JP3719067B2 - 電磁式加振装置の制御方法及び電磁式加振装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両等の振動発生源からの振動を能動的に抑制するのに適した電磁式加振装置の制御方法及び電磁式加振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電磁式加振装置としては、例えば振動発生源である車体側に取り付けられる取付金具に、電磁石を収容したヨークを取り付け、さらにヨークに対してゴム弾性体により弾性支持されたマス部材を設けた電磁式の制振器と、電磁石に電気制御信号を入力して電気制御信号の大きさに対応した大きさの駆動力を生じさせる駆動制御手段とを設けたものが知られている。この加振装置は、電磁石を駆動させることによりマス部材を振動させ、マス部材の振動に基づく加振力により振動発生源の振動を能動的に抑えようとするものである。
【0003】
この電磁式加振装置は、図10に示すように、振動発生源の振動周波数に相関した周波数の回転パルスセンサ等の出力である入力パルス信号Sに対して、これと同期すると共に位相θずらせ、かつ振動発生源の振動振幅に対応した制御振幅の大きさをデューティ比の大きさに相関させた電気制御信号Cを形成し、この電気制御信号Cに基づいて駆動手段によりマス部材に振動を与え、この振動に基づく加振力により車体振動を抑制していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記電磁式加振装置では、電気制御信号のオンオフにより、電磁石を駆動する駆動信号に基準周波数の他に高次周波数の信号成分が加えられることになり、マス部材による適正な加振力が損なわれるという問題がある。これに対し、図11に示すように、入力パルス信号Sと同期しかつ高次成分の発生の少ない所定のデューティ比の基準パルス信号Pを形成し、一方振動発生源の振動振幅に対応した制御振幅の大きさをデューティ比の大きさに相関させて置き換えると共に基準パルス信号Pの周波数より高い所定周波数のキャリア信号(図示しない)を形成し、このキャリア信号を基準パルス信号Pに重畳させることにより電気制御信号Cを形成する方法が考えられる。すなわち、基準パルス信号成分によって、電磁石を駆動する駆動信号に基準周波数の他に高次周波数の信号成分が発生する不具合を抑え、一方振動発生源の振動振幅に対応した大きさのデューティ比のキャリア信号を重畳することにより、駆動信号の振幅を制御しようとするものである。
【0005】
しかし、この電気制御信号Cによれば、キャリア信号成分のデューティ比が小さくなると、電磁駆動手段のアクチュエータである電磁石の時定数によって、電磁石を駆動するための十分な電流が供給されなくなり、マス部材を加振する加振力とキャリア成分のデューティ比との関係が非線形になり、適正な振動抑制の効果を発揮できなくなるという問題がある。
本発明は、上記した問題を解決しようとするもので、高次成分を簡易に除去できると共に適正な加振力が得られる電磁式加振装置の制御方法及び電磁式加振装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記目的を達成するために、上記請求項1に係る発明の構成上の特徴は、入力される電気制御信号の大きさに対応した大きさの駆動力を生じる電気・機械変換機構を備えた駆動手段と、駆動手段の駆動力によって振動させられる振動部材を設け、振動発生源からの振動入力に対応した電気制御信号を駆動手段に加えて振動部材を振動させ、振動に基づく加振力により振動発生源の振動を能動的に抑制する電磁式加振装置において、振動発生源の振動周波数に相関した周波数の入力パルス信号と同期した所定のデューティ比の基準パルス信号を形成し、一方振動発生源の振動振幅に対応した制御振幅の大きさをデューティ比の大きさに相関させて置き換えると共に基準パルス信号の周波数より大きい所定周波数のキャリア信号を形成し、キャリア信号を基準パルス信号に重畳させると共に、さらに基準パルス信号の個々のパルスにおいて重畳されたキャリア信号の最初のパルスのパルス幅を他のパルスのパルス幅より大きくすることにより電気制御信号を形成するようにしたことにある。
【0007】
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、振動発生源の振動周波数と相関した周波数の入力パルス信号に同期しかつ高次成分の発生の小さい所定のデューティ比とした電気制御信号の基準パルス信号成分により、駆動手段における高次成分信号の発生を抑えることができ、適正な振動数成分を備えた加振力を確保できる。また、振動部材の振動に基づく加振力の調節を、振動発生源の振動振幅に対応した制御振幅の大きさをそれに相関するデューティ比の大きさに置き換えると共に基準パルス信号の周波数より高い所定周波数のキャリア信号を基準パルス信号に重畳して形成した電気制御信号により行なうことができる。しかも、電気制御信号の個々の基準パルス成分において重畳されたキャリア信号については、その最初のパルスのパルス幅が他のパルスのパルス幅より大きくされている。そのため、キャリア信号のデューティ比が小さくなった場合において、電気制御信号の入力に対する駆動手段の駆動電流の応答が遅れることによりキャリア信号のデューティ比に応じて加振力が得られなくなる不都合を、最初のパルスのパルス幅をその後のパルスのパルス幅より広くすることにより避けることができ、駆動電流の応答遅れをカバーすることができる。そのため、キャリア信号のデューティ比に応じたすなわち振動発生源の振動振幅に相関した駆動電流で振動部材を振動させることができ、振動部材の振動に基づく適正な加振力を確保することができる。
