JPH09186068A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JPH09186068A
JPH09186068A JP8000580A JP58096A JPH09186068A JP H09186068 A JPH09186068 A JP H09186068A JP 8000580 A JP8000580 A JP 8000580A JP 58096 A JP58096 A JP 58096A JP H09186068 A JPH09186068 A JP H09186068A
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layer
photoresist
manufacturing
rays
semiconductor device
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JP8000580A
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English (en)
Inventor
Kazuaki Tashiro
和昭 田代
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Original Assignee
Canon Inc
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Internal Circuitry In Semiconductor Integrated Circuit Devices (AREA)
  • Thin Film Transistor (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 セルフアライメントの精度を高めることが困
難。 【解決手段】 X線を吸収しやすい重金属材料からなる
所望の形状にパターン化された吸収層103を有し、該
吸収層103の積層方向の一方の面側からX線を照射す
ることにより、該吸収層103をマスクにして、該一方
の面側と反対の面側に配されたフォトレジストを露光す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体装置の製造方
法、特に高性能の半導体装置を容易にかつ低コストで製
造しうる半導体装置の製造方法に関する。さらにフォト
リソグラフィにより微細なパターニングを行う半導体装
置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の製造方法で作成した半導体装置と
して、たとえばアクティブマトリクス方式のフラットパ
ネルディスプレイや1次元,2次元センサがあり、この
駆動用、読みだし用に盛んに用いられている薄膜半導体
膜を利用した薄膜トランジスタがある。以下、薄膜トラ
ンジスタの構造として、一般的な逆スタガー型を取り上
げてその製造方法について説明する。図9にこの従来の
製造方法の工程図を示す。
【0003】まず図9(a)に示すように、ガラス基板
901上に蒸着法やスパッタ法により、アルミニウムや
クロムなど材料を用いての第1の金属層902を成膜す
る。しかる後図9(b)に示すように、フォトリソグラ
フィにより、所望の形状にパターニングする。これを薄
膜トランジスタのゲート電極903とする。
【0004】つぎに図9(c)に示すように、CVD法
(Chemical VaporDepositio
n)等を用いてこのゲート電極上に半導体層を成膜す
る。SiH4 シランガス、NH3 アンモニアガス、H2
水素ガスを用いて、ゲート絶縁膜904として水素化ア
モルファス窒化シリコン膜を成膜する。引き続きシラン
ガスと水素ガスによりイントリンシックな半導体層90
5として水素化アモルファスシリコン層を成膜する。さ
らにシランガス、水素ガスで希釈したPH3 ホスフィン
ガスを用いて、不純物半導体層906としてn+ 型水素
化アモルファスシリコン層を成膜する。つぎに蒸着法や
スパッタ法により、アルミニウムやクロムなど材料を用
いての第2の金属層907を成膜する。しかる後図9
(d)に示すように、フォトリソグラフィにより、所望
の形状にパターニングする。これを薄膜トランジスタの
ソース、ドレイン電極用の金属層とする。引き続きドラ
イエッチングにより、不必要なn+ 型水素化アモルファ
スシリコン層を除去し、ソース、ドレイン電極とのオー
ミック層を形成しソース、ドレイン電極908,909
を完成する。
【0005】さらにこの薄膜トランジスタを用いた半導
体装置として、2次元の画像読み取り装置を取り上げて
説明する。図11(a)は従来の画像読み取り装置の1
画素分の平面図を示す。図11(b)は図11(a)の
A−Bの断面図を示す。図12はこの画像読み取り装置
1画素の等価回路を示す。画像読み取り装置の1画素は
MIS型光センサS11、光電変換素子駆動部としての
駆動薄膜トランジスタT11で構成されている。さらに
SIGは信号配線である。gnは駆動薄膜トランジスタ
のゲート線、S,GはそれぞれMISセンサの上電極、
下電極を示す。Cgs,Cgdは駆動用薄膜トランジス
タのゲート電極とソース電極、ドレイン電極との重なり
による容量である。また、図11(b)において、11
01はガラス基板、1102,1103はCr等からな
るMIS型光センサ等の下電極及びゲート電極、110
4は絶縁膜、1105は半導体層、1106は高濃度不
純物層、1107,1108はソース・ドレイン電極、
1109は表面保護層である。光によりMIS型光セン
サS11で発生した電荷は、薄膜トランジスタT11を
通して、Cgs,Cgdに蓄えられたのち、不図示の読
み出し回路で、この電荷を読み出す。ここでは1ビット
についての場合であるが、実際にはこのCgs,Cgd
は、このゲート線につながった他の薄膜トランジスタの
ものとの合計である。このように蓄積容量はCgs,C
gdを利用している。ここで用いられる光電変換素子は
特願平5−331690号において開示された光電変換
素子と同じ原理によるものである。
【0006】図13(a),(b)はそれぞれリフレッ
シュモード、光電変換モードの動作を示す光電変換素子
のエネルギーバンド図である。図中の1〜5は各層の厚
さ方向の状態を示している。リフレッシュモードを示す
図13(a)において、D電極はG電極に対して負の電
位が与えられているために、水素化アモルファスシリコ
ン層3内の黒丸で示されたホールは電界によりD電極に
