JPH11125301A - 防振装置 - Google Patents

防振装置

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JPH11125301A
JPH11125301A JP28822797A JP28822797A JPH11125301A JP H11125301 A JPH11125301 A JP H11125301A JP 28822797 A JP28822797 A JP 28822797A JP 28822797 A JP28822797 A JP 28822797A JP H11125301 A JPH11125301 A JP H11125301A
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JP
Japan
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liquid chamber
vibration
sub
orifice
partition member
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JP28822797A
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Inventor
Hiroshi Kojima
宏 小島
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低周波数域の振動の低減を図ると同時に高周
波数域の低減を図る。 【解決手段】 外筒金具16の内側に仕切部材28が配
置され、仕切部材28と弾性体18とで区画された空間
が主液室30を構成する。仕切部材28にシェイクオリ
フィス64及びこもり用オリフィス62が形成される。
こもり用オリフィス62は、主液室30と第2の副液室
56とを連通することでこもり音吸収用の制限通路とさ
れる。第2空気室58が第2の副液室56の弾性変形可
能な隔壁である第2ダイヤフラム54を挟んで第2の副
液室56と隣り合うように配置される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動を発生する部
材からの振動の伝達を防止する防振装置に関し、例えば
車両に搭載されるエンジンからの振動の伝達を防止する
場合等に適用可能なものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、振動発生部となる車両のエンジ
ンと振動受部となる車体との間にエンジンマウントとし
ての防振装置が配設されていて、エンジンが発生する振
動をこの防振装置が吸収し、振動が車体側に伝達される
のを阻止するような構造が知られている。
【0003】すなわち、この防振装置の一例として、本
体ゴムだけでなく、内部に主液室及び副液室を設けると
共に、オリフィスとなる制限通路でこれらの液室を互い
に連通した構造のものがある。そして、搭載されたエン
ジンが作動して振動が発生した場合には、本体ゴムの変
形で振動が低減されるだけでなく、これら液室を連通す
る制限通路内の液体の液柱共振等で低動ばねとして振動
を吸収したり振動を減衰したりして、振動の伝達を阻止
するようになっている。
【0004】一方、エンジンの幅広い作動状態に伴って
振動周波数も広範囲なものとなる。従って、このような
広範囲な周波数の振動それぞれにおいても防振特性を維
持するべく、長さ及び内径を種々相違させた2つの制限
通路を有する防振装置が、近年案出されるようになっ
た。
【0005】このように制限通路を2つ有するダブルオ
リフィス構造におけるオリフィスの組み合わせとして、
シェイク振動吸収用のシェイクオリフィスとアイドル振
動吸収用のアイドルオリフィスとの組み合わせ、アイド
ルオリフィスと高周波振動であるこもり音吸収用のこも
りオリフィスとの組み合わせ、シェイクオリフィスとこ
もり用オリフィスとの組み合わせ等が、それぞれ考えら
れる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ダブルオリフ
ィス構造の場合、これら2つのオリフィスによって、低
周波数の振動及びこもり音などの高周波数の振動での防
振性能をそれぞれ出すために、低周波数の振動時におい
ても副液室の隔壁となるダイヤフラムの拡張等により、
