JPH08180873A - 負極材料の製造方法及び非水電解液二次電池 - Google Patents
負極材料の製造方法及び非水電解液二次電池Info
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- JPH08180873A JPH08180873A JP6323191A JP32319194A JPH08180873A JP H08180873 A JPH08180873 A JP H08180873A JP 6323191 A JP6323191 A JP 6323191A JP 32319194 A JP32319194 A JP 32319194A JP H08180873 A JPH08180873 A JP H08180873A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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- Carbon And Carbon Compounds (AREA)
- Secondary Cells (AREA)
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 非水電解液二次電池の負極材料を、嵩比重が
0.5g/cm3以上の黒鉛に、嵩比重が0.5g/ c
m3未満の黒鉛を10〜50重量%なる割合で混合する
ことで製造する。嵩比重が0.5g/cm3以上の黒鉛
としては平均形状パラメータxaveが100以下のもの
が好ましく、嵩比重が0.5g/ cm3未満の黒鉛とし
ては平均形状パラメータxaveが100より大きいもの
が好ましい。 【効果】 負極の電極充填性が高められるとともに充放
電に伴った負極からの黒鉛の剥がれ落ちが防止され、高
エネルギーが得られるとともに良好なサイクル特性を発
揮する非水電解液二次電池が得られる。
0.5g/cm3以上の黒鉛に、嵩比重が0.5g/ c
m3未満の黒鉛を10〜50重量%なる割合で混合する
ことで製造する。嵩比重が0.5g/cm3以上の黒鉛
としては平均形状パラメータxaveが100以下のもの
が好ましく、嵩比重が0.5g/ cm3未満の黒鉛とし
ては平均形状パラメータxaveが100より大きいもの
が好ましい。 【効果】 負極の電極充填性が高められるとともに充放
電に伴った負極からの黒鉛の剥がれ落ちが防止され、高
エネルギーが得られるとともに良好なサイクル特性を発
揮する非水電解液二次電池が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、黒鉛よりなる負極材料
の製造方法及び黒鉛を負極材料とする非水電解液二次電
池に関する。
の製造方法及び黒鉛を負極材料とする非水電解液二次電
池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の電子技術のめざましい進歩は、電
子機器の小型・軽量化を次々に実現させている。それに
伴いポータブル用電源としての電池に対しても、益々小
型・軽量且つ高エネルギー密度であることが要求される
ようになっている。
子機器の小型・軽量化を次々に実現させている。それに
伴いポータブル用電源としての電池に対しても、益々小
型・軽量且つ高エネルギー密度であることが要求される
ようになっている。
【0003】従来、一般用途の二次電池としては、鉛電
池,ニッケル・カドミウム電池等の水溶液系のものが主
流である。しかし、これらの水溶液系二次電池は、サイ
クル特性についてはある程度満足できるが、電池重量や
エネルギー密度の点で満足できるものとは言えない。
池,ニッケル・カドミウム電池等の水溶液系のものが主
流である。しかし、これらの水溶液系二次電池は、サイ
クル特性についてはある程度満足できるが、電池重量や
エネルギー密度の点で満足できるものとは言えない。
【0004】一方、最近、リチウム金属あるいはリチウ
ム合金を負極に用いた非水電解液二次電池の研究開発が
盛んに行われている。この電池は高エネルギー密度を有
し、自己放電も少なく、軽量という優れた特性を有して
いる。
ム合金を負極に用いた非水電解液二次電池の研究開発が
盛んに行われている。この電池は高エネルギー密度を有
し、自己放電も少なく、軽量という優れた特性を有して
いる。
【0005】しかし、リチウム金属を負極に用いた系で
は、充放電サイクルを繰り返し行っていると、充電に際
してリチウムが負極上でデンドライト状に結晶成長し、
それが正極に到達して内部ショートに至るといった欠点
がある。一方、リチウム合金を負極に用いた系では、充
放電に伴って負極の合金が微細化し、性能が劣化すると
いった問題がある。これら系では、このことが実用化を
大きく阻んでいる。
は、充放電サイクルを繰り返し行っていると、充電に際
してリチウムが負極上でデンドライト状に結晶成長し、
それが正極に到達して内部ショートに至るといった欠点
がある。一方、リチウム合金を負極に用いた系では、充
放電に伴って負極の合金が微細化し、性能が劣化すると
いった問題がある。これら系では、このことが実用化を
大きく阻んでいる。
【0006】そこで、このような問題を解消するものと
して、負極に炭素材料を使用した非水電解液二次電池が
注目されている。この非水電解液二次電池は、炭素層間
へのリチウムのドープ/脱ドープを負極反応に利用する
ものであり、充放電サイクルを繰り返し行っても、リチ
ウムのデンドライト状の析出は認められず、良好な充放
電サイクル特性を発揮する。
して、負極に炭素材料を使用した非水電解液二次電池が
注目されている。この非水電解液二次電池は、炭素層間
へのリチウムのドープ/脱ドープを負極反応に利用する
ものであり、充放電サイクルを繰り返し行っても、リチ
ウムのデンドライト状の析出は認められず、良好な充放
電サイクル特性を発揮する。
【0007】ところで、上記非水電解液二次電池の負極
材料として使用し得る炭素材料は各種挙げられるが、初
めに負極材料として実用化されたものはコークスやガラ
ス状炭素等の難黒鉛化性炭素材料,すなわち有機材料を
比較的低温で熱処理することによって得られる結晶性の
低い炭素材料である。これら難黒鉛化性炭素材料で構成
された負極と炭酸プロピレン(PC)を主溶媒とする電
解液を用いた非水電解液二次電池が既に商品化されてい
る。
材料として使用し得る炭素材料は各種挙げられるが、初
めに負極材料として実用化されたものはコークスやガラ
ス状炭素等の難黒鉛化性炭素材料,すなわち有機材料を
比較的低温で熱処理することによって得られる結晶性の
低い炭素材料である。これら難黒鉛化性炭素材料で構成
された負極と炭酸プロピレン(PC)を主溶媒とする電
解液を用いた非水電解液二次電池が既に商品化されてい
る。
【0008】さらに、最近では、結晶構造が発達した黒
鉛類も負極材料として使用できるようになっている。黒
鉛類の場合、PCを主溶媒とするとこれを分解し、この
ことが負極材料とする上で障害となっていたが、安定性
の高い炭酸エチレン(EC)を主溶媒とすることでこの
ような問題が解消され負極材料としての使用が可能にな
る。
鉛類も負極材料として使用できるようになっている。黒
鉛類の場合、PCを主溶媒とするとこれを分解し、この
ことが負極材料とする上で障害となっていたが、安定性
の高い炭酸エチレン(EC)を主溶媒とすることでこの
ような問題が解消され負極材料としての使用が可能にな
る。
【0009】黒鉛類は、工業的には鱗片状のものが比較
的容易に入手でき、従来よりアルカリ電池用導電剤等と
して広く用いられている。この黒鉛類は、難黒鉛化性炭
素材料に比べて結晶性が高く、真密度が高い。したがっ
て、これによって負極を構成すれば、高い電極充填性が
得られ、電池のエネルギー密度が高められることにな