導かれる。同時に白丸で示された電子は水素化アモルフ
ァスシリコン層3に注入される。このとき一部のホール
と電子はn+ 水素化アモルファスシリコン層2、水素化
アモルファスシリコン層3中において再結合して消滅す
る。充分に長い時間この状態が続けば、水素化アモルフ
ァスシリコン層3内のホールは水素化アモルファスシリ
コン層3から掃き出される。この状態で光電変換モード
を示す図13(b)になると、D電極はG電極に対して
正の電位が与えられるために、水素化アモルファスシリ
コン層3中の電子は瞬時にD電極に導かれる。しかしホ
ールはn+ 水素化アモルファスシリコン層2が注入阻止
層として働くために、水素化アモルファスシリコン層3
中に導かれることはない。この状態で水素化アモルファ
スシリコン層3内に光が入射すると、光は吸収され電
子、ホール対が発生する。この電子は電界により電極に
導かれ、ホールは水素化アモルファスシリコン層3内を
移動し水素化アモルファス窒化シリコン層4の界面に達
するが、ここで阻止され水素化アモルファスシリコン層
3内に留まることになる。このとき電子はD電極に移動
し、ホールは水素化アモルファスシリコン層3内の水素
化アモルファス窒化シリコン層4界面に移動するため、
素子内の電気的中性を保つために、電流がG電極から流
れる。この電流は光により発生した電子、ホール対に対
応するので、入射した光に比例する。
【0007】図14に画像読み取り装置の全体回路を示
す。光電変換素子駆動用薄膜トランジスタ、光電変換素
子共どもまったく同一のプロセスにより、同一基板上に
形成することができる。回路図中S11〜S33は光電
変換素子を表している。ST11〜ST33は光センサ
駆動用薄膜トランジスタである。Vsは読みだし用電
源、Vgはリフレッシュ用電源であり、それぞれスイッ
チSWs、SWgを介して全光電変換素子S11〜S3
3の下電極Gに接続されている。スイッチSWsはイン
バータを介して、スイッチSWgは直接にリフレッシュ
制御回路RFに接続されており、リフレッシュ期間はス
イッチSWgがON、その他の期間はスイッチSWsが
ONするように制御されている。信号出力は信号配線S
IGにより検出用集積回路ICに接続されている。図1
4では9個の画素を3個のブロックに分け、1ブロック
あたり3画素の出力を同時に転送し、この信号を検出用
集積回路によって順次出力に変換され出力される。説明
のしやすいように9画素の2次元画像入力部としたが、
実際にはさらに高密度の画素構成となっている。たとえ
ば画素サイズを150μm角の大きさで、40cm角の
画像読み取り装置を作成した場合、画素数はおよそ18
0万画素となる。
【0008】従来各薄膜トランジスタのCgs,Cgd
はさまざまな悪影響を与えていた。即ち薄膜トランジス
タのゲート電圧に対する応答が、この容量のために遅く
なる、読み出し用のICの容量負荷が大きくなる等の悪
影響があった。またこの容量を蓄積容量として利用する
には、信号量に対して大きすぎる。そのために読み出し
用のICへの負荷が非常に大きくなる。逆にこの容量が
大きすぎる為に、蓄積容量として使わざるを得ない。
【0009】このような画像読み取り装置の従来の製造
工程を図15に示す。 (1).洗浄ガラス基板上1501に、スパッタにより
クロムを1000オングストローム成膜する。このクロ
ム上に所望の形状にフォトレジストのパターンを形成し
て、これをマスクにエッチングを行い、その後フォトレ
ジストを剥離洗浄後、各画素の薄膜トランジスタのゲー
ト電極1502、MIS型光センサの下電極1503と
した(図15(a))。 (2).次にこの上に、SiH4 シランガス、NH3
ンモニアガス、H2 水素ガスを使ってプラズマCVDに
より水素化アモルファス窒化シリコン層1504を形成
した。ひきつづきSiH4 シランガス、H2 水素ガスを
使いプラズマCVDにより水素化アモルファスシリコン
層1505を形成した。さらにSiH4 シランガス、P
3 ホスフィンガス、H2 水素ガスを使ってプラズマC
VDによりn+ 型水素化アモルファスシリコン層150
6を形成した(図15(b))。 (3).フォトリソグラフィ工程によりコンタクトホー
ル、アイソレーションのフォトレジストパターンを作成
し、これをマスクにドライエッチングにより水素化アモ
ルファス窒化シリコン層、水素化アモルファスシリコン
層、n+ 型水素化アモルファスシリコン層を一部除去
し、フォトレジスト剥離洗浄後コンタクトホール形成と
アイソレーションをおこなった(図15(c))。 (4).その上にスパッタ法によりアルミを1μm成膜
した。然る後、このアルミ上に、所望の形状にフォトレ
ジストのパターンを形成し、これをマスクにエッチング
を行い、フォトレジスト剥離洗浄後薄膜トランジスタの
ソース1507、ドレイン電極1508、配線部の上電
極とした。またこのときMISセンサ上のアルミは除去
され、n+ 型水素化アモルファスシリコン層の上電極が
形成される(図15(d))。 (5).然る後、このアルミ上に、所望の形状にフォト
レジストのパターンを形成し、これをマスクに薄膜トラ
ンジスタのチャネル部のn+ 型水素化アモルファスシリ
コン層のエッチングを行い、フォトレジスト剥離洗浄後
チャネルを形成した(図15(e))。 (6).ひきつづきSiH4 シランガス、NH3 アンモ
ニアガス、H2 水素ガスを使ってプラズマCVDにより
表面保護層として水素化アモルファス窒化シリコン層1
509を3000オングストローム形成した。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の製造方法では図
9の(d)に示すごとくゲート電極903とソース、ド
レイン電極908,909との間に重なり幅d1 ,d2
が2〜3μm必要となる。しかしながらこの重なり幅の
部分では、このそれぞれゲート・ソース間容量Cgs、
ゲート・ドレイン間容量Cgdが形成されてしまう。薄
膜トランジスタをマトリクス配線されたフラットパネル
ディスプレイや1次元,2次元センサの駆動用、読みだ
し用に用いるとき、これらの容量は寄生容量として信号
読みとりのクロストークなどの原因となりパネルの動作
に悪影響をもたらす。上述したように、画像読み取り装
置では、薄膜トランジスタのゲート電圧に対する応答
が、この容量のために遅くなる。また読み出し用のIC
の容量負荷が大きくなる。さらにこの容量を蓄積容量と
して利用するには、信号量に対して大きすぎる。そのた
めに読み出し用のICへの負荷が非常に大きくなる。逆
にこの容量が大きすぎる為に、蓄積容量として使わざる