高周波数の振動低減用のオリフィス内で液体が流動する
こととなる。
【0007】従って、主液室の壁部を構成する本体ゴム
である弾性体が変形しても、高周波数の振動低減用のオ
リフィス内での液体の流動によって主液室の内圧の変化
が吸収されて内圧損失が大きくなる結果として、主液室
の内圧が十分に上昇せず低周波数域での減衰が不十分と
なる欠点があった。
【0008】つまり、2つのオリフィス間で防振特性が
両立しない関係になり、防振性能が不十分となる虞があ
った。
【0009】一方、主液室と副液室との間を仕切る仕切
部材の主液室と対向した側にゴム製のメンブランを設け
て、このメンブランの変形により高周波数の振動である
こもり音の領域での低動ばね化を図って、こもり音を低
減する構造も考えられている。
【0010】しかし、仕切部材の主液室と対向した側に
メンブランを設けた場合、こもり音の領域での低動ばね
化の効果は有るものの、メンブランが変形して主液室の
内圧を吸収するので、主液室内の内圧損失が大きくなっ
て、上記の構造と同様に、低周波数域での減衰が不十分
となる虞があった。
【0011】つまり、これらいずれの構造でも、高周波
数域での低動ばね化と低周波数域での減衰とが両立しな
い関係にあるので、こもり音等の高周波振動の領域での
低動ばね化を図ろうとすれば、低周波数域の振動の減衰
が不十分となる欠点が生じる。
【0012】本発明は上記事実を考慮し、低周波数域の
振動の低減を図ると同時に高周波数域の低減を図り得る
防振装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1による防振装置
は、振動発生部及び振動受部の一方に連結される第1の
取付部材と、振動発生部及び振動受部の他方に連結され
る第2の取付部材と、これら一対の取付部材の間に配置
される弾性体と、弾性体を隔壁の一部として液体が封入
され且つ弾性体の変形により内容積が変化する主液室
と、隔壁の少なくとも一部が弾性変形可能に形成される
第1の副液室と、主液室と第1の副液室との間を連通す
る第1通路と、主液室と第1の副液室との間を仕切る仕
切部材と、仕切部材内に配置され且つ隔壁の少なくとも
一部が弾性変形可能に形成される第2の副液室と、仕切
部材内に形成され且つ、主液室と第2の副液室との間を
連通すると共に第1通路より高周波数の振動を低減する
第2通路と、第2の副液室の弾性変形可能な隔壁を挟ん
で第2の副液室と隣り合うように仕切部材に内蔵され且
つ内部に気体が封入された空気室と、を有することを特
徴とする。
【0014】請求項2による防振装置は、請求項1の防
振装置において、第1通路がシェイク振動或いはアイド
ル振動を低減し、第2通路がこもり音を低減することを
特徴とする。
【0015】請求項1に係る防振装置の作用を以下に説
明する。いずれかの取付部材に連結された振動発生部側
から低周波数域の振動が伝達された場合、弾性体が変形
して弾性体により振動が減衰される。さらに、この弾性
体の変形により主液室の内容積が変化し、第1の副液室
とこの主液室との間を連通する第1通路内の液体に圧力
変化が生じ、これに伴って、この第1の副液室の隔壁が
弾性変形する。
【0016】つまり、振動発生部側から低周波数域の振
動が伝達されると、弾性体だけでなく、第1通路内の液
体によりこの低周波数域の振動が減衰され或いは動ばね
定数が低下して、振動受部側に振動が伝達され難くな
る。
【0017】一方、振動の周波数が変わり、主液室と第
1の副液室との間では、振動を低減できないような高周
波数域の振動がいずれかの取付部材に連結された振動発
生部側から伝達された場合、前記と同様に弾性体の変形
により主液室の内容積が変化する。さらに、この主液室
の内容積の変化で、第2の副液室とこの主液室との間を
連通する第2通路内の液体に圧力変化が生じ、これに伴
って、この第2の副液室の隔壁が弾性変形する。
【0018】この結果、振動発生部側から高周波数域の
振動が伝達されると、第2の副液室に繋がる第2通路に
よって動ばね定数が低下して、この高周波数域の振動を
吸収し、振動受部側に振動が伝達され難くなる。
【0019】さらに、第2通路及び第2の副液室を第1
通路及び第1の副液室と別に設けて、仕切部材に内蔵す
るだけでなく、内部に気体を封入した空気室が、第2の
副液室の弾性変形可能な隔壁を挟んで第2の副液室と隣
り合うように仕切部材に内蔵されている。この為、第1
の副液室と別に形成された第2の副液室の弾性変形可能
