JPH11323156A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
熱可塑性樹脂組成物Info
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- JPH11323156A JPH11323156A JP11072997A JP7299799A JPH11323156A JP H11323156 A JPH11323156 A JP H11323156A JP 11072997 A JP11072997 A JP 11072997A JP 7299799 A JP7299799 A JP 7299799A JP H11323156 A JPH11323156 A JP H11323156A
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Abstract
性に優れた熱可塑性樹脂組成物を容易に提供する。 【解決手段】(a)熱可塑性樹脂と(b)層状珪酸塩複
合体、を配合してなる熱可塑性樹脂組成物であって、層
状珪酸塩複合体(b)が(b−1)交換性の陽イオンを
層間に有する層状珪酸塩と(b−2)有機オニウム塩を
有機オニウム塩の融点以上の温度で溶融混練して得られ
る複合体であり、熱可塑性樹脂組成物中の無機灰分量が
0.1〜40重量%含有することを特徴とする熱可塑性
樹脂組成物。
Description
状珪酸塩からなる機械的性質の改良された熱可塑性樹脂
組成物、及びその熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関す
る。
改良するために、ガラス繊維や無機充填剤を樹脂に配合
することが実施されている。しかし、これら無機フィラ
ーを単純に溶融混練するだけでは、樹脂中の無機フィラ
ーの分散や界面接着も悪く、耐衝撃性が低い、表面外観
が悪いといった問題がある。そこで、熱可塑性樹脂と無
機フィラーとの親和性または結合力を高める為に、無機
フィラーの表面に有機シラン等のカップリング処理を施
し、樹脂中のフィラー分散を改良する方法があるが、か
かる方法では樹脂と無機フィラーとの間のなじみを良く
する程度であり、十分な改良には到っていない。また、
通常のフィラーでは、十分な強度を得るためには充填量
を上げる必要があり、得られる樹脂組成物が高比重にな
るといった問題も生じてくる。
物は、フィラーとしての使用が古くから試みられている
が、通常の混合、混練では、二次凝集が起こってしま
い、樹脂中への均一な分散が困難であった。そこで特開
平8−12881号公報には層状珪酸塩をホストとし特
定の4級アンモニウムイオンゲストとする層間化合物を
用いることで、均一な分散を得ようとする試みがなされ
ているが、分散性は不十分であり、また層間化合物を得
るために層状珪酸塩と4級アンモニウムイオンを水など
の溶媒中でカチオン交換させる必要があり工程が複雑で
あるという問題があった。とくに、水に分散させてカチ
オン交換反応をさせた場合は、その後の乾燥に時間を要
し、また乾燥によって得られる層間化合物を再度粉砕し
微粉化する必要があり改良が望まれていた。
開平9−48856号公報には粘土鉱物を溶媒で膨潤さ
せた後に樹脂と溶融混練し、押出機に設けたベント口を
減圧に保持して溶媒を除去することで均一な分散を得よ
うとする試みが開示されているが、その分散性は不十分
であり、溶媒を用いるために工程が複雑になるといった
問題点があった。
問題点を解決し、層状珪酸塩が均一に分散し、低比重
で、機械的性質の改良された熱可塑性樹脂組成物および
それを容易に製造する方法の提供を課題とする。
点を解決するために鋭意検討を重ねた結果、層状珪酸塩
と有機オニウム塩を有機オニウム塩の融点以上の温度で
溶融混練して得られる複合体を熱可塑性樹脂に溶融混練
することにより層状珪酸塩が均一に分散した熱可塑性樹
脂組成物を容易に得ることができることを見出し本発明
に至った。
(b)層状珪酸塩複合体、を配合してなる熱可塑性樹脂
組成物であって、層状珪酸塩複合体(b)が(b−1)
交換性の陽イオンを層間に有する層状珪酸塩と(b−
2)有機オニウム塩を有機オニウム塩の融点以上の温度
で溶融混練して得られる複合体であり、層状珪酸塩複合
体(b)を、熱可塑性樹脂組成物中の無機灰分量で0.
