JPH11167858A - 冷電子放出素子及びその製造方法 - Google Patents

冷電子放出素子及びその製造方法

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JPH11167858A
JPH11167858A JP7815698A JP7815698A JPH11167858A JP H11167858 A JPH11167858 A JP H11167858A JP 7815698 A JP7815698 A JP 7815698A JP 7815698 A JP7815698 A JP 7815698A JP H11167858 A JPH11167858 A JP H11167858A
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layer
conductive layer
thin film
forming
gate electrode
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JP7815698A
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Shusuke Gamo
秀典 蒲生
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 動作電圧を上昇させることなく局所的な大電
流を抑えるとともに電流変動を最小限に低減でき、且つ
低コスト化大面積化の容易なガラス基板上に形成でき
る、電界放射型の電子放出素子を提供することを目的と
する。 【解決手段】 絶縁性基板1上に第1の導電層2、絶縁
層5及びゲート電極7が順次積層され、該ゲート電極7
と絶縁層5とには開口部Bが設けられ、その開口部B内
にエミッタ8が該ゲート電極7に接触しないように形成
されてなる電界放射型の冷電子放出素子において: エ
ミッタ8を金属または金属酸化物もしくは金属窒化物か
ら構成し; 第2の導電層3を、第1の導電層2と互い
に直接接触しないように絶縁性基板1上に設け; 非単
結晶シリコンからなる半導体薄膜層4を、少なくとも第
1の導電層2と第2の導電層3との間の絶縁性基板1上
に設け; そして、第3の導電層6を第1の導電層2及
び第2の導電層3と互いに接触しないようにゲート絶縁
層5′を介して半導体薄膜層4の上又は下に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強電界によって冷
電子を放出する電界放射型の冷電子放出素子及びその製
造方法に関する。より詳しくは、光プリンタ、電子顕微
鏡、電子ビーム露光装置などの電子発生源や電子銃とし
て、あるいは照明ランプの超小型照明源として、特に、
平面ディスプレイを構成するアレイ状のFEA(Field E
mitter Array)の電子発生源として有用な冷電子放出素
子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子ディスプレイデバイスとして
陰極線管が広く用いられているが、陰極線管は、電子銃
のカソードから熱電子を放出させるためにエネルギー消
費量が大きく、また、構造的に大きな容積を必要とする
などの問題があった。
【0003】このため、熱電子ではなく冷電子を利用で
きるようにして、全体としてエネルギー消費量を低減さ
せ、しかも、デバイス自体を小形化した平面型のディス
プレイが求められ、更に、近年では、そのような平面型
ディスプレイに高速応答性と高解像度とを実現すること
も強く求められている。
【0004】このような冷電子を利用する平面型ディス
プレイの構造としては、高真空の平板セル中に、微小な
電子放出素子をアレイ状に配したものが有望視されてい
る。そして、そのために使用する電子放出素子として、
電界放射現象を利用した電界放射型の冷電子放出素子が
注目されている。この電界放射型の冷電子放出素子は、
物質に印加する電界の強度を上げると、その強度に応じ
て物質表面のエネルギー障壁の幅が次第に狭まり、電界
強度が107V/cm以上の強電界となると、物質中の
電子がトンネル効果によりそのエネルギー障壁を突破で
きるようになり、そのため物質から電子が放出されると
いう現象を利用している。この場合、電場がポアッソン
の方程式に従うために、電子を放出する部材(エミッ
タ)に電界が集中する部分を形成すると、比較的低い引
き出し電圧で効率的に冷電子の放出を行うことができ
る。
【0005】このような電界放射型の冷電子放出素子の
一般的なものとしては、図6に示すように、先端が尖っ
た円錐形の冷電子放出素子を例示することができる。こ
の素子においては、絶縁性基板61上に導電層62、絶
縁層63及びゲート電極64が順次積層されており、そ
の絶縁層63及びゲート電極64には、導電層62に達
する開口部Bが形成されている。そして、その開口部B
内の導電層62上には、ゲート電極64に接触しないよ
うに、点状突起を有する円錐形状のエミッタ65が形成
されている。
【0006】このような円錐形エミッタでは、スピント
型エミッタが広く知られている。
【0007】スピント型エミッタを備えた冷電子放出素
子の製造例を、図7(a)〜(d)を参照しながら説明
する。
【0008】まず、図7(a)に示すように、予め導電
層72が形成された絶縁性基板71上に、絶縁層73及
びゲート電極74をスパッタ法又は真空蒸着法等により
順次成膜する。続いて、フォトリソグラフィー法と反応
性イオンエッチング法(RIE)とを利用して絶縁層7
3及びゲート電極74の一部を、導電層72が露出する
まで円形の孔(ゲート孔)が開口するようにエッチング
する。
【0009】次に、図7(b)に示すように、斜方蒸着
によりリフトオフ材75をゲート電極74の上面と側面
にのみ形成する。リフトオフ材75の材料としては、A
l、MgO等が多く使用されている。
【0010】続いて、図7(c)に示すように、導電層
72上に、その垂直な方向から通常の異方性蒸着によ
り、エミッタ76用の金属材料を蒸着する。このとき、
蒸着の進行につれて、ゲート孔の開口径が狭まると同時
に導電層72上に円錐形のエミッタ76が自己整合的に
形成される。蒸着は、最終的にゲート孔が閉じるまで行
なう。エミッタの材料としては、Mo、Ni等を使用す
ることができる。
【0011】最後に、図7(d)に示すように、リフト
オフ材75をエッチングにより剥離し、必要に応じてゲ
ート電極74をパターニングする。これによりスピント
型エミッタを備えた冷電子放出素子が得られる。
【0012】このようなスピント型エミッタを備えた冷
電子放出素子は、異方性蒸着法により自己整合的に円錐
形状のエミッタを簡便に形成でき、更にエミッタ材料が
広範囲に選定できるという利点を有している。
【0013】ところで、スピント型エミッタに代表され
る、微細加工技術を利用した冷電子放出素子を特に平面
ディスプレイ等に適用する場合、エミッタからのエミッ
ション電流の変動が小さいことが、高品位の画質を得る
には必要不可欠である。
【0014】エミッション電流の変動は、エミッタを集
積化することで、ある程度低減することが可能である。
これは、集積化により個々のエミッタにおけるエミッシ
ョン特性のばらつきの影響が低減されるためである。し
かしながら、この方法では各エミッタからのエミッショ
ン電流を見かけ上平均化するにすぎないため、局所的に
現れる異常に大きなエミッション電流を抑制することは
不可能である。
【0015】このようなエミッション電流の変動を低減
する手段として、米国特許第3789471号明細書で
は、スピント型エミッタにおいて、導電層とエミッタの
間に抵抗層を設ける技術が示されている。
【0016】このような抵抗層を具備した冷電子放出素