な隔壁の剛性をこの空気室の存在により高めることがで
き、低周波数の振動によってはこの隔壁が変形し難くな
った。
【0020】従って、第2通路を介して第2の副液室に
連通する主液室内の内圧損失を少なくしつつ、これら第
2通路及び第2の副液室により高周波数域での液柱共振
を生じさせることができる。
【0021】つまり、低周波数域での振動の減衰及び低
動ばね化を図ると同時に、高周波数域での低動ばね化を
図って、いずれの振動周波数においても適切に振動が吸
収され、広範囲な振動を低減することが可能になる。
【0022】請求項2に係る防振装置の作用を以下に説
明する。本請求項においても請求項1と同様な作用を奏
する。但し、本請求項では、第1通路がシェイク振動或
いはアイドル振動を低減し、第2通路がこもり音を低減
する構成とされる。
【0023】この為、振動発生部がエンジンとされ、振
動受部が車両の車体とされた場合、低周波数域の振動が
発生する車両の高速域での振動やアイドリング時の振動
を低減しつつ、こもり音の領域において液柱共振を生じ
させて動ばね定数を低下させ、振動を低減することが可
能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る防振装置の第
1の実施の形態を図1及び図2に示し、これらの図に基
づき本実施の形態を説明する。
【0025】本実施の形態を表す図1に示すように、防
振装置10の下部側を第1の取付部材である皿状の底板
金具12が形成し、この底板金具12の下部には、図示
しない車体にこの防振装置10を連結して固着する為の
ボルト14が植設されている。そして、この底板金具1
2の外側にはフランジ部12Aが設けられており、この
フランジ部12Aの上部には、円筒状であって上側が拡
がるように形成された外筒金具16が配置されている。
【0026】この外筒金具16の内周面には、円筒形状
をしたゴム製の弾性体18が加硫接着されており、この
弾性体18の下部側を肉薄でリング状に下側に延びる薄
肉ゴム層18Aが構成している。この弾性体18の上部
側中央部は、第2の取付部材となる頂板金具20に加硫
接着されており、この頂板金具20の中央部から図示し
ないエンジンの連結用として用いられるボルト22が、
上側に突出している。
【0027】弾性体18の下部であって弾性体18と空
間を挟んだ位置には、円筒状の仕切部材28が薄肉ゴム
層18Aを介して外筒金具16に嵌合されつつ配置され
ていて、これら弾性体18及び仕切部材28で区画され
た空間が主液室30を構成し、例えば水、オイル等の液
体が封入されている。従って、これら弾性体18及び仕
切部材28により液体が封入された主液室30の隔壁が
構成されることになる。尚、この仕切部材28は合成樹
脂、アルミニウム等の金属などで一体成形により、製造
することが出来る。
【0028】また、仕切部材28の下部は外周側に突出
しており、この仕切部材28の下部が外筒金具16の下
部と底板金具12のフランジ部12Aとの間に挟まれた
状態とされている。そして、外筒金具16の下部が底板
金具12のフランジ部12Aの外周部分にかしめられる
ことで、これら底板金具12、外筒金具16及び仕切部
材28が一体的に固着されている。
【0029】さらに、薄肉で弾性変形可能なゴム製の第
1ダイヤフラム26が、これら仕切部材28の下部と底
板金具12のフランジ部12Aとの間に外周側を挟まれ
た状態で、仕切部材28の下面に対向しつつ配置されて
いる。
【0030】以上より、この第1ダイヤフラム26と仕
切部材28の下面との間に形成された空間が第1の副液
室32とされており、また、第1ダイヤフラム26の下
側と底板金具12の底部との間の空間が第1空気室40
とされて、この第1ダイヤフラム26の変形を容易にし
ている。
【0031】図1に示すように、仕切部材28の外周面
には、溝部34が仕切部材28の周方向に沿って形成さ
れており、この溝部34と薄肉ゴム層18Aの内周面と
で形成された通路であるシェイクオリフィス64の一端
側は上方に伸びて主液室30に連結されている。さら
に、このシェイクオリフィス64の他端側は内方に伸び
て第1の副液室32に連結されている。そして、このシ
ェイクオリフィス64が、シェイク振動吸収用の制限通
路とされる。
【0032】他方、図1に示すように、上下方向に延び
ると共に下端部から水平方向に延びるL字型であって小
径のこもり用穴部52が仕切部材28内に形成されてお