1〜40重量%含有せしめることを特徴とする熱可塑性
樹脂組成物および(b−1)交換性の陽イオンを層間に
有する層状珪酸塩と(b−2)有機オニウム塩、を有機
オニウム塩の融点以上の温度で溶融混練して(b)層状
珪酸塩複合体を製造し、該(b)層状珪酸塩複合体と
(a)熱可塑性樹脂とを溶融混練することを特徴とする
熱可塑性樹脂組成物の製造方法である。
成形可能な樹脂を意味する。その具体例としてはポリア
ミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリーレンスルフィ
ド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、
ポリアセタール樹脂、ABS樹脂、ポリフェニレンオキ
シド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ア
クリル樹脂などが挙げられる。これらは一種、または二
種以上で用いられる。なかでもポリアミド樹脂、ポリエ
ステル樹脂を好ましく用いることができる。
アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸を
主たる原料とするポリアミドである。その原料の代表例
としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデ
カン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安
息香酸などのアミノ酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウ
ロラクタムなどのラクタム、テトラメチレンジアミン、
ヘキサメレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジア
ミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジア
ミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメ
チレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、メ
タキシレンジアミン、パラキシレンジアミン、1,3−
ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス
(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−ア
ミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、
ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−
メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−
ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(ア
ミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンな
どの脂肪族、脂環族、芳香族のジアミン、およびアジピ
ン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカ
ン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレ
フタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフ
タル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒ
ドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂
肪族、脂環族、芳香族のジカルボン酸が挙げられ、本発
明においては、これらの原料から誘導されるポリアミド
ホモポリマーまたはコポリマーを各々単独または混合物
の形で用いることができる。
樹脂は、200℃以上の融点を有する耐熱性や強度に優
れたポリアミド樹脂であり、具体的な例としてはポリカ
プロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパ
ミド(ナイロン66)、ポリテトラメチレンアジパミド
(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナ
イロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイ
ロン612)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/
ポリカプロアミドコポリマー(ナイロン6T/6)、ポ
リヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレ
フタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T)、ポリ
ヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフ
タルアミドコポリマー(ナイロン66/6I)、ポリヘ
キサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタ
ルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリ
マー(ナイロン66/6T/6I)、ポリヘキサメチレ
ンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルア
ミドコポリマー(ナイロン6T/6I)、ポリヘキサメ
チレンテレフタルアミド/ポリ(2−メチルペンタメチ
レン)テレフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/M
5T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘ
キサメチレンセバカミド/ポリカプロアミドコポリマー
(ナイロン6T/610/6)、ポリヘキサメチレンテ
レフタルアミド/ポリドデカンアミド/ポリヘキサメチ
レンアジパミドコポリマー(ナイロン6T/12/6
6)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリドデ
カンアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポ
リマー(ナイロン6T/12/6I)、ポリキシレンア
ジパミド(ナイロンXD6)およびこれらの混合物ない
し共重合体などが挙げられる。
6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン6/66
コポリマー、ナイロン6/12コポリマー、またナイロ
ン6T/66コポリマー、ナイロン6T/6Iコポリマ
ー、ナイロン6T/6コポリマー、ナイロン6T/12
/66コポリマー、ナイロン6T/12/6Iコポリマ
ーなどのヘキサメチレテレフタラミド単位を有する共重
合体などの例を挙げることができ、更にこれらのナイロ
ン樹脂を成形性、耐熱性、靱性、表面性などの必要特性
に応じて混合物として用いることも実用上好適である。
限がなく、1%の濃硫酸溶液中、25℃で測定した相対
粘度が、1.5〜5.0の範囲、特に2.0〜4.0の
範囲のものが好ましい。
芳香環を重合体の連鎖単位に有する熱可塑性のポリエス
テルで、通常、芳香族ジカルボン酸(あるいはそのエス
テル形成性誘導体)とジオール(あるいはそのエステル
形成性誘導体)および/またはヒドロキシカルボン酸と
を主成分とする縮合反応により得られる重合体ないしは
共重合体であり、液晶性のものであっても非液晶性のも
のであってもよい。
体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロ
ピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリへキシレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6
−ナフタレンジカルボキシレート、ポリブチレン−2,
6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリエチレン−
1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカル
ボキシレートのほか、ポリエチレンイソフタレート/テ
レフタレート、ポリブチレンイソフタレート/テレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート/デカンジカルボ
キシレート、ポリエチレン−4,4’−ジカルボキシレ
ート/テレフタレート、p−オキシ安息香酸/ポリエチ
レンテレフタレート、p−オキシ安息香酸/6−オキシ
−2−ナフトエ酸などの共重合ポリエステルが挙げられ
る。
レンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートが
挙げられ、これらのポリエステル樹脂を成形性、耐熱
性、靱性、表面性などの必要特性に応じて混合物として
用いることも実用上好適である。
に制限がなく、ポリブチレンテレフタレートは0.5%
のo−クロロフェノール溶液中、25℃で測定した固有
粘度が、0.80〜1.9の範囲、特に1.0〜1.5
の範囲のものが好ましく、また、ポリエチレンテレフタ
レートの場合は上記と同条件で測定した固有粘度が0.
