JPH08210430A - 防振装置 - Google Patents

防振装置

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JPH08210430A
JPH08210430A JP1584895A JP1584895A JPH08210430A JP H08210430 A JPH08210430 A JP H08210430A JP 1584895 A JP1584895 A JP 1584895A JP 1584895 A JP1584895 A JP 1584895A JP H08210430 A JPH08210430 A JP H08210430A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型化を図りつつ防振装置の特性を可変とす
る。 【構成】 主液室32と第1副液室34とを第1の制限
通路52で連結し、主液室32と第2副液室70とを第
2の制限通路46で連結する。第2ダイヤフラム68を
介して第2副液室70に対向して第2空気室74を設け
る。これら第2副液室70、第2ダイヤフラム68及び
第2空気室74は、主液室32と第1副液室34との間
を区画する仕切部材30内に配置されている。第2空気
室74は、切換弁82を開放したときに大気に連通でき
るようにする。エンジンの始動時において、アイドル振
動数より振動数が上昇した場合には、切換弁82を閉鎖
して第2ダイヤフラム68の剛性を高め、高い周波数の
振動を吸収できるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両及び一般産業用機
械等に用いられ、振動発生部からの振動を吸収減衰する
防振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のエンジンと車体との間には、エ
ンジンマウントとしての防振装置が配設され、エンジン
の振動が車体に伝達されることを阻止するようになって
いる。
【0003】エンジンに発生する振動には、車両が高速
で走行している場合等に発生する所謂シェイク振動や、
アイドル時及び車両が時速5キロ程度で走行している場
合に発生する所謂アイドル振動等がある。
【0004】一般的に、前記シェイク振動の周波数が1
5Hz未満であるのに対し、アイドル振動の周波数が2
0〜50Hzであり、シェイク振動とアイドル振動とで
は周波数が相違する。
【0005】そして、これらシェイク振動とアイドル振
動とを吸収する防振装置として液体封入式の防振装置が
提案されており、さらに、この防振装置の一例として、
例えばエンジンの吸気系に生ずる吸入負圧を利用して防
振装置の特性を変化させることのできる防振装置が提案
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、エンジン始
動時には、アイドル回転数が上昇して、アイドル回転数
として設定された図5に示す700rpm程度の回転数
以上の例えば900〜1200rpmとなる為、通常の
アイドル振動数より高い振動周波数になってしまうこと
がある。この為、防振装置をアイドル振動に合わせて予
めチューニングしておいても、エンジン始動時には、動
ばね定数Kが上昇して液体の反共振域の振動が発生する
ことになり、アイドル回転数以下になるまで、振動は悪
化することになる。
【0007】この一方、このような複雑な構造を有する
液体封入式の防振装置においても、装置の小型化による
高性能化が求められている。
【0008】本発明は上記事実を考慮して上記欠点を解
決するべく、小型化を図りつつ防振特性を可変とするこ
とができる防振装置を提供することが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の防振装
置は、振動発生部及び振動受部の一方へ連結される第1
の取付部材と、振動発生部及び振動受部の他方へ連結さ
れる第2の取付部材と、前記第1の取付部材と前記第2
