JPH11272339A - 能動型防振装置 - Google Patents

能動型防振装置

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JPH11272339A
JPH11272339A JP7039598A JP7039598A JPH11272339A JP H11272339 A JPH11272339 A JP H11272339A JP 7039598 A JP7039598 A JP 7039598A JP 7039598 A JP7039598 A JP 7039598A JP H11272339 A JPH11272339 A JP H11272339A
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JP
Japan
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vibration
signal
liquid chamber
sine wave
frequency
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JP7039598A
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English (en)
Inventor
Katsuhiro Goto
勝博 後藤
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 限られた低周波数において安価な制御手段を
用いて、制振対象に対する適正な防振効果を得ることが
できる能動型防振装置を提供する。 【解決手段】 エンジンのアイドリング時に、イグニッ
ションパルス信号SF 及び車速信号SS が正弦波信号生
成装置11に入力されると、この信号は振動に応じた位
相及び周波数に調整された正弦波信号SSIに変換して出
力される。同時に、キャリア信号生成装置12におい
て、可聴信号周波数以上の周波数の三角波であるキャリ
ア信号SC が生成される。正弦波信号とキャリア信号S
が、比較器13に入力され、正弦波信号がキャリア信号
より大きい場合にオンとなる幅変調されたパルス信号と
して出力され、スイッチング装置14をオンオフさせる
ことにより、バッテリ電源15から制御電気信号が、エ
ンジンマウント20の電磁石55のコイルへ通電され、
加振板36が上下方向に加振され、能動的に防振効果が
発揮される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両等の制振対象
部材からの能動的振動を低減させる能動型防振装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の能動型防振装置として
は、制振対象部材からの振動入力によって弾性変形させ
られる本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて液体が
封入された液室を有すると共に、駆動手段によって変位
させられる加振板にて該液室の壁部の他の一部が構成さ
れてなる防振装置本体と、制振対象部材の振動に対応し
た制御電気信号を駆動手段に加え、駆動手段により加振
板を加振させるように制御する振動制御手段とを備え、
加振板を加振制御することにより、液室の内圧を制御し
て加振力を発生させ、制振対象部材の振動を低減させる
ようにしたものが知られている。例えば、制振対象部材
の振動入力に対応した周波数と振幅及び位相を有する正
弦波信号を制御電気信号とし、これを直接駆動手段に給
電して加振力を発生させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、制振対象部材
の振動波形に対応した正弦波の駆動信号を得るために
は、適応制御装置等を用いる必要があり、また得られた
正弦波信号を高性能のパワーアンプで増幅する必要があ
り、制御コストが高価になると共に、高周波のノイズの
影響を受けやすいという問題がある。
【0004】一方、車両においては、能動制御が最も要
求されるのはアイドリング時等のエンジンの低回転運転