をえないなどの問題があった。そこで従来からいわゆる
セルフアラインメントプロセスにより、この重なり幅を
なくす努力がなされてきた。その一つの例として図10
に従来のセルフアラインメントの製造技術の工程図を示
す。ここでは薄膜トランジスタの部分だけで説明する。
【0011】まず石英ガラス基板1001上に蒸着法や
スパッタ法により、アルミニウムやクロムなどの材料を
用いての第1の金属層1002を成膜する(図10
(a))。しかる後フォトリソグラフィにより、所望の
形状にパターニングする。これを薄膜トランジスタのゲ
ート電極1003とする(図10(b))。
【0012】つぎにCVD法(Chemical Va
por Deposition)等を用いてこのゲート
電極上に半導体層を成膜する。SiH4 シランガス、N
3アンモニアガス、H2 水素ガスを用いて、ゲート絶
縁膜1004として水素化アモルファス窒化シリコン膜
を成膜する。引き続きシランガスと水素ガスによりイン
トリンシックな半導体層1005として水素化アモルフ
ァスシリコン層を成膜する。さらにシランガス、水素ガ
スで希釈したホスフィンガスを用いて、不純物半導体層
1006としてn+ 型水素化アモルファスシリコン層を
成膜する。このセルフアラインメントの技術はソース、
ドレイン電極形成時のフォトリソグラフィにおける露光
の方法を改良することにより実現している。つまりフォ
トレジスト1007をn+ 型水素化アモルファスシリコ
ン層1006上に形成する。このフォトレジストに対し
て、所望の形状に形成されたゲート電極1003をマス
クとして、基板の裏側から露光を行う(図10
(c))。この工程により、ゲート電極と同一幅のフォ
トレジストパターン1008を形成する。この後、この
フォトレジストパターンを残したまま、蒸着法やスパッ
タ法により、アルミニウムやクロムなどの材料を用いて
第2の金属層1009を成膜する(図10(d))。し
かる後フォトレジストの剥離工程を行う。そうすると、
ゲート電極上のフォトレジストパターンはリフトオフさ
れ、それに応じて、ソース、ドレイン電極部の金属層が
あとに残される形で形成される(図10(e))。引き
続きドライエッチングにより、このソース、ドレイン電
極としての金属層をマスクにして不必要なn+ 型水素化
アモルファスシリコン層を除去し、ソース、ドレイン電
極とのオーミック層を形成し、ゲート電極と重なり幅の
低減されたソース、ドレイン電極1010,1011を
完成する(図10(f))。しかしながらこの方法で
は、背面露光をとっているので遮光性の第2の金属層は
露光のあとから形成しなければならず、このリフトオフ
の方法をさけることはできない。ところがリフトオフで
ソース、ドレイン電極を形成する工程は、ゲート電極上
のレジストパターンが現像工程で引き剥されるさいに同
時に起こるものであり、そのソース、ドレイン電極の断
面は予想に反して必ずしも、ゲート電極に対して、セル
フアラインに形成することができないという課題があっ
た。また感光性レジストをのこしたまま、第2の金属層
を形成するという工程では、高温工程(150〜200
℃)であり、このフォトレジストが、変質し現象不良を
起こすなどの歩留まり低下の原因にもなりやすい。リフ
トオフの工程を避けるために、第2の金属層として、透
光性の半金属たとえばITO(Indium Tin
Oxide)などを用い、かつネガのフォトレジストを
用いることもできるが、この薄膜トランジスタをマトリ
クス配線されたフラットパネルディスプレイや1次元,
2次元センサの駆動用、読みだし用に用いるときに配線
抵抗の増大となり、駆動の困難を引き起こしたりするの
で好ましくない。さらにこの技術の本質的な課題とし
て、そもそも水素化アモルファスシリコンなどの光吸収
性の膜を半導体層として用いる限り、ここでの吸収等非
常に困難な問題が残っている。またガラス基板側から露
光を行うので、ガラス基板での露光光の吸収、回折(現
状の露光で用いられる紫外線はガラス基板でかなり吸収
される。そこで上記例の様に石英ガラスを用いると、コ
ストの問題から大面積化できない。)、薄膜中での吸
収、回折等により、露光の解像度をある限度以上に上げ
られないという課題があった。
【0013】本発明は、上記のごとき従来の技術を考慮
し、安価な材料、非常に簡易なプロセスを用いながら
も、薄膜トランジスタの例で言えば、ゲート電極と、ソ
ース、ドレイン電極との重なり幅を極めて小さくしう
る、セルフアラインメント技術を提案し、半導体装置
を、大面積化された半導体装置であっても容易に、かつ
高品質、低コストで作成する製造方法を提供するもので
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の半導体装
置の製造方法は、X線を吸収しやすい重金属材料からな
る所望の形状にパターン化された吸収層を有し、該吸収
層の積層方向の一方の面側からX線を照射することによ
り、該吸収層をマスクにして、該一方の面側と反対の面
側に配されたフォトレジストを露光することを特徴とす
る。
【0015】また、本発明の第2の半導体装置の製造方
法は、上記第1の半導体装置の製造方法において、基板
上に前記所望の形状にパターン化された吸収層を設けた
後、この吸収層の上に少なくとも半導体層を含む層を形
成し、さらにパターニングすべき層を設け、この上にX
線に感光するフォトレジストを設け、該基板側からX線
を照射することで、該吸収層をマスクにして、該フォト
レジストを感光させることを特徴とする。
【0016】また、本発明の第3の半導体装置の製造方
法は、上記第2の半導体装置の製造方法において、前記
基板は絶縁基板であって、該絶縁基板上に薄膜トランジ
スタを有し、前記吸収層はゲート電極、パターニングす
べき層は高濃度不純物層及びソース・ドレイン電極とな
る導電層であることを特徴とする。
【0017】また、本発明の第4の半導体装置の製造方
法は、絶縁基板上に、導電層、絶縁層、半導体層、高濃
度不純物層、導電層の層構成を有する光電変換素子と、
該光電変換素子と同一層構成の薄膜トランジスタとを備
えた半導体装置の製造方法において、前記絶縁基板上
に、X線を吸収しやすい重金属材料からなる所望の形状
にパターン化された、前記薄膜トランジスタのゲート電
極となる第一導電層と、X線を透過する、光電変換素子
の導電層となる第二導電層とを設け、その後絶縁層、半
導体層、高濃度不純物層、第三導電層を積層する工程
と、前記第三導電層上にX線に感光するフォトレジスト
を設け、前記絶縁基板側からX線を照射することで、前
記第一導電層をマスクにして、該フォトレジストを感光