36〜1.60、特に0.52〜1.35の範囲のもの
が好ましい。
は、(b−1)交換性の陽イオンを層間に有する層状珪
酸塩と(b−2)有機オニウム塩を有機オニウム塩の融
点以上の温度で溶融混練して得られる複合体である。
る層状珪酸塩とは、膨潤性の層状珪酸塩であり、例えば
アルミニウム、マグネシウム、リチウム等から選ばれる
元素を含む8面体シートの上下に珪酸4面体シートが重
なって1枚の板状結晶層を形成している2:1型の構造
を持ち、その板状結晶層の層間に交換性の陽イオンを有
しているものである。通常、幅0.05〜0.5μm、
厚さ6〜15オングストロームの板状物が積層した構造
を持ち、カチオン交換容量が0.2〜3meq/gのも
のが挙げられ、好ましくはカチオン交換容量が0.8〜
1.5meq/gのものである。
塩の具体例としてはモンモリロナイト、バイデライト、
ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナ
イトなどのスメクタイト系粘土鉱物、バーミキュライ
ト、ハロイサイト、カネマイト、ケニヤイト、燐酸ジル
コニウム、燐酸チタニウムなどの各種粘土鉱物、Li型
フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na
型四珪素フッ素雲母、Li型四珪素フッ素雲母等の膨潤
性合成雲母等が挙げられ、天然のものであっても合成さ
れたものであっても良い。これらのなかでもモンモリロ
ナイト、ヘクトライトなどのスメクタイト系粘土鉱物や
Na型四珪素フッ素雲母などの膨潤性合成雲母が好まし
い。
ム塩やホスホニウム塩、スルホニウム塩に代表される化
合物群である。これらのなかではアンモニウム塩とホス
ホニウム塩が好ましく、特にアンモニウム塩が好んで用
いられる。アンモニウム塩としては、1級アンモニウ
ム、2級アンモニウム、3級アンモニウム、4級アンモ
ニウムのクロライド、ブロマイド、アセテート、スルフ
ェートなどいずれでも良い。
ニウム、ドデシルアンモニウム、オクタデシルアンモニ
ウム、オレイルアンモニウム、ベンジルアンモニウムな
どの塩が挙げられる。
ルアンモニウム、メチルオクタデシルアンモニウムなど
の塩が挙げられる。
シルアンモニウム、ジメチルオクタデシルアンモニウム
などの塩が挙げられる。
メチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウ
ム、ベンジルトリブチルアンモニウム、ベンジルジメチ
ルドデシルアンモニウム、ベンジルジメチルオクタデシ
ルアンモニウムなどのベンジルトリアルキルアンモニウ
ム類の塩、トリオクチルメチルアンモニウムなどのトリ
アルキルメチルアンモニウム類の塩、トリメチルオクチ
ルアンモニウム、トリメチルドデシルアンモニウム、ト
リメチルオクタデシルアンモニウムなどのアルキルトリ
メチルアンモニウム類の塩、ジメチルジオクチルアンモ
ニウム、ジメチルジドデシルアンモニウム、ジメチルジ
オクタデシルアンモニウムなどのジメチルジアルキルア
ンモニウム類の塩などが挙げられる。