時であり振動周波数が15〜20Hzの範囲であり、この
ような低い限定された周波数範囲における能動制御を行
う場合には、広い周波数範囲にわたって制御を行う上記
複雑かつ高価な制御方式は必ずしも必要ではない。本発
明は、上記した問題を解決しようとするもので、限られ
た低周波数において安価な制御手段を用いて、制振対象
に対する適正な防振効果を得ることができる能動型防振
装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記目的
を達成するために、上記請求項1に係る発明の構成上の
特徴は、制振対象部材からの振動入力によって弾性変形
させられる本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて液
体が封入された液室を有すると共に、駆動手段によって
変位させられる加振板にて液室の壁部の他の一部が構成
されてなる防振装置本体と、制振対象部材の振動に対応
した制御電気信号を駆動手段に加えて、駆動手段により
加振板を加振させるように制御する振動制御手段とを備
え、液室を、本体ゴム弾性体の弾性変形に基づく圧力変
化が及ぼされる主液室と、加振板の変位に基づく圧力変
化が及ぼされる副液室を含んで構成すると共に主液室と
副液室を連通するオリフィス通路を設けた能動型防振装
置であって、駆動手段を、加えられる制御電気信号の大
きさに対応した大きさの駆動力を生じる電気・機械変換
手段により構成し、振動制御手段を、制振対象部材の振
動に対応した周波数及び位相の正弦波信号を生成する正
弦波信号生成手段と、正弦波信号の最高周波数の少なく
とも10倍以上の周波数の矩形波または三角波であるキ
ャリア信号を生成するキャリア信号生成手段と、正弦波
信号をキャリア信号の大小を比較し、両信号の内のいず
れか一方が他方より大きいときをオン状態として幅変調
されたパルス信号を出力する比較手段と、幅変調パルス
信号の入力に応じてオンオフすることにより、駆動手段
に対して幅変調パルス信号に応じた電源からの給電を行
わせるスイッチング手段とにより構成したことにある。
なお、キャリア信号の周波数としては、可聴周波数以上
であることがさらに好ましい。
【0006】上記のように構成した請求項1に係る発明
においては、制振対象部材における振動入力に対応した
周波数の信号に基づいて、正弦波信号生成手段により制
振対称部材からの振動入力に対応した周波数及び位相の
正弦波信号を生成し、またキャリア信号生成手段により
所定のキャリア信号を生成し、この正弦波信号とキャリ
ア信号とを比較手段によって比較することにより、幅変
調されたパルス信号として出力する。この幅変調パルス
信号入力によってスイッチング手段をオンオフすること
により、駆動手段に対して、幅変調パルス信号のタイミ
ングに応じた電源からの給電を行わせることができる。
【0007】これにより、駆動手段に、制振対象部材か
らの振動入力の大きさ及び位相に対応するタイミングで
制御電気信号である電源電圧が加えられ、この制御電気
信号に応じた駆動力が加振板に加えられる。この加振板
の振動により、副液室に内圧変化が生じ、主液室と副液
室間で、両室間の内圧差に基づいて、オリフィス通路を
通しての液体流動が生じさせられる。そのため、オリフ
ィス通路を通じての液体流動によって副液室の内圧変化
が主液室まで伝達させられ、この主液室の圧力変化が加
振力として制振対象部材に及ぼされ、制振対象部材から
の振動入力を低減させることができる。
【0008】ここで、オリフィス通路は、通路長さや断
面積、封入液体の粘度や密度、主液室及び副液室の壁ば
ね剛性等の値によって決定される固有の共振周波数を有
しており、共振周波数域では、共振作用により液体の流
動量が非常に増大され、加振力が大きくされ、一方共振
周波数を外れた周波数域特に高い周波数域では液体の流
動抵抗が増大し、そのため加振力が低下するようになっ
ている。これに基づき、オリフィス通路の特性の調整に
より、その共振周波数が制振対象部材から除去したい低
周波数の振動入力の周波数に応じた所望の共振周波数に
設定される。
【0009】その結果、請求項1の発明によれば、正弦
波信号生成手段、キャリア信号生成手段、比較手段、ス
イッチング手段等の従来に比べて安価な手段を用いるこ
