JP2001185149A - リチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池

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JP2001185149A
JP2001185149A JP37409099A JP37409099A JP2001185149A JP 2001185149 A JP2001185149 A JP 2001185149A JP 37409099 A JP37409099 A JP 37409099A JP 37409099 A JP37409099 A JP 37409099A JP 2001185149 A JP2001185149 A JP 2001185149A
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lithium secondary
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graphite
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JP37409099A
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English (en)
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Koichi Takei
康一 武井
Yoshito Ishii
義人 石井
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に高い充放電電流で充放電を行った場合の
リチウムの吸蔵・放出量が多くて充放電容量が大きく、
かつ充放電サイクルによる充放電容量の低下が少ないリ
チウム二次電池を低コストで得る。 【解決手段】 リチウムイオンを吸蔵・放出する炭素質
物からなる負極と正極と非水電解液を有するリチウム二
次電池において、炭素質物としてカサ比重が異なる2種
以上の黒鉛質粒子を含むものを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウム二次電池
に関し、特に充放電容量、急速充放電特性、サイクル特
性に優れたリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ポータブル機器、電気自動車、電
力貯蔵用として小型、軽量で高エネルギー密度を有する
二次電池に対する要望が高まっている。このような要望
に対し、非水系電解液二次電池、特にリチウム二次電池
はとりわけ高電圧、高エネルギー密度を有する電池とし
て注目を集めている。
【0003】リチウム二次電池の負極材料としては、金
属リチウム、低黒鉛化炭素粒子、高黒鉛化炭素粒子が使
用されている。金属リチウムは高い充放電容量を実現可
能であるが、その高い反応性のため充放電サイクルの経
過と共に電解液中の溶媒と反応し容量が低下する。ま
た、樹枝状の金属リチウムが生成しやすく、正・負極間
に設けられるセパレータを貫通し短絡を引き起こしやす
いという問題点を有している。低黒鉛化炭素質材料は、
電解液との反応性が低い、樹枝状金属リチウムが生成し
ずらいという特徴を有するが、充放電容量が一般に低
く、また真密度が低いため体積当たりの充放電容量が低
いという難点を有し、高エネルギー密度の二次電池を実
現することは達成されていない。一方、高黒鉛化炭素粒
子は、低黒鉛化炭素粒子と比較して高い充放電容量を有
し、金属リチウムと比較して電解液との反応性、樹枝状
金属リチウムが生成しずらいという特徴を有することか
ら、近年、負極用材料として盛んに検討がなされるよう
になってきている。
【0004】高黒鉛化炭素粒子としては、高純度化され
た天然黒鉛質粒子、コークスやピッチあるいは合成有機
高分子材料を炭化・黒鉛化して製造される人造黒鉛質粒
子が使用されている。これらの高黒鉛化炭素質粒子で
は、黒鉛結晶が高度に発達しているため、形状はアスペ
クト比の大きな鱗片状をしている。このため、バインダ
と混練して集電体に塗布して電極を作製した場合、鱗片
状の黒鉛質粒子が集電体の面方向に高密度に配向し、そ
の結果、負極層内への電解液の浸透性が悪化し充放電容
量が低下、高速充放電特性が低下する、黒鉛質粒子への
リチウムの吸蔵・放出の繰り返しによって発生する厚さ
方向の歪みにより粒子が剥離しやすいためサイクル特性
が悪いなどの問題が発生する。一方、上記のような問題
を回避するため、電極中の黒鉛質粒子の密度を低下させ
ると体積当たりの充放電容量が低下するという問題が発
生する。
【0005】このような問題を解決する手法として、高
黒鉛化粒子の特性の改善が試みられている。特許263
7305号明細書では、メソフェーズピッチから抽出さ
れたメソフェーズ小球体を黒鉛化して得られた球状で微
細組織の配向が放射状あるいはブルックスーテーラー型
の黒鉛化粒子、及び微細組織の配向がラメラ型又はブル
ックスーテーラー型の炭素繊維を用いることを提案して
いるが、前者は充放電容量が280〜300mAh/g
と比較的低く、またメソフェーズピッチからの抽出、分
離という工程が必要なため高コストであり、後者は電極
の高密度化が困難、また長繊維が混在するとセパレータ
を貫通し短絡が起こりやすいという問題がある。特開平
7−335216号公報には、骨材及び結合材を出発原
料として作製された高密度黒鉛成形体を粉砕して製造さ
れる黒鉛結晶子がランダムに配向した粒子が提案されて
いるが、冷間静水圧成形法を用いる成形体の製造方法は
生産性に乏しい。黒鉛化された成形体を粉砕して黒鉛質
粒子を得る方法としては、この他に再公表特許WO95
/28011号公報及び特開平9−231974号公報
