JP3952584B2 - 能動型防振装置 - Google Patents

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    • F16F13/26Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper characterised by adjusting or regulating devices responsive to exterior conditions
    • F16F13/264Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper characterised by adjusting or regulating devices responsive to exterior conditions comprising means for acting dynamically on the walls bounding a working chamber

Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、制振対象部材に装着される防振装置本体に対して、非圧縮性流体が封入された流体室を形成し、この流体室の圧力を制御手段で調節することにより、制振対象部材の振動を能動的に低減せしめる能動型防振装置に係り、特に、自動車用のエンジンマウントや制振器などとして好適に用いられる能動型防振装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】
自動車の車体等のように振動(振動に起因する騒音を含む)が問題とされる制振対象部材においては、その振動を低減するために、従来から、振動源と制振対象部材の間に介装されて振動源から制振対象部材への振動伝達を低減するエンジンマウント等の防振連結体や、制振対象部材に直接取り付けられて制振対象部材自体の振動を吸収,低減せしめるダイナミックダンパ等の制振器などといった防振装置が、従来から採用されている。そして、このような防振装置の一種として、近年における防振特性の要求の高度化に対処するために、実開昭61−191543号公報や特許第2510914号公報,特許第2510915号公報等には、制振対象部材からの振動入力によって弾性変形せしめられる本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された流体室を有すると共に、駆動手段によって変位せしめられる加振板にて該流体室の壁部の他の一部が構成されてなる防振装置本体を備え、制振対象部材の振動に対応した制御用電気信号を駆動手段に給電せしめて加振板を加振制御することにより、流体室の内圧を制御して加振力を発生させ、制振対象部材の振動を相殺的乃至は積極的に低減せしめるようにした能動型防振装置が、開示されている。
【0003】
ところで、かくの如き能動型防振装置において有効な防振効果を得るためには、制振対象部材における振動形態に出来るだけ対応した波形の加振力、即ち流体室の内圧変化を生ぜしめることが有効である。そこで、例えば、自動車等の内燃機関を振動源とする場合などにおいては、特開平8−72561号公報や特開平9−42374号公報等に記載されているように、制振対象部材の振動波形に対応した周期や振幅,位相を有する正弦波電流を制御用電気信号として採用し、かかる制御用電気信号を、電磁駆動式等の駆動手段に給電して加振力を生ぜしめることが考えられる。
【0004】
ところが、制振対象部材の振動波形に対応した正弦波の駆動電流を得ようとすると、駆動電流を生成する制御装置が複雑となり、高コスト化が避けられず、高周波のノイズも乗り易いという問題があった。より具体的には、制振対象部材の振動波形に対応した正弦波の駆動電流を得る手法としては、例えば、制振対象部材の振動波形に対応したアナログ的な正弦波の基本電圧信号を得、かかる基本電圧信号の位相と振幅(ゲイン)をアナログ的な処理回路で調節することによって、目的とする駆動電流を得るアナログ制御と、制振対象部材の振動形態に応じたパルス幅変調によってデジタル的な基本電圧信号を得、トランジスタ等のスイッチ素子を用いたHブリジ回路等で給電制御することによって目的とする駆動電流を得るPWM制御が、考えられる。しかしながら、前者のアナログ制御では、アナログ的な正弦波の電圧信号を生成し、更にその位相とゲインを制御するための電気回路が極めて複雑となるために高コスト化が避け難い等という問題があった。また、後者のPWM制御では、非常に高周波の搬送パルス波(キャリア)が必要で、制御信号を高周波で変更制御するために高速演算能力が要求されると共に、制御プログラムが複雑となって大きなメモリ能力が要求されるために、16〜32ビット程度の処理能力が高いCPUが必要となって、高コスト化が避け難いという問題があった。
【0005】
さらに、前述の如き能動型防振装置において相殺的な防振効果を有効に得るためには、制振対象部材における振動を相殺するに十分な加振力を生ぜしめることが必要となるが、制振対象部材の振動レベルが高い場合には、加振板を加振する駆動手段の大型化に伴う防振装置の大型化と重量化や、消費電力の増大が問題となり易いという問題があった。
【0006】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、制振対象部材に対する有効な防振効果を確保しつつ、制御用電気信号を生成する制御手段の構造の簡略化と低コスト化が有利に図られ得る能動型防振装置を提供することにある。
【0007】
また、本発明は、制御用電気信号に乗る高周波成分(ノイズ)に起因する高周波数域での防振特性の低下が、複雑な電気的信号処理等を必要とすることなく容易に且つ有利に軽減乃至は防止され得る能動型防振装置を提供することも、目的とする。
【0008】
更にまた、本発明は、駆動手段の大型化や消費電力の増大を抑えつつ、発生加振力の増大が図られ得る能動型防振装置を提供することも、目的とする。
【0009】
【解決手段】
そして、このような課題を解決するために、本発明の特徴とするところは、制振対象部材からの振動入力によって弾性変形せしめられる本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された流体室を有すると共に、駆動手段によって変位せしめられる加振板にて該流体室の壁部の他の一部が構成されてなる防振装置本体と、かかる制振対象部材の振動に対応した制御用電気信号を前記駆動手段に給電することにより、前記加振板を加振制御する制御手段とを、備えた能動型防振装置において、前記流体室内で前記加振板に対して所定距離を隔てて対向位置するように、仕切部材を配設して、該流体室を二つに仕切ることにより、該流体室を、前記本体ゴム弾性体の弾性変形に基づく圧力変化が及ぼされる主液室と、該加振板と該仕切部材との間に位置する、該加振板の変位に基づく圧力変化が及ぼされる副液室を含んで構成すると共に、それら主液室と副液室を連通する第一のオリフィス通路を設ける一方、前記駆動手段を、給電される制御用電気信号の大きさに対応した大きさの駆動力を生ずる電気−力変換型駆動手段にて構成し、且つ前記制御手段を、前記制振対象部材における振動周波数に対応した周波数のパルス波を生成するパルス波生成手段と、該パルス波の位相を前記制振対象部材における振動状態に応じて調節する位相調節手段と、前記制振対象部材における振動レベルに応じた駆動力が前記駆動手段にて得られるように該パルス波の波形を調節する駆動力調節手段を含んで構成せしめて、該制御手段によって得られたパルス状の制御用電気信号を前記駆動手段に給電するようにしたことにある。
【0010】
このような本発明に従う構造とされた能動型防振装置においては、制御手段によって得られた、制振対象部材の振動周波数に対応した周波数を有するパルス状の制御用電気信号が、直接に、防振装置本体の駆動手段に給電される。そして、駆動手段により加振板が、かかる制御用電気信号の周波数に応じた周波数で加振されて、副液室に内圧変化が生ぜしめられると、主液室と副液室の間で、それら両室間の内圧差に基づいて、第一のオリフィス通路を通じての流体流動が生ぜしめられることとなり、以て、この第一のオリフィス通路を通じての流体流動によって副液室の内圧変化が主液室まで伝達せしめられ、この主液室の圧力変化が加振力として制振対象部材に及ぼされる。