とができるので、制振対象部材からの限定された特定の
低周波数の振動を安価に減少させることができる。
【0010】また、上記請求項2に係る発明の構成上の
特徴は、制振対象部材からの振動入力によって弾性変形
させられる本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて液
体が封入された液室を有すると共に、駆動手段によって
変位させられる加振板にて液室の壁部の他の一部が構成
されてなる防振装置本体と、制振対象部材の振動に対応
した制御電気信号を駆動手段に加えて、駆動手段により
加振板を加振させるように制御する振動制御手段とを備
え、液室を、本体ゴム弾性体の弾性変形に基づく圧力変
化が及ぼされる主液室と、加振板の変位に基づく圧力変
化が及ぼされる副液室を含んで構成すると共に主液室と
副液室を連通するオリフィス通路を設けた能動型防振装
置であって、駆動手段を、加えられる制御電気信号の大
きさに対応した大きさの駆動力を生じる電気・機械変換
手段により構成し、振動制御手段を、制振対象部材の振
動に対応した周波数及び位相の正弦波信号を生成する正
弦波信号生成手段と、予め定めたデータに基づいて正弦
波信号の電圧値に応じたデューティ比のパルス信号を出
力するパルス生成手段と、パルス信号の入力に応じてオ
ンオフすることにより、駆動手段に対してパルス信号に
応じた電源からの給電を行わせるスイッチング手段とに
より構成したことにある。
【0011】上記のように構成した請求項2に係る発明
においては、制振対象部材における振動周波数に対応し
た周波数の信号に基づいて、正弦波信号生成手段により
制振対称部材からの振動入力に対応した周波数の正弦波
信号を生成し、この正弦波信号を用いてパルス生成手段
により、正弦波信号の電圧値に応じたデューティ比のパ
ルス信号が生成される。このパルス信号入力によってス
イッチング手段をオンオフすることにより、駆動手段に
対して、パルス信号のタイミングに応じた電源からの給
電を行わせることができる。
【0012】これにより、駆動手段に、制振対象部材か
らの振動入力の大きさ及び位相に対応するタイミングで
制御電気信号である電源電圧が加えられ、この制御電気
信号に応じた駆動力が加振板に加えられる。加振板の振
動により、副液室に内圧変化が生じ、主液室と副液室間
で、両室間の内圧差に基づいて、オリフィス通路を通し
ての液体流動が生じさせられる。そのため、オリフィス
通路を通じての液体流動によって副液室の内圧変化が主
液室まで伝達させられ、この主液室の圧力変化が加振力
として制振対象部材の及ぼされ、制振対象部材からの振
動入力を低減させることができる。
【0013】その結果、請求項2の発明によれば、正弦
波信号生成手段、パルス生成手段及びスイッチング手段
等の安価な手段を用いて、上記請求項1の発明と同様
に、制振対象部材からの限定された特定の低周波数の振
動を安価に減少させることができる。
【0014】また、上記請求項3に係る発明の構成上の
特徴は、前記請求項2に記載の能動型防振装置におい
て、パルス生成手段によるパルス信号が所定の時間間隔
に区分されて、各時間間隔内においてデューティ比が同
一にされることにある。所定の時間間隔(以下、デュー
ティ比変更周期と記す)としては、制御対象周期の0.
1倍程度以下であればよい。上記のように構成した請求
項3に係る発明においては、パルス生成手段の分解能が
低い場合に対応するため、デューティ比変更周期を、パ
ルス生成手段の分解能に応じた所定の時間間隔内とした
ものである。そのため、低分解能の安価なパルス生成手
段を採用することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
を用いて説明すると、図1は、第1の実施形態に係るガ
ソリンエンジン車の能動振動を除去するための能動型防
振装置をブロック図により概略的に示したものであり、
図2は、能動型防振装置を構成する防振装置本体として
のエンジンマウントを一部断面図により示したものであ
る。
【0016】能動型防振装置は、正弦波信号生成装置1
1と、キャリア信号生成装置12と、正弦波信号生成装
置11及びキャリア信号生成装置12に接続された比較