させ、その後該フォトレジストをマスクとして前記高濃
度不純物層、前記第三導電層を除去することで薄膜トラ
ンジスタのソース・ドレイン電極を形成する工程と、を
備えたことを特徴とする。
【0018】また、本発明の第5の半導体装置の製造方
法は、上記第1〜第4のいずれかの半導体装置の製造方
法において、前記吸収層は、Au,Ta,W,Pbの少
なくとも一つの重金属材料からなることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を用いて説明する。 [実施形態1]本発明の半導体装置の製造方法を薄膜ト
ランジスタの製造に適用した実施形態について述べる。
図1に製造工程を示す。薄膜トランジスタの構造として
はいわゆる逆スタガー型の構造とする。この図を用いな
がら本発明の技術的内容と本実施形態への具体的な内容
を詳しく説明していく。
【0020】まずガラス基板101上に蒸着法やスパッ
タ法により、Au,Ta,W,PbなどのX線を吸収し
やすい重金属材料を用いての第1の金属層102を成膜
する(図1(a))。本実施形態では最もX線を吸収し
やすいPbを選び、これを2μmの厚さで成膜する。し
かる後フォトリソグラフィにより、所望の形状にパター
ニングする。これは薄膜トランジスタのゲート電極10
3となり、さらにX線露光時のマスクとなる(図1
(b))。
【0021】つぎにCVD法(Chemical Va
por Deposition)等を用いてこのゲート
電極上に半導体層を成膜する。まずSiH4 シランガ
ス、NH3 アンモニアガス、H2 水素ガスを用いて、ゲ
ート絶縁膜104として水素化アモルファス窒化シリコ
ン膜を5000オングストローム成膜する。本実施形態
では2μmのゲート電極層を5000オングストローム
のゲート絶縁膜で覆う形になり、カバレジ性が若干心配
された。また厚いゲート絶縁層のために若干トランジス
タ特性に悪影響を与えることも考えられる。しかしなが
らこれらの膜厚等は、X線の波長、X線吸収材料の選択
で最適化する事ができる。絶縁膜に引き続きシランガス
と水素ガスによりイントリンシックな半導体層105と
して水素化アモルファスシリコン層を4500オングス
トローム成膜する。さらにシランガス、水素ガスで希釈
したホスフィンガスを用いて、不純物半導体層106と
してn+ 型水素化アモルファスシリコン層を500オン
グストローム成膜する。
【0022】つぎに蒸着法やスパッタ法により、アルミ
ニウムなどのX線を透過しやすい金属材料を用いて第2
の金属層107を成膜する(図1(c))。アルミニウ
ムはX線を透過しやすく、かつ半導体装置の導電材料と
して常用されるものであるから好適である。しかる後X
線感光性フォトレジスト108を塗布する(図1
(d))。X線感光性フォトレジストとしては、電子線
用フォトレジストがほぼそのまま利用できる。電子線用
フォトレジストとして市販されているものには、ポジ形
としてPMMA(ポリメタクリル酸メチル)、FMR−
E101,FBM,PMIPK,P(MMA−AN),
PBS,ネガ形としてPGMA,P(GMA−CoE
A),SEL−Nなどがある。一般にはネガ形の方が数
十倍感度が高い。さらに塩素、バリウム、鉛を添加する
ことにより高感度化したX線ネガ形感光性フォトレジス
トとしてポリアクリル酸2,3−ジクロロ−1−プロピ
ル、ポリ2−クロルエチルビニルエーテル、アクリル酸
バリウム、アクリル酸鉛含有フォトレジストなどがあ
る。本実施形態ではネガ形露光プロセスであるから、ネ
ガ形X線フォトレジストPGMAを利用した。図2
(a)にX線感光性フォトレジストの露光特性を示す。
本実施形態で理解しやすいように感度として現像時のX
線感光性フォトレジストのエッチング速度を縦軸とし、
横軸としてX線露光量をとる。一般的にあるしきい値I
thの露光量まで現像時にほとんどエッチングされな
い。しきい値以上の露光量に対して現像時のエッチング
速度は、ほぼ比例して大きくなる。さらにある飽和値I
sat以上の露光に対しては現像時のエッチング速度は
一定となる。X線に関しては完全にこれを吸収、遮光で
きる材料はない。そこで本実施形態ではこのX線感光性
フォトレジストの特性と、X線吸収の特性を組み合わせ
ることで、この問題を解決することができた。これにつ
いて以下に具体的に述べる。
【0023】本実施形態ではX線として、MoのKαを
主に利用した。この特性X線波長はλ=0.711オン
グストロームである。これはX線源として容易に手には
いるMoターゲットのクーリッジ管を利用した為であ
る。後述するように、X線源の種類は、本質的なことで
はない。また特に単色化はしていない。原理的な話は単
色線でも、白色線でも同じことであるので、原理説明と
しては、この特性波長の特性X線を用いて行う。この波
長に対するSi,Pbの質量吸収係数をμSi,μ Pbとす
ると、 μSi=6.35・・・(1) μPb=136・・・(2) となる。またそれぞれの密度をρSi,ρPbとすると、 ρSi=2.33g/cm3 ・・・(3) ρPb=11.4g/cm3 ・・・(4) となる。一般的に質量吸収係数がμ、密度がρ、膜厚が
d[cm]の膜に対してX線を照射したときのX線の透
過の様子は次式で与えられる。
【0024】 I=I0 exp(−μρd)・・・(5) ここでI0 は初期のX線強度、Iは透過後のX線強度で
ある。
【0025】以下、図2(b)の模式図を用いて説明を
行なう。図2(b)において、206はガラス基板、2
07はゲート電極、205は半導体層(絶縁層を含
む)、204は第2の電極層、202は弱く露光された
フォトレジスト、203は強く露光されたフォトレジス
トである。本実施形態では、ガラス基板の半導体層と反
対側からX線を照射する。Pbのゲート電極207で吸
収されずに透過する量と、半導体層を透過する量の比が
重要である。ガラス基板を透過した直後のX線強度をI
0 とする。X線はガラス基板で若干吸収されるが、好適
にはカーボン基板などの低原子量の元素からなる基板を
用いると良い。ガラスでも回折などの現象は起きない。
ボケや吸収などの基板の影響はほとんど気にすることな
く、実施することができた。ガラス基板を用いる場合で
も、初期のX線強度を適当に選ぶことにより、ガラス基
板での吸収の影響を排除することができた。X線背面露
光により、通常の安価なガラス基板を利用することがで
きる。これが本発明の一つの効果である。ガラス基板を
透過したX線は同じ強度で、ゲート電極207と半導体
層205に照射されるから、以下の説明ではゲート電極