その結果、請求項1の発明によれば、適正な加振力により振動発生源における振動を能動的に抑制できる。
【0008】
また、上記請求項2に係る発明の構成上の特徴は、前記請求項1に記載の電磁式加振装置の制御方法において、電気制御信号において、基準パルス信号の個々のパルスに重畳されたキャリア信号の最初のパルスのパルス幅を他のパルスのパルス幅より大きくすると共に、さらに最初のパルスのパルス幅を、キャリア信号のデューティ比に相関した大きさにしたことにある。
【0009】
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、電気制御信号の個々の制御パルスにおいて重畳されたキャリア信号の最初のパルスのパルス幅を他のパルスのパルス幅より大きくすることにより、キャリア信号のデューティ比が小さくなった場合にも、電気制御信号の入力に対する駆動手段の駆動電流の応答遅れを防止でき、キャリア信号に応じて振動部材の加振力が得られる。さらに、最初のパルスのパルス幅を一定ではなく、キャリア信号のデューティ比に対応した大きさにしたことにより、キャリア信号のデューティ比の大小に対してより適正に対応した大きさの駆動電流が得られ、振動発生源の振動振幅に適正に対応した加振力を得ることができる。
その結果、請求項2の発明によれば、さらに適正な加振力により振動発生源における振動を効果的に抑制できる。
【0010】
また、上記請求項3に係る発明の構成上の特徴は、入力される電気制御信号の大きさに対応した大きさの駆動力を生じる電気・機械変換機構を備えた駆動手段と、駆動手段の駆動力によって振動させられる振動部材を設け、振動発生源からの振動入力に対応した電気制御信号を駆動手段に加えて振動部材を振動させ、振動に基づく加振力により振動発生源の振動を能動的に抑制する電磁式加振装置において、振動発生源の振動周波数に相関した周波数の入力パルス信号と同期した所定のデューティ比の基準パルス信号を形成し、さらに基準パルス信号の個々のパルスについて、振動発生源の振動振幅の大きさに対応した制御振幅に相関させるために、予め規定されたランダムなタイミング及び幅のオフ部分を少なくとも1つ加えることにより電気制御信号を形成するようにしたことにある。
【0011】
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、振動発生源の振動周波数と相関した周波数の入力パルス信号に同期しかつ高次成分の発生の小さい所定のデューティ比とした電気制御信号の基準パルス信号成分により、駆動手段における高次成分信号の発生を抑えることができ、適正な振動数成分を備えた加振力を確保できる。また、振動部材の振動に基づく加振力の調節を、基準パルス信号の個々のパルスについて、予め規定されたランダムなタイミング及び幅のオフ部分を加えることにより電気制御信号を形成し、この電気制御信号により駆動手段の駆動電流を制御することにより行なうようにした。そのため、電気制御信号に対して適正に対応した駆動電流が得られ、振動発生源の振動振幅に適正に対応した加振力を得ることができ、さらに上記基準パルス信号成分により得られる高次成分信号の発生を抑える効果に加えてさらに効果的に高次成分信号を抑制することができる。
その結果、請求項3の発明によれば、さらに適正な加振力により振動発生源の振動を効果的に抑制できる。
【0012】
また、上記請求項4に係る発明の構成上の特徴は、前記請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の電磁式加振装置の制御方法において、入力パルス信号に基づいて電気制御信号を予め形成すると共に、予め形成された多数の電気制御信号をマップ化して記憶しておき、入力された入力パルス信号に応じて記憶された電気制御信号の内から対応する電気制御信号を選択し、選択された電気制御信号を駆動手段に加えるようにしたことにある。
【0013】
上記のように構成した請求項4に係る発明においては、駆動手段における高次成分信号の発生を抑えることができ、適正な振動数成分を備えた加振力を確保できると共に、電気制御信号に対して適正に対応した駆動電流が得られ、振動発生源の振動振幅に適正に対応した加振力を得ることができる。さらに、振動発生源の振動周波数と相関した周波数の入力パルス信号に基づいて制御信号を予め形成してマップ化し記憶しておくことにより、制御構成を簡略化できる。
その結果、請求項4の発明によれば、上記請求項1、2、3の発明の効果に加えて、電磁式加振装置の制御部分のコストを低減することができる。
【0014】
