JPH11279986A - 高速塗工性に優れたポリビニルアルコール系紙コート剤 - Google Patents

高速塗工性に優れたポリビニルアルコール系紙コート剤

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JPH11279986A JP9524898A JP9524898A JPH11279986A JP H11279986 A JPH11279986 A JP H11279986A JP 9524898 A JP9524898 A JP 9524898A JP 9524898 A JP9524898 A JP 9524898A JP H11279986 A JPH11279986 A JP H11279986A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐水性などに優れていて、しかも剪断速度の
高い領域で塗工しても塗工性が損なわれず、被塗工面に
均一に塗工することのできる高速塗工性に優れたPVA
系紙コート剤を提供する。 【解決手段】 脂肪族ビニルエステルの重合の際に重合
機内の未反応脂肪族ビニルエステルもしくは重合媒体の
蒸気または重合機外部から導入された非凝縮性の気体に
より重合機内の圧力を大気圧より高い圧力にして、反応
液の温度を大気圧下での反応液の沸点温度より2〜80
℃以上高い温度で脂肪族ビニルエステルを重合して得ら
れた脂肪族ポリビニルエステルをケン化して得られるポ
リビニルアルコールを主成分とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速塗工性に優れ
たポリビニルアルコール系紙コート剤に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリビニルアルコール(以下、PVAと
略記する)は、工業的には脂肪族ビニルエステルをアル
コール溶媒中で大気圧下で重合し、得られた脂肪族ポリ
ビニルエステルをケン化して製造されている。PVAは
紙加工、繊維加工、フィルム、接着剤、各種無機材料の
バインダー、乳化安定剤などの多くの用途に使用されて
いる。中でも、PVAを含有する塗工液を紙に塗工し
て、紙の表面特性・印刷特性等を改質する方法は一般的
に行われており、特に、塗工表面の耐水性が要求される
場合には、ケン化度が96モル%以上のPVAを使用す
るのが通常である。
【0003】上記のような分野、特に微塗工紙の分野に
おいては、近年、生産性の向上を目的として塗工速度が
速くなってきており、ブレードコーターを一例にあげる
と、その塗工時に塗工液にかかる剪断速度は106s-1
たはそれ以上になっている。従来のPVAを含む水溶液
に106s-1以上の剪断速度を与えると、水溶液中のPV
Aは配向・結晶化する傾向があり、塗工面に均一に塗工
することが困難となってくる。このような問題を解決す
る方法としては、PVAの重合度を低くする、ケン化度
を低くする、イオン性基を導入する、疎水基を導入する
等の方法が考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ケン化
度を低くしたり、イオン性基、疎水性基を導入したPV
Aは、乾燥被膜の耐水性が低くかったり、乾燥速度が遅
い等の問題がある。また、重合度を低くしたPVAは被
膜強度が低く、塗工した紙の表面強度の改善効果が小さ
い等の欠点があり、高速塗工に適したPVAはないのが
現状である。
【0005】本発明は、かかる現状に鑑み、耐水性など
に優れていて、しかも剪断速度の高い領域で塗工しても
水溶液の塗工性が損なわれず、被塗工面に均一に塗工す
ることのできる高速塗工性に優れたPVA系紙コート剤
を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の高速塗工性に優
れたPVA系紙コート剤は、上記目的を達成するもので
あって、脂肪族ビニルエステルの重合の際に重合機内の
未反応脂肪族ビニルエステルもしくは重合媒体の蒸気ま
たは重合機外部から導入された非凝縮性の気体により重
合機内の圧力を大気圧より高い圧力にして、反応液の温
度を大気圧下での反応液の沸点温度より2℃以上高い温
度で脂肪族ビニルエステルを重合して得られた脂肪族ポ
リビニルエステルをケン化して得られるPVAを主成分
とすることを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。本発明で使用するPVAは、脂肪族ビニルエス
テルを重合する際、重合機内の未反応脂肪族ビニルエス
テルもしくは重合媒体の蒸気または重合機外部から導入
された非凝縮性の気体により重合機内の圧力を大気圧よ
り高い圧力にして、反応液の温度を大気圧下での反応液
