JP2002067254A - 積層シート - Google Patents

積層シート

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JP2002067254A
JP2002067254A JP2000255221A JP2000255221A JP2002067254A JP 2002067254 A JP2002067254 A JP 2002067254A JP 2000255221 A JP2000255221 A JP 2000255221A JP 2000255221 A JP2000255221 A JP 2000255221A JP 2002067254 A JP2002067254 A JP 2002067254A
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polyester
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Masuo Yabuki
増男 矢吹
Tsunemasa Hosoda
常正 細田
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Hagiwara Industries Inc
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Hagiwara Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリエステルを主成分とする特定の組成物を
用いて形成された延伸糸からなる基布および被覆層から
なり、生産性にすぐれ、高強力で、耐熱性、腰の強さに
すぐれた積層シートを提供する。 【解決手段】 ポリエステルを主成分とする特定の組成
物を用いて形成された延伸糸を織編成してなる基布の少
なくとも片面に、ポリエステルを主成分とする特定の組
成物を用いて押出ラミネート法により被覆層を形成して
なる積層シートである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層シートに関
し、さらに詳しくは、耐熱性、腰の強さにすぐれたポリ
エステルを主成分とする積層シートであって、フレキシ
ブルコンテナ、テントシート、自立性容器などに好適に
用いられる。
【0002】
【従来の技術】従来、フレキシブルコンテナ原反とし
て、ナイロンやポリエステル繊維からなる基布にポリ塩
化ビニルなどを積層したターポリンが多用されている。
しかし、積層したポリ塩化ビニルは可塑剤のブリードに
より汚れやすく、焼却時に有毒ガスが発生するという欠
点などがあった。また、ポリ塩化ビニルの代わりにポリ
オレフィンを積層してもナイロンやポリエステルとポリ
オレフィンは接着性が不良で十分な剥離強力は得られな
いという問題があった。
【0003】そこで、近年、フィラメント成形性にすぐ
れ、高強力な延伸糸の得られるポリオレフィンを用い
て、ポリオレフィン延伸糸からなる基布に同種のポリオ
レフィン層を押出ラミネート法により積層した積層シー
トが用いられている。しかしながら、ポリオレフィンか
らなるフレキシブルコンテナは、高温の充填物を直接フ
レキシブルコンテナに充填すると耐熱性が十分でなく、
耐熱性を必要とするフレキシブルコンテナとして耐熱性
にすぐれたポリエステル製延伸糸からなる織布の両面に
同種のポリエステルを積層した積層シートが試みられて
きた。
【0004】このようなポリエステルとしては、通常、
ポリエチレンテレフタレートが用いられるが、ポリエチ
レンテレフタレートからなるフラットヤーンは成形時に
縦割れし易いという欠点があり、このフラットヤーンを
織成時には織り劣化が大きく強度が著しく低下するなど
の欠点があった。また、ポリエステル製延伸糸からなる
織布の両面にポリエステルを押出ラミネート法により積
層しようとすると、ネックインが大きく、膜揺れ現象の
ために耳部が不安定となり、これを解消するためには生
産速度を落とさなければならないという問題もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の課題
を解決するためになされたもので、ポリエステルを主成
分とする特定の組成物を用いて形成された延伸糸を織編
成してなる基布の少なくとも片面に、ポリエステルを主
成分とする特定の組成物を用いて押出ラミネート法によ
り被覆層を形成してなる生産性にすぐれ、高強力で、耐
熱性、腰の強さにすぐれた積層シートの提供を目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の積層シートは、下記組成物を用いて形成し
た延伸糸を織編成してなる基布の少なくとも片面に、下
記組成物を用いて押出ラミネート法により被覆層を形成