に記載された方法が挙げられる。これらの黒鉛化成形体
を粉砕して得られる黒鉛粉末はいずれも嵩密度が高く高
強度であり、黒鉛結晶が粒子内でランダムに配向してい
るため、集電体上での黒鉛結晶の配向が抑制され、また
電解液が浸透できる粒子間の空隙が確保されるという点
で有効な手段である。しかしながら、粒子が高カサ比
重、すなわち緻密質であるということが、今度は粒子内
への電解液の浸透を抑制し、急速充放電特性の向上に限
界を生じさせる原因となっている。この問題を解決する
方法として、発明者らは特開平10−158005号公
報等において、偏平状の黒鉛質粒子が複数互いに非平行
に集合あるいは結合した黒鉛質粒子であり、0.1〜1
00μmの範囲に0.4〜2.0cc/gの細孔を有す
る黒鉛質粒子を提案した。このような黒鉛質粒子は上の
高嵩密度黒鉛質粒子の課題であった粒子内部への電解液
の浸透が実現されるため、極めて優れた急速充放電特性
を示すものであるが、低嵩密度粒子であることが今度は
電極成形条件によっては黒鉛質粒子の変形、その結果と
しての配向が発生しやすく充放電サイクル特性が劣化す
る問題があり、負極作製の作業条件が限定されていた。
【0006】高黒鉛化炭素粒子と他の材料を混合して使
用する技術が提案されている。特開平4−237971
号公報では、球状の黒鉛質炭素粒子と炭素繊維とを組み
合わせることによって、充放電の繰り返しによる粒子の
剥離を防止することが提案されているが、球状以外の高
黒鉛化炭素粒子については言及されていない。特開平6
−36760号公報では、高黒鉛化炭素粒子と低黒鉛化
炭素粒子の混合物を用いることによって放電末期の急速
な電圧降下を防止し電池容量の終点判定を容易とするこ
とが提案されているが、高黒鉛化粒子の集電体面方面へ
の配向については言及されておらず、また低黒鉛化炭素
粒子の添加量が多い場合は放電電圧が低下するため添加
量には30容量%という上限が設けられている。特開平
6−111818号公報では球状黒鉛化炭素粒子と黒鉛
化炭素短繊維を組み合わせることを提案しており、電極
強度を増加させ充放電サイクルに伴う電極層の破壊の抑
制、短繊維による電極層内の導電性向上による急速充放
電特性の改善が図れるとしているが、球状黒鉛化炭素粒
子以外の高黒鉛化炭素粒子についての言及はなされてお
らず、また黒鉛化炭素短繊維の添加量が多い場合には電
極密度が低下し、体積当たりの充放電容量が低下するた
め黒鉛化炭素短繊維の添加量には30容量%という上限
が設けられている。特開平6−302315号公報では
球状黒鉛質粒子と化学的、電気化学的に不活性な金属被
覆ウィスカーを組み合わせることにより電極を高強度化
し粒子の剥離を防止することが提案されているが、球状
以外の黒鉛質粒子についての言及はなく、また添加する
ウィスカーには充放電には寄与しないため添加量が多い
場合には充放電容量の低下が発生することは明かであ
る。特開平8−180864号公報には球状黒鉛質粒子
とこの球状粒子の平均粒径に対して1.3〜4.0の比
の平均粒径を有する非球状黒鉛質粒子及び炭素繊維粉砕
物を添加することにより、電極内の電子伝導性が向上し
充放電サイクル特性が改善される旨の記載がある。この
中で、非球状粒子(人造黒鉛、天然黒鉛)が球状黒鉛質
粒子の間に様々な方向を向いて存在するということが言
及されており、上記の鱗片状黒鉛質粒子の集電体面方向
への配向を抑制するということに対して球状黒鉛質粒子
の存在が効果を有することが示されているが、球状粒子
と非球状粒子の粒子径を精密に制御する必要があり、生
産性という点で問題がある。特開平8−83608号公
報、特開平8−83609号公報にはブロック状、フレ
ーク状及び粒状の人造黒鉛又は天然黒鉛質粒子に黒鉛化
した炭素繊維粉末を添加することにより、高密度で黒鉛
結晶が集電体面方向に配向しずらく、充放電サイクル経
過に伴う集電体からの粒子の剥離が抑制される旨の記載
がある。しかし、この効果が得られるのは黒鉛化炭素繊
維粉末添加量が20重量%までであり、これ以上では電
極性能が低下することが言及されている。
【0007】以上に示した高黒鉛化炭素質粒子と他の材
料の混合系では、それぞれ問題を有しており、また特に
黒鉛化炭素繊維と組み合わせる場合、粒子形状が大きく
異なるため均一に混合することが困難であり、このため
それぞれの特許公開公報で示されている添加量の上限を
超えた部分が発生する可能性があり、安定化したリチウ
ム二次電池の製造が困難であるという共通の問題があ
る。また、メソフェーズ小球体を黒鉛化して得られた球
状黒鉛質粒子を含む系については上で述べたようにこの
球状黒鉛質粒子の充放電容量が比較的低い、かつ高コス
トであるという問題点を有している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、特に
高い充放電電流で充放電を行った場合のリチウムの吸蔵
・放出量が多くて充放電容量が大きく、かつ充放電サイ
クルによる充放電容量の低下が少ないリチウム二次電池
を低コストで得ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、リチウムイオ
ンを吸蔵・放出する炭素質物からなる負極と正極と非水
電解液を有するリチウム二次電池において、前記炭素質
物が、カサ比重が異なる2以上の黒鉛質粒子を含むこと
を特徴とするリチウム二次電池に関する。
【0010】本発明は、また、前記炭素質物が、カサ比
重が0.4〜0.65の範囲にある黒鉛質粒子とカサ比
重が0.85〜1.30の範囲にある黒鉛質粒子とから
なる前記リチウム二次電池に関する。
【0011】本発明は、また、前記カサ比重が0.85
〜1.30の範囲の黒鉛質粒子の結晶の層間距離d(0
02)が0.338nm以下、C軸方向の結晶子サイズ
Lc(002)が50nm以上、平均粒径が10〜10