の沸点温度より高い温度で脂肪族ビニルエステルを重合
し、得られた脂肪族ポリビニルエステルをケン化するこ
とにより得られるものである。
【0008】上記の脂肪族ビニルエステル類としては、
ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリ
ン酸ビニル、ステアリン酸ビニルなどが挙げられるが、
工業的には酢酸ビニルが望ましい。また、本発明の効果
を損なわない範囲で前記脂肪族ビニルエステルと共重合
可能な不飽和単量体と脂肪族ビニルエステルとの共重合
を行っても良い。脂肪族ビニルエステルと共重合可能な
不飽和単量体としては、例えばアクリル酸等の不飽和一
塩基酸またはその塩、マレイン酸、イタコン酸、フマル
酸等の不飽和二塩基酸またはその塩、あるいはマレイン
酸モノメチル、イタコン酸モノメチル等の不飽和二塩基
酸モノアルキルエステル類、(メタ)アクリル酸エステ
ル類、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、N−
メチロールアクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリド
ン等のアミド基含有単量体、ラウリルビニルエーテル、
ステアリルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテ
ル、アリルアルコール、ジメチルアリルアルコール、イ
ソプロペニルアリルアルコール等の水酸基含有単量体、
アリルアセテート、ジメチルアリルアセテート、イソプ
ロペニルアリルアセテート等のアセチル基含有単量体、
ビニルスルホン酸ソーダ、アクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸ソーダ等のビニルスルホン酸基含有
単量体、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン含有
単量体、スチレン等の芳香族系単量体を挙げることがで
きるが、これに限らない。
【0009】上記の脂肪族ビニルエステルを重合する重
合機は、重合機内の圧力を大気圧より高い圧力に保てる
ものであれば形式を問わず、攪拌装置も公知のものでよ
い。重合方式は、回分重合、半連続重合、連続重合のい
ずれでもよい。また、重合方法も塊状、溶液、懸濁、あ
るいは乳化重合法などの公知の方法でよいが、工業的に
は溶液重合が好ましい。重合媒体としては通常アルコー
ル類、水などが使用されるが、工業的にはメタノ−ルが
好ましい。重合開始剤としては特に制限はなく、通常ア
ゾ系化合物や過酸化物等が用いられる。
【0010】上記の重合に際して重合機内の圧力を大気
圧より高く保つ方法としては、例えば流量制御された
非凝縮性ガスを反応器内に導入し、所定の圧力となるよ
うに圧力調整装置(圧力制御バルブなど)により制御す
る方法、または重合熱または外部からの加熱により発
生する重合器内の未反応脂肪族ビニルエステルもしくは
重合媒体の蒸気により所定の圧力に昇圧し、重合機内の
圧力を所定圧力まで昇圧するのに要する以外の蒸気だけ
を内部除熱コイルまたは凝縮器により凝縮する等の方法
が考えられるが、これに限らない。また、反応器内に導
入する非凝縮性ガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴ
ン等を挙げることができる。
【0011】上記の重合反応温度は、大気圧下での反応
液の沸点温度よりも2〜80℃以上高いことが必要であ
る。重合反応温度は、好ましくは大気圧下での反応液の
沸点温度より5〜80℃高い温度である。重合反応液の
温度が大気圧下での反応液の沸点温度+2℃未満では水
溶液の高速塗工性の改善効果が少ない。また、重合反応
液の温度が大気圧下での反応液の沸点温度+80℃を超
える場合には重合反応速度の制御が困難になったり、重
合物の着色が起こったりして好ましくない。
【0012】上記の重合により得られたポリビニルエス
テルを、例えばメタノール等のアルコール類、酢酸メチ
ル、酢酸エチル等のエステル類とアルコール類との混合
溶媒中で、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸
化物やナトリウムメチラートなどのアルコラート等をケ
ン化触媒として用いた公知の方法によってケン化するこ
とによって本発明に使用するPVAが得られる。ケン化
物の乾燥、粉砕方法は特に制限はなく公知の方法で行わ
れる。PVAの重合度及びケン化度は特に制限はない
が、通常重合度が50〜4000、ケン化度が60モル
%以上のものが使用される。耐水性が要求される用途に
はケン化度が96モル%以上のものが好ましい。
【0013】上記のようにして得られたPVAは、一般