の取付部材との間に設けられ振動発生時に変形する弾性
体と、前記弾性体を隔壁の一部として拡縮可能とされ且
つ液体が封入された主液室と、前記主液室と第1の制限
通路を介して連通され且つ拡縮可能な第1の副液室と、
前記主液室と前記第1の副液室との間に配置されて前記
主液室と前記第1の副液室との間を仕切る仕切部材と、
前記仕切部材内に形成され且つ前記主液室と第2の制限
通路を介して連通される第2の副液室と、前記仕切部材
内に配置され且つ前記第2の副液室の隔壁の一部を構成
する変形可能なダイヤフラムと、前記仕切部材内に前記
第2の副液室と前記ダイヤフラムを挟んで対向して配置
され且つ気体が封入された空気室と、前記空気室を大気
に連通させる開放状態及び前記空気室と大気との間を閉
鎖する閉鎖状態をとり得る切換弁と、を備えたことを特
徴とする。
【0010】請求項2に記載の防振装置は、請求項1記
載の防振装置において、振動発生部より発生する振動の
周波数を検出し得るセンサと、前記センサよりの情報に
より、振動発生部が発生する振動の周波数が予め設定さ
れた設定振動数以下と判断されれば前記切換弁を開放状
態とすると共に、振動発生部が発生する振動の周波数が
設定振動数を越えたと判断されれば前記切換弁を閉鎖状
態とする制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
【作用】請求項1に記載の防振装置の作用を以下に説明
する。
【0012】振動発生部よりの振動は、第1の取付部材
或いは第2の取付部材を介して、弾性体に伝達される。
このとき、振動は弾性体の内部摩擦に基づく抵抗により
吸収される他、弾性体を隔壁の一部とする主液室を拡縮
し、第1の制限通路及び第2の制限通路を流れる液体の
通過抵抗または液柱共振により吸収される。
【0013】これら第1の制限通路及び第2の制限通路
では、吸収することのできない高周波数の振動が発生し
た場合、第2の副液室とダイヤフラムを挟んで対向して
位置する空気室と大気との間を切換弁により閉鎖して閉
鎖状態にさせる。このようにすると、空気室内の空気が
空気ばねとして働き、切換弁を開放して空気室と大気と
の間を連通する連通状態にした場合より、ダイヤフラム
の剛性が高まる。
【0014】この結果、液体が第2の制限通路で共振す
る周波数が高周波数側へ移動し、高周波振動の周波数領
域で防振装置の動ばね定数が低下する。即ち、切換弁
で、空気室を大気に開放するか否かで防振装置の特性を
変化させ、幅広い周波数範囲に渡って振動を吸収するこ
とができる。
【0015】さらに、主液室と第1の副液室との間に配
置されて主液室と第1の副液室との間を仕切る仕切部材
内に、第2の副液室、ダイヤフラム及び空気室が配置さ
れているので、これら第2の副液室、ダイヤフラム及び
空気室を仕切部材以外の防振装置の他の部分に配置する
ものと比較して、防振装置の小型化が図れ、防振装置の
小型化による高性能化を図ることができる。
【0016】請求項2に記載の防振装置の作用を以下に
説明する。本請求項によれば請求項1と同様な作用を奏
するが、さらに以下のような作用を奏する。
【0017】第1の制限通路及び第2の制限通路では吸
収することのできない高周波数の振動が発生した場合、
すなわち、予め設定された設定振動数を越えた場合、セ
ンサがこれを検出し、制御手段が切換弁を操作して、第
2の副液室とダイヤフラムを挟んで対向して位置する空
気室と大気との間を切換弁により閉鎖して、閉鎖状態に
させる。このようにすると、設定振動数を越えた場合
に、請求項1と同様に、空気室内の空気が空気ばねとし
て働き、ダイヤフラムの剛性が高まることになる。
【0018】以上より、例えば車両のエンジン始動時に
おいて、アイドル回転数として設定された回転数以上に
エンジンの回転数は高まるものの、これに合わせて切換
弁を、空気室と大気との間を閉鎖する閉鎖状態とするこ
とにより、防振装置の特性が変化して、エンジン始動時
でも、液体の反共振域の振動が発生することがなくな
り、結果として、アイドル回転数を越えても、振動は吸