0μm、比表面積が0.3〜2.0m2/g、アスペク
ト比が1.1〜5であり、且つ該黒鉛質粒子の構造が、
偏平状の粒子を複数集合又は結合してなる黒鉛質粒子で
ある前記リチウム二次電池に関する。
【0012】本発明は、また、前記カサ比重が0.85
〜1.30の範囲の黒鉛質粒子が、少なくとも黒鉛化可
能な骨材と黒鉛化可能なバインダを混合する工程、該混
合物を500〜2000℃で焼成する工程、該焼成物を
平均粒径10〜100μmに粉砕する工程及び該粉砕物
を2500℃以上で黒鉛化する工程を有する製造法で製
造された黒鉛質粒子である前記リチウム二次電池に関す
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳述する。
【0014】本発明で用いられる負極用炭素質物は、カ
サ比重が異なる2以上の黒鉛質粒子からなっている。こ
こで述べるカサ比重とは、JIS K−1469に記載
される方法で測定される値である。1種類のカサ比重の
小さな黒鉛質粒子を用いた場合、電極の作製条件によっ
ては粒子が過剰に変形し黒鉛結晶が集電体の面方向に配
向しやすく、サイクル特性、急速充放電特性が劣化し、
充放電容量が低下し易い。一方1種類のカサ比重が大き
い黒鉛質粒子を用いた場合、粒子内への電解液の浸透が
不十分であり、急速充放電特性が低下する。負極用炭素
質材料を構成する黒鉛質粒子としては、少なくとも一つ
はカサ比重が0.4〜0.65の範囲にある黒鉛質粒子
を含むことが好ましく、0.4〜0.65の範囲にある
黒鉛質粒子とカサ比重が0.85〜1.30の範囲にあ
る黒鉛粒子を併用することが好ましい。前者の黒鉛質粒
子のカサ比重がその下限を下回った場合、電極作製に用
いるスラリーの粘度が高くなる傾向があり、バインダ添
加量を多くする必要がある等の理由から好ましくない。
一方、前者の黒鉛質粒子のカサ比重がその上限を超えた
場合、急速充放電特性が低下する傾向がある。後者の黒
鉛質粒子のカサ比重がその下限を下回った場合、電極作
製条件による黒鉛質粒子の過剰な変形が起こり易く、サ
イクル特性及び急速充放電特性が低下する傾向がある。
後者のカサ比重がその上限を超えた場合、急速充放電特
性が低下する傾向がある。カサ比重の異なる2以上の黒
鉛質粒子の配合比については本発明では特に制限せず、
目的とするリチウム二次電池の設計に合わせて選択され
るが、好ましくは、前者を40〜95重量%、後者を5
〜60重量%使用する。
【0015】負極を構成するカサ比重の異なる2以上の
黒鉛質粒子のいずれの(002)面の格子面間隔d(0
02)、C軸方向の結晶子サイズLc(002)、真密
度はそれぞれ0.338nm以下、50nm以上、2.
21g/cm3以上とすることが好ましい。それぞれよ
り好ましくは0.335〜0.338nm、60nm以
上とする。それぞれの充放電容量はほぼ等しいことが適
当であり、好ましくは300mAh/g以上、より好ま
しくは330mAh/g以上とし、更に黒鉛質粒子間の
その差は10%以下、より好ましくは5%以下とする。
これにより充放電容量の変化(低下)を伴わずにカサ比
重の異なる2種以上の黒鉛質粒子を組み合わせた効果を
得ることができる。また、カサ比重が0.4〜0.65
の範囲の黒鉛質粒子は、水銀圧入法で測定される0.0
1〜100μmの範囲に細孔を有していることが好まし
く、その値は0.4cc/g〜2.0cc/gの範囲が
好ましい。また、負極を構成するカサ比重の異なる2以
上の黒鉛質粒子の形状はほぼ等しいことが適当であり、
好ましくはアスペクト比は1.1〜5である。これによ
り、カサ比重の異なる2種以上の黒鉛質粒子を組み合わ
せて負極を構成した場合、これらの黒鉛質粒子の均一な
分布が容易に実現され、ばらつきの少ない良好なリチウ
ム二次電池を得ることができる。更に負極を構成するカ
サ比重の異なる2以上の黒鉛質粒子の比表面積に関し、
カサ比重が、0.4〜0.65の範囲の黒鉛質粒子では
2.0〜5.0m2/gであり、一方カサ比重が0.8
5〜1.30の範囲の黒鉛質粒子では0.3〜2.0m
2/gの範囲とすることが好ましく、これによってカサ
比重の異なる2種以上の黒鉛質粒子を組み合わせて負極
を作製しても不可逆容量の増加を伴わず、また負極を作
製する際に使用する黒鉛質粒子とバインダと溶媒の混合
物の粘度の変化を最小限とすることができる。更に負極
を構成するカサ比重の異なる2種以上の黒鉛質粒子の粒
子構造に関し、偏平状の粒子を複数集合又は結合してな
る黒鉛質粒子であることが好ましい。本発明において、
偏平状の粒子とは、長軸と短軸を有する形状の粒子のこ
とであり、完全な球状でないものをいう。例えば鱗状、
鱗片状、一部の塊状等の形状のものがこれに含まれる。
この黒鉛質粒子において偏平状の粒子は集合又は結合し
ているが、結合とは互いの粒子が、タール、ピッチ等の
バインダを炭素化した炭素を介して、化学的に結合して
いる状態をいい、集合とは互いの粒子が化学的に結合し
ていないが、その形状に起因して、その集合体としての
形状を保っている状態をいう。機械的な強度の面から、
結合しているものが好ましい。また黒鉛質粒子の偏平状
の粒子の集合又は結合の状態としては、偏平状の粒子の
配向面が非平行となるように集合又は結合している黒鉛
質粒子を含むことが好ましい。ここで、偏平状の粒子の
配向面が非平行とは、それぞれの粒子の形状において有
する偏平した面、換言すれば最も平らに近い面を配向面
として、複数の偏平状の粒子がそれぞれの配向面を一定
の方向にそろうことなく集合している状態をいう。
【0016】黒鉛質粒子の構造を上記にようにすること
で、作製するリチウム二次電池の急速充放電特性及びサ
イクル特性をより向上させることが可能となる。
【0017】本発明のカサ比重が異なる2種以上の黒鉛
質粒子を含むことを特徴とするリチウム二次電池の負極
に用いられる黒鉛質粒子の内、カサ比重が0.4〜0.
