JPH11166267A - 柱鉄筋コンクリート造一梁鉄骨造複合構造の柱頭構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 柱主筋の納まりや最上階の柱梁仕口部の落と
し込み時の施工性を良くし、Ｕ宇型定着補強筋の移動を
防止してコンクリートのかぶりを確保できる柱鉄筋コン
クリート造一梁鉄骨造複合構造における柱頭構造を提供
する。 【解決手段】 隣接した梁の間にふさぎ板を配置した柱
鉄筋コンクリート造一梁鉄骨造複合構造における柱梁仕
口部において、梁とふさぎ板とで形成する空間に配置さ
れる複数の柱主筋を定着板を用いて所定の間隔で一体に
保持して置き、Ｕ宇型定着補強筋を梁鉄骨フランジの所
定位置に予め敷設してあるスペーサーに装着する柱鉄筋
コンクリート造一梁鉄骨造複合構造における柱頭構造。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、柱鉄筋コンクリー
ト造一梁鉄骨造複合構造の柱頭構造に関し、特に、柱主
筋の納まりとＵ宇型定着補強筋の定着を良くし、最上階
の柱梁仕口部を落とし込む時の施工性を改善する柱鉄筋
コンクリート造一梁鉄骨造複合構造の柱頭構造に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】建物の施工効率を向上させるために開発
された柱鉄筋コンクリート造一梁鉄骨造複合構造（以
下、ＲＣＳＳ構法という）は、柱が鉄筋コンクリート
造、梁が鉄骨造の複合化構造であり、短工期、ローコス
ト面で優れている。同ＲＣＳＳ構法は、開発以来数々の
実績を重ねて有力なコストダウン構法の１つとして業界
に定着してきている。図４は、ＲＣＳＳ構法における従
来の柱頭１６の形態を示している。柱頭の柱梁仕口部１
７は、十字形に組まれた鉄骨７とこの鉄骨７間にそれぞ
れ結合されてコンクリートが打設される空間９を形成す
るふさぎ板８とで構成されている。複数のネジ鉄筋から
なる柱主筋４は、落とし込まれた柱頭の柱梁仕口部１７
内にある鉄骨の各フランジにあけられた孔に装着されて
からナットをねじ込んで柱梁仕口部１７を保持してお
り、さらに他の複数の柱主筋１８をふさぎ板８の中に配
置している。ふさぎ板８の中の空間９に配置される柱主
筋は、図４の例ではフック１９を先端に要して後打ちコ
ンクリートとの結合を強めるように配慮されているが、
結合を強化するための柱鉄筋の先端部は、図４のフック
１９の例だけでなく、図５に示すような他の例も当然に
採用されている。

【０００３】従来のＲＣＳＳ構法における柱主筋は、上
述のように全数が柱梁仕口部のフランジ２０を貫通した
ナット止め２１になっていたり、一部の柱主筋は先端を
フック状に曲げたり、あるいは定着板２２をナットで定
着する例も採用されていた。このために、フランジへの
ナット止めの場合には、現場で柱主筋を一本一本フラン
ジに装着してねじ止めする作業が面倒であり、一方のフ
ック付きの場合には工場でのフックの曲げ加工が面倒で
あるばかりでなく、現場での施工段階では各柱主筋のフ
ックが互いに干渉することから取り扱いに支障を生じた
り、柱梁仕口部の落とし込み時に仕口部内の鉄骨やふさ
ぎ板に柱主筋のフックが当たってしまい、その施工性が
著しく低下していた。又、定着板の場合には定着板を取
り付け固定する手間が掛かると共に、現場作業において
は柱主筋を個々に取り扱うことと柱梁仕口部の落とし込
み時にフックの場合と同様に仕口部内の鉄骨やふさぎ板
に柱主筋の定着板が当たってしまうために作業効率が低
下してしまう点が間題になっていた。

【０００４】又、Ｕ宇型定着補強筋２３についても、図
６に示すように柱梁仕口部１７の鉄骨フランジに点付け
２４したり、あるいは柱梁仕口部に捨て筋２５を溶接し
ておいてこの捨て筋２５にＵ宇型定着補強筋２３を結束
する等の手段が講じられていたが、いずれの場合もＵ宇
型定着補強筋の設置位置の確保が不確実になりがちであ
った。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のＲＣ
ＳＳ構法が抱えていた柱主筋を仕口部内の鉄骨のフラン
ジヘ個々に取り付ける効率の悪さと柱頭部の柱主筋がフ
ックもしくは定着板とナット付きになっている場合の納
まりの悪さを改善し、さらには最上階の柱梁仕口部を落
とし込む際に柱主筋が仕口部内の鉄骨やふさぎ板に当た
ることで施工性が著しく低下する点を解決しようとする
ものである。