収されることになる。
【0019】
【実施例】本発明に係る防振装置の一実施例を図1から
図4に示し、これらの図に基づき本実施例を説明する。
【0020】図1に示すように、本実施例の防振装置1
0には第1の取付部材としての底板12が備えられてい
る。この底板12の中央下部には取付ボルト14が突出
され、一例として図示しない自動車の車体へこの取付ボ
ルト14を用いて防振装置10が固定される。底板12
の周囲は直角に屈曲された筒状の立壁部12Aとされて
おり、この立壁部12Aの上端部には直角に屈曲された
フランジ部12Bが連続して形成されている。
【0021】この底板12のフランジ部12Bの上部に
は、厚肉の円筒状に形成された外筒16の下端部がボル
ト17によりねじ止めされて固定されている。また、フ
ランジ部12Bの上面であって外筒16の内周側には、
第1ダイヤフラム18が底板12を覆うように配置され
ている。この第1ダイヤフラム18と前記底板12との
間の空間は第1空気室20とされ、立壁部12Aに形成
された空気孔21を介して第1空気室20と外部とが連
通される。
【0022】外筒16の上部には、外筒16の上部を閉
塞するゴム製の弾性体22の外周が加硫接着されてい
る。また、弾性体22の一部は、外筒16の下端部まで
延設される薄肉で円筒状に形成された延長部22Aとな
っており、この弾性体22の延長部22Aの外周側も外
筒16の内周面に加硫接着されている。
【0023】この弾性体22の上部中央には第2の取付
部材としての支持台24が加硫接着されている。この支
持台24は図示しないエンジンの搭載部であり、エンジ
ンを固定する取付ボルト26が立設されている。
【0024】以上より、弾性体22の下面、外筒16の
内周側に接着された弾性体22の延長部22A、及び第
1ダイヤフラム18等によって液室28が形成されてお
り、この液室28内にはエチレングリコール等の液体が
充填されている。
【0025】この液室28内には、延長部22Aを介し
て外筒16の内周面に緊密に嵌合される仕切部材30が
配置されており、この仕切部材30が液室28を主液室
32と第1副液室34とに区画している。そして、仕切
部材30は、相互に同一の外径を有した円板状にそれぞ
れ合成樹脂等で形成された上部構成材31A及び下部構
成材31Bが積み重ねられた状態で接着されて構成され
ている。
【0026】なお、この仕切部材30の下部には凹部3
0Aが形成されており、また、凹部30Aを形成する仕
切部材30の下部外周側とフランジ部12Bの上面と
で、第1ダイヤフラム18の外周寄りの部分が挟持され
て、第1ダイヤフラム18の外周寄りの部分が固定され
ている。
【0027】一方、下部構成材31Bの外周には、周方
向に沿って細溝44Aが形成されている。細溝44Aの
一端には、仕切部材30の上面まで延びる細溝44Bが
連結しており、細溝44Aの他端に凹部30Aへ貫通す
る開口部44Cが連結されている。細溝44A、44B
の外筒16側は前記弾性体22の延長部22Aによって
閉塞され、これら細溝44A、44Bが、主液室32と
第1副液室34との間を連通する第1の制限通路52と
されている。
【0028】上部構成材31Aと下部構成材31Bとの
間の相互の接合面には、それぞれ略半球状の凹部54、
56が形成されていて、これら凹部54、56により仕
切部材30内に空間50が形成される。
【0029】さらに、上部構成材31Aと下部構成材3
1Bとの間には、第2ダイヤフラム68が、外周側がこ
れら上部構成材31A及び下部構成材31Bの接合面に
挟まれた状態で配置されており、この第2ダイヤフラム
68が仕切部材30内の空間50を上下に区画してい
る。
【0030】上部構成材31Aの外周には、周方向に沿
って太溝42Aが形成されている。太溝42Aの一端に
は、仕切部材30の上面まで延びる太溝42Bが連結し
ており、太溝42Aの他端に空間50の第2ダイヤフラ
ム68を挟んだ上部へ貫通する連通部42Cが連結され
ている。
【0031】そして、太溝42A、42Bの外筒16側