してなる構成とするものである。 (組成物) (a)ポリエステル 50〜90重量% (b)エポキシ基含有エチレン共重合体、カルボン酸ま
たはその酸無水物基含有オレフィン系共重合体、スチレ
ン系熱可塑性エラストマーから選択された少なくとも1
種 10〜50重量%
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるポリエステル
は、芳香族ジカルボン酸、あるいはそのジアルキルエス
テルなどの2官能成分とグリコール成分とを重縮合させ
て得られるものであって、代表的な例としては、酸成分
としてテレフタル酸とグリコール成分としてエチレング
リコールとからなるポリエチレンテレフタレート(PE
T)、酸成分としてテレフタル酸とグリコール成分とし
てテトラメチレングリコールを用いたポリブチレンテレ
フタレート(PBT)などが挙げられる。また、ポリエ
ステルとして、単独のホモポリエステルであってもよい
が、複数のホモポリエステルあるいはコポリエステルの
混合物であってもよく、コポリエステルとしては、芳香
族ジカルボン酸成分においてテレフタル酸の1部として
イソフタル酸、アジピン酸、2,6-ナフタレンジカルボン
酸などが共重合したものであってもよく、また、グリコ
ール成分においてエチレングリコールの1部がプロピレ
ングリコール、テトラメチレングリコール、ジエチレン
グリコールなどが共重合したものであってもよい。ポリ
エステルは融点が200〜260℃のものが好ましい。
これらの内では、PETが好ましい。
【0008】本発明において延伸糸を形成するポリエス
テルとして、PETに対して、PBTを配合するのが、
例えば、フラットヤーン形成時に縦割れを防止したり、
織成時に織り劣化を防止するために好ましい。PETに
対するPBTの配合割合は5〜30重量%が好ましい。
配合割合が5重量%未満では上記効果の発現が困難で、
30重量%を超えるとフラットヤーン成形性が低下して
好ましくない。
【0009】また、本発明において延伸糸形成または押
出ラミネート法による被覆層形成に使用されるポリエス
テルとして、再生ポリエステルを用いることができる。
再生ポリエステルは、通常、ポリエチレンテレフタレー
ト製飲料用容器(通称ペットボトル)を破砕し、再ペレ
ット化して用いるもので、再ペレット化工程において、
吸水や熱履歴などにより低下した固有粘度(η値)を固
相重合で調整して使用することができる。また、再生ポ
リエステルは、上記バージンのポリエステルと適宜混合
して用いることができる。
【0010】本発明で用いられるポリエステルの固有粘
度(η値)は、延伸糸形成用としては0.3〜1.1dl
/gが好ましく、0.5〜1.0dl/gがより好まし
く、0.7〜0.9dl/gがもっとも好ましい。延伸糸
形成用としてη値が0.3dl/g未満では、成形性が
容易ではない上延伸効果を得ることが困難で、1.1d
l/gを超えると延伸糸の成形性が低下する。また、押
出ラミネート法による被覆層形成用としては、0.7〜
1.3dl/gが好ましく、0.9〜1.1dl/gがよ
り好ましい。被覆層形成用としてη値が0.7dl/g
未満では、ネックインが大きく、膜揺れ現象により耳部
が不安定になるので好ましくなく、1.3dl/gを超
えるとドローダウン性が低下して好ましくない。
【0011】本発明において組成物の(b)成分として
は、エポキシ基含有エチレン共重合体、カルボン酸また
はその酸無水物基含有ポリオレフィン系共重合体、スチ
レン系熱可塑性エラストマーから選択された少なくとも
1種が用いられる。
【0012】上記エポキシ基含有エチレン共重合体は、
エチレンとエチレン系不飽和カルボン酸グリシジルエス
テルとの共重合体あるいはこれにエチレン系不飽和化合
物を共重合させた多元共重合体であって、具体的には、
エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレ
ン−グリシジルアクリレート共重合体、エチレン−グリ
シジルメタクリレート−メチルアクリレート3元共重合
体、エチレン−グリシジルメタクリレート−アクリロニ
トリル・スチレングラフト共重合体などが挙げられる。
【0013】上記カルボン酸またはその酸無水物基含有
オレフィン系共重合体は、低密度ポリエチレン、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸アルキ
ルエステル共重合体、ポリプロピレンなどのポリオレフ
ィンに、マレイン酸またはその無水物、フマル酸、イタ
コン酸またはその無水物、クロトン酸またはその無水物
などをグラフト化した共重合体、あるいはエチレンと前
記カルボン酸またはその無水物およびエチレン系不飽和
化合物との多元共重合体であって、具体的には、無水マ
レイン酸変性低密度ポリエチレン、無水マレイン酸変性
