JPH11269372A - 二液硬化型ウレタン組成物及び接着剤 - Google Patents

二液硬化型ウレタン組成物及び接着剤

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JPH11269372A
JPH11269372A JP7547598A JP7547598A JPH11269372A JP H11269372 A JPH11269372 A JP H11269372A JP 7547598 A JP7547598 A JP 7547598A JP 7547598 A JP7547598 A JP 7547598A JP H11269372 A JPH11269372 A JP H11269372A
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compound
urethane
acid
oxazolidine
urethane composition
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JP7547598A
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Yasuhiro Takada
泰廣 高田
Masato Fujii
正人 藤井
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、主剤、硬化剤混合後速やか
に強い粘着性が発現し、その粘着性の保持時間が長く、
且つ最終の接着強度に優れた二液硬化型ウレタン組成物
及びそれを用いた接着剤にある。 【解決手段】 本発明は、(A)末端にイソシアネート
基を2個以上有するウレタンプレポリマーを主成分とす
る主剤と、(B)潜在性架橋剤及び(C)活性水素化合
物を主成分とする硬化剤とからなり、少なくとも一方に
(D)正燐酸エステル化合物を含むことを特徴とする二
液硬化型ウレタン組成物及び接着剤を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主剤、硬化剤混合
後速やかに強い粘着性が発現し、その粘着性の保持時間
が長く、且つ最終の接着強度に優れた二液硬化型ウレタ
ン組成物及びそれを用いた接着剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタン組成物はイソシアネート末
端ウレタンプレポリマーを主成分とする主剤とポリオー
ル、アミン等活性水素化合物を主成分とする硬化剤を混
合し、硬化させる二液硬化型ウレタンとイソシアネート
末端ウレタンプレポリマーが、空気中の水分又は水分に
よって解離、発生したアミン化合物と反応硬化する一液
反応型ウレタンに大きく分類することができる。
【0003】このうち二液硬化型ウレタンは、主剤と硬
化剤を計量、混合する手間があるものの一液型に比べて
低価格であり、塗膜厚みによる硬化時間の差が少ない等
の理由でコーティング材、シーリング材、接着剤等の分
野で依然幅広く使われている。しかし二液硬化型ウレタ
ンは可使時間の制約が大きく、特に接着剤分野において
は、粘着性の発現時間と保持時間のバランスが取りにく
いことが問題点として指摘されている。例えば土木建築
施工時、接着剤の粘着性で部材を仮留めし最終的に強固
に接着させる様な場合には、粘着性の発現が速くかつそ
の保持時間が長いもの、つまり作業可能時間が長いもの
が望まれる。しかし、主剤と硬化剤の反応性を高め短時
間で粘着性を発現させようとすると、塗膜表面の乾燥
(タックフリー)も速まるため粘着性の保持時間が短
く、また逆に粘着性の保持時間を長くすると、粘着性の
発現が遅くなってしまい十分な作業時間が確保できな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、通常
の二液硬化型ウレタンに加え潜在性架橋剤および正燐酸
エステル化合物を必須成分とすることにより、主剤、硬
化剤混合後速やかに強い粘着性が発現し、その粘着性の
保持時間が長く、且つ最終の接着強度に優れた二液硬化
型ウレタン組成物及びそれを用いた接着剤を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、二液硬化
型ウレタンの上記の課題を解決するために鋭意研究の結
果、(A)末端にイソシアネート基を2個以上有するウ