【0011】
そこにおいて、第一のオリフィス通路は、その通路長さや断面積、封入流体の粘性や密度、主液室および副液室の壁ばね剛性等の値によって決定される固有の共振周波数を有しており、その共振周波数域では、共振作用によって流体の流動量が著しく増大せしめられる一方、共振周波数を外れた周波数域、特に共振周波数よりも高い周波数域では、流体の流動抵抗が大幅に増大してしまう特性を有している。そして、本発明に係る能動型防振装置においては、加振板の変位に伴う流体室の内圧変化を直接的に加振力として利用するものでなく、加振板の変位に伴って直接的な内圧変化が生ぜしめられる副液室から、第一のオリフィス通路を通じての流体流動を介して、主液室に内圧変化を伝達し、この主液室の内圧変化を加振力として利用することとなる。
【0012】
従って、本発明に従う構造とされた能動型防振装置においては、第一のオリフィス通路による圧力伝達に際して、圧力変化の緩衝的作用が発揮されることとなり、駆動手段に対してパルス状の制御用電気信号を直接に給電しても、主液室におけるパルス的な圧力変化が抑えられ、パルス立上り時間および立下り時間が大きくされて正弦波に近付けられた波形の圧力変化が生ぜしめられることから、制振対象の振動波形に近く有効な制振効果を発揮し得る加振力を得ることが出来るのである。
【0013】
しかも、本発明に係る能動型防振装置においては、パルス波生成手段によって生成されるパルス波の波形を、制振対象部材における振動レベルに応じた駆動力が駆動手段にて得られるように調節する駆動力調節手段を備えていることから、制振対象部材の振動に対して一層優れた制振効果が、安定して発揮され得る。
【0014】
また、本発明に係る能動型防振装置においては、オリフィス通路の共振周波数よりも高い周波数域で、オリフィス通路を通じての流体流動量ひいては圧力伝達効率が大幅に低下せしめられることによって、フィルタ的作用が発揮され得るのであり、それ故、オリフィス通路の共振周波数を、防振を目的とする振動周波数等に応じて適当にチューニングすることにより、制御用電気信号に高次成分が乗ること等に起因する高周波ノイズが、特別な信号処理を必要とすることなく、有効に低減され得て、高周波数域の防振効果の低下が軽減乃至は回避されるのであり、以て、防振効果の更なる向上が図られ得るのである。
【0015】
更にまた、オリフィス通路の共振周波数域では、流体の共振作用によってオリフィス通路を通じての流体流動量が増大されると共に、防振装置本体における絶対ばね定数が低減されることにより、副液室から主液室に伝達される圧力の増幅的作用が発揮されて、オリフィス通路を通じての大きな振動伝達効率が確保されるのであり、それ故、オリフィス通路の共振周波数を、防振を目的とする振動周波数等に応じて適当にチューニングすることにより、発生加振力を十分に確保しつつ、駆動手段ひいては防振装置本体の小型,軽量化や、消費電力の減少が実現可能とされるのである。
【0016】
加えて、本発明に従う構造とされた能動型防振装置においては、制御用電気信号として、制振対象部材における振動周波数に対応した周波数のパルス状の電気信号が採用されることから、アナログ制御における正弦波信号の生成や処理のための複雑な電気回路等が不要であると共に、PWM制御における高周波信号処理のための高能力の処理装置(CPU)等も必要とされることがないのであり、それ故、低い能力のCPUによって制御装置が実現可能とされて、制御装置の簡略化と低コスト化も有利に達成され得るのである。
【0017】
なお、本発明に係る能動型防振装置において、防振装置本体は、例えば、自動車用エンジンマウントやボデーマウント等のように振動伝達部材と被振動伝達部材(制振対象部材)の間に介装されて、それら両部材を防振連結し或いは一方の部材を他方の部材に防振支持せしめる防振連結体として構成され得る他、制振対象部材に対して単独で取り付けられて該制振対象部材の振動を能動的に低減する制振器等としても構成され得る。また、電気−力変換型駆動手段としては、発生力を電気信号によって制御することの出来るものであって、特に線形的な入出力特性を有するものが望ましく、例えば、ボイスコイル型やムービングマグネット型,ソレノイド型等の電磁駆動手段や、電歪素子や磁歪素子等の歪素子を用いた駆動手段などが好適に採用され得るが、その他、駆動力としての空気圧や油圧等の流体圧をサーボ弁等を用いて電気信号で制御して駆動力を生ぜしめる流体圧駆動手段なども採用可能である。更にまた、パルス波生成手段は、制振対象部材における振動形態や、振動源の種類等に応じて適宜に決定されるものであって、制振対象部材において防振しようとする振動周波数に対応した周波数のパルス波を生成し得る各種の電気的または機械的装置が採用され得る。なお、生成パルス波の周波数は、防振を目的とする振動の周波数に対応していれば良く、防振すべき振動周波数と同一周波数の他、2倍やそれ以上、或いは1/2倍やそれ以下の周波数を有していても良い。また、かかる生成パルス波は、位相の基準点が防振を目的とする振動と合わされた同期信号であれば良く、防振を目的とする振動と位相が一致していることは、必ずしも必要でない。更に、位相調節手段は、駆動手段に給電されるパルス状の制御用電気信号の位相を、制振対象部材に対して有効な制振効果を発揮し得るように変更調節し得るものであって、例えば、コンピュータを用いたソフト的な処理等によって、容易に実現され得る。
【0018】
また、制御手段から駆動手段に給電される制御用電気信号は、電流方向が一方向であるデジタル的なON/OFF信号からなるパルス信号の他、電流方向が変化する±の極性をもったパルス信号も採用可能である。更に、電気−力変換型駆動手段としても、入力される制御用電気信号の極性に応じて、加振板に及ぼされる駆動力の方向が変化するものの他、入力される制御用電気信号の極性に拘わらずに一定方向の駆動力を加振板に及ぼすものも、採用可能である。
【0019】
さらに、本発明に従う構造とされた能動型防振装置において、駆動力調節手段は、駆動手段に給電されるパルス状の制御用電気信号のパルス波形を、制振対象部材に対して有効な制振効果を発揮し得るだけの加振力が駆動手段で生ぜしめられるように、変更調節し得るものであって、例えば、パルス波生成手段で得られたパルス波を基準として、そのパルス数や立上り時間,立下り時間,位相等を調節するものであっても良いが、好ましくは、かかる駆動力調節手段は、制振対象部材における振動レベルに応じてパルス波の電気レベルを調節するゲイン調節手段や、或いは、制振対象部材における振動レベルに応じてパルス波のデューティ比を調節するデューティ比調節手段を含んで構成されることによって、実現される。
【0020】
特に、駆動力調節手段をゲイン調節手段で構成する場合には、例えば、パルス波生成手段で得られたパルス波をトランジスタやFET等のスイッチング手段を用いた増幅器によって増幅するに際して、そのソース電圧を、制振対象部材における振動レベルに応じて調節して、パルス波の振幅を調節すること等によって、有利に実現され得る。なお、かかるソース電圧の調節手段としては、例えば、従来から公知の電圧制御器等を用いることも可能であるが、簡単な回路構成で高精度な制御を行うことの出来るPWM制御が好適に採用される。また、PWM制御を採用する場合でも、防振しようとする振動周波数に対応した制御用電気信号の周期、即ちパルス波生成手段で得られたパルス波の周期で、ソース電圧の変更制御のための演算処理を行えば良いことから、高い能力の処理装置が必要とされるようなことがない。更にまた、ゲイン調節手段を採用する場合には、ゲイン調節手段のソース電源として、安定化電源装置を採用することが望ましく、それによって、制御用電気信号の電気レベルひいては発生加振力が、制振対象部材の振動レベルに対して、より高精度に対応せしめられることとなり、一層優れた防振効果が発揮される。
【0021】