を透過したX線強度をIPb、半導体層を透過したX線強
度をISiとする。半導体層は、実際は3層からなる。と
くにゲート絶縁膜はSi,Nの合金であるが、Nなどの
低原子量の原子ではX線は、ほとんど散乱、吸収されな
いことを考慮にいれ、近似的にSiのみが1μmあると
して考える。
【0026】まずIPb/I0 を求めると、 IPb/I0 =exp(−136×11.4×2×10-4)=0.733 ・・・(6) つぎにISi/I0 を求めると、 ISi/I0 =exp(−6.35×2.33×10-4)=0.998 ・・・(7) となる。ゲート電極207上のX線感光性フォトレジス
トの露光量は、そのうえの半導体層205での吸収を合
わせると、 IPb/I0 ×ISi/I0 ・・・(8) に比例する値となり、ゲート電極207外のX線感光性
フォトレジストの露光量は、 ISi/I0 ・・・(9) に比例する値となる。そこで最終的に、ゲート電極上と
そうでないところでのX線感光性フォトレジストの露光
量の比は、 (IPb/I0 ×ISi/I0 )/(ISi/I0 )=IPb/I0 =0.733 ・・・(10) となる。そこで本実施形態では、ゲート電極上X線感光
性フォトレジストの露光量(8)を図2(a)でI1 のレ
ベル、それ以外の部分の露光量(9)をI2 になるように
適宜設定した。この条件下でゲート電極上以外のX線感
光性フォトレジストは最適露光か若干のオーバー露光と
なり、ゲート電極上のX線感光性フォトレジストはアン
ダー露光となる。この状態で現象をおこなったところ、
現像時間は若干長めになったが、図1(e)のように充
分セルフアラインされた形状にパターニングすることが
できた。実際の現像時間等は、使用するX線感光性レジ
ストの特性、またその厚さ、ベーキング時間などの処理
条件等により異なるが、それぞれのプロセス条件が定ま
れば実験的に適宜設定することができる。基本的な考え
方はいずれの場合も変わらない。この後このX線感光性
レジストパターンをマスクにして、アルミニウムをエッ
チングし、薄膜トランジスタのソース、ドレイン電極用
の金属層を作成した。このときのゲート電極とソース、
ドレイン電極との重なり幅d1 ,d2 を測定したとこ
ろ、1μm以下であった。引き続きドライエッチングに
より、不必要なn+ 型水素化アモルファスシリコン層を
除去し、ソース、ドレイン電極とのオーミック層を形成
しソース、ドレイン電極109,110を完成した。本
実施形態では、波長λ=0.711オングストロームの
CuのKαを利用したが、もちろん、この波長に限定さ
れるものではない。基板材料としてガラスよりもX線吸
収係数の小さいカーボン基板等を用いることができれ
ば、好適には、X線の波長は長いものが良い。たとえ
ば、波長λ=1.938オングストロームのFeのKα
を利用すれば、IPb/I0 =0.6139となり、露光
量のコントラストを大きくできるので、現像のプロセス
が容易になる。一般のX線リソグラフィで用いられるX
線波長は1〜400オングストロームであり、本発明に
おいても、この範囲のX線を利用することができ、これ
を発生するX線源を適宜利用する事ができる。好適には
4〜20オングストロームの範囲が望ましい。これらの
条件は基板材料、X線吸収層の材料、露光条件等を適宜
組み合わせていくことで、最適値にする事ができる。通
常のX線リソグラフィではサブミクロンプロセスを目指
してのものであるから、X線といえども、若干の回折な
ども問題になり、単色化が必要であったり、特殊な光学
系が必要であったりX線源を含むX線露光装置は特殊な
ものになるが、本発明でのX線源は、本実施形態程度の
プロセスルールでは、単色化も必要なく、非常に簡単な
ものでよい。また本発明の本実施形態では、従来の逆ス
タガー型のプロセスなみの簡易なプロセスとなってい
る。つまりリフトオフなどの工程を経ずして、ソース、
ドレイン電極を形成できる。その結果、電極形成後の断
面形状等、非常に良好なものが得られた。
【0027】本実施形態では、近年セルフアライン技術
が特に求められている薄膜トランジスタへの本発明の適
用を具体的に述べてきたが、セルフアラインを必要とす
る、半導体装置の製造に関して本発明は、効果的に適用
できる。 [実施形態2]本発明の半導体装置の製造方法を2次元
の画像読み取り装置に適用した例を示す。
【0028】図3(a)は画像読み取り装置の1画素分
の平面図を示す。図3(b)は図3(a)のA−Bの断
面図を示す。図4はこの画像読み取り装置の1画素の等
価回路を示す。1画素はMIS型光センサS11、光電
変換素子駆動部としての駆動薄膜トランジスタT11で
構成されている。さらにSIGは信号配線である。gn
は駆動薄膜トランジスタのゲート線、S,Gはそれぞれ
MISセンサの上電極、下電極を示す。また、図3
(b)において、301はガラス基板、302はAl等
からなるMIS型光センサ等の下電極、303はPb等
からなるゲート電極、304は絶縁膜、305は半導体
層、306は高濃度不純物層、307,308はソース
・ドレイン電極、309は表面保護層である。
【0029】光によりMIS型光センサS11で発生し
た電荷は、薄膜トランジスタT11を通して、蓄積容量
に蓄えられたのち、不図示の読み出し回路で、この電荷
を読み出す。なお、MIS型光センサの動作原理及び画
像読取り装置の全体回路の構成は既に図13,図14を
用いて説明したのでここでは説明を省略する。
【0030】本実施形態の詳しい製造方法を図5をもと
に具体的に述べる。
【0031】(a)洗浄ガラス基板501上に、スパッ
タによりPbを5000オングストローム成膜する。こ
のPb上に、所望の形状にフォトレジストのパターンを
形成して、これを、マスクにPbのエッチングを行い、
その後フォトレジストを剥離洗浄後、各画素の薄膜トラ
ンジスタのゲート電極502とした(図5(a))。
【0032】(b)次にスパッタによりアルミニウムを
2000オングストローム成膜する。このアルミニウム
上に、所望の形状にフォトレジストのパターンを形成し
て、これをマスクにアルミニウムのエッチングを行い、
その後フォトレジスト剥離洗浄後MIS型光センサと蓄
積コンデンサ等の下電極503とした(図5(b))。
【0033】(c)次にこの上に、SiH4 シランガ
ス、NH3 アンモニアガス、H2 水素ガスを使ってプラ
ズマCVDにより水素化アモルファス窒化シリコン層5
04を形成した。ひきつづきSiH4 シランガス、H2
水素ガスを使いプラズマCVDにより、水素化アモルフ
ァスシリコン層505を形成した。さらにSiH4