レタンプレポリマーを主成分とする主剤と、(B)潜在
性架橋剤及び(C)活性水素化合物を主成分とする硬化
剤からなり、少なくとも一方に(D)正燐酸エステル化
合物を用いることにより、これらの課題を解決しうるこ
とを見い出し本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、(A)末端にイソシアネ
ート基を2個以上有するウレタンプレポリマーを主成分
とする主剤成分と、(B)潜在性架橋剤及び(C)活性
水素化合物を主成分とする硬化剤、及び少なくとも一方
に(D)正燐酸エステル化合物を必須成分とすること、
好ましくは潜在性架橋剤(B)が水分により第1級また
は第2級アミノ基を生成するブロックアミン化合物であ
ること、好ましくはそのブロックアミン化合物が分子中
に1個以上のオキサゾリジン環を有する化合物であるこ
と、更に好ましくはオキサゾリジン環を有する化合物が
N−2−ヒドロキシアルキルオキサゾリジン(b2)ま
たは/及び末端にイソシアネート基を2個以上有するイ
ソシアネート化合物(b1)とN−2−ヒドロキシアル
キルオキサゾリジン(b2)とを反応させて得られる末
端にオキサゾリジン基を有するウレタンオキサゾリジン
化合物(b3)であること、好ましくは正燐酸エステル
化合物(D)が、アルキル系燐酸エステル化合物である
こと、好ましくは正燐酸エステル化合物(D)が、塩素
化燐酸エステル化合物であることを特徴とする二液硬化
型ウレタン組成物及びこの組成物からなる接着剤に関す
るものである。
【0007】以下に本発明を更に説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で使用される末端にイソシ
アネート基を2個以上有するウレタンプレポリマー
(A)は、有機ポリイソシアネート(a1)とポリオー
ル(a2)とをポリイソシアネートの過剰のもとで常法
により調製されるウレタンプレポリマーである。
【0009】有機ポリイソシアネート(a1)として
は、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリ
レンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、一部をカルボジイミド化されたジフェニルメタン
ジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソ
シアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジ
イソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイ
ソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、シクロヘキサンジイソシアネート等の芳香族ジイソ
シアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシ
アネート1種又は2種以上の混合物が挙げられる。
【0010】又、ポリオール(a2)とは、ポリエーテ
ルポリオール、ポリエステルポリオール、その他のポリ
オール及びこれらの混合ポリオールである。例えば、複
合金属シアン化合物錯体を触媒として製造されたポリオ
ールも含まれる。
【0011】ポリエーテルポリオールとしては、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメ
チロールプロパン、グルコース、ソルビトール、シュー
クローズ等の多価アルコールの1種又は2種以上にプロ
ピレンオキサイド、エチレンオキサイド、ブチレンオキ
サイド、スチレンオキサイド等の1種又は2種以上を付
加して得られるポリオール及びポリオキシテトラメチレ
ンポリオール等が挙げられる。
【0012】ポリエステルポリオールとしては、例えば
エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジ
オール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロ
ヘキサンジメタノール、グリセリン、トリメチロールプ
ロパンあるいはその他の低分子ポリオールの1種又は2
種以上とグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリ
ン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ダイ
マー酸、水添ダイマー酸あるいはその他の低分子ジカル
ボン酸やオリゴマー酸の1種又は2種以上との縮合重合
体及びプロピオラクトン、カプロラクトン、バレロラク
トン等の開環重合体等が挙げられる。
【0013】その他のポリオールとしては、例えばポリ
カーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、
水素添加されたポリブタジエンポリオール、アクリルポ
リオール等が挙げられる。又、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピ
レングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、
ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールグリセ
リン、トリメチロールプロパン、グルコース、ソルビト
ール、シュークローズ等の低分子ポリオールも挙げられ
る。
【0014】本発明の潜在性架橋剤(B)とは、活性水
素化合物の活性水素を種々の手法でマスクし、吸湿によ
り加水分解を伴って活性水素が生成するポリオール型、
ケチミン、エナミン、アルジミン、オキサゾリジン型の
化合物が単体、または混合系で使用される。好ましくは
水分により第1級または第2級アミノ基を生成するブロ
ックアミン化合物であり、例えばアルジミン、ケチミ
ン、エナミン、オキサゾリジン等化合物が挙げられる。
さらに好ましくは、少なくとも1個の第1級または第2
級アミノ基を有し、かつ第1級または第2級アミノ基、
ヒドロキシル基などの活性水素を有する化合物とアルデ
ヒド類もしくはケトン類との縮合物、この縮合物と前述
の有機ポリイソシアネートまたは末端イソシアネート基
のウレタンプレポリマーを反応させて得られる末端にケ
チミン基やオキサゾリジン基を有する化合物が挙げられ
る。
【0015】前述の少なくとも1個の第1級または第2
級アミノ基を有し、かつ第1級または第2級アミノ基、
ヒドロキシル基などの活性水素を有する化合物として
は、第1級アミノ基とヒドロキシル基とを有する化合
物、第2級アミノ基とヒドロキシル基とを有する化合
物、第1級アミノ基と第2級アミノ基とを有する化合
物、第1級アミノ基・第2級アミノ基およびヒドロキシ
ル基を有する化合物、2個の第1級アミノ基を有する化
合物、2個の第2級アミノ基を有する化合物、第2級ア
ミノ基と2個のヒドロキシル基とを有する化合物等を挙
げることができ具体的には、エタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、ジプロパノールアミン、ヘキサノールア
ミン、ジエチレントリアミン、2−(2−アミノエトキ
シ)エタノール、N−(2−アミノエチル)ピペラジ
ン、ω−ヒドロキシヘキシルアミン、N−メチル−1,
6−ヘキサンジアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)
エチレンジアミン、3−アミノエチルピペリジン、N−
(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、1−アミノ−3
−アミノメチル−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ
ン、N−(メチルアミノエチル)ピペラジン、アニリ
ン、トルイジン、キシリジン、イソホロンジアミン、ジ
アミノシクロヘキサン、ジアミノジフェニルメタン、キ
シリレンジアミン、ジアミノベンゼン、ジアミノメチル
ノルボナン、ジアミノメチルビシクロヘプタン等を挙げ
ることができる。
【0016】また、ケトン類、アルデヒド類としては、
例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、メチ
ルヘプテノン、シクロヘキサノン、イソホロン、アセト
フェノン、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロ
ピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、トリメチルアセ
トアルデヒド、バレロアルデヒド、アクロレイン、クロ
トンアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド等を