また、上記請求項5に係る発明の構成上の特徴は、入力される電気制御信号の大きさに対応した大きさの駆動力を生じる電気・機械変換機構を備えた駆動手段と、駆動手段の駆動力によって振動させられる振動部材を設け、振動発生源からの振動入力に対応した電気制御信号を駆動手段に加えて振動部材を振動させ、振動に基づく加振力により振動発生源の振動を能動的に抑制する電磁式加振装置において、振動発生源の振動周波数に相関した周波数の入力パルス信号と同期した所定のデューティ比の基準パルス信号を形成する基準パルス信号形成手段と、振動発生源の振動振幅に対応した制御振幅の大きさに相関したデューティ比の大きさに置き換えると共に基準パルス信号の周波数より大きい所定周波数のキャリア信号を形成するキャリア信号形成手段と、キャリア信号を基準パルス信号に重畳させると共に、さらに基準パルス信号の個々のパルスにおいて重畳されたキャリア信号の最初のパルスのパルス幅を他のパルスのパルス幅より大きくすることにより電気制御信号を形成する電気制御信号形成手段とを設けたことにある。
【0015】
上記のように構成した請求項5に係る発明においては、基準パルス信号形成手段により形成した振動発生源の振動周波数と相関した周波数の入力パルス信号と同期しかつ高次成分の発生の小さい所定のデューティ比とした基準パルス信号成分により、駆動手段における高次成分信号の発生を抑えることができ、適正な振動数成分を備えた加振力を確保できる。また、加振力の調節を、電気制御信号形成手段により、振動発生源の振動振幅に対応した制御振幅の大きさをそれに相関するデューティ比の大きさに置き換えた所定周波数のキャリア信号を基準パルス信号に重ね合わせることにより得られた電気制御信号により行なうことができる。しかも、電気制御信号の個々のパルスにおいて重畳されたキャリア信号成分においては、電気制御信号発生手段によって、その最初のパルスのパルス幅が他のパルスのパルス幅より大きくされている。そのため、キャリア信号のデューティ比が小さくなった場合において、電気制御信号の入力に対する駆動手段による駆動電流の応答が遅れることによりキャリア信号に応じた加振力が得られなくなる不都合を、最初のパルスのパルス幅をその後のパルスのパルス幅より広くすることにより回避でき、駆動電流の応答遅れをカバーすることができる。そのため、キャリア信号のデューティ比に応じたすなわち信号発生源の振動振幅に応じた駆動電流で駆動手段により振動部材を振動させることができ、適正な加振力を確保することができる。
その結果、請求項5の発明によれば、電磁式加振装置は、適正な加振力により振動発生源の振動を能動的に抑制することができる。
【0016】
また、上記請求項6に係る発明の構成上の特徴は、前記請求項5に記載の電磁式加振装置において、電気制御信号形成手段の代わりに、キャリア信号を基準パルス信号に重畳させ、さらに基準パルス信号の個々のパルスにおいて重畳されたキャリア信号の最初のパルスのパルス幅を他のパルスのパルス幅より大きくすると共に最初のパルスのパルス幅を、キャリア信号のデューティ比に相関した大きさにすることにより電気制御信号を形成する第2電気制御信号形成手段を設けたことにある。
【0017】
上記のように構成した請求項6に係る発明においては、第2電気制御信号形成手段により、基準パルス信号の個々のパルスにおいて重畳されたキャリア信号の最初のパルスのパルス幅を他のパルスのパルス幅より大きくすることにより、キャリア信号のデューティ比が小さくなった場合に、制御信号の入力に対する駆動手段による駆動電流の応答遅れを防止でき、キャリア信号に応じた振動部材の振動に基づく加振力が得られる。さらに、第2電気制御信号形成手段により、最初のパルスのパルス幅を一定ではなく、キャリア信号のデューティ比に対応した大きさにしたことにより、キャリア信号のデューティ比の大小に対してより適正に対応した駆動電流が得られ、振動発生源の振動振幅に適正に対応した加振力を得ることができる。
その結果、請求項6の発明によれば、さらに適正な加振力により振動発生源の振動を能動的に抑制することができる。
【0018】
また、上記請求項7に係る発明の構成上の特徴は、入力される電気制御信号の大きさに対応した大きさの駆動力を生じる電気・機械変換機構を備えた駆動手段と、駆動手段の駆動力によって振動させられる振動部材を設け、振動発生源からの振動入力に対応した電気制御信号を駆動手段に加えて振動部材を振動させ、振動に基づく加振力により振動発生源の振動を能動的に抑制する電磁式加振装置において、請求項5に記載の基準パルス信号形成手段及びキャリア信号形成手段と、請求項5に記載の電気制御信号形成手段または請求項6に記載の第2電気制御信号形成手段を用いて、振動発生源の振動周波数に相関した周波数の入力パルス信号に基づいて予め形成した多数の電気制御信号をマップ化して記憶した記憶手段と、入力パルス信号の入力に応じて記憶手段から対応する電気制御信号を読み出す電気制御信号読出し手段とを設け、電気制御信号読出し手段により読み出された電気制御信号を駆動手段に加えることにある。
【0019】
上記のように構成した請求項7に係る発明においては、予め基準パルス信号形成手段と、キャリア信号形成手段と、電気制御信号形成手段または第2電気制御信号形成手段を用いて、振動発生源の振動周波数と相関した周波数の入力パルス信号に基づいて形成された電気制御信号について、これをマップ化して記憶手段に記憶しておき、入力された入力パルス信号に応じて電気制御信号読出し手段によって適正な電気制御信号を読出し、読み出された制御信号により駆動手段を駆動することができる。そのため、上記請求項5、請求項6に記載したように、駆動手段における高次成分信号の発生を抑えることができ、適正な振動数成分を備えた加振力を確保できると共に、駆動手段において電気制御信号に対して適正に対応した駆動電流が得られ、振動発生源の振動振幅に適正に対応した加振力を得ることができる。さらに、電気制御信号をマップ化して記憶手段に記憶し、電気制御信号読出し手段により振動発生源からの入力パルス信号に対応した電気制御信号を読み出すようにしたことにより、制御構成を簡略化できるため、制御部分のコストを低減することができる。