は前記弾性体22の延長部22Aによって閉塞され、主
液室32と第1副液室34との間を連通する第2の制限
通路46とされている。
【0032】以上より、空間50の第2ダイヤフラム6
8を挟んだ上部側が第2副液室70を構成している。
【0033】さらに、下部構成材31Bには、外周から
仕切部材30の中心へ向けて連通孔部43が形成されて
おり、図1に示すように、この連通孔部43の先端は上
方へ屈曲し、空間50の第2ダイヤフラム68を挟んだ
下部へ連通している。この結果、凹部56と第2ダイヤ
フラム68との間が第2空気室74とされることにな
る。尚、連通孔部43の上端部周辺には、ゴム製のリン
グ72が埋め込まれており、第2ダイヤフラム68が連
通孔部43の周囲に当たった際の第2ダイヤフラム68
の保護を図っている。
【0034】他方、外筒16の側面であって仕切部材3
0の連通孔部43に対応する位置には、貫通孔48が形
成されており、貫通孔48にスリーブ76が嵌合されて
取り付けられている。
【0035】このスリーブ76の図1上、右端側である
外筒16の外側には、連結管80を介して、図1から図
3に示すような切換弁82の本体82Aが取り付けられ
ており、本体82Aには、コイル84を収納したコイル
収納体90がチューブ88を介して連結されている。こ
のチューブ88内には、プランジャ86が移動可能に配
置されており、プランジャ86の基端側とコイル収納体
90内に設置された吸引子96との間には、スプリング
92が配置されている。そして、プランジャ86の先端
側には、パッキン86Aが取り付けられており、ブロッ
ク78、連結管80及び切換弁82の本体82Aを貫通
して第2空気室74と大気とを連通するL形の通路94
をこのパッキン86Aで遮断可能となっている。
【0036】従って、コイル84へ電圧を印加していな
い場合には、図2に示すように、プランジャ86がスプ
リング92に付勢されてパッキン86Aが通路94を閉
塞する。一方、コイル84へ所定の電圧を印加すると、
図3に示すように、プランジャ86がコイル84の発生
する電磁力によって吸引子96側に吸引され、プランジ
ャ86の先端のパッキン86Aが逃げて通路94が開放
される。
【0037】コイル84は、印加電圧をオン・オフする
制御手段である制御回路60に連結されている。制御回
路60は車両電源によって駆動され、少なくとも車速セ
ンサ98及びエンジン回転数センサ99からの検出信号
を受け、車速及びエンジン回転数を検出できる。これに
より制御回路60は車両がアイドル時かシェイク時かを
判断できる。
【0038】なお、第2の制限通路46の通路長さより
第1の制限通路52の通路長さの方が長く、第1の制限
通路52の通路断面積の方が、第2の制限通路46の通
路断面積より小さくなっている。
【0039】また、第1ダイヤフラム18及び第2ダイ
ヤフラム68の剛性は相互に異なり、第1ダイヤフラム
18より第2ダイヤフラム68の方が剛性が高くなって
いる。
【0040】ここで、制限通路の大きさとダイヤフラム
の剛性とで、制限通路での液柱共振周波数が決定される
こととなり、第2の制限通路46での液柱共振周波数を
第2ダイヤフラム68の剛性の値を変更することによっ
て、変更可能とされる。
【0041】次に実施例の作用を説明する。この防振装
置10の底板12を振動受部である自動車等の車両の車
体へ固定し、支持台24に振動発生部であるエンジンを
搭載して固定すると、エンジンは支持台24、弾性体2
2、外筒16及び底板12を介して自動車の車体へ支持
され、弾性体22の内部摩擦に基づく抵抗によってエン
ジンの振動が常時吸収される。
【0042】一方、本実施例の防振装置10は、主液室
32、副液室34、70、制限通路46、52及び切換
弁82等を有しているので、さらに以下のように振動が
吸収される。
【0043】まず、車両が例えば70〜80km/hで
走行するとシェイク振動(例えば、周波数15Hz未
満)が生じ得る。このとき、液体は第1の制限通路52
を通って主液室32と第1副液室34とを行き来するこ