には通常のPVAと同様に水に溶解して紙コート剤とし
て使用される。また、本発明の紙コート剤には、必要に
応じて可塑剤、消泡剤、防カビ剤、帯電防止剤、界面活
性剤等の公知の添加剤を添加することもできる。さら
に、本発明の効果を損なわない範囲で、でんぷん類、C
MC、カラギーナンやアガロース−アガロペクチン、ア
ルギン酸ソーダ、キチン、キトサン等の多糖類、あるい
はSBR等の各種合成樹脂エマルジョン等の他のコート
剤と併用することができる。また、無機顔料、有機顔
料、染料、感熱発色組成物等を混合することも可能であ
る。
【0014】本発明の紙コート剤は各種の紙に塗工する
ことができ、例えば剥離紙原紙や情報処理用紙、一般上
質紙、中質紙、グラビア紙、新聞紙等の印刷用紙、マニ
ラボール、白ボール等の板紙などに好適に塗工すること
ができる。
【0015】かかる紙に紙コート剤を塗工する場合の水
溶液の濃度としては、固形物として30重量%以下、好
ましくは1〜20重量%が適当である。これを塗工する
にあたっては、ゲートロールコーター、サイズプレス、
エアナイフコーター、ブレードコーター等の公知の各種
の塗工機を使用する方法が採用される。本発明の紙用コ
ート剤の塗工量は、特に制限はないが、目的に応じて通
常0.01〜30g/m2程度塗工される。
【0016】本発明の紙コート剤が、一般のPVAを使
用した紙コート剤と比較して高速塗工に適している理由
については十分解明されているわけではないが、次のよ
うに推定される。即ち、本発明のようにして重合せしめ
た脂肪族ポリビニルエステルのケン化物は、高分子鎖中
に存在する1,2−グリコール結合の量および分子鎖分
岐の量が通常のPVAよりも適度に多いため、耐水性を
損なうことなく、水溶液の高速塗工性を改良すると思わ
れる。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。なお、得られたPVAの評価は以下の方法で
行った。 (1).1,2グリコール結合量 1,2グリコール部分を過ヨウ素酸で切断するときに要
する過ヨウ素酸の量をチオ硫酸ナトリウムで滴定して算
定した。 (2).カルボン酸末端量 電位差滴定法で測定した。
【0018】(3).耐水性 得られた紙コート剤をPETフィルム上に流延し、乾燥
温度60℃で3時間乾燥してフィルム厚さ100μmの
フィルムを作成した。得られたフィルムを40℃の温水
に24時間浸漬して浸漬前後のフィルムの乾燥重量から
不溶物分率を測定した。耐水性の評価は得られた不溶物
分率に基づき下記評価基準で行った。耐水性の評価基準 ○…不溶物分率が70%以上である。 ×…不溶物分率が70%未満である。
【0019】(4) 高速塗工性 得られた紙コート剤を用いて塗工紙を以下の方法で作成
した。紙コート剤(得られたPVAの6.5%水溶液)
をブレードコーターで塗工温度30℃、塗工速度120
0m/min、紙−ブレード間の隙間0.004mmと
して上質紙(坪量65g/m2)に塗工した。このときの
塗工液にかかる剪断速度は5×106 /Sとなる。塗工
後、80℃のドラム乾燥機で5分間乾燥した。得られた
塗工紙に塗工液が均一に塗られているかどうかの評価
は、塗工紙の塗工面に着色トルエンを刷毛で塗り、裏面
に抜けてくる着色トルエンのムラから判断した。 高速塗工性の評価基準 ○…裏抜けしない、または着色にムラがない。 ×…裏抜けが激しい、または着色にムラがある。
【0020】実施例1 酢酸ビニル86重量部、メタノール14重量部、アゾビ
スイソブチロニトリル0.004重量部からなる反応液
(大気圧下での沸点約60℃)を大気圧より高い圧力に
保持可能な回分式重合装置内に導入し、窒素の導入によ
り(反応時に発生する未反応酢酸ビニル、メタノールの
蒸気はすべて凝集させながら)内圧を2.0kg/cm2
に保持して反応液の温度80℃で重合した。重合時間2
40分で重合収率は60.1%であった。
【0021】得られたポリ酢酸ビニルをアルカリケン化
してケン化度98モル%のPVAを得た。得られたPV
A6.5%と水94.5%との紙コート剤を作成し、こ
れを用いて得られた塗工紙の物性を表1に示す。表1か
ら明らかなように、耐水性、高速塗工性が良好であっ
た。
【0022】実施例2 酢酸ビニル80重量部、メタノール20重量部、アゾビ
スイソブチロニトリル0.004重量部からなる反応液
(大気圧下での沸点約60℃)を窒素の導入により内圧
を1.5kg/cm2に保持した1段式連続重合装置に連
続的に導入し、反応液の温度を70℃にして連続的に重
合した。平均滞留時間が5時間のときの反応器出口の収
率は85%であった。
【0023】得られたポリ酢酸ビニルをアルカリケン化
してケン化度98モル%のPVAを得た。得られたPV