また、駆動力調節手段をデューティ比調節手段で構成する場合には、駆動手段に給電される制御用電気信号のデューティ比を、制振対象部材における振動レベルに応じて変更する、コンピュータを用いたソフト的処理等によって有利に実現され得る。なお、デューティ比とは、パルススペース:Tpに対するパルス持続時間:Tdの割合:Td/Tpをいう。
【0022】
更にまた、本発明に従う構造とされた能動型防振装置にあっては、その制御手段が、駆動手段に給電される制御用電気信号におけるデューティ比を40%〜60%、より好ましくは略50%とするデューティ比制限手段を含んで構成されることが、望ましい。このようにパルス持続時間:Tdとパルスセパレーション時間:Tsが略等しくされたパルス状の制御用電気信号を用いることによって、主液室の内圧制御ひいては発生加振力に含まれる高次成分を一層低く抑えることが可能となり、高周波数域における防振性能の低下が一層有利に軽減され得る。しかも、加振周波数域においても、発生加振力の波形を、より正弦波に近づけることが可能となることから、制振対象部材に対する防振効果の更なる向上も図られ得る。
【0023】
なお、かかるデューティ比制限手段は、駆動力調節手段を前記ゲイン調節手段で構成する場合にも、またデューティ比調節手段で構成する場合にも、採用可能であり、更には、例えばゲイン調節手段およびデューティ比調節手段とデューティ比制限手段を組み合わせて採用し、デューティ比が40〜60%の制限範囲内では、デューティ比調節手段によって駆動力調節を行うと共に、デューティ比調節手段だけではデューティ比が制限範囲を越える場合にだけ、ゲイン調節手段を採用して、デューティ比を制限範囲内に抑えるような制御も可能である。
【0024】
ところで、本発明に従う構造とされた能動型防振装置にあっては、防振装置本体において、加振板が、その変位によって副液室に内圧変化を生ぜしめ得るように、変位可能に配設されていれば良いが、好ましくは、かかる加振板が、支持ゴム弾性体を介して弾性的に支持せしめられ、該支持ゴム弾性体の弾性変形によって加振板の変位が許容されるようにした構成が採用される。このような構成を採用すれば、加振板の変位に際して支持ゴム弾性体の弾性変形に伴う減衰力が発揮されるのであり、それ故、加振板の変位ひいては副液室および主液室における圧力変化が滑らかとされて、制振対象の振動波形に近く有効な制振効果を発揮し得る加振力を、より有利に得ることが出来るのである。なお、より好適には、加振板を弾性支持せしめる支持ゴム弾性体によって、副液室の壁部の一部が構成されて、副液室の圧力変化に対しても、支持ゴム弾性体の弾性変形に伴う減衰力が発揮せしめられるようにされる。
【0025】
また、このように、加振板を支持ゴム弾性体等によって所定の中立位置に弾性的に支持せしめてなる構造を採用した場合には、駆動手段によって加振板に駆動力が及ぼされていない状況下で、加振板が中立位置に原点復帰されることから、加振板の加振による流体室圧力ひいては発生加振力の制御精度が、簡単な構造で向上され得るといった利点がある。特に、電流方向が一方向であるデジタル的なON/OFF信号からなる制御用電気信号を採用したり、制御用電気信号の極性に拘わらずに一定方向の駆動力を加振板に及ぼす駆動手段を採用した場合等においても、加振板を支持ゴム弾性体等によって所定の中立位置に弾性的に支持せしめてなる構造を採用することによって、加振板の加振制御ひいては流体室の内圧制御の高精度化が、簡単な構造で実現され得るのである。
【0026】
更にまた、本発明に従う構造とされた能動型防振装置においては、上述の如き支持ゴム弾性体の弾性変形に伴う減衰力に基づく発生加振力の円滑化と同様な作用を、電気回路によって達成せしめることも有効である。具体的には、制御用電気信号の駆動装置に対する給電回路上において、微積要素のように電気信号の立上りおよび立下りを電気的に緩衝する遅れ要素を付加すること等によって、発生加振力の波形を制振対象部材の振動波形により近付けて防振効果の向上を図ることが可能である。なお、このような遅れ要素は、支持ゴム弾性体と併せて採用することが出来る。
【0027】
さらに、本発明に従う構造とされた能動型防振装置にあっては、防振装置本体において、流体室を、壁部の一部が変形容易な可撓性膜で構成されて、主液室および副液室から独立して形成された平衡室を含んで構成すると共に、該平衡室を主液室または副液室に連通する第二のオリフィス通路を設け、この第二のオリフィス通路を第一のオリフィス通路よりも低周波数域にチューニングせしめてなる構成が、好適に採用される。このような構成を採用すれば、特に装着状態下で防振装置本体に被支持体重量等の初期荷重が及ぼされる場合にも、平衡室の容積変化によって主液室の内圧増大が回避されることから、加振板の加振制御による主液室の圧力制御が有効になされ得て、目的とする防振効果が安定して発揮され得る。また、第二のオリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の共振作用を利用することによって、防振効果の向上を図ることが可能であり、特に、第一のオリフィス通路のチューニング周波数よりも低周波数域では、前述の如き第一のオリフィス通路によるフィルタ的作用が低下して防振性能が低下するおそれがあるが、かかる第二のオリフィス通路が第一のオリフィス通路よりも低周波数域にチューニングされていることによって、第二のオリフィス通路を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて、低周波数域における振動絶縁効果乃至は制振効果の確保が可能となるのである。しかも、第二のオリフィス通路は、第一のオリフィス通路よりも低周波数域にチューニングされていることから、前述の如き第一のオリフィス通路を利用した流体圧制御に基づく防振効果が発揮される周波数域では、第二のオリフィス通路の流通抵抗が著しく大きくなって実質的に閉塞状態となることから、第一のオリフィス通路を利用した防振効果も、有効に発揮され得るのである。
【0028】
また、本発明に従う構造とされた能動型防振装置において、防振装置本体の具体的構造は特に限定されるものでないが、例えば、互いに離間配置された第一の取付部材と第二の取付部材を、本体ゴム弾性体にて弾性的に連結すると共に、第二の取付部材によって支持された仕切部材の一方の側に、壁部の一部が本体ゴム弾性体で構成された主液室を形成し、仕切部材の他方の側に、壁部の一部が加振板で構成された副液室を形成する一方、加振板に変位力を及ぼす駆動手段を、第二の取付部材で支持せしめてなる構造をもって、防振装置本体を構成せしめて、かかる第一の取付部材および第二の取付部材の何れか一方を、制振対象部材に取り付けるようにした構成が好適に採用され得る。このような構成を採用すれば、主液室や副液室等を効率的に形成配置せしめて防振装置本体をコンパクトに形成することが出来る。
【0029】
さらに、本発明に従う構造とされた能動型防振装置は、自動車用のエンジンマウントやボデーマウント等の防振連結体、或いは排気管用等の制振器などの他、自動車以外の各種装置に対して適用可能であるが、特に、内燃機関を振動発生源とする制振対象部材に対する防振装置として好適に採用され得る。そして、その場合には、制御手段におけるパルス波生成手段が、内燃機関のクランク回転角度に対応したパルス波を発生するパルス波発生手段によって、有利に構成され得る。即ち、内燃機関においては、エンジン回転数に対応する周期の振動が生ぜしめられることから、内燃機関のクランク回転角度に対応したパルス波を用いて制御用電気信号を得ることによって、能動的な制振効果を発揮し得る加振力を有利に生ぜしめることが出来るのである。なお、かかるパルス波発生手段の具体例としては、例えば、エンジンの点火時期やクランク角等を検出し得る磁気的,電気的,或いは光学的な各種センサなどが挙げられる。
【0030】
また、本発明に従う構造とされた能動型防振装置にあっては、制御手段において、加振板の加振周波数:fの設定範囲が、第一のオリフィス通路における絶対ばね定数の低減効果のチューニング周波数:Fに対して、3F/4≦f≦3Fとなるようにすることが望ましい。より好適には、第一のオリフィス通路におけ絶対ばね定数の低減効果のチューニング周波数:Fが、防振すべき主たる振動の周波数に対して±5Hzの範囲内に設定される。なお、絶対ばね定数の低減効果のチューニング周波数:Fとは、オリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の共振作用に基づく絶対ばね定数の低減効果によって、防振装置本体における絶対ばね定数が最小ピーク値を示す周波数をいう。かくの如く、第一のオリフィス通路をチューニングすることによって、前述の如き第一のオリフィス通路によるフィルタ的作用と増幅的作用が、何れも、より効果的に発揮されることとなり、一層優れた防振効果が発揮されるのである。