とになり、液体が第1の制限通路52を通過する際の抵
抗で減衰力が生じ、シェイク振動が効果的に吸収され
る。なお、シェイク振動では、剛性の高い第2ダイヤフ
ラム68は殆ど変形せず、第2の制限通路46には、液
体の流れは殆ど生じない。
【0044】また、エンジンがアイドリング運転の場合
や車速が5km/h以下の場合にはアイドル振動(例え
ば、周波数20〜50Hz)が生じる。従って、設定振
動数は、例えば50Hzと予め設定することができる。
【0045】このアイドル振動時には、第1の制限通路
52が目詰まり状態となる。制御回路60は車速センサ
98及びエンジン回転数センサ99によりアイドル振動
発生時であることを判断し、切換弁82のコイル84に
電圧を印加してプランジャ86を吸引する。これによっ
て、第2空気室74が大気に開放された開放状態とな
り、液体は第2の制限通路46を通って主液室32と第
2副液室70とを行き来することになり、アイドル振動
の振動周波数領域での防振装置10の動ばね定数が低下
してアイドル振動が確実に吸収される。
【0046】さらに、エンジンの始動時において、アイ
ドル回転数として設定された回転数(例えば700rp
m)以上にエンジンの回転数は高まるが、これに合わせ
て、制御回路60が車速センサ98及びエンジン回転数
センサ99より送られる情報によりエンジンが高回転時
であると判断すると、制御回路60はコイル84に電圧
を印加するのを停止する。これによって、プランジャ8
6の先端が通路94を塞ぎ、切換弁82が、第2空気室
74と大気との間を閉鎖する閉鎖状態となる。
【0047】この結果、第2空気室74内の空気が空気
ばねの役目を果たすようになるため、第2ダイヤフラム
68の剛性が上がり、これによって第2の制限通路46
での液柱共振周波数が高周波数側へ移動して、エンジン
の高回転時における振動の周波数領域の動ばね定数が低
下して、振動が確実に吸収される。
【0048】具体的に説明すると、防振装置10の特性
が図4に示す実線の状態から点線の状態に変化するの
で、エンジンの始動時において900〜1200rpm
程度の高回転がエンジンに生じても、動ばね定数Kが低
下して、液体の反共振域の振動が発生することがなくな
る。この為、アイドル回転数を越えても、振動は吸収さ
れる。
【0049】また、車速が100km/h以上、エンジン回
転数が3000rpm以上の場合等には、こもり音の発
生原因となる高周波振動(例えば、周波数80Hz 付
近)が生じる。この場合も、制御回路60が車速センサ
98及びエンジン回転数センサ99によりエンジンが高
周波振動時であると判断し、制御回路60はコイル84
に電圧を印加するのを停止する。
【0050】これによって前述と同様に、プランジャ8
6の先端が通路94を塞ぎ、第2空気室74が閉塞され
るので、第2ダイヤフラム68の剛性が上がることにな
る。
【0051】以上より、切換弁82を開放状態にする
と、通常のアイドル振動の周波数領域で防振装置10の
動ばね定数が低下する。また、切換弁82を閉鎖状態に
すると、エンジンの始動時におけるアイドル振動よりも
周波数の高い例えばこもり音の原因となる高周波振動の
周波数領域で、防振装置10の動ばね定数が低下する。
【0052】このように、本実施例の防振装置10で
は、第2空気室74を大気に開放するか否かで防振特性
を可変することができる。また、液体に面した第2空気
室74の空気をエンジンの吸気系で吸引するわけではな
いので、仮に第2ダイヤフラム68が切れたとしもエン
ジンに影響を及ぼすことは一切無い。また、第2ダイヤ
フラム68を吸引することがないので、主液室32内の
容積変化は生じず、防振装置10の高さ変化を起こすこ
ともない。
【0053】さらに、本実施例によれば、主液室32と
第1副液室34との間に配置されて主液室32と第1副
液室34との間を仕切る仕切部材30内に、第2副液室
70、第2ダイヤフラム68及び第2空気室74が配置
されているので、これら第2副液室70、第2ダイヤフ
ラム68及び第2空気室74を仕切部材30以外の防振