エチレン−酢酸ビニル共重合体、無水マレイン酸変性ポ
リプロピレン、エチレン−無水マレイン酸−メチルアク
リレート3元共重合体などが挙げられる。
【0014】上記スチレン系熱可塑性エラストマーは、
ハードセグメントとしてポリスチレン、ソフトセグメン
トとしてはポリイソプレンあるいはポリビタジエンまた
はこれに水素添加したものがあり、市販品としては、
「クレイトンD」、「クレイトンG」(商品名:シェル
ケミカル株式会社製)、「ハイブラー」、「セプトン」
(商品名:株式会社クラレ製)などが挙げられる。
【0015】本発明において、延伸糸形成用および被覆
層形成用の組成物の配合割合は、(a)成分50〜90
重量%、(b)成分10〜50重量%であって、好まし
くは(a)成分60〜80重量%、(b)成分20〜4
0重量%である。(a)成分の配合割合が50重量%未
満では本発明の目的である耐熱性および腰の強さの達成
が困難となり、90重量%を超えると延伸糸形成工程に
おいては成形性が劣り、被覆層形成工程においてはネッ
クインや膜揺れ現象が増加し好ましくない。
【0016】上記組成物の280℃におけるMFRは1
〜10g/10minが好ましく、2〜5g/10mi
nがより好ましい。MFRが1g/10min未満では
生産性が劣り、10g/10minを超えると成形性が
不安定となる。また、組成物の280℃におけるメルト
テンションは1〜10gが好ましく、3〜7gがより好
ましい。メルトテンションが1g未満では被覆層形成工
程においてネックインが大きく、膜揺れ現象により耳部
が不安定になるので好ましくなく、10gを超えるとド
ローダウン性が低下して好ましくない。
【0017】本発明において、延伸糸形成用の組成物に
対しフラットヤーンの縦割れ防止、織り劣化防止などの
改質上、あるいは被覆層形成用の組成物に対して押出加
工性、押出ラミネート法におけるネックインや膜揺れ現
象防止などの成形性向上のために、本発明の特性を本質
的に阻害しない範囲で、ポリオレフィン、ポリアミド、
ポリスチレンなどの熱可塑性樹脂を適宜混合することが
できる。これらのうちでは、取扱いが容易で廉価なポリ
オレフィンが好ましい。
【0018】上記ポリオレフィンとしては、具体的には
ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポ
リエチレンなどが挙げられるが、ポリプロピレンが好ま
しい。ポリプロピレンは、プロピレン単独重合体、プロ
ピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチ
レンランダム共重合体などいずれも使用でき、これらの
うち1種単独でも、2種以上組み合わせて使用してもよ
い。ポリオレフィンのメルトフローレート(MFR)
は、1〜30g/10minが好ましく、3〜10g/
10minがより好ましい。
【0019】上記熱可塑性樹脂の配合割合は、ポリエス
テルに対して、1〜50重量%が好ましく、5〜20重
量%がより好ましい。配合割合が1重量%未満では、他
の樹脂を配合した効果が得られず、50重量%を超える
と本発明の特性が失われるので好ましくない。
【0020】本発明において、本発明の特性を本質的に
阻害しない範囲で、フラットヤーンの縦割れ防止、織り
劣化防止などの改質上、および押出加工性、押出ラミネ
ート法におけるネックインや膜揺れ現象防止などの成形
性向上のために、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリス
チレンなどの熱可塑性樹脂を適宜混合することができ
る。これらのうちでは、取扱いが容易で廉価なポリオレ
フィンが好ましい。
【0021】上記ポリオレフィンとしては、具体的には
ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポ
リエチレンなどが挙げられるが、ポリプロピレンが好ま
しい。ポリプロピレンは、プロピレン単独重合体、プロ
ピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチ
レンランダム共重合体などいずれも使用でき、これらの
うち1種単独でも、2種以上組み合わせて使用してもよ
い。プロピレンのメルトフローレート(MFR)は、1
〜30g/10minが好ましく、3〜10g/10m
inがより好ましい。
【0022】上記熱可塑性樹脂の配合割合は、ポリエス
テルに対して、1〜50重量%が好ましく、5〜20重
量%がより好ましい。配合割合が1重量%未満では、他
の樹脂を配合した効果が得られず、50重量%を超える
と本発明の特性が失われるので好ましくない。
【0023】さらに、本発明においては、本発明の特性
を本質的に阻害しない範囲で、延伸糸の縦割れ、成形加
工性、滑性、表面外観などを向上させる目的で、延伸糸
