JPH10260737A - 加振機の駆動制御方法 - Google Patents

加振機の駆動制御方法

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JPH10260737A
JPH10260737A JP9065713A JP6571397A JPH10260737A JP H10260737 A JPH10260737 A JP H10260737A JP 9065713 A JP9065713 A JP 9065713A JP 6571397 A JP6571397 A JP 6571397A JP H10260737 A JPH10260737 A JP H10260737A
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vibration
phase
control
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Hiroyuki Ichikawa
浩幸 市川
Katsuhiro Goto
勝博 後藤
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価なアクチュエータを用いて、適応制御に
より振動発生源の振幅位相変化に適正に対応する。 【解決手段】 振動発生源からの信号を適応フィルタに
より振幅及び位相を更新し、その出力信号y(n)をパ
ルス幅変調器43を通して幅変調を行うことにより、振
幅及び位相制御をパルス幅に替えることができる。この
変調パルス信号をパワーアンプで増幅した後、ソレノイ
ドバルブ45を駆動することにより、適応制御により振
幅及び位相制御された信号に相当するパルス信号で、エ
ンジンマウント20を加振させることができ、振動発生
源からの振動を効果的に抑制することができる。また、
ソレノイドバルブとパルス幅変調器を用いるのみで、車
両の負圧発生源を利用することにより安価に加振制御を
行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両振動に基づく
能動的振動を除去するための加振機の駆動制御方法に関
する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
特性切り替え式の駆動装置は、負圧アクチュエータを用
い、負圧源と負圧アクチュエータをつなぐパイプに介装
されたソレノイドバルブやステッピングモータ等の開閉
手段を用いたものが知られている。そして、車両のアイ
ドル駆動時と、走行駆動時に応じて特定の周波数で開閉
手段をオンオフさせて、負圧アクチュエータを駆動する
ことにより、振動発生源からの振動の抑制をはかってい
る。アイドル駆動時と走行駆動時の切り替えは車両の制
御装置により行われている。しかし、この駆動装置は、
アイドル駆動時と、走行駆動時に応じた特定周波数によ
り開閉手段がオンオフされるため、エンジン回転数等の
変化に対して、振幅や位相特性を適正に対応させること
ができない。
【0003】これに対し、図2に示すような、遅延調和
シンセサイザ最小平均自乗フィルタ(以下、DXHS LMSと
記す)を用いた適応制御系(ただし、パルス幅変調器4
3は除き、ソレノイドバルブ45、負圧アクチュエータ
20の代わりに他のアクチュエータを加える)により、
圧電アクチュエータやボイスコイル等のアクチュエータ
を駆動する方法がある。このような適応制御系を用いる
ことにより、エンジン回転数等の運転状態の変化に対し
て、入力信号の振幅や位相特性を適正に調整することが
でき、これを用いて適正な加振による振動抑制効果を得
ることができる。
【0004】すなわち、この適応制御では、信号源であ
る自動車のエンジン等の振動発生源51から、クランク
軸回転パルス等をセンサにより取り出して、周波数判定
部61にて制御対象周波数ωであることを判定し、制御
対象周波数ωの制御対象信号を選択し、適応フィルタ
(フィルタ係数W)62に出力する。適応フィルタ62
のフィルタ係数Wにより入力信号が振幅補償及び位相補
償され、かつ正弦波信号に合成されて出力される。出力
信号は、制御対象系63(伝達関数G)へ供給され、下