【0031】
更にまた、本発明に従う構造とされた能動型防振装置にあっては、制御手段が、位相調節手段によって決定される制御用信号の位相と、駆動力調節手段によって決定される制御用信号のパルス波形を、それぞれ、予め設定された複数パターンで記憶する記憶手段と、制振対象部材の振動状態に関係する参照信号に基づいて、該記憶手段に記憶された何れかのパターンを選択することにより、前記制御用信号の位相とパルス波形を決定するマップ制御手段を、含んで構成されることが、望ましい。このような構成の制御手段を採用すれば、オープンループ的な制御機構によって駆動手段を加振制御することも可能となると共に、制御機構の簡略化や、制御速度および応答速度の向上による防振効果の向上等を容易に達成することが出来る。なお、参照信号としては、例えば内燃機関を備えた自動車の場合、エンジン回転数信号やシフトレバー位置信号,車速信号,スロットル開度信号,水温や油温或いは防振装置におけるゴム弾性体等の温度信号などが、単独で若しくは組み合わされて採用され得る。
【0032】
尤も、本発明に従う構造とされた能動型防振装置においては、上述の如きマップ制御手段による制御機構に限定されるものでない。例えば、制振対象部材の振動レベルを検出する振動加速度センサや変位センサ,荷重センサ等の振動センサを設け、この振動センサの出力値を偏差信号として、制御用信号の位相や電気レベルを変更するフィードバック制御機構を採用することも可能である。また、マップ制御機構を採用しつつ、データテーブルにおける制御用信号の位相やパルス波形の設定値を、フィードバック系によって、適当な時期乃至は周期で確認,変更して、補正,学習せしめること等も可能である。或いはまた、フィードバック制御機構における制御用信号の位相や電気レベルを、適応制御によって調節すること等も可能である。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0034】
先ず、図1には、本発明の一実施形態としての能動型防振装置を構成する防振装置本体としての自動車用エンジンマウント10が、示されている。このエンジンマウント10は、互いに所定距離を隔てて配された第一の取付金具12と第二の取付金具14が、本体ゴム弾性体16によって弾性的に連結されており、第一の取付金具12がパワーユニット18に固着されると共に、第二の取付金具14がボデー20に固着されることにより、パワーユニット18をボデー20に対して防振支持せしめるようになっている。なお、かかるエンジンマウント10は、自動車への装着状態下でパワ−ユニット18の重量が及ぼされることにより、本体ゴム弾性体16が圧縮変形して、第一の取付金具12と第二の取付金具14が互いに接近方向に所定量だけ変位せしめられる。また、そのような装着状態下、防振すべき主たる振動が、第一の取付金具12と第二の取付金具14の略対向方向(図中、略上下方向に入力されることとなる。なお、以下の説明中、上下方向とは、原則として、図1中の上下方向をいう。
【0035】
より詳細には、第一の取付金具12は、それぞれ略有底円筒形状の上金具22と下金具24が、各開口側で互いに軸方向に重ね合わされてボルト連結されることにより、中空構造をもって形成されている。なお、上金具22の底壁部には、上方に突出する取付ボルト26が固設されており、この取付ボルト26によって、第一の取付金具12がパワーユニット18に取り付けられるようになっている。
【0036】
また、第一の取付金具12の中空内部には、可撓性膜としての変形容易な薄肉の略円板形状を有するゴム弾性膜28が収容配置されており、外周縁部を上下金具22,24間で挟持されることによって、第一の取付金具12の中空内部が、ゴム弾性膜28を挟んで、上金具22側と下金具24側とに流体密に仕切られている。これにより、ゴム弾性膜28と下金具24の間には、非圧縮性流体が封入されてゴム弾性膜28の変形に基づいて容積変化が容易に許容される平衡室30が形成されていると共に、ゴム弾性膜28と上金具22の間には、外部空間に連通されてゴム弾性膜28の変形を許容する空気室32が形成されている。なお、封入流体としては、水やアルキレングリコール,ポリアルキレングリコール,シリコーン油等が何れも採用可能であるが、流体の共振作用に基づく防振効果を有効に得るためには、0.1Pa・s以下の粘度を有するものが望ましい。
【0037】
さらに、第一の取付金具12を構成する下金具24の底壁部には、円板形状の通路形成金具34が重ね合わされてボルト固定されている。そして、これら下金具24と通路形成金具34の重ね合わせ面間において、周方向に一周弱の長さで延びる流体連通路35が形成されており、該流体連通路35の一方の端部が、平衡室30に連通されていると共に、他方の端部が、下金具24の下面に開口せしめられている。
【0038】
また一方、第二の取付金具14は、円環ブロック形状の支持金具36と円形ブロック形状のヨーク部材38および円板形状の底金具40が、互いに軸方向に重ね合わされてボルト連結されることにより構成されている。なお、底金具40には、中央部分に取付ボルト穴41が設けられており、この取付ボルト穴41に螺着されるボルトによって、第二の取付金具14が、ボデー20に取り付けられるようになっている。
【0039】
そして、この第二の取付金具14が、第一の取付金具12に対して、軸方向下方に所定距離を隔てて対向位置せしめられており、それらの間に介装された本体ゴム弾性体16によって弾性的に連結されている。かかる本体ゴム弾性体16は、厚肉のテーパ筒形状を有しており、その小径側開口部が、第一の取り付け金具12を構成する下金具22の外周面に加硫接着されている一方、その大径側開口部に連結リング42が加硫接着されている。そして、連結リング42が、第二の取付金具14を構成する支持金具36の上面に重ね合わされてボルト固定されることにより、本体ゴム弾性体16の大径側端部が第二の取付金具14に固着されている。これにより、第一の取付金具12と第二の取付金具14が本体ゴム弾性体16で弾性連結せしめられ、以て、第一の取付金具12と第二の取付金具14の対向面間において、周囲を本体ゴム弾性体16で画成されて外部空間に対して流体密に閉塞された内部空所が形成されている。なお、本体ゴム弾性体16の軸方向中間部分には、弾性変形の安定化を図り、座屈等を防止するための拘束リング44が加硫接着されている。
【0040】
また、第二の取付金具14を構成する支持金具36の中央孔46内の略中央部分には、該中央孔46よりも小径の円板形状を有する加振板48が配設されている。なお、この加振板48は、金属や合成樹脂等の硬質材にて形成されている。また、支持金具36の内周縁部と加振板48の外周縁部との径方向対向面間には、略円環板形状を有する支持ゴム弾性板50が介装されており、この支持ゴム弾性板50の内周縁部が加振板48に加硫接着されていると共に、外周縁部が支持金具36に加硫接着されている。それによって、加振板48が、支持金具36ひいては第二の取付金具14により、支持ゴム弾性板50を介して、弾性的に支持せしめられているのであり、以て、支持金具36の中央孔46が流体密に閉塞されていると共に、かかる加振板48が、支持ゴム弾性板50の弾性変形に基づいて上下方向に変位可能とされて、支持ゴム弾性板50の弾性力により、外力が作用しない状況下で、支持ゴム弾性板50の内部応力が略零となる原位置に保持せしめられるようになっている。
【0041】