子の構成例を、図8を参照しながら説明する。
【0017】絶縁性基板81上に導電層82、抵抗層8
3、絶縁層84及びゲート電極85が順次積層されてお
り、その絶縁層84及びゲート電極85には、抵抗層8
3に達する開口部Bが形成されている。そして、その開
口部B内の抵抗層83上には、ゲート電極85に接触し
ないように、円錐形状のエミッタ86が形成されてい
る。
【0018】この場合、抵抗層83は導電層82とエミ
ッタ86間に電気的に直列に挿入されている。この抵抗
層83により、素子間の電流を均一化する作用が得ら
れ、さらに素子破壊につながる大電流を低減するととも
に、エミッション電流の変動も抵抗層83の抵抗値に比
例して減少させることが可能となる。抵抗層83の比抵
抗は102から106Ω・cmが適当とされている。
【0019】一方、半導体集積回路製造技術を応用した
シリコンエミッタもまた広く知られている(Tech.Dig.IV
MC.,p26(1991))。
【0020】シリコンエミッタを備えた冷電子放出素子
の製造例を、図9(a)〜(e)を参照しながら説明す
る。
【0021】まず、図9(a)に示すように、単結晶シ
リコン基板91を熱酸化して表面に酸化シリコン層を形
成し、その酸化シリコン層をフォトリソグラフィー法を
利用して円形にパターニングすることにより、円形のエ
ッチングマスク用酸化シリコン層92を形成する。この
酸化シリコン層92は後述するようにリフトオフ材とし
ても機能する。なお、酸化シリコン層92の径は、ほぼ
ゲート径に相当する。
【0022】次に、図9(b)に示すように、サイドエ
ッチレートの高い条件の反応性イオンエッチング法(R
IE)によりシリコン基板91をエッチングし、エミッ
タ93を形成する。
【0023】続いて、図9(c)に示すように、熱酸化
によりシリコン基板91及びエミッタ93の表面にエミ
ッタ先端先鋭化用酸化シリコン層94を形成する。この
酸化シリコン層94の形成時に発生する応力により、酸
化シリコン層94の内側のエミッタ93の先端が容易に
尖鋭化される。
【0024】そして、図9(d)に示すように、異方性
蒸着法により絶縁層95、ゲート電極96を積層する。
【0025】最後に、図9(e)に示すように、リフト
オフ材としても機能するエッチングマスク用酸化シリコ
ン層92をエッチングによりリフトオフし、更に、エミ
ッタ93の表面の酸化シリコン層94をエッチング除去
する。そして必要に応じてゲート電極96をパターニン
グする。これによりシリコンエミッタを備えた冷電子放
出素子が得られる。
【0026】さらに最近、シリコンエミッタにおいて、
シリコンの半導体としての性質を利用して高度な電流制
御が可能であることが示されている(Jpn.J.Appl.Phy
s.,vol.35,p6637(1996))。このような電流制御機能を搭
載したシリコンエミッタはMOSFET構造エミッタと
称される。このMOSFET構造エミッタを備えた冷電
子放出素子の構成を図10を参照しながら説明する。
【0027】p型シリコン基板101の同一平面上に、
n型シリコンからなる円錐形のエミッタ102とn型シ
リコン層103を介してエミッタ配線層104が設けら
れ、エミッタ102とエミッタ配線層104の間に絶縁
層105を介してゲート電極106が設置されている。
即ち、このエミッタではMOSFET(metal-oxide-se
miconductor field-effect-transistor)構造を冷電子
放出素子に内蔵した構造をもち、冷電子放出素子のエミ
ッタ配線層104がMOSFETのソース、エミッタ1
02がドレイン、ゲート電極106がゲート、絶縁層1
05がゲート絶縁層としてそれぞれ機能する。
【0028】MOSFET構造エミッタを備えた冷電子
放出素子の製造例を、図11(a)〜(g)を参照しな
がら説明する。
【0029】まず、図11(a)に示すように、単結晶
のp型シリコン基板111を熱酸化して表面に酸化シリ
コン層112を形成し、その酸化シリコン層112をフ
ォトリソグラフィー法を利用して円形にパターニングす
ることにより、円形のエッチングマスク用酸化シリコン
層112を形成する。この酸化シリコン層112は後述
するようにリフトオフ材としても機能する。なお、酸化
シリコン層112の径は、ほぼゲート径に相当する。
【0030】次に、図11(b)に示すように、サイド
エッチレートの高い条件の反応性イオンエッチング法
(RIE)によりp型シリコン基板111をエッチング
し、エミッタ113を形成する。
【0031】続いて、図11(c)に示すように、熱酸
化によりp型シリコン基板111及びエミッタ113の
表面にエミッタ先端先鋭化用ならびに絶縁層用酸化シリ
コン層114を形成する。この酸化シリコン層114の
形成時に発生する応力により、酸化シリコン層114の
内側のエミッタ113の先端が容易に尖鋭化される。
【0032】そして、図11(d)に示すように、ゲー
ト電極115材料を成膜し、そのゲート電極116材料
をフォトリソグラフィー法を利用して、エミッタ配線用
の円形孔パターンを形成する。
【0033】次に、図11(e)に示すように、リフト
オフ材としても機能するエッチングマスク用酸化シリコ
ン層112をエッチングによりリフトオフし、更に、エ
ミッタ113の表面の酸化シリコン層114をエッチン
グ除去するとともにエミッタ配線孔Cを形成する。
【0034】続いて、図11(f)に示すように、リン
をイオン注入した後拡散アニールを施し、エミッタ11
3をn型化するとともに、エミッタ配線孔Cの底部にn
型シリコン層116を生成する。
【0035】最後に、図11(g)に示すように、エミ
ッタ配線用及びゲート配線用電極材料としてアルミニウ
ム等の金属薄膜117を成膜した後、必要に応じてゲー
ト電極115をパターニングする。これによりMOSF
ET構造エミッタを備えた冷電子放出素子が得られる。
【0036】このようなMOSFET構造を有したシリ
コンエミッタからなる冷電子放出素子では、従来のシリ
コンエミッタとほぼ同様の作製工程で容易に作製できる
にも関わらず、MOSトランジスタを素子に内蔵するこ
とにより、トランジスタ制御された非常に安定したエミ
ッション電流が得られ、且つ局所的な大電流の発生をな
くすることができるため素子破壊も原理的に起こり得な
いという、大きな特徴を有する。
【0037】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電流安
定化のために抵抗層を施した冷電子放出素子において
は、局所的な大電流に対して十分な電流低減特性を得る
ためには、より大きな抵抗を与える必要が生じるととも
に、電流変動も個々の素子の特性に対して相対的に低減
できるに止まること、さらには原理的に動作電圧の上昇
が避けられないという問題があった。
【0038】一方、電流制御機能を搭載したMOSFE
T構造を有したシリコンエミッタでは、トランジスタ制
御による非常に高いレベルでの安定な電流が得られる
が、単結晶シリコン基板を必要とすることから、低コス
ト化及び大面積化が困難であるという問題があった。
【0039】また、従来技術による冷電子放出素子にお
いては、素子の駆動電圧はゲート電極にかける冷電子の
引き出し電圧(動作電圧)となるため、通常数十ボルト
以上の高電圧が必要となり、低コストのIC回路が使用
できないため、駆動回路が高価になるという問題があっ
た。
【0040】本発明は、以上の従来技術の課題を解決し
ようとするものであり、半導体薄膜を用いて素子自体に
電流制御機能を搭載することで、動作電圧を上昇させる
ことなく局所的な大電流を抑えるとともに電流変動を最
小限に低減でき、且つガラス基板等を用いることで低コ
スト化及び大面積化を容易とした、さらにはスイッチン
グ用電極をゲート電極とは別に設けることで駆動電圧を