器13と、比較器13に接続されたスイッチング装置1
4とを設けており、スイッチング装置14の出力側には
抵抗rを介してバッテリ電源15から給電されるエンジ
ンマウント20の後述する電磁石55のコイルが接続さ
れて構成されている。抵抗rと電磁石55の間には、コ
ンデンサCが並列に接続されている。
【0017】正弦波信号生成装置11は、CPU,RO
M,RAM、I/O等を含むマイクロコンピュータによ
り構成されており、入力される基準信号と参照信号に基
づいて位相調整された正弦波信号を出力するものであ
る。ここで、基準信号SF としては、防振しようとする
振動周波数と関連する信号であり、例えばエンジンのイ
グニッションパルスやクランク角パルスが用いられる。
参照信号SS は、自動車の運転状態において変化する振
動に影響を与えるシフトポジション信号や車速信号等の
自動車の走行状態信号が用いられる。ここでは、アイド
リング時の20Hz近辺の低周波数の信号を対象として信
号が生成されるようになっている。そして、正弦波信号
生成装置11は、参照信号SS に応じて決定された位相
と基準信号SF の周波数に基づいて、この位相と周波数
の正弦波信号SSIを出力するものである。また、この正
弦波信号SSIには、所定電圧のオフセットが乗せられて
おり、電磁石55に駆動信号を加えた場合に加振板36
の振動中心が変化することを回避できるようにされてい
る。
【0018】キャリア信号生成装置12は、入力された
基準信号SF の周波数に基づいて、可聴周波数(約20
kHz )以上の三角波信号であるキャリア信号SC として
出力するものである。なお、キャリア信号SC の周波数
としては、ノイズの影響が多少あってもよい場合には、
基準信号SF の最高周波数の10倍以上の周波数であれ
ばよい。
【0019】比較器13には、+端子に正弦波信号生成
装置11が接続され、−端子にはキャリア信号生成装置
12が接続されており、図3に示すように、正弦波信号
SSIの振幅の方がキャリア信号SC の振幅より大きい部
分がオン状態であるパルス信号として出力され、そのた
め、正弦波信号SSIの振幅に応じたパルス幅のパルス信
号SH が得られる。なお、比較器13に対する正弦波信
号生成装置11とキャリア信号生成装置12の接続を逆
にして、キャリア信号SC の振幅の方が正弦波信号SSI
の振幅より大きい部分がオン状態となるようにすること
もできる。
【0020】スイッチング装置14は、図1に示すよう
に、ここではエミッタ接地されたバイポーラトランジス
タを用いて構成されており、パルス信号SH の入力によ
りオンオフされて、バッテリ電源15から電磁石55の
コイルへの給電を制御するようになっている。なお、ス
イッチング装置14としては、バイポーラトランジスタ
には限らない。コンデンサCは、アナログ信号に含まれ
る高次成分を低減させて信号を正弦波により近似させる
ものである。
【0021】エンジンマウント20は、図2に示すよう
に、所定間隔を隔てて互いに同軸位置に図示上下に配置
された第1支持金具21と第2支持金具30と、両者を
連結する略円錐筒状の本体ゴム弾性体41とにより構成
されている。第1支持金具21は、パワーユニット61
に固定され、第2支持金具30がボデー62に固定され
ており、これによりエンジンマウント20はパワーユニ
ット61をボデー62に対して防振支持させるようにな
っている。
【0022】第1支持金具21は、略有底円筒形状の上
金具22と下金具23が、各開口側で軸方向に重ね合わ
されてボルトにより連結されており、内部に中空部を設
けている。上金具22の上面中心には取付孔24が設け
られており、取付孔24にネジ(図示しない)が螺着さ
れることによって第1支持金具21がパワーユニット6
1に取り付けられるようになっている。第1支持金具2
1の中空部には、略半球板状の薄肉のゴム弾性膜25が
収容されており、その外周縁部が上下金具22,23間
で挟持されることにより第1支持金具21の中空部が、
ゴム弾性膜25を挟んで上金具22側と下金具23側に
液密に仕切られている。これにより、ゴム弾性膜25と
上金具22の間には外部空間に連通されて、ゴム弾性膜
25の変形を可能にする空気室26が形成され、一方ゴ
ム弾性膜25と下金具23との間には、非圧縮性の液体