ス、PH3 ガス、H2 ガスを使ってプラズマCVDによ
りN+ 型水素化アモルファス層506を形成した(図5
(c))。
【0034】(d)フォトリソグラフィ工程によりコン
タクトホール、アイソレーションのフォトレジストパタ
ーンを作成し、ドライエッチングにより水素化アモルフ
ァス窒化シリコン層、水素化アモルファスシリコン層、
+ 型水素化アモルファスシリコン層を一部除去し、フ
ォトレジスト剥離洗浄後コンタクトホール形成とアイソ
レーションをおこなった(図5(d))。
【0035】(e)つぎに蒸着法やスパッタ法により、
アルミニウムなどのX線を透過しやすい金属材料を用い
ての第2の金属層507を成膜する。アルミニウムはX
線を透過しやすく、かつ半導体装置の導電材料として常
用されるものであるから好適である。しかる後X線感光
性フォトレジスト508を塗布する(図5(e))。X
線感光性フォトレジストとしては、本実施形態ではネガ
形露光プロセスであるから、実施形態1と同じネガ形X
線フォトレジストPGMAを利用した。X線として、M
oのKαを主に利用した。この特性X線波長はλ=0.
711オングストロームである。これはX線源として容
易に手にはいるMoターゲットのクーリッジ管を利用し
た為である。本実施形態においても、特に単色化はして
いない。この状態で現像をおこなったところ、現像時間
は若干長めになったが、図5(f)のように充分セルフ
アラインされた形状にパターニングすることができた。
実際の現像時間等は、使用するX線感光性フォトレジス
トの特性、またその厚さ、ベーキング時間などの処理条
件等により異なるが、それぞれのプロセス条件が定まれ
ば実験的に適宜設定することができる。基本的な考え方
はいずれの場合も変わらない。
【0036】(f)この後、このX線感光性フォトレジ
ストパターンをマスクにして、薄膜トランジスタのチャ
ネル部のアルミニウムをエッチングし、引き続きドライ
エッチングにより、不必要なn+ 水素化アモルファスシ
リコン層を除去することで、チャネル領域を完成した
(図5(f))。
【0037】(g)然る後、通常のフォトリソグラフィ
プロセスにより、所望の形状にフォトレジストのパター
ンをつくり、これをマスクに、アルミエッチングを行
い、フォトレジスト剥離洗浄後薄膜トランジスタのソー
ス509、ドレイン電極510を作成した(図5
(g))。
【0038】(h)ひきつづきSiH4 ガス、NH3
ス、H2 ガスを使ってプラズマCVDにより表面保護層
として水素化アモルファス窒化シリコン層511を30
00オングストローム形成した(図5(h))。
【0039】このときのゲート電極とソース、ドレイン
電極との重なり幅d1 ,d2 を測定したところ、1μm
以下であった。本実施形態では、波長λ=0.711オ
ングストロームのCuのKαを利用したが、もちろん、
この波長に限定されるものではない。基板材料として、
ガラスよりもX線吸収係数の小さいカーボン基板等を用
いることができれば、好適には、X線の波長は長いもの
が良い。たとえば、波長λ=1.938オングストロー
ムのFeのKαを利用すれば、IPb/I0 =0.613
9となり、露光量のコントラストを大きくできるので、
現像のプロセスが容易になる。一般のX線リソグラフィ
で用いられるX線波長は1〜400オングストロームで
あり、本発明においても、この範囲のX線を利用するこ
とができ、これを発生するX線源を適宜利用する事がで
きる。好適には4〜20オングストロームの範囲が望ま
しい。これらの条件は基板材料、X線吸収層の材料、露
光条件等を適宜組み合わせていくことで、最適値にする
事ができる。通常のX線リソグラフィではサブミクロン
プロセスを目指してのものであるから、X線といえど
も、若干の回折なども問題になり、単色化が必要であっ
たり、特殊な光学系が必要であったりX線源を含むX線
露光装置は特殊なものになるが、本発明でのX線源は、
本実施形態程度のプロセスルールでは、単色化も必要な
く、非常に簡単なものでよい。
【0040】また本発明になる本実施形態では、従来の
逆スタガー型のプロセスなみの簡易なプロセスとなって
いる。つまりリフトオフなどの工程を経ずして、ソー
ス、ドレイン電極を形成できる。その結果、電極形成後
の断面形状等、非常に良好なものが得られた。
【0041】また従来はゲート電極、光センサ下電極形
成工程、コンタクトホール、アイソレーション工程、ソ
ース、ドレイン作成工程、n+ エッチング工程の4枚マ
スク、4フォトリソグラフィ工程が必要であった。従来
1回のフォトリソグラフィで形成していたゲート電極、
光センサ下電極形成工程が、本発明では2回のフォトリ
ソグラフィ工程となる。そのためフォトリソグラフィ工
程は5工程必要であるが、チャネルの形成はゲート電極
をマスクにしたセルフアラインであるから、結局全マス
ク枚数は4枚でよい。従来の工程4枚マスクの、フォト
リソグラフィ4工程に比べ、1工程増えるが、マスク合
わせの部分はなくなり、とくに大きな負担が増えるわけ
ではない。実際フォトリソグラフィ工程において最も負
荷の大きいのは、マスクアラインメントの部分であるか
ら、この部分がX線露光のセルフアラインメントを利用
することにより、容易に露光することができる。さら
に、それにも増して、本発明を用いることにより、従来
と大きく変わらない工程ながら、充分良好なソース、ド
レイン電極のセルフアラインメントを実現する事がで
き、高性能な画像読み取り装置を作成することができ
た。
【0042】さらにソース、ドレイン電極とゲート電極
との重なり幅を縮小する事ができることにより、つまり
ゲート電極により、アラインメントが正しくできるの
で、これまでマスク合わせのずれ等を見越して、とって
いたマージンを本実施形態においては非常に小さくする
ことができた。これにより、各画素の設計がより容易に
なった。薄膜トランジスタの大きさを小さくできるの
で、同一面積では光センサ領域を広くとることができ、
感度向上にも寄与した。また同じ感度ならば、より小さ
い画素を作ることができ、解像度を上げることができ
た。またこれまでCgs,Cdsの寄生容量により、プ
ロセスからの制約で読み出し容量としていたものを、C
gs,Cds容量成分がほとんどなくなったので、これ
を自由に設計する事ができるようになり、設計の自由度
が増した。また薄膜トランジスタの高速スイッチングが
可能になり、画像読み取り装置自体の高速読み取りが可
能になった。 [実施形態3]本発明になる製造方法を液晶ディスプレ
イに適用した場合の実施形態を以下に示す。図6(a)
は図7における画像出力部の1画素分の平面図を示す。