65の範囲の黒鉛質粒子は、黒鉛化可能な骨材又は黒鉛
と黒鉛化可能なバインダに黒鉛化触媒を1〜50重量%
添加して混合し、焼成・黒鉛化した後、粉砕して製造さ
れる。黒鉛化可能な骨材としては、フルードコークス、
ニードルコークス等の各種コークス類が使用可能であ
る。また、天然黒鉛や人造黒鉛などの既に黒鉛化されて
いる骨材を使用しても良い。黒鉛化可能なバインダとし
ては、石炭系、石油系、人造等の各種ピッチ、タールが
使用可能である。黒鉛化触媒としては、鉄、ニッケル、
チタン、ホウ素、珪素等、これらの酸化物、炭化物、窒
化物等が使用可能である。黒鉛化可能な骨材又は黒鉛と
黒鉛化可能なバインダに黒鉛化触媒を1〜50重量%添
加する。黒鉛化可能な骨材又は黒鉛、黒鉛化可能なバイ
ンダ及び黒鉛化触媒の配合比は、目的とする黒鉛質粒子
の特に細孔容積に合わせて選択される。更に黒鉛化触媒
については、その添加量が1重量%未満であると黒鉛質
粒子の結晶の発達が悪くなり、充放電容量が低下する。
一方、50重量%を超えると、均一に混合することが困
難となり、作業性の悪化及び得られる黒鉛質粒子の特性
のばらつきが大きくなるため好ましくない。
【0018】黒鉛化可能な骨材又は黒鉛化可能なバイン
ダに黒鉛化触媒を1〜50重量%添加して混合し、焼成
し、黒鉛化を行う。焼成の前に、必要に応じて前記混合
物を適当な形に成形しても良い。焼成は前記混合物が酸
化しがたい雰囲気で行うことが好ましく、例えば窒素雰
囲気中、アルゴンガス中、真空中で焼成する方法が挙げ
られる。黒鉛化の温度は2000℃以上が好ましく、2
500℃以上であることがより好ましく、2800℃以
上であることが更に好ましい。黒鉛化温度が低いと、黒
鉛の結晶の発達が悪くなると共に、黒鉛化触媒が作製し
た黒鉛質粒子に残存し易くなり、いずれの場合も充放電
容量が低下する傾向にある。
【0019】次に得られた黒鉛化物を粉砕する。黒鉛化
物の粉砕方法については特に制限を設けないが、ジェッ
トミル、振動ミル、ピンミル、ハンマーミル等の既知の
方法及びこれらの複数を組み合わせて用いることができ
る。粉砕後の粒子径は100μm以下が好ましく、50
μm以下が更に好ましい。平均粒子径は大きすぎる場
合、作製した電極表面に凹凸が出来やすくなる。更に、
2種以上の細孔容積の異なる黒鉛質粒子で構成される負
極を作製する場合、組み合わせる黒鉛質粒子の粒子径に
対応して平均粒子径を設定しても良い。
【0020】得られた黒鉛質粒子はそのまま2種以上の
カサの異なる黒鉛質粒子からなる負極用炭素質材として
使用可能であるが、更に非酸化性雰囲気中で、400℃
以上の温度で加熱処理しても良い。この処理により比表
面積を3m2/g以下に低下させることができ、リチウ
ム二次電池の安全性及び不可逆容量が改善される。非酸
化性雰囲気としては、例えば窒素雰囲気、アルゴン雰囲
気、真空等が挙げられる。
【0021】本発明のカサ比重が異なる2種以上の黒鉛
質粒子を含むことを特徴とするリチウム二次電池の負極
に用いられる黒鉛質粒子の内、カサ比重が0.85〜
1.30の範囲の黒鉛質粒子は、少なくとも黒鉛化可能
な骨材又は黒鉛と黒鉛化可能なバインダを混合する工
程、該混合物を500〜2000℃で焼成する工程、該
焼成物を平均粒径10〜100μmに粉砕する工程、該
粉砕物を2500℃以上で黒鉛化する工程を有する製造
方法によって製造されることが好ましい。
【0022】黒鉛化可能な骨材と黒鉛化可能なバインダ
を、混合することで、得られる炭素粉末のアスペクト比
を小さくすることができ、且つ偏平状の粒子を複数集合
又は結合させた黒鉛質粒子を作製することが可能にな
る。その結果作製するリチウム二次電池の急速充放電特
性及びサイクル特性を向上させることができる。黒鉛化
可能な骨材としては、例えばコークス粉末、樹脂炭化物
粉、黒鉛粉等が挙げられ、充放電容量及び急速充放電特
性の点で、コークス粉末を含んでなることが好ましく、
ニードルコークス粉を含んでなればより好ましい。ま
た、骨材は、平均粒径が1〜80μmの粉末が好まし
く、1〜60μmであればより好ましく、5〜40μm
であれば更に好ましい。
【0023】黒鉛化可能なバインダとしては、ピッチ、
タールの他、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等の有機系材