が封入されてゴム弾性膜25の変形に基づいて容積が変
化する液室27が形成されている。液室27内に封入さ
れる液体として、水、アルキレングリコール、ポリアル
キレングリコール、シリコンオイル等が用いられる。ま
た、下金具23の底壁部には、流通孔28が設けられて
いる。
【0023】第2支持金具30は、円環形状の連結リン
グ金具31と、円盤形状の通路形成金具32と、円筒形
状の連結金具33と、有底円筒形状の底金具34が、互
いに同軸的に上下方向に重ね合わされて各々がボルトに
より固定されて構成されている。底金具34の下面周縁
にはボルト孔34aが設けられており、このボルト孔3
4aにボルト(図示しない)が螺着されて、第2支持金
具30がボデー62に取り付けられるようになってい
る。
【0024】そして、第2支持金具30が、第1支持金
具21に対して軸方向下方の所定距離を隔てて対向位置
されており、その間に介装された本体ゴム弾性体41に
よって弾性的に連結されている。本体ゴム弾性体41
は、厚肉の略円錐筒状であり、小径の上端開口部が第1
支持金具21の下金具23の外周面に加硫接着されてお
り、大径の下端開口部が連結リング金具31に加硫接着
されている。これにより、第1支持金具21と第2支持
金具30が本体ゴム弾性体41によって弾性連結され、
第1支持金具21と第2支持金具30の対向面間におい
て、本体ゴム弾性体41に囲まれて内部に空間が形成さ
れている。
【0025】通路形成金具32は、外周のリング部32
aと、その内周側で軸方向上方に突出した円盤形の通路
部32bとを設けている。通路部32bは、径方向外周
側部分を周方向に延びるオリフィス通路32cを設けて
おり、オリフィス通路32cの一端が上側面に開口し他
端が下側面に開口している。これにより、第1支持金具
21と通路形成金具32の対向面間には周壁が本体ゴム
弾性体41で構成された主液室42が形成され、また、
通路形成金具32と後述する加振板36の対向面間には
加振板36の変位によって圧力変化が生じる副液室43
が形成されており、オリフィス通路32cによって副液
室43を主液室42に連通させている。主液室42と副
液室43には、上記非圧縮性の液体が封入されている。
【0026】また、主液室42は、第1支持金具21に
設けられた液室27にも流通孔28を介して接続されて
いる。ここで、オリフィス通路32cは、主液室42や
副液室43の各壁ばね剛性や封入流体の粘度等を考慮し
て、内部を通じて流動する流体の共振周波数が、アイド
リング振動に相当する20Hz前後の低周波数になるよう
に、各通路の長さや断面積が設定されており、アイドリ
ング振動に相当する20Hz前後の周波数域で振動伝達力
を低減させる効果が得られるように調整されている。
【0027】連結金具33の上端の中央孔33a内に
は、厚板状のゴム弾性体支持板35が介装されており、
ゴム弾性体支持板35は中央孔33aを液密に閉塞して
いる。ゴム弾性体支持板35の底面中央には、円板部3
6aとその片面側の中心から突出した突出部36bを有
した加振板36が、突出部36bを上に向けてその先端
がゴム弾性体支持板35の上面と略面一になりかつ円板
部36aがゴム弾性体支持板35の底面から露出した状
態で埋設されている。加振板36には、円板部36a側
から突出部36bに向けて同軸的にネジ孔36cが設け
られている。
【0028】底金具34の底面には、鉄等の強磁性体で
形成された筒状のヨーク部材51が同軸的に載置され、
底面にボルトにより固定されている。ヨーク部材51
は、中心に貫通した軸孔52を設けており、外周面には
中心方向にへこみかつ周方向全体に延びた凹部53を設
けている。軸孔52には、支持棒54が、上下に移動可
能にかつヨーク部材51の上面から突出して挿着されて
いる。支持棒54の上端部54aにはねじ溝が形成され
て、上端部54aの近傍には外周面から突出した鍔部5
4bが形成されている。凹部53の内部には周方向に連
続しまたは不連続に円筒状の電磁石55が装着されてい
る。電磁石55のリード線56は、底金具34の底面に
設けた小孔34bを通して外部に導出されている。
【0029】ヨーク部材51の上部には、金属製の有底
円筒形状の押上部材57が底部を上側にして同軸的に配