その結果、請求項7の発明によれば、適正な加振力により振動発生源の振動を能動的に抑制することができると共に、電磁式加振装置を量産する場合に、装置の制御部分を安価に提供することができる。
【0020】
また、上記請求項8に係る発明の構成上の特徴は、入力される電気制御信号の大きさに対応した大きさの駆動力を生じる電気・機械変換機構を備えた駆動手段と、駆動手段の駆動力によって振動させられる振動部材を設け、振動発生源からの振動入力に対応した電気制御信号を駆動手段に加えて振動部材を振動させ、振動に基づく加振力により振動発生源の振動を能動的に抑制する電磁式加振装置において、振動発生源の振動周波数に相関した周波数の入力パルス信号と同期した所定のデューティ比の基準パルス信号を形成する基準パルス信号形成手段と、基準パルス信号の個々のパルスについて、振動発生源の振動振幅に対応した大きさの制御振幅に相関させるために、予め規定されたランダムなタイミング及び幅のオフ部分を少なくとも1つ設けることにより電気制御信号を形成する第3電気制御信号形成手段とを用いて、振動発生源の振動周波数に相関した周波数の入力パルス信号に基づいて予め形成された多数の電気制御信号をマップ化して記憶した第2記憶手段と、入力パルス信号の入力に応じて第2記憶手段から対応する電気制御信号を読み出す第2電気制御信号読出し手段とを設け、第2電気制御信号読出し手段により読み出された電気制御信号を駆動手段に加えることにある。
【0021】
上記のように構成した請求項8に係る発明においては、予め基準パルス信号形成手段と、第3電気制御信号形成手段を用いて、振動発生源の振動周波数と相関した周波数の入力パルス信号に基づいて形成された電気制御信号について、これをマップ化して第2記憶手段に記憶しておき、入力パルス信号の入力に応じて第2電気制御信号読出し手段によって適正な電気制御信号を読出し、読み出された電気制御信号により駆動手段の駆動制御を行なうことができる。すなわち、電気制御信号形成手段により形成された、振動発生源の振動周波数と相関した周波数の入力パルス信号と同期しかつ高次成分の発生の小さい所定のデューティ比とした電気制御信号の基準パルス成分により、駆動手段における高次成分信号の発生を抑えることができ、適正な振動数成分を備えた加振力を確保できる。また、振動部材の振動に基づく加振力の調節を、第3電気制御信号形成手段により、基準パルス信号の個々のパルスについて、予め規定されたランダムなタイミング及び幅のオフ部分を加えることにより電気制御信号を形成し、この電気制御信号により駆動手段の駆動を制御することにより行なうことができる。そのため、電気制御信号に対して適正に対応した駆動電流が得られ、振動発生源の振動振幅に適正に対応した加振力を得ることができ、さらに上記基準パルス信号成分により得られる高次成分信号の発生を抑える効果に加えてさらに効果的に高次成分信号を抑えることができる。
【0022】
さらに、電気制御信号をマップ化して第2記憶手段に記憶し、第2電気制御信号読出し手段により入力信号の入力に対応した電気制御信号を読み出すようにしたことにより、制御構成を簡略化できるため、制御部分のコストを低減することができる。
その結果、請求項8の発明によれば、電磁式加振装置の適正な加振力により、振動発生源の振動を効果的に抑制することができると共に、電磁式加振装置を量産する場合に、装置の制御部分を安価に提供することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明すると、図1は、同実施形態を適用した自動車の車体等の振動制御対象に適用される電磁式加振装置の全体構成を模式図により概略的に示したものであり、図2は電磁式加振装置の要部である制振器を部分断面図により示したものである。この電磁式加振装置は、制振器10と、制振器10を駆動制御することにより加振力を生じさせる駆動制御手段30とにより構成されている。
【0024】
制振器10は、図2に示すように、取付金具11と、これに固定されたヨーク15に支持された電磁石16と、ヨーク15に対して所定間隔を隔てて互いに同軸位置(図示上側)に配置されたマス部材25と、ヨーク15とマス部材25を連結する略筒状のゴム弾性体21を備えている。取付金具11は、有底の円筒部12と、その開口側(図示下側)に軸直角方向外方に延びた円環形状のフランジ部13とを設けており、フランジ部13の周方向の複数箇所に板面を貫通した取付孔13aを設けている。円筒部12の平面側全面には、円柱形状のヨーク15が同軸的に配置され固定されている。ヨーク15には、電磁石16が同軸状にかつ環状に配列されて埋設されておリ、電磁石16の上面はヨーク15の上面に露出している。
【0025】
ゴム弾性体21は、小径の内側リング部22と、大径の外側リング部23とを設けており、両リング部22,23は同軸的にかつ軸方向に互いにわずかにずれた状態で配置されている。すなわち、外側リング部23の一端側が、内側リング部22から軸方向にわずかに外れた状態になっている。内側リング部22の軸方向長さは、ヨーク15の軸方向長さと略同一であり、また外側リング部23の軸方向長さよりわずかに短くなっている。そして、内側リング部22の外周全面と、外側リング部23の他端側から軸方向の略中間までの内周面との間には、筒状のゴム部24が加硫成形により形成されて両リング部22,23間を弾性的に連結している。すなわち、ゴム部24の両端面は、外側リング部23の内側リング部22に対する軸方向にずれた方向にわずかに傾斜している。