ただしこの図では省略するが画像出力部の液晶部分がこ
の上に重なっている。図6(b)は図6(a)のA−B
の断面図を示す、図7に画像出力装置の全体回路を示
す。電極画像出力部は画像出力手段としての液晶LC1
1とその駆動用薄膜トランジスタDT11から構成され
ている。図6(b)において、601はガラス基板、6
02はITO等からなる画素の下電極、603はPb等
からなるゲート電極、604は絶縁膜、605は半導体
層、606は高濃度不純物層、607,608はソース
・ドレイン電極、609は表面保護層、610は液晶で
ある。
【0043】液晶ディスプレイでも各画素を駆動させる
ため薄膜トランジスタを利用しており、ここでもCg
s,Cgdの影響は大きく、従来よりその低減が求めら
れていた。そこでここにも本発明になる製造方法を適用
し、この問題を解決した。
【0044】次に本実施形態の詳しい製造方法を図8を
もとに具体的に述べる。
【0045】(a)まず洗浄ガラス基板801上に、ス
パッタによりPbを5000オングストローム成膜す
る。このPbを所望の形状にフォトレジストパターニン
グを施して、エッチングを行い、その後フォトレジスト
剥離洗浄後薄膜トランジスタのゲート電極802とした
(図8(a))。
【0046】(b)次にガラス基板801上に、スパッ
タによりITO(Indium Tin Oxide)
を1000オングストローム成膜する。このITOを所
望の形状にフォトレジストパターニングを施して、エッ
チングを行い、その後フォトレジストを剥離洗浄後、各
画素の下電極803とした(図8(b))。
【0047】(c)次にこの上に、SiH4 シランガ
ス、NH3 アンモニアガス、H2 水素ガスを使ってプラ
ズマCVDにより水素化アモルファス窒化シリコン層8
04を形成した。ひきつづきSiH4 シランガス、H2
水素ガスを使いプラズマCVDにより水素化アモルファ
スシリコン層805を形成した。さらにSiH4 シラン
ガスPH3 ホスフィンガス、H2 ガスを使ってプラズマ
CVDによりn+ 型水素化アモルファスシリコン層80
6を形成した(図8(c))。
【0048】(d)フォトリソグラフィ工程によりコン
タクトホール、アイソレーションのフォトレジストパタ
ーンを作成し、ドライエッチングにより水素化アモルフ
ァス窒化シリコン層、水素化アモルファスシリコン層、
+ 型水素化アモルファスシリコン層を一部除去し、フ
ォトレジスト剥離洗浄後コンタクトホールを作成し、ア
イソレーションをおこなった(図8(d))。
【0049】(e)つぎに蒸着法やスパッタ法により、
アルミニウムなどのX線を透過しやすい金属材料を用い
ての第2の金属層807を成膜する。アルミニウムはX
線を透過しやすく、かつ半導体装置の導電材料として常
用されるものであるから好適である。しかる後X線感光
性レジスト808を塗布する(図8(e))。X線感光
性フォトレジストとしては、本実施形態ではネガ形露光
プロセスであるから、実施形態1と同じネガ形X線フォ
トレジストPGMAを利用した。X線として、MoのK
αを主に利用した。この特性X線波長はλ=0.711
オングストロームである。これはX線源として容易に手
にはいるMoターゲットのクーリッジ管を利用した為で
ある。本実施形態においても、特に単色化はしていな
い。この状態で現像をおこなったところ、現像時間は若
干長めになったが、図8(f)のように充分セルフアラ
インされた形状にパターニングすることができた。実際
の現像時間等は、使用するX線感光性フォトレジストの
特性、またはその厚さ、ベーキング時間などの処理条件
等により異なるが、それぞれのプロセス条件が定まれば
実験的に適宜設定することができる。基本的な考え方は
いずれの場合も変わらない。
【0050】この後このX線感光性フォトレジストパタ
ーンをマスクにして、薄膜トランジスタのチャネル部の
アルミニウムをエッチングし、引き続きドライエッチン
グにより、不必要なn+ 型水素化アモルファスシリコン
層を除去することで、チャネル領域を完成した。
【0051】(f)然る後、通常のフォトリソグラフィ
プロセスにより、所望の形状にフォトレジストのパター
ンをつくり、これをマスクに、アルミエッチングを行
い、フォトレジスト剥離洗浄後薄膜トランジスタのソー
ス809、ドレイン電極810を作成し、また下電極と
のコンタクトも取った(図8(g))。
【0052】(g)ひきつづきSiH4 シランガス、N
3 アンモニアガス、H2 水素ガスを使ってプラズマC
VDにより表面保護層として水素化アモルファス窒化シ
リコン層811を3000オングストローム形成した
(図8(h))。
【0053】(h)(不図示)つぎに液晶封止のための
周囲土手を作る。ITOを蒸着したガラス基板を上記基
板上に貼り合わせる。
【0054】これに液晶を注入する。注入が終わったと
ころで、注入口を封止する。このときのゲート電極とソ
ース、ドレイン電極との重なり幅d1 ,d2 を測定した
ところ、1μm以下であった。
【0055】本実施形態においては、従来と同じマスク
枚数であり、従来の工程4枚マスクの、フォトリソグラ
フィ4工程に比べ、フォトリソグラフィのレジスト工程
が1つ増えるが、マスク合わせの部分はなくなり、とく
に大きな負担が増えるわけではない。実際フォトリソグ
ラフィ工程において最も負荷の大きいのは、マスクアラ
インメントの部分であるから、この部分がX線露光のセ
ルフアラインメントを利用することにより、容易に露光
することができる。さらに、それにも増して、本発明を
用いることにより、従来と大きく変わらない工程なが
ら、駆動薄膜トランジスタにおいて、充分良好なソー
ス、ドレイン電極のセルフアラインメントを実現する事
ができ、高性能な液晶ディスプレイを作成することがで
きた。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
X線を吸収する吸収層をマスクとし、吸収層の一方の面
から、X線を用いて露光を行い、X線感光性フォトレジ
ストの特性を合わせ利用することで、より精度の高いセ
ルフアラインメントのプロセスを提供することができ
た。これをたとえば薄膜トランジスタ等に用いることに
より、安価な材料、非常に簡易なプロセスを用いながら
も、大面積化された半導体装置であっても容易に、かつ
高品質、高性能、低コストで提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置の製造方法の第1の実施形
態を示す断面図である。
【図2】(a)はX線感光性フォトレジストの露光特性