設されている。押上部材57は、その内周面の内径がヨ
ーク部材51の外周面の外径とほぼ同一であり、ヨーク
部材51に対して上下に移動可能にされており、底面中
心に取付孔57aを設けている。そして、支持棒54を
取付孔57aを介して加振板36のネジ孔36cに螺着
させることにより、押上部材57が支持棒54の鍔部5
4bに支持されて加振板36に固定されている。これに
より、リード線56を通して電磁石55に通電すること
によって、電磁石55と押上部材57間の磁気ギャップ
における磁界との作用で押上部材57に対して軸方向
(上下方向)の電磁力が及ぼされ、この電磁力によって
押上部材57に上下方向の力として伝達され、さらに押
上部材57によって加振板36を振動させるようになっ
ている。
【0030】上記第1の実施形態の動作について説明す
ると、20Hz近辺の低周波数の振動を発生するエンジン
のアイドリング時において、イグニッションパルス信号
SF及び車速信号SS が正弦波信号生成装置11に入力
されると、この信号は振動に応じた位相及び周波数に調
整された正弦波信号SSIに変換して出力される。同時
に、キャリア信号生成装置12において、イグニッショ
ンパルス信号SF に対して、可聴周波数以上の周波数の
三角波であるキャリア信号SC が生成される。つぎに、
正弦波信号SSIとキャリア信号SC が、比較器13に入
力され、正弦波信号SSIがキャリア信号SC より大きい
場合にオンとなる幅変調されたパルス信号として出力さ
れる。さらに、幅変調されたパルス信号は、スイッチン
グ装置14に入力され、スイッチング装置14をオンオ
フさせることにより、バッテリ電源15から、パワーユ
ニット61の振動の振幅及び位相に応じたタイミングの
制御電気信号が、エンジンマウント20の電磁石55の
コイルへ通電される。
【0031】エンジンマウント20は、電磁石55への
通電のオンオフにより、押上部材57が上下方向に押さ
れ、それに伴い加振板36が上下方向に加振され、副液
室43に対して加振板36の加振周波数に対応した周波
数と圧力の内圧変動が生じ、主液室42と副液室43間
での相対的な内圧差により両室間でオリフィス通路32
cを通じての液体の流動が生じ、副液室43の内圧変動
が主液室42に伝達され、主液室42の内圧変動に応じ
た加振力が発せられる。このように、ボデー62におけ
る防振しようとする低周波数の振動に対応したタイミン
グで加振板36を加振させて、加振力を発生させること
により、パワーユニット61からボデー62に伝えられ
る振動に対して、能動的に防振効果が発揮される。
【0032】その結果、第1の実施形態によれば、正弦
波信号生成装置11、キャリア信号生成装置12、比較
器13、スイッチング装置14等の従来にくらべて安価
な装置を用いて、パワーユニット61からボデー62に
伝達されるアイドリング時等に発生する20Hz前後の低
周波数の振動を安価に減少させることができる。さら
に、スイッチング装置14の出力側に並列にコンデンサ
Cを接続したことにより、スイッチング装置14の出力
からの高次成分を低減させることができ、従来のパワー
アンプにより正弦波で駆動する場合の出力特性と同等の
特性を非常に安価に得ることができる。
【0033】つぎに、第2の実施形態について説明す
る。本実施形態の能動型防振装置は、図4に示すよう
に、正弦波信号生成装置71と、パルス生成装置72
と、スイッチング装置73とを設けると共に、スイッチ
ング装置73の出力側には抵抗rを介してバッテリ電源
15から給電されるエンジンマウント20の電磁石55
のコイルが接続されて構成されている。抵抗rとエンジ
ンマウント20の間には、コンデンサCが並列に接続さ
れている。正弦波信号生成装置71とスイッチング装置
73については、第1の実施形態に示したものと同様の
構成である。
【0034】パルス生成装置72は、CPU,ROM,
RAM等を含むマイクロコンピュータと、A/Dコンバ
ータ及びD/Aコンバータにより構成されており、位相
調整パルス信号SI をA/Dコンバータによりデジタル
変換し、アイドリング時のパワーユニット61の振動の
振幅変化を予めデータ等により求めて記憶したマップ等
に基づき、正弦波信号の振幅に応じてデジタル的にデュ
