JPH11138715A - フレキシブルコンテナ用原反 - Google Patents

フレキシブルコンテナ用原反

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JPH11138715A
JPH11138715A JP30538297A JP30538297A JPH11138715A JP H11138715 A JPH11138715 A JP H11138715A JP 30538297 A JP30538297 A JP 30538297A JP 30538297 A JP30538297 A JP 30538297A JP H11138715 A JPH11138715 A JP H11138715A
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strength
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yarn
flexible container
polyolefin
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Ikuhiro Asano
幾弘 浅野
Yasuyuki Eguchi
靖之 江口
Hitoshi Asabe
仁志 浅部
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Hagiwara Industries Inc
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Hagiwara Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 引張強力、引裂強力、剥離強力にすぐれ、か
つ適度の柔軟性を有するフレキシブルコンテナ用原反を
提供する。 【解決手段】 ポリオレフィン高融点成分からなる延伸
糸条を経緯糸に用いて綾織または多重織の織組織で織成
された織布6の両面に、ポリオレフィン低融点成分から
なる被覆層7を設けたものであって、特定の織組織から
構成されている織りに遊びが生じるために引裂強力、剥
離強力を向上でき、かつ柔軟性を有しており加工性、取
扱性に優れたフレキシブルコンテナ用原反8となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フレキシブルコン
テナ用原反に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、フレキシブルコンテナ用原反はナ
イロンやポリエステル等のマルチフィラメントの平織で
ある織布の両面にポリ塩化ビニルなどの合成樹脂やゴム
等を被覆して形成されていた。そして、これらの原反を
用いて高周波溶着などにより原反を接合してフレキシブ
ルコンテナを形成していた。原反の接合方法としては、
生産性の点から熱溶着による方法が望まれている。
【0003】フレキシブルコンテナ用原反の織布用素材
としては、ナイロンやポリエステルのマルチフィラメン
トは高強力は得られるものの紡糸性が容易ではない上に
高価であるという問題があった。そこで近年、ナイロン
やポリエステルに替わって、紡糸性にすぐれ安価である
ポリオレフィンが用いられてきた。しかし、ポリオレフ
ィンからなる延伸糸を用いて平織として織成した織布を
基材として用いると、強力が不十分となり、強力を向上
させるために打込本数を上げると織劣化が大きくなる上
に、織りに遊びがなくなり引裂強力が低下したり、基材
が堅くなり加工性や取扱い性が低下するという不都合が
生じる。そして平織の織布においては、経緯糸が堅固に
織り込まれ変形の自由度が少ないために、経緯糸と被覆
層の剥離強力や耐クリープ性が低いという問題があっ
た。また、強力を向上させるために単糸繊度を上げる
と、緯糸の打込みの際にシャトルを使用する織成法にお
いてはシャトルが飛び難くなり製織性が低下するという
問題があり、さらに基材が堅くなり加工性や取扱い性が
低下するという不都合が生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
技術的に解決するために、引張強力、引裂強力、剥離強
力にすぐれ、かつ適度の柔軟性を有するフレキシブルコ
ンテナ用原反を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリオレフィ
ン製の延伸糸条を経緯糸に用いて綾織または多重織とし
て織成した織布の両面にポリオレフィン低融点成分から
なる被覆層を設けてなるフレキシブルコンテナ用原反を
要旨とする。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のフレキシブルコンテナ用
原反において、用いる延伸糸条として使用するポリオレ
フィンは、延伸効果があり高強力が得られるものが好ま
しく、かつ被覆層を設ける際に熱劣化を生じないポリオ
レフィン高融点成分であるのが望ましく、具体的には高
密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、ポリプロピレ
ンなどが挙げられる。ポリプロピレンのうちではアイソ
タクテイックペンタッド分率が0.95以上である高結
晶性ポリプロピレンが好適である。これらのポリオレフ
ィンは1種単独または2種以上を組合わせて用いても差
し支えない。
