車速検出センサ194とが接
続されている。
【0035】以上より、制御装置190により、3ポー
ト2位置切替弁184への通電及び通電の停止が制御さ
れて、切欠部124Bと外筒116の内周面との間の空
間の中間の位置と、スポンジ180の表面に密着された
位置との間で、第2ダイヤフラム121の位置が切り換
えられ、第2の制限通路134が実質的に開閉されるこ
とになる。
【0036】つまり、3ポート2位置切替弁184へ通
電されている状態では、インテークマニホールド186
による負圧が遮断されることになる。これにより、第2
空気室137内は、大気側に連通されて大気圧となるた
め、第2ダイヤフラム121が押し上げられることにな
る。
【0037】この結果、図1に示すように、第2ダイヤ
フラム121がこの空間の中間に位置し、第2副液室1
33と第2空気室137との間で第2ダイヤフラム12
1を変形可能とする変形可能な状態となって、第2副液
室133が拡縮可能となり、第2の制限通路134が主
液室130と第2副液室133とを連通することにな
る。
【0038】また、3ポート2位置切替弁184への通
電が停止されている状態では、大気側との連通が遮断さ
れることになる。これにより、第2空気室137は、イ
ンテークマニホールド186と連通し、第2空気室13
7内は、インテークマニホールド186によって負圧と
される。このため、図2に示すように、第2ダイヤフラ
ム121が第2空気室137の内壁面側に移動し、第2
ダイヤフラム121が外筒116の内周面にスポンジ1
80を介して密着する固定された状態となって、第2副
液室133が拡縮不可能となり、第2の制限通路134
が実質的に閉止される。
【0039】尚、本実施例では、通路長さは第1の制限
通路136の方が第2の制限通路134よりも長く、通
路断面積は第2の制限通路134の方が第1の制限通路
136よりも大きい。また、第2ダイヤフラム121の
方が第1ダイヤフラム120よりもばね剛性が高くなっ
ている。従って、本実施例では、第2の制限通路134
での液柱共振周波数は、第2ダイヤフラム121のばね
剛性の値を変更することによって変更が可能である。
【0040】次に、本実施例の作用を説明する。図示し
ない車両のエンジンを始動すると、インテークマニホー
ルド186内が負圧となる。
【0041】これに伴って、エンジン側から振動が内筒
126に伝達されると、弾性体128が変形し、結果と
して弾性体128の変形により振動が減衰され、取付フ
レーム112に連結される車体側に振動が伝達され難く
なる。
【0042】さらに、弾性体128の変形に伴って主液
室130が拡縮して、主液室130及び主液室130と
連通されている副液室132、133内の液体に圧力変
化が生じたり、これら液室間の制限通路134、136
内で液体が流動する際に粘性抵抗等が生じることにな
り、弾性体128の変形だけでなく、液体の圧力変化、
液柱共振及び粘性抵抗等により振動が減衰されて、車体
側に振動がより一層伝達され難くなる。
【0043】以下に具体的な動作を説明する。車両が、
例えば70〜80Km/h以上の速度で走行すると、シェイ
ク振動が生じる。制御装置190が振動はシェイク振動
であると判断すると、3ポート2位置切換弁184を切
り換えて第2空気室137内を負圧にする。これによっ
て、図2に示すように、第2ダイヤフラム121がスポ
ンジ180の表面に密着して第2副液室133が拡縮不
可能となり、第2の制限通路134が閉止され、第1の
制限通路136内を液体が積極的に行き来して通過抵抗
を受け、または液柱共振することによってシェイク振動
が吸収される。
【0044】一方、振動の周波数が高い場合には(例え
ば、アイドル振動やこもり音の原因となる高周波振
動)、第1の制限通路136が目詰まり状態となる。こ
のときには、制御装置190は3ポート2位置切換弁1
84を切り換えて第2空気室137内を大気と連通させ
る。
【0045】これによって、第2空気室137内が大気
圧と同圧となり、図1に示すように、第2ダイヤフラム
121がスポンジ180の表面から離間して、第2副液
室133が拡縮可能な変形可能状態となり、液体が第2
の制限通路134を行き来することができる。これによ
って、第2の制限通路134内で液体が液柱共振して防
振装置10の動ばね定数が低減され、高周波数の振動が
吸収される。
【0046】一方、第2空気室137内にスポンジ18
0が配置されるので、第2ダイヤフラム121が第2空
気室137の内壁面である外筒116の内周面に直接接
触しないようになる為、第2ダイヤフラム121が第2
空気室137の内壁面に固着する虞が無くなり、固定さ