低下させ回路コストを低減できる、電界放射型の冷電子
放出素子及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0041】
【課題を解決するための手段】本発明者は、絶縁性基板
上に第1の導電層(ドレイン)と第2の導電層(ソー
ス)を設け、少なくともそれらの導電層の間隙の絶縁性
基板上に非単結晶シリコンからなる半導体薄膜層と第3
の導電層(ゲート)とをゲート絶縁層を介して積層して
設けることにより薄膜トランジスタ(TFT)構造を実
現し、更に第1の導電層(ドレイン)上には、金属、金
属酸化物又は金属窒化物からなるエミッタを形成するこ
とにより、単結晶シリコン基板を使用することなく、容
易に薄膜トランジスタを冷電子放出素子の中のエミッタ
近傍に作り込むことができる。それにより電流を安定化
でき且つ薄膜トランジスタのゲート電極を素子のスイッ
チング電極として用いることで駆動電圧が低減できるこ
とを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0042】即ち、本発明は、絶縁性基板上に第1の導
電層、絶縁層及びゲート電極が順次積層され、該ゲート
電極と絶縁層とには開口部が設けられ、その開口部内に
エミッタが該ゲート電極に接触しないように形成されて
なる電界放射型の冷電子放出素子において、エミッタが
金属または金属酸化物もしくは金属窒化物からなり、第
2の導電層が、第1の導電層と互いに直接接触しないよ
うに絶縁性基板上に設けられており、非単結晶シリコン
からなる半導体薄膜層が、少なくとも第1の導電層と第
2の導電層との間の絶縁性基板上に設けられており、そ
して第3の導電層が第1の導電層及び第2の導電層と互
いに接触しないようにゲート絶縁層を介して半導体薄膜
層の上又は下に設けられていることを特徴とする冷電子
放出素子を提供する。
【0043】また、本発明は、第3の導電層がゲート絶
縁層を介して半導体薄膜の上に設けられている上述の冷
電子放出素子の製造方法であって: (a) 絶縁性基板上に金属薄膜層を成膜後、該金属薄
膜層をフォトリソグラフィー法によりパターニングして
第1の導電層と第2の導電層とを、互いに直接接触しな
いように同時に形成し、続いて、半導体薄膜層、絶縁材
料、ゲート電極材料を順次成膜する工程; (b) フォトリソグラフィー法によりゲート電極の開
口径に対応した形状に孔を、第1の導電層が露出するま
でゲート電極材料、絶縁材料及び半導体薄膜層に形成す
る工程; (c) 絶縁性基板に対して斜め蒸着することにより、
実質的にゲート電極材料上のみに剥離層を形成した後、
絶縁性基板に対して垂直方向の異方性蒸着法により、第
1の導電層上及び剥離層上にエミッタ材料を成膜するこ
とにより自己整合的にエミッタを形成する工程; (d) 剥離層を剥離すると同時に、剥離層上のエミッ
タ材料を剥落させ絶縁層とゲート電極とを形成する工
程; 及び (e) ゲート電極層及び絶縁層をフォトリソグラフィ
ー法によりパターニングしてゲート絶縁層を形成し、続
いて、第3の導電層をリフトオフ法により形成する工程
を含んでなることを特徴とする製造方法を提供する。
【0044】また、本発明は、第3の導電層がゲート絶
縁層を介して半導体薄膜層の上に設けられている上述の
冷電子放出素子の別の製造方法であって: (a′) 絶縁性基板上に金属薄膜層を成膜後、該金属
薄膜層をフォトリソグラフィー法によりパターニングし
て第1の導電層と第2の導電層とを、互いに直接接触し
ないように同時に形成し、続いて、半導体薄膜層、ゲー
ト絶縁材料、第3の導電材料を順次成膜し、フォトリソ
グラフィー法によりパターニングして第3の導電層を形
成する工程; (b′) 絶縁材料、ゲート電極材料を順次成膜した
後、ゲート電極の開口径に対応する形状の孔を、第1の
導電層が露出するまでゲート電極材料、絶縁材料、ゲー
ト絶縁材料及び半導体薄膜層に形成する工程; (c′) 絶縁性基板に対して斜め蒸着することによ
り、実質的にゲート電極材料上にのみに剥離層を形成し
た後、絶縁性基板に対して垂直方向の異方性蒸着法によ
り、第1の導電層上及び剥離層上にエミッタ材料を成膜
することにより、自己整合的にエミッタを形成する工
程; (d′) 剥離層を剥離すると同時に、剥離層上のエミ
ッタ材料を剥落させ、絶縁層とゲート電極とを形成する
工程; 及び (e′) ゲート電極材料及び絶縁材料層をフォトリソ
グラフィー法によりパターニングしてゲート電極を形成
する工程を含んでなることを特徴とする製造方法を提供
する。
【0045】また、本発明は、第3の導電層がゲート絶
縁層を介して半導体薄膜の下に設けられている上述の冷
電子放出素子の別の製造方法であって: (f) 絶縁性基板上に金属薄膜層を成膜後、該金属薄
膜層をフォトリソグラフィー法によりパターニングして
第3の導電層を形成し、続いて、ゲート絶縁層、半導体
薄膜材料層、金属薄膜層を順次成膜する工程; (g) 該金属薄膜層をフォトリソグラフィー法により
パターニングして第1の導電層及び第2の導電層を互い
に直接接触しないように同時に形成する工程; (h) 絶縁材料、ゲート電極材料を順次成膜し、フォ
トリソグラフィー法によりゲート電極の開口径に対応し
た形状に孔を、第1の導電層が露出するまでゲート電極
材料、絶縁材料に形成する工程; (i) 絶縁性基板に対して斜め蒸着することにより、
実質的にゲート電極材料上のみに剥離層を形成した後、
絶縁性基板に対して垂直方向の異方性蒸着法により、第
1の導電層上及び剥離層上にエミッタ材料を成膜するこ
とにより自己整合的にエミッタを形成する工程; (j) 剥離層を剥離すると同時に、剥離層上のエミッ
タ材料を剥落させ絶縁層とゲート電極とを形成する工
程; を含んでなることを特徴とする製造方法を提供する。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を参照しなが
ら詳細に説明する。
【0047】図1(a)、(a′)、(b)及び
(b′)は、第3の導電層がゲート絶縁膜を介して半導
体薄膜層の上に設けられている本発明の冷電子放出素子
の断面図である。
【0048】即ち、図1(a)の冷電子放出素子におい
ては、絶縁性基板1の同一平面上に、第1の導電層2と
第2の導電層3が設けられ、第1の導電層2と第2の導
電層3との上から第1の導電層2と第2の導電層3の間
隙Aにかけて、非単結晶シリコンからなる半導体薄膜層
4が連続して配されている。そして、第1の導電層2と
第2の導電層3との間隙Aにおける半導体薄膜層4上に
は、ゲート絶縁層5′を介して第3の導電層6が形成さ
れている。また、第1の導線層2上には絶縁層5及びゲ
ート電極7が順次積層されており、ゲート電極7と絶縁
層5とには半導体薄膜層4に達するエミッタ用孔Bが設
けられている。そして、そのエミッタ用孔B内の第1の
導線層2上には、金属、金属酸化物又は金属窒化物から
なる円錐形又は円錐台形のエミッタ8が、ゲート電極7
に接触しないように形成されている。
【0049】また、図2(c)及び(c′)の冷電子放
出素子は、第3の導電層がゲート絶縁層を介して半導体
薄膜層の下に設けられている本発明の冷電子放出素子の
断面図である。
【0050】即ち、図2(c)の冷電子放出素子は、絶
縁性基板1上に、第1の導電層2と第2の導電層3が設
けられ、第1の導電層2と第2の導電層3との下から第
1の導電層2と第2の導電層3の間隙Aにかけて、非単
結晶シリコンからなる半導体薄膜層4が連続して配され
ている。そして、第1の導電層2と第2の導電層3との
間隙Aにおける半導体薄膜層4の下には、ゲート絶縁層
5′を介して第3の導電層6が形成されている。また、
第1の導線層2上には絶縁層5及びゲート電極7が順次
積層されており、ゲート電極7と絶縁層5とには半導体
薄膜層4に達するエミッタ用孔Bが設けられている。そ