る。このことから、黒鉛類は負極材料として期待の大き
な材料であると言える。
的容易に入手でき、従来よりアルカリ電池用導電剤等と
して広く用いられている。この黒鉛類は、難黒鉛化性炭
素材料に比べて結晶性が高く、真密度が高い。したがっ
て、これによって負極を構成すれば、高い電極充填性が
得られ、電池のエネルギー密度が高められることにな
る。このことから、黒鉛類は負極材料として期待の大き
な材料であると言える。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一口に黒鉛
類といっても、その生成過程によって物性が異なり、負
極としての特性も異なってくる。
類といっても、その生成過程によって物性が異なり、負
極としての特性も異なってくる。
【0011】工業製品として信頼性の高い非水電解液二
次電池を得るためには、当然特性の一定な黒鉛類を選別
しなければならない。このため、黒鉛類では、その選別
に用いる物性値について各種検討がなされている。
次電池を得るためには、当然特性の一定な黒鉛類を選別
しなければならない。このため、黒鉛類では、その選別
に用いる物性値について各種検討がなされている。
【0012】例えば、黒鉛類は結晶性が高いことから、
X線回折やラマン分光等により求められる結晶構造パラ
メータがリチウムのドープ・脱ドープ能力を知る上での
手掛かりになる。
X線回折やラマン分光等により求められる結晶構造パラ
メータがリチウムのドープ・脱ドープ能力を知る上での
手掛かりになる。
【0013】また、真密度は、電極充填性を決定し、こ
の真密度が高いもの程、電極充填性を高くできる。上述
の如く黒鉛類では、この真密度が難黒鉛化性炭素材料よ
りも高いことが長所の1つである。
の真密度が高いもの程、電極充填性を高くできる。上述
の如く黒鉛類では、この真密度が難黒鉛化性炭素材料よ
りも高いことが長所の1つである。
【0014】その他、粒子径や比表面積も特性に優れた
材料を選択する上で有効な物性値である。
材料を選択する上で有効な物性値である。
【0015】しかしながら、上記物性値のみによって選
別した黒鉛類を負極に用いると、極端にサイクル寿命が
短くなることがあり、さらなる物性の検討が望まれてい
る。そこで、本発明はこのような従来の実情に鑑みて提
案されたものであり、電池に良好なサイクル特性を付与
できる負極材料の製造方法を提供することを目的とす
る。また。負極材料の電極充填性が高く、高エネルギー
密度であり、且つサイクル寿命が長く、高い信頼性が得
られる非水電解液二次電池を提供することを目的とす
る。
別した黒鉛類を負極に用いると、極端にサイクル寿命が
短くなることがあり、さらなる物性の検討が望まれてい
る。そこで、本発明はこのような従来の実情に鑑みて提
案されたものであり、電池に良好なサイクル特性を付与
できる負極材料の製造方法を提供することを目的とす
る。また。負極材料の電極充填性が高く、高エネルギー
密度であり、且つサイクル寿命が長く、高い信頼性が得
られる非水電解液二次電池を提供することを目的とす
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、電池の性能
を改善するには、黒鉛材料の嵩比重や偏平度が重要にな
り、嵩比重が高いものと低いものを所定の割合で混合し
た混合黒鉛材料、さらには偏平度の低いものと高いもの
が所定の割合で混合した混合黒鉛材料を負極材料として
用いることで高容量でサイクル特性に優れた電池が得ら
れるとの知見を得るに至った。
めに、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、電池の性能
を改善するには、黒鉛材料の嵩比重や偏平度が重要にな
り、嵩比重が高いものと低いものを所定の割合で混合し
た混合黒鉛材料、さらには偏平度の低いものと高いもの
が所定の割合で混合した混合黒鉛材料を負極材料として
用いることで高容量でサイクル特性に優れた電池が得ら
れるとの知見を得るに至った。
【0017】本発明の負極材料の製造方法は、このよう
な知見に基づいて完成されたものであって、嵩比重が
0.5g/cm3以上の黒鉛に、嵩比重が0.5g/c
m3未満の黒鉛を10〜50重量%なる割合で混合する
ことで負極材料を製造することを特徴とするものであ
る。
な知見に基づいて完成されたものであって、嵩比重が
0.5g/cm3以上の黒鉛に、嵩比重が0.5g/c
m3未満の黒鉛を10〜50重量%なる割合で混合する
ことで負極材料を製造することを特徴とするものであ
る。
【0018】また、嵩比重が0.5g/cm3以上の黒
鉛は、次式で示される形状パラメータxの平均値が10
0以下であり、嵩比重が0.5g/ cm3未満の黒鉛
は、前記形状パラメータxの平均値が100より大きい
ことを特徴とするものである。
鉛は、次式で示される形状パラメータxの平均値が10
0以下であり、嵩比重が0.5g/ cm3未満の黒鉛
は、前記形状パラメータxの平均値が100より大きい
ことを特徴とするものである。
【0019】x=(L/T)×(W/T) x:形状パラメータ T:粉末の最も厚さの薄い部分の厚さ L:粉末の長軸方向の長さ W:粉末の長軸と直交する方向の長さ また、本発明の非水電解液二次電池は、以上のような製
造方法で製造される負極材料よりなる負極と、LiMO
2(但し、MはCo、Niの少なくとも一種を表す)で
表されるリチウム遷移金属複合酸化物よりなる正極及び
環状炭酸エステルと鎖状炭酸エステルの混合溶媒にリチ
ウム塩を溶解してなる電解液を有してなることを特徴と
するものである。
造方法で製造される負極材料よりなる負極と、LiMO
2(但し、MはCo、Niの少なくとも一種を表す)で
表されるリチウム遷移金属複合酸化物よりなる正極及び
環状炭酸エステルと鎖状炭酸エステルの混合溶媒にリチ
ウム塩を溶解してなる電解液を有してなることを特徴と
するものである。
【0020】本発明では、嵩比重が0.5g/cm3以
上の黒鉛に、嵩比重が0.5g/cm3未満の黒鉛を1
0〜50重量%なる割合で混合することで負極材料を製
造する。
上の黒鉛に、嵩比重が0.5g/cm3未満の黒鉛を1
0〜50重量%なる割合で混合することで負極材料を製
造する。
【0021】このように嵩比重が大きい黒鉛と、嵩比重
が小さい黒鉛の両方を用いるのはサイクル特性とエネル
ギー密度の両立の観点からである。
が小さい黒鉛の両方を用いるのはサイクル特性とエネル
ギー密度の両立の観点からである。
【0022】すなわち、黒鉛で負極を構成する場合、こ
の黒鉛の粉末とバインダーとを混合した負極合剤を有機
溶媒に分散させてスラリーとし、これを電極形状に圧縮
成型するか集電体に塗布、乾燥、圧縮成型することで負
極が得られる。
の黒鉛の粉末とバインダーとを混合した負極合剤を有機
溶媒に分散させてスラリーとし、これを電極形状に圧縮
成型するか集電体に塗布、乾燥、圧縮成型することで負
極が得られる。
【0023】ここで、嵩比重が小さい黒鉛は、結晶性が
高く、偏平な形状を示す。このため、官能基の多い炭素
層面エッジ部の露出が少なく、バインダーとの濡れ性が
悪い。したがって、この嵩比重の小さい黒鉛のみを負極
材料として用いた場合には、黒鉛の負極合剤中への分散
が不均一になり、充放電に際して負極から黒鉛が剥がれ
落ち、十分なサイクル特性が得られない。
高く、偏平な形状を示す。このため、官能基の多い炭素
層面エッジ部の露出が少なく、バインダーとの濡れ性が
悪い。したがって、この嵩比重の小さい黒鉛のみを負極
材料として用いた場合には、黒鉛の負極合剤中への分散
が不均一になり、充放電に際して負極から黒鉛が剥がれ
落ち、十分なサイクル特性が得られない。
【0024】逆に言えば、嵩比重が大きい黒鉛を負極材
料として用いれば、黒鉛の剥がれ落ちが防止され、長サ