れた状態のまま第2ダイヤフラム121が第2空気室1
37の内壁面に貼り付いて離れにくくなって、第2ダイ
ヤフラム121の状態の切り替えが悪くなることがな
い。
【0047】さらに、スポンジ180が第2空気室13
7内に配置されているので、円孔140の周囲のエッジ
部分にも第2ダイヤフラム121が接触することがなく
なり、第2ダイヤフラム121に傷が生じないようにな
る。
【0048】また、スポンジ180は通気性を有し、空
気と共に外部から侵入するごみ、異物等の内の空気のみ
を通過させるので、ごみ、異物等はスポンジ180に付
着することになる。この為、スポンジ180がフィルタ
替わりとなるので、ごみ、異物等が第2空気室137内
に入っても問題を生じることがない。
【0049】次に、本発明の第2実施例を図4にしたが
って説明する。図4に示すように、防振装置10には第
1の取付部材としての底板12が備えられている。この
底板12は中央下部に取付ボルト14が突出され、一例
として図示しない自動車の車体へ固定される。底板12
の周囲は直角に屈曲された筒状の立壁部12Aとされて
おり、この立壁部12Aの上端部には直角に屈曲された
フランジ部12Bが連続形成されている。
【0050】この、底板12のフランジ部12Bには筒
状の外筒16の下端部がかしめ固定されており、フラン
ジ部12Bと外筒16の下端部との間に第1ダイヤフラ
ム18の周縁部が挟持されている。この第1ダイヤフラ
ム18と前記底板12との間は第1空気室20とされ、
立壁部12Aに形成された空気孔21を介して外部と連
通される。
【0051】外筒16の上端部は内径が拡大された拡開
部16Bとされており、外筒16の開口部分を閉塞する
弾性体22の外周が加硫接着されている。また、弾性体
22の一部は外筒16の内周下端部まで延設されて加硫
接着されている。
【0052】この弾性体22の中央には第2の取付部材
としての支持台24が加硫接着されている。この支持台
24は図示しないエンジンの搭載部であり、エンジンを
固定する取付ボルト26が立設されている。
【0053】ここに外筒16の内周部、弾性体22の下
端部及び第1ダイヤフラム18とによって液室28が形
成されており、この液室28内にはエチレングリコール
等の液体が充填されている。この液室28内には合成樹
脂等で円柱状に形成された仕切部材30が配置され、液
室28を主液室32と第1副液室34とに区画してい
る。なお、この仕切部材30の第1副液室34側には、
凹部30Aが形成されている。
【0054】オリフイス部材30の外周には、周方向に
沿って断面矩形状の細溝44Aが形成されている。細溝
44Aには、一方に上面まで延びる細溝44Bが連結し
ており、他方に凹部30Aへ貫通する開口部44Cが連
結されている。細溝44A、44Bの外筒16側は前記
弾性体22の延長部によって閉塞され、主液室32と第
1副液室34との間を連通する第1の制限通路52とさ
れている。
【0055】さらに、仕切部材30には、外周から反対
側の外周へ向けて矩形孔42が形成されており、図4に
示すように、この矩形孔42の一端は上方へ延びる開口
部42Aを介して主液室32へ連通されており、これら
矩形孔42及び開口部42Aが第2の制限通路46を構
成している。
【0056】外筒16の側面であって仕切部材30の矩
形孔42に対向する位置には、貫通孔48が形成されて
おり、貫通孔48に対応する外筒16の外周面にはブロ
ック50が取り付けられている。このブロック50の外
筒16と反対側となる部分には、凹部54が形成されて
おり、この凹部54の底部中央であって外筒16の貫通
孔48と同軸の位置には、貫通孔55が形成されてい
る。なお、外筒16の貫通孔48には、弾性体22の一
部を貫通してブロック50の貫通孔55と仕切部材30
の矩形孔42とを連通する枠状の連通部材49が挿入さ
れている。
【0057】さらに、ブロック50に形成される凹部5
4の開口部分の外周側には、環状凹部76が環状に形成
されており、この環状凹部76と環状凹部76に対向し
て配置されたブロック78との間に、第2ダイヤフラム
68の周縁部が挟持されている。第2ダイヤフラム68
は、自由状態では凹部54側へ向けて略半球状に突出さ
れている。従って、凹部54が、第2ダイヤフラム68
によって閉塞されて第2副液室70を構成している。
【0058】また、ブロック78の第2ダイヤフラム6
8に向かい合う面には、略半球状の凹部78Aが形成さ
れており、この凹部78Aと第2ダイヤフラム68との
間が第2空気室74とされている。
【0059】そして、この第2空気室74内には、通気
性を有する通気性弾性体であるスポンジ80が、第2空