さらに、加振板48の上方には、所定距離を隔てて、全体として略厚肉の円板形状を有する仕切部材52が、軸直角方向に広がって配設されている。この仕切部材52は、その外周縁部が支持金具36の上面に重ね合わされ、ボルト固定されることによって、第二の取付金具14に対して固着されている。そして、この仕切部材52によって、支持金具36における中央孔46の上側開口部が、流体密に覆蓋されている。これにより、第一の取付金具12と仕切部材52の対向面間には、周壁部が本体ゴム弾性体16で構成されて、振動入力時に本体ゴム弾性体16の弾性変形に基づいて圧力変化が生ぜしめられる主液室54が形成されていると共に、仕切部材52と加振板48の対向面間には、壁部の一部が加振板48で構成されて、加振板48の変位によって圧力変化が生ぜしめられる副液室56が形成されている。換言すれば、これら主液室54と副液室56は、仕切部材52を上下に挟んだ両側に位置して、互いに独立して形成されているのである。また、これら主液室54と副液室56には、それぞれ、前記平衡室30と同じ非圧縮性流体が封入されている。なお、非圧縮性流体の充填は、例えば、第一の取付金具12を有する本体ゴム弾性体16に対して、加振板48を有する支持金具36を、かかる流体中で組み付けること等によって、有利に為され得る。
【0042】
また、仕切部材52は、略厚肉円板形状を有し、径方向中間部分を上面に開口して周方向に延びる周溝58が設けられてなる仕切金具60と、薄肉平板形状を有し、該仕切金具60の上面に重ね合わされてボルト固定された蓋金具62によって構成されている。そして、仕切金具60の周溝58が蓋金具62で覆蓋されることにより、仕切部材52の内部を周方向に所定長さで延びて、副液室56を主液室54に連通せしめるオリフィス通路64が形成されている。また、主液室54には、第一の取付金具12に設けられた流体連通路35も接続されており、この流体連通路35を通じて、平衡室30が主液室54に連通せしめられている。ここにおいて、流体連通路35は、主液室54や副液室56,平衡室30の各壁ばね剛性や封入流体の粘度等を考慮して、内部を通じて流動せしめられる流体の共振周波数が、オリフィス通路64を通じて流動せしめられる流体の共振周波数よりも低周波となるように、各通路35,64の長さや断面積が適当に設定されている。なお、壁ばね剛性とは、室内容積を単位量だけ変化させるのに要する圧力変化量をいう。例えば、本実施形態では、オリフィス通路64を通じて流動せしめられる流体の共振作用に基づいて、アイドリング振動等に相当する20Hz前後の周波数域で絶対ばね定数の低減効果、即ち振動伝達力の低減効果が発揮されるように、オリフィス通路64がチューニングされる一方、流体連通路35を通じて流動せしめられる流体の共振作用に基づいて、シェイク等の相当する10Hz程度の周波数域で高減衰効果が発揮されるように、流体連通路35がチュ−ニングされる。
【0043】
なお、このことから明らかなように、本実施形態では、主液室54と副液室56,平衡室30によって、流体室が構成されていると共に、オリフィス通路64によって第一のオリフィス通路が、流体連通路35によって第二のオリフィス通路が、それぞれ構成されている。
【0044】
また、第二の取付金具14を構成するヨーク部材38は、鉄等の強磁性材で形成されており、上面に開口して外周部分を周方向に連続して延びる円環形状の凹溝66を有している。そして、この凹溝66の外周壁面には、周方向に連続した若しくは不連続の円筒状の永久磁石68が配設され、固着されている。この永久磁石68は、内周面と外周面が両磁極面とされており、それによって、永久磁石68の両磁極面を繋ぐ平磁路形態の磁路が、ヨーク部材38によって形成されていると共に、かかる磁路上に凹溝66が位置せしめられており、この凹溝66の内周側壁面と永久磁石68の内周面との径方向対向面間に磁気ギャップ70が形成されている。
【0045】
また一方、加振板48の下面には、逆カップ形状を有し、筒壁部にコイル74が巻回装着されたボビン72が、その底壁中央部において重ね合わされており、該加振板48に対してボルト固定されている。そして、このボビン72におけるコイル74を有する筒壁部が、ヨーク部材38に形成された磁気ギャップ70に挿入され、磁気ギャップ70の両側対向面に対して僅かな隙間を隔てて位置せしめられることにより、磁気ギャップ70内において、軸方向(上下方向)に変位可能に配設されている。これにより、リード線76を通じてコイル74に電流を通電することによって、磁気ギャップ70における磁界との相互作用で、コイル74に対して軸方向の電磁力(ローレンツ力)が及ぼされ、かかる電磁力が、ボビン72を介して、加振板48に対し、軸方向の変位力として及ぼされるようになっているのである。
【0046】
そして、コイル74への通電のON/OFFや交番電流の通電等によって加振板48が上下方向に加振せしめられると、副液室56に対して、加振板48の加振周波数と振幅に対応した周波数と圧力の内圧変動が生ぜしめられて、主液室54と副液室56の間での相対的な内圧差により、それら両室54,56間でオリフィス通路64を通じての流体流動が生ぜしめられることにより、副液室56の内圧変動が主液室54に伝達され、以て、主液室54の内圧変動に対応した加振力が発揮されるようになっている。それ故、前記公報等にも記載されているように、ボデー20における防振しようとする振動に対応した周波数と振幅で加振板48を加振せしめて、防振しようとする振動に対応した加振力を発生させることにより、パワーユニット18からボデー20に伝達される振動に対して、能動的な防振効果が発揮されるようになっているのである。
【0047】
そこにおいて、上述の如き構造とされたエンジンマウント10におけるコイル74への給電を制御し、発生加振力を防振しようとする振動に応じて制御することにより、有効な防振効果を発揮せしめるための制御手段としての制御装置の一実施形態が、図2に概略的に示されている。
【0048】
かかる制御装置は、バッテリ等の電源78で稼働される中央処理装置(CPU)80を有しており、このCPU80は、制御用プログラムや各種データを記憶するRAMやROMを含む演算および制御機構を備えている。そして、かかるCPU80に対して、エンジンマウント10に給電される制御用電気信号:Eを得るための基本となる基準信号:Rが入力されるようになっている。なお、基準信号:Rとしては、防振しようとする振動周波数に対して出来るだけ高い相関性を有する電気信号が望ましく、例えば、本実施形態では、パワーユニット18に装着せしめた点火パルスセンサやクランク角センサ等から得られる信号、特に点火パルス信号が好適に採用される。
【0049】
そして、かかる基準信号:Rとしての点火パルス信号は、図3に示されているように、必要に応じて波形成形された後、CPU80に入力され、このCPU80において、点火パルス信号と同じ周波数でデューティ比が略50%とされたパルス波からなる制御用パルス信号:Pが生成される。要するに、本実施形態では、CPU80の機能によって、パルス波生成手段とデューティ比制限手段が実現されている。
【0050】
また、かかる制御用パルス信号:Pにおいては、自動車の運転状態等に応じて、点火パルス信号:Rに対する位相:θが調節されることによって、ボデー20の振動に対して最も有効な防振効果を発揮し得るように制御される。より具体的には、ボデー20の振動は自動車の運転状態に応じて変化することから、ボデー20の振動に影響を与えるシフトポジション位置信号や車速信号等の自動車の走行状態信号が、参照信号:Sとして、CPU80に入力され、予め求められた実測データ等により決定された走行状態と位相の対応関係に基づいて、かかる参照信号:Sの値に応じて、点火パルス信号:Rに対する制御用パルス信号:Pの位相:θが決定される。要するに、本実施形態では、上述の如き参照信号:Sに基づいて位相:θを決定し、設定するCPU80の機能によって、位相調節手段が実現されている。
【0051】