【０００６】又、従来のＲＣＳＳ構法が抱えていたもう
一つの間題点であるＵ宇型定着補強筋についてもコンク
リート打設時の移動の防止により仕口部部内の鉄骨への
定着を確立するものである。さらには、ＲＣＳＳ構法に
おける柱頭部の納まりや柱梁仕口部の落とし込み及びＵ
宇型補強筋の抱えている問題点を改善した施工作業の標
準化をすることによって、同一部材の大量生産によるコ
ストダウンや習熟効果の大きい施工法として、ＲＣＳＳ
構法の施工効率をさらに向上させようとするものであ
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、隣接する梁の
間にふさぎ板を配置した柱鉄筋コンクリート造一梁鉄骨
造複合構造における柱梁仕口部において、梁とふさぎ板
とで形成する空間に配置される複数の柱主筋を定着板を
用いて所定の間隔で一体に保持して置き、Ｕ宇型補強筋
は梁鉄骨フランジの所定位置に予め敷設してあるスペー
サーに装着することを特徴とする柱鉄筋コンクリート造
一梁鉄骨造複合構造における柱頭構造である。

【０００８】

【発明の実施の形態】図１は、本発明によるＲＣＳＳ構
法における柱頭の仕口部を説明するための斜視図であ
る。本発明によるＲＣＳＳ構法の柱頭１は、従来例と同
様に、柱梁仕口部２にＵ宇型定着補強筋３を装着したも
のを所定数の柱主筋４で支持し、複数の柱主筋５を配置
して構成されている。 柱主筋５は、図２に示すように
定着板６によって予め所定の間隔で一体に保持した状態
で組み立てられている。そして、柱梁仕口部２を落とし
込むことで図１に図示するように最終的に柱梁仕口部２
の鉄骨７とふさぎ板８とで形成する空間９に配置される
状態になる。個々の柱主筋５は、ネジ鉄筋であり建方時
の作業も複数本の柱主筋を１枚の定着板１１に単純には
め込んでナット１２で締め付け固定するだけであるか
ら、極めて効率よく作業を遂行できる。特に、柱梁仕口
部２を下方の柱及び柱主筋４，５に落とし込む時には柱
主筋５が定着板６によって一体に定着されていることか
ら柱梁仕口部２の鉄骨７やふさぎ板８に引っ掛かるよう
な作業上の支障もなく、高所での建方を安全確実に行え
る。

【０００９】又、Ｕ宇型定着補強筋３は、図３で詳細に
例示するように柱梁仕口部２の鉄骨７の下フランジ１３
に予め溶接してあるスペーサー１４の孔１５に差し込む
だけであるから、極めて単純な作業で済む。そして、ス
ペーサー１４に装着保持されたＵ宇型定着補強筋３は柱
梁仕口部に極めて堅固に装着されると同時に定着位置が
確実に保持されることから鉄骨建方後のコンクリート打
設に際しても決して移動することがなく仕口部の柱への
定着が確実になる。

【００１０】

【発明の効果】本発明は、隣接する梁の間にふさぎ板を
配置した柱鉄筋コンクリート造一梁鉄骨造複合構造にお
ける柱梁仕口部において、梁とふさぎ板とで形成する空
間に配置される複数の柱主筋を定着板を用いて所定間隔
で一体に保持して置き、Ｕ宇型定着補強筋を梁鉄骨フラ
ンジの所定位置に予め敷設してあるスペーサーに装着す
ることを特徴とするものであるから、柱主筋の納まりを
良くし、最上階の柱梁仕口部を落とし込む際にも鉄骨梁
やふさぎ板に当たることもなく施工性が著しく向上す
る。又、Ｕ宇型定着補強筋は鉄骨への装着が簡単であ
り、コンクリート打設時においても移動することがな
く、コンクリートに対しても充分なかぶりを保つことが
できるので、建物の性能と安全性を確立できる効果を奏
するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による柱鉄筋コンクリート造一梁鉄骨造
複合構造の柱頭部斜視図

【図２】柱主筋の定着図

【図３】Ｕ宇型定着補強筋の鉄骨装着図

【図４】従来のＲＣＳＳ構法の柱頭部斜視図

【図５】従来の柱主筋定着図

【図６】従来のＵ宇型定着補強筋の鉄骨装着図

【符号の税明】

１ 柱鉄筋コンクリート造一梁鉄骨造複合構造の柱頭 ２ 柱梁仕口部 ３ Ｕ宇型定着補強筋 ４ 柱主筋 ５ かこい板空間の柱主筋 ６ 定着板 ７ 鉄骨 ８ ふさぎ板 ９ ふさぎ板の空間 １０ 補強ブレースのブラケット １１ 定着板 １２ ナット １３ フランジ １４ スペーサー １５ 孔 １６ ＲＣＳＳ構法の従来の柱頭 １７ 従来の柱梁仕口部 １８ 従来の柱主筋 １９ 柱主筋先端のフック ２２ 定着板 ２３ Ｕ宇型定着補強筋 ２４ 点付け ２５ 捨て筋

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 隣接する梁の間にふさぎ板を配置した柱
   鉄筋コンクリート造一梁鉄骨造複合における柱梁仕口部
   において、梁とふさぎ板とで形成する空間に配置される
   複数の柱主筋を定着板を用いて所定の間隔で一体に保持
   して置き、Ｕ宇型定着補強筋をふさぎ板内の梁鉄骨フラ
   ンジの所定位置に予め敷設してあるスペーサーに装着す
   ることを特徴とする柱鉄筋コンクリート造一梁鉄骨造複
   合構造の柱頭構造。