記数1に示す処理信号zが出力される。
【0005】
【数1】
【0006】なお、ωは出力信号の角周波数を、ak
びφkはそれぞれk次の処理信号の振幅及び位相を表
す。処理信号zはエンジンの振動等である伝達系52
(G′)を経た外力dが加算され、観測値としてセンサ
により検出される。振動制御においてはセンサの検出値
の目標は0であり、目標との差が誤差信号eになる。こ
の誤差信号e(n)と推定伝達関数64の推定値を用
い、デジタルフィルタ(DXHS LMS)65により適応フィ
ルタWが以下に示すように逐次更新される。ここで、時
刻nにおける制御の対象となる周期性を持った外力信号
d(n)(目標信号)を下記数2により表す。
【0007】
【数2】
【0008】なお、Lは基本波に起因する調和成分の次
数を表し、Tはサンプリング周期を、ω* は制御対象外
力信号dの角周波数を、ak *及びφk *はそれぞれk次の
制御対象信号の振幅及び位相を表す。上記角周波数ω*
は、上記外部センサによるクランク軸回転パルス信号や
イグニッションパルス信号といった既知の入力信号から
なり、処理信号zの角周波数ωと等しいとする。ここ
で、瞬間二乗平均誤差Jは、下記数3で表され、また時
刻nにおけるフィルタ係数W(n)は、振幅と位相の関
数として下記数4によって表される。
【0009】
【数3】 J=e2(n)=(z(n)+d(n))2
【0010】
【数4】 W(n)=[・・・ak(n)・・・,・・
・φk(n)・・・]T
【0011】そして、上記数3及び数4を用いて勾配ベ
クトル▽n を求めると、下記数5のように表される。
【0012】
【数5】
【0013】ここで、振幅及び位相はそれぞれ独立して
計算されるため、フィルタ係数更新のための更新式にお
いて振幅及び位相のステップサイズパラメータはそれぞ
れμa、μpと表される。従って、フィルタ係数の更新
式は下記数6のようになる。
【0014】
【数6】
【0015】しかし、この適応制御による加振の場合、
高価なアクチュエータ等を用いる必要があるため、制御
コストが高価になるという問題がある。本発明は、上記
した問題を解決しようとするもので、安価なアクチュエ
ータを用いて、適応制御により振動発生源の振幅位相変
化に適正に対応できる加振機の駆動制御方法を提供する
ことを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記目的
を達成するために、上記請求項1に係る発明の構成上の
特徴は、開閉手段をオンオフさせることにより負圧状態
と大気圧状態とを切り替えて加振を行う負圧アクチュエ
ータを用いた加振機において、振動発生源からの周期性
のパルス信号に基づく入力信号に対して、適応フィルタ
の振幅補償係数及び位相補償係数の関数であるフィルタ
係数により振幅及び位相補償のうち少なくとも位相補償
を行い、適応フィルタからの出力信号にパルス幅変調を
施し、出力された変調信号により開閉手段のオンオフ制
御を行うようにしたことにある。
【0017】上記のように構成した請求項1に係る発明
においては、適応フィルタにより外力を抑制できるよう
に適応制御された出力信号に、パルス幅変調を施すこと
により、変調信号は、振動発生源からの信号に振幅及び
位相補償を加えた信号に対応したパルス信号が得られ
る。具体的に説明すると、図2に示すように、制御対象
信号に対し、適応フィルタW62のフィルタ係数により
振幅補償及び位相補償することにより、下記数7に示す
正弦波及び直流成分を含む信号yに合成されて出力され
る。出力信号yは、パルス幅変調器43、ソレノイドバ
ルブ45、負圧アクチュエータ20を経て車両等の制御
対象系63(伝達関数G)へ供給され、下記数8に示す
処理信号zが出力される。
【0018】
【数7】 y(n)=Asin(ωn T+φn )+an
【0019】ここで、an は直流成分であり、エンジン
回転数、エアコンオンオフ、シフトポジション等の車両
の運転状態により異なるもので、|an |<A/2の関
係になっている。Aは制御部のディジタル出力のダイナ
ミックレンジに依存する量である。
【0020】
【数8】 z(n)=Bsin(ωn T+φn )+bn
【0021】上記瞬間二乗平均誤差Jを示す数3を用