り、このこもり用穴部52の一端側が、主液室30に面
するように仕切部材28の上部の中央部寄りの部分に開
口されている。
【0033】このこもり用穴部52の他端に対応する仕
切部材28の部分には、主液室30側に開放された円筒
状の凹部28Aが形成されていて、上部が閉鎖された円
管状の蓋材66が、この凹部28A内に嵌合されて配置
されている。
【0034】この蓋材66の内周面には、ゴム製で肉薄
の第2ダイヤフラム54が加硫接着されて配置されてい
て、この第2ダイヤフラム54の下側に円板状の空間と
される第2の副液室56が形成され、こもり用穴部52
の端部がこの第2の副液室56に開口されている。この
為、第2ダイヤフラム54が第2の副液室56の弾性変
形可能な隔壁とされる。
【0035】また、第2ダイヤフラム54により閉鎖さ
れた蓋材66の上部側の空間内には、空気等の気体が封
入されている。すなわち、この蓋材66内の空間が、仕
切部材28に内蔵されて内部に気体が封入された第2空
気室58とされ、この第2空気室58が第2の副液室5
6の弾性変形可能な隔壁である第2ダイヤフラム54を
挟んで第2の副液室56と隣り合うように配置されて、
第2ダイヤフラム54の変形を可能としている。
【0036】以上より、こもり用穴部52により、主液
室30と第2の副液室56とを連通してこもり音吸収用
の制限通路とされるこもり用オリフィス62が構成され
ることになる。さらに、図1に示すように、第2ダイヤ
フラム54の面積は第1の副液室32の隔壁の一部を構
成する第1ダイヤフラム26の面積より小さくされてい
るので、第2ダイヤフラム54は第1ダイヤフラム26
より剛性が高いことになる。
【0037】次に本実施の形態の作用を説明する。頂板
金具20に搭載されるエンジンが作動すると、エンジン
の振動が頂板金具20を介して弾性体18に伝達され
る。弾性体18は吸振主体として作用し、弾性体18の
内部摩擦に基づく制振機能によって振動を吸収すること
ができる。
【0038】さらに弾性体18及び第1ダイヤフラム2
6の変形に伴って内容積が変化する主液室30及び第1
の副液室32の中の液体がシェイクオリフィス64を介
して相互に流動するだけでなく、第2ダイヤフラム54
の変形に伴って液体が第2の副液室56と主液室30と
の間のこもり用オリフィス62内を流動し、これらオリ
フィス空間に生ずる液体流動の粘性抵抗及び液柱共振等
に基づく減衰作用で防振効果を向上することができる。
【0039】そして、具体的には以下のように作用す
る。車両が例えば70〜80km/h以上の高速で走行す
るとシェイク振動(15Hz未満)が生じる。
【0040】つまり、エンジン部側からシェイク振動等
の低周波数域の振動が伝達されると、弾性体18だけで
なく、シェイクオリフィス64内の液体の流動によりこ
のシェイク振動が、図2のtanδで示すように高減衰
となって減衰されて、車体側にシェイク振動が伝達され
難くなる。
【0041】この結果、主液室30内に生じるエンジン
振動に基づく圧力変化がシェイクオリフィス64内の液
体に伝達されると共にこの液体の抵抗等を受け、シェイ
ク振動が吸収される。
【0042】さらに、シェイク振動と共に生じることが
ある高周波で小振幅の振動であるこもり音(50〜15
0Hz)に対しては、仕切部材28に内蔵されて第2の副
液室56に繋がるこもり用オリフィス62内で液柱共振
するので、図2に示すように動ばね定数Kが低下して高
周波数域の振動であるこもり音が吸収され、車体側に振
動が伝達され難くなる。
【0043】一方、こもり用オリフィス62及び第2の
副液室56をシェイクオリフィス64及び第1の副液室
32と別に設けて、仕切部材28に内蔵するだけでな
く、内部に気体を封入した第2空気室58が、第2の副
液室56の弾性変形可能な隔壁を挟んで第2の副液室5
6と隣り合うように仕切部材28に内蔵されている。こ
の為、第1の副液室32と別に形成された第2の副液室
56の弾性変形可能な隔壁である第2ダイヤフラム54
の剛性をこの第2空気室58の存在により高めることが
でき、シェイク振動によってはこの第2ダイヤフラム5
4が変形し難くなった。
【0044】つまり、こもり用オリフィス62を介して
第2の副液室56に連通する主液室30内の内圧損失を
少なくしつつ、これらこもり用オリフィス62及び第2
の副液室56により高周波数域での液柱共振を生じさせ
ることができるようになる。