イクル寿命が得られることになる。しかし、嵩比重が
0.5g/cm3以上の黒鉛のみを負極材料として用い
ると、サイクル特性を改善するには有利であるが、圧縮
成型時の電極密度が上がり難く、さらなる電池の高容量
化が困難である。
料として用いれば、黒鉛の剥がれ落ちが防止され、長サ
イクル寿命が得られることになる。しかし、嵩比重が
0.5g/cm3以上の黒鉛のみを負極材料として用い
ると、サイクル特性を改善するには有利であるが、圧縮
成型時の電極密度が上がり難く、さらなる電池の高容量
化が困難である。
【0025】このように嵩比重の高い黒鉛のみ、あるい
は嵩比重の低い黒鉛のみでは電池の容量あるいはサイク
ル特性のいずれかが不足してしまう。
は嵩比重の低い黒鉛のみでは電池の容量あるいはサイク
ル特性のいずれかが不足してしまう。
【0026】これに対して嵩比重が0.5g/cm3以
上の黒鉛に嵩比重が0.5g/cm3未満の黒鉛を10
〜50重量%の割合で混合して製造された混合黒鉛材料
を負極材料として用いると、分散性が比較的高いといっ
た特長を持つ嵩比重の大きい黒鉛の混合率が50重量%
以上を占めているので、負極合剤中に黒鉛が十分に分散
する。また、嵩比重の小さい黒鉛は、偏平度が高いため
に粒子の厚み方向での機械強度が弱く、圧縮成型の圧力
により変形し、嵩比重が大きい黒鉛の粒子間に入り込
む。このため、高い電極充填性が得られる。
上の黒鉛に嵩比重が0.5g/cm3未満の黒鉛を10
〜50重量%の割合で混合して製造された混合黒鉛材料
を負極材料として用いると、分散性が比較的高いといっ
た特長を持つ嵩比重の大きい黒鉛の混合率が50重量%
以上を占めているので、負極合剤中に黒鉛が十分に分散
する。また、嵩比重の小さい黒鉛は、偏平度が高いため
に粒子の厚み方向での機械強度が弱く、圧縮成型の圧力
により変形し、嵩比重が大きい黒鉛の粒子間に入り込
む。このため、高い電極充填性が得られる。
【0027】したがって、高エネルギー密度が得られる
とともに、充放電を繰り返しても黒鉛が負極から剥がれ
落ちるといったことのないサイクル特性に優れた電池が
得られることになる。なお、嵩比重が0.5g/cm3
未満の黒鉛のより好ましい混合率は15〜40重量%で
ある。
とともに、充放電を繰り返しても黒鉛が負極から剥がれ
落ちるといったことのないサイクル特性に優れた電池が
得られることになる。なお、嵩比重が0.5g/cm3
未満の黒鉛のより好ましい混合率は15〜40重量%で
ある。
【0028】また、本発明で規制する嵩密度は、JIS
K−1469に記載される方法で求められる値であ
る。
K−1469に記載される方法で求められる値であ
る。
【0029】さらに、混合黒鉛材料としては、嵩比重が
0.5g/cm3以上の黒鉛は、次式で示される形状パ
ラメータxの平均値が100以下であり、嵩比重が0.
5g/cm3未満の黒鉛は、前記形状パラメータの平均
値が100より大きいことが望ましい。
0.5g/cm3以上の黒鉛は、次式で示される形状パ
ラメータxの平均値が100以下であり、嵩比重が0.
5g/cm3未満の黒鉛は、前記形状パラメータの平均
値が100より大きいことが望ましい。
【0030】この形状パラメータxとは、次式で求めら
れるものである。
れるものである。
【0031】x=(L/T)×(W/T) x:形状パラメータ T:粉末の最も厚さの薄い部分の厚さ L:粉末の長軸方向の長さ W:粉末の長軸と直交する方向の長さ すなわち、黒鉛材料粉末の代表的な形状は、図1あるい
は図2の模式図で示すように偏平な円柱状あるいは直方
体状である。この黒鉛材料粉末の最も厚さの薄い部分の
厚さをT、最も長さの長い長軸方向の長さをL、奥行き
に相当する長軸と直交する方向の長さをWとしたとき
に、LとWそれぞれをTで除した値の積を形状パラメー
タxと定義する。この形状パラメータxが小さいもの
程、底面積に対する高さが高く、偏平度が小さいことを
意味する。
は図2の模式図で示すように偏平な円柱状あるいは直方
体状である。この黒鉛材料粉末の最も厚さの薄い部分の
厚さをT、最も長さの長い長軸方向の長さをL、奥行き
に相当する長軸と直交する方向の長さをWとしたとき
に、LとWそれぞれをTで除した値の積を形状パラメー
タxと定義する。この形状パラメータxが小さいもの
程、底面積に対する高さが高く、偏平度が小さいことを
意味する。
【0032】この形状パラメータxの平均値(以下、平
均形状パラメータxaveと称する)とは、以下のような
方法で求められる。
均形状パラメータxaveと称する)とは、以下のような
方法で求められる。
【0033】まず、黒鉛試料粉末をSEM(走査型電子
顕微鏡)を用いて観察し、粒子の最も長さの長い部分
が、レーザ回折法等の粒度分布測定装置を用いて測定さ
れた平均粒径±30%であるような粒子10個を選択す
る。そして、選択した10個の粉末のそれぞれについて
式1により形状パラメータxを計算し、その平均値を算
出する。
顕微鏡)を用いて観察し、粒子の最も長さの長い部分
が、レーザ回折法等の粒度分布測定装置を用いて測定さ
れた平均粒径±30%であるような粒子10個を選択す
る。そして、選択した10個の粉末のそれぞれについて
式1により形状パラメータxを計算し、その平均値を算
出する。
【0034】本発明では、この算出された平均値を平均
形状パラメータxaveと称する。
形状パラメータxaveと称する。
【0035】上記混合黒鉛材料において、嵩比重が0.
5g/cm3以上の黒鉛の平均形状パラメータxaveが1
00以下であり、嵩比重が0.5g/ cm3未満の黒鉛
の平均形状パラメータxaveが100より大きいと、サ
イクル特性やエネルギー密度がさらに改善されることに
なる。
5g/cm3以上の黒鉛の平均形状パラメータxaveが1
00以下であり、嵩比重が0.5g/ cm3未満の黒鉛
の平均形状パラメータxaveが100より大きいと、サ
イクル特性やエネルギー密度がさらに改善されることに
なる。
【0036】また、さらに、負極材料に用いる黒鉛材料
を選択するための物性値としては、これら嵩密度や平均
形状パラメータxaveの他、真密度、ラマンスペクトル
におけるG値、X線回折法で得られる(002)面間隔
及び(002)面のC軸方向結晶子厚みも重要である。
を選択するための物性値としては、これら嵩密度や平均
形状パラメータxaveの他、真密度、ラマンスペクトル
におけるG値、X線回折法で得られる(002)面間隔
及び(002)面のC軸方向結晶子厚みも重要である。
【0037】黒鉛材料では、真密度の値が2.1g/c
m3 以上でなければ高エネルギー密度の二次電池が期待
できない。そのような真密度を有する材料は、X線回折
法で得られる(002)面間隔が0.34nm未満であ
り、(002)面のC軸方向結晶子厚みが14.0nm
以上の値を示す。さらに、ミクロな構造欠陥の指標とな
るラマンスペクトルにおけるG値(黒鉛結晶構造に由来
するシグナルの面積強度と非晶質構造に由来するシグナ
ルの面積強度の比)が2.5以上のものが好適である。
m3 以上でなければ高エネルギー密度の二次電池が期待
できない。そのような真密度を有する材料は、X線回折
法で得られる(002)面間隔が0.34nm未満であ
り、(002)面のC軸方向結晶子厚みが14.0nm
以上の値を示す。さらに、ミクロな構造欠陥の指標とな
るラマンスペクトルにおけるG値(黒鉛結晶構造に由来
するシグナルの面積強度と非晶質構造に由来するシグナ
ルの面積強度の比)が2.5以上のものが好適である。
【0038】黒鉛としては、物性値が上記条件を満たす
ものであれば、天然黒鉛であっても、有機材料を炭素化
し、さらに高温処理することで生成された人造黒鉛であ
ってもいずれでも良い。
ものであれば、天然黒鉛であっても、有機材料を炭素化
し、さらに高温処理することで生成された人造黒鉛であ