さらに、このようにして得られた制御用パルス信号:Pは、自動車の走行状態等に応じて、ボデー20の振動に対して最も有効な防振効果を発揮し得るように電気レベルが調節され、それによって、エンジンマウント10に給電される制御用電気信号:Eが得られる。即ち、ボデー20の振動レベルも自動車の走行状態に応じて変化することから、予め求められた実測データ等により決定された走行状態と振動レベルの対応関係に基づき、CPU80に入力される参照信号:Sに応じて、点火パルス信号:Rの電気レベルを決定するゲインコントロール信号:Gが求められる。そして、このゲインコントロール信号:Gによって、制御用電気信号:Eのソース電源としてのゲイン調節電源82の電圧値が調節されることにより、制御用電気信号:Eの電気レベルとしてのピーク電圧、即ち振幅が決定されるようになっている。即ち、ゲイン調節電源82からエンジンマウント10への給電を、その給電回路上に配設されたスイッチング手段84により、制御用パルス信号:PでON/OFFすることによって、制御用パルス信号:Pに対応した位相:θやデューティ比等を有し、且つゲインコントロール信号:Gに対応した電圧を有する制御用電気信号:Eが、エンジンマウント10に対して給電されるようになっているのである。なお、スイッチング手段としては、従来から公知のものが採用可能であり、例えば、トランジスタやFETを用いることによって有利に実現され得る。要するに、本実施形態では、上述の如き参照信号:Sに基づいてゲインコントロール信号:Gを決定するCPU80の機能と、ゲイン調節電源82およびスイッチング手段84によって、ゲイン調節手段が構成されている。
【0052】
また、ゲインコントロール信号:Gに基づくゲイン調節電源82によるソース電源の調節は、例えばPWM制御によって有利に実現され得る。そして、PWM制御を採用することによって、ソース電源の電圧ひいては制御用電気信号:Eの電気レベルを、優れた応答性と高い精度で制御することが出来るのであり、図3に示されているように、制御用電気信号:Eの1周期毎に電気レベルを調節することも可能となる。
【0053】
更にまた、CPU80において、参照信号:Sに応じ、制御用パルス信号:Pの位相:θとゲインコントロール信号:Gを決定するに際しては、例えばマップ制御が好適に採用される。即ち、予め求められた実測データ等により決定された走行状態と位相および振動レベルの対応関係に基づき、複数段階の参照信号に対応して位相と振動レベルの値をそれぞれデータテーブル上に設定しておき、入力される参照信号:Sの値に応じて位相:θおよびゲインコントロール信号:Gの各値を読み出して更新するオープンループ的な制御機構によって、有利に且つ簡略に実現され得る。
【0054】
このような制御装置によって得られた制御用電気信号:Eは、図3に示されているように、パルス状のデジタル的なON/OFF信号であり、かかるON/OFF信号がエンジンマウント10のコイル74に給電されることによって、電磁力が生ぜしめられて、加振板48が加振されるようになっている。なお、本実施形態では、制御用電気信号:Eがデジタル的なON/OFF信号であることから、制御用電気信号:EのON状態で生ぜしめられる電磁力は、加振板48を上下の何れか一方の側だけに変位させるものであるが、制御用電気信号:EのOFF状態では、支持ゴム弾性板50の弾性力によって加振板48が原位置に向かって変位せしめられることから、それら電磁力と弾性力の協働作用によって、加振板48が、制御用電気信号:Eの周波数と電気レベルに対応した周波数と振幅をもって軸方向(上下)に加振せしめられることとなる。
【0055】
その結果、副液室56には、加振板48の変位に対応した内圧変化が生ぜしめられ、更にオリフィス通路64を通じて主液室54にも伝達されることとなるが、その際、オリフィス通路64を通じて流動せしめられる流体による圧力変化の緩衝的作用によって、主液室54に対するパルス波形的な圧力変動の伝達が抑えられて、正弦波に近付けられた波形の圧力変化が生ぜしめられるのであり、その結果、ボデー20の振動波形に近い加振力が発生せしめられて、能動的な防振効果が有利に発揮されるのである。
【0056】
しかも、本実施形態では、加振板48の変位に際して、支持ゴム弾性板50の減衰力による遅延的作用も発揮され、主液室に対するパルス波形的な圧力変動の伝達がより有効に抑えられて、より正弦波に近い波形の圧力変化ひいては加振力が生ぜしめられることから、一層優れた防振効果が発揮されるのである。
【0057】
そして、このようにエンジンマウント10に対して、デジタル的なON/OFF信号をそのまま制御用電気信号:Eとして入力することが出来ることから、正弦波発生回路や正弦波の位相変換回路等が不要とされて、制御手段の簡略化と低コスト化が極めて有利に達成されるのである。具体的には、正弦波の制御用電気信号を生成する場合には、16〜32ビットのCPUが必要とされていたのに対し、本実施形態の制御手段は、例えば8ビットの安価なCPUによっても容易に可能とされ得るのである。
【0058】
しかも、本実施形態においては、主液室54の圧力変化が、加振板48の変位によって直接に生ぜしめられることなく、副液室56とオリフィス通路64を介して、間接的に生ぜしめられるようになっていることから、オリフィス通路64の共振作用を利用することによって、防振しようとする振動周波数よりも高次成分の加振力の発生を有効に抑えることが出来るのであり、それによって、防振性能の更なる向上が図られ得るのである。
【0059】
具体的には、例えば、加振板48の加振による能動的な制振作用によって、アイドリング振動に対する防振効果を得たい場合には、図4に示されているように、オリフィス通路64の絶対ばね定数の低減効果のピークを、アイドリング周波数域に対応して略20Hzにチューニングすることによって、図5に示されているように、加振板48を加振せしめた際の高次成分の発生加振力が抑えられるのであり、それ故、上述の如き制御装置によって加振板48をアイドリング振動に対応した周波数で加振制御することによって、高周波数域の振動悪化を回避しつつ、アイドリング振動に対して優れた防振効果を得ることが出来るのである。
【0060】
なお、かくの如く、オリフィス通路64をアイドリング周波数域にチューニングしたエンジンマウントについて、加振板48を各周波数で加振せしめた際の1次,2次及び3次成分の発生加振力を実測したデータを、下記表1に示すと共に、図6にグラフ表示する。また、比較例として、サイン波形の制御用電気信号を生成せしめてエンジンマウントに給電した場合について、同様な実験を行い、その結果を、表1及び図6中に併せ示した。
【0061】
【表1】
Figure 0003952584
【0062】
これらの実測結果からも明らかなように、オリフィス通路64のチューニング周波数:F(20Hz)に対して、加振板48の加振周波数:fが、f≧3/4Fになると、高次成分の発生率が15%以下に抑えられ、特に加振板48の加振周波数:fがオリフィス通路64のチューニング周波数:Fと略同一かそれを越える領域では、高次成分の発生率が極めて低く、サイン波形の制御用電気信号を用いた場合と略同じ程度に高次成分の発生が抑えられることが認められる。なお、加振板48の加振周波数:fがオリフィス通路64のチューニング周波数:Fの3倍を越えると、オリフィス通路64を通じての流体流動抵抗が著しく増大し、駆動1次成分の発生加振力も十分に得られ難くなる。そこで、最も好ましくは、加振板48の最低加振周波数:f′、換言すれば防振しようとする振動の最低周波数:f′に対して、オリフィス通路64のチューニング周波数:Fが、F(Hz)=f′±5(Hz)となるように設定される。
【0063】
さらに、本実施形態では、制御用電気信号:Eのデューティ比が50%に設定されていることから、加振板48を加振せしめた際の高次成分の発生加振力が一層有利に抑えられ得て、高周波数域の振動悪化の回避と、目的とする周波数域の振動に対する防振効果の更なる向上が図られ得るのである。因みに、デューティ比を50%に設定した、前述の如き本実施形態の制御手段によってエンジンマウント10を制御した場合と、デューティ比を30%に変更設定して同じ条件下でエンジンマウント10を制御した場合とについて、高次成分の発生力を実測した結果を、図7および図8に示す。なお、かかる測定に際しては、何れも、オリフィス通路64のチューニング周波数を20Hzに設定したエンジンマウントを採用した。かかる結果からも、デューティ比を50%としたことによって、高次成分が一層抑えられて、より優れた防振効果が発揮され得ることが理解される。
【0064】