ニレンジアミン、α−ナフチルアミン、p−アミノジメ
チルアニリン、ベンジジン、ピリジン、ピペリジン、6
−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12
−アミノドデカン酸、エタノールアミン誘導体、ジエタ
ノールアミン誘導体などから誘導されるアンモニウム塩
類、それらのエチレンオキシド付加体なども挙げられ
る。
イドがその入手性から好ましく、具体的にはトリオクチ
ルメチルアンモニウムクロライド、ベンジルジメチルド
デシルアンモニウムクロライド、ベンジルジメチルオク
タデシルアンモニウムクロライド、トリメチルオクタデ
シルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。
ウム塩の対イオンから生成する塩とは、交換性の陽イオ
ンを層間に有する層状珪酸塩と有機オニウム塩とを反応
させた際、層状珪酸塩に有機オニウムイオンがイオン交
換反応によって結合すると同時に、層状珪酸塩の交換性
陽イオンと、有機オニウム塩の対イオンとが結合して生
ずる塩である。具体的には、Naイオンを層間に有する
モンモリロナイトとトリオクチルメチルアンモニウムク
ロライドを反応させた場合の塩化ナトリウム、Liイオ
ンを層間に有するテニオライトとジオクタデシルジメチ
ルアンモニウムクロライドを反応させた場合の塩化リチ
ウムなどが挙げられる。
間に有する層状珪酸塩と有機オニウム塩の反応は有機オ
ニウム塩の融点以上の温度、すなわち、有機オニウム塩
が液状の状態において両者を直接反応させることが必要
である。ここで、有機オニウム塩が液状の状態とは、有
機オニウム塩を溶媒に溶かした溶液状の状態を言うので
はなく、有機オニウム塩が有機オニウム塩自身の融点以
上にあることを言う。この反応の際、層状珪酸塩を水な
どの溶媒で膨潤させておく必要はなく、フレーク状もし
くは粉末状の層状珪酸塩と有機オニウム塩を攪拌混合す
るだけでよい。
有機オニウム塩が室温で液状の場合は、フレーク状もし
くは粉末状の層状珪酸塩と液状の有機オニウム塩を乳鉢
やニーダー、ミキサー、二軸押出機などを用いて混合す
れば良く、その際特に加熱は必要ないが、加熱してもか
まわない。また、有機オニウム塩が室温では固体の場
合、フレーク状もしくは粉末状の層状珪酸塩と固体状の
有機オニウム塩を乳鉢やニーダー、ミキサー、二軸押出
機などを用いて有機オニウム塩の融点以上の温度で有機
オニウム塩が液状になる条件で混合すれば良い。
オニウム塩が浸入し、有機オニウム塩と交換可能な陽イ
オンの間で陽イオン交換反応が生じ、層間距離が反応前
に比べて拡大する。さらに、その際に副生する陽イオン
と有機オニウム塩の対イオンからなる塩が、層状珪酸塩
と単層のレベルで緊密に混ざり合い、層状珪酸塩の単
層、有機オニウムイオン、ならびに陽イオンと有機オニ
ウムイオンの対イオンからなる塩、の3成分が分子レベ
ルで複合した複合体が生じるのである。
オニウム塩の量は、層状珪酸塩の分散性、溶融時の熱安
定性、成形時のガス、臭気の発生抑制などの点から、層
状珪酸塩の陽イオン交換容量に対し通常、0.4〜2.