ってもいずれでも良い。
【0039】上記人造黒鉛を生成するに際して出発原料
となる有機材料としては、石炭やピッチが代表的であ
る。
となる有機材料としては、石炭やピッチが代表的であ
る。
【0040】ピッチとしては、コールタール,エチレン
ボトム油,原油等の高温熱分解で得られるタール類,ア
スファルトなどより蒸留(真空蒸留,常圧蒸留,スチー
ム蒸留),熱重縮合,抽出,化学重縮合等の操作によっ
て得られるものや、その他木材乾留時に生成するピッチ
等もある。
ボトム油,原油等の高温熱分解で得られるタール類,ア
スファルトなどより蒸留(真空蒸留,常圧蒸留,スチー
ム蒸留),熱重縮合,抽出,化学重縮合等の操作によっ
て得られるものや、その他木材乾留時に生成するピッチ
等もある。
【0041】さらにピッチとなる出発原料としてはポリ
塩化ビニル樹脂,ポリビニルアセテート,ポリビニルブ
チラート,3,5−ジメチルフェノール樹脂等がある。
塩化ビニル樹脂,ポリビニルアセテート,ポリビニルブ
チラート,3,5−ジメチルフェノール樹脂等がある。
【0042】これら石炭,ピッチは、炭素化の途中、最
高400℃程度で液状で存在し、その温度で保持するこ
とで芳香環同士が縮合,多環化し積層配向した状態とな
り、その後500℃程度以上の温度になると固体の炭素
前駆体,すなわちセミコークスを形成する。このような
過程を液相炭素化過程と呼び、易黒鉛化炭素の典型的な
生成過程である。
高400℃程度で液状で存在し、その温度で保持するこ
とで芳香環同士が縮合,多環化し積層配向した状態とな
り、その後500℃程度以上の温度になると固体の炭素
前駆体,すなわちセミコークスを形成する。このような
過程を液相炭素化過程と呼び、易黒鉛化炭素の典型的な
生成過程である。
【0043】その他、ナフタレン,フェナントレン,ア
ントラセン,トリフェニレン,ピレン,ペリレン,ペン
タフェン,ペンタセン等の縮合多環炭化水素化合物、そ
の他誘導体(例えばこれらのカルボン酸,カルボン酸無
水物,カルボン酸イミド等)あるいは混合物、アセナフ
チレン,インドール,イソインドール,キノリン,イソ
キノリン,キノキサリン,フタラジン,カルバゾール,
アクリジン,フェナジン,フェナントリジン等の縮合複
素環化合物、さらにはその誘導体も原料として使用可能
である。
ントラセン,トリフェニレン,ピレン,ペリレン,ペン
タフェン,ペンタセン等の縮合多環炭化水素化合物、そ
の他誘導体(例えばこれらのカルボン酸,カルボン酸無
水物,カルボン酸イミド等)あるいは混合物、アセナフ
チレン,インドール,イソインドール,キノリン,イソ
キノリン,キノキサリン,フタラジン,カルバゾール,
アクリジン,フェナジン,フェナントリジン等の縮合複
素環化合物、さらにはその誘導体も原料として使用可能
である。
【0044】以上の有機材料を出発原料として所望の人
造黒鉛を生成するには、例えば、上記有機材料を窒素等
の不活性ガス気流中、300〜700℃で炭化した後、
不活性ガス気流中、昇温速度毎分1〜100℃、到達温
度900〜1500℃、到達温度での保持時間0〜30
時間程度の条件で仮焼し、さらに2000℃以上、好ま
しくは2500℃以上で熱処理する。勿論、場合によっ
ては炭化や仮焼操作は省略しても良い。
造黒鉛を生成するには、例えば、上記有機材料を窒素等
の不活性ガス気流中、300〜700℃で炭化した後、
不活性ガス気流中、昇温速度毎分1〜100℃、到達温
度900〜1500℃、到達温度での保持時間0〜30
時間程度の条件で仮焼し、さらに2000℃以上、好ま
しくは2500℃以上で熱処理する。勿論、場合によっ
ては炭化や仮焼操作は省略しても良い。
【0045】なお、生成される黒鉛材料は粉砕・分級し
て負極材料に供されるが、この粉砕は炭化,仮焼、高温
熱処理の前後あるいは昇温過程の間のいずれで行っても
良い。
て負極材料に供されるが、この粉砕は炭化,仮焼、高温
熱処理の前後あるいは昇温過程の間のいずれで行っても
良い。
【0046】本発明の非水電解液二次電池は、以上のよ
うな混合黒鉛材料よりなる負極、正極及び非水電解液を
有して構成される。
うな混合黒鉛材料よりなる負極、正極及び非水電解液を
有して構成される。
【0047】正極の材料は、特に限定されないが、十分
量のLiを含んでいることが好ましく、例えば一般式L
iMO2 (但し、MはCo,Niの少なくとも一種を表
す。)で表されるリチウムと遷移金属からなる複合金属
酸化物やLiを含んだ層間化合物等が好適である。
量のLiを含んでいることが好ましく、例えば一般式L
iMO2 (但し、MはCo,Niの少なくとも一種を表
す。)で表されるリチウムと遷移金属からなる複合金属
酸化物やLiを含んだ層間化合物等が好適である。
【0048】特に、本発明は、高容量を達成することを
狙ったものであるので、正極は、定常状態(例えば5回
程度充放電を繰り返した後)で負極の黒鉛材料1g当た
り250mAh以上の充放電容量相当分のLiを含んで
いることが必要であり、300mAh以上の充放電容量
相当分のLiを含むことが望ましく、330mAh以上
の充放電容量相当分のLiを含むことがより好ましい。
狙ったものであるので、正極は、定常状態(例えば5回
程度充放電を繰り返した後)で負極の黒鉛材料1g当た
り250mAh以上の充放電容量相当分のLiを含んで
いることが必要であり、300mAh以上の充放電容量
相当分のLiを含むことが望ましく、330mAh以上
の充放電容量相当分のLiを含むことがより好ましい。
【0049】なお、Liはかならずしも正極からすべて
供給される必要はなく、要は電池系内に黒鉛材料1g当
たり250mAh以上の充放電容量相当分のLiが存在
すれば良い。この電池系内のLi量は電池の放電容量を
測定することによって求められる。
供給される必要はなく、要は電池系内に黒鉛材料1g当
たり250mAh以上の充放電容量相当分のLiが存在
すれば良い。この電池系内のLi量は電池の放電容量を
測定することによって求められる。
【0050】一方、電解液としては電解質が非水溶媒に
溶解されてなる非水電解液が用いられる。ここで、本発
明では負極に黒鉛材料を用いるので、非水溶媒の主溶媒
としては黒鉛材料によって分解する虞れのある炭酸プロ
ピレン(PC)を用いずに、PC以外の溶媒を用いるこ
とが前提となる。例えば、そのような溶媒としては炭酸
エチレン(EC)が好適である。さらには、ECの水素
原子をハロゲン元素で置換した構造の化合物であっても
良い。
溶解されてなる非水電解液が用いられる。ここで、本発
明では負極に黒鉛材料を用いるので、非水溶媒の主溶媒
としては黒鉛材料によって分解する虞れのある炭酸プロ
ピレン(PC)を用いずに、PC以外の溶媒を用いるこ
とが前提となる。例えば、そのような溶媒としては炭酸
エチレン(EC)が好適である。さらには、ECの水素
原子をハロゲン元素で置換した構造の化合物であっても
良い。
【0051】また、非水溶媒には、第2の成分溶媒を添
加して、導電率の向上、EC分解の抑制,低温特性の改
善を図るとともにリチウム金属との反応性を低め、安全
性を改善するようにしても良い。
加して、導電率の向上、EC分解の抑制,低温特性の改
善を図るとともにリチウム金属との反応性を低め、安全
性を改善するようにしても良い。
【0052】第2の成分溶媒としては、DEC(ジエチ
ルカーボネート)やDMC(ジメチルカーボネート)等
の鎖状炭酸エステル、MEC(メチルエチルカーボネー
ト)やMPC(メチルプロピルカーボネート)等の非対
称鎖状炭酸エステルが好適である。主溶媒と第2の成分
溶媒となる鎖状炭酸エステルの混合比(主溶媒:鎖状炭
酸エステル)は、容量比で1:9〜6:4が好ましい。
ルカーボネート)やDMC(ジメチルカーボネート)等
の鎖状炭酸エステル、MEC(メチルエチルカーボネー