【0026】
ゴム弾性体21は、内側リング部22をヨーク15に圧入することにより、ヨーク15に固定される。ゴム弾性体21の外側リング部23のゴム部24が接着されていない内周面側23aには、円柱ブロック形状のマス部材25が圧入により固定されている。この状態でヨーク15の平面(図示上面)とマス部材25の平面(図示下面)との間には所定寸法の平坦な空間Sが設けられている。
この制振器10は、取付金具11を取付孔13aを介してボルト等によって振動発生源である車体側部材に固定することにより車体側に取り付けられ、また電磁石16はリード線によって駆動制御手段30の駆動部35に接続される。
【0027】
つぎに、上記制振器10の電磁石16への通電状態を制御する駆動制御手段について説明する。駆動制御手段30は、図1に示すように、マイクロコンピュータ等よりなる制御部31と、駆動部35とを備えている。制御部31は、エンジンに設けた回転数センサの回転パルス等の振動発生源の振動周波数に相関した周波数の入力パルス信号Sを入力し、その周波数と各種運転状態(振幅及び位相に相関する)を読み取る信号読取り部32と、予め入力パルス信号Sに基づいて形成された多数の制御信号Cを記憶する記憶部33と、信号読取り部32からの信号データに基づいて記憶部33から適正な制御信号Cを選択して駆動部35に出力する演算部34とにより構成されている。制御部31の演算部34出力側には、電磁石16への通電をオンオフさせる上記駆動部35が接続されている。駆動部35は、制御信号Cの入力に応じてオンオフするスイッチング用FET36を設けており、FET36の出力側に出力抵抗37が接続されているもので、この出力抵抗37の両端に制振器の電磁石16が接続されている。さらに、FET36と出力抵抗37の両端には電源が加えられるようになっている
【0028】
つぎに、制御信号Cの形成について図3により説明する。まず、振動発生源の振動周波数と同一周波数の入力パルス信号Sを、入力パルス信号Sと同一周波数であって、位相がθ遅れ位相であると共に、デューティ比を振動周波数の高次周波数の信号成分である高次成分の発生の最も少ない50%近辺の値とした基準パルス信号Pに形成する。ここでは、制御対象となる振動周波数については、アイドリング時等に対応した20〜100Hz程度の範囲の低周波数領域を対象とするものとする。さらに、入力パルス信号Sより周波数が高い例えば200Hz〜1kHzの周波数でかつ振動発生源の振動振幅に相関したデューティ比のキャリア信号(図示しない)を形成する。キャリア信号の形成は、振動発生源の振動振幅に相関するシフトポジション位置信号、車速信号等を直接利用して形成することもできるが、これらのデータを利用して実験的に形成することもできる。
御装置。
【0029】
さらに、基準パルス信号Pにキャリア信号を重ね合わせることにより制御信号Cが得られるが、制御信号Cは、図3及び図4に示すように、基準パルス信号Pの個々のパルスP1にキャリア信号を重ね合せた個々の制御パルスC0内において最初のパルスC1の幅をその後のパルスC2の幅より大きくするように変更されている。図4においては、上段が制御パルスC0を、下段が駆動電流を示すもので、キャリアパルスのデューティ比(図4(a)で50%、(b)で33%)の変化に応じて、駆動電流が変化するようになっている。
【0030】
制御信号Cに重ね合わされたキャリアパルスの幅を全て均一にすると、キャリアパルスのデューティ比が小さくなり過ぎたときに、制御信号Cに対する電流の応答遅れにより駆動電流が得られなくなるため、最初のパルスC1で電流を立ち上げることができるように、パルスC1の幅をその後のパルスC2の幅より大きくしたのである。このように入力パルス信号Sに応じて予め作成した適正な制御信号Cをマップ化し、マップ化したデータが記憶部33に記憶されている。記憶部33に記憶されたデータは、信号読取り部32へ入力された入力パルス信号Sに応じて、演算部34によって読み出される。なお、制御信号Cについては、制御部の構成が複雑になるが、入力パルス信号Sに応じて演算部34で形成してそのまま駆動部35に出力することも可能である。
【0031】
つぎに、上記のように構成された第1の実施形態の動作について説明する。
制御部31は、イグニッションスイッチのオンに応じて動作を開始し、エンジンに設けた回転数センサの回転パルス等の振動発生源の振動周波数と同一周波数の入力パルス信号Sが入力され信号読取り部32で読み込まれる。さらに、演算部34において、この入力パルス信号Sの周波数を演算により求め、その周波数での振幅及び位相に対応する制御信号Cが記憶部33から読み出され、外部の駆動部35に出力される。入力された制御信号Cに基づいて、駆動部35によって駆動電流が形成され、これにより電磁石16の通電が制御される。電磁石16の通電及び通電停止に応じて、マス部材25の電磁石16への吸引及び吸引停止が繰り返されることによりマス部材25が軸方向(図示上下方向)に振動する。このマス部材25の振動に伴う加振力によってゴム弾性体21が変形し、この変形により車体側から取付金具11に伝えられる低い周波数の振動入力を能動的に打ち消す振動抑制の効果が発揮される。