い、位相φn と振幅bn の勾配を求めると下記数9、数
10によって表される。
【0022】
【数9】
【0023】
【数10】
【0024】そして、上記数9、数10により、位相φ
n と振幅bn の更新式を求めると、下記数11、数12
のように表される。
【0025】
【数11】 φn+1 =φn −2Be(n)cos(ωn T
+φn )
【0026】
【数12】 bn+1 =bn −2Be(n)
【0027】以上に示したように、振幅bn (an )及
び位相φn が逐次更新され、それにより適応フィルタか
らの出力y(n)が変動する。この出力を所定の基準値
と比較し、基準値より小さい部分を0とするパルス信号
として取り出すことにより、振幅bn (an )及び位相
φn 変動に応じて幅変調されたパルス信号が得られる。
そして、この幅変調されたパルス信号により、開閉手段
をオンオフさせて、負圧アクチュエータの負圧状態及び
非負圧状態をコントロールすることにより、適正な振
幅、位相特性を備えた加振を行うことができ、振動発生
源からの外力振動を抑制することができる。
【0028】その結果、請求項1の発明によれば、安価
な負圧アクチュエータとソレノイドバルブ等の開閉手段
を用いて適応制御を行うことができ、安価に外力振動を
抑制することができる。なお、上記出力信号y(n)に
おいて直流部an については、車両の運転状態(エンジ
ン回転数、エアコンオンオフ、シフトポジション等)に
より0になることもあり、その場合にはデューティ比5
0%で位相変調のみ行われる。
【0029】また、上記請求項2に係る発明の構成上の
特徴は、開閉手段をオンオフさせることにより負圧状態
と大気圧状態とを切り替えて加振を行う負圧アクチュエ
ータを用いた加振機において、振動発生源からの周期性
のパルス信号に基づく入力信号に対して、予め適応制御
により求めたフィルタ係数のデータを用いて振幅及び位
相補償のうち少なくとも位相補償を行い、補償された信
号にパルス幅変調を施し、出力された変調信号により開
閉手段のオンオフ制御を行うようにしたことにある。
【0030】上記のように構成した請求項2に係る発明
においては、フィルタ係数データにより簡易に入力信号
の振幅及び位相補償または位相補償を行うことができ、
補償された信号に、パルス幅変調を施すことにより、変
調信号は、振動発生源からの信号に振幅及び位相補償ま
たは位相補償を加えた信号に対応したパルス信号が得ら
れる。その結果、請求項2の発明によれば、センサを用
いず、かつフィルタ係数データにより位相補償等を行う
という簡易な構成により、安価に上記請求項1の発明と
同様の効果を得ることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
を用いて説明すると、図1は、同実施形態に係るガソリ
ンエンジン車の振動除去システムを模式図により概略的
に示したものであり、図2は、適応制御系をブロック図
により示したものである。ガソリンエンジン車は、車体
10に負圧アクチュエータを含むエンジンマウント20
を搭載している。エンジンマウント20に支持されたエ
ンジン11のクランク軸に回転センサ12が設けられて
おり、また運転席13の下部にピックアップ加速度セン
サ14が設けられている。回転センサ12は、クランク
軸回転パルス信号を出力し、これに基づいて後述する制
御部41は、出力信号の基本周波数を決定する。また、
ピックアップ加速度センサ14はエラー信号を出力す
る。
【0032】振動除去システムは、制御装置40を設け
ている。制御装置40は、マイクロコンピュータよりな
る制御部41を備えており、その一部に適応制御部(DX
HS LMS)42を設けている。制御部41の入力側には、
上記回転センサ12及びピックアップ加速度センサ14
が接続されている。制御部41の出力側には、すなわち
図2に示す適応フィルタの出力側には、パルス幅変調器
43が接続されている。パルス幅変調器43は、図3に
示すように、コンパレータが用いられ、ここでは基準値
をグランドレベルとし、入力信号y(n)で基準値以上
を所定値として出力し、基準値以下を0としている。パ
ルス幅変調器43は、パワーアンプ44を介してエンジ