ト)やMPC(メチルプロピルカーボネート)等の非対
称鎖状炭酸エステルが好適である。主溶媒と第2の成分
溶媒となる鎖状炭酸エステルの混合比(主溶媒:鎖状炭
酸エステル)は、容量比で1:9〜6:4が好ましい。
【0053】さらに、第2の成分溶媒としては、MEC
とDMCの混合溶媒であっても良い。MEC−DMC混
合溶媒の混合比は、MEC容量をm,DMC容量をdと
したときに、1/9≦d/m≦8/2で示される範囲と
することが好ましい。また、主溶媒と、第2の成分溶媒
となるMEC−DMC混合溶媒の混合比は、MEC容量
をm,DMC容量をd、溶媒全量をTとしたときに3/
10≦(m+d)/T≦7/10で示される範囲とする
ことが好ましい。
とDMCの混合溶媒であっても良い。MEC−DMC混
合溶媒の混合比は、MEC容量をm,DMC容量をdと
したときに、1/9≦d/m≦8/2で示される範囲と
することが好ましい。また、主溶媒と、第2の成分溶媒
となるMEC−DMC混合溶媒の混合比は、MEC容量
をm,DMC容量をd、溶媒全量をTとしたときに3/
10≦(m+d)/T≦7/10で示される範囲とする
ことが好ましい。
【0054】このような非水溶媒に溶解する電解質とし
ては、この種の電池に用いられるものであればいずれも
使用可能である。例えばLiPF6 が好適であるが、L
iClO4 ,LiAsF6 ,LiBF4 ,LiB(C6
H5 )4 ,CH3 SO3 Li,CF3 SO3 Li,Li
Cl,LiBr等も使用可能である。
ては、この種の電池に用いられるものであればいずれも
使用可能である。例えばLiPF6 が好適であるが、L
iClO4 ,LiAsF6 ,LiBF4 ,LiB(C6
H5 )4 ,CH3 SO3 Li,CF3 SO3 Li,Li
Cl,LiBr等も使用可能である。
【0055】
【作用】黒鉛で負極を構成する場合、この黒鉛の粉末と
バインダーとを混合した負極合剤を有機溶媒に分散させ
てスラリーとし、これを電極形状に圧縮成型するか集電
体に塗布、乾燥、圧縮成型することで負極が得られる。
バインダーとを混合した負極合剤を有機溶媒に分散させ
てスラリーとし、これを電極形状に圧縮成型するか集電
体に塗布、乾燥、圧縮成型することで負極が得られる。
【0056】このとき、嵩比重が0.5g/cm3以上
の黒鉛に、嵩比重が0.5g/cm3未満の黒鉛を10
〜50重量%の割合で混合して得られた混合黒鉛材料を
用いると、分散性が比較的高い嵩比重の大きい黒鉛の混
合率が全体の50重量%以上を占めているので、負極合
剤中に黒鉛が均一に分散する。また、嵩比重の大きい黒
鉛に混合されている嵩比重の小さい黒鉛は、偏平度が高
いために粒子の厚み方向での機械強度が弱く、圧縮成型
の圧力により変形し、嵩比重が大きい黒鉛の粒子間に入
り込む。このため、高い電極充填性が得られる。
の黒鉛に、嵩比重が0.5g/cm3未満の黒鉛を10
〜50重量%の割合で混合して得られた混合黒鉛材料を
用いると、分散性が比較的高い嵩比重の大きい黒鉛の混
合率が全体の50重量%以上を占めているので、負極合
剤中に黒鉛が均一に分散する。また、嵩比重の大きい黒
鉛に混合されている嵩比重の小さい黒鉛は、偏平度が高
いために粒子の厚み方向での機械強度が弱く、圧縮成型
の圧力により変形し、嵩比重が大きい黒鉛の粒子間に入
り込む。このため、高い電極充填性が得られる。
【0057】したがって、このような混合黒鉛材料を負
極材料に使用する非水電解液二次電池では、高エネルギ
ー密度が得られるとともに充放電を繰り返しても黒鉛が
負極から剥がれ落ちるといったことがなく良好なサイク
ル特性を発揮する。
極材料に使用する非水電解液二次電池では、高エネルギ
ー密度が得られるとともに充放電を繰り返しても黒鉛が
負極から剥がれ落ちるといったことがなく良好なサイク
ル特性を発揮する。
【0058】なお、さらに上記混合黒鉛材料において、
嵩比重が0.5g/cm3以上の黒鉛の平均形状パラメ
ータxaveが100以下であり、嵩比重が0.5g/c
m3未満の黒鉛の平均形状パラメータxaveが100より
大きいと、サイクル特性やエネルギー密度がさらに改善
されることになる。
嵩比重が0.5g/cm3以上の黒鉛の平均形状パラメ
ータxaveが100以下であり、嵩比重が0.5g/c
m3未満の黒鉛の平均形状パラメータxaveが100より
大きいと、サイクル特性やエネルギー密度がさらに改善
されることになる。
【0059】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例によって説明
するが、本発明がこの実施例に限定されるものでないこ
とは言うまでもない。
するが、本発明がこの実施例に限定されるものでないこ
とは言うまでもない。
【0060】実施例1 まず、真密度が2.20g/cm3、嵩密度が1.18
g/cm3、平均形状パラメータXaveが3.6の黒鉛試
料Aを次の方法で生成した。
g/cm3、平均形状パラメータXaveが3.6の黒鉛試
料Aを次の方法で生成した。
【0061】石炭ピッチコークスを、温度1200℃で
仮焼した後、不活性雰囲気中、温度3000℃で熱処理
して人造黒鉛材料を生成し、粉砕した。この黒鉛粉末を
黒鉛試料Aとする。
仮焼した後、不活性雰囲気中、温度3000℃で熱処理
して人造黒鉛材料を生成し、粉砕した。この黒鉛粉末を
黒鉛試料Aとする。
【0062】一方、真密度が2.28g/cm3、嵩密
度が0.33g/cm3、平均形状パラメータXaveが1
27の人造黒鉛(ロンザ社製、商品名KS−15)を用
意した。この人造黒鉛を、黒鉛試料Bとする。
度が0.33g/cm3、平均形状パラメータXaveが1
27の人造黒鉛(ロンザ社製、商品名KS−15)を用
意した。この人造黒鉛を、黒鉛試料Bとする。
【0063】そして、この黒鉛試料A、黒鉛試料Bの容
量及び容量ロスを測定した。その結果を、真密度、平均
粒径、嵩密度、平均形状パラメータXaveと併せて表1
に示す。
量及び容量ロスを測定した。その結果を、真密度、平均
粒径、嵩密度、平均形状パラメータXaveと併せて表1
に示す。
【0064】なお、真密度の測定はピクノメータ法によ
り、また平均粒径はレーザ回折法によりそれぞれ測定し
た。また、嵩比重、平均形状パラメータXave、容量及
び容量ロスの測定方法を以下に示す。
り、また平均粒径はレーザ回折法によりそれぞれ測定し
た。また、嵩比重、平均形状パラメータXave、容量及
び容量ロスの測定方法を以下に示す。
【0065】<嵩比重測定方法>嵩比重はJIS K−
1469に記載される方法で求めた。
1469に記載される方法で求めた。
【0066】すなわち、予め質量を測定しておいた容量
100cm3のメスシリンダーを斜めにし、これに粉末
試料100cm3を、さじを用いて徐々に投入した。そ
して、全体の質量を最小目盛り0.1gで測り、その質
量からメスシリンダーの質量を差し引くことで粉末試料
の質量Mを求めた。
100cm3のメスシリンダーを斜めにし、これに粉末
試料100cm3を、さじを用いて徐々に投入した。そ
して、全体の質量を最小目盛り0.1gで測り、その質
量からメスシリンダーの質量を差し引くことで粉末試料
の質量Mを求めた。
【0067】次に、粉末試料が投入されてメスシリンダ
ーにコルク栓をし、その状態のメスシリンダーを、ゴム
板に対して約5cmの高さから50回落下させた。その
結果、メスシリンダー中の試料粉末は圧縮されるので、
その圧縮された試料粉末の容量Vを読みとった。そし
て、下記の式により嵩比重(g/cm3)を算出した。
ーにコルク栓をし、その状態のメスシリンダーを、ゴム
板に対して約5cmの高さから50回落下させた。その
結果、メスシリンダー中の試料粉末は圧縮されるので、
その圧縮された試料粉末の容量Vを読みとった。そし