形成用の組成物に無機充填材を配合することができる。
無機充填材としては、炭酸カルシウム、タルク、シリ
カ、クレー、ハイドロタルサイト等が好適に用いられ
る。これらのうちでは炭酸カルシウムが好ましい。無機
充填材の配合量は、組成物に対して、0.5〜10重量
%が好ましく、1〜5重量%がより好ましい。配合量が
0.5重量%より小さいと上記目的の達成が困難とな
り、5重量%を超えると延伸糸の柔軟性が失われるとと
もに糸切れが生じて好ましくない。
【0024】本発明で用いられる熱可塑性樹脂に対して
は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、帯電
防止剤、顔料、難燃剤、架橋剤、発泡剤、核剤等の添加
剤を本発明の特性を本質的に阻害しない範囲で添加する
ことができる。
【0025】本発明において延伸糸とは、前記組成物を
用いて公知の製造方法により成形されたものでよく、延
伸効果により高強力を備えていればよい。延伸糸の形態
としては、モノフィラメント、マルチフィラメント、フ
ラットヤーン、スプリットヤーンなどいずれも使用で
き、成形性、柔軟性、高強力の点からマルチフィラメン
ト、フラットヤーンが好ましく、特にフレキシブルコン
テナ用途にはフラットヤーンがもっとも好ましい。延伸
糸の製造方法は特に限定されるものではなく、公知の技
術を採用すればよい。
【0026】上記フラットヤーンの製造法として、具体
的には、組成物からなる原料を押出機を用いて、溶融温
度は好ましくは260〜290℃で溶融押出し、インフ
レーション法またはTダイ法によりフィルムを形成し、
冷却固化後、スリットして延伸し、緩和熱処理を行って
フラットヤーンを得ることができる。延伸は、通常、2
段延伸が好ましく、第1段延伸として60〜120℃で
3〜6倍に延伸し、第2段延伸として150〜200℃
で2〜3倍に延伸し、その後180〜220℃で緩和熱
処理を行なう。
【0027】また、原料ポリエステルは、押出機投入前
に乾燥機を用いて150〜160℃で、4〜5時間乾燥
するのが好ましい。
【0028】上記延伸糸の繊度としては、500〜50
00デシテクス(dt)が好ましく、1000〜3000
dtがより好ましい。繊度が500dt未満では基布として
引張強力などの機械的特性が不充分となり、5000dt
を超えると柔軟性が劣り、さらに被覆層との接着が不充
分となり好ましくない。
【0029】上記延伸糸を経緯糸に用いて織編成し基布
を形成する。打込密度は5〜40本/2.54cmが好
ましく、10〜20本/2.54cmがより好ましい。
また、基布の目付量としては、100〜500g/m
が好ましく、150〜300g/mがより好ましい。
織布の織組織としては、平織、綾織、絡み織、模紗織な
ど種々の形状が使用され、編布としては、横編み、縦編
みいずれでもよく、具体的にはトリコット編、ミラニー
ズ編、ラッセル編等が挙げられる。
【0030】上記のようにして得られた基布の少なくと
も片面に、前記組成物を用いて押出ラミネート法により
被覆層を形成して積層シートを得ることができる。組成
物の280℃におけるMFRは1〜10g/10min
が好ましく、2〜5g/10minがより好ましい。M
FRが1g/10min未満では生産性が劣り、10g
/10minを超えると成形性が不安定となる。また、
組成物の280℃におけるメルトテンションは1〜10
gが好ましく、3〜7gがより好ましい。メルトテンシ
ョンが1g未満ではネックインが大きく、膜揺れ現象に
より耳部が不安定になるので好ましくなく、10gを超
えるとドローダウン性が低下して好ましくない。押出ラ
ミネート法においては、溶融温度は260〜290℃が
好ましく、冷却ロールの表面温度は10〜50℃が好ま
しい。
【0031】上記被覆層の厚みとしては、30〜200
μmが好ましく、50〜150μmがより好ましい。接
着層の厚みが30μm未満では、接着力が不十分となる
上、耐摩耗性が劣り好ましくなく、200μmを越える
と荷重が増加するとともに剛性が増して好ましくない。
積層シートの目付量としては、150〜800g/m
が好ましく、200〜500g/mがより好ましい。
【0032】押出ラミネート法により基布の少なくとも
片面に被覆層を設ける前に、接着性向上のために、予め
基布の表面をコロナ放電処理またはプラズマ処理等の表
面処理を施すことが好ましい。
【0033】上記のようにして得られた積層シートは、
耐熱性にすぐれ、腰が強く、基布と被覆層との剥離強力
が強いために引張強力にすぐれ、フレキシブルコンテナ
としては高温の製品を直接充填可能で、その用途向けに
好適に用いられる。また、テントシート向けには、風に
よるはためきなどに対して剥離強力が強く好適に用いら
れる。さらに、立方体状に形成した分別収集容器などと
しては、腰が強く自立性容器として好適に用いることが