【0045】以上より、本実施の形態の防振装置10に
よれば、低周波数域の内のシェイク振動での振動の減衰
を図ると同時に、こもり音等の高周波数域での低動ばね
化を図ることで、いずれの振動周波数においても適切に
振動が吸収され、広範囲な振動を低減することが可能に
なる。
【0046】具体的には、本実施の形態のように、振動
発生部がエンジンとされ、振動受部が車両の車体とされ
た場合、シェイク振動等の低周波数域の振動が発生する
車両の高速域での振動を減衰しつつ、低周波数域の振動
と共に発生するこもり音の領域において液柱共振を生じ
させて動ばね定数を低下させ、振動を低減することが可
能となる。
【0047】次に、本発明に係る防振装置の第2の実施
の形態を図3から図5に示し、これらの図に基づき本実
施の形態を説明する。尚、第1の実施の形態で説明した
部材と同一の部材には同一の符号を付し、重複した説明
を省略する。
【0048】図3及び図4に示すように、本実施の形態
には、第1の実施の形態のようなシェイクオリフィス6
4が無い代わりに、仕切部材28の径方向に沿って延び
る大径の通路である円穴36が仕切部材28に形成され
ている。そして、この円穴36の一端は上方に開放され
て主液室30と繋がっており、この円穴36の他端は下
方に開放されて第1の副液室32と繋がっている。
【0049】この為、円穴36により主液室30と第1
の副液室32との間が連通される。つまり、主液室30
と第1の副液室32とを連通してアイドル振動吸収用の
制限通路とされるアイドルオリフィス60を円穴36が
構成することになる。
【0050】また、本実施の形態では、こもり用穴部5
2の一端側がこの円穴36の途中に連結されており、ア
イドルオリフィス60を介して、主液室30と第2の副
液室56とをこもり用オリフィス62が連通する構造と
されている。
【0051】次に本実施の形態の作用を説明する。本実
施の形態は第1の実施の形態と同様に作用するが、以下
のような相違を有する。
【0052】すなわち、エンジンがアイドリング運転の
場合や車速が5km/h以下の場合に、アイドル振動(2
0〜40Hz)が生じるが、この際、液体は大径で通過抵
抗の小さなアイドルオリフィス60を介して主液室30
と第1の副液室32と行き来することになり、アイドル
オリフィス60内で液柱共振して図5に示すアイドル振
動の周波数域Aで動ばね定数Kが低下し、振動が吸収さ
れる。
【0053】そしてこのとき、第1の実施の形態と同様
に、第1の副液室32と別に形成された第2の副液室5
6の第2ダイヤフラム54の剛性を第2空気室58の存
在により高めることができるので、アイドル振動によっ
てはこの第2ダイヤフラム54が変形し難くなる。
【0054】つまり、第1の実施の形態と同様に、第2
空気室58によりこもり用オリフィス62を介して第2
の副液室56に連通する主液室30内の内圧損失を少な
くすることができる。
【0055】一方、これとは別に、こもり用オリフィス
62及び第2の副液室56を有しているので、高周波数
域で液柱共振を生じさせて、図5に示すようにこもり音
の周波数域Bで動ばね定数Kを低下させ、高周波数域の
振動であるこもり音を吸収することができる。
【0056】次に、本発明に係る防振装置の第3の実施
の形態を図6に示し、この図に基づき本実施の形態を説
明する。尚、第1の実施の形態で説明した部材と同一の
部材には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0057】図6に示すように本実施の形態には、第1
の実施の形態のようなこもり用穴部52及び蓋材66の
代わりに、第1の実施の形態より大きめの蓋材166が
仕切部材28に嵌合されて内蔵され、この蓋材166に
設けられた貫通穴152で主液室30と第2の副液室5
6が連通されている。
【0058】従って、本実施の形態も第1の実施の形態
と同様に作用するが、こもり用オリフィス62が短くな
ると共に、第2の副液室56、第2ダイヤフラム54等
が大きくなったので、液柱共振の共振周波数が変更され
ることになる。つまり、振動を低減すべき周波数が変わ
った場合でも、オリフィスの長さや内径を変更したり、
副液室の大きさを変更したりすることで、対応可能とな
る。
【0059】次に、本発明に係る防振装置の第4の実施
の形態を図7に示し、この図に基づき本実施の形態を説
明する。尚、第1の実施の形態から第3の実施の形態で
説明した部材と同一の部材には同一の符号を付し、重複