【0032】
このとき、演算部34から出力された制御信号Cの個々の制御パルスC0のデューティ比が高次成分を発生し難い50%近辺の値に設定されているため、駆動電流における高次成分の発生を抑えることができ、マス部材25を適正な振動数で振動させることができる。また、上記したように、個々の制御パルスC0に重ね合わされた振幅の変化に対応したデユーティ比のキャリアパルスの最初のパルスC1の幅がその後のパルスのC2パルス幅より広くされていることにより、キャリアパルス信号成分のデューティ比が小さくなったときに、制御信号Cの入力に対する電磁石16へ入力される駆動電流の応答遅れを防止できる。そのため、キャリア信号のデューティ比に応じたすなわち信号発生源の振動振幅に応じた駆動電流で電磁石16を駆動することができる。その結果、マス部材25による適正な振動により、制振器10の適正な加振力を発生させることができるので、車体の振動を適正に抑えることができる。また、入力パルス信号Sの周波数に応じて予め適正な制御信号Cを作成してマップ化し、マップ化したデータが記憶部33に記憶されており、記憶部33から適正な制御信号を読み出すように構成されているので、制御部分を簡易にすることができ、加振装置を量産した場合にその制御部分のコストを安価にすることができる。
【0033】
ここで、第1の実施形態についての具体的実験結果について説明する。
本実施形態に係る加振制御方法による電磁式加振装置と、従来の加振制御による電磁式加振装置について、所定の周波数域において、制振器10の所望の加振力である一次成分と不要な高次周波数成分である二次成分及び三次成分について測定した。その測定結果を、本実施形態ついて図5(a)に、従来例について図5(b)に示す。図5から明らかなように、一次成分については本実施形態品と従来品でほとんど差はないが、二次成分及び三次成分については、全体として従来品が非常に大きな値になっており、本実施形態品では二次成分及び三次成分を3Nrms程度低減できることが明らかになった。
【0034】
つぎに、第1の実施形態の変形例について説明する。
変形例においては、制御信号Cは、上記基準パルス信号Pに、入力パルス信号Sより周波数が高い例えば200Hz〜1kHzの周波数でかつ入力パルス信号Sの振幅に比例したデューティ比のキャリア信号を重ね合わせ、さらに、図6に示すように、個々の制御パルスC0に重ね合わされたキャリアパルスおいて最初のパルスC1の幅をその後のパルスC2の幅より大きくすると共に、最初のパルスC1の幅をキャリア信号のデユーティ比(図6(a)で50%、(b)で33%)に対応した大きさになるように可変にしたものである。
【0035】
上記構成の変形例においても、第1の実施形態において説明したように、演算部34から出力された制御信号Cの個々の制御パルスC0のデューティ比が高次成分を発生し難い値に設定されているため、駆動電流における高次成分の発生を抑えることができ、マス部材25を適正な振動数で振動させることができる。また、上記したように、個々の制御パルスC0に重ね合わされた、振動発生源の振動振幅の変化に対応したデユーティ比のキャリアパルスの最初のパルスC1の幅がその後のパルスC2のパルス幅より広くされていることにより、制御信号の入力に対する電磁石16へ入力される駆動電流の応答遅れを防止でき、キャリア信号のデューティ比に応じたすなわち信号発生源の振動振幅に応じた駆動電流で電磁石16を駆動させることができる。
【0036】
さらに、変形例においては、制御パルスC0における最初のパルスC1の幅がキャリア信号のデューティ比に対応した大きさになっている。そのため、駆動電流の応答遅れを防止できると共に、デューティ比が小さい場合において、最初のパルスの幅が広すぎることにより発生力が規定の値より大きくなることを防止でき、マス部材25の振動に基づくさらに適正な加振力を確保することができる。その結果、変形例においては、制振器10にさらに適正な加振力を発生させることができるので、車体振動を一層適正に抑制することができる。
【0037】
つぎに、本発明の第2の実施形態について説明する。
本実施形態においては、図7に示すように、入力パルス信号Sに対して同期した周波数でかつ位相を適正にずらせると共に、デューティ比を高次成分の最も少ない値として基準パルス信号Pに形成する。さらに、振動発生源の振動振幅に相関する制御振幅の大きさに対応させるために、基準パルス信号Pに対して予め規定されたランダムなタイミング及び幅のオフ部分α、β・・を少なくとも1つ加えることにより制御信号Cを形成したもので、この御信号Cにより電磁石16の通電を制御するようにした。例えば、図8に示すように、基準パルス信号のデューティ比が60%である制御パルスC0について、22%及び46%のタイミング及び5%幅でオフ部分α、βを設けることにより制御信号Cを形成している。このオフ部分の形成については、振動発生源の振動振幅に対応した制御振幅とするために、実験的に求めたものである。このように予め求めた制御信号Cデータについては、これをマップ化して記憶部33に記憶させている。なお、制御信号Cについては、制御構成が複雑になるが、入力パルス信号に応じて制御部において形成することもできる。
【0038】