挙げることができる。アルジミン、ケチミン、エナミ
ン、オキサゾリジン等ブロックアミン化合物の合成は公
知の反応方法で行うことができる。
【0017】この中で好ましく用いられるものはブロッ
クアミン化合物(B)が、分子中にオキサゾリジン環を
有する化合物であり、米国特許第4,138,545号明細書に
記載されている様に、ポリカルボン酸の低級アルキルエ
ーテルとオキサゾリジンの反応、ポリオールとオキサゾ
リジンのエステル交換反応、特開平5−117252号
公報記載のようなカーボネート存在下でのエステル交換
反応、特開平6−293821号公報記載のようなウレ
タンプレポリマーとオキサゾリジン化合物の反応等によ
って得られる。
【0018】この中で好ましく用いられるものはブロッ
クアミン化合物(B)が、N−2−ヒドロキシアルキル
オキサゾリジン(b2)または/及び末端にイソシアネ
ート基を2個以上有するイソシアネート化合物(b1)
と、N−2−ヒドロキシアルキルオキサゾリジン(b
2)とを反応させて得られる末端にオキサゾリジン基を
有するウレタンオキサゾリジン化合物(b3)である。
【0019】イソシアネート化合物(b1)としては、
ウレタンプレポリマー(A)及び/または有機ポリイソ
シアネート(a1)を用いることができる。
【0020】N−2−ヒドロキシアルキルオキサゾリジ
ン(b2)は、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデ
ヒド、プロピルアルデヒド、ブチルアルデヒド、ベンズ
アルデヒド等のアルデヒド類と例えばジエタノールアミ
ン、ジプロパノールアミン等のジヒドロキシアルキルア
ミン類との公知の縮合反応により得られる化合物であ
る。
【0021】ウレタンオキサゾリジン化合物(b3)に
おいては、イソシアネート化合物(b1)とN−2−ヒ
ドロキシアルキルオキサゾリジン(b2)の反応比を、
NCO/OH=1.2以下とすることが好ましく、更に
NCO/OH=1.1以下が好ましい。NCO/OH=
1.2を越えると残存イソシアネート基と硬化剤成分中
の活性水素化合物(C)との反応により粘度上昇が大き
くなる。
【0022】活性水素化合物(C)としては、ポリオー
ル又は/及びアミン化合物を用いることができる。ポリ
オールとしては、先に述べたポリエーテルポリオール、
ポリエステルポリオール、その他のポリオール及びこれ
らの混合ポリオールを用いることができ、アミン化合物
としてはメチレンビスオルソクロロアニリン(以下MB
OCAと略す)をはじめとしてジエチルトルエンジアミ
ン、メチルビス(メチルチオ)ベンゼンジアミン、4、
4’ービスー(セカンダリーブチルアミノ)ジフェニル
メタン、4、4’ービスー(メチルアミノ)ジフェニル
メタン等公知の一級叉は二級の芳香族アミン化合物を用
いることができる。
【0023】硬化剤成分中の水分により第1級または第
2級アミノ基を生成するブロックアミン化合物(B)と
活性水素化合物(C)の含有比は活性水素当量の比が8
/2〜0.5/9.5の範囲が好ましく、6/4〜1.5/8.5の
範囲が更に好ましい。8/2を越えると硬化速度が空気
中の水分量の影響を強く受けたり、厚塗り時に塗膜内部
の硬化速度が低下する傾向が特に強くなるし、0.5/9.5
未満では本発明の効果が充分に発揮できない。
【0024】主剤と硬化剤の配合比はイソシアネート基
と活性水素基の比が0.5/1〜2/1の範囲が好まし
い。イソシアネート基と活性水素基の比が0.5/1未満
であると粘着性の発現は速くなるが、タックフリーも速
く十分な作業時間が確保されないことに加え、機械特
性、耐久性が低下し、逆に2/1を越えると粘着性の発
現が遅く、場合によっては発泡し好ましくない。
【0025】本発明の正燐酸エステル化合物(D)と
は、大別してアルキル系燐酸エステル(非ハロゲンタ
イプ、含ハロゲンタイプ)、芳香族系燐酸エステル、
縮合燐酸エステル(非ハロゲンタイプ、含ハロゲンタ
イプ)が挙げられるが、土木建築の現場施工を想定する
と常温で液状であり、より低粘度である、の使用が
好ましい。具体的には、としては、トリブチルホスフ
ェートやトリ−2−エチルヘキシルホスフェートなどの
トリアルキルホスフェート、トリス(クロロプロピル)
ホスフェート、トリス(クロロエチル)ホスフェートな
どの塩素化燐酸エステル化合物が挙げられる。として