ンマウント20のソレノイドバルブ45に接続されてい
る。
【0033】上記エンジンマウント20は、図4に示す
ように、所定間隔を隔てて互いに同軸位置に配置され第
1支持金具21と第2支持金具30と、両者を連結する
略筒状のゴム弾性体28とにより構成されている。第1
支持金具21は、上面中心に円盤形の突出部23を有す
る円盤形の基部22を設けている。突出部23の上面ほ
ぼ全面には中心対称形の凹凸を含む皿状凹部23aが形
成されている。基部22の側面から中心に向けて1個の
通気孔22aが設けられており、通気孔22aには外側
から通気管24が螺着されている。突出部23の中心に
は、上面から通気孔22aに達する中心孔23bが設け
られている。基部22の裏面中心位置には、固定軸22
bが垂直に突設されている。また、基部22の外周側位
置には、板面を垂直に貫通した取付孔22cが設けられ
ている。上記通気管24には、図示しない接続パイプに
よって車両の吸気系等の負圧源に連結されており、接続
パイプには上記ソレノイドバルブ45が介装されてい
る。
【0034】突出部23には、基部22と同一外径でか
つ突出部23と同一内径の下開口部25aを有する円環
形状の環状部材25が基部22及び突出部23に密着状
態で嵌め合わされている。環状部材25の下開口部25
aには、突出部23の上端に当接する、内側にわずかに
突出した内フランジ部25bが設けられており、内フラ
ンジ部25bの上部は、内径が下開口部25aの内径よ
り大きな上開口部25cになっている。内フランジ部2
5bには、その内側開口を塞ぐ振動伝達板26が取り付
けられている。
【0035】振動伝達板26は、内フランジ部25b近
傍位置に設けた金属製のリング部材26aを挟んで外側
及び内側にゴム製の薄板26b,26cが形成されてい
る。内側の薄板26cには、中心に金属製の円板26d
が底面側を露出させて埋め込まれており、またリング部
材26aと円板26dの間には、リング部材26eが埋
め込まれている。外側の薄板26bは、内フランジ部2
5bの上下面に延びた状態で内フランジ部25bに取り
付けられている。振動伝達板26は、製造においては、
環状部材25を金型にセットし、ゴム射出成形により環
状部材25に一体で形成される。振動伝達板26とその
下側の皿状凹部23aの間には隙間T1が設けられてい
る。そして、環状部材25の側面には切欠部25dが設
けられ、切欠部25d位置には、軸方向に貫通した取付
孔25eが形成されている。
【0036】環状部材25の上部には、環状部材25と
略同一外径で内径が上開口部25cよりわずかに大きい
金属製の上環状部材27が載置されている。上環状部材
27は、底面に設けた取付孔27aに、環状部材25の
取付孔25eからボルト27bを螺合させることにより
環状部材25に固定される。上環状部材27の上方の同
軸位置には第2支持金具30が、中空円錐形状のゴム弾
性体28を介して配設されている。第2支持金具30
は、有底の筒状容器である下側金具31と上側金具35
とが互いに開口部を対向させて重ね合わされている。
【0037】下側金具31は、外側面31aが下方中心
方向にわずかに傾斜した円錐面になっており、底面31
bの中心に取付孔31b1 を設けると共に、底面31b
の一部にオリフィス孔31b2 を設けている。下側金具
31の開口部周囲には鍔状の外フランジ部31cが設け
られている。下側金具31の内部は、段差によって上側
部分と下側部分とに区分されており、下側部分に円板形
のオリフィス部材32が密着して嵌め込まれている。オ
リフィス部材32は、中心に上下に貫通する取付孔32
aを設けると共に、周囲の1カ所に上下に貫通する縦孔
32bを設けている。また、オリフィス部材32の底面
側にて、縦孔32bから円弧状に延長された横孔32c
を設けており、両孔32b,32cによりオリフィスを
構成している。オリフィス部材32は、横孔32cの先
端を下側金具31のオリフィス孔31b2 に連通させた
状態で、取付孔32aにビス32dを通して下側金具3
1の取付孔31b1 に螺合させることにより、下側金具
31内に固定されている。
【0038】下側金具31内の上側部分には、薄肉金属
板製の有底筒状で開口部に外フランジ部を有するダイヤ