気室74の内壁面に固定されない自由な状態で、配置さ
れている。
【0060】ブロック78のブロック50とは反対側の
位置には、切換弁82の本体82Aが取り付けられてお
り、この本体82A内には、コイル84及びプランジャ
86を収納した収納室90が設けられている。
【0061】プランジャ86の先端は円錐状とされ、コ
イル84へ電圧を印加していない場合にはスプリング9
2に付勢されて、プランジャ86の先端が、本体82A
及びブロック78を貫通して第2空気室74と収納室9
0とを連通する孔94を閉塞している。一方、コイル8
4へ所定の電圧を印加すると、プランジャ86がコイル
84の発生する電磁力によって吸引され、プランジャ8
6の先端が孔94から離間する(図4に示す状態)。
【0062】コイル84は、印加電圧をオン・オフする
制御装置60に連結されている。制御装置60は車両電
源によって駆動され、少なくとも車速センサ及びエンジ
ン回転数センサ(共に図示せず)からの検出信号を受
け、車速及びエンジン回転数を検出できる。これにより
制御装置60は車両がアイドル振動時かシェイク振動時
かを判断できる。
【0063】そして、本体82Aには、収納室90の内
部と大気とを常時連通させている空気孔91が形成され
ている。
【0064】なお、第1の制限通路52の通路長さは第
2の制限通路46より長く、第1の制限通路52の通路
断面積の方が、制限通路46の通路断面積より小さくな
っている。さらに、第1ダイヤフラム18と第2ダイヤ
フラム68との間では相互にばね剛性が異なり、第2ダ
イヤフラム68のばね剛性は、第1ダイヤフラム18の
ばね剛性より高くなっている。
【0065】ここで、制限通路の大きさとダイヤフラム
のばね剛性とで、制限通路での液柱共振周波数が決定さ
れており、第2の制限通路46での液柱共振周波数は、
第2ダイヤフラム68のばね剛性の値を変更することに
よって、変更可能である。
【0066】次に実施例の作用を説明する。この防振装
置10の底板12を一例として自動車等の車両の車体へ
固定し、支持台24にエンジンを搭載して固定すると、
エンジンの振動は支持台24、弾性体22、外筒16及
び底板12を介して自動車の車体へ支持され、弾性体2
2の内部摩擦に基づく抵抗によって振動が吸収される。
【0067】また、車両が例えば70〜80km/hで
走行するとシェイク振動(例えば、周波数15Hz未
満)が生じ得る。このとき、液体は第1の制限通路52
を通って主液室32と第1副液室34とを行き来するこ
とになり、液体が第1の制限通路52を通過する際の抵
抗で減衰力が生じ、シェイク振動が効果的に吸収され
る。なお、シェイク振動では、ばね剛性の高い第2ダイ
ヤフラム68は殆ど変形せず、第2の制限通路46に
は、液体の流れは殆ど生じない。
【0068】また、エンジンがアイドリング運転の場合
や車速が5km/h以下の場合にはアイドル振動(例え
ば、周波数20〜50Hz)が生じる。
【0069】アイドル振動時には、第1の制限通路52
が目詰まり状態となる。制御装置60は車速センサ及び
エンジン回転数センサによりアイドル振動発生時である
ことを判断し、コイル84に電圧を印加してプランジャ
86を吸引する。これによって、空気孔91を介して第
2空気室74が大気に開放された状態となり、液体の液
圧により第2ダイヤフラム68が若干凹部78A側へ移
動するものの、凹部78Aに固定された状態とならず、
第2ダイヤフラム68が変形可能な状態とされる。この
為、アイドル振動の振動周波数領域での防振装置10の
動ばね定数が低下してアイドル振動が確実に吸収され
る。
【0070】一方、第2空気室74内にスポンジ80が
配置されるので、第2ダイヤフラム68が凹部78Aに
直接接触しないようになる為、第2ダイヤフラム68が
変形しても凹部78Aに接触せず、第2ダイヤフラム6
8が凹部78Aに固着する虞が無くなり、固定された状
態のまま第2ダイヤフラム68が凹部78Aに貼り付く
ことがない。
【0071】さらに、第1実施例と同様に、孔94の周
囲のエッジ部分にも第2ダイヤフラム68が接触するこ
とがなくなり、第2ダイヤフラム68に傷が生じないよ
うになる。また、第1実施例と同様に、ごみ、異物等は
スポンジ80に付着することになって、スポンジ80が
フィルタ替わりとなるので、ごみ、異物等が第2空気室
74内に入っても問題を生じることがない。
【0072】他方、車速が100km/h以上、エンジン回
転数が3000rpm以上の場合等には、こもり音の発
生原因となる高周波振動(例えば、周波数80Hz 付
近)が生じる。制御装置60が車速センサ及びエンジン
回転数センサによりエンジンが高周波振動時であると判
