JPH11307095A - リチウムイオン二次電池の負極材料に適したグラファイト粉末 - Google Patents
リチウムイオン二次電池の負極材料に適したグラファイト粉末Info
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Abstract
ウムイオン二次電池の負極材料に適したグラファイト粉
末を低コストで製造する。 【解決手段】 ホウ素を0.01〜5.0 重量%含有し、粉末
表面でグラファイトC面層の端部がループ状に閉じた閉
塞構造を持ち、グラファイトc軸方向における該閉塞構
造間の間隙面密度が 100個/μm以上、1500個/μm以
下であり、好ましくはd002 が3.3650Å以下のグラファ
イト粉末を、(1) 炭化前か後に高速粉砕処理された炭素
材を1500℃以上の温度で熱処理して黒鉛化するか、また
は(2) 炭化前か後に粉砕された炭素材を1500℃以上の温
度で熱処理して黒鉛化した後、さらに酸化熱処理と不活
性ガス中での熱反り以上の温度で熱処理する、ことによ
り製造する。
Description
電池の負極炭素材料として好適な、新規な構造を持った
グラファイト粉末に関する。より詳しくは、本発明は、
放電容量が高く、充放電効率にも優れるリチウムイオン
二次電池の負極を作製することができるグラファイト粉
末とその製造方法、ならびにこのグラファイト粉末から
なるリチウムイオン二次電池の負極材料とこの負極材料
から作製された負極を備えたリチウムイオン二次電池に
関する。
ウム、正極活物質に遷移金属の酸化物またはカルコゲン
化物 (例、硫化物、セレン化物) を使用し、電解液とし
て非プロトン性有機溶媒に無機または有機リチウム塩を
溶解させた溶液を用いた、非水系の二次電池の1種であ
る。
あるため、これを負極に用いた電池は大電圧を容易に取
り出すことができる。そのため、リチウム二次電池は起
電力とエネルギー密度が高い二次電池として近年注目が
高まっており、分散型または可搬型電池として、電子機
器、電気機器、電気自動車、電力貯蔵など幅広い分野で
の用途が期待されており、既に小型電池としては実用に
供されている。
て箔状の金属リチウム単体を用いていた。この場合、リ
チウムの溶解 (イオン化) と析出により充放電反応が進
行する。しかし、充電時のLi+ →Liの反応において、金
属リチウムが負極上に針状に析出する傾向があるため、
充放電を繰り返すと負極表面に樹枝状のリチウムデンド
ライトが析出する。このリチウムデンドライトが成長す
ると、セパレータ (隔壁) を貫通して正極との間の短絡
が起こることがあり、充放電の繰り返しサイクル寿命が
非常に短いという致命的な欠点があった。
ム二次電池の問題点を解決する手段として、リチウムイ
オンの格納・放出が可能な炭素材料 (例、天然黒鉛、人
造黒鉛、石油コークス、樹脂焼成体、炭素繊維、熱分解
炭素、カーボンブラック等)を負極材料として用いるこ
とが提案された (例えば、特開昭57−208079号公報を参
照) 。この場合、負極材料は実質的に炭素材料だけでよ
く、炭素材料の粉末を通常は適当な樹脂バインダーと共
に金属製集電体に付着させることにより負極となる電極
を作製することができる。
二次電池の電極反応は完全には解明されていないが、次
のように考えられている。充電時には負極の炭素材料に
電子が送り込まれて炭素が負に帯電し、電解液中のリチ
ウムイオンが負に帯電した負極の炭素材料に電気化学的
インターカレーションにより格納される。逆に、放電時
には、負極の炭素材料からリチウムイオンが脱離 (デイ
ンターカレーション)して、電解液中に放出される。即
ち、負極材料へのリチウムイオンの格納と放出により充
放電が起こる。そのため、この種の電池は一般にリチウ
ムイオン二次電池と呼ばれている。リチウムイオン二次
電池では、電極反応中に金属リチウムの析出が起こらな
いため、デンドライトの析出による負極劣化の問題を回
避することができる。現在実用化されているリチウム二
次電池は主にこのタイプ (即ち、負極が炭素材料からな
るリチウムイオン二次電池)である。
ム二次電池の理論容量は約3800 mAh/gと非常に高い。こ
れに対し、炭素材料にリチウムイオンを格納した負極材
料を持つリチウムイオン二次電池の理論容量は、最も結
晶性の高い炭素材料であるグラファイトの層間にリチウ
ムイオンが規則的に密に格納された層間化合物であるリ
チウム/グラファイト層間化合物(C6Li)から負極を構成
した場合で372 mAh/gであり、これが限界容量になると
考えられる。
チウムイオンの侵入を疎外する表面活性サイトや、リチ
ウムイオン格納に対する死領域などが存在することか
ら、リチウムイオン二次電池の負極用炭素材料として高
結晶性のグラファイトを用いても、限界容量である372
mAh/g を達成することは極めて困難であった。
晶性のアモルファスカーボン) とソフトカーボン (高結
晶性のグラファイト系カーボン) がある。上記の限界容
量はソフトカーボンについてであり、ハードカーボンで
はこれがあてはまらず、重量当たりではさらに高い容量
を示す材料もある。しかし、後述するようにハードカー
ボンは密度が低いため、体積当たりの容量は低くなる。
トを負極材料に使用した場合には、表面の結晶末端部分
の反応性が高いため、充電時に前述の電解液の分解に伴
って不動態皮膜が付着する。この時に使用される電気量
がロスとなるため、電池の指標の一つである充放電効率
[放電容量/充電容量×100(%)] が低下する。充放電効
率が低い材料は、電池設計時に負極材料の量をより多く
見積もる必要があるので、形状の規格が決まっている小
型電池のような用途では非常に不利である。
の限界容量に少しでも近づけるため、負極の炭素材料の
製造方法について各種の提案がこれまでになされてい
る。
炭素化過程で生じるメソフェーズ小球体の炭化物を用い
ることが特開平4−115458号公報、同5−234584号公
報、同5−307958号公報に提案されている。メソフェー
ズ小球体は、ピッチ類を約 400〜550 ℃で数時間熱処理
した時に生成する光学異方性 (液晶性) を示す球状粒子
であり、熱処理を続けると小球体が成長・合体して全体
が光学異方性を示すようになり、バルクメソフェーズに
なる。このバルクメソフェーズも炭素材料として使用で
きる。しかし、このような負極材料を用いたリチウムイ
オン二次電池の放電容量はまだかなり低い。
炭素繊維について、黒鉛層の積層配列の規則性を高める
ことにより、リチウムイオン二次電池の高容量化を図っ
ている。この公報には、炭素繊維を粉砕すると、元の炭
素繊維の黒鉛層の積層配列規則性とは異なる望ましくな
い構造欠陥が導入され、リチウムイオン二次電池の容量
を高めるには、黒鉛層の積層配列の規則性を高めること
が有利であると説明されている。しかし、このように黒
鉛層の積層配列の規則性を高めても、リチウムイオン二
次電池の放電容量は最高でも316 mAh/g であり、320 mA
h/g を越えるような高容量の黒鉛系の炭素質負極材料を
得ることはできない。
と架橋剤とを酸触媒の存在下で反応させた樹脂を高温で
焼成した炭素材料が開示されている。この炭素材料は、
芳香族成分が結晶化した結晶領域と架橋剤が非晶質化し
た非晶質領域とが混在した構造を持ち、両者の熱膨張・
収縮係数が異なるために、内部に構造欠陥を数多く持つ
ようになる。そのため、層間におけるリチウムイオンの
挿入 (C6Liの形成) に加えて、この構造欠陥への金属リ
チウムの吸蔵も起こるため、高容量のリチウムイオン二
次電池を構成することができると説明されている。しか
し、原料として特殊な樹脂を使用するため、原料コスト
が高く、経済的に不利であり、ハードカーボンであるた
め、体積当たりの容量は低くなる。また、この材料では
充放電効率は改善されない。
〜2.0 重量%含有する、有機材料を炭素化した炭素質材
料が開示されている。この材料も炭素質原料として、高
価な有機樹脂材料、特にフェノール樹脂を使用するた
め、原料コストが高くなる。
ファイトの限界容量372 mAh/g を超える380 mAh/g とい
う高い放電容量を示すことが記載されている。しかし、
この材料もハードカーボンであるため、真密度は1.55 g
/cc 程度と低い。一方、グラファイトの真密度は約2.2
g/ccと高い。そのため、グラファイト系材料の放電容量
が例えば320 mAh/g と低くても、体積当たりの放電容量
は320mAh/g×2.2g/cc=704mAh/cc であるのに対し、上
記炭素質材料では380mAh/g×1.55g/cc=589 mAh/ccと、
かなり低い値になる。従って、ハードカーボン材料は電
池の小型化が困難であるという問題を抱えており、電池
の小型化には真密度の高いグラファイト系材料が有利で
ある。
でなく、従来の炭素材と同様の炭素原料を用いて炭素化
する場合であっても、高容量かつ小型のリチウムイオン
二次電池の負極材料に適した、真密度の大きなグラファ
イト系炭素材とその製造方法を提供することを課題とす
る。
表面で炭素ネットワーク層 (グラファイトc面層) がル
ープ状閉塞構造を持ち、グラファイトc軸方向における
該ループ状閉塞構造間の間隙面の密度を制御をすること
によって、充放電容量が320 mAh/g を超えるような高性
能の負極材料とその製造方法を提案した(特願平8−34
5780号)。しかし、この負極材料は、次に詳しく説明す
るように、黒鉛化のために従来と同様の2500℃以上の高
温熱処理を必要とし、より高容量化を図るには3000℃を
超えるような非常に高い熱処理温度を要するため、工業
的な大量製造にはさらに改善が必要であった。
ソフェーズを粉砕し、炭化した後、温度を変化させて黒
鉛化した場合の、放電容量とd002 の関係 [図1(a)]お
よびd002 と黒鉛化温度の関係 [図1(b)]を示す。な
お、d002 はX線回折測定により求めたグラファイト材
のc軸面格子間距離 (層間距離) である。
し、d002 の減少とともに放電容量が増大することがわ
かる。このような放電容量とd002 の関係は、例えば、
イイジマ等, Synth. Met., 73 (1995), 9 にも報告され