して、そのエミッタ用孔B内の第1の導線層2上には、
金属、金属酸化物又は金属窒化物からなる円錐形又は円
錐台形のエミッタ8が、ゲート電極7に接触しないよう
に形成されている。
【0051】ここで、第1の導電層2、第2の導電層
3、半導体薄膜層4、ゲート絶縁層5′及び第3の導電
層6は共同して、nチャネルエンハンスメントモードで
動作する薄膜トランジスタ構造(TFT)を構成してい
る。即ち、第1の導電層2はドレイン、第2の導電層3
はソース、半導体薄膜層4はチャネル、ゲート絶縁層
5′は文字通りゲート絶縁層、及び第3の導電層6はゲ
ートとして機能している。
【0052】本発明においては、TFTのゲート絶縁層
の厚みの制御をより容易にするために、絶縁層を2層化
した構造とすることができる(図1(b))。
【0053】また、第1の導電層2とエミッタ8との間
に半導体薄膜層4を介在させてもよい。また、より良好
な電流制御特性を得るという観点から、図1(a)、図
1(b)及び図2(c)に対応して、それぞれ図1
(a′)、図1(b′)及び図2(c′)に示すよう
に、第1の導電層2と半導体薄膜層4との間及び第2の
導電層3と半導体薄膜層4との間に、オーミック層10
を介在させることが好ましい。
【0054】本発明の冷電子放出素子において、絶縁性
基板1は、冷電子放出素子の支持基板として用いられて
おり、大面積化が容易な絶縁性の基板を好ましく使用す
ることができる。このような絶縁性基板としては、ガラ
ス基板、セラミックス基板、石英基板等を使用すること
ができるが、中でもガラス基板を好ましく使用すること
ができる。単結晶シリコンの表面に絶縁層が形成された
基板も使用することができる。
【0055】本発明において、第1の導電層2は、TF
Tのドレインとして機能する。このような第1の導電層
2の材料としては、配線抵抗が低く、下層の絶縁性基板
1と密着性が高い材料が適当である。このような材料と
して、特に好ましくはCr又はAl、Cr積層膜を挙げ
ることができる。
【0056】第1の導電層2の膜厚は、十分な配線抵抗
と密着性が得られる限り特に制限はないが、通常0.0
1〜1.0μm、好ましくは0.05〜0.5μmであ
る。
【0057】第2の導電層3は、エミッタ配線層として
機能し且つTFTのソースとしても機能する。このよう
な第2の導電層3の材料としては、配線抵抗が低く、下
層の絶縁性基板1と密着性が高い材料が適当である。こ
のような材料として、特に好ましくはCr又はAl、C
r積層膜を挙げることができる。
【0058】第2の導電層3の膜厚は、十分な配線抵抗
と密着性が得られる限り特に制限はないが、通常0.0
1〜1.0μm、好ましくは0.05〜0.5μmであ
る。
【0059】半導体薄膜層4は、薄膜トランジスタ(T
FT)のチャネルとして機能する。このような半導体薄
膜層4としては、液晶ディスプレイのスイッチング素子
として広く用いられているTFTと同様の公知の材料か
ら形成することができ、好ましくは、非単結晶シリコン
を使用することができる。このような非単結晶シリコン
としては、アモルファスシリコン(特にノンドープの水
素化アモルファスシリコン)やポリシリコンを挙げるこ
とができる。
【0060】なお、絶縁性基板1としてガラス基板を用
いる場合には、半導体薄膜層4として特に水素化アモル
ファスシリコン、あるいはレーザーアニールによるポリ
シリコンを好ましく用いることができる。
【0061】半導体薄膜層4の厚みは、TFTのチャネ
ルとして動作しうる厚みであり、通常0.01〜2.0
μm、好ましくは0.03〜0.7μmである。
【0062】絶縁層5は、エミッタ8及び第1の導電層
2とゲート電極7とを電気的に絶縁するための層であ
る。さらに、半導体薄膜層4と第3の導電層6とを電気
的に絶縁するためにも同時に使用される。すなわち、T
FTのゲート絶縁層としても機能する。
【0063】このような絶縁層5としては、自己整合的
に形成するために異方性蒸着が望ましく、オゾンと酸素
の混合ガスを反応ガスとして用いる反応性のチムニー式
抵抗加熱蒸着法による酸化シリコンが特に良好な絶縁性
を得ることができるので好ましい。ただし、製法によっ
てはTFTのゲート絶縁層を別途成膜するが、そのよう
な場合は、絶縁層5としては、従来のTFTと同様の公
知の材料から形成することができる。例えば、PECV
D法による窒化シリコン、酸化シリコンを用いることが
できる。
【0064】絶縁層5の厚みは、エミッタ周囲部におい
ては、エミッタ8、第1の導電層2もしくは半導体薄膜
層4とゲート電極7との間に十分な絶縁性が保たれれば
よく、例えば、0.2〜2.0μm、好ましくは0.3
〜1.0μmとする。また、TFT部のゲート絶縁層5
として機能させるためには、通常、0.01〜1.0μ
m、好ましくは0.03〜0.5μmである。
【0065】第3の導電層6は、TFTのゲートとして
機能する。このような第3の導電層6の材料としては、
配線抵抗が低く、下層の絶縁層5と密着性が高い材料が
適当である。このような材料として、特に好ましくはC
r又はAl、Cr積層膜を挙げることができる。
【0066】第3の導電層6の膜厚は、十分な配線抵抗
と密着性が得られる限り特に制限はないが、通常0.0
5〜2.0μm、好ましくは0.05〜0.5μmであ
る。
【0067】ゲート電極7は、エミッタ8に強電界を集
中させるための電極である。ゲート電極7の材料として
は、耐電流性の点から高融点金属であって、エミッタ形
成時に使用するエッチング液に耐性を有する材料を使用
することができ、好ましくはCr、W、Ta又はNbを
挙げることができる。
【0068】ゲート電極7の厚みは、必要に応じて適宜
決定することができるが、好ましくは0.1〜0.5μ
mである。
【0069】エミッタ8は、その表面から電子を直接的
に放出する部材であり、金属(例えば、モリブデン、ニ
ッケル、ニオブ、タングステン、シリコン等)、金属酸
化物(例えば、酸化インジウム、酸化スズ、酸化パラジ
ウム等)又は金属窒化物(例えば、窒化チタン等)を使
用することができる。さらに、自己整合的にエミッタ8
を形成するという観点から、蒸着法で成膜できる材料が
望ましい。
【0070】エミッタ8全体の厚み(高さ)は、必要に
応じて適宜決定することができるが、好ましくは0.3
〜2μmである。
【0071】また、エミッタ8の形状としては、円錐形
または円柱形、或いは円錐台形または多角錐台であるこ
とが好ましい。
【0072】オーミック層10は、第1の導電層2及び
第2の導電層3と半導体薄膜層4とのオーミック接触を
得るために、又はより良好なオーミック接触を得るため
に設けられている。このようなオーミック層10の材料
としては、従来のTFTと同様の公知の材料から形成す
ることができる。例えば、PECVD法によるn型の水
素化アモルファスシリコンを用いることができる。
【0073】オーミック層10の膜厚は、十分なオーミ
ック特性が得られる限り特に制限はないが、通常0.0
1〜1.0μm、好ましくは0.03〜0.07μmで
ある。
【0074】次に、図1(a)の態様の冷電子放出素子
の製造方法を、図3に従って詳細に説明する。
【0075】工程(a) まず、絶縁性基板1上に金属薄膜をスパッタ法等により
成膜した後、フォトリソグラフィー法により、TFTの
チャネル長に相当する間隙とチャネル幅に相当する幅を
設けてパターニングすることにより第1の導電層2と第
2の導電層3を形成する。
【0076】次に、非単結晶シリコン等の半導体薄膜層
4、絶縁材料5″をCVD法等により成膜する。ここ
で、半導体薄膜層4としては、PECVD法で成膜され
た水素化アモルファスシリコン膜又は熱CVDもしくは
PECVD法で成膜されたアモルファスシリコン膜を例
えばレーザーアニール等でアニール処理し生成したポリ
シリコン膜を好ましく用いることができる。