装置10の他の部分に配置するものと比較して、防振装
置10の小型化が図れ、防振装置10の小型化による高
性能化を図ることができる。
【0054】そして、本実施例では、前述のシェイク振
動時の場合及び、車速が100km/h以上、エンジン回転
数が3000rpm以上の場合のような車両の走行中
に、コイル84に電圧を印加するのを停止する構成とし
たので、車両の走行中において、コイル84が熱を持つ
ことがない。
【0055】従って、車両の走行中にコイル84に電圧
を印加する場合、長時間にわたってコイル84に電圧を
印加することになり、熱の発生によりコイル84の電磁
力が低下して、防振特性に悪影響を与えることが考えら
れるが、本実施例では防振特性に悪影響を与えることが
なく防振特性が安定し、さらにはコイル84の寿命も延
びることになる。
【0056】尚、前記実施例では防振装置10をエンジ
ンマウントとして用いる構成を示したが、本発明はこれ
に限らず、防振装置10をキャブマウント、ボデイマウ
ント、一般産業用機械の支持等に用いてもよいことは勿
論である。
【0057】
【発明の効果】以上説明した如く本発明の防振装置で
は、小型化を図りつつ防振特性を可変とすることが可能
となるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る防振装置の断面図であ
る。
【図2】本発明の一実施例に係る防振装置に採用される
切換弁の拡大断面図であって、閉鎖状態を示す。
【図3】本発明の一実施例に係る防振装置に採用される
切換弁の拡大断面図であって、開放状態を示す。
【図4】本発明の一実施例に係る防振装置の特性を表す
グラフを示す図である。
【図5】従来の防振装置の特性を表すグラフを示す図で
ある。
【符号の説明】
10 防振装置 12 底板(第1の取付部材) 18 第1ダイヤフラム 22 弾性体 24 支持台(第2の取付部材) 32 主液室 34 第1副液室 46 第2の制限通路 52 第1の制限通路 60 制御回路(制御手段) 68 第2ダイヤフラム 70 第2副液室 74 第2空気室 82 切換弁 98 車速センサ 99 エンジン回転数センサ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】振動発生部及び振動受部の一方へ連結され
    る第1の取付部材と、 振動発生部及び振動受部の他方へ連結される第2の取付
    部材と、 前記第1の取付部材と前記第2の取付部材との間に設け
    られ振動発生時に変形する弾性体と、 前記弾性体を隔壁の一部として拡縮可能とされ且つ液体
    が封入された主液室と、 前記主液室と第1の制限通路を介して連通され且つ拡縮
    可能な第1の副液室と、 前記主液室と前記第1の副液室との間に配置されて前記
    主液室と前記第1の副液室との間を仕切る仕切部材と、 前記仕切部材内に形成され且つ前記主液室と第2の制限
    通路を介して連通される第2の副液室と、 前記仕切部材内に配置され且つ前記第2の副液室の隔壁
    の一部を構成する変形可能なダイヤフラムと、 前記仕切部材内に前記第2の副液室と前記ダイヤフラム
    を挟んで対向して配置され且つ気体が封入された空気室
    と、 前記空気室を大気に連通させる開放状態及び前記空気室
    と大気との間を閉鎖する閉鎖状態をとり得る切換弁と、 を備えたことを特徴とする防振装置。
  2. 【請求項2】振動発生部より発生する振動の周波数を検
    出し得るセンサと、 前記センサよりの情報により、振動発生部が発生する振
    動の周波数が予め設定された設定振動数以下と判断され
    れば前記切換弁を開放状態とすると共に、振動発生部が
    発生する振動の周波数が設定振動数を越えたと判断され
    れば前記切換弁を閉鎖状態とする制御手段と、 を備えたことを特徴とする請求項1記載の防振装置。
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