ており、d002 をできる限り天然グラファイトのそれに
(理想天然グラファイトのd002 =3.354 Å) に近づけ
て高容量化を図ることは、グラファイト系負極材料では
普通の技術である。
材料を得るには、図1(b) からわかるように3000℃程度
の高温の黒鉛化熱処理を必要とするので、これよりd00
2 の小さい (即ち、より高性能の) グラファイト系負極
材料を得るには、黒鉛化熱処理の高温化という手段のみ
では限界がある。
た炭素ネットワーク (炭素6員環の縮合多環構造) か
ら、層状グラファイト相への炭素原子の配置の秩序化の
過程と考えることができる。
ff, Phys. Rev. Lett., 19, 2879,(1988)] を用いた分
子動力学法によって得られた炭素クラスターの乱れたネ
ットワークの例を示す。図2の系は、グラファイトの構
造エネルギーよりも原子1個当たり1.3 eV程度高いネッ
トワークとなっている。図中、矢印は、グラファイト中
のsp2(3配位) 炭素とは異なるsp3(4配位) 炭素原子を
示している。乱れた炭素ネットワークでは、このような
配位数の異なる炭素原子が存在することは、次のような
考察により容易に推定できる。
算されたダイヤモンドとグラファイトの0KにおけるGi
bbs 自由エネルギー (エンタルピー) と圧力の関係を示
す。ダイヤモンドとグラファイトは、それぞれsp3(4配
位) ネットワークとsp2(3配位) ネットワークの代表的
な例である。図3からわかるように、高圧では4配位
の、低圧では3配位の炭素ネットワークが安定であり、
圧力がゼロの場合には、両者はエネルギー的に同程度に
安定である。
れ、構造もさまざまなものが見出されているが、これは
炭素材料の構造では、同程度に安定なsp3(4配位) とsp
2(3配位) の両ネットワークの様々な組み合わせが可能
であるからである。また、図3より、一般の炭素材料に
おいて圧縮的な歪みを受けるような所では4配位ネット
ワークが、引っ張り的な歪みを受けるような所では3配
位ネットワークが発生していることが予想される。
炭素ネットワークから層状の平面炭素構造 (3配位ネッ
トワーク) への固相成長の過程であり、この過程は4配
位炭素の消滅と3配位ネットワークへの秩序化を伴うと
考えられる。例えば、図2のような乱れた炭素ネットワ
ークから平面3配位ネットワークに変化するためには、
(1) 4配位炭素の結合を切る、(2) 結合角、結合長をsp
2(3配位) 系に補正する、という2つの素過程が必要で
ある。これには大きな活性化エネルギーが伴うであろう
ことは容易に推察できる。
る。天然グラファイトにおけるd002の実験値は3.3545
Åであり、黒鉛化温度を上げることによって、合成グラ
ファイトのd002 は徐々に天然グラファイトのそれに近
づく [図1(b)]。グラファイトはダイヤモンドとともに
炭素元素では最安定な状態であるから、炭素材料におい
ては図4のような状態パラメーター(<d002>) に対する
構造エネルギー関数が存在すると考えられる。このよう
なd002 と構造エネルギーの関係を仮定すれば、図1
(b) のようなd002 と黒鉛化温度の挙動は定性的に次の
ように説明できる。即ち、温度が高いほどエネルギー障
壁ΔE (図4参照) を超える確率が高くなり、天然グラ
ファイトに近い結晶性への遷移が可能となるのである。
料としてグラファイト系炭素材料と双璧をなすハードカ
ーボンの存在も次のように考えられる。即ち、ある種の
炭素ネットワークの場合、黒鉛化温度に対応する温度で
は、エネルギー障壁ΔEを超えられないものが存在し、
天然グラファイトとは遠いエネルギー極小値に落ち込ん
でしまうのである。このエネルギー障壁ΔEが、上述し
た乱れたネットワークからグラファイトの平面3配位ネ
ットワークの成長に伴う活性化エネルギーであり、具体
的にはボンドの組み替えと再配位に必要なエネルギー障
壁である。即ち、炭素ネットワークの再配位がグラファ
イト化 (グラファイト固相成長) の律速段階になること
を本モデルは示している。
配位炭素の結合を切らなければいけない。これには非常
に大きな活性化エネルギーを伴うことは容易に推測でき
る。そこで発明者等は、3本のσ結合を形成できるIII
族元素に着目した。乱れた炭素ネットワークの4配位炭
素元素を、3配位元素の置換によって少なくできれば、
活性化エネルギーは小さくなり、上述の考察から活性化
エネルギーの小さな変化に対して黒鉛化温度は著しい変
化を示す可能性があるからである。ただし、ここで問題
なのは、黒鉛化後のグラファイトネットワークにIII 族
元素が平面構造を乱すことなしに炭素元素と置換できる
かどうかである。
料にグラファイト系炭素材料を用いる場合、充放電反応
は負極材料へのリチウムイオンのインターカレーション
によって行われる。平面構造を乱すように3配位元素が
置換すると、リチウムイオンのインターカレーションに
支障をきたす危険性がある。そこで、発明者等は分子軌
道法により3配位元素のグラファイトネットワーク中の
安定性を調査した結果、図5に示すように、ホウ素はグ
ラファイト平面を乱すことなしに炭素と置換できること
を計算化学手法により確認した。
に炭素と置換できるホウ素を添加して黒鉛化熱処理を行
うことにより、これが1種の触媒となって、従来より低
エネルギー (即ち、低い熱処理温度) で、d002 の小さ
いグラファイトを得ることができると考え、この点を実
験で確かめた。
加した材料と無添加の材料を、種々の黒鉛化温度で熱処
理して得たグラファイトの層間距離d002 と黒鉛化温度
の関係の1例を示す。ホウ素添加材は、低い温度の黒鉛
化熱処理で小さなd002 が達成でき、黒鉛化温度に対す
るd002 の変化率が無添加材に比べ小さいことがわか
る。即ち、ホウ素添加材は、低温で黒鉛化熱処理して
も、従来の高温熱処理材よりd002 の小さい (従って、
高容量の) 負極材料を製造することができることが判明
した。
ットワーク層のループ状閉塞構造を有するグラファイト
系負極材料において、Bを添加してから炭素材料を黒鉛
化熱処理することにより、より低い黒鉛化温度で高性能
の負極材料をより安価に製造でき、また同程度の黒鉛化
温度でさらなる高性能の負極材料を製造できることを確
かめ、本発明を完成させた。
に、ホウ素を 0.1〜2.0 重量%含有する高容量の炭素質
材料が開示されている。しかし、この公報には、ホウ素
の添加によるd002 または熱処理温度への影響について
は何も記載されていない。本発明は、先に本発明者らが
見出したループ状閉塞構造をもつグラファイトにおける
間隙面密度の制御とホウ素添加という2つの要素を重ね
ることによって初めて達成できるものである。本発明に
おけるホウ素添加の主たる目的は、黒鉛化熱処理の低温
化 (従来より低温の熱処理でd002 の小さいグラファイ
ト材料を得ることができる) であり、ホウ素添加の目的
も上記公報の発明とは異なる。
ものであり、下記 (1)〜(4) を要旨とする。
末表面でグラファイトc面層の端部がループ状に閉じた
閉塞構造を有し、グラファイトc軸方向における該閉塞
構造間の間隙面密度が 100個/μm以上、1500個/μm
以下であることを特徴とするグラファイト粉末。
び/または後に高速粉砕処理された炭素材を、1500℃以
上の温度で熱処理して黒鉛化することを特徴とする上記
グラファイト粉末の製造方法。
び/または後に粉砕処理された炭素材を、1500℃以上の
温度で熱処理して黒鉛化した後、得られたグラファイト
粉末の表面を削ることができる条件下で表面処理を行
い、さらに不活性ガス中800 ℃以上の温度で熱処理する
ことを特徴とする上記グラファイト粉末の製造方法。
リチウムイオン二次電池の負極材料およびこの負極材料
から作製された負極を備えたリチウムイオン二次電池。
構造」または「ループ状閉塞構造」とは、炭素ネットワ
ーク層 (グラファイトc面層) の末端同士が連結してル
ープを形成して閉じた構造を意味し、このループは図8
(b) または図9に示すような単層ループと、図7または
図11に示すような多層の積層ループのいずれであっても
よい。
ように、隣接する2つのループ状閉塞構造の間の、外部
に開いたグラファイト層間の面を意味する。2つのルー
プ状閉塞構造がいずれも積層ループ型である場合には、
この隣接した2つの積層ループの最外層のループ同士の
間の間隙面だけが、外部に開いているので、本発明で意
味する間隙面であり、1つの積層ループ内における隣接
した2層の炭素ネットワーク層間の隙間は、ループで閉
じられているので、本発明で意味する間隙面ではない。
(炭素ネットワーク層の平面) に垂直な方向 (c軸方
向、図11参照) における1μm当たりの間隙面の個数と
して定義する。この間隙面の密度は、閉塞構造が積層ル
ープ型の場合にはループ積層体を1個として数えた場合
のループ状閉塞構造の密度 (c軸方向における1μm当
たりのループ状閉塞構造の個数) と実質的に同じであ
る。
異なる多くの領域 (多結晶粉末の結晶粒に相当) から構
成され、各領域 (即ち、c軸方向が同一のひとかたまり
の領域) を結晶子という。本発明のグラファイト粉末
は、その粉末を構成する全ての結晶子の粉末表面におけ
るc面層の端部が上記のループ状閉塞構造を有している
必要はないが、実質的に全ての結晶子がこのループ状閉
塞構造を有している方が好ましいのは当然である。ルー
プ状閉塞構造は炭素ネットワークが完全に連続し、化学
的に安定であって、電解液が侵入しにくいので、充電・
放電サイクル特性の向上につながるからである。
間隙面の密度が高い。すなわち、1つの積層型ループ状
閉塞構造の積層数が少なく、従ってループ状閉塞構造の
ループ部の曲率半径が比較的小さい。Liイオンは、間隙
面や、空孔型欠陥 [図8(c)]を通ってグラファイト内に
侵入し、格納される。ループ部は炭素ネットワーク層の
欠陥が発生しやすく、特に曲率半径の小さいループ状閉
塞構造にその傾向が高い。本発明のグラファイト粉末
は、Liイオンの侵入サイトである間隙面と空孔型欠陥の
両方が多く存在するので、グラファイト内へのLiイオン
の侵入量、従って格納量が多くなり、放電容量が向上す
るものと思われる。
は、黒鉛化熱処理の低温化を可能にするため、0.01〜5.