は、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフ
ェート、クレジルジフェニルホスフェート、2−エチル
ヘキシルジフェニルホスフェートなどが挙げられる。更
に好ましくはであり、同一添加量であればリン含有率
が高い燐酸エステル化合物ほど効果が大きく、同一リン
含有率でも塩素化された燐酸エステル化合物ほど効果的
である。
【0026】正燐酸エステル化合物(D)の添加量は、
ウレタンプレポリマー(A)、潜在性架橋(B)及び活
性水素化合物(C)の合計100重量部に対し、5〜1
00重量部が好ましい。5重量部未満であると粘着性の
保持時間が短く、また100重量部を超えると粘着性の
発現が遅いことに加え、機械特性、耐久性が低下し好ま
しくない。
【0027】本発明の組成物の用途は、プラスチック床
材等建築物内装材の接着剤、屋上防水シートの接着剤、
タイル、シートの接着剤等の土木・建築用をはじめ、車
両用及びラミネーション用等の接着剤として利用でき
る。
【0028】本発明の組成物は、これらの用途で使用す
る際に主剤または/及び硬化剤中に必要に応じて酸、溶
剤、無機充填剤、小量のプロセスオイル、可塑剤、揺変
剤、体質顔料、耐侯性の維持向上のための紫外線防止
剤、安定剤等各種添加剤、触媒などを含んでいてもよ
い。
【0029】本発明の硬化性を促進する目的で酸、公知
のウレタン用触媒を添加することが出来る。酸は主剤、
硬化剤のいずれか叉は両方に配合することが可能であ
り、好ましくは無機酸、有機酸およびそれらの無水物、
エステル、酸性塩類の群から選ばれる1種又は2種以上
が使用される。例えば、塩酸、硝酸、硫酸、燐酸、珪
酸、アルミン酸、オクチル酸、過塩素酸、蟻酸、酢酸、
クロロ酢酸、プロピオン酸、カプロン酸、シュウ酸、コ
ハク酸、アジピン酸、マレイン酸、フタル酸、安息香
酸、サリチル酸酸性燐酸エステルなど、またはそれらの
無水物、エステル類、酸性塩類などが挙げられる。また
三級アミン、有機金属化合物等公知のウレタン用触媒は
硬化剤に配合することが望ましい。
【0030】溶剤としては、トルエン、キシレン、ター
ペン、酢酸エチル、アセトン、ナフテン、パラフィン等
の通常のウレタン用溶剤が使用できる。プロセスオイル
としては石油精製で得られる通常の高沸点オイル等が使
用できる。
【0031】揺変剤は、表面処理炭酸カルシウム、ポリ
塩化ビニルパウダー、微粉末シリカ、ベントナイト等が
あげられる。このほか本発明の組成物には石油系高沸点
芳香族系留分,石油樹脂等を混合しても良い。
【0032】可塑剤とは、例えばジブチルフタレート、
ジオクチルフタレート、ジノニルフタレート、ジイソデ
シルフタレート、ジトリデシルフタレート、ジウンデシ
ルフタレート、ジブチルアジペート、ジオクチルアジペ
ート、ジイソデシルアジペート、ジオクチルアゼレー
ト、ジオクチルセバケート、トリ−(2−エチルヘキシ
ル)トリメリテート、トリイソオクチルトリメリテー
ト、トリイソデシルトリメリテート等のエステル系可塑
剤等公知の公知のウレタン用可塑剤を用いることができ
る。
【0033】安定剤としては、例えば、酸化防止剤、紫
外線吸収剤等が挙げられる。
【0034】無機充填剤としては、例えば炭酸カルシウ
ム、酸化カルシウム、クレー、タルク、マイカ、酸化チ
タン、水酸化カルシウム、硫酸アルミニウム、カオリ
ン、ゼオライト、硅そう土、ガラスバルーン等の無機化
合物の粉粒体が挙げられる。このほか本発明の組成物に
は石油系高沸点芳香族系留分,石油樹脂等を混合しても
良い。
【0035】
【実施例】次に、本発明を、実施例、比較例により詳細
に説明するが本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。以下において部および%は特に断りのない限
り、すべて重量基準であるものとする。
【0036】<(A)成分の合成> (ウレタンプレポリマーの作製例1)分子量2000の
ポリプロピレンエーテルジオール1000gと分子量2
000のポリエステルジオール(1,4−ブタンジオー
ル/アジピン酸系)200gにネオペンチルグリコール
を187.7g、ジオクチルフタレートを347g均一
に溶解させた後、2,4−トリレンジイソシアネート8
35.7g、すなわちNCO/OHの当量比2.0にて
窒素気流下で80℃にて25時間フラスコ中で攪拌しな
がら反応させNCO%が7.85%のウレタンプレポリ
マー(A−1)を得た。
