JP2006265333A - フィルム用ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物およびポリブチレンテレフタレートフィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリブチレンテレフタレート樹脂(A)100重量部に対して、低密度ポリエチレン(B)0.1〜5重量部、含有することで構成され、さらにさらにケイ酸金属塩充填材(C)を0.008〜1.2重量部含有してなるフィルム用ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
(1)ポリブチレンテレフタレート樹脂(A)100重量部に対して、低密度ポリエチレンを脂(B)0.1〜5重量部、を含有することで構成されるフィルム用ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物、
(2)ポリブチレンテレフタレート樹脂(A)の固有粘度が0.7〜1.9である(1)に記載のフィルム用ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物、
(3)さらにケイ酸金属塩充填材(C)を0.008〜1.2重量部含有してなる(1)または(2)のフィルム用ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物、
(4)ケイ酸金属塩充填材(C)がタルクである(1)〜(3)いずれかのフィルム用ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物、
(5)ケイ酸金属塩充填材(C)がタルクであり、その平均粒子径が0.3μm〜12.0μmである請(1)〜(4)いずれかのフィルム用ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物、
(6)(1)〜(5)のいずれかのフィルム用ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物をTダイで押し出すことを特徴とする、ポリブチレンテレフタレートフィルムの製造方法、
を提供するものである。
ポリブチレンテレフタレートの固有粘度は0.7〜1.9が好ましく、より好ましくは0.8〜1.85、さらに好ましくは1.2〜1.8である。固有粘度が0.7未満であるとフィルムの耳揺れが大きく、また1.9より大きいと押出機の負荷が大きくなるため好ましくない。
本発明においては、低密度ポリエチレン(B)とケイ酸金属塩充填材(C)を併用することにより、さらにネックイン改良の効果が認められる。ケイ酸金属塩充填材(C)の添加配合量は (A)を100重量部とした場合0.008〜1.2重量部、特に0.03〜0.3重量部が好ましい。0.008重量部未満ではネックインの改良効果が認められず、1.0重量部を超えるとPBTの持っている靭性が損なわれるため、好ましくない。
本発明のフィルム用ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、強化材、充填剤、酸化防止剤、安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、離型剤、難燃剤などの通常の添加剤および少量の他種ポリマーを添加することができる。
(A−a)ポリブチレンテレフタレート樹脂 固有粘度1.74 東レ(株)社製PBT樹脂“トレコン”1400S
(A−b)ポリブチレンテレフタレート樹脂 固有粘度1.26 東レ(株)社製PBT樹脂“トレコン”1200S
(A−c)ポリブチレンテレフタレート樹脂 固有粘度0.85 東レ(株)社製PBT樹脂“トレコン”1100S
(B−a)低密度ポリエチレン 宇部興産製 Z322
(C−a)ケイ酸金属塩充填材 タルク ハイトロン 平均粒子径4.0μm (竹原化学工業製)
(C−b)ケイ酸金属塩充填材 タルク 平均粒子径1.0μm
(C−C)ケイ酸金属塩充填材 タルク 平均粒子径9.0μm
(C−d)ケイ酸金属塩充填材 タルク 平均粒子径0.4μm
(C−e)ケイ酸金属塩充填材 タルク 平均粒子径11.0μm
(i)ネックイン量の測定は40mmのTダイの単軸押出機を使用し、あらかじめ130℃×3h乾燥したPBTに低密度ポリエチレンおよび(または)ケイ酸金属塩充填材を添加し、シリンダ温度を260℃、ダイスの温度を260℃に設定し、スクリュウ回転数を100rpmとして製膜速度5m/minでフィルムを押出し、ダイのリップ幅400mmに対しての、実際のフィルム幅を23℃50%RH環境下で24h後に測定した。フィルムは20m採取し、1mおきに20点測定し、その平均値を400mmから引いた値をネックイン量と定義した。
(ii)ヒートサグは上記方法で作成したフィルムのMD方向を長軸(50mm)に取り、TD方向を10mmに取った短冊状の試験片を作成し、23℃50%RH環境下で24h放置後、治具で片側を固定した。試験片のもう一方を30mm出した状態で固定し、120℃×1minオーブンに固定治具と共に入れ、その後、23℃の雰囲気に出し、フィルムのたわんだ量を測定した。試験数は5回とし、その平均でヒートサグを求めた。
(iii)引張特性は、予め作成した上記と同様の50mm×10mmの試験片を用い、フィルム作成後、23℃、50%RH環境下で24時間放置後、測定した。試験機は島津製作所製 オートグラフUTM−5Tを用い、引張速度は、50mm/minである。試験を5回実施し、個々の値を平均することにより、引張伸びを求めた。
(iv)デッドホールド性の測定についてはMD方向を長軸(40mm)に取り、TD方向を20mmに取った短冊状の試験片を作成し、23℃50%RH環境下で24h放置後、MD方向に半分に折り、折り目に200gの重りを5秒間のせ、さらに5秒後にフィルムの立ち上がり角度を測定した。試験は5回実施し、個々の値を平均することによりデッドホールド性を求めた。
(A)から(C)を表1に示す組合せで配合した。
比較例1の配合処方並びに評価結果を、表1に示す。
比較例1
(A)にポリブチレンテレフタレートのみを使用した。ネックイン量低減効果が認められなかった。
Claims (6)
- ポリブチレンテレフタレート樹脂(A)100重量部に対して、低密度ポリエチレン(B)0.1〜5重量部、を含有することで構成されるフィルム用ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
- ポリブチレンテレフタレート樹脂(A)の固有粘度が0.7〜1.9である請求項1に記載のフィルム用ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
- さらにケイ酸金属塩充填材(C)を0.008〜1.2重量部含有してなる請求項1または2いずれかに記載のフィルム用ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
- ケイ酸金属塩充填材(C)がタルクである請求項1〜3いずれかに記載のフィルム用ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
- ケイ酸金属塩充填材(C)がタルクであり、その平均粒子径が0.3μm〜12.0μmである請求項1〜4いずれかに記載のフィルム用ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物
- 請求項1〜5のいずれかに記載のフィルム用ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物をTダイで押し出すことを特徴とする、ポリブチレンテレフタレートフィルムの製造方法。
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