0当量の範囲であるが、0.8〜1.2当量であること
が好ましい。
じ有機オニウム塩以外の成分を複合化させることも可能
である。複合化させる化合物としては、有機オニウム塩
を混合する場合と同様に、室温で液体あるいは加熱によ
り液体となり層状珪酸塩と混合できる化合物であれば特
に制限がない。具体的にはハロゲン系難燃剤、リン酸エ
ステル系難燃剤などの難燃剤、エチレンビスステアリル
アミド、ステアリルアミド、高級脂肪酸、高級脂肪酸エ
ステルなどの離型剤、エポキシ化合物、可塑剤、酸化防
止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、滑剤、シリコーンオイ
ルなどの化合物が挙げられる。これらの有機オニウム塩
以外の成分を層状珪酸塩に複合化する方法は、層状珪酸
塩と有機オニウム塩を混合する際に同時に混合する方法
でも、層状珪酸塩と有機オニウム塩を混合した後に、さ
らに有機オニウム塩以外の成分を混合する方法でもかま
わない。
に有する層状珪酸塩と有機オニウム塩を有機オニウム塩
の融点以上の温度で溶融混練して得られる複合体と熱可
塑性樹脂を溶融混練する方法には特に制限はなく、熱可
塑性樹脂の溶融状態下で機械的剪断を行うことができれ
ばよい。その処理方法もバッチ式または連続式のいずれ
でも良いが、連続的に製造できる連続式の方が作業効率
の面から好ましい。具体的な装置にも制限はないが、押
出機、特に二軸押出機が生産性の面で好ましい。また、
溶融混練時に発生する水分や、低分子量の揮発成分を除
去する目的で、ベント口を設けることも好んで用いられ
る。二軸押出機を用いる場合には、(a)熱可塑性樹脂
と(b)層状珪酸塩複合体をあらかじめブレンダー等で
混合しておき、それを押出機のフィード口から供給する
方法や、(a)成分を押出機の上流側のフィード口から
供給し、(b)成分を下流側のフィード口から供給する
方法など供給の方法にも特に制限はない。押出機のスク
リューアレンジにも特に制限はないが、層状珪酸塩を微
分散化させるために、ニーディングゾーンを設けること
が好ましい。
換性の陽イオンを層間に有する層状珪酸塩と有機オニウ
ム塩を有機オニウム塩の融点以上の温度で溶融混練して
得られる複合体(b)の配合比率は、熱可塑性樹脂組成
物全体中の無機灰分量として0.1〜40重量%、好ま
しくは0.1〜30重量%、より好ましくは0.5〜2
0重量%、特に好ましくは1〜15重量%となる範囲で
ある。灰分量が0.1重量%未満では物性改良効果が小
さく、灰分量が40重量%を越えると靱性が低下する場
合がある。無機灰分量は熱可塑性樹脂組成物を500℃
の電気炉で3時間灰化させて求めた値である。
マトリックス樹脂中に層状珪酸塩が単層のレベルで分散
していることが特徴である。単層のレベルで分散してい
る状態とは、層状珪酸塩が単層〜10層程度の状態で、
二次凝集することなくマトリックス樹脂全体に分散して
いることを言う。この状態は熱可塑性樹脂組成物から切
片を切削しこれを電子顕微鏡で観察することによって確
認できる。
通常、交換性陽イオンと有機オニウム塩の対イオンから
生成する塩もマトリックス樹脂中に分散している。
を溶解させた溶液を水に加え、熱可塑性樹脂を再沈させ
分離し、その再沈溶媒である水を濃縮し元素分析やX線
回折測定を行うことで定性・定量できる。
は、本発明の目的を損なわない範囲で常用の各種添加成
分、例えばガラス繊維、炭素繊維、針状ワラステナイト
などの針状無機充填材、ガラスフレーク、タルク、カオ
リン、マイカなどの板状無機充填材、各種エラストマー
類などの衝撃性改良材、結晶核剤、着色防止剤、ヒンダ
ードフェノール、ヒンダードアミンなどの酸化防止剤、
エチレンビスステアリルアミドや高級脂肪酸エステルな
どの離型剤、可塑剤、熱安定剤、滑剤、紫外線防止剤、
着色剤、難燃剤などの添加剤を添加することができる。
射出成形など通常の加工方法で容易に成形品とすること
ができる。またその際、本発明の熱可塑性樹脂組成物は
マスターバッチの状態で使用しても良い。すなわち、一
例として(a)熱可塑性樹脂樹脂の一部と(b)層状珪
酸塩複合体からなるマスターバッチペレットと(a)熱
可塑性樹脂の残部のペレットを配合して溶融成形して直
接成形品とする方法などが挙げられる。得られた成形品
は少ないフィラー量で、高い曲げ弾性率を示すため、種
々のエンジニアリング部品、構造材料に適している。