料が挙げられる。黒鉛化可能なバインダの添加量として
は、使用するバインダの残炭率及び結着力によって異な
るが、例えばピッチを使用した場合、黒鉛化可能な骨材
100重量部に対して10〜100重量部が好ましく、
10〜70重量部であればより好ましく、10〜50重
量部であれば更に好ましい。
【0024】また、黒鉛化可能な骨材と黒鉛化可能なバ
インダを混合する際に、黒鉛化触媒を添加しても良い。
黒鉛化触媒を添加することで得られる黒鉛質粒子の結晶
が発達しやすくなり得られるリチウム二次電池の放電容
量を向上させることができる。黒鉛化触媒としては、T
i、Si、Fe、Ni、B等の金属又は酸化物又は炭化
物が好ましい。黒鉛化触媒は、骨材とバインダを混合す
る際に添加し、同時に混合することが好ましい。黒鉛化
触媒の添加量は0〜10重量%以下が好ましく、0〜5
重量%以下であればより好ましい。黒鉛化触媒の添加量
が増えると、放電容量が増加させることができる反面、
比表面積が大きく且つかさ密度が低下する問題がある。
【0025】混合する温度は、黒鉛化可能なバインダが
軟化溶融する温度であることが好ましく、その温度は使
用する材料によって異なるが、50〜350℃の範囲が
好ましい。また黒鉛化可能なバインダを溶剤等によっ
て、溶液にする場合には常温で混合しても良い。黒鉛化
可能なバインダとしては、ピッチ、タール等の他、熱硬
化性樹脂、熱可塑性樹脂等の有機系材料が挙げられる。
【0026】次いで黒鉛化可能な骨材と黒鉛化可能なバ
インダを混合した混合物は、500〜2000℃で焼成
し、更に該焼成物を粉砕し、平均粒径を10〜100μ
mに調整し、更に該粉砕物を2500℃以上の温度で黒
鉛化することが好ましい。
【0027】粉砕前の焼成温度は500〜1500℃が
好ましく、700〜1500℃であればより好ましい。
粉砕前の焼成温度が2000℃を超えると、得られる黒
鉛質粒子のかさ密度が低く、かつ比表面積が大きく、か
つアスペクト比が大きくなる問題がある。また粉砕前の
焼成温度が500℃未満では、添加した黒鉛化可能なバ
インダの炭素化が不十分となりやすく、その結果、粉砕
・黒鉛化後に粒子同士が結合してしまう問題がある。
【0028】粉砕の方法としては特に制限はなく、例え
ば、ジェットミル、ハンマーミル、ピンミル等の衝撃粉
砕方式をとることができる。本発明では、黒鉛化前に粉
砕し粒度を調整し、黒鉛化後には粉砕を行わない方が、
比表面積、かさ密度、アスペクト比の点で好ましい。
【0029】黒鉛化の方法は特に制限はないが、例え
ば、自己揮発性ガス雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲
気、真空中等で2500℃以上の温度で行うことが得ら
れる黒鉛質粒子の結晶性及び放電容量の点で好ましい。
黒鉛化温度は、2700℃以上であればより好ましく、
2900℃であれば更に好ましく、3000℃以上であ
れば特に好ましい。黒鉛化温度の上限としては3200
℃以下であることが好ましい。
【0030】次に、本発明のリチウム二次電池の製造方
法について説明する。カサ比重が異なる2種以上の黒鉛
質粒子と、黒鉛質粒子同士を結着するための有機系結着
剤とを均一に混合した後加圧形成するか、或は有機溶媒
等を用いてペースト化して集電体上に塗布乾燥プレスす
るなど、公知の方法で負極を製作することが出来る。有
機系結着剤としては、例えばポリエチレン、ポリプロピ
レン、エチレンプロピレンポリマー、ブタジエンゴム、
スチレンブタジエンゴム、イオン導電性の大きな高分子
化合物が使用できる。イオン導電性高分子化合物として
は、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド、
ポリエピクロヒドリン、ポリフォファゼン、ポリアクロ
ニトリル等が使用できる。有機系結着剤の含有量は、黒
鉛質粒子と有機系結着剤との混合物に対して3〜20重
量%とすることが好ましい。
【0031】本発明のカサ比重が異なる2種以上の黒鉛
質粒子からなるリチウム二次電池用負極は、充放電可能
なリチウムを含有する活物質から構成した正極と組み合
わせてリチウム二次電池を構成する。ここで使用される
正極活物質としては、Lixyz(ここでM=V、M
n、Fe、Co、Niから選ばれる少なくとも一種の金
属、x=0.05〜1.2、y=1或いは2、z=1.