フラム部材33が密着して嵌め込まれている。ダイヤフ
ラム部材33の底面33aとオリフィス部材32の上面
との間には、わずかの隙間T2 が設けられており、上端
が下側金具31の上端と面一になっている。
【0039】上側金具35は、開口側周囲に外フランジ
部35aを設けており、底部35bの外面の中心位置に
固定軸35cを設け、また周壁35dには空気流通孔3
5eを設けている。上側金具35の外フランジ部35a
を下側金具31の外フランジ部31cに重ねて、ネジ3
6止めすることにより両者が一体にされ第2支持金具3
0に形成される。第2支持金具30内には、上側金具3
5とダイヤフラム部材33に挟まれて、空気室K2 が形
成されている。
【0040】そして、下側金具31の周壁と上環状部材
27の内周壁との間には、上記ゴム弾性体28が、略円
錐筒状に配設されており、両部材27、31間を連結す
ると共に、下側金具31の底面31b、環状部材25及
び振動伝達板26との間に液体収容空間K1 を設けてい
る。ゴム弾性体28は、製造時に、上環状部材27と下
側金具31を金型にセットすることにより、ゴム射出成
形により上環状部材27と下側金具31に一体で形成さ
れる。液体収容空間K1 には液体が充填されており、こ
の液体は、オフィリス部材32のオリフィス内及び上記
隙間T2 にも充填されるようになっている。エンジンン
マウント20は、固定軸22bによって車体10に固定
され、固定軸35cにエンジン11を取り付けることに
より、エンジン11を防振支持している。
【0041】このエンジンマウント20は、ソレノイド
バルブ45をオンにすることにより、負圧源によって、
接続パイプ、通気管24、通気孔22a及び中心孔23
bを通して空気が吸引され、隙間T1 内が負圧状態にさ
れ、振動伝達板26が下側に引っ張られる。それに伴い
液体収容空間K1 内の液体が下方に移動し、オリフィス
部材32及び隙間T2 内の液体が吸引され、そのためダ
イヤフラム部材33が下方に変形する。逆に、ソレノイ
ドバルブ45をオフにすることにより接続パイプ、通気
管24、通気孔22a、中心孔23bに空気が供給さ
れ、隙間T1 内が大気状態にされ、振動伝達板26が上
方に戻される。それに伴い液体収容空間K1 内の液体が
上方に移動し、オリフィス部材32及び隙間T2 内に液
体が満たされ、そのためダイヤフラム部材33が正常位
置に戻される。このような、ソレノイドバルブ45のオ
ンオフの繰り返しによるダイヤフラム部材33の振動に
よりエンジンマウント20が加振される。
【0042】上記実施形態の動作について説明すると、
図2に示す適応制御系により、振動発生源51からの信
号が適応フィルタ62によって振幅及び位相を更新さ
れ、その出力信号y(n)がパルス幅変調器43を通し
て幅変調される。これにより、図5(a),(b)に示
すように、直流成分an の更新の程度に応じて、振幅及
び位相制御を、位相変化とパルス幅の変化に変換した変
調パルス信号sh として出力することができる。この変
調パルス信号sh をパワーアンプ44で増幅した後、ソ
レノイドバルブ45を駆動することにより、適応制御に
より更新された振幅及び位相に相当するパルス信号によ
ってエンジンマウント20を加振させることができ、振
動発生源からの振動を効果的に抑制することができる。
【0043】また、本実施形態によれば、ソレノイドバ
ルブ45とパルス幅変調器43を用いるのみで、車両の
負圧発生源を利用することにより安価に加振制御を行う
ことができる。なお、出力信号y(n)において直流部
an については、車両の運転状態(エンジン回転数、エ
アコンオンオフ、シフトポジション等)により0になる
こともあり、その場合にはデューティ比50%で位相変
調のみ行われる。
【0044】上記実施形態の変形例として、図6に示す
ように、パルス幅変調をアナログ回路であるコンパレー
タ43の代わりに、制御部41内にデジタル処理で行う
パルス幅変調部43aを設けるようにできる。これによ
り、外付け部品を無くし、制御系の構成を簡略にでき
る。
【0045】なお、上記実施形態においては、振動発生
源からの入力信号を適応制御により振幅及び位相補償ま