0 重量%のホウ素を含有する。ホウ素含有量は好ましく
は0.02〜3.0 重量%であり、より好ましくは0.02〜1.5
重量%である。
含有ホウ素は黒鉛化熱処理の低温化のための触媒として
実質的な機能を発揮しない。添加ホウ素は、黒鉛化前の
炭素材中では原子状に孤立分散している場合が、最も高
い触媒作用を発揮する。5.0重量%より多い含有ホウ素
は、グラファイト中の固溶ホウ素濃度が3.0 重量%以下
であるため (C.E. Lowell, J. Am. Ceramic. Soc. 50
(1966) 142)、残りのホウ素は例えばB4C などの炭化物
として析出してしまい、みかけの充放電容量を減少させ
るため好ましくない。
は、黒鉛化熱処理温度の低温化であるため、黒鉛化前の
炭素材において、ホウ素が原子状に孤立分散していれば
よく、ホウ素添加の時期は特に問わない。炭化前でも炭
化後でもよく、さらには炭化に供する炭素質原料を調製
する際でもかまわない。重要なのは、黒鉛化熱処理に供
する炭素材が、ホウ素を好ましくは原子状に孤立分散し
た状態で含有することであり、それにより黒鉛化の触媒
作用が促される。従って、工業的には既存のプロセスと
の整合性をとれるように添加時期を選択すればよい。例
えば、炭化と黒鉛化を続けて実施する場合には、炭化前
までにホウ素添加を行っておく必要がある。また、ホウ
素化合物を添加する場合も、均一化の観点から、遅くと
も炭化前に添加しておくことが好ましい。炭素材がメソ
フェーズ小球体またはバルクメソフェーズである場合に
は、ピッチ類の炭素化過程でホウ素を添加することが望
ましい。これは、炭化中にホウ素化合物が分解してホウ
素が炭素中に原子状に孤立分散した材料が得られ易いか
らである。
素を原子状に孤立分散させることができる限り何でもよ
い。例えば、BC、B4C 、B6C 等の炭化ホウ素、B2O2、B2
O3、B4O3、B4O5等の酸化ホウ素、オルトホウ酸、メタホ
ウ酸、四ホウ酸、次ホウ酸等のホウ素オキソ酸やその塩
等が挙げられる。ホウ素化合物は添加時期に応じて適当
に選択することができる。
添加に加えて、表面に炭素ネットワーク層のループ状閉
塞構造を有し、グラファイトc軸方向における該ループ
状閉塞構造間の間隙面の密度が100 個/μm以上、1500
個/μm以下であるという微細組織上の特徴を持つ。グ
ラファイト粉末のループ状閉塞構造および間隙面は、グ
ラファイト粉末の表面付近の断面の高分解能電子顕微鏡
写真により観察することができ、この電子顕微鏡写真か
ら間隙面の密度を求めることができる。
いと、グラファイト粉末がループ状閉塞構造を有してい
ても、Liイオンの侵入サイトが少なく、放電容量が320
mAh/g を越える高容量を得ることが困難になる。間隙面
密度の1500個/μmの上限は、全ての炭素ネットワーク
層が隣接する2層間で単層ループを形成して連結した、
図9に模式的に示す単層ループ状閉塞構造の場合の間隙
面密度であり、グラファイト結晶構造から理論上予測さ
れる最大限の間隙面密度である。
ァイト粉末は、(1) X線回折による格子定数精密測定法
で求めたc軸(002) 面格子間隔 (d002)が3.3650Å以
下、(2) 比表面積が1.0 m2/g以下であり、(3) グラファ
イト結晶子径が 100〜2000Å、および/または(4) レー
ザー回折散乱法で求めた体積累積平均粒径が5〜35μm
である。
とっても、閉塞構造をとらない相対的に反応性が高い炭
素原子が存在すると、電解液との反応を起こして充放電
効率が低下する可能性がある。充放電効率をさらに向上
させるには、グラファイト粉末の比表面積を小さくし
て、電解液との反応性を一層低減させることが有利であ
る。そのため、本発明に係るグラファイト粉末は比表面
積が1.0 m2/g以下であることが好ましい。比表面積は、
N2 置換法によるBET測定法で求めることができる。
り大きいと、電解液との反応性が高くなって、充放電効
率やサイクル寿命が低下することがある。比表面積の下
限は特に制限されないが、通常は0.5 m2/g以上である。
より好ましい比表面積は 0.2〜0.8 m2/gで
ある。比表面積は、主に粉砕条件、特に粉砕時間に依存
して変動する。
うに、c面層と垂直な方向である。c軸(002) 面格子間
隔 (d002) とは、図11においてd002 と表示した、隣接
するc面層間の間隔、即ち、層間距離である。層間距離
d002 は結晶性の指標であり、このd002 の値が小さく
なって、理想的なグラファイトでの値 (=3.354 Å)に
近づくほど、グラファイト粉末の結晶性が高いことを意
味する。グラファイト粉末の結晶性は、黒鉛化熱処理条
件に依存し、熱処理温度が高いほど、また時間が長いほ
ど結晶性の高いグラファイト粉末が得られる傾向があ
る。
折ピークから決定できる。従来は日本学術振興会第117
委員会で定められた「人造黒鉛の格子定数および結晶子
の大きさ測定法」 (通称名:学振法)を用いて決定して
いたが、誤差が大きく、材料の物性を正しく評価できて
いない可能性がある。そこで、本発明におけるd002の
値は、ディフラクトメータの誤差を含めた最小二乗法を
利用する格子定数精密測定法により求めた精密な値を採
用する。こうして求めたd002 の値が3.3650Åより大き
いと、グラファイト粉末の結晶性はまだ十分とは言え
ず、高い放電容量を実現できないことがある。d002 の
値は好ましくは3.3600Å以下である。
ラファイト結晶子 (粉末内のc軸方向が同一の領域) の
c軸方向の長さである。この結晶子径が100 Åを下回る
と、結晶子が小さ過ぎて結晶の乱れが大きく、間隙面か
ら侵入したリチウムイオンが効率的に格納されないこと
がある。一方、2000Åを越える結晶子径を実現するに
は、長時間の黒鉛化熱処理を必要とし、経済的でない。
結晶子径は、好ましくは500〜1500Åの範囲内である。
は、レーザー回折散乱法で求めた体積累積50%の値で表
す。この平均粒径が5μmより小さいと、粉末が微細す
ぎて比表面積が大きくなり、前記のように充放電効率が
低下することがある。平均粒径が35μmより大きいと、
充填密度が低下する上、粉末の内部に格納されたリチウ
ムイオンの粉末表面への拡散に時間がかかることから、
大電流放電や低温放電での放電特性が劣化することもあ
る。好ましい平均粒径は10〜30μmである。
に悪影響のある75μmより大きな粒子や、初期充放電特
性を劣化させる1μmより小さい微粒子は実質的に存在
しないことが好ましい。さらに、大径粒子が混入したグ
ラファイト粉末を塗布した帯状極板を、多数回巻いて渦
巻き型電極体とした後、電池缶に封入する際に、大径粒
子部分に応力が集中し、約20μmの薄帯状のセパレータ
を突き破って正極と負極が短絡するという問題が起こる
可能性がある。この問題は、長径と短径の長さが大きく
異なる不定形状の粒子で起こり易く、このような不定形
状の粒子は篩い作業では除去が困難である。平均粒径が
35μmより大きくなると、このような不定形状の粒子の
存在確率が高くなる。
状閉塞構造を持つホウ素含有グラファイト粉末は、炭化
および粉砕して得たホウ素含有炭素材粉末を、1500℃以
上の温度で熱処理して黒鉛化することにより製造でき
る。こうして黒鉛化するだけでも、粉砕の高速条件で実
施すれば、ループ状閉塞構造の間隙面の密度が100 個/
μm以上という、本発明の条件を満たすグラファイト粉
末を得ることができる。以下、この製造方法を第1の製
造方法という。但し、第1の方法では、特殊な粉砕条件
を採用しない限り、得られたグラファイトの間隙面密度
は100 個/μmをやや上回る程度 (例、100 〜120 個/
μm) であり、例えば200 個/μm以上といった非常に
高い間隙面密度を得ることは一般にできない。
記のように黒鉛化して得たホウ素含有グラファイト粉末
に、その表面を削ることができる条件下で熱処理 (例、
600〜800 ℃の温度での酸化熱処理) を施し、さらに不
活性ガス中にて800 ℃以上の温度で熱処理する。この方
法では、200 個/μm以上、例えば、 500〜1500個/μ
mという非常に高い間隙面密度を得ることができる。
イト粉末の製造方法は、上記の第1および第2の方法に
限定されるものではない。最終的に、ホウ素含有量が0.