5〜5)で表わされるリチウムを含有する遷移金属酸化
物である。またこれらに、リチウム以外のアルカリ金
属、アルカリ土類金属、上記M以外の遷移金属、あるい
は周期律表13〜15族元素(Al、Ga、In、S
i、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、P、B)などを含
んでいても良い。また、正極にはさらに活物質としてM
nO2、MnO3、V25、TiO2、TiS2、FeS、
活性炭などの無機化合物やポリアニリンなどの高分子化
合物等を選ぶこともできる。この場合には、予め、負極
に所定量のリチウムを吸蔵させるか、又は所定量のリチ
ウムを圧着させて使用することもできる。
【0032】本発明のカサ比重が異なる2種以上の黒鉛
質粒子からなる負極を備えたリチウム二次電池に用いら
れる非水系電解液としては、リチウム塩を高誘電率の有
機溶媒に溶解させた溶液が好ましい。リチウム塩につい
ては特に制限はなく、LiClO4、LiPF6、LiB
4、LiCF3SO3、等を使用することができる。ま
た、有機溶媒は、リチウム塩を溶解して電気化学的に安
定性を与え、かつ構成する負極・正極材に対して電気化
学的に安定性を有するものであればよい。例えばエチレ
ンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカ
ーボネート、ジエチルカーボネート、1,2−ジメトキ
シエタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、スル
ホラン、γ−ブチロラクトン等、及びこれらの混合物が
用いられる。
【0033】本発明のカサ比重が異なる2種以上の黒鉛
質粒子からなる負極を備えたリチウム二次電池において
は、正極と負極と非水系電解液の他に、両極の接触を防
止し、かつ電解液を保持し、リチウムイオンを通過でき
る機能を有するセパレータと、電極材を保持して集電す
る機能を有する集電体とを組み合わせて用いることが好
ましい。セパレータとしては、例えばポリエチレン、ポ
リプロピレン又はポリテトラフルオロエチレン等の多孔
質フィルムや不織布、織布等が挙げられる。セパレータ
の厚さは20〜200μm程度が好ましい。また、集電
体としては、正極・負極の活物質に対して電気化学的に
安定性を有する導体を使用することができる。例えば、
ニッケル、チタン、ステンレス、銅、アルミニウムが挙
げられる。また、本発明の水銀圧入法で測定される0.
01〜100μmの範囲の細孔容積が異なる2種以上の
黒鉛質粒子からなる負極を備えたリチウム二次電池は、
円筒型、箱型、コイン型、ボタン型、ペーパー型、カー
ド型など、様々な形状とすることができる。
【0034】偏平な粒子は複数、互いに非平行に集合或
いは結合した黒鉛質粒子で、0.4〜0.65の範囲に
カサ比重を有する黒鉛質粒子は、粒子の過剰な変形がな
い状態では、優れた急速充放電特性及びサイクル特性を
有するが、負極作製条件に起因して粒子の過剰な変形が
生じた場合、偏平な粒子は集電体面に平行に配向し易
く、また粒子内及び粒子間の空隙も減少するため、リチ
ウムイオンのドープ、脱ドープが起こりづらくなり、急
速充放電特性及びサイクル特性が低下する。上記黒鉛質
粒子に0.85〜1.30の範囲のカサ比重を有する黒
鉛質粒子を添加すると、該黒鉛質粒子は比較的緻密質で
あるため、上記黒鉛質粒子の過剰な変形を抑制し、その
結果として急速充放電特性及びサイクル特性が改善され
る。また、該黒鉛質粒子は、それ自身が高い充放電容量
を有し、また粒子内に細孔を有しているため急速充放電
特性が比較的良好であり、更に形状、真密度などの特性
についても上記黒鉛質粒子と類似しているため、均一な
混合が容易に実現できるため、高い充放電容量のリチウ
ム二次電池を安定して作製することが可能である。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例及びその比較例を示し
て、その効果を具体的に説明するが、本発明は下記の実
施例に制限されるものではない。
【0036】実施例1 (リチウム二次電池の作製)図1は円筒型リチウム二次
電池の一部断面正面図を示し、7は正極、8は負極、9
はセパレータ、10は正極タブ、11は負極タブ、12
は正極蓋、13は電池缶及び14はガスケットである。
図1に示すリチウム二次電池は以下のようにして作製し
た。
【0037】(正極の作製)正極活物質としてのLiC
oO288重量部に、導電剤として平均粒子径が1μm
の鱗片状天然黒鉛7重量部と、結着剤としてのポリフッ
化ビニリデン5重量部添加し、これにN−メチル−2−
ピロリドンを加え混合して正極合剤のスラリーを調製し
た。次いで、この正極合剤を正極集電体としてのアルミ
ニウム箔(厚さ25μm)にドクターブレード法により
両面に塗布、乾燥し、次いでローラープレスによって電
極を加圧成形した。幅40mmで長さが285mmの大
きさに切り出して正極7を作製した。ただし、正極7の
両端の長さ10mmの部分は正極合剤が塗布されておら
ずアルミニウム箔が露出しており、この一方に正極タブ
10を超音波結合によって圧着した。
【0038】(黒鉛質粒子の作製) (1)平均粒径が5μmのコークス粉末100重量部、
タールピッチ40重量部、平均粒子径が48μmの炭化
珪素14重量部及びコールタール20重量部を混合し、
200℃で1時間混合した。得られた混合物を粉砕し、
ペレット状に加圧成形し、次いで窒素雰囲気中、900
℃まで加熱、次いでアチソン炉を用いて3000℃まで
昇温し黒鉛化を行った。得られた黒鉛化物をハンマーミ
ルを用いて粉砕、目開き200メッシュの篩を通し、平
均粒径が20μmの黒鉛質粒子を作製した。この黒鉛質
粒子のカサ比重は0.56であった。またBET法によ
る比表面積は3.6m2/gであった。得られた黒鉛質