て、下記の式により嵩比重(g/cm3)を算出した。
【0068】D=M/V D:嵩比重(g/cm3) M:メスシリンダー中の試料粉末の質量(g) V:50回落下後のメスシリンダー中の試料粉末の容積
(cm3) <平均形状パラメータXave測定方法>黒鉛試料粉末を
SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて観察し、粒子の最
も長さの長い部分が、レーザ回折法等の粒度分布測定装
置を用いて測定された平均粒径の±30%であるような
粒子10個を選択した。そして、選択した10個の粉末
のそれぞれについて式1により形状パラメータxを計算
し、その平均値(平均形状パラメータXave)を算出し
た。
(cm3) <平均形状パラメータXave測定方法>黒鉛試料粉末を
SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて観察し、粒子の最
も長さの長い部分が、レーザ回折法等の粒度分布測定装
置を用いて測定された平均粒径の±30%であるような
粒子10個を選択した。そして、選択した10個の粉末
のそれぞれについて式1により形状パラメータxを計算
し、その平均値(平均形状パラメータXave)を算出し
た。
【0069】x=(L/T)×(W/T) x:形状パラメータ T:粉末の最も厚さの薄い部分の厚さ L:粉末の長軸方向の長さ W:粉末の長軸と直交する方向の長さ <容量及び容量ロス測定方法>黒鉛試料粉末の容量、容
量ロスの測定はコイン型評価電池を作製して行った。ま
ず、黒鉛粉末に、Ar雰囲気中、昇温速度30℃/分、
到達温度600℃、到達温度保持時間1時間なる条件で
前熱処理を施す。なお、この前熱処理は以下に示す負極
合剤の調製の直前に行った。
量ロスの測定はコイン型評価電池を作製して行った。ま
ず、黒鉛粉末に、Ar雰囲気中、昇温速度30℃/分、
到達温度600℃、到達温度保持時間1時間なる条件で
前熱処理を施す。なお、この前熱処理は以下に示す負極
合剤の調製の直前に行った。
【0070】そして、この前熱処理を施した黒鉛粉末
と、バインダーとして10重量%相当量のポリフッ化ビ
ニリデン、溶媒としてジメチルホルムアミドを混合、乾
燥して負極合剤を調製した。そして、このように調製し
た負極合剤の内37mgを測り取り、Niメッシュとと
もに直径15.5mmのペレットに成形し、作用電極を
作製した。
と、バインダーとして10重量%相当量のポリフッ化ビ
ニリデン、溶媒としてジメチルホルムアミドを混合、乾
燥して負極合剤を調製した。そして、このように調製し
た負極合剤の内37mgを測り取り、Niメッシュとと
もに直径15.5mmのペレットに成形し、作用電極を
作製した。
【0071】そして、作製した作用電極を以下に示す構
成にコイン型電池に組み込み、炭素材料1g当たりの容
量及び容量ロスを測定した。
成にコイン型電池に組み込み、炭素材料1g当たりの容
量及び容量ロスを測定した。
【0072】コイン型評価電池の構成 セルの形状:コイン型電池(直径20mm、厚さ2.5
mm) 対極:Li金属 セパレータ:ポリプロピレン多孔質膜 電解液:ECとDECの混合溶媒(容量比で1:1)に
LiPF6を1mol/lの濃度で溶解したもの。
mm) 対極:Li金属 セパレータ:ポリプロピレン多孔質膜 電解液:ECとDECの混合溶媒(容量比で1:1)に
LiPF6を1mol/lの濃度で溶解したもの。
【0073】なお、容量及び容量ロスの測定に際して、
作用電極へのリチウムのドープ/脱ドープ(充電/放
電:厳密に言うとこの試験方法では炭素質材料にリチウ
ムがドープされる過程は充電ではなく放電であり、リチ
ウムが脱ドープされる過程は充電であるが、実電池での
実態に合わせて便宜上このドーピング過程を充電、脱ド
ープ過程を放電と称することとする。)は以下の条件で
行った。
作用電極へのリチウムのドープ/脱ドープ(充電/放
電:厳密に言うとこの試験方法では炭素質材料にリチウ
ムがドープされる過程は充電ではなく放電であり、リチ
ウムが脱ドープされる過程は充電であるが、実電池での
実態に合わせて便宜上このドーピング過程を充電、脱ド
ープ過程を放電と称することとする。)は以下の条件で
行った。
【0074】充電条件(リチウムドープ条件):セル当
たり1mAの定電流で1時間充電を行った後、2時間休
止するといった充電/休止サイクルを、休止時における
電位変化を(時間)-1/2に対してプロットし推定した平
衡電位が約10mV(Li/Li+)になるまで繰り返
し行った。
たり1mAの定電流で1時間充電を行った後、2時間休
止するといった充電/休止サイクルを、休止時における
電位変化を(時間)-1/2に対してプロットし推定した平
衡電位が約10mV(Li/Li+)になるまで繰り返
し行った。
【0075】放電条件(リチウム脱ドープ条件):セル
当たり0.5mAの定電流で1時間放電を行った後、2
時間休止するといった放電/休止サイクルを、端子電圧
が1.5Vに低下するまで繰り返し行った。
当たり0.5mAの定電流で1時間放電を行った後、2
時間休止するといった放電/休止サイクルを、端子電圧
が1.5Vに低下するまで繰り返し行った。
【0076】このような条件で充放電を行ったときの放
電電気量から炭素材料1gあたりの容量を換算した。
電電気量から炭素材料1gあたりの容量を換算した。
【0077】また、充電電気量から放電電気量を差し引
くことで容量ロスを求めた。この条件で充放電を行った
場合、いかなる材料を用いても放電電気量は充電電気量
より小さい値となる。これは炭素材料が、通常、充電さ
れても放電されない電気量を有しているからである。こ
こでは、この充電されても放電されない電気量を容量ロ
スと定義する。実用電池においては、この容量ロスの値
も負極材料を評価する上で重要である。
くことで容量ロスを求めた。この条件で充放電を行った
場合、いかなる材料を用いても放電電気量は充電電気量
より小さい値となる。これは炭素材料が、通常、充電さ
れても放電されない電気量を有しているからである。こ
こでは、この充電されても放電されない電気量を容量ロ
スと定義する。実用電池においては、この容量ロスの値
も負極材料を評価する上で重要である。
【0078】
【表1】
【0079】次に、以上ようにして各種特性を測定した
黒鉛試料粉末を負極材料に使用して、図3に示すような
直径18mm、高さ65mmの円筒型非水電解液二次電
池を作製し、サイクル特性を評価した。
黒鉛試料粉末を負極材料に使用して、図3に示すような
直径18mm、高さ65mmの円筒型非水電解液二次電
池を作製し、サイクル特性を評価した。
【0080】負極1は次のようにして作製した。
【0081】黒鉛試料Aを80重量部と黒鉛試料Bを2
0重量部を混合した混合黒鉛粉末を90重量部と、結着
材としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)10重量部
を混合して負極合剤を調製し、溶剤であるN−メチルピ
ロリドンに分散させて負極合剤スラリー(ペースト)状
とした。
0重量部を混合した混合黒鉛粉末を90重量部と、結着
材としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)10重量部
を混合して負極合剤を調製し、溶剤であるN−メチルピ
ロリドンに分散させて負極合剤スラリー(ペースト)状
とした。
【0082】負極集電体として厚さ10μmの帯状の銅
箔を用い、この集電体の両面に、上記負極合剤スラリー
を塗布、乾燥させた後、圧縮成型することで帯状負極1
を作製した。
箔を用い、この集電体の両面に、上記負極合剤スラリー
を塗布、乾燥させた後、圧縮成型することで帯状負極1
を作製した。
【0083】正極2は次のようにして作製した。