【0037】<B成分の合成> (ブロックアミン化合物の作製例1)ウレタンプレポリ
マー(A−1)1000gと2ーイソプロピル3(2ヒ
ドロキシエチル)1,3オキサゾリジン(以下H−OX
Zと略)327.3g、すなわちNCO/OHの当量比
1.1にて窒素気流下で60℃にて48時間フラスコ中
で攪拌しながら反応させ、ウレタンオキサゾリジンプレ
ポリマー(B−1)を得た。本組成物のGPCを測定し
た結果、残存しているH−OXZの含有率は1%以下で
あることを確認した。
【0038】(ブロックアミン化合物の作製例2)テト
ラメチレンジアミン100gとp−トルアルデヒド35
0gを蟻酸、トルエン存在下で95℃で水を留去しなが
ら10時間反応後、残存した水、未反応のp−トルアル
デヒド及びトルエンを加熱減圧除去し、アミン価380
mgKOH/gのジアルジミン(B−2)を得た。
【0039】<硬化剤の配合>密閉型プラネタリーミキ
サー中で下表に示す化合物を加え、均一に混合した後、
脱泡して硬化剤を得た。尚、炭酸カルシウムは120℃
で5時間減圧乾燥し、水分を0・05%以下に調整した
ものを用いた。
【0040】D成分は主剤もしくは硬化剤の何れに配合
しても良い。また、すべての実施例および比較例におい
て組成物中の粉体成分/液状成分比=100/167に
統一した。
【0041】[試験方法] (混合粘度)主剤、硬化剤を所定割合で混合後、直ちに
プラスチック容器に100g採取し、25℃雰囲気下で
混合1分後の粘度をBH型回転粘度計で10回転の粘度
を測定した。
【0042】(粘着性発現時間)温度20℃×湿度50
%の条件下において、主剤、硬化剤を所定割合で混合し
たものをコンクリート舗道板上に櫛目ごて(櫛目山高さ
3mm)にて350g/m2塗布後、所定時間毎に50mm×50mm
×25mmのコンクリートブロックを貼り付け、その試験片
の水平方向のズリ抵抗力が1Kgf/25cm2を越える時間を
粘着性発現時間とする。
【0043】(粘着性保持時間)温度20℃×湿度50
%の条件下において、主剤、硬化剤を所定割合で混合し
たものをコンクリート舗道板上に櫛目ごて(櫛目山高さ
3mm)にて350g/m2塗布後、所定時間毎に50mm×50mm
×25mmのコンクリートブロックを貼り付け、再度その試
験片を剥離した際にコンパウンドが試験片の裏面に付着
しなくなる時間を粘着性保持時間とする。
【0044】(作業可能時間) (粘着性保持時間)−(粘着性発現時間)を作業可能時
間とする。
【0045】(引張強度)常態接着性(養生7日)の評
価を以下のように行った。
【0046】<試験片の調製>温度20℃×湿度50%
の条件下において、主剤、硬化剤を所定割合で混合した
ものをコンクリート舗道板上に櫛目ごて(櫛目山高さ3
mm)にて350g/m2塗布し、15分間放置後、50mm×50
mm×25mmのコンクリートブロックを貼り付け、7日間養
生を行い試験片を調製した。
【0047】<単軸引張試験>建研式単軸引張試験機を
用い試験片の引張強度を測定した。
【0048】表1〜4に配合条件及び試験結果を示し
た。
【0049】[実施例1〜4、9]何れにおいても、主
剤、硬化剤(D成分は何れかに配合)混合後速やかに粘
着性が発現し、またその粘着性保持時間が長いため、作
業時間を長く確保できる。尚、ほぼ同一のリン含有率を
有する正燐酸エステル化合物を比較すると、TMCPP>TOP
>TCPの順に作業時間が長くなった。
【0050】[実施例5、6]実施例5においてイソシ
アネート基(A成分)と活性水素基(B+C成分)の当
量比が2.0に近づくと粘着性の発現が若干遅くなり、
実施例6において同当量比が0.5に近づくと粘着性の
発現は速くなるが、粘着性の保持時間も短くなり作業時
間が短くなる傾向にある。
【0051】[実施例7、8]実施例7において潜在性
架橋剤(B成分)と活性水素化合物(C成分)の当量比
が8/2に近づくと粘着性の発現が若干遅くなり、実施
例8において同当量比が0.5/9.5に近づくと粘着性の発
現は速くなるが、粘着性の保持時間も短くなり作業時間
が短くなる傾向にある。
【0052】[比較例1、2]何れも潜在性架橋剤を含
有しないため、粘着性の発現は速くなるが、粘着性の保
持時間も短くなり作業時間が非常に短い。
【0053】[比較例3]正燐酸エステル化合物(D成
分)を含有しないため、粘着性の発現は速くなるが、粘
着性の保持時間も短くなり作業時間が非常に短い。
【0054】