A6.5%と水94.5%との紙コート剤を作成し、こ
れを用いて得られた塗工紙の物性を表1に示す。表1か
ら明らかなように耐水性、高速塗工性が良好であった。
【0024】実施例3 酢酸ビニル85.0重量部、メタノール15.0重量
部、アゾビスイソブチロニトリル0.002重量部から
なる反応液(大気圧下での沸点約60℃)を2段式連続
重合装置の大気圧に開放された第1反応器に連続的に導
入し、大気圧下で重合温度60℃で重合した。その重合
液を窒素の導入により内圧を3.0kg/cm2に保持さ
れた第2反応器に連続的に導入し、反応液の温度を95
℃にして重合した。第1・第2反応器の合計の平均滞留
時間が6時間の時の第2反応器出口での収率は75%で
あった。
【0025】得られたポリ酢酸ビニルをアルカリケン化
してケン化度98モル%のPVAを得た。得られたPV
A6.5%と水94.5%との紙コート剤を作成し、こ
れを用いて得られた塗工紙の物性を表1に示す。表1か
ら明らかなように耐水性、高速塗工性が良好であった。
【0026】実施例4 酢酸ビニル75重量部、メタノール25重量部、アゾビ
スジメチルバレロニトリル0.005重量部からなる反
応液(大気圧下での沸点約60℃)を3段式連続重合装
置の大気圧に開放された第1反応器に導入し、大気圧下
で重合温度60℃で重合した。その重合液を大気圧に開
放された第2反応器に導入し、大気圧下で重合温度60
℃でさらに重合した。その重合液を窒素の導入により4
kg/cm2に保持した第3反応器に導入し、反応液の温
度を105℃にして重合した。第1・第2・第3反応器
合計の平均滞留時間が8時間の時の第3反応器出口での
収率は83%であった。
【0027】得られたポリ酢酸ビニルをアルカリケン化
してケン化度98モル%のPVAを得た。得られたPV
A6.5%と水94.5%との紙コート剤を作成し、こ
れを用いて得られた塗工紙の物性を表1に示す。表1か
ら明らかなように耐水性、高速塗工性が良好であった。
【0028】比較例1 大気に開放した反応器を用い、アゾビスイソブチロニト
リルを0.15重量部添加したこと以外は実施例1と同
様の方法で重合した。ポリ酢酸ビニルの重合収率62.
5%であった。
【0029】得られたポリ酢酸ビニルをアルカリケン化
してケン化度98モル%のPVAを得た。得られたPV
A6.5%と水94.5%との紙コート剤を作成し、こ
れを用いて得られた塗工紙の物性を表1に示す。表1か
ら明らかなように高速塗工性が悪かった。
【0030】比較例2 反応器内を窒素の導入によりわずかに加圧して1.1k
g/cm2の圧力とし、重合温度を62℃とし、アゾビス
イソブチロニトリルを0.15重量部添加したこと以外
は、実施例2と同様の方法で重合した。ポリ酢酸ビニル
の重合収率は62.5%であった。
【0031】得られたポリ酢酸ビニルをアルカリケン化
してケン化度98モル%のPVAを得た。得られたPV
A6.5%と水94.5%との紙コート剤を作成し、こ
れを用いて得られた塗工紙の物性を表1に示す。表1か
ら明らかなように高速塗工性が悪かった。
【0032】比較例3 反応器内を窒素の導入により12.5kg/cm2に加圧
したこと以外は、実施例2と同様の方法で重合した。重
合温度は150℃で、ポリ酢酸ビニルの重合収率は8
8.5%であった。
【0033】得られたポリ酢酸ビニルをアルカリケン化
してケン化度98モル%のPVAを得た。得られたPV
A6.5%と水94.5%との紙コート剤を作成し、こ
れを用いて得られた塗工紙の物性を表1に示す。表1か
ら明らかなように高速塗工性は良好であったが、耐水性
が悪かった。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、耐水性などに優れていて、しかも剪断速度の
高い領域で塗工しても塗工性が損なわれず、被塗工面に
均一に塗工することのできる高速塗工性に優れたPVA
系紙コート剤を提供することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪族ビニルエステルの重合の際に重合
    機内の未反応脂肪族ビニルエステルもしくは重合媒体の
    蒸気または重合機外部から導入された非凝縮性の気体に
    より重合機内の圧力を大気圧より高い圧力にして、反応
    液の温度を大気圧下での反応液の沸点温度より2〜80
    ℃以上高い温度で脂肪族ビニルエステルを重合して得ら
    れた脂肪族ポリビニルエステルをケン化して得られるポ
    リビニルアルコールを主成分とすることを特徴とする高
    速塗工性に優れたポリビニルアルコール系紙コート剤。
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