また、本実施形態のエンジンマウント10においては、オリフィス通路64よりも低周波数域にチューニングされた流体連通路35を備えていることから、高次成分の発生率増大等のために有効な防振効果が得られ難いシェイク等の低周波振動に対しても、流体連通路35を通じて流動せしめられる流体の共振作用に基づいて有効な防振効果を得ることが出来るのである。しかも、流体連通路35を通じて主液室54に接続された平衡室30は、ゴム弾性膜28の変形に基づいて内圧吸収作用を発揮し得ることから、マウント装着時に及ぼされるパワーユニット重量による主液室54や副液室56の内圧上昇が回避されることとなり、それによって、耐久性の向上が図られることは勿論、加振板48の加振による圧力変動ひいては加振力の制御が、安定して為され得るのであり、目的とする防振効果が有効に且つ安定して発揮され得るといった利点がある。
【0065】
しかも、本実施形態のエンジンマウント10においては、加振板48の駆動手段として、電磁石式等に比して供給電力に対して線形的な出力特性を発揮し得る出力範囲が十分に広いボイスコイル型の電磁駆動手段が採用されていることから、制御手段による加振制御が容易であり、制御精度ひいては防振効果の更なる向上が図られ得るといった利点がある。
【0066】
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態に関する具体的説明によって何等限定的に解釈されるものではない。
【0067】
例えば、本発明において採用されるエンジンマウントの具体的構造は、前記実施例のものに限定されるものでは決してない。具体的には、例えば、本発明において採用され得るエンジンマウントの別の具体的実施形態が、図9に示されている。なお、本実施形態のエンジンマウントでは、前記図1に示された第一の実施形態に係るエンジンマウントと同様な構造とされた部材および部位に対して、それぞれ、図中に、第一の実施形態に係るエンジンマウントと同一の符号を付することにより、詳細な説明を省略する。即ち、本実施形態のエンジンマウント86にあっては、第二の取付金具14を構成する支持金具36の中空内部において、加振板48の下方に所定距離を隔てて、可撓性膜としての薄肉のゴム弾性膜88が配設されており、加振板48とゴム弾性膜88の対向面間に、平衡室30が形成されている。また、この平衡室30は、支持金具36に形成された流体連通路82を通じて、副液室56に連通されている。そして、この流体連通路82が、第一の実施形態における流体連通路と同様、オリフィス通路64よりも低周波数域にチューニングされており、第二のオリフィス通路として構成されている。即ち、このような本実施形態のエンジンマウント10を採用した場合でも、第一の実施形態と同様な効果が、何れも、有効に発揮され得るのである。
【0068】
また、本発明においては、例えば特開平8−177958号公報等に記載されているように、防振装置本体における流体室を、防振装置本体から外方に突出して、或いは防振装置本体の外部に位置して形成された液室を含んで構成し、かかる液室を副液室として利用せしめてなる構造の防振装置本体等を採用することも可能である。
【0069】
その他、本発明においては、軸部材と、該軸部材の外方を取り巻くようにして離間配置された筒部材とを、それらの対向面間に介装された略筒状の本体ゴム弾性体で連結せしめてなる構造の筒型マウント等も、防振装置本体として採用可能である。更に、本発明においては、制振対象部材に対して単独で取り付けられ防振効果を発揮する制振器も、防振装置本体として採用可能である。具体的には、かかる制振器としては、例えば、前記第一及び第二の実施形態として示されたエンジンマウント10,86において、第一の取付金具12および第二の取付金具14の何れか一方だけを、ボデーや排気管等の防振しようとする制振対象部材に対して固定的に取り付け、それら第一の取付金具12および第二の取付金具14の何れか他方の側を制振対象部材等に取り付けることなく、自由振動可能とすること等によって、実現され得る。
【0070】
また、加振板48の支持手段として、例示の如きゴム弾性体の他、板バネや可撓性膜等を採用することも可能である。
【0071】
更にまた、流体連通路35は、必ずしも設ける必要がなく、設ける場合でも、低周波数域の振動入力時にさえ実質的に閉塞状態となる程の極めて微細な口径の通路とし、防振装置本体に及ぼされる静的荷重の逃げ路としてのみ機能し得るようにすることも可能である。
【0072】
さらに、前記実施形態では、制御用電気信号:Eとして、パルス状のデジタル的なON/OFF信号が採用されていたが、その他、例えば、図10に示されているように、±の極性を有するパルス状の制御用電気信号を採用することも可能である。なお、このような極性を有する制御用電気信号は、例えば、スイッチング手段84において、公知のHブリジ回路を採用すること等によって、有利に実現され得る。
【0073】
また、前記実施形態においては、駆動力調節手段を、パルス波の電気レベルを調節するゲイン調節手段によって構成せしめたものの一具体例が示されていたが、そのようなゲイン調節手段に代えて、或いは併せて、パルス波のデューティ比を調節するデューティ比調節手段を採用して駆動力調節手段を構成することも可能である。更に、デューティ比調節手段を採用する場合には、デューティ比に応じてパルス波の立上り位置を調節し、パルス波のパルス中心間の時間間隔が防振しようとする振動波の周期に対してより高度に対応するようにして、防振しようとする振動により一層対応した波形の加振力を得ることも有効である。
【0074】
さらに、前記実施形態において、図2に例示された機能ブロック図におけるゲイン調節電源82やスイッチング手段84は、例えば、トランジスタ等のスイッチング機能を利用して構成され得るが、その具体的構成例が、図11〜13に示されている。なお、図11〜13では、その理解を容易とするために、前記実施形態と同様な構造とされた部材及び部位について、それぞれ、図2と同一の符号を付しておく。
【0075】
すなわち、図11〜13に示された電気回路にあっては、何れも、バッテリ等の電源90から安定化電源92を経てエンジンマウント10のコイル74に制御用電気信号:Eを給電する給電回路94上において、有効な防振効果が発揮されるように、コイル74に給電される駆動電流(E)の電圧レベルと周波数,位相等を、CPUによって求められた制御信号に基づいて調節するためのゲイン調節電源(82)およびスイッチング手段(84)として、第一のトランジスタ96および第二のトランジスタ98が採用されている。かかる第一のトランジスタ96には、基準信号:Rと参照信号:Sに基づいてCPUによって求められた、防振すべき振動レベルに応じてパルス幅変調されたゲインコントロール信号:Gが、ベース電圧として印加され、このコントロール信号:Gに応じて給電回路94が開閉されることにより、給電回路94を通じてエンジンマウント10に給電される駆動電流(E)の電圧レベルが調節されるようになっている。また、第二のトランジスタ98には、基準信号:Rと参照信号:Sに基づいてCPUによって求められた、防振すべき振動の周波数や位相等に対応した周波数や位相等を有する制御用パルス信号:Pが、ベース電圧として印加され、この制御用パルス信号:Pに応じて給電回路94が開閉されることにより、給電回路94を通じてエンジンマウント10に給電される駆動電流(E)の周波数や位相,デューティ比等が調節されるようになっている。
【0076】
従って、これら図11〜13に示された、何れの電気回路によっても、前記実施形態において図2に示された制御装置が有利に実現され得るのである。なお、上述の説明から明らかなように、図11〜13に示された制御装置では、エンジンマウント10のコイル74を、給電回路94上の何れの点にも接続することが可能であるが、特に、トランジスタ96,98の作動の安定化を図るためには、図11または図12に示された回路構造が、好適に採用されることとなる。
【0077】
また一方、前記実施形態においては、位相調節手段やデューティ比制限手段等が、何れも、コンピュータを用いたソフト、即ちコンピュータの機能を利用して実現されていたが、それらをハード的な電気回路によって実現することも、勿論可能である。具体的には、例えば、位相調節手段は、サイリスタ等を用いた位相制御手段や移相器等によっても構成され得る。また、デューティ比制限手段は、例えば波形成形された点火パルス信号:Rをコンパレータ等でデジタル信号化した後、この信号を、D−F,Fや2つの単安定マルチバイブレータ等を用いた公知の遅延回路で処理すること等によって実現され得、特に、その場合には、かかる遅延回路における回路上の抵抗値を可変とし、それを調節することによって、制御用パルス信号:Pの位相を設定すること等も可能である。