01〜5.0 重量%であって、ループ状閉塞構造を持ち、そ
の間隙面密度が100 個/μm以上であるホウ素含有グラ
ファイト粉末が形成できれば、いかなる方法で本発明に
かかるホウ素含有グラファイト粉末を製造してもよい。
ず、従来よりグラファイトの製造に用いられてきたもの
と同様でよい。炭素質原料の具体例としては、コールタ
ールピッチまたは石油ピッチ、さらにはこれらの熱処理
により生ずるメソフェーズ小球体と、この小球体のマト
リックスであるバルクメソフェーズ、ならびに有機樹脂
または有機物 (例、ポリアクリロニトリル、レーヨン、
または特開平2−282812号公報に記載の樹脂) を加熱し
て炭化したもの等が挙げられる。特に好ましい炭素質原
料はメソフェーズ小球体とバルクメソフェーズである。
を得る。粉砕は、炭化の前と後のいずれの時点で行って
もよく、また炭化の前と後の両方で行ってもよいが、炭
化後に粉砕するには、炭化で得た炭素材をいったん冷却
する必要があり、その後の黒鉛化のための高温熱処理時
に再び常温付近から昇温する必要があるので、熱損失が
大きくなる。従って、熱損失の点からは、炭化前に粉砕
する方が、炭化と黒鉛化の熱処理を続けて実施でき、好
ましい。
凹凸 (層欠陥) により、黒鉛化熱処理時に上記の閉塞構
造が形成されるので、特に第1の方法では粉砕を黒鉛化
処理前に行うことが、高密度の閉塞構造を有するグラフ
ァイト粉末を得るのに不可欠であり、この粉砕条件が、
黒鉛化熱処理後に生成するグラファイト粉末の閉塞構造
の間隙面密度に大きく影響する。
で生成したグラファイトのc面層に層欠陥が発生する
上、導入された閉塞構造が粉砕で破壊される可能性もあ
るため、第1の方法では黒鉛化熱処理後に粉砕を行うこ
とは望ましくない。従って、特に第1の方法では、黒鉛
化前にグラファイト粉末の目的とする用途に要求される
最終粒度 (前述したように平均粒径5〜35μmの範囲が
好ましい) になるように粉砕を行うことが望ましい。但
し、解砕を目的とする軽度の粉砕や、微粒子の除去や平
均粒径の調整のための分級は、黒鉛化熱処理後、あるい
は第2の方法では最後の熱処理後に実施してもよい。
影響を及ぼし、粉砕機の回転数が高いほど、また粉砕時
間が長いほど、比表面積が大きくなる傾向がある。ま
た、粉砕機の種類によりグラファイト結晶子径が影響を
受ける。従って、粉砕機の種類や粉砕条件は比表面積や
結晶子径も考慮して選択するのがよい。
メソフェーズ) からのガス発生、油分による融着が起こ
り、比表面積は大きく減少するが、黒鉛化熱処理中では
溶融・再結合が起こり比表面積はわずかに低下する。本
発明の好適態様に従って比表面積を1.0 m2/g以下にする
場合には、この比表面積の変化を見込んで粉砕を行えば
よい。具体的な目安を例示すると、メソフェーズを炭化
前に粉砕する場合には、メソフェーズの比表面積が5m2
/g以下程度になるまで粉砕すればよい。炭化後に炭素材
を粉砕する場合には、炭素材の比表面積が 1.1〜1.2 m2
/g程度になるように粉砕を行えばよい。但し、これはあ
くまで目安の例であり、黒鉛化熱処理後に得られるグラ
ファイト粉末の比表面積が1.0 m2/g以下となるように、
実験により粉砕条件を設定すればよい。
ミル、アトリションミル、ボールミルなどの慣用の粉砕
機を用いて実施することができる。好ましい粉砕機は、
衝撃粉砕を行うもの、代表的にはハンマーミルや一部の
ボールミルである。前述したように、特に第1の方法で
は、グラファイト粉末の結晶構造に及ぼす粉砕条件の影
響が大きく、間隙面の密度が100 個/μm以上の閉塞構
造を持つグラファイト粉末を得るには、高速粉砕を採用
する必要がある。また、個々の粉末の表面に均等に原子
レベルの凹凸 (層欠陥) を作るためには一定時間以上の
粉砕時間が必要である。具体的な粉砕条件 (例、回転
数、粉砕時間) は、使用する粉砕機の種類や炭素質原料
の種類によっても異なるので、黒鉛化熱処理後に間隙面
密度が100個/μm以上のグラファイト粉末が生成し、
かつ所望の粒度の粉末が得られるように、実験により決
定すればよい。第1の方法に従って、粉砕だけで黒鉛化
熱処理後に間隙面密度が100 個/μm以上のグラファイ
ト粉末が生成する粉砕条件を、本発明では高速粉砕とす
る。
での粉砕では、5000 rpm以上の回転数で一定時間以上の
粉砕を施すと、黒鉛化熱処理後に間隙面の密度が100 個
/μm以上の閉塞構造を持つグラファイト粉末を得るこ
とができる、これより回転数が低いと間隙面の密度が10
0 個/μmに達しないことが多い。回転数は15000 rpm
程度まで上げることもできるが、回転数が高くなりすぎ
ると、黒鉛化熱処理後に得られるグラファイト粉末の比
表面積が大きくなりすぎ、Liイオン二次電池における初
回充電時に不動態膜の形成が起こりやすくなって、高効
率の負極を得ることができないことがある。粉砕時間は
回転数に応じて調節する。例えば、比表面積の小さい粉
末を得るには、回転数を比較的低くし、粉砕時間も短め
がよい。即ち、間隙面の密度を大きくするにはある程度
の粉砕時間が必要であるものの、粉砕時間を長くしすぎ
ると比表面積が大きくなりすぎる。ハンマーミルでの好
ましい粉砕条件の例は、5000〜7500 rpmで15〜30分程度
である。ただし、これはあくまで例示であり、粉砕機や
原料の種類が変われば適正な回転数や粉砕時間も変動す
る。
砕を行ってもよく、それにより間隙面の密度が、例えば
500 個/μmを超えるような非常に高密度の閉塞構造を
持つグラファイト粉末を得ることができる。但し、黒鉛
化熱処理後の2回の熱処理で間隙面密度は大きく増大す
るので、第2の方法での粉砕は高速粉砕とする必要はな
い。例えば、4000〜5000 rpm程度の回転数でも構わな
い。また、例えばディスククラッシャーのような剪断粉
砕機を用いて、数十〜数百 rpmという低回転数で粉砕を
行うことも可能である。このように粉砕機や粉砕速度の
自由度が大きいので、比表面積が1.0 m2/g以下となるよ
うに粉砕条件を制御することがより容易である。
砕をハンマーミルとディスククラッシャーを併用して行
うか、第2の方法の場合には粉砕をディスククラッシャ
ーだけで行うこともできる。第1の方法におけるハンマ
ーミルの回転数は、上記と同様に高速回転(即ち、5000
rpm以上) とする。ディスククラッシャーによる粉砕は
剪断によるヘキ開が主になるので、粉砕を容易にするた
め炭化熱処理後に行う方が好ましい。ディスククラッシ
ャーによる粉砕は、結晶子径の制御が容易で、特に結晶
子径が比較的大きく、かつ粒径が比較的よくそろった粉
末を得ることができるという利点がある。
ーミルとディスククラッシャーを併用して粉砕した炭素
材を黒鉛化熱処理してグラファイト粉末を得る) でも、
間隙面密度が1000個/μmを超えるような低ピッチの閉
塞構造を持つグラファイト粉末を得ることができる。
分解して原料中に含まれていた炭素以外 (既にホウ素が
添加された原料の場合には、炭素とホウ素以外) の元素
がほぼ完全に除去されるように選択すればよい。炭素の
酸化 (燃焼) を防止するため、この炭化熱処理は、不活
性雰囲気または真空中で実施する。炭化熱処理温度は、
通常は 800〜1500℃の範囲内であり、特に1000℃前後が
好ましい。炭化に要する熱処理時間は、原料の種類、熱
処理、温度にもよるが、温度が1000℃の場合で30分〜3
時間程度である。
炭素材 (予めホウ素が添加されているか、この段階で添
加する) を熱処理して、黒鉛化する。この熱処理温度
は、ホウ素の触媒作用により、黒鉛化 (結晶化) が起こ
る温度が下がるので、ホウ素無添加炭素材に比べて低い
温度とすることができ、1500℃以上であればよい。上限
は現在の加熱技術では3200℃程度であるが、2800℃程度
で、従来の無添加材の3200℃熱処理材よりd002 がはる
かに小さい (従って、より高性能の) グラファイト粉末
を得ることができる。従って、通常は熱処理温度は1500
〜2800℃の範囲で十分である。
ウ素無添加材料に比べ、同一黒鉛化温度では短い熱処理
時間とすることができる。ホウ素の黒鉛化触媒採用によ
り、黒鉛化反応が速く進むからである。黒鉛化熱処理時
間は、温度や処理量にも依存するが、従来は一般に30分
〜10時間であったのに対し、本発明ではホウ素の存在に
より、15分〜5時間程度でよく、通常は1時間以内で十
分に黒鉛化することができる。この場合の熱処理雰囲気
は、非酸化性雰囲気であり、好ましくは不活性ガス雰囲
気または真空である。