を示す図、(b)は露光のされかたを模式的に示す図で
ある。
【図3】(a)は本発明の半導体装置の製造方法の第2
の実施形態による画像読み取り装置の1画素の平面図、
(b)はA−B断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の画像読み取り装置の
1画素の等価回路図である。
【図5】本発明の第2の実施形態の画像読み取り装置の
製造方法を示す断面図である。
【図6】(a)は本発明の半導体装置の製造方法の第3
の実施形態による液晶ディスプレイ装置の1画素の平面
図、(b)はA−B断面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態の画像出力装置の等価
回路図である。
【図8】本発明の第3の実施形態の画像出力装置の製造
方法を示す断面図である。
【図9】従来の薄膜トランジスタの製造方法を示す断面
図である。
【図10】従来のセルフアラインメントによる薄膜トラ
ンジスタの製造方法を示す断面図である。
【図11】(a)は従来例の画像読み取り装置の1画素
の平面図、(b)はA−B断面図である。
【図12】従来の画像読み取り装置の1画素の等価回路
図である。
【図13】(a),(b)は画像入出力装置の光電変換
素子の動作原理を示すエネルギーバンド図である。
【図14】従来例の画像入力部の全体回路図である。
【図15】従来の画像読み取り装置の製造方法を示す断
面図である。
【符号の説明】
101,206,501,801,901,1001,
1501 ガラス基板 102,503,802,803,902,1002
第1の金属層 103,207,502,603,802,903,1
003,1502,1503 ゲート電極 104,504,604,804,904,1004,
1504 ゲート絶縁膜 105,505,605,805,905,1005,
1505 半導体層 106,506,606,806,906,1006,
1506 不純物層 205 半導体層と絶縁層 108,508,808,1008 フォトレジスト
層 201,203 強く感光されたフォトレジスト 202 弱く感光されたフォトレジスト 107,204,507,807,907,1007
第2の電極層 109,110,509,510,607,608,8
09,810,908,909,1010,1011,
1507,1508 ソース、ドレイン電極 d1 ,d2 ゲート電極とソース、ドレイン電極との
重なり幅 X 照射されるX線 L 照射される露光光 I0 基板を透過するX線強度 I1 半導体を透過されるX線強度 I2 X線吸収層と半導体層を透過されるX線強度

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線を吸収しやすい重金属材料からなる
    所望の形状にパターン化された吸収層を有し、該吸収層
    の積層方向の一方の面側からX線を照射することによ
    り、該吸収層をマスクにして、該一方の面側と反対の面
    側に配されたフォトレジストを露光することを特徴とす
    る半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 基板上に前記所望の形状にパターン化された吸収層を設
    けた後、この吸収層の上に少なくとも半導体層を含む層
    を形成し、さらにパターニングすべき層を設け、この上
    にX線に感光するフォトレジストを設け、該基板側から
    X線を照射することで、該吸収層をマスクにして、該フ
    ォトレジストを感光させることを特徴とする半導体装置
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 前記基板は絶縁基板であって、該絶縁基板上に薄膜トラ
    ンジスタを有し、前記吸収層はゲート電極、パターニン
    グすべき層は高濃度不純物層及びソース・ドレイン電極
    となる導電層であることを特徴とする半導体装置の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 絶縁基板上に、導電層、絶縁層、半導体
    層、高濃度不純物層、導電層の層構成を有する光電変換
    素子と、該光電変換素子と同一層構成の薄膜トランジス
    タとを備えた半導体装置の製造方法において、 前記絶縁基板上に、X線を吸収しやすい重金属材料から
    なる所望の形状にパターン化された、前記薄膜トランジ
    スタのゲート電極となる第一導電層と、X線を透過す
    る、光電変換素子の導電層となる第二導電層とを設け、
    その後絶縁層、半導体層、高濃度不純物層、第三導電層
    を積層する工程と、 前記第三導電層上にX線に感光するフォトレジストを設
    け、前記絶縁基板側からX線を照射することで、前記第
    一導電層をマスクにして、該フォトレジストを感光さ
    せ、その後該フォトレジストをマスクとして前記高濃度
    不純物層、前記第三導電層を除去することで薄膜トラン
    ジスタのソース・ドレイン電極を形成する工程と、を備
    えた半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれかの請求項
    に記載の半導体装置の製造方法において、前記吸収層
    は、Au,Ta,W,Pbの少なくとも一つの重金属材
    料からなることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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JPH09186068A true JPH09186068A (ja) 1997-07-15

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11167858A (ja) * 1997-10-01 1999-06-22 Toppan Printing Co Ltd 冷電子放出素子及びその製造方法
JP2000173442A (ja) * 1998-12-01 2000-06-23 Toppan Printing Co Ltd 冷電子放出素子及びその製造方法
JP2009122681A (ja) * 2001-05-23 2009-06-04 Plastic Logic Ltd デバイスのパターニング

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