【0078】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
【0079】
【発明の効果】
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた能動型防振装置においては、第一のオリフィス通路における流体室の圧力変化の緩衝的作用を利用することにより、有効な防振効果を確保しつつ、パルス状の制御用電気信号を直接に防振装置本体の駆動手段に給電して加振板を加振制御することが可能とされたのであり、その結果、制御用電気信号の正弦波的制御回路等が不要とされて、制御手段の大幅な簡略化と低コスト化が達成され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての能動型防振装置を構成するエンジンマウントの具体例を示す縦断面説明図である。
【図2】本発明の一実施形態としての能動型防振装置を構成する制御手段の具体例を概略的に示すブロック図である。
【図3】図2に示された制御手段において採用されまたは生成される電気信号を示すグラフである。
【図4】図1に示されたエンジンマウントにおけるオリフィス通路の具体的なチューニング例を示すグラフである。
【図5】図4に示される如きチューニングが施されたオリフィス通路を備えた、図1に示されたエンジンマウントにおける発生加振力の周波数特性を測定した結果を示すグラフである。
【図6】図5に示された測定結果に基づいて、駆動1次成分に対する高次成分の発生率を示すグラフである。
【図7】図1に示されたエンジンマウントにおいて、デューティ比が50%の制御用電気信号で制御した場合の発生加振力の周波数特性を測定した結果を示すグラフである。
【図8】図1に示されたエンジンマウントにおいて、デューティ比が30%の制御用電気信号で制御した場合の発生加振力の周波数特性を測定した結果を示すグラフである。
【図9】本発明において採用され得る、防振装置本体としてのエンジンマウントの別の実施形態を示す縦断面説明図である。
【図10】本発明に従う構造とされた制御手段において生成されて制御用電気信号として採用され得る電気信号の別の形態を示すグラフである。
【図11】図2に示された制御装置におけるエンジンマウントへの給電回路の具体的構成例を示す回路説明図である。
【図12】図2に示された制御装置におけるエンジンマウントへの給電回路の別の具体的構成例を示す回路説明図である。
【図13】図2に示された制御装置におけるエンジンマウントへの給電回路の更に別の具体的構成例を示す回路説明図である。
【符号の説明】
10 エンジンマウント
12 第一の取付金具
14 第二の取付金具
16 本体ゴム弾性体
18 パワーユニット
20 ボデー
38 ヨーク部材
48 加振板
50 支持ゴム弾性板
52 仕切部材
54 主液室
56 副液室
64 オリフィス通路
68 永久磁石
74 コイル
80 CPU
82 ゲイン調節電源
84 スイッチング手段

Claims (10)

  1. 制振対象部材からの振動入力によって弾性変形せしめられる本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された流体室を有すると共に、駆動手段によって変位せしめられる加振板にて該流体室の壁部の他の一部が構成されてなる防振装置本体と、かかる制振対象部材の振動に対応した制御用電気信号を前記駆動手段に給電することにより、前記加振板を加振制御する制御手段とを、備えた能動型防振装置において、 前記流体室内で前記加振板に対して所定距離を隔てて対向位置するように、仕切部材を配設して、該流体室を二つに仕切ることにより、該流体室を、前記本体ゴム弾性体の弾性変形に基づく圧力変化が及ぼされる主液室と、該加振板と該仕切部材との間に位置する、該加振板の変位に基づく圧力変化が及ぼされる副液室とを含んで構成すると共に、それら主液室と副液室を連通する第一のオリフィス通路を設ける一方、前記駆動手段を、給電される制御用電気信号の大きさに対応した大きさの駆動力を生ずる電気−力変換型駆動手段にて構成し、且つ前記制御手段を、前記制振対象部材における振動周波数に対応した周波数のパルス波を生成するパルス波生成手段と、該パルス波の位相を前記制振対象部材における振動状態に応じて調節する位相調節手段と、前記制振対象部材における振動レベルに応じた駆動力が前記駆動手段にて得られるように該パルス波の波形を調節する駆動力調節手段を含んで構成し、更に該駆動力調節手段を、前記制振対象部材における振動レベルに応じて、該パルス波の電気レベルを調節するゲイン調節手段を含んで構成せしめて、該制御手段によって得られる、該ゲイン調節手段により振幅の調整されたパルス状の制御用電気信号を前記駆動手段に給電するようにしたことを特徴とする能動型防振装置。
  2. 前記制御手段の前記ゲイン調節手段におけるソース電源として、安定化電源装置を有している請求項に記載の能動型防振装置。
  3. 前記駆動力調節手段が、前記制振対象部材における振動レベルに応じて、前記パルス波のデューティ比を調節するデューティ比調節手段を更に含んで構成されている請求項1又は2に記載の能動型防振装置。
  4. 前記制御手段が、前記駆動手段に給電される前記制御用電気信号におけるデューティ比を40%〜60%とするデューティ比制限手段を有している請求項1乃至の何れかに記載の能動型防振装置。
  5. 前記防振装置本体において、前記加振板が、支持ゴム弾性体を介して弾性的に支持されており、該支持ゴム弾性体の弾性変形によって該加振板の変位が許容せしめられる請求項1乃至の何れかに記載の能動型防振装置。
  6. 前記防振装置本体において、前記流体室を、壁部の一部が変形容易な可撓性膜で構成されて、前記主液室および前記副液室から独立して形成された平衡室を含んで構成すると共に、該平衡室を該主液室または該副液室に連通する第二のオリフィス通路を設け、該第二のオリフィス通路を前記第一のオリフィス通路よりも低周波数域にチューニングした請求項1乃至の何れかに記載の能動型防振装置。
  7. 前記防振装置本体が、互いに離間配置された第一の取付部材と第二の取付部材を、前記本体ゴム弾性体にて弾性的に連結すると共に、該第二の取付部材によって支持された仕切部材の一方の側に、壁部の一部が該本体ゴム弾性体で構成された前記主液室を形成し、該仕切部材の他方の側に、壁部の一部が前記加振板で構成された前記副液室を形成する一方、該加振板に変位力を及ぼす前記駆動手段を、該第二の取付部材で支持せしめてなる構造とし、かかる第一の取付部材および第二の取付部材の何れか一方を、前記制振対象部材に取り付けるようにした請求項1乃至の何れかに記載の能動型防振装置。
  8. 前記制振対象部材が、内燃機関を振動発生源としている一方、前記制御手段における前記パルス波生成手段が、該内燃機関のクランク回転角度に対応したパルス波を発生するパルス波発生手段を有している請求項1乃至の何れかに記載の能動型防振装置。
  9. 前記制御手段において、前記加振板の加振周波数:fを、前記第一のオリフィス通路による絶対ばね定数の低減効果のチューニング周波数:Fに対して、3F/4≦f≦3Fとなる範囲内で設定するようにした請求項1乃至の何れかに記載の能動型防振装置。
  10. 前記制御手段が、前記位相調節手段によって決定される前記制御用信号の位相と、前記駆動力調節手段によって決定される前記制御用信号のパルス波形を、それぞれ、予め設定された複数パターンで記憶する記憶手段と、前記制振対象部材の振動状態に関係する基準信号に基づいて、該記憶手段に記憶された何れかのパターンを選択することにより、前記制御用信号の位相とパルス波形を決定するマップ制御手段を有している請求項1乃至の何れかに記載の能動型防振装置。
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