ウ素含有グラファイト粉末は、一般に粉末表面でc面層
末端がループ状に閉じた閉塞構造を持つが、この熱処理
前の粉砕を十分に高速条件で行うと、間隙面密度が100
個/μmを少し超える程度のグラファイト粉末を得るこ
とができる (但し、粉砕をハンマーミルとディスククラ
ッシャーの併用により行った場合には間隙面密度はずっ
と高くなる) 。これが第1の方法により製造されたグラ
ファイト粉末である。このように間隙面密度が100 個/
μm程度であっても、この密度が100 個/μmを下回る
時に比べて、放電容量が著しく向上する。さらに、ホウ
素の添加により、2500℃程度の熱処理により、ホウ素無
添加の場合の3200℃の熱処理材より高い放電容量を与え
るグラファイト粉末を製造できることが判明した。
られたホウ素含有グラファイト粉末(或いは天然黒鉛を
粉砕して得たグラファイト粉末でもよい) に、必要に応
じてホウ素供給源を添加して混合した後、さらに酸化熱
処理 (または他の表面を削り取るための熱処理) と不活
性ガス雰囲気中での熱処理という2回の熱処理を施し
て、ループ状閉塞構造の間隙面密度を著しく高める。こ
の第2の方法における黒鉛化後の熱処理について、次に
説明する。
は、酸化により粉末の炭素ネットワーク層の表面を削り
取り、黒鉛化熱処理で生成したループ状閉塞構造をいっ
たん開放するために行う。それにより、粉末表面 (炭素
ネットワーク層、即ち、c面層の末端) のループが切れ
て、図10に示すような、炭素ネットワーク層の末端が他
の炭素ネットワーク層とほとんど連結しておらず、炭素
ネットワーク層の末端が比較的平坦に揃った、炭素ネッ
トワーク層の積層構造を有するグラファイト粉末が得ら
れる。
状閉塞構造の開放が実質的に起これば特に制限されない
が、熱処理温度は 600〜800 ℃程度とすることが好まし
い。ループ状閉塞構造を持つグラファイト粉末は耐酸化
性が高いため、600 ℃より低いと酸化されにくく、800
℃以上では酸化が急速に進み、グラファイト粉末全体の
劣化が進むからである。酸化熱処理の時間は温度や処理
量によって異なるが、一般には1〜10時間である。熱処
理雰囲気は酸素含有雰囲気であり、純酸素雰囲気でも、
酸素と不活性ガスとの混合ガス雰囲気でもよい。
る結果、グラファイト粉末の重量は2〜5%程度減少す
る。また、粉末の粒径はわずかに小さくなる (例、1〜
2μm程度) 。必要であれば、この粒径の減少を見込ん
で粉砕条件を設定する。
処理に限られるものではない。グラファイト粉末の表面
構造を削り取ることによりループ状閉塞構造を開放して
平坦な炭素ネットワーク層の積層構造を得ることができ
れば、他の方法を採用することもできる。他の方法とし
ては、例えば、フッ化熱処理あるいは水素化熱処理など
がある。この場合の熱処理条件は、ループ状閉塞構造の
開放が起こるように実験により適宜設定すればよい。
囲気中で熱処理すると、開放構造の炭素ネットワーク層
の末端が、他の炭素ネットワーク層の末端とループ状に
連結して、グラファイト粉末の表面に再びループ状閉塞
構造が形成される。
結時には、グラファイト粉末の表面における炭素ネット
ワーク層の末端が酸化熱処理により平坦になっているた
め、離れた2層が連結することは極めて稀であり、多数
の炭素ネットワーク層ループが積層した大きなループ状
閉塞構造は形成しにくい。ループの積層数は、せいぜい
5層、多くは1〜3層程度である。そのため、c軸方向
単位長さ当たりのループ状閉塞構造の数が多くなり、そ
の間隙面の密度が高くなるのである。その結果、第1の
方法では100 個/μmをいくらか超える程度の間隙面密
度であったのが、第2の方法では、200 個/μm以上、
さらには500 個/μm以上という、大きな間隙面密度と
なるように間隙面を短ピッチにすることができる。
の1種もしくは2種以上でよい。熱処理温度は、グラフ
ァイト層間が連結できるような比較的大きな格子振動を
起こさせる温度であればよい。連結してループ状閉塞構
造を形成した方が、エネルギーが低く、安定化するた
め、不活性ガス雰囲気中に熱処理して十分な格子振動を
生じさせると、炭素ネットワーク層の開いた末端同士が
連結しあうのである。この目的には、一般に800 ℃以上
の熱処理が必要である。上限は特に制限されないが、前
述したように、現在の加熱技術では実用的には3200℃程
度である。熱処理時間は、ループ状閉塞構造が形成され
ればよく、温度や処理量により大幅に異なるが、一般に
は1〜10時間である。例えば1000℃では約5時間が目安
となる。
中にグラファイト粉末の比表面積は値が大きく変動す
る。即ち、酸化熱処理したグラファイト粉末は、表面が
粗くなり、かつ閉塞構造が開く結果、比表面積が大きく
なる。この比表面積の増大は、通常は、酸化処理前の例
えば3〜10倍程度にも達する。しかし、次の不活性ガス
中での熱処理により、再び閉塞構造が生成すると、比表
面積は減少し、ほぼ酸化熱処理前のグラファイト粉末の
比表面積に戻ることが、本発明者らの実験で明らかにな
っている。従って、最終的には、黒鉛化熱処理で得られ
たグラファイト粉末の比表面積が実質的に保持されるの
で、比表面積は主に粉砕条件と、炭素化および黒鉛化の
熱処理条件で制御することができる。
により間隙面密度を大きくすることができるので、第1
の方法とは異なり、粉砕は高速粉砕である必要はなく、
また黒鉛化後に粉砕を行ってもよい。
られたグラファイト粉末を分級して、平均粒径を調整す
る。この分級は最後に行う必要はなく、粉砕後であれば
どの段階で行ってもよく、また異なる段階で2回以上行
ってもよい。
持つ、ホウ素含有グラファイト粉末は、ホウ素が含有量
が比較的微量であるため、従来のグラファイト粉末と同
様の用途に使用することができる。グラファイトの炭素
ネットワーク層 (c面層) の末端がループ状に閉じ、リ
チウムイオンの主な侵入サイトである間隙面の密度が10
0〜1500個/μmと高いため、グラファイトの持つドー
ピング、吸蔵、挿入等を含むインターカレーション機能
が向上し、リチウムイオン等の他物質を多量に格納でき
る。さらにホウ素の黒鉛化触媒作用により、黒鉛化温度
の著しい低下が可能となるので、経済性が向上し、格納
機能に優れたグラファイト材料を安価に提供することが
できる。
は、特にリチウムイオン二次電池の負極材料として好適
である。Liイオンの主な侵入サイトであるループ状閉塞
構造の間隙面や空孔型欠陥を多く持っているため、Liイ
オンの侵入が容易であり、グラファイトの物質格納領域
に従来より多くのLiイオンが到達し、Liイオンの格納量
が増大する。そのため、放電容量が向上したリチウムイ
オン二次電池を作成することができる。また、グラファ
イトの炭素ネットワーク層がループ状閉塞構造を有する
ため、グラファイト内に電解液が侵入しにくいため、充
電・放電繰り返し時のサイクル寿命が長くなる。さら
に、好適態様にあっては比表面積が小さいため、充放電
効率も同時に改善される。
用する場合、これを用いたリチウムイオン二次電池の負
極の作成は従来と同様の方法で行うことができる。一般
に、グラファイト粉末は、適当なバインダー (結着材)
を用いて集電体上に成型することにより電極にする。即
ち、負極材料は、グラファイト粉末を主成分とし、通常
はグラファイト粉末に少量のバインダーを混合したもの
からなる。但し、本質的にグラファイト粉末のみからな
る焼結電極とすることもできる。集電体としては、グラ
ファイト粉末の担持性が良く、負極として使用した時に
分解による溶出が起こらない任意の金属の箔 (例、電解
銅箔、圧延銅箔などの銅箔) を使用することができる。
ら電極を作製する際に利用されてきた適当な方法で実施
することができ、グラファイト粉末の負極性能を十分に
引き出し、粉末に対する賦型性が高く、化学的、電気化
学的に安定であれば、何ら制限されない。例としては、
グラファイト粉末にポリテトラフルオロエチレン、ポリ
フッ化ビニリデン等のフッ素樹脂粉末からなるバインダ
ーとイソプロピルアルコール等の有機溶媒を加えて混練
してペースト化し、このペーストを集電体上にスクリー
ン印刷する方法;グラファイト粉末にポリエチレン、ポ
リビニルアルコール等の樹脂粉末を添加して乾式混合
し、この混合物を金型を用いてホットプレスして成型す
ると同時に集電体に熱圧着させる方法;さらにはグラフ
ァイト粉末を上記のフッ素樹脂粉末あるいはカルボキシ
メチルセルロース等の水溶性粘結剤をバインダーにし
て、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミドある
いは水、アルコール等の溶媒を用いてスラリー化し、こ
のスラリーを集電体に塗布し、乾燥する方法などが挙げ
られる。
オン二次電池に使用できる適当な正極活物質およびリチ
ウム化合物を有機溶媒に溶解させた非水系電解液と組み
合わせて、リチウムイオン二次電池を作製することがで
きる。
有遷移金属酸化物 LiM1 1-xM2 xO2またはLiM1 2yM2 yO4 (式
中、Xは0≦X≦4、Yは0≦Y≦1の範囲の数値であ
り、M1、M2は遷移金属を表し、Co、Ni、Mn、Cr、Ti、
V、Fe、Zn、Al、In、Snの少なくとも1種類からなる)
、遷移金属カルコゲン化物、バナジウム酸化物 (V
2O5、V6O13 、V2O4、V3O8等) 及びそのリチウム化合
物、一般式 MxMo6S8-y (式中、Xは0≦X≦4、Yは
0≦Y≦1の範囲の数値であり、Mは遷移金属をはじめ
とする金属を表す) で表されるシェブレル相化合物、さ
らには活性炭、活性炭素繊維等を用いることができる。
限されるものではないが、例えば、プロピレンカーボネ
ート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、
ジエチルカーボネート、1,1 −及び1,2 −ジメトキシエ
タン、1,2 −ジエトキシエタン、γ−ブチロラクタム、
テトラヒドロフラン、1,3 −ジオキソラン、4−メチル
−1,3 −ジオキソラン、アニソール、ジエチルエーテ
ル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、
クロロニトリル、プロピオニトリル、ホウ酸トリメチ
ル、ケイ酸テトラメチル、ニトロメタン、ジメチルホル
ムアミド、N−メチルピロリドン、酢酸エチル、トリメ
チルオルトホルメート、ニトロベンゼン等の1種もしく
は2種以上が例示できる。
る有機溶媒に可溶性の有機または無機リチウム化合物を
使用すればよい。適当なリチウム化合物の具体例として
は、LiClO4, LiBF4, LiPF6, LiAsF6, LiB(C6H5), LiCl,
LiBr, LiCF3SO3, LiCH3SO3等の1種または2種以上を
挙げることができる。
るが、これらの実施例は例示を目的とし、本発明を制限
するものではない。実施例におけるグラファイト粉末の
測定は次のようにして行った。
素材の化学分析方法に準拠。 粒度分布:レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置を使
用。 比表面積:N2 置換法によるBET・1点測定法で求め
た。
折装置を用いて、加速電圧40 kV 、電流150 mA、測定範
囲20〜90°の条件で測定した粉末法X線回折図の002 回
折ピークを日本国炭素学会で規定された学振法に基づい
て解析することにより求めた値。学振法で規定するグラ
ファイトの結晶子径の上限は1000Åであるが、1000Åを
超えるサンプルについても同法をそのまま適用して半価
幅から結晶子径を算出した。
メータの誤差を含めた最小二乗法による格子定数精密測
定法 (内部標準は使用せず) により算出した値。X線回
折図の面指数(002), (100), (101), (004), (110), (11
2), (006) の全てのピーク位置を利用した。3回のX線
回折測定を行い、得られた値の加重平均をとりd002の
値とした。
本発明のループ状閉塞構造を持ったホウ素含有グラファ
イト粉末の製造を例示する。
ソフェーズを、衝撃粉砕機 [ハンマーミルu−マイザー
(不二パウダル製)]を用いて、回転数7500 rpmで10 kg
当たり5分間粉砕した。得られたバルクメソフェーズ粉
末を、アルゴン雰囲気下1000℃に1時間加熱することに
より炭化して、炭素材粉末を得た。この炭素材粉末に、
45μm以下の B4C (炭化ホウ素) 粉末を、添加後の合計
量に対してBが0.01〜6.5 重量%となる割合で添加し、
機械で混合し、この混合粉末をアルゴン雰囲気下2500〜
3000℃の温度で30分間熱処理して黒鉛化することによ
り、グラファイト粉末を得た。
ように、高分解能電子顕微鏡写真でループ状閉塞構造が
明瞭に観測できた。図中、矢印は間隙面を示す。この写
真から求めた間隙面密度は、いずれの熱処理温度でも、
100 個/μmをやや超える程度であった。また、このグ
ラファイト粉末のB含有量とd002 を前述のようにして
求めた。
ようにして電極の作製に供した。グラファイト粉末の平
均粒径は約15μmであった。グラファイト粉末90重量部
とポリフッ化ビニリデン粉末10重量部を、溶剤のN−メ
チル−ピロリドン中で混合し、乾燥させ、ペースト状に
した。得られたペースト状負極材料を、集電体となる厚
さ20μmの銅箔上にドクターブレードを用いて均一厚さ
に塗布した後、80℃で乾燥させた。ここから切り出した
面積1cm2 の試験片を負極とした。
チウムを用いた3極式セルによる定電流充放電試験で行
った。電解液には、エチレンカーボネートとジメチルカ
ーボネートの体積比1:1の混合溶媒中に1mol/l の濃
度でLiClO4を溶解させた溶液を使用した。
参照極(vs Li/Li+ ) 電位が0.0 Vになるまで充電した
後、同じ電流密度で対Li参照極(vs Li/Li+ ) 電位が+
1.50Vになるまで放電を行うことにより求めた。また、
この時の放電容量/充電容量の割合 (%) を算出して充
放電効率とした。結果を表1に示す。さらにX線回折法
により測定した層間間隔d002 も表1に示す。
本発明のループ状閉塞構造を持ったホウ素含有グラファ
イト粉末の製造を例示する。
ソフェーズピッチを、実施例1と同様に粉砕、炭化、B4
C 粉末添加、黒鉛化熱処理して、グラファイト粉末を得
た。但し、黒鉛化熱処理温度は2500℃で行った。得られ
たグラファイト粉末に対して、さらに純酸素雰囲気中に
て700 ℃の酸化熱処理を3時間行った後、Ar雰囲気中で
1000℃の熱処理を5時間行った。
近の断面の高分解能電子顕微鏡写真は、図10に示すよう
に、黒鉛化熱処理後のグラファイト粉末に見られた表面
のループ状閉塞構造 (図7) はほぼ完全に開放され、平
坦な開放表面構造ができていた。
行った後の高分解能電子顕微鏡写真では、酸化処理によ
って開放された粉末表面に、再びループ状閉塞構造が形
成されていた。この写真から求めた間隙面密度は約770
個/μmであった。即ち、理論上の最大間隙面密度 (全
て単層ループの場合) である1500個/μmの約半分であ
るので、各ループ状閉塞構造のループ積層数は平均する
と約2ということになる。このグラファイト粉末を用い
て、実施例1と同様に電極の作成と負極性能の評価を行
った。結果は、B含有量およびd002 の測定値と一緒に
表1に示す。
ように770 個/μmであったが、酸化熱処理後のAr雰囲
気中での熱処理をより緩やかに (例、より低温) で行え
ば、遠くの炭素ネットワーク層との連結が起こりにく
く、間隙面密度をより大きくすることができる。
タールピッチから得られたバルクメソフェーズピッチの
粉砕、炭化、黒鉛化熱処理を行って、グラファイト粉末
を得た。但し、ホウ素添加は行わなず、黒鉛化熱処理は
2500〜3000℃で行った。
顕微鏡写真から間隙面密度を測定したところ、いずれの
熱処理温度でも100 個/μmをやや超える、実施例1と
同程度の間隙面密度を持っていた。このグラファイト粉
末を用いて、実施例1と同様に電極の作成と負極性能の
評価を行った。結果は、B含有量およびd002 の測定値
と一緒に表1に示す。
合、c面層の層間距離d002 は、黒鉛化熱処理温度が25
00℃では3.370 Åであり、熱処理温度を3000℃と高くし
ても3.363 Åであって、理想値である3.354 Åに近づけ
ることはできない。
素を添加して黒鉛化熱処理を行うと、熱処理温度が2500
℃と比較的低くても、ホウ素添加量に応じてd002 は
3.354〜3.362 Åと、無添加の場合の熱処理温度3000℃
の場合よりd002 が小さくなる。熱処理温度を高くする
とd002 は小さくなる傾向があるが、熱処理温度よりホ
ウ素添加量の方がd002 に及ぼす影響が大きい。従っ
て、ホウ素を添加することで、熱処理温度が低くても、
d002 の小さいグラファイト粉末を得ることができる。
理温度をいくら高くしてもd002 は3.360 Åあたりが限
界であるのに対し、ホウ素の添加により、低い熱処理温
度でd002 を3.360 Åより小さくすることができ、かつ
理想値の3.354 Åを達成することもできることが表1か
らわかる。