【0077】また、絶縁材料5″の成膜法としては、シ
ランとアンモニアから成る混合ガスを反応ガスとして用
いる、PECVD法で形成する窒化シリコン膜が好まし
く用いることができる。
【0078】続いて、ゲート電極材料7′を金属薄膜を
蒸着法、スパッタ法等の通常の成膜法を用いて成膜する
(図3(a))。
【0079】工程(b) 次に、フォトリソグラフィー法によりゲートの開口径を
具備する円形孔または多角形孔にパターニングし、ゲー
ト電極材料7′、絶縁材料5″、半導体薄膜層4を第1
の導電層2が露出するまでエッチングしてエミッタ用孔
Bを形成する(図3(b))。
【0080】工程(c) 続いて、基板に対して斜め蒸着することにより、実質的
にゲート電極材料7′上にのみ剥離層9を形成する。次
に、第1の導電層2上及び剥離層9上に、基板に対して
垂直な方向から通常の異方性蒸着により、エミッタ材料
8′を蒸着しつつ、自己整合的にエミッタ8を形成する
(図3(c))。
【0081】工程(d) 次に、剥離層9を剥離すると同時に、剥離層9上のエミ
ッタ材料8′を剥落させ、絶縁層5とゲート電極7とを
形成する(図3(d))。
【0082】工程(e) 最後に、ゲート電極7及び絶縁層5をフォトリソグラフ
ィー法により更にパターニングして所定の厚みにTFT
のゲート絶縁層5′を形成し、TFTチャネルの直上に
第3の導電層6をフォトリソグラフィー法によって例え
ばリフトオフ法により形成する(図3(e))。これに
より、図1(a)の冷電子放出素子が得られる。
【0083】なお、オーミック層10を設ける場合に
は、(a)工程において、絶縁性基板1上に金属薄膜を
成膜した後に、続いてオーミック層を成膜する。オーミ
ック層としては例えばn型の水素化アモルファスシリコ
ンを用いることができる。パターニングは金属薄膜と同
時に行えばよい。
【0084】次に、図1(b)の態様の冷電子放出素子
の製造方法を、図4に従って詳細に説明する。
【0085】工程(a′) まず、絶縁性基板1上に金属薄膜をスパッタ法等により
成膜した後、フォトリソグラフィー法により第1の導電
層2と第2の導電層3にTFTのチャネル長に相当する
間隙とチャネル幅に相当する幅を設けてパターニングす
る。次に、非単結晶シリコンなどの半導体薄膜層4、ゲ
ート絶縁層5′をCVD法等により成膜する。
【0086】ここで、半導体薄膜層4としては、PEC
VD法で成膜された水素化アモルファスシリコン膜、ま
たは熱CVDもしくはPECVD法で成膜されたアモル
ファスシリコン膜を例えばレーザーアニール等でアニー
ル処理し生成したポリシリコン膜を好ましく用いること
ができる。
【0087】また、ゲート絶縁層5′の成膜法として
は、シランとアンモニアから成る混合ガスを反応ガスと
して用いるPECVD法で形成する窒化シリコン膜を好
ましく用いることができる。
【0088】続いて、金属薄膜を蒸着法、スパッタ法等
の通常の成膜法を用いて成膜した後、フォトリソグラフ
ィー法によりパターニングしTFTのゲートとして第3
の導電層6を形成する(図4(a′))。
【0089】工程(b′) 次に、絶縁材料5″を成膜する。この絶縁材料5″の成
膜法としては、シランとアンモニアから成る混合ガスを
反応ガスとして用いるPECVD法で形成する窒化シリ
コンが好ましく用いることができる。続いて、ゲート電
極材料7′をスパッタまたは蒸着等により成膜する。
【0090】次に、フォトリソグラフィー法によりゲー
トの開口径を具備する円形孔または多角形孔にパターニ
ングして、ゲート電極材料7′、絶縁材料5″、ゲート
絶縁層5′、半導体薄膜層4を第1の導電層2が露出す
るまでエッチングすることにより、エミッタ用孔Bを形
成する(図4(b′))。
【0091】工程(c′) 続いて、基板に対して斜め蒸着することにより、実質的
にゲート電極材料7′上にのみ剥離層9を形成する。次
に、第1の導電層2上及び剥離層9上に、基板に対して
垂直な方向から通常の異方性蒸着により、エミッタ材料
8′を蒸着しつつ、自己整合的にエミッタ8を形成する
(図4(c′))。
【0092】工程(d′) 次に、剥離層9を剥離すると同時に、剥離層9上のエミ
ッタ材料8′を剥落させ、絶縁層5及びゲート電極7を
形成する(図4(d′))。
【0093】工程(e′) 最後に、ゲート電極7をフォトリソグラフィー法により
パターニングする(図4(e′))。これにより図1
(b)の冷電子放出素子が得られる。
【0094】なお、オーミック層10を設ける場合に
は、(a)工程において、絶縁性基板1上に金属薄膜を
成膜した後に、続いてオーミック層を成膜する。オーミ
ック層としては例えばn型の水素化アモルファスシリコ
ンを用いることができる。パターニングは金属薄膜と同
時に行えばよい。
【0095】次に、図2(c)の態様の冷電子放出素子
の製造方法を、図5に従って詳細に説明する。
【0096】工程(f) まず、絶縁性基板1上に金属薄膜をスパッタ法等により
成膜した後、フォトリソグラフィー法により第3の導電
層6をパターニングして設ける。
【0097】次に、酸化シリコン、窒化シリコンなどの
ゲート絶縁膜5′をCVD法等により成膜する。ここ
で、ゲート絶縁膜5′としては、PECVD法で成膜さ
れた酸化シリコン、窒化シリコンを好ましく用いること
ができる。また特には、ゲート絶縁層5′の成膜法とし
ては、シランとアンモニアから成る混合ガスを反応ガス
として用いて窒化シリコン膜を形成するPECVD法が
好ましい。
【0098】次に、非単結晶シリコン等の半導体薄膜層
4をCVD法等により成膜する。ここで、半導体薄膜層
4としては、PECVD法で成膜された水素化アモルフ
ァスシリコン膜又は熱CVDもしくはPECVD法で成
膜されたアモルファスシリコン膜を例えばレーザーアニ
ール等でアニール処理し生成したポリシリコン膜を好ま
しく用いることができる。
【0099】続いて、金属薄膜3′を蒸着法、スパッタ
法等の通常の成膜法を用いて成膜する(図5(f))。
【0100】工程(g) 次に、金属薄膜3′をフォトリソグラフィー法により第
1の導電層及び第2の導電層3とに、TFTのチャネル
長に相当する間隙とチャネル幅に相当する幅を設けてパ
ターニングする(図5(g))。
【0101】工程(h) 次に、絶縁材料5″及びゲート電極材料7′を成膜した
後に、フォトリソグラフィー法によりゲートの開口径を
具備する円形孔または多角形孔にパターニングし、ゲー
ト電極材料7′、絶縁材料5″、半導体薄膜層4を第1
の導電層2が露出するまでエッチングしてエミッタ用孔
Bを形成する(図5(h))。
【0102】工程(i) 続いて、基板に対して斜め蒸着することにより、実質的
にゲート電極材料7′上にのみ剥離層9を形成する。次
に、第1の導電層2上及び剥離層9上に、基板に対して
垂直な方向から通常の異方性蒸着により、エミッタ材料
8′を蒸着しつつ、自己整合的にエミッタ8を形成する
(図5(i))。
【0103】工程(j) 次に、剥離層9を剥離すると同時に、剥離層9上のエミ
ッタ材料8′を剥落させ、絶縁層5及びゲート電極7と
を形成する(図5(j))。これにより図2(c)の冷
電子放出素子が得られる。
【0104】なお、オーミック層10を設ける場合に
は、(f)工程において、半導体薄膜層4を成膜後に、
続いてn型の水素化アモルファスシリコン層を成膜す
る。パターニングは金属薄膜3′と同時に行えばよい。
【0105】以上説明したように、本発明の冷電子放出
素子においては、非単結晶シリコンをチャネルとしたT
FT構造を有し、ドレイン電極上に金属、金属酸化物又
は金属窒化物でエミッタを構成することにより、絶縁性
基板上においてもトランジスタによって高度に制御され
たエミッション電流が得られ、且つエミッタのゲート電
極(引き出し電極)ではなく、TFTのゲートをスイッ