断すると、制御装置60はコイル84に電圧を印加する
のを停止する。これによって、プランジャ86の先端が
孔94を塞ぎ、第2空気室74が閉塞されるので、第2
ダイヤフラム68のばね剛性が上がる(第2空気室74
の空気がばねの役目を果たすようになるため)。これに
よって第2の制限通路46での液柱共振周波数が高周波
数側へ移動し、防振装置10の高周波振動の周波数領域
の動ばね定数が低下して、高周波振動が確実に吸収され
る。
【0073】この際、第2ダイヤフラム68は第2空気
室74の空気がばねの役目を果たす為、容易に凹部78
Aに接触することはない。
【0074】なお、第1実施例では、3ポート2位置切
替弁184を開閉させて第2空気室137と大気との連
通を切り換えたが、第2実施例に示した切換弁82を3
ポート2位置切替弁184の代わりに用いてもよく、ま
た、この逆に3ポート2位置切替弁184を第2実施例
に用いてもよいのは勿論である。
【0075】一方、第1実施例のようなバキュームタイ
プ、第2実施例のような背圧タイプだけでなく、空気室
を加圧する加圧タイプや、空気室を単に大気に開放する
大気開放タイプにも、適用できることはいうまでもな
い。
【0076】また、上記実施例では、スポンジ80、1
80を空気室内に、内壁面に固定されない自由な状態で
配置していたが、吸入口である円孔140、孔94を塞
いだ状態で空気室の内壁面に予め固定されて配置しても
よい。
【0077】さらに、前記実施例では防振装置10をエ
ンジンマウントとして用いる構成を示したが、本発明は
これに限らず、防振装置10をキャブマウント、ボデイ
マウント、一般産業用機械の支持等に用いてもよいこと
は勿論である。
【0078】
【発明の効果】以上説明した如く本発明に記載の防振装
置では、ダイヤフラムの固着を防止すると共に、ダイヤ
フラムに傷が生じることを防止し、さらには、ごみ、異
物等の混入を防止するという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る防振装置の断面図で
あって、アイドル振動時を表す図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る防振装置の断面図で
あって、シェイク振動時を表す図である。
【図3】本発明の第1実施例に係る防振装置の分解斜視
図である。
【図4】本発明の第2実施例に係る防振装置の断面図で
ある。
【符号の説明】
10 防振装置 12 底板(第1の取付部材) 18 第1ダイヤフラム 22 弾性体 24 支持台(第2の取付部材) 32 主液室 46 第2の制限通路 68 第2ダイヤフラム 70 第2副液室 74 第2空気室 80 スポンジ 112 取付フレーム(第1の取付部材) 121 第2ダイヤフラム 126 内筒(第2の取付部材) 128 弾性体 130 主液室 133 第2副液室 134 第2の制限通路 137 第2空気室 180 スポンジ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】振動発生部及び振動受部の一方へ連結され
    る第1の取付部材と、 振動発生部及び振動受部の他方へ連結される第2の取付
    部材と、 前記第1の取付部材と前記第2の取付部材との間に設け
    られ振動発生時に変形する弾性体と、 前記弾性体を隔壁の一部として拡縮可能とされ且つ液体
    が充填された主液室と、 前記主液室と隔離されて配置され且つ液体が充填された
    副液室と、 前記主液室と前記副液室とを連通する制限通路と、 前記副液室の隔壁の一部を構成し且つ弾性変形可能なダ
    イヤフラムと、 前記ダイヤフラムの前記副液室側とは反対側に配置され
    て内圧を変更可能な空気室と、 前記空気室内に配置されると共に通気性を有する通気性
    弾性体と、 を備えたことを特徴とする防振装置。
JP5012895A 1995-03-09 1995-03-09 防振装置 Pending JPH08247209A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10260737A (ja) * 1997-03-19 1998-09-29 Tokai Rubber Ind Ltd 加振機の駆動制御方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH10260737A (ja) * 1997-03-19 1998-09-29 Tokai Rubber Ind Ltd 加振機の駆動制御方法

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