上記構成の第2の実施形態においても、第1の実施形態において説明したように、演算部34から出力された制御信号Cの個々の制御パルスC0のデューティ比が高次成分を発生し難い値に設定されているため、駆動電流における高次成分の発生を抑えることができ、マス部材25を適正な振動数で振動させることができる。また、マス部材25の振動に基づく加振力の調節を、基準パルス信号Pの個々のパルスP1について、予め規定されたランダムなタイミング及び幅のオフ部分α、β・・を加えることにより制御信号Cを形成し、この制御信号Cにより電磁石16の通電状態を制御している。これにより、制御信号Cに対して適正に対応した駆動電流が得られ、振動発生源の振動振幅に適正に対応した制振器10の加振力を得ることができる。さらに、本実施形態においては、基準パルス信号成分により得られる高次成分信号の発生を抑える効果に加えてさらに効果的に高次成分信号を抑えることができる。
その結果、本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様に、制振器10に適正な加振力を発生させることができるので、車体振動を適正に抑制することができる。
【0039】
ここで、第2の実施形態についての具体的実験結果について説明する。
所定の周波数域において、本実施形態の加振制御に係る加振装置について、マス部材25の加振力を、所望の加振力である一次成分と不要な高次周波数成分である二次成分及び三次成分について測定したものであり、その測定結果を図9に示す。図9と、従来例の結果である図5(b)との比較により、一次成分については本発明品と従来品ほとんど際はないが、二次成分、三次成分については、従来品に対して3〜6Nrms程度低い値に低減でき、上記第1の実施形態の実験結果に比べてさらに優れた結果が得られることが明らかになった。
【0040】
なお、上記各実施形態においては、振動発生源の振動周波数に創案する周波数の入力パルス信号として、エンジンの回転パルス信号を用いているが、その他エンジンコントロールユニット等から得られるエアコンオンオフ、シフトポジション、水温等の車両の状態検出信号を用いることもできる。また、上記実施形態においては、加振装置として制振器を対象としており、この制振器は液室を設けていないものであるが、液室を設けた形式の制振器であってもよい。さらに、加振装置として、エンジン等の防振支持に用いられる液室有りあるいは液室無しの防振装置であってもよい。また、本発明の加振装置を、自動車以外の用途に適用してもよい。その他、本実施形態に示したものは一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々変更して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両に適用される電磁式加振装置の全体構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】同電磁式加振装置の制振器を概略的に示す断面図である。
【図3】同電磁式加振装置の信号形成状態を説明する説明図である。
【図4】制御信号Cと駆動電流の関係について説明する説明図である。
【図5】第1の実施形態の加振装置と従来例の加振装置について、所定周波数範囲における加振力についての実験結果を示すグラフである。
【図6】変形例における制御信号Cと駆動電流の関係を説明する説明図である。
【図7】第2の実施形態における電磁式加振装置の信号形成状態を説明する説明図である。
【図8】同制御信号を詳細に示す説明図である。
【図9】第2の実施形態の加振装置について、所定周波数範囲における加振力についての実験結果を示すグラフである。
【図10】従来例である電磁式加振装置の信号形成状態を説明する説明図である。
【図11】他の従来例である電磁式加振装置の信号形成状態を説明する説明図である。
【符号の説明】
10…制振器、11…取付金具、15…ヨーク、16…電磁石、21…ゴム弾性体、22…内側リング部、23…外側リング部、24…ゴム部、25…マス部材、30…駆動制御手段、31…制御部、32…信号読取り部、33…記憶部、34…演算部、35…駆動部。
Claims (8)
- 入力される電気制御信号の大きさに対応した大きさの駆動力を生じる電気・機械変換機構を備えた駆動手段と、該駆動手段の駆動力によって振動させられる振動部材を設け、振動発生源からの振動入力に対応した電気制御信号を前記駆動手段に加えて前記振動部材を振動させ、該振動に基づく加振力により振動発生源の振動を能動的に抑制する電磁式加振装置において、
前記振動発生源の振動周波数に相関した周波数の入力パルス信号と同期した所定のデューティ比の基準パルス信号を形成し、一方該振動発生源の振動振幅に対応した制御振幅の大きさをデューティ比の大きさに相関させて置き換えると共に前記基準パルス信号の周波数より大きい所定周波数のキャリア信号を形成し、該キャリア信号を前記基準パルス信号に重畳させると共に、さらに該基準パルス信号の個々のパルスにおいて重畳された前記キャリア信号の最初のパルスのパルス幅を他のパルスのパルス幅より大きくすることにより前記電気制御信号を形成するようにしたことを特徴とする電磁式加振装置の制御方法。 - 前記電気制御信号において、前記基準パルス信号の個々のパルスに重畳された前記キャリア信号の最初のパルスのパルス幅を他のパルスのパルス幅より大きくすると共に、さらに該最初のパルスのパルス幅を、該キャリア信号のデューティ比に相関した大きさにしたことを特徴とする前記請求項1に記載の電磁式加振装置の制御方法。