ーティ比を変化させ、D/Aコンバータによりアナログ
変換することにより、デューティ比の変更された図3に
示したパルス信号SH と同様のパルス信号SD として出
力するものである。なお、パルス信号SD の周期は、正
弦波信号の周期の10倍以上でよいが、可聴周波数(2
0kHz )以上であることがより望ましい。
【0035】上記のように構成した第2の実施形態の動
作について説明すると、20Hz近辺の低周波数の振動を
発生するエンジンのアイドリング時において、イグニッ
ションパルス信号SF 及び車速信号SS が正弦波信号生
成装置11に入力されると、この信号は振動に応じた位
相及び周波数に調整された正弦波信号SSIに変換して出
力される。つぎに、正弦波信号SSIの入力により、パル
ス生成装置72は、予めデータ等により求めて記憶した
マップ等に基づき、正弦波信号SSIの振幅に応じてデジ
タル的にデューティ比を変化させ、D/Aコンバータに
よりアナログ変換することにより、デューティ比の変更
されたパルス信号SD として出力する。このデューティ
比の変更されたパルス信号は、スイッチング装置14に
入力され、スイッチング装置14をオンオフさせること
により、バッテリ電源15から、パワーユニット61の
振動の振幅及び位相に応じたタイミングの制御電気信号
が、エンジンマウント20の電磁石55のコイルへ通電
される。
【0036】その結果、第2の実施形態においても、上
記第1の実施形態に示したと同様に、エンジンマウント
の駆動により、パワーユニット61からボデー62に伝
えられる振動に対して、能動的に防振効果が発揮され
る。
【0037】また、第2の実施形態の変形例として、パ
ルス生成装置72により生成するパルス信号を、図5に
示すように、制御対象周期の0.1倍程度の所定の時間
間隔内においてはデューティ比を同一にしたデューティ
比変更周期を設けたものである。これにより、パルス生
成装置72の分解能が低くても信号生成上問題なくな
り、分解能の低い安価なパルス生成装置を使用すること
もできる。
【0038】なお、上記各実施形態において、スイッチ
ング装置の出力側に並列に接続したコンデンサCについ
ては、多少の高周波成分を含んでもようような用途に対
しては、これを省くこともできる。また、エンジンマウ
ントの具体的構造については、上記実施形態に示した構
造に限るものではない。上記実施形態においては、本発
明を自動車のエンジンマウントの加振制御に用いた場合
について説明したが、その他の制振対象部材の加振制御
にも用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態である能動形防振装置
を概略的に示すブロック図である。
【図2】能動型防振装置の本体であるエンジンマウント
を示す断面図である。
【図3】能動形防振装置の各部における信号波形を示す
特性図である。
【図4】第2の実施形態である能動形防振装置の電気的
構成を示す回路図である。
【図5】第2の実施形態の変形例におけるパルス信号の
信号波形を示す特性図である。
【符号の説明】
11… 正弦波信号生成装置、12…キャリア信号生成
装置、13…比較器、14…スイッチング装置、15…
バッテリ電源、20…エンジンマウント、21…第1支
持金具、22…上金具、23…下金具、25…ゴム弾性
膜、26…空気室、27…液室、28…流通孔、30…
第2支持金具、31…連結リング金具、32…通路形成
金具、32c…オリフィス通路、33…連結金具、34
…底金具、35…ゴム弾性体支持板、36…加振板、3
6a…円板部、36b…突出部、36c…ネジ孔、41
…本体ゴム弾性体、42…主液室、43…副液室、51
…ヨーク部材、52…軸孔、53…凹部、54…支持
棒、55…電磁石、56…リード線、57…押上部材、
61…パワーユニット、62…ボデー、72…パルス生
成装置。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制振対象部材からの振動入力によって弾
    性変形させられる本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成さ
    れて液体が封入された液室を有すると共に、駆動手段に