した説明を省略する。
【0060】図7に示すように本実施の形態では、第2
の実施の形態のようなアイドルオリフィス60を有する
と共に、第3の実施の形態と同様のこもり用オリフィス
62、第2の副液室56、第2ダイヤフラム54を有し
ている。
【0061】従って、本実施の形態も第2の実施の形態
及び第3の実施の形態と同様に作用することになる。
【0062】尚、実施の形態において、車両に搭載され
るエンジンの防振を目的としたが、本発明の防振装置は
他の用途にも用いられることはいうまでもなく、また、
形状等も実施の形態のものに限定されるものではない。
【0063】また、実施の形態において、第2の副液室
の弾性変形可能な隔壁となる第2ダイヤフラムを挟んで
内部に気体が封入された空気室が配置されているので、
この空気室のばねによって第2ダイヤフラムの剛性を自
由に設定できるようになり、液柱共振の共振周波数の設
定自由度が拡がった。
【0064】さらに、第1の実施の形態において、シェ
イク振動に伴ってこもり音が発生する場合を通じて説明
をしたが、シェイク振動とは別に、こもり音が単独で発
生する場合にも適用できることはいうまでもない。
【0065】また、上記実施例において車体に第1の取
付部材である底板金具12側が取り付けられ、エンジン
に第2の取付部材である頂板金具20側が取り付けられ
る構成としたが、この逆の構成としてもよい。
【0066】
【発明の効果】本発明の防振装置は、以上のように説明
した構成とした結果、低周波数域の振動の低減を図ると
同時に高周波数域の低減を図ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る防振装置の第1の実施の形態の断
面図である。
【図2】本発明に係る防振装置の第1の実施の形態の防
振特性を表すグラフを示す図である。
【図3】本発明に係る防振装置の第2の実施の形態の断
面図である。
【図4】本発明に係る防振装置の第2の実施の形態の別
の断面図である。
【図5】本発明に係る防振装置の第2の実施の形態の防
振特性を表すグラフを示す図である。
【図6】本発明に係る防振装置の第3の実施の形態の断
面図である。
【図7】本発明に係る防振装置の第4の実施の形態の断
面図である。
【符号の説明】
10 防振装置 12 底板金具(第1の取付部材) 18 弾性体 20 頂板金具(第2の取付部材) 28 仕切部材 30 主液室 32 第1の副液室 56 第2の副液室 58 第2空気室 60 アイドルオリフィス(第1通路) 62 こもり用オリフィス(第2通路) 64 シェイクオリフィス(第1通路)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動発生部及び振動受部の一方に連結さ
    れる第1の取付部材と、 振動発生部及び振動受部の他方に連結される第2の取付
    部材と、 これら一対の取付部材の間に配置される弾性体と、 弾性体を隔壁の一部として液体が封入され且つ弾性体の
    変形により内容積が変化する主液室と、 隔壁の少なくとも一部が弾性変形可能に形成される第1
    の副液室と、 主液室と第1の副液室との間を連通する第1通路と、 主液室と第1の副液室との間を仕切る仕切部材と、 仕切部材内に配置され且つ隔壁の少なくとも一部が弾性
    変形可能に形成される第2の副液室と、 仕切部材内に形成され且つ、主液室と第2の副液室との
    間を連通すると共に第1通路より高周波数の振動を低減
    する第2通路と、 第2の副液室の弾性変形可能な隔壁を挟んで第2の副液
    室と隣り合うように仕切部材に内蔵され且つ内部に気体
    が封入された空気室と、 を有することを特徴とする防振装置。
  2. 【請求項2】 第1通路がシェイク振動或いはアイドル
    振動を低減し、第2通路がこもり音を低減することを特
    徴とする請求項1記載の防振装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102005016605A1 (de) * 2005-04-11 2006-10-12 Trelleborg Automotive Technical Centre Gmbh Hydraulisch dämpfendes Motorlager
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