- 入力される電気制御信号の大きさに対応した大きさの駆動力を生じる電気・機械変換機構を備えた駆動手段と、該駆動手段の駆動力によって振動させられる振動部材を設け、振動発生源からの振動入力に対応した電気制御信号を前記駆動手段に加えて前記振動部材を振動させ、該振動に基づく加振力により振動発生源の振動を能動的に抑制する電磁式加振装置において、
前記振動発生源の振動周波数に相関した周波数の入力パルス信号と同期した所定のデューティ比の基準パルス信号を形成し、さらに該基準パルス信号の個々のパルスについて、該振動発生源の振動振幅の大きさに対応した制御振幅に相関させるために、予め規定されたランダムなタイミング及び幅のオフ部分を少なくとも1つ加えることにより前記電気制御信号を形成するようにしたことを特徴とする電磁式加振装置の制御方法。 - 前記入力パルス信号に基づいて前記電気制御信号を予め形成すると共に、予め形成された多数の電気制御信号をマップ化して記憶しておき、入力された前記入力パルス信号に応じて記憶された電気制御信号の内から対応する電気制御信号を選択し、選択された電気制御信号を前記駆動手段に加えるようにしたことを特徴とする前記請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の電磁式加振装置の制御方法。
- 入力される電気制御信号の大きさに対応した大きさの駆動力を生じる電気・機械変換機構を備えた駆動手段と、該駆動手段の駆動力によって振動させられる振動部材を設け、振動発生源からの振動入力に対応した電気制御信号を前記駆動手段に加えて前記振動部材を振動させ、該振動に基づく加振力により振動発生源の振動を能動的に抑制する電磁式加振装置において、
前記振動発生源の振動周波数に相関した周波数の入力パルス信号と同期した所定のデューティ比の基準パルス信号を形成する基準パルス信号形成手段と、
前記振動発生源の振動振幅に対応した制御振幅の大きさに相関したデューティ比の大きさに置き換えると共に前記基準パルス信号の周波数より大きい所定周波数のキャリア信号を形成するキャリア信号形成手段と、
該キャリア信号を前記基準パルス信号に重畳させると共に、さらに該基準パルス信号の個々のパルスにおいて重畳されたキャリア信号の最初のパルスのパルス幅を他のパルスのパルス幅より大きくすることにより前記電気制御信号を形成する電気制御信号形成手段と
を設けたことを特徴とする電磁式加振装置。 - 前記電気制御信号形成手段の代わりに、前記キャリア信号を前記基準パルス信号に重畳させ、さらに前記基準パルス信号の個々のパルスにおいて重畳されたキャリア信号の最初のパルスのパルス幅を他のパルスのパルス幅より大きくすると共に該最初のパルスのパルス幅を、該キャリア信号のデューティ比に相関した大きさにすることにより電気制御信号を形成する第2電気制御信号形成手段を設けたことを特徴とする前記請求項5に記載の電磁式加振装置。
- 入力される電気制御信号の大きさに対応した大きさの駆動力を生じる電気・機械変換機構を備えた駆動手段と、該駆動手段の駆動力によって振動させられる振動部材を設け、振動発生源からの振動入力に対応した電気制御信号を前記駆動手段に加えて前記振動部材を振動させ、該振動に基づく加振力により振動発生源の振動を能動的に抑制する電磁式加振装置において、
前記請求項5に記載の基準パルス信号形成手段及びキャリア信号形成手段と、前記請求項5に記載の電気制御信号形成手段または前記請求項6に記載の第2電気制御信号形成手段を用いて、前記振動発生源の振動周波数に相関した周波数の入力パルス信号に基づいて予め形成した多数の電気制御信号をマップ化して記憶した記憶手段と、
前記入力パルス信号の入力に応じて前記記憶手段から対応する電気制御信号を読み出す電気制御信号読出し手段とを設け、
該電気制御信号読出し手段により読み出された電気制御信号を前記駆動手段に加えることを特徴とする電磁式加振装置。 - 入力される電気制御信号の大きさに対応した大きさの駆動力を生じる電気・機械変換機構を備えた駆動手段と、該駆動手段の駆動力によって振動させられる振動部材を設け、振動発生源からの振動入力に対応した電気制御信号を前記駆動手段に加えて前記振動部材を振動させ、該振動に基づく加振力により振動発生源の振動を能動的に抑制する電磁式加振装置において、
前記振動発生源の振動周波数に相関した周波数の入力パルス信号と同期した所定のデューティ比の基準パルス信号を形成する基準パルス信号形成手段と、前記基準パルス信号の個々のパルスについて、前記振動発生源の振動振幅に対応した大きさの制御振幅に相関させるために、予め規定されたランダムなタイミング及び幅のオフ部分を少なくとも1つ設けることにより電気制御信号を形成する第3電気制御信号形成手段とを用いて、前記振動発生源の振動周波数に相関した周波数の入力パルス信号に基づいて予め形成された多数の電気制御信号をマップ化して記憶した第2記憶手段と、
前記入力パルス信号の入力に応じて前記第2記憶手段から対応する電気制御信号を読み出す第2電気制御信号読出し手段とを設け、
該第2電気制御信号読出し手段により読み出された電気制御信号を前記駆動手段に加えることを特徴とする電磁式加振装置。
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