放電容量の間には高い相関関係があり、d002 が小さい
ほど、放電容量は大きくなる。従って、低温の黒鉛化で
小さなd002 値を達成できるホウ素の添加は、放電容量
の増大に効果的である。さらに、実施例2のように、黒
鉛化熱処理後にループ状閉塞構造を開放し、再び閉じる
処理を行う第2の方法を採用すると、間隙面の密度が著
しく増大し (すなわち、著しく短ピッチ化) 、この間隙
面密度の増大によっても放電容量がさらに増大する。
度の低温化とループ状閉塞構造の制御により、黒鉛化熱
処理温度が2500℃でも、330 mAh/g を超える高い放電容
量を示すリチウムイオン二次電池用負極材料を作製でき
ることが示された。さらにループ状閉塞構造の制御は、
ホウ素添加による影響はなく、無添加材料のときと同様
な方法で行えることも判明した。
たバルクメソフェーズを原料とし、黒鉛化熱処理前に1
重量%のB4C を混合して、実施例1と同様に第1の方法
によりグラファイト粉末を製造した。原料のバルクメソ
フェーズの粉砕における粉砕機の回転数は7500 rpmと
し、粉砕時間を変化させた。黒鉛化熱処理は2500℃で実
施した。
篩い分け) のB含有量、閉塞構造の間隙面密度、d002
および比表面積を粉砕条件と一緒に表2に示す。また、
実施例1と同様にして測定した、このグラファイト粉末
の負極性能 (放電容量および充放電効率) の測定結果も
表2に一緒に示す。放電容量と充放電効率は実施例1に
記載したようにして測定した。
たバルクメソフェーズを原料とし、実施例2と同様に第
2の方法によりグラファイト粉末を製造した。B4C の添
加・混合は黒鉛化熱処理前に行った。原料のバルクメソ
フェーズの粉砕における粉砕機の回転数は7500 rpmと
し、粉砕時間を変化させた。黒鉛化熱処理は2500℃で行
った。
篩い分け) のB含有量、閉塞構造の間隙面密度、d002
および比表面積を粉砕条件と一緒に表2に示す。また、
実施例3と同様にして測定した、このグラファイト粉末
の放電容量および充放電効率の測定結果も表2に一緒に
示す。
たバルクメソフェーズを原料とし、実施例3と同様に
(即ち、1重量%のB4C を混合してから、2500℃で黒鉛
化熱処理して) 、第1の方法によりグラファイト粉末を
製造した。ただし、粉砕機の回転数を4500rpmに低下さ
せ、粉砕時間を変更した。
篩い分け) のB含有量、閉塞構造の間隙面密度、d002
および比表面積を粉砕条件と一緒に表2に示す。また、
実施例3と同様にして測定した、このグラファイト粉末
の放電容量および充放電効率の測定結果も表2に一緒に
示す。
るほど、得られたグラファイト粉末の比表面積が大きく
なったが、比表面積は間隙面密度には実質的に影響せ
ず、従って放電容量にも影響しなかった。表1と同様
に、間隙面の密度が100 個/μm以上になると、340 mA
h/g を超える高い放電容量が得られた。特に、第2の方
法により得られた間隙面密度の高いグラファイト粉末
は、放電容量が355 mAh/g を超え、著しく高くなった。
し、比表面積が1.0 m2/gより大きくなると、充放電効率
が低下したのに対し、比表面積が1.0 m2/g以下であると
90%以上の高い充放電効率が得られた。
第2の方法に従って黒鉛化熱処理後に酸化熱処理と不活
性ガス中での熱処理を行って閉塞構造を低ピッチ化して
も、比表面積は実質的に変化しなかったこともわかる。
と (即ち、高速粉砕ではないと) 、粉砕時間を延長して
も、得られたグラファイト粉末の間隙面密度は80個/μ
m前後のままであり、Bを含有させたにもかかわらず、
放電容量は310 mAh/g 台と低いままであった。
構造を持つグラファイト粉末を第1の方法により製造す
る例を示す。
ソフェーズピッチをアルゴン雰囲気下、1000℃で炭素化
した後、得られた炭素材を、粉末の約90体積%が粒径1
〜80μmの範囲内となるように粉砕した。粉砕は、最初
にハンマーミル、次にディスククラッシャーを用いて行
った。ハンマーミルは実施例1で使用したものと同じで
あり、回転数は6000〜8000 rpmの範囲内であった。ディ
スククラッシャーは50〜200 rpm の範囲内で使用した。
粉砕時間は、それぞれ5分間とした。
粉砕した炭素材を、その後実施例1と同様に1重量%の
B4C を混合し、混合物を2500℃で熱処理して黒鉛化する
ことによりグラファイト粉末を得た。
塞構造の間隙面密度、比表面積、結晶子径、平均粒径、
放電容量および充放電効率の測定結果を粉砕機の回転数
と共に表3にまとめて示す。
構造を持つグラファイト粉末を第2の方法により製造す
る例を示す。
ソフェーズピッチをアルゴン雰囲気下、1000℃で炭素化
した後、得られた炭素材を、粉末の約90体積%が粒径1
〜80μmの範囲内となるように粉砕した。粉砕はディス
ククラッシャーのみを用いて行い、50〜200 rpm の範囲
内の回転数で使用した。
を、その後実施例2と同様に、1重量%のB4C を混合
し、2500℃で黒鉛化熱処理した後、酸化熱処理およびア
ルゴン雰囲気中での熱処理を受けさせた。
塞構造の間隙面密度、比表面積、結晶子径、平均粒径、
放電容量および充放電効率の試験結果を粉砕機の回転数
と共に表3にまとめて示す。
とディスククラッシャーの両方を用いて行うことで、黒
鉛化後に閉塞構造の間隙面の密度が100 個/μm以上と
高く、結晶子径が 100〜2000Åの範囲内のグラファイト
粉末が得られた。主にハンマーミルの回転数で間隙面密
度が、ディスククラッシャーの回転数で結晶子径を制御
することができることがわかる。ハンマーミルの回転数
を上げると、第1の方法でも、間隙面密度が上限の1500
個/μmに近い高さに達するグラファイト粉末が得られ
た。
用いて50〜200 rpm で粉砕するだけでも、閉塞構造の間
隙面密度が非常に大きく、実施例2および実施例4に近
い優れた放電特性を示すグラファイト粉末を得ることが
できた。
方法によりグラファイト粉末を製造した。原料粉砕時の
粉砕機の回転数を7500 rpm (粉砕時間は5分) とし、黒
鉛化熱処理前に炭素材に1重量%のB4C を混合し、熱処
理温度を変化させて黒鉛化熱処理を行った (熱処理時間
は30分) 。得られたグラファイト粉末の閉塞構造の間隙
面密度および各種特性値を放電容量および充放電効率と
一緒に表4に示す。
方法によりグラファイト粉末を製造した。原料粉砕時の
粉砕機の回転数を4500 rpm (粉砕時間は5分) とし、黒
鉛化熱処理前に炭素材に1重量%のB4C を混合し、熱処
理温度を変化させて黒鉛化熱処理を行った (熱処理時間
は30分) 。黒鉛化熱処理で得られたグラファイト粉末
に、酸素雰囲気中で650 ℃×2時間の酸化熱処理を施し
た後、さらにアルゴン雰囲気中1000℃×5時間の熱処理
を行った。得られたグラファイト粉末の閉塞構造の間隙
面密度および各種特性値を放電容量および充放電効率と
一緒に表4に示す。
ほどd002 が小さく、従って結晶性が向上した。この結
晶性の向上に伴って、充放電効率には影響せずに放電容
量が向上した。
り、1500℃という低い温度で黒鉛化熱処理を行っても、
d002 が3.3650Å以下と結晶性が高く、そのため320 mA
h/g 以上の高い放電容量を示すグラファイト粉末を得る
ことができることである。但し、熱処理温度が1500℃よ
り低くなると、d002 が3.3650Åより大きなグラファイ
ト粉末しか得られず、放電容量も低くなった。
(表1) に示すように、黒鉛化熱処理温度を2800℃以上
にしないと、d002 が3.3650Å以下で、320 mAh/g 以上
の高い放電容量を示すグラファイト粉末を得ることがで
きない。従って、ホウ素の添加により、黒鉛化熱処理温
度を1000℃以上も低くすることが可能となり、グラファ
イト粉末の製造コストの大幅な低下を図ることができ
る。
方法によりグラファイト粉末を製造した。原料粉砕時の
粉砕機の回転数を7500 rpm (粉砕時間は5分) とし、黒
鉛化熱処理前に炭素材に1重量%のB4C を混合し、2500
℃で黒鉛化熱処理を行った。
級して、平均粒径の異なる各種の粉末に分けた。各グラ
ファイト粉末の閉塞構造の間隙面密度および各種特性値
を、放電容量および充放電効率と一緒に表5に示す。ま
た、各グラファイト粉末の嵩密度と極板品質安定性を次
のようにして調査した。それらの結果も表5に一緒に示
す。
体積当たりのエネルギー密度を左右する。そこで、粉末
の嵩密度をJIS Z2500 に規定されたタップ密度測定法に
準じて測定した。タップ回数は10回とした。嵩密度が1.