チング電極として用いて駆動することにより、低電圧駆
動を実現することができる。
【0106】
【実施例】本発明の冷電子放出素子の製造例を以下の実
施例で具体的に説明する。
【0107】実施例1(図1(a)の態様の冷電子放出
素子の製造例(図3参照)) 工程(a) まず、絶縁性基板1上に金属薄膜としてCrをスパッタ
法により0.1μmの膜厚で成膜した後、フォトリソグ
ラフィー法により第1の導電層2と第2の導電層3パタ
ーニングしTFTのチャネルを形成した。
【0108】次に、半導体薄膜層4としてPECVD法
によってノンドープの水素化アモルファスシリコン膜を
0.1μmの膜厚で成膜した。反応ガスとしてシランガ
ス、また希釈ガスとして水素を使用し、ガス総流量30
0sccm、ガス圧1Torr、基板温度250℃、R
Fパワー60Wの条件で成膜した。
【0109】次に、絶縁材料5″を窒化シリコンを成膜
することにより作成した。
【0110】次に、ゲート電極材料7′としてNbを
0.2μmの膜厚でスパッタした(図3(a))。
【0111】工程(b) 次に、通常のフォトリソグラフィー法を用いてゲート開
口径として1.2μmの円形パターンを形成しエッチン
グマスク層を得た後、反応性イオンエッチングによりゲ
ート電極材料7′、絶縁材料5″、半導体薄膜層4′を
第1の導電層2が露出するまでエッチングした。このと
きのエッチング条件は(導入ガス:SF660sccm
/パワー100W/ガス圧4.5Pa)であった(図3
(b))。
【0112】工程(c) 次に、絶縁性基板1に対して斜め蒸着することにより、
ゲート電極材料7′上にのみ剥離層9としてAlを成膜
した。続いて、基板1に対して垂直方向からの異方性蒸
着法により、エミッタ材料8′を蒸着しつつ、自己整合
的にエミッタ8を形成した(図3(c))。
【0113】工程(d) 次に、剥離層9のAlをリン硝酸水溶液を用いてウエッ
トエッチングし上層のゲート電極材料7′とともに剥離
し、絶縁層5とゲート電極7とを形成した(図3
(d))。
【0114】工程(e) 最後に、フォトリソグラフィー法によりゲート電極7を
パターニングし、続いて絶縁層5を0.1μmの厚みを
残して、即ち0.5μmエッチングしてゲート絶縁層
5′を形成した。
【0115】次に、フォトリソグラフィー法により第3
の導電層6パターンのレジストのネガパターンを作製し
た後、Crを0.2μmの厚みで蒸着し、レジストをC
rとともに剥離し第3の導電層6を形成した(図3
(e))。これにより、図1(a)の構造の冷電子放出
素子が得られた。
【0116】実施例2(図1(b)の態様の冷電子放出
素子の製造例(図4参照)) 工程(a′) まず、絶縁性基板1上に金属薄膜としてCrをスパッタ
法により0.1μmの膜厚で成膜した後、フォトリソグ
ラフィー法により第1の導電層2と第2の導電層3をパ
ターニングしTFTのチャネルを形成した。
【0117】次に、半導体薄膜層4としてPECVD法
によってノンドープの水素化アモルファスシリコン膜を
0.1μmの膜厚で成膜した。反応ガスとしてシランガ
ス、また希釈ガスとして水素を使用し、ガス総流量30
0sccm、ガス圧1Torr、基板温度250℃、R
Fパワー60Wの条件で成膜した。
【0118】次に、ゲート絶縁層5′としてPECVD
法によって窒化シリコン膜を0.1μmの膜厚で成膜し
た。反応ガスとしてシランとアンモニアの混合ガス、ま
た希釈ガスとして水素を使用し、ガス総流量540sc
cm、ガス圧1Torr、基板温度350℃、RFパワ
ー60Wの条件で成膜した。
【0119】続いて、金属薄膜としてCrをスパッタ法
により0.2μmの膜厚で成膜した後、フォトリソグラ
フィー法により第3の導電層6をパターニングしTFT
のゲートを形成した(図4(a′))。
【0120】工程(b′) 次に、絶縁材料5″としてPECVD法によって窒化シ
リコン膜を0.4μmの膜厚で成膜した。反応ガスとし
てシランとアンモニアの混合ガス、また希釈ガスとして
水素を使用し、ガス総流量540sccm、ガス圧1T
orr、基板温度350℃、RFパワー60Wの条件で
成膜した。
【0121】続いて、金属薄膜としてNbをスパッタ法
により0.2μmの膜厚で成膜した。次に、通常のフォ
トリソグラフィー法を用いてゲート開口径として1.2
μmの円形パターンを形成しエッチングマスク層を得た
後、反応性イオンエッチングによりゲート電極材料
7′、絶縁材料5″及び半導体薄膜層4を第1の導電層
2が露出するまでエッチングした。このときのエッチン
グ条件は(導入ガス:SF660sccm/パワー10
0W/ガス圧4.5Pa)であった(図4(b′))。
【0122】工程(c′) 次に、基板に対して斜め蒸着することにより、ゲート電
極材料7′上にのみ剥離層9としてAlを成膜した。続
いて、基板に対して垂直方向からの異方性蒸着法によ
り、エミッタ材料8′を蒸着しつつ、自己整合的にエミ
ッタ8を形成した(図4(c′))。
【0123】工程(d′) 次に、剥離層9のAlをリン硝酸水溶液を用いてウエッ
トエッチングし上層のゲート電極材料7′とともに剥離
し、絶縁層5とゲート電極7とを形成した(図4
(d′))。
【0124】工程(e′) 最後に、フォトリソグラフィー法によりゲート電極7を
パターニングしゲート電極7を形成した(図4
(e′))。これにより、図1(b)の冷電子放出素子
が得られた。
【0125】実施例3(図2(c)の態様の冷電子放出
素子の製造例(図5参照)) 工程(f) まず、絶縁性基板1上に金属薄膜としてCrをスパッタ
法により0.1μmの膜厚で成膜した後、フォトリソグ
ラフィー法により第3の導電層3をパターニングしTF
Tのチャネルを形成した。
【0126】次に、ゲート絶縁層5′としてPECVD
法によって窒化シリコン膜を0.1μmの膜厚で成膜し
た。反応ガスとしてシランとアンモニアの混合ガス、ま
た希釈ガスとして水素を使用し、ガス総流量540sc
cm、ガス圧1Torr、基板温度350℃、RFパワ
ー60Wの条件で成膜した。
【0127】続いて、半導体薄膜層4としてPECVD
法によってノンドープの水素化アモルファスシリコン膜
を0.1μmの膜厚で成膜した。反応ガスとしてシラン
ガス、また希釈ガスとして水素を使用し、ガス総流量3
00sccm、ガス圧1Torr、基板温度250℃、
RFパワー60Wの条件で成膜した。
【0128】続いて、金属薄膜3′としてCrをスパッ
タ法により0.2μmの膜厚で成膜した(図5
(f))。
【0129】工程(g) 次に金属薄膜3′をフォトリソグラフィー法により第1
の導電層及び第2の導電層3をパターニングしてTFT
のチャネルを形成した(図5(g))。
【0130】工程(h) 次に、絶縁材料5″を窒化シリコンを成膜することによ
り作製した。
【0131】次に、ゲート電極材料7′としてNbを
0.2μmの膜厚でスパッタした。
【0132】次に、通常のフォトリソグラフィー法を用
いてゲート開口径として1.2μmの円形パターンを形
成しエッチングマスク層を得た後、反応性イオンエッチ
ングによりゲート電極材料7′、絶縁材料5″及び半導
体薄膜層4を第1の導電層2が露出するまでエッチング
した。このときのエッチング条件は(導入ガス:SF6
60sccm/パワー100W/ガス圧4.5Pa)で
あった(図5(h))。
【0133】工程(i) 次に、絶縁性基板1に対して斜め蒸着することにより、
ゲート電極材料7′上にのみ剥離層9としてAlを成膜
した。続いて、基板1に対して垂直方向からの異方性蒸
着法により、エミッタ材料8′を蒸着しつつ、自己整合
的にエミッタ8を形成した(図5(i))。
【0134】工程(j) 次に、剥離層9のAlをリン硝酸水溶液を用いてウエッ
トエッチングし上層のゲート電極材料7′とともに剥離
し、絶縁層5とゲート電極7とを形成した。最後に、フ