たは位相補償を行い、補償された信号にパルス幅変調を
施し、ソレノイドバルブをオンオフさせることにより、
エンジンマウント20のアクチュエータを駆動している
が、これに代えて、入力信号に対して、予め適応制御に
より求めたフィルタ係数のデータを用いて振幅及び位相
補償または位相補償を行い、補償された信号にパルス幅
変調を施し、出力された変調信号によりソレノイドバル
ブ45のオンオフ制御を行うようにすることができる。
これにより、ピックアップ加速度センサ等を用いず、か
つフィルタ係数データにより位相補償等を行うという簡
易な構成により、安価にエンジンマウントの加振制御を
行うことができる。
【0046】なお、エンジンマウントの具体的構造につ
いては、上記実施形態に示した構造に限るものではな
い。また、上記実施形態においては、本発明を自動車の
エンジンマウントの加振制御に用いた場合について説明
したが、その他、弾性体により支持される質量部材の振
動を制御して、これに基づく伝達力を用いるダイナミッ
クダンパの加振制御にも用いることができる。さらに、
上記実施形態においては、適応制御系として遅延調和シ
ンセサイザ最小平均自乗フィルタを用いた適応制御につ
いて説明したが、適応最小平均自乗フィルタ(Filtered
-X LMS)を用いた制御に対しても同様に本発明を適用す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である周期性信号の適応制
御装置(DXHS LMS)を適用した車両の一部を概略的に示
すブロック図である。
【図2】同適応制御装置を示すブロック図である。
【図3】同適応制御装置に使用されるパルス幅変調器を
示す回路図である。
【図4】同車両に使用されるエンジンマウントを示す一
部断面図である。
【図5】パルス幅変調器の動作を説明するグラフであ
る。
【図6】他の実施形態である周期性信号の適応制御装置
(DXHS LMS)を適用した車両の一部を概略的に示すブロ
ック図である。
【符号の説明】
10…車体、11…エンジン、12…回転センサ、14
…ピックアップ加速度センサ、20…エンジンマウン
ト、21…第1支持金具、22…基部、22a…通気
孔、23…突出部、23a…皿状凹部、23b…中心
孔、25…環状部材、25a…下開口部、25b…フラ
ンジ部、25c…上開口部、26…振動伝達板、26
b,26c…薄板、27…上環状部材、28…ゴム弾性
体、30…第2支持金具、31…下側金具、31b…底
面、31b2 …オリフィス孔、32…オリフィス部材、
33…ダイヤフラム部材、35…上側金具、40…制御
装置、41…制御部、42…適応制御部、43…パルス
幅変調器、44…パワーアンプ、45…ソレノイドバル
ブ、T1 ,T2 …隙間、K1 …液体収容空間、K2 …空
気室。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開閉手段をオンオフさせることにより負
    圧状態と大気圧状態とを切り替えて加振を行う負圧アク
    チュエータを用いた加振機において、 振動発生源からの周期性のパルス信号に基づく入力信号
    に対して、適応フィルタの振幅補償係数及び位相補償係
    数の関数であるフィルタ係数により振幅及び位相補償の
    うち少なくとも位相補償を行い、前記適応フィルタから
    の出力信号にパルス幅変調を施し、出力された変調信号
    により前記開閉手段のオンオフ制御を行うようにしたこ
    とを特徴とする加振機の駆動制御方法。
  2. 【請求項2】 開閉手段をオンオフさせることにより負
    圧状態と大気圧状態とを切り替えて加振を行う負圧アク
    チュエータを用いた加振機において、 振動発生源からの周期性のパルス信号に基づく入力信号
    に対して、予め適応制御により求めたフィルタ係数のデ
    ータを用いて振幅及び位相補償のうち少なくとも位相補
    償を行い、補償された信号にパルス幅変調を施し、出力
    された変調信号により前記開閉手段のオンオフ制御を行
    うようにしたことを特徴とする加振機の駆動制御方法。
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