粒子について水銀圧入法による細孔径分布測定を行った
結果、0.01〜100μmの範囲に細孔を有し、全細
孔体積は0.9cc/gであった。また、得られた黒鉛
質粒子を100個任意に選び出し、アスペクト比を測定
した結果、2.0であり、黒鉛質粒子のX線広角回折に
よる結晶の層間距離d(002)は0.336nm及び
結晶子の大きさLc(002)は100nm以上であっ
た。更に、得られた黒鉛質粒子の走査型電子顕微鏡(S
EM)写真によれば、この黒鉛質粒子は、偏平状の粒子
が複数配向面が非平行となるように集合又は結合した構
造をしていた。以上のようにして作製した黒鉛質粒子を
以下A試料を称する。
【0039】(2)平均粒径20μmのニードルコーク
ス粉末100重量部と、タールピッチ10重量部と、コ
ールタール20重量部を230℃で1時間混合した。次
いで、この混合物を窒素中1000℃で焼成した後、粉
砕し、平均粒径38μmの粉末を作製した。この粉末を
さらにアチソン炉を用いて3000℃で黒鉛化した後、
目開き200メッシュの篩を通し、黒鉛質粒子を得た。
得られた黒鉛質粒子を100個任意に選び出し、アスペ
クト比を測定した結果、2.5であり、黒鉛質粒子の、
黒鉛質粒子のX線広角回折による結晶の層間距離d(0
02)は0.336nm及び結晶子の大きさLc(00
2)は100nm以上であった。更に、得られた黒鉛質
粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)写真によれば、この
黒鉛質粒子は、偏平状の粒子が複数配向面が非平行とな
るように集合又は結合した構造をしていた。以上のよう
にして作製した黒鉛質粒子を以下B試料を称する。
【0040】(黒鉛質粒子の放電容量の測定)黒鉛質粒
子90重量%に、N−メチル−2−ピロリドンに溶解し
たポリフッ化ビニリデン(PVDF)を固形分で10重
量%加えて混練して黒鉛ペーストを作製した。この黒鉛
ペーストを厚さ10μmの圧延銅箔に塗布し、更に乾燥
し負極とした。
【0041】作製した試料電極を3端子法による定電流
充放電を行い、リチウム二次電池用負極としての評価を
行った。図2は実験に用いたリチウム二次電池の概略図
である。ガラスセル1に電解液2としてLiPF6をエ
チレンカーボネート(EC)及びジメチルカーボネート
(DMC)(EC:DMC=1:1(体積比))の混合
溶媒に1モル/lの濃度となるように溶解した溶液を入
れ、試料電極3、セパレータ4及び対極5を積層して配
置し、更に参照電極6を上部から吊るした。対極5及び
参照電極6には金属リチウムを使用し、セパレータ4に
はポリエチレン微孔膜を使用した。0.5mA/cm2
の定電流で、5mV(V vs Li/Li+)まで充
電し、1V(V vs Li/Li+)まで放電する試
験を行った。得られた結果を表1に示す。
【0042】
【表1】 (負極の作製)A試料90重量部とB試料10重量部と
を均一に混合し、次いでこの混合黒鉛と結着剤としての
PVDFとを、重量比90:10の比率で混合し、これ
を溶剤(N−メチル−2−ピロリドン)に分散させてス
ラリーとした後、負極集電体としての銅箔(厚さ10μ
m)の両面にドクターブレード法により塗布し、乾燥、
次いでローラープレスによって電極を加圧成形して負極
とした。幅40mmで長さが290mmの大きさに切り
出して負極8を作製した。この負極を正極と同様に、両
端の長さ10mmの負極合剤が塗布されていない部分の
一方に負極タブ11を超音波接合によって圧着した。
【0043】(電解液の調製)エチレンカーボネートと
ジメチルカーボネートとの等体積混合溶媒に、LiPF
6を1モル/l溶解し、電解液を調製した。
【0044】(電池の作製)前記正極7、ポリエチレン
製多孔質フィルム(厚さ25μm、幅44mm)からな
るセパレータ9及び前記負極8をそれぞれこの順序で積
層した後、前記負極が外側に位置するように渦巻き状に
捲回して電極群を作製した。この電極群をステンレス製
の電池缶13にそれぞれ収納し、負極タブ11を缶底溶
接し、正極蓋12をかしめるための絞り部を設けた。こ
の後、前記電解液を電池缶13に注入した後、正極タブ
10を正極蓋12に溶接し、正極蓋12をかしめて円筒
型リチウム二次電池を組み立てた。
【0045】実施例2 負極作製でのA試料及びB試料の配合比をそれぞれ、8
0重量部、20重量部とした以外は実施例1と同様にし
て円筒型リチウム二次電池を組み立てた。
【0046】実施例3 負極作製でのA試料及びB試料の配合比をそれぞれ、7
0重量部、30重量部とした以外は実施例1と同様にし
て円筒型リチウム二次電池を組み立てた。
【0047】実施例4 負極作製でのA試料及びB試料の配合比をそれぞれ、6
0重量部、40重量部とした以外は実施例1と同様にし
て円筒型リチウム二次電池を組み立てた。
【0048】実施例5 負極作製でのA試料及びB試料の配合比をそれぞれ、5
0重量部、50重量部とした以外は実施例1と同様にし
て円筒型リチウム二次電池を組み立てた。
【0049】比較例1 負極作製でのA試料及びB試料の配合比をそれぞれ、1
00重量部、0重量部とした以外は実施例1と同様にし
て円筒型リチウム二次電池を組み立てた。
【0050】比較例2 負極作製でのA試料及びB試料の配合比をそれぞれ、0
重量部、100重量部とした以外は実施例1と同様にし
て円筒型リチウム二次電池を組み立てた。
【0051】比較例3 負極作製において、A試料の代わりに平均粒子径が20
μmの鱗片状人造黒鉛粉を用い、配合比を該人造黒鉛粉
70重量部、B試料30重量部とし、以下、実施例1と
同様にして円筒型リチウム二次電池を作製した。該人造
黒鉛粉のカサ比重は0.24であり、単独で測定された
放電容量、不可逆容量はそれぞれ、340mAh/g
(対B試料比:101%)、85mAh/gであった。