できる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の積層シー
トは、ポリエステルを主成分とする特定の組成物からな
る延伸糸を織編成してなる基布の少なくとも片面に、前
記組成物を用いて押出ラミネート法により被覆層を形成
してなる構成とするもので、生産性にすぐれる上に、耐
熱性にすぐれ、腰の強いシートであって、かつ、基布と
被覆層は同種のポリエステル樹脂であるため接着性にす
ぐれ、したがって、高剥離強力であって高引張強力のシ
ートが得られる。この積層シートを基材としてフレキシ
ブルコンテナに用いると、高温の製品を直接充填するこ
とが可能な特定の用途向けに好適に使用され、また、高
剥離強力であることから耐はためき性にすぐれテントシ
ートとして好適に用いられ、さらに、腰の強い特性を生
かして、積層シートを裁断、縫製して立方体状の分別収
集容器などの自立性容器として保形性にすぐれて好適に
用いられる効果を奏する。
【0035】
【実施例】実施例1:ポリエチレンテレフタレート(η
=0.8dl/g)70重量%、スチレン系熱可塑性エ
ラストマー(商品名:クレイトンG、シェルケミカル株
式会社製)30重量%からなる組成物を用意した。この
組成物の280℃におけるMFRは4.5g/10mi
n、280℃におけるメルトテンションは5gであっ
た。この組成物を用いて、乾燥機により150℃、5時
間乾燥後、押出機で溶融温度270℃で押出し、Tダイ
を用いてチルロール冷却方式で冷却してフィルムを形成
し、冷却固化したフィルムを8mm幅にスリットした
後、第1段延伸を90℃で倍率4倍で延伸し、ついで第
2段延伸を190℃で倍率2倍で延伸後、200℃で緩
和熱処理を行って繊度2000dtのフラットヤーンを形
成した。フラットヤーンは縦割れが減少し高強力のフラ
ットヤーンが得られた。得られたフラットヤーンの引張
強度5.2cN/dt、伸び12.0%であった。 上記フラ
ットヤーンを用いて打込密度14×14本/2.54c
mで平織の基布を形成した。基布の目付量は220g/
であった。基布の織成時の織り劣化は少なく、高強
力の基布が得られた。つぎに、上記基布の両面にコロナ
放電処理後、上記組成物を用いて押出ラミネート法によ
り押出温度290℃、冷却ロール表面温度30℃で、厚
み各50μmで被覆層を積層し積層シートを得た。積層
シートの目付量は330g/m、引張強さは1640
N/5cmであった。上記積層シートを縫製によりフレ
キシブルコンテナを得た。このポリエステル製フレキシ
ブルコンテナは、高強力で、耐熱性を有し、100℃の
合成樹脂製品を直接充填可能で、好適に使用された。
【0036】実施例2:ポリエチレンテレフタレート
(η=0.8dl/g)30重量%、再生ポリエチレン
テレフタレート(η=0.6dl/g)5重量%、スチ
レン系熱可塑性エラストマー(商品名:クレイトンG、
シェルケミカル株式会社製)20重量%からなる組成物
を用いた他は実施例1と同様に行った。得られた積層シ
ートの引張強さは1360N/5cmで、テントシート
用途に好適に使用された。
フロントページの続き Fターム(参考) 3E064 AD26 BA09 BA27 BA28 BA30 BA36 BA37 BA54 BA55 BA60 BB01 BB03 BC01 BC20 EA07 FA03 4F100 AK03B AK03J AK04B AK04C AK04J AK12B AK12C AK41B AK41C AK42A AK53B AK53C AL01B AL01C AL05B AL05C AL06B AL06C AL07B AL07C AL09B AL09C BA03 BA06 BA10B BA10C BA16 DG12A DG13A EH23 EJ37A EJ55 GB16 GB90 JJ03 JK01 JK02 JK06 YY00B YY00C 4J002 BB072 BB092 BB212 BC052 BN032 BN052 BN072 BP012 CD192 CF001 CF041 CF061 CF071 GG00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記組成物を用いて形成した延伸糸を織
    編成してなる基布の少なくとも片面に、下記組成物を用
    いて押出ラミネート法により被覆層を形成してなる積層
    シート。 (組成物) (a)ポリエステル 50〜90重量% (b)エポキシ基含有エチレン共重合体、カルボン酸ま
    たはその酸無水物基含有オレフィン系共重合体、スチレ
    ン系熱可塑性エラストマーから選択された少なくとも1
    種 10〜50重量%
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