【0084】炭酸リチウム0.5モルと炭酸コバルト1
モルを混合し、空気中、温度900℃で5時間焼成し
た。得られた材料についてX線回折測定を行った結果、
JCPDSファイルに登録されたLiCoO2のピーク
とよく一致した。
モルを混合し、空気中、温度900℃で5時間焼成し
た。得られた材料についてX線回折測定を行った結果、
JCPDSファイルに登録されたLiCoO2のピーク
とよく一致した。
【0085】このLiCoO2を粉砕し、50%累積粒
径が15μmのLiCoO2粉末を得た。そして、この
LiCoO2粉末95重量部と炭酸リチウム粉末5重量
部を混合し、この混合物を91重量部、導電剤としてグ
ラファイト6重量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデ
ン3重量部を混合して正極合剤を調製し、N−メチルピ
ロリドンに分散させて正極合剤スラリー(ペースト状)
にした。
径が15μmのLiCoO2粉末を得た。そして、この
LiCoO2粉末95重量部と炭酸リチウム粉末5重量
部を混合し、この混合物を91重量部、導電剤としてグ
ラファイト6重量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデ
ン3重量部を混合して正極合剤を調製し、N−メチルピ
ロリドンに分散させて正極合剤スラリー(ペースト状)
にした。
【0086】正極集電体として厚さ20μmのアルミニ
ウム箔を用い、この集電体の両面に、上記正極合剤スラ
リーを均一に塗布、乾燥させた後、圧縮成型することで
帯状正極2を作製した。
ウム箔を用い、この集電体の両面に、上記正極合剤スラ
リーを均一に塗布、乾燥させた後、圧縮成型することで
帯状正極2を作製した。
【0087】次いで、図1に示すように帯状負極1、帯
状正極2及び厚さ25μmの微多孔性ポリプロピレンフ
ィルムよりなるセパレータ3を、負極、セパレータ、正
極、セパレータの順に積層してから多数回巻回し、外径
18mmの渦巻型電極体を作製した。
状正極2及び厚さ25μmの微多孔性ポリプロピレンフ
ィルムよりなるセパレータ3を、負極、セパレータ、正
極、セパレータの順に積層してから多数回巻回し、外径
18mmの渦巻型電極体を作製した。
【0088】このようにして作製した渦巻型電極体を、
ニッケルめっきを施した鉄製電池缶5に収納した。そし
て、渦巻型電極体の上下両面には絶縁板4を配設し、ア
ルミニウム製正極リード13を正極集電体11から導出
し、電池蓋7と電気的な導通が確保された安全弁装置8
の突起部に、ニッケル製負極リード12を負極集電体1
0から導出して電池缶5に溶接した。
ニッケルめっきを施した鉄製電池缶5に収納した。そし
て、渦巻型電極体の上下両面には絶縁板4を配設し、ア
ルミニウム製正極リード13を正極集電体11から導出
し、電池蓋7と電気的な導通が確保された安全弁装置8
の突起部に、ニッケル製負極リード12を負極集電体1
0から導出して電池缶5に溶接した。
【0089】この電池缶5の中に、ECとDECとの等
容量混合溶媒中にLiPF6を1mol/lの割合で溶
解した電解液を注入した。次いで、アスファルトで表面
を塗布した絶縁封口ガスケット6を介して電池缶5をか
しめることにより、電流遮断機構を有する安全弁装置
8、PTC素子9並びに電池蓋7を固定し、電池内の気
密性を保持させた。
容量混合溶媒中にLiPF6を1mol/lの割合で溶
解した電解液を注入した。次いで、アスファルトで表面
を塗布した絶縁封口ガスケット6を介して電池缶5をか
しめることにより、電流遮断機構を有する安全弁装置
8、PTC素子9並びに電池蓋7を固定し、電池内の気
密性を保持させた。
【0090】実施例2 負極を作製するに際し、負極材料として、黒鉛材料A6
0重量部と黒鉛材料B40重量部とを混合した混合黒鉛
粉末を使用したこと以外は実施例1と同様にして非水電
解液二次電池を作製した。
0重量部と黒鉛材料B40重量部とを混合した混合黒鉛
粉末を使用したこと以外は実施例1と同様にして非水電
解液二次電池を作製した。
【0091】比較例1 負極を作製するに際し、負極材料として、黒鉛材料A4
0重量部と黒鉛材料B60重量部とを混合した混合黒鉛
粉末を使用したこと以外は実施例1と同様にして非水電
解液二次電池を作製した。
0重量部と黒鉛材料B60重量部とを混合した混合黒鉛
粉末を使用したこと以外は実施例1と同様にして非水電
解液二次電池を作製した。
【0092】比較例2 負極を作製するに際し、負極材料として、黒鉛材料A2
0重量部と黒鉛材料B80重量部とを混合した混合黒鉛
粉末を使用したこと以外は実施例1と同様にして非水電
解液二次電池を作製した。
0重量部と黒鉛材料B80重量部とを混合した混合黒鉛
粉末を使用したこと以外は実施例1と同様にして非水電
解液二次電池を作製した。
【0093】比較例3 負極を作製するに際し、負極材料として、黒鉛材料Aを
単独で使用したこと以外は実施例1と同様にして非水電
解液二次電池を作製した。
単独で使用したこと以外は実施例1と同様にして非水電
解液二次電池を作製した。
【0094】比較例4 負極を作製するに際し、負極材料として、黒鉛材料Bを
単独で使用したこと以外は実施例1と同様にして非水電
解液二次電池を作製した。
単独で使用したこと以外は実施例1と同様にして非水電
解液二次電池を作製した。
【0095】以上のようにして作製した電池について、
電極密度比を測定するとともに、充放電サイクルを繰り
返し行い、サイクル初期の容量と、サイクル初期の容量
に対する100サイクル後の容量の比(容量維持率)を
求めた。その結果を表2に示す。
電極密度比を測定するとともに、充放電サイクルを繰り
返し行い、サイクル初期の容量と、サイクル初期の容量
に対する100サイクル後の容量の比(容量維持率)を
求めた。その結果を表2に示す。
【0096】なお、充放電は、最大充電電圧4.2V、
充電電流500mAで5時間充電を行った後、放電電流
500mA、終止電圧2.75Vで定電流放電を行うと
いったサイクルで行った。
充電電流500mAで5時間充電を行った後、放電電流
500mA、終止電圧2.75Vで定電流放電を行うと
いったサイクルで行った。
【0097】
【表2】
【0098】また、図4に、混合黒鉛粉末中の黒鉛材料
Bの混合率と、初期容量及び容量維持率の関係を示す。
Bの混合率と、初期容量及び容量維持率の関係を示す。
【0099】図4から明らかなように、初期容量及び容
量維持率は、黒鉛材料Aと黒鉛材料Bの混合率に依存し
て変化する。嵩比重が0.5g/cm3 未満であって平
均形状パラメータaveが100より大きい黒鉛材料Bの
混合率が大きくなる程、すなわち嵩比重が0.5g/c
m3 以上であって平均形状パラメータaveが100以下
である黒鉛材料Aの混合率が小さくなる程、初期容量は
増加するが容量維持率は逆に減少する。
量維持率は、黒鉛材料Aと黒鉛材料Bの混合率に依存し
て変化する。嵩比重が0.5g/cm3 未満であって平
均形状パラメータaveが100より大きい黒鉛材料Bの
混合率が大きくなる程、すなわち嵩比重が0.5g/c
m3 以上であって平均形状パラメータaveが100以下
である黒鉛材料Aの混合率が小さくなる程、初期容量は
増加するが容量維持率は逆に減少する。
【0100】このことから、黒鉛材料Aのみであった
り、黒鉛材料Bのみであっては、容量維持率と初期容量
の両立は達成されず、これらを制御するには嵩比重が
0.5gcm3 以上の黒鉛に嵩比重が0.5g/cm3
未満の黒鉛の両方を用いる必要があることがわかった。
そして、嵩比重が0.5g/cm3 未満、さらには平均
形状パラメータxaveが100より大きい黒鉛の割合を
10〜 50重量%とすることにより、高エネルギー密
度であってサイクル特性に優れた電池が得られるように