ォトリソグラフィー法によりゲート電極7をパターニン
グし、続いて絶縁層5を0.1μmの厚みを残して、即
ち0.5μmエッチングしてゲート絶縁層5′を形成し
た(図5(j))。これにより、図2(c)の構造の冷
電子放出素子が得られた。
【0135】(評価)実施例1、2及び3で得られた冷
電子放出素子を、以下のように試験し評価した。即ち、
各素子のエミッタ−ゲート電極間の距離を0.6μmと
し、エミッタ高さを0.8μmとし、そしてTFTパラ
メータとしてチャネル長(L)とチャネル幅(W)との
比率(L/W)を1/10とした構造の素子に対し、蛍
光体を塗布した透明電極(アノード)を有するガラス板
部材を距離30mmで対向させ、エミッタ電極−ゲート
電極間にゲート電極側が正となる極性で引き出し電圧を
印加したところ、約10Vのスイッチング電圧で良好に
かつ安定に電子を放出することができた。
【0136】得られた典型的なエミッション特性の模式
図を図12に示す。低電界領域ではエミッタ自身の電流
電圧特性(E)を示し、高電界領域ではTFTによる電
流電圧特性(M)に従がう特性を示した。即ち、エミッ
ション電流がTFTのドレイン電流値を越えた高電界領
域で電流のトランジスタ制御領域が得られ、本素子では
ゲート電圧70V以上で安定なエミッション電流(M
E)が得られた。
【0137】
【発明の効果】本発明によれば、TFT構造を有する金
属でエミッタを構成することにより、絶縁性基板上にお
いてもトランジスタによって高度に制御されたエミッシ
ョン電流が得られ、且つスイッチング用電極をゲート電
極とは別に設けることにより駆動電圧の低減を容易に実
現する冷電子放出素子を得ることができる。
【0138】従って、低コストで大面積化が可能なガラ
ス基板上に、電流安定性が高く且つ低電圧駆動できる冷
電子放出素子を得ることができる。更に、フラットパネ
ルディスプレイに応用した場合にも、高速、高精細度の
画像が、低消費電力で得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷電子放出素子の断面図(同図
(a)、(b)、(a′)、(b′)である。
【図2】本発明の別の態様の冷電子放出素子の断面図
(同図(c)、(c′))である。
【図3】図1(a)の態様の冷電子放出素子の製造工程
図である。
【図4】図1(b)の態様の冷電子放出素子の製造工程
図である。
【図5】図2(c)の態様の冷電子放出素子の製造工程
図である。
【図6】従来の冷電子放出素子の断面図である。
【図7】従来の冷電子放出素子の製造工程図である。
【図8】従来の別の冷電子放出素子の断面図である。
【図7】従来の冷電子放出素子の断面図である。
【図8】従来の別の冷電子放出素子の製造工程図であ
る。
【図9】従来の冷電子放出素子の断面図である。
【図10】従来の別の冷電子放出素子の製造工程図であ
る。
【図11】従来の別の冷電子放出素子の製造工程図であ
る。
【図12】本発明の冷電子放出素子の電気特性の一例の
模式図である。
【符号の説明】
1 絶縁性基板 2 第1の導電層 3 第2の導電層 4 半導体薄膜層 5 絶縁層 5′ ゲート絶縁層 6 第3の導電層 7 ゲート電極 8 エミッタ 9 剥離層 10 オーミック層
【手続補正書】
【提出日】平成10年6月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷電子放出素子の断面図(同図
(a)、(b)、(a′)、(b′)である。
【図2】本発明の別の態様の冷電子放出素子の断面図
(同図(c)、(c′))である。
【図3】図1(a)の態様の冷電子放出素子の製造工程
図である。
【図4】図1(b)の態様の冷電子放出素子の製造工程
図である。
【図5】図2(c)の態様の冷電子放出素子の製造工程
図である。
【図6】従来の冷電子放出素子の断面図である。
【図7】従来の冷電子放出素子の製造工程図である。
【図8】従来の別の冷電子放出素子の断面図である。
【図9】従来の別の冷電子放出素子の製造工程図であ
る。
【図10】従来の別の冷電子放出素子の断面図である。
【図11】従来の別の冷電子放出素子の製造工程図であ
る。
【図12】本発明の冷電子放出素子の電気特性の一例の
模式図である。

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性基板上に第1の導電層、絶縁層及
    びゲート電極が順次積層され、該ゲート電極と絶縁層と
    には開口部が設けられ、その開口部内にエミッタが該ゲ
    ート電極に接触しないように形成されてなる電界放射型
    の冷電子放出素子において、 エミッタが金属または金属酸化物もしくは金属窒化物か
    らなり、 第2の導電層が、第1の導電層と互いに直接接触しない
    ように絶縁性基板上に設けられており、 非単結晶シリコンからなる半導体薄膜層が、少なくとも
    第1の導電層と第2の導電層との間の絶縁性基板上に設
    けられており、そして第3の導電層が第1の導電層及び
    第2の導電層と互いに接触しないようにゲート絶縁層を
    介して半導体薄膜層の上又は下に設けられていることを
    特徴とする冷電子放出素子。
  2. 【請求項2】 第3の導電層がゲート絶縁層を介して半
    導体薄膜層の上に設けられている請求項1記載の冷電子
    放出素子。
  3. 【請求項3】 第3の導電層がゲート絶縁層を介して半
    導体薄膜層の下に設けられている請求項1記載の冷電子
    放出素子。
  4. 【請求項4】 半導体薄膜層を構成する非単結晶シリコ
    ンが、アモルファスシリコン又はポリシリコンである請
    求項1〜3のいずれかに記載の冷電子放出素子。
  5. 【請求項5】 アモルファスシリコンが、ノンドープの
    水素化アモルファスシリコンである請求項4記載の冷電
    子放出素子。
  6. 【請求項6】 第1の導電層と半導体薄膜層の間及び第
    2の導電層と半導体薄膜層の間に、オーミック層が挟持
    されている請求項1〜3のいずれかに記載の冷電子放出
    素子。
  7. 【請求項7】 オーミック層が、n型水素化アモルファ
    スシリコンである請求項6記載の冷電子放出素子。
  8. 【請求項8】 第1の導電層上に、エミッタが直接設け
    られている請求項1〜3のいずれかに記載の冷電子放出
    素子。
  9. 【請求項9】 半導体薄膜層を囲む第1の導電層、第2
    の導電層及び第3の導電層が、それぞれドレイン電極、
    ソース電極及びゲート電極として機能する薄膜トランジ
    スタ構造を形成しており、その薄膜トランジスタがnチ
    ャネルエンハンスメントモードで動作する請求項1〜8
    のいずれかに記載の冷電子放出素子。
  10. 【請求項10】 エミッタの形状が、円錐形、円錐台形
    又は多角錐台形である請求項1〜3のいずれかに記載の
    冷電子放出素子。
  11. 【請求項11】 絶縁性基板が、ガラス基板である請求
    項1〜3のいずれかに記載の冷電子放出素子。
  12. 【請求項12】 請求項2記載の冷電子放出素子の製造
    方法であって: (a) 絶縁性基板上に金属薄膜層を成膜後、該金属薄
    膜層をフォトリソグラフィー法によりパターニングして
    第1の導電層と第2の導電層とを、互いに直接接触しな
    いように同時に形成し、続いて、半導体薄膜層、絶縁材
    料、ゲート電極材料を順次成膜する工程; (b) フォトリソグラフィー法によりゲート電極の開
    口径に対応した形状に孔を、第1の導電層が露出するま
    でゲート電極材料、絶縁材料に形成する工程; (c) 絶縁性基板に対して斜め蒸着することにより、
    実質的にゲート電極材料上のみに剥離層を形成した後、