りである。
で測定した相対粘度が2.70 ナイロン66:濃硫酸中、濃度1%、25℃で測定した
相対粘度が2.75 PBT:o−クロロフェノール溶液中、濃度0.5%、
25℃で測定した固有粘度が1.2。
陽イオン交換容量120m当量/100g)100gと
トリオクチルメチルアンモニウムクロライド(室温で液
状)48g(120m当量)を乳鉢に入れ、乳棒で5分
間混練し、微粉末のモンモリロナイト複合体を得た。1
48gのモンモリロナイト複合体を得るのに要した実質
的な時間は乳鉢で混練した5分間であった。
イロン6に5wt%添加し、250℃に設定したPCM
−30型二軸押出機(池貝鉄鋼製)を用いて溶融混練
し、組成物ペレットを得た。得られたペレットを500
℃の電気炉で3時間灰化させ灰分量を測定したところ、
3.5wt%であった。
250℃、金型温度80℃で射出成形して、ASTM1
号ダンベル形試験片(1/8”厚)および1/2”×
5”×1/4”厚の棒状試験片に成形した。
STM D638法に準じて引張強度を測定したとこ
ろ、95MPaを示した。また棒状試験片を用い、AS
TMD790法に準じて曲げ試験を行った結果、曲げ強
度は130MPa、曲げ弾性率は4.3GPaを示し
た。また棒状試験片から超薄切片を切削し透過型電子顕
微鏡(TEM)で観測し、層状珪酸塩の分散状態を調べ
たところ、層状構造は全く見られず、珪酸塩単層が均一
にナイロン中に分散していた。
し、表1に示した割合で各種熱可塑性樹脂と配合し、実
施例1と同様に表1記載の温度で溶融混練し組成物を得
た。実施例1と同様に成形後、評価を行った。
100gを精秤しこれを室温の水10リットルに攪拌分
散し、ここにトリオクチルメチルアンモニウムクロライ
ド48gを溶解させた水2リットルを添加して6時間攪
拌した。精製した沈降性の固体を濾別し、次いで30リ
ットルの脱塩水中で攪拌洗浄後再び濾別した。この洗浄
と濾別の操作を少なくとも3回行い、洗液の硝酸銀試験
で塩化物イオンが検出されなくなるのを確認した。得ら
れた固体を3日間風乾後乳鉢で粉砕し、更に50℃の温
風乾燥を10時間行い再度乳鉢で粉砕した。最終的に得
られた有機化モンモリロナイトの量は濾過や洗浄の際の
ロスのため140gであり、作業開始から6日間を要し
た。この得られた有機化モンモリロナイトと熱可塑性樹
脂を表2に示した温度で、実施例1〜5と同様に溶融混
練後、射出成形し評価した。
オン交換容量80m当量/100g)500gとベンジ
ルジメチルオクタデシルアンモニウムクロライド(融点
約70℃)170g(400m当量)を150℃に設定
したPCM−30型二軸押出機で溶融混練し、合成雲母
複合体を得た。仕込み原料合計670gの複合化処理に
要した時間は30分で、得られた合成雲母複合体は粉末
でありそのまま熱可塑性樹脂との溶融混練に使用できる
状態であった。実施例1〜5と同様に、得られた合成雲
母複合体をそのまま表3に示した熱可塑性樹脂と表3に
示した温度で溶融混練し、熱可塑性樹脂組成物を得た。
実施例1〜5と同様に成形、評価を行った。
0gを精秤しこれを室温の水10リットルに攪拌分散
し、ここにベンジルジメチルオクタデシルアンモニウム
クロライド34gを溶解させた水2Lを添加して6時間
攪拌した。精製した沈降性の固体を濾別し、次いで30
リットルの脱塩水中で攪拌洗浄後再び濾別した。この洗
浄と濾別の操作を少なくとも3回行い、洗液の硝酸銀試
験で塩化物イオンが検出されなくなるのを確認した。得
られた固体は3日の風乾後乳鉢で粉砕し、更に50℃の
温風乾燥を10時間行い再度乳鉢で粉砕した。有機化合
成雲母を得るのに要した時間は6日間であった。得られ
た有機化合成雲母と熱可塑性樹脂を表4に示した温度
で、実施例6〜8と同様に溶融混練後、射出成形し評価
した。
脂組成物が容易に得られ、特に無機灰分量が少なくても
曲げ弾性率など剛性に優れた樹脂組成物が得られるの
で、自動車部品、電機・電子部品、建材、家具、日用雑
貨品などの成形品用に適している。
Claims (5)
- 【請求項1】(a)熱可塑性樹脂と(b)層状珪酸塩複
合体、を配合してなる熱可塑性樹脂組成物であって、層
状珪酸塩複合体(b)が(b−1)交換性の陽イオンを
層間に有する層状珪酸塩と(b−2)有機オニウム塩を
有機オニウム塩の融点以上の温度で溶融混練して得られ