なることがわかった。
り、黒鉛材料Bのみであっては、容量維持率と初期容量
の両立は達成されず、これらを制御するには嵩比重が
0.5gcm3 以上の黒鉛に嵩比重が0.5g/cm3
未満の黒鉛の両方を用いる必要があることがわかった。
そして、嵩比重が0.5g/cm3 未満、さらには平均
形状パラメータxaveが100より大きい黒鉛の割合を
10〜 50重量%とすることにより、高エネルギー密
度であってサイクル特性に優れた電池が得られるように
なることがわかった。
【0101】
【発明の効果】本発明では、非水電解液二次電池の負極
材料を、嵩比重が0.5g/cm3以上の黒鉛に、嵩比
重が0.5g/ cm3未満の黒鉛を10〜50重量%な
る割合で混合することで製造するので、負極の電極充填
性が高められるとともに充放電に伴った負極からの黒鉛
の剥がれ落ちが防止され、高エネルギーが得られるとと
もに良好なサイクル特性を発揮する非水電解液二次電池
が得られる。
材料を、嵩比重が0.5g/cm3以上の黒鉛に、嵩比
重が0.5g/ cm3未満の黒鉛を10〜50重量%な
る割合で混合することで製造するので、負極の電極充填
性が高められるとともに充放電に伴った負極からの黒鉛
の剥がれ落ちが防止され、高エネルギーが得られるとと
もに良好なサイクル特性を発揮する非水電解液二次電池
が得られる。
【図1】黒鉛の代表的な粒子形状の一例を示す模式図で
ある。
ある。
【図2】黒鉛の剤表的な粒子形状の他の例を示す模式図
である。
である。
【図3】本発明を適用した非水電解液二次電池の1構成
例を示す概略断面図である。
例を示す概略断面図である。
【図4】嵩比重が0.5g/ cm3未満であって平均形
状パラメータxaveが100より大きい黒鉛の混合率
と、初期容量及び容量維持率の関係を示す特性図であ
る。
状パラメータxaveが100より大きい黒鉛の混合率
と、初期容量及び容量維持率の関係を示す特性図であ
る。
1 負極 2 正極
Claims (4)
- 【請求項1】 嵩比重が0.5g/cm3以上の黒鉛
に、嵩比重が0.5g/cm3未満の黒鉛を10〜50
重量%なる割合で混合することで負極材料を製造する負
極材料の製造方法。 - 【請求項2】 嵩比重が0.5g/cm3以上の黒鉛
は、次式で示される形状パラメータxの平均値が100
以下であり、嵩比重が0.5g/ cm3未満の黒鉛は、
前記形状パラメータxの平均値が100より大きいこと
を特徴とする請求項1記載の負極材料の製造方法。 x=(L/T)×(W/T) x:形状パラメータ T:粉末の最も厚さの薄い部分の厚さ L:粉末の長軸方向の長さ W:粉末の長軸と直交する方向の長さ - 【請求項3】 請求項1記載の製造方法で製造された負
極材料よりなる負極と、LiMO2(但し、M はCo、
Niの少なくとも一種を表す)で表されるリチウム遷移
金属複合酸化物よりなる正極及び環状炭酸エステルと鎖
状炭酸エステルの混合溶媒にリチウム塩を溶解してなる
電解液を有してなることを特徴とする非水電解液二次電
池。 - 【請求項4】 請求項2記載の製造方法で製造された負
極材料よりなる負極と、LiMO2(但し、MはCo、
Niの少なくとも一種を表す)で表されるリチウム遷移
金属複合酸化物よりなる正極及び環状炭酸エステルと鎖
状炭酸エステルの混合溶媒にリチウム塩を溶解してなる
電解液を有してなることを特徴とする非水電解液二次電
池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6323191A JPH08180873A (ja) | 1994-12-26 | 1994-12-26 | 負極材料の製造方法及び非水電解液二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6323191A JPH08180873A (ja) | 1994-12-26 | 1994-12-26 | 負極材料の製造方法及び非水電解液二次電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08180873A true JPH08180873A (ja) | 1996-07-12 |
Family
ID=18152084
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6323191A Abandoned JPH08180873A (ja) | 1994-12-26 | 1994-12-26 | 負極材料の製造方法及び非水電解液二次電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08180873A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001185149A (ja) * | 1999-12-28 | 2001-07-06 | Hitachi Chem Co Ltd | リチウム二次電池 |
US6420070B1 (en) | 1997-09-19 | 2002-07-16 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Nonaqueous electrolyte secondary battery and its anode |
WO2004066419A1 (ja) * | 2003-01-22 | 2004-08-05 | Hitachi Maxell, Ltd. | リチウム二次電池用負極とその製造方法およびそれを用いたリチウム二次電池 |
CN100350653C (zh) * | 1996-08-08 | 2007-11-21 | 日立化成工业株式会社 | 石墨颗粒 |
JP2008010394A (ja) * | 2006-06-02 | 2008-01-17 | Toshiba Corp | 非水電解質電池、電池パック及び充電式掃除機 |
-
1994
- 1994-12-26 JP JP6323191A patent/JPH08180873A/ja not_active Abandoned
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100350653C (zh) * | 1996-08-08 | 2007-11-21 | 日立化成工业株式会社 | 石墨颗粒 |
US6420070B1 (en) | 1997-09-19 | 2002-07-16 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Nonaqueous electrolyte secondary battery and its anode |
JP2001185149A (ja) * | 1999-12-28 | 2001-07-06 | Hitachi Chem Co Ltd | リチウム二次電池 |
WO2004066419A1 (ja) * | 2003-01-22 | 2004-08-05 | Hitachi Maxell, Ltd. | リチウム二次電池用負極とその製造方法およびそれを用いたリチウム二次電池 |
JP2008010394A (ja) * | 2006-06-02 | 2008-01-17 | Toshiba Corp | 非水電解質電池、電池パック及び充電式掃除機 |
JP4580949B2 (ja) * | 2006-06-02 | 2010-11-17 | 株式会社東芝 | 非水電解質電池、電池パック及び充電式掃除機 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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