    よって変位させられる加振板にて該液室の壁部の他の一
    部が構成されてなる防振装置本体と、前記制振対象部材
    の振動に対応した制御電気信号を前記駆動手段に加え
    て、該駆動手段により前記加振板を加振させるように制
    御する振動制御手段とを備え、前記液室を、前記本体ゴ
    ム弾性体の弾性変形に基づく圧力変化が及ぼされる主液
    室と、前記加振板の変位に基づく圧力変化が及ぼされる
    副液室を含んで構成すると共に該主液室と副液室を連通
    するオリフィス通路を設けた能動型防振装置であって、 前記駆動手段を、加えられる前記制御電気信号の大きさ
    に対応した大きさの駆動力を生じる電気・機械変換手段
    により構成し、 前記振動制御手段を、前記制振対象部材の振動に対応し
    た周波数及び位相の正弦波信号を生成する正弦波信号生
    成手段と、該正弦波信号の最高周波数の少なくとも10
    倍以上の周波数の矩形波または三角波であるキャリア信
    号を生成するキャリア信号生成手段と、前記正弦波信号
    をキャリア信号の大小を比較し、両信号の内のいずれか
    一方が他方より大きいときをオン状態として幅変調され
    たパルス信号を出力する比較手段と、該幅変調パルス信
    号の入力に応じてオンオフすることにより、前記駆動手
    段に対して該幅変調パルス信号に応じた電源からの給電
    を行わせるスイッチング手段とにより構成したことを特
    徴とする能動型防振装置。
  2. 【請求項2】 制振対象部材からの振動入力によって弾
    性変形させられる本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成さ
    れて液体が封入された液室を有すると共に、駆動手段に
    よって変位させられる加振板にて該液室の壁部の他の一
    部が構成されてなる防振装置本体と、前記制振対象部材
    の振動に対応した制御電気信号を前記駆動手段に加え
    て、該駆動手段により前記加振板を加振させるように制
    御する振動制御手段とを備え、前記液室を、前記本体ゴ
    ム弾性体の弾性変形に基づく圧力変化が及ぼされる主液
    室と、前記加振板の変位に基づく圧力変化が及ぼされる
    副液室を含んで構成すると共に該主液室と副液室を連通
    するオリフィス通路を設けた能動型防振装置であって、 前記駆動手段を、加えられる前記制御電気信号の大きさ
    に対応した大きさの駆動力を生じる電気・機械変換手段
    により構成し、 前記振動制御手段を、前記制振対象部材の振動に対応し
    た周波数及び位相の正弦波信号を生成する正弦波信号生
    成手段と、予め定めたデータに基づいて該正弦波信号の
    電圧値に応じたデューティ比のパルス信号を出力するパ
    ルス生成手段と、該パルス信号の入力に応じてオンオフ
    することにより、前記駆動手段に対して該パルス信号に
    応じた電源からの給電を行わせるスイッチング手段とに
    より構成したことを特徴とする能動型防振装置。
  3. 【請求項3】 前記請求項2に記載の能動型防振装置に
    おいて、前記パルス生成手段によるパルス信号が所定の
    時間間隔に区分されて、各時間間隔内においてデューテ
    ィ比が同一にされることを特徴とする能動型防振装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006038188A (ja) * 2004-07-30 2006-02-09 Tokai Rubber Ind Ltd 能動型防振装置
EP2161642A2 (en) * 2008-09-03 2010-03-10 CNH Italia S.p.A. Hydraulic shock dissipation for implement bounce
CN111147026A (zh) * 2019-09-23 2020-05-12 广东小天才科技有限公司 一种音频功率放大器、音频播放装置及音频播放的方法

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