【0052】比較例4 平均粒径20μmのニードルコークス粉末100重量部
と、ピッチ10重量部と、コールタール20重量部を2
30℃で1時間混合した。次いで、この混合物を粉砕、
成形した後、窒素中1000℃で焼成、さらにアチソン
炉を用いて3000℃で黒鉛化した。得られた黒鉛成形
体を粉砕し、目開き200メッシュの篩を通し、黒鉛質
粒子を得た。得られた黒鉛質粒子のかさ密度、平均粒
径、比表面積、d(002)、Lc(002)、アスペ
クト比は、それぞれ、0.336nm、100nm以
上、2.3であった。得られた黒鉛質粒子を電子顕微鏡
で観察した結果、偏平状の粒子が複数集合又は結合した
塊状の構造をしていた。また、この黒鉛質粒子の単独で
測定された放電容量、不可逆容量はそれぞれ、343m
Ah/g、20mAh/gであった。この黒鉛質粒子3
0重量部、A試料70重量部として負極を作製し、以
下、実施例1と同様にして円筒型リチウム二次電池を作
製した。
【0053】比較例5 メソフェーズピッチを平均粒径32μmに粉砕した後、
300℃で酸化処理をした後、窒素中、1000℃で焼
成した。次いで、この粉末をアチソン炉を用いて300
0℃で黒鉛化後、目開き200メッシュの篩を通し、黒
鉛質粒子を得た。得られた黒鉛質粒子のかさ密度、平均
粒径、比表面積、d(002)、Lc(002)、アス
ペクト比は、それぞれ、0.336nm、100nm以
上、1.8であった。得られた黒鉛質粒子を電子顕微鏡
で観察した結果、塊状の粒子形状をしていた。また、こ
の黒鉛質粒子の単独で測定された放電容量、不可逆容量
はそれぞれ、330mAh/g、18mAh/gであっ
た。この黒鉛質粒子30重量部、A試料70重量部とし
て負極を作製し、以下、実施例1と同様にして円筒型リ
チウム二次電池を作製した。
【0054】得られた実施例1〜5及び比較例1〜5の
リチウム二次電池について、充電終止電圧を4.15
V、放電終止電圧を2.8Vとし、充放電電流を200
mAから800mAの範囲で変化させ、急速充放電時の
放電容量を測定した。その結果を比較例1の充放電電流
200mAの時の放電容量を100%として図3に示
す。また、充放電電流200mAとして各電池の充放電
サイクル特性を測定した。その結果を比較例1のサイク
ル数1の時の放電容量を100%として図4に示す。
【0055】図3より明らかなように、実施例の急速充
放電特性は比較例と比較して良好であり、大きな充放電
電流においても放電容量の低下が極めて少ないことが分
かる。また、図4より明らかなように、実施例のサイク
ル特性は、比較例と比較して良好であり、高いサイクル
数を経ても大きな放電容量を維持できることが分かる。
【0056】
【発明の効果】以上で説明したように、本発明によれ
ば、特に高い充放電電流で充放電を行った場合のリチウ
ムの吸蔵・放出量が多くて充放電容量が大きく、かつ充
放電サイクルによる充放電容量の低下が少ないリチウム
二次電池を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】円筒型リチウム二次電池の一部断面正面図であ
る。
【図2】実験に用いたリチウム二次電池の概略図であ
る。
【図3】実施例1〜5及び比較例1〜5のリチウム二次
電池の急速充放電試験における充放電電流と放電容量と
の関係を示すグラフである。
【図4】実施例1〜5及び比較例1〜5のリチウム二次
電池のサイクル試験におけるサイクル数と放電容量との
関係を示すグラフである。
【符号の説明】 1 ガラスセル 2 電解液 3 試料電極 4 セパレータ 5 対極 6 参照極 7 正極 8 負極 9 セパレータ 10 正極タブ 11 負極タブ 12 正極蓋 13 電池缶 14 ガスケット
フロントページの続き Fターム(参考) 5H003 AA01 AA02 AA04 BA01 BA04 BB01 BC06 BD00 BD01 BD02 BD03 BD05 5H029 AJ02 AJ03 AJ05 AK02 AK03 AK05 AK16 AL06 AL07 AM03 AM04 AM05 AM07 BJ02 BJ14 CJ02 CJ08 HJ05 HJ14

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウムイオンを吸蔵・放出する炭素質
    物からなる負極と正極と非水電解液を有するリチウム二
    次電池において、前記炭素質物が、カサ比重が異なる2
    種以上の黒鉛質粒子を含むことを特徴とするリチウム二
    次電池。
  2. 【請求項2】 炭素質物が、カサ比重が0.4〜0.6
    5の範囲にある黒鉛質粒子とカサ比重が0.85〜1.
    30の範囲にある黒鉛質粒子とからなる請求項1記載の
    リチウム二次電池。
  3. 【請求項3】 カサ比重が0.85〜1.30の範囲の
    黒鉛質粒子の結晶の層間距離d(002)が0.338
    nm以下、C軸方向の結晶子サイズLc(002)が5
    0nm以上、平均粒径が10〜100μm、比表面積が
    0.3〜2.0m2/g、アスペクト比が1.1〜5で
    あり、且つ該黒鉛質粒子の構造が、偏平状の粒子を複数
    集合又は結合してなる黒鉛質粒子である請求項2記載の
    リチウム二次電池。
  4. 【請求項4】 カサ比重が0.85〜1.30の範囲の
    黒鉛質粒子が、少なくとも黒鉛化可能な骨材と黒鉛化可
    能なバインダを混合する工程、該混合物を500〜20
    00℃で焼成する工程、該焼成物を平均粒径10〜10
    0μmに粉砕する工程及び該粉砕物を2500℃以上で
    黒鉛化する工程を有する製造法で製造された黒鉛質粒子
    である請求項2記載のリチウム二次電池。
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