【0007】延伸糸条の繊維形状としては、織劣化が小
さく、製織性が良好であるものであればマルチフィラメ
ント、モノフィラメント、スプリットヤーン、フラット
ヤーンなどいずれでもよいが、生産性にすぐれ、織布表
面に被覆層を設ける際の接着性にすぐれたフラットヤー
ンが好ましい。
【0008】上記延伸糸条は、ポリオレフィンの融点以
下、軟化点以上の温度下で延伸が行われる。延伸倍率は
好ましくは3〜20倍、より好ましくは5〜15倍であ
る。このようにして得られた延伸糸条は、単糸の破断強
度が4.0g/デニール以上であるのが好ましい。4.0
g/デニール未満ではフレキシブルコンテナ用原反とし
ては強力が不十分となる。また、延伸糸条の単糸繊度
は、好ましくは500〜3000デニール、より好まし
くは1500〜2500デニールである。500デニー
ル未満ではフレキシブルコンテナ用原反としての強力が
十分でなく、3000デニールを越えると織成効率が低
下し、フレキシブルコンテナ用原反が堅くなり加工性、
取扱性に劣ることになる。
【0009】延伸糸条は通常の単層のものばかりでなく
複合糸条であってもよい。この複合糸条は、ポリオレフ
ィン高融点成分からなる中間層の両面に、中間層より低
融点のポリオレフィン低融点成分層を設けた積層型のフ
ラットヤーンや、ポリオレフィン高融点成分の芯層とポ
リオレフィン低融点成分の鞘層で構成された芯鞘型のモ
ノフィラメントなどが挙げられる。
【0010】このようなポリオレフィン製の延伸糸条
は、経緯糸に用いて織成し基布となるのであるが、この
際の織成組織として綾織または多重織である織布を使用
する必要がある。
【0011】綾織は、経糸または緯糸のいずれかが、交
差する経糸または緯糸を2本以上飛ばして織った織物
で、交錯点が平織などより少ない織組織であり、変形の
自由度が大きいために衝撃力を吸収して、引裂強力、積
層体の剥離強力などの向上に対して効果が大きく、強力
の向上の割には柔軟性を失うことなく、加工性、取扱い
性にすぐれている。織成規格としては3/1、2/1、
1/1、1/2、1/3の範囲の綾織物が好ましい。ま
た、変化綾織でもよく、梨地織、曲がり綾織などであっ
てもよい。
【0012】多重織は、複数の織層間を接結糸で連結し
ているもので、同様に変形の自由度が大きいために衝撃
力を吸収して、引裂強力、積層体の剥離強力などの向上
に対して効果が大きく、強力の向上の割には柔軟性を失
うことなく、加工性、取扱い性にすぐれている。織成規
格としては二〜五重織が好ましいが、特に二重織が好ま
しく、経二重織、緯二重織、経緯二重織などであっても
よい。
【0013】また、綾織と多重織は組合わせることもで
きる。こうすることで綾織および多重織の特性の相乗効
果を有し、引裂強力、剥離強力にすぐれ、柔軟性を失う
ことなく、加工性、取扱い性にすぐれたものとなる。
【0014】綾織または多重織である織布の両面にはポ
リオレフィン低融点成分からなる被覆層を設ける。この
被覆層に使用するポリオレフィン低融点成分としては、
超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低
密度ポリエチレン、メタロセン触媒を用いて製造された
エチレンと炭素数3以上のα−オレフィンとのエチレン
・α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等のポリ
エチレン系樹脂やプロピレン−エチレン共重合体、シン
ジオタクチックポリプロピレン等のポリプロピレン系樹
脂などを挙げることができる。これらのポリオレフィン
は1種単独または2種以上を組合わせて用いても差し支
えない。特に、被覆層の低融点成分と延伸糸条の高融点
成分とは同系または同種の樹脂であることが接着性の点
で好ましい。また、ポリオレフィン低融点成分を被覆す
る際に熱劣化を起こさないことが好ましく、ポリオレフ
ィン高融点成分とポリオレフィン低融点成分との融点差
が好ましくは10℃以上、より好ましくは20℃以上、
さらに好ましくは30℃以上である。
【0015】この被覆層を設ける方法としては、公知の
押出ラミネート法により行なうことができる。被覆層の
厚みは、片面30〜150μmが好ましく、50〜10
0μmがより好ましい。30μm未満では溶着強力が不
十分となり、150μmを超えると引裂強力が低下し好
ましくない。
【0016】延伸糸条および被覆層に用いる各ポリオレ
フィンには、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、帯電防止
剤、顔料、無機充填剤、難燃剤、架橋剤、発泡剤、核剤
等の添加剤を配合して用いることができる。
【0017】
【実施例】試験方法 1.引張強力:JIS−Z1651に準拠する。 2.引裂強力:JIS−Z1651に準拠する。 3.剥離強力:熱風溶着装置を用いて3cm幅で溶着
し、試料を3cm幅に裁断して引張速度50mm/mi
n.で180゜剥離試験を行なった。評価データは初期
剥離抵抗値を除く最大値を採用した。 4.剛軟度:JIS−L1096に準拠する。
【0018】実施例1:高密度ポリエチレン(MFR=
1.2g/10min.、密度=0.950g/cm3、T
m=130℃)を用いて、インフレーション法によりフ
ィルムを形成し、冷却してスリット後、延伸温度120
℃、アニーリング温度125℃で熱板接触式延伸法にて
6倍延伸で繊度2000dのフラットヤーンを得た。こ
のフラットヤーンを経緯糸として使用して、図1に示す