る複合体であり、層状珪酸塩複合体(b)を、熱可塑性
樹脂組成物中の無機灰分量で0.1〜40重量%含有せ
しめることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項2】熱可塑性樹脂マトリックス中に層状珪酸塩
が単層のレベルで均一に分散していることを特徴とする
請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項3】(b−3)交換性の陽イオンを層間に有す
る層状珪酸塩(b−1)と有機オニウム塩(b−2)と
の間に陽イオン交換反応が生じた結果生成する該交換性
陽イオンと該有機オニウム塩の対イオンからなる塩が熱
可塑性樹脂中に分散して存在していることを特徴とする
請求項1または2記載の熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項4】(a)熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂また
はポリエステル樹脂から選ばれた少なくとも1種の樹脂
である請求項1〜3のいずれか記載の熱可塑性樹脂組成
物。 - 【請求項5】(b−1)交換性の陽イオンを層間に有す
る層状珪酸塩と(b−2)有機オニウム塩、を有機オニ
ウム塩の融点以上の温度で溶融混練して(b)層状珪酸
塩複合体を製造し、該(b)層状珪酸塩複合体と(a)
熱可塑性樹脂とを溶融混練することを特徴とする熱可塑
性樹脂組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11072997A JPH11323156A (ja) | 1998-03-19 | 1999-03-18 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10-71003 | 1998-03-19 | ||
JP7100398 | 1998-03-19 | ||
JP11072997A JPH11323156A (ja) | 1998-03-19 | 1999-03-18 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11323156A true JPH11323156A (ja) | 1999-11-26 |
Family
ID=26412114
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11072997A Pending JPH11323156A (ja) | 1998-03-19 | 1999-03-18 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11323156A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001329167A (ja) * | 2000-05-24 | 2001-11-27 | Toray Ind Inc | ポリアミド樹脂組成物 |
JP2010123865A (ja) * | 2008-11-21 | 2010-06-03 | Murata Mfg Co Ltd | セラミック電子部品および部品内蔵基板 |
JP2013159757A (ja) * | 2012-02-08 | 2013-08-19 | Ps Japan Corp | 難燃樹脂組成物及び成形品 |
-
1999
- 1999-03-18 JP JP11072997A patent/JPH11323156A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001329167A (ja) * | 2000-05-24 | 2001-11-27 | Toray Ind Inc | ポリアミド樹脂組成物 |
JP4543500B2 (ja) * | 2000-05-24 | 2010-09-15 | 東レ株式会社 | ポリアミド樹脂成形体の製造方法 |
JP2010123865A (ja) * | 2008-11-21 | 2010-06-03 | Murata Mfg Co Ltd | セラミック電子部品および部品内蔵基板 |
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