17g/cc以上であれば粉末の充填性が良好 (○) 、1.17g/
cc以上未満の場合は充填性が不良 (×)と評価した。
セパレータを貫通し短絡を生ずる可能性がある。そこ
で、レーザー回折式粒度分布計の測定値において200 μ
mを超える粒子の割合が0.5 体積%以上であるグラファ
イト粉末を極板品質安定性が不良 (×) と評価し、そう
でないものを良好 (〇) と評価した。このような大径粒
子は長径と短径の長さが大きく異なる不定形粒子である
ことが多く、短径が篩の網目より小さいと篩い分け作業
では除去が困難である。
2の方法によりグラファイト粉末を製造した。得られた
グラファイト粉末を篩いにより分級して、平均粒径の異
なる各種の粉末に分けた。各グラファイト粉末の閉塞構
造の間隙面密度および各種特性値を、放電容量および充
放電効率ならびに嵩密度および極板品質安定性と一緒
に、表5に示す。
り、特に5μm未満と微粒子になると、電極の充放電効
率が低下し、また嵩密度が低くなった。一方、グラファ
イト粉末の平均粒径が35μmより大きくなると、極板品
質の安定性が低下した。
10および比較例1〜2で得られたグラファイト粉末を用
いた、図12に示す構造を持つ円筒型のリチウムイオン二
次電池の作製を例示する。
着材のポリフッ化ビニリデン(PVDF)10重量部とを混合し
た負極材料から作製した。この負極材料をN−メチルピ
ロリドンに分散させることにより調製したペースト状の
スラリーを、負極集電体9となる厚さ10μmの帯状の銅
箔の両面に塗布し、乾燥させた後、圧縮成型して帯状負
極1を作製した。
バルト1モルとの混合物を空気中、900 ℃で5時間焼成
することにより得たLiCoO2から作製した。得られたLiCo
O2は、X線回折測定の結果、JCPDS ファイルに登録され
たLiCoO2のピークと良く一致していた。このLiCoO2を粉
砕および分級して、50%累積粒径が15μmのLiCoO2粉末
とし、このLiCoO2粉末95重量部と炭酸リチウム粉末5重
量部を混合した混合粉末を91重量部、導電材のグラファ
イト6重量部、結着材のPVDF3重量部を混合して正極材
料を調製した。この正極材料をN−メチルピロリドンに
分散させたペースト状スラリーを、正極集電体10となる
厚さ20μmの帯状のアルミニウム箔の両面に均一に塗布
し、乾燥させた後、圧縮成形して帯状正極2を作製し
た。
帯状正極2および厚さ25μmの微多孔性ポリプロピレン
フィルムよりなるセパレータ3を、帯状負極1、セパレ
ータ3、帯状正極2、セパレータ3の順に積層してから
多数回巻回して、外径18mmの渦巻型電極体を作製した。
この渦巻型電極体を、ニッケルめっきを施した鉄製電池
缶5に収納した。渦巻型電極体の上下には絶縁板4を配
設し、アルミニウム製正極リード12を正極集電体10から
導出して電池蓋7に、ニッケル製負極リード11を負極集
電体9から導出して電池缶5に溶接した。
中に、電解質として、エチレンカーボネートとジエチル
カーボネートの容量比1:1の混合溶媒にLiPF6 を溶解
させた1M濃度の溶液を注入した。次いで、電池缶5
に、電流遮断機構を有する安全弁装置8ならびに電池蓋
7を、表面にアスファルトを塗布した絶縁封口ガスケッ
ト6を介して、かしめにより装着することにより、直径
18 mm 、高さ65 mm の円筒型の非水電解液二次電池を作
製した。
にして電池を50個試作し、これらの電池の性能を次のよ
うにして評価した。結果を、負極に用いたグラファイト
粉末の負極性能 (負極の放電容量と充放電効率) と一緒
に表6に示す。
時間充電を行った。 2) 放電条件:700 mAの定電流で電池電圧が2.75Vまで
放電した。
が2.75Vに達するまでの放電時間を測定することにより
放電容量を求めた。例えば、この時間が2.2 時間である
場合には、700 mA×2.2 h =1540 mAhが放電容量とな
る。上記条件で充放電を繰り返し、初期の2〜5サイク
ルで得られた最大の放電容量を電池容量とした。本実施
例では50個の電池の平均値を記す。
と、容量と効率がいずれも良好なリチウムイオン二次電
池を作製できることがわかる。
ずしも特殊な高価な樹脂を用いずとも、通常の炭素質原
料から、Liイオン侵入サイトの間隙面の密度が高いルー
プ状閉塞構造を持つグラファイト粉末を製造することが
できる。さらに、黒鉛化熱処理前にホウ素を添加するこ
とにより、ホウ素の触媒作用で低い熱処理温度でも黒鉛
化が進むため、d002 が3.3650Å以下という、理想値の
3.354 Åに到達ないし近づいた、結晶性の高いグラファ
イト粉末を、低コストで製造することが可能となる。
度が高く、かつ結晶性の高いグラファイト粉末をリチウ
ムイオン二次電池の負極材料とすることで、場合によっ
ては350 mAh/g を超える高い放電容量が得られる。この
グラファイト粉末を用いた電池は、高容量のリチウムイ
オン二次電池となる。従って、本発明は、リチウムイオ
ン二次電池の低コスト化高性能化の両面に寄与すること
ができる。
電容量の関係の1例を示し、図1(b) はグラファイト材
における黒鉛化温度とd002 との関係の1例を示す。
素ネットワークの一例を示し、矢印は4配位炭素を示
す。
絶対温度0度における圧力と自由エネルギーの関係を示
す。
エネルギーの関係を示す模式図である。
ネットワーク中での安定構造を表す図である。
との関係を示す図である。
プ状閉塞構造を示す高分解能電子顕微鏡写真の典型例で
あり、矢印は間隙面を示す。
イトの炭素ネットワーク層末端のループ状閉塞構造の生
成結果を示す模式であり、図8(a) はループ状閉塞構造
の間隙面を示す、図8(b) は欠陥がない場合のループ状
閉塞構造の斜視図、図8(c) はループ状閉塞構造の端面
図である。
面密度をもった場合の表面構造の模式図である。
構造を持つグラファイト粉末の表面付近の断面の高分解
能電子顕微鏡写真の典型例である。
るc面層(炭素ネットワーク層)末端の積層ループ状閉
塞構造を示す説明図である。
断面図である。
縁板、5:電池缶、7:電池蓋、8:安全弁装置、9:
負極集電体、10:正極集電体、11:負極リード、12:正
極リード
Claims (9)
- 【請求項1】 ホウ素を0.01〜5.0 重量%含有し、粉末
表面でグラファイトc面層の端部がループ状に閉じた閉
塞構造を有し、グラファイトc軸方向における該閉塞構
造間の間隙面密度が 100個/μm以上、1500個/μm以
下であることを特徴とするグラファイト粉末。 - 【請求項2】 X線回折による格子定数精密法で求めた
c軸(002) 面格子間隔 (d002) が3.3650Å以下である請
求項1記載のグラファイト粉末。 - 【請求項3】 比表面積が1.0 m2/g以下、結晶子径が 1
00〜2000Å、および/またはレーザー回折散乱法で求め
た体積累積平均粒径が5〜35μmである、請求項1また
は2に記載したグラファイト粉末。 - 【請求項4】 ホウ素添加工程を含み、炭化の前および
/または後に高速粉砕処理された炭素材を、1500℃以上
の温度で熱処理して黒鉛化することを特徴とする請求項
1、2または3に記載したグラファイト粉末の製造方
法。 - 【請求項5】 ホウ素添加工程を含み、炭化の前および
/または後に粉砕処理された炭素材を、1500℃以上の温
度で熱処理して黒鉛化した後、得られたグラファイト粉
末の表面を削ることができる条件下で表面処理を行い、
さらに不活性ガス中にて800 ℃以上の温度で熱処理する
ことを特徴とする、請求項1、2または3に記載したグ
ラファイト粉末の製造方法。 - 【請求項6】 グラファイト粉末の表面を除去すること
ができる条件下での熱処理が酸化熱処理である、請求項
5に記載のグラファイト粉末の製造方法。 - 【請求項7】 炭素材が、メソフェーズ小球体および/
またはバルクメソフェーズの炭素化により得られたもの
である、請求項4、5または6に記載した方法。 - 【請求項8】 請求項1、2または3に記載したグラフ
ァイト粉末を主成分とするリチウムイオン二次電池の負
極材料。 - 【請求項9】 請求項8に記載した負極材料から作製さ
れた負極を備えた、リチウムイオン二次電池。
Priority Applications (10)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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