ように、打込密度を経糸1として18本/インチ、緯糸
2として18本/インチとして1/2の綾織物3からな
る織布6を得た。
【0019】こうして得られた織布6の両面に、低融点
成分として、メタロセン触媒を用いて製造されたエチレ
ン・α−オレフィン共重合体(MFR=12g/10m
in.、密度=0.911g/cm3、Tm=96℃、M
w/Mn=2.1)を溶融押出温度280℃で押出ラミ
ネート法で、厚さ各65μmの被覆層7を設けて、図4
に示すように、フレキシブルコンテナ用原反8を形成し
た。評価結果は表1に示す。
【0020】実施例2:織組織として、図3に示す梨地
織物5を採用した他は実施例1と同様に行った。評価結
果は表1に示す。
【0021】実施例3:実施例1で用いたフラットヤー
ンを経緯糸として使用して、打込密度を経糸1として1
5本/インチ、緯糸2として18本/インチとして緯二
重織物9を得た他は実施例1と同様に行った。評価結果
は表1に示す。
【0022】実施例4:実施例1で用いたフラットヤー
ンを経緯糸として使用して、打込密度を経糸1として1
5本/インチ、緯糸2として20本/インチとして緯二
重織物9を得た他は実施例1と同様に行った。評価結果
は表1に示す。
【0023】実施例5:高密度ポリエチレン1(MFR
=1.2g/10min.、密度=0.950g/cm3
Tm=130℃)を中間層とし、その両面にメタロセン
触媒によるエチレン・α−オレフィン共重合体(MFR
=4.5g/10min.、密度=0.911g/cm3
Mw/Mn=2.1、Tm=96℃、MT=1.2g)8
0重量%と、低密度ポリエチレン(MFR=1.0g/
10min.、密度=0.922g/cm3、Tm=10
8℃)20重量%とを配合した樹脂組成物を外層とし
て、共押出インフレーションフィルム成形法により3層
フィルムを成形し、熱板接触延伸方式で延伸倍率6倍で
延伸して、繊度2000dの複合糸条を形成した。こう
して得られた複合フラットヤーン糸条を経緯糸として用
い、打込密度を経糸1として15本/インチ、緯糸2と
して15本/インチとして1/2の綾織物3を得た。そ
の他は実施例1と同様に行った。評価結果は表1に示
す。
【0024】比較例1:実施例1で用いたフラットヤー
ンを経緯糸として使用して、打込密度を経糸1として1
5本/インチ、緯糸2として15本/インチとして平織
物を得た他は実施例1と同様に行った。このフレキシブ
ルコンテナ用原反は、引張強力、引裂強力、剥離強力が
低い上、剛軟度が高く柔軟性に欠けて好ましくない。評
価結果は表1に示す。
【0025】比較例2:実施例1で用いたフラットヤー
ンを経緯糸として使用して、打込密度を経糸1として1
8本/インチ、緯糸2として15本/インチとして平織
物を得た他は実施例1と同様に行った。経糸1として1
8本/インチを打ち込むと、緯糸2として15本/イン
チ以上を打ち込むことは出来ず、平織物としてはこれ以
上の強力を得ることは困難であった。このフレキシブル
コンテナ用原反は、引張強力、引裂強力、剥離強力が低
い上、剛軟度が高く柔軟性に欠けて好ましくない。評価
結果は表1に示す。
【0026】比較例3:実施例1で用いたフラットヤー
ンを経緯糸として使用して、打込密度を経糸1として1
5本/インチ、緯糸2として18本/インチとして平織
物を得た他は実施例1と同様に行った。緯糸2として1
8本/インチを打ち込むと、経糸1として15本/イン
チ以上を打ち込むことは出来ず、平織物としてはこれ以
上の強力を得ることは困難であった。このフレキシブル
コンテナ用原反は、引張強力、引裂強力、剥離強力が低
い上、剛軟度が高く柔軟性に欠けて好ましくない。評価
結果は表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明のフレ
キシブルコンテナ用原反は、ポリオレフィン製の延伸糸
条を用いて綾織または多重織の織組織に織成された織布
の両面にポリオレフィン低融点成分からなる被覆層を設
けたものであって、特定の織組織から構成されている織
りに遊びが生じるために引張強力、引裂強力、剥離強力
を向上させ、かつ柔軟性を有しており加工性、取扱性に
すぐれたフレキシブルコンテナ用原反を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】1/2綾組織の構成を示す(イ)は裏面図、
(ロ)は緯方向断面図、(ハ)は経方向断面図、(ニ)
は表面模様図である。
【図2】緯二重織物の断面図である。
【図3】梨地織の表面模様図である。
【図4】本発明のフレキシブルコンテナ用原反の模式断
面図である。
【符号の説明】
1 経糸 2 緯糸 3 1/2綾織物 4 接結糸 5 梨地織物 6 織布 7 被覆層 8 フレキシブルコンテナ用原反 9 緯二重織物

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン製の延伸糸条を経緯糸に
    用いて綾織または多重織として織成した織布の両面にポ
    リオレフィン低融点成分からなる被覆層を設けてなるフ
    レキシブルコンテナ用原反。
JP30538297A 1997-11-07 1997-11-07 フレキシブルコンテナ用原反 Ceased JP3160563B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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