【表1】 [配合条件及び試験結果] 注) DETDA :ジエチルトルエンジアミン 炭カル NS-200 :日東粉化製 重質炭酸カルシウム 炭カル CCR :白石カルシウム製 脂肪酸表面処理炭酸カルシウム PPG3000 :平均分子量3000のポリプロピレンエーテルジオール TMCPP :トリス(クロロプロピル)ホスフェート(リン含有率9.3%) TOP :トリオクチルホスフェート(リン含有率7.1%) TCP :トリクレジルホスフェート(リン含有率8.4%)
【0055】
【表2】 [配合条件及び試験結果] 注) DETDA :ジエチルトルエンジアミン 炭カル NS-200 :日東粉化製 重質炭酸カルシウム 炭カル CCR :白石カルシウム製 脂肪酸表面処理炭酸カルシウム PPG3000 :平均分子量3000のポリプロピレンエーテルジオール TMCPP :トリス(クロロプロピル)ホスフェート(リン含有率9.3%)
【0056】
【表3】 [配合条件及び試験結果] 注) DETDA :ジエチルトルエンジアミン 炭カル NS-200 :日東粉化製 重質炭酸カルシウム 炭カル CCR :白石カルシウム製 脂肪酸表面処理炭酸カ
ルシウム PPG3000 :平均分子量3000のポリプロピレンエ
ーテルジオール TMCPP :トリス(クロロプロピル)ホスフェート
(リン含有率9.3%)
【0057】
【表4】 [配合条件及び試験結果] 注) DETDA :ジエチルトルエンジアミン 炭カル NS-200 :日東粉化製 重質炭酸カルシウム 炭カル CCR :白石カルシウム製 脂肪酸表面処理炭酸カルシウム PPG3000 :平均分子量3000のポリプロピレンエーテルジオール TMCPP :トリス(クロロプロピル)ホスフェート(リン含有率9.3%)
【0058】
【発明の効果】本発明は、通常の二液硬化型ウレタンに
加え潜在性架橋剤および正燐酸エステル化合物を必須成
分とすることにより、主剤、硬化剤混合後速やかに強い
粘着性が発現し、その粘着性の保持時間が長く、且つ最
終の接着強度に優れた二液硬化型ウレタン組成物及びそ
れを用いた接着剤を提供することにある。
【0059】本発明は、無溶剤系であるため土木建築の
工事用、建築材料製造用をはじめ室内作業現場での使用
に好適であり、更に木工用、繊維関連用、車両関連用、
フィルムラミネーション用の樹脂として工業上有用であ
り、安全衛生的観点からも有用である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)末端にイソシアネート基を2個以
    上有するウレタンプレポリマーを主成分とする主剤と、
    (B)潜在性架橋剤及び(C)活性水素化合物を主成分
    とする硬化剤とからなり、少なくとも一方に(D)正燐
    酸エステル化合物を含むことを特徴とする二液硬化型ウ
    レタン組成物。
  2. 【請求項2】 (B)潜在性架橋剤が、水分により第1
    級または第2級アミノ基を生成するブロックアミン化合
    物であることを特徴とする請求項1記載のウレタン組成
    物。
  3. 【請求項3】 ブロックアミン化合物が、分子中に1個
    以上のオキサゾリジン環を有する化合物であることを特
    徴とする請求項2記載のウレタン組成物。
  4. 【請求項4】 ブロックアミン化合物が、N−2−ヒド
    ロキシアルキルオキサゾリジン(b2)または/及び末
    端にイソシアネート基を2個以上有するイソシアネート
    化合物(b1)と、N−2−ヒドロキシアルキルオキサ
    ゾリジン(b2)とを反応させて得られる末端にオキサ
    ゾリジン基を有するウレタンオキサゾリジン化合物(b
    3)であることを特徴とする請求項2記載のウレタン組
    成物。
  5. 【請求項5】 正燐酸エステル化合物(D)が、アルキ
    ル系燐酸エステル化合物であることを特徴とする請求項
    1〜4いずれか記載のウレタン組成物。
  6. 【請求項6】 正燐酸エステル化合物(D)が、塩素化
    燐酸エステル化合物であることを特徴とする請求項1〜
    5いずれか記載のウレタン組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6いずれか記載の組成物から
    なる接着剤。
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