    絶縁性基板に対して垂直方向の異方性蒸着法により、第
    1の導電層上及び剥離層上にエミッタ材料を成膜するこ
    とにより自己整合的にエミッタを形成する工程; (d) 剥離層を剥離すると同時に、剥離層上のエミッ
    タ材料を剥落させ絶縁層とゲート電極とを形成する工
    程; 及び (e) ゲート電極層及び絶縁層をフォトリソグラフィ
    ー法によりパターニングしてゲート絶縁層を形成し、続
    いて、第3の導電層をリフトオフ法により形成する工程
    を含んでなることを特徴とする製造方法。
  13. 【請求項13】 工程(a)において、半導体薄膜層
    が、プラズマエンハンストCVD法で形成された水素化
    アモルファスシリコン層である請求項12記載の冷電子
    放出素子の製造方法。
  14. 【請求項14】 工程(a)において、半導体薄膜層
    が、熱CVD法またはプラズマエンハンストCVD法で
    アモルファスシリコンを成膜した後、アニール処理を施
    すことにより形成されたポリシリコン層である請求項1
    2記載の冷電子放出素子の製造方法。
  15. 【請求項15】 工程(a)において、絶縁性基板上に
    金属薄膜層を成膜した後、続いてオーミック層を成膜
    し、該金属薄膜層とオーミック層とをフォトリソグラフ
    ィー法によりパターニングして第1の導電層及び第2の
    導電層を同時に形成する請求項15記載の冷電子放出素
    子の製造方法。
  16. 【請求項16】 工程(a)において、オーミック層が
    少なくともシラン及びホスフィンの混合ガスを反応ガス
    として用いるプラズマエンハンストCVD法で形成され
    たn型の水素化アモルファスシリコン層である請求項1
    2記載の冷電子放出素子の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項2記載の冷電子放出素子の製造
    方法において: (a′) 絶縁性基板上に金属薄膜層を成膜後、該金属
    薄膜層をフォトリソグラフィー法によりパターニングし
    て第1の導電層と第2の導電層とを、互いに直接接触し
    ないように同時に形成し、続いて、半導体薄膜層、ゲー
    ト絶縁材料、第3の導電材料を順次成膜し、フォトリソ
    グラフィー法によりパターニングして第3の導電層を形
    成する工程; (b′) 絶縁材料、ゲート電極材料を順次成膜した
    後、ゲート電極の開口径に対応する形状の孔を、第1の
    導電層が露出するまでゲート電極材料、絶縁材料、ゲー
    ト絶縁材料及び半導体薄膜層に形成する工程; (c′) 絶縁性基板に対して斜め蒸着することによ
    り、実質的にゲート電極材料上にのみに剥離層を形成し
    た後、絶縁性基板に対して垂直方向の異方性蒸着法によ
    り、第1の導電層上及び剥離層上にエミッタ材料を成膜
    することにより、自己整合的にエミッタを形成する工
    程; (d′) 剥離層を剥離すると同時に、剥離層上のエミ
    ッタ材料を剥落させ、絶縁層とゲート電極とを形成する
    工程; 及び (e′) ゲート電極材料及び絶縁材料層をフォトリソ
    グラフィー法によりパターニングしてゲート電極を形成
    する工程を含んでなることを特徴とする製造方法。
  18. 【請求項18】 工程(a′)において、半導体薄膜層
    が、プラズマエンハンストCVD法で形成された水素化
    アモルファスシリコン層である請求項17記載の冷電子
    放出素子の製造方法。
  19. 【請求項19】 工程(a′)において、半導体薄膜層
    が、熱CVD法又はプラズマエンハンストCVD法でア
    モルファスシリコンを成膜した後、アニール処理を施す
    ことにより形成されたポリシリコン層である請求項17
    記載の冷電子放出素子の製造方法。
  20. 【請求項20】 工程(a′)において、ゲート絶縁材
    料が、プラズマエンハンストCVD法で形成された窒化
    シリコン層又は酸化シリコンである請求項17記載の冷
    電子放出素子の製造方法。
  21. 【請求項21】 工程(a′)において、絶縁性基板上
    に金属薄膜層を成膜した後、続いてオーミック層を成膜
    し、該金属薄膜層とオーミック層をフォトリソグラフィ
    ー法によりパターニングして第1の導電層及び第2の導
    電層を同時に形成する請求項17記載の冷電子放出素子
    の製造方法。
  22. 【請求項22】 工程(a′)において、オーミック層
    が、少なくともシラン及びホスフィンの混合ガスを反応
    ガスとして用いるプラズマエンハンストCVD法で形成
    されたn型の水素化アモルファスシリコン層である請求
    項17記載の冷電子放出素子の製造方法。
  23. 【請求項23】 請求項3記載の冷電子放出素子の製造
    方法であって: (f) 絶縁性基板上に金属薄膜層を成膜後、該金属薄
    膜層をフォトリソグラフィー法によりパターニングして
    第3の導電層を形成し、続いて、ゲート絶縁層、半導体
    薄膜材料層、金属薄膜層を順次成膜する工程; (g) 該金属薄膜層をフォトリソグラフィー法により
    パターニングして第1の導電層及び第2の導電層を互い
    に直接接触しないように同時に形成する工程; (h) 絶縁材料、ゲート電極材料を順次成膜し、フォ
    トリソグラフィー法によりゲート電極の開口径に対応し
    た形状に孔を、第1の導電層が露出するまでゲート電極
    材料、絶縁材料に形成する工程; (i) 絶縁性基板に対して斜め蒸着することにより、
    実質的にゲート電極材料上のみに剥離層を形成した後、
    絶縁性基板に対して垂直方向の異方性蒸着法により、第
    1の導電層上及び剥離層上にエミッタ材料を成膜するこ
    とにより自己整合的にエミッタを形成する工程; (j) 剥離層を剥離すると同時に、剥離層上のエミッ
    タ材料を剥落させ絶縁層とゲート電極とを形成する工
    程; を含んでなることを特徴とする製造方法。
  24. 【請求項24】 工程(f)において、半導体薄膜層
    が、プラズマエンハンストCVD法で形成された水素化
    アモルファスシリコン層である請求項23記載の冷電子
    放出素子の製造方法。
  25. 【請求項25】 工程(f)において、半導体薄膜層
    が、熱CVD法またはプラズマエンハンストCVD法で
    アモルファスシリコンを成膜した後、アニール処理を施
    すことにより形成されたポリシリコン層である請求項2
    4記載の冷電子放出素子の製造方法。
  26. 【請求項26】 工程(f)において、ゲート絶縁層
    が、プラズマエンハンストCVD法で形成された窒化シ
    リコン層又は酸化シリコンである請求項23記載の冷電
    子放出素子の製造方法。
  27. 【請求項27】 工程(f)において、絶縁性基板上に
    金属薄膜層を成膜した後、続いてオーミック層を成膜
    し、該金属薄膜層とオーミック層とをフォトリソグラフ
    ィー法によりパターニングして第1の導電層及び第2の
    導電層を同時に形成する請求項23記載の冷電子放出素
    子の製造方法。
  28. 【請求項28】 工程(f)において、オーミック層が
    少なくともシラン及びホスフィンの混合ガスを反応ガス
    として用いるプラズマエンハンストCVD法で形成され
    たn型の水素化アモルファスシリコン層である請求項2
    7記載の冷電子放出素子の製造方法。
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