JP2005248076A - 高分子組成物及びその成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】結晶性プラスチックスよりなる海相内に、この結晶性プラスチックスよりも低硬度のプラスチックスの島相が分散してなる海島構造を有する高分子組成物であって、結晶性プラスチックスの結晶化を防止して、変形性(伸び性)を高めた高分子組成物と、この高分子組成物を成形してなる伸び特性に優れた成形品を提供する。
【解決手段】結晶性プラスチックスAよりなる海相と、この海相内に分散する、該結晶性プラスチックスAよりも低硬度のプラスチックスBよりなる島相とを有する海島構造を持つ高分子組成物において、更に熱伝導性フィラーCを含む高分子組成物。この高分子組成物をプラスチックスAの融点以上の温度で溶融して成形してなる成形品。
【選択図】なし
【解決手段】結晶性プラスチックスAよりなる海相と、この海相内に分散する、該結晶性プラスチックスAよりも低硬度のプラスチックスBよりなる島相とを有する海島構造を持つ高分子組成物において、更に熱伝導性フィラーCを含む高分子組成物。この高分子組成物をプラスチックスAの融点以上の温度で溶融して成形してなる成形品。
【選択図】なし
Description
本発明は、結晶性プラスチックスAよりなる海相内に、この結晶性プラスチックスAよりも低硬度のプラスチックスBの島相が分散してなる海島構造を有する高分子組成物と、その成形品に係り、特に結晶性プラスチックスAの結晶化を防止して、変形性(伸び性)を高めた高分子組成物と、この高分子組成物を成形してなる成形品に関する。
建物と基礎との間に設置して地震の衝撃や振動を吸収することにより建物を保護する免震装置は、一般に、積層ゴム(鋼板等の硬質板とゴム等の粘弾性的性質を有する軟質板とを積層した免震ゴム:アイソレータ)とダンパーとで主に構成される。免震装置の免震ゴムは、ゴムの剪断剛性の柔らかさと大きな変形能力を利用して、水平方向に対して基礎と建物との滑りを作り、地震力を低減する作用を奏し、ダンパーは、振動時のエネルギーを吸収し、免震構造に減衰性能を付与して、地震時に生じる建物と地盤との過大な相対変位を抑制する作用を奏する。
このような免震装置のダンパーを構成する材料としては、従来、主に鉛が使用されている。また、アスファルト系熱可塑材料(特許第2987888号公報)も提案されている。
また、建築物を風による揺れや地震による揺れ、更に交通振動などから守るために、建物の各階の壁や床に装着して建物の揺れや振動を減衰させるために用いられる建築物用ダンパーとしても、主に鉛が使用されている。また、大量の充填剤を配合したり、架橋剤量を減らした特殊配合のゴム材料(特許第2832986号公報、特許第3314716号公報)も提案されている。
しかし、鉛は、環境問題の観点から製造及び設計上大きな制約を受ける。また、将来的に廃棄する際の処分の問題も予測されることから、鉛に代わるダンパー材料が求められている。一方、アスファルト系熱可塑材料は、その性能の温度依存性が著しく大きく、温度調整がなされている屋内での使用には有効であるが、建築物の下部などの外気に曝された環境では安定した性能を発揮し得ない。また、大量の充填剤を配合したり、架橋剤量を減らした特殊配合のゴム材料は、生産性、製造作業性、更には繰り返し使用時の耐疲労性に問題があった。
このような従来のダンパー材料の問題点を解決し、鉛代替のダンパー材料として、取り扱い性に優れたダンパー材料であって、制振効果に優れると共に制振性能が外部環境に左右されず、制振性能の安定性に優れるダンパー材料として、本出願人は先に、硬質プラスチックスAよりなる海相と、この海相内に分散する、該硬質プラスチックスAよりも低硬度のプラスチックスBよりなる島相とを有する海島構造を持つことを特徴とするダンパー材料を提案した(特願2003−173697,特願2003−173698)。この材料は、プラスチックス特有の脆性的な破壊挙動をせず、延性的な応力歪挙動を取り、繰り返し変形に耐え、力学的な高減衰性を発現する。しかも、減衰性能の耐環境安定性も良好であり、また、生産性が高く、製造作業性も優れる。
なお、廃棄PETボトル等の廃棄PET製品を再利用してこのような海島構造を有する組成物を構成したものとして、(A)使用済みの廃棄PET製品のPET粉砕品と(B)ポリオレフィン系樹脂と特定の(C)ブロック共重合体等を、混練装置を用いて、(B)ポリオレフィン系樹脂の融点以上であって、PET粉砕品の融点未満の温度で混練することによって得られる再生PET樹脂組成物も提案されている(特開2003−213112号公報)。この組成物は、(A)成分が連続相をなし、その(A)成分の連続相中に(B)成分が分散相として粒状分散され、そしてその(B)成分の分散相中に(C)成分が更に分散した相形態を有し、押出成形性、機械的特性に優れるとされている。
特許第2987888号公報
特許第2832986号公報
特許第3314716号公報
特願2003−173697
特願2003−173698
特開2003−213112号公報
特願2003−173697及び特願2003−173698のダンパー材料は、前述のようにダンパー材料としての優れた変形特性を有する反面、成形時に、海相を形成するプラスチックスAの結晶化温度付近の高温に晒されると、海相を形成する結晶性プラスチックスAが結晶化し、得られた成形品は伸び特性に劣る脆性材料となってしまう場合がある。
特開2003−213112号公報においては、海相を形成する材料の融点よりも低い温度で混練することによりこの結晶化を抑制しているものと考えられるが、このように、海相を形成する材料の融点よりも低い温度で混練した場合、その後の押出工程の押出効率(単位時間当たりの押出量)が低下し、生産性が損なわれる。しかも、このように、温度制御により結晶化を抑制する方法では、温度制御のために高度な制御技術が必要である。加えて、押出工程及びその後の工程における温度制御も重要であり、例えば、厚みの厚い成形品の場合、成形品内部の温度が下がり難く、このため成形品内部において海島構造の結晶化が進行する恐れもある。
本発明はこのような問題を解決し、結晶性プラスチックスAよりなる海相内に、この結晶性プラスチックスAよりも低硬度のプラスチックスBの島相が分散してなる海島構造を有する高分子組成物であって、結晶性プラスチックスAの結晶化を防止して、変形性(伸び性)を高めた高分子組成物と、この高分子組成物を成形してなる伸び特性に優れた成形品を提供することを目的とする。
本発明の高分子組成物は、結晶性プラスチックスAよりなる海相と、この海相内に分散する、該結晶性プラスチックスAよりも低硬度のプラスチックスBよりなる島相とを有する海島構造を持つ高分子組成物において、更に熱伝導性フィラーCを含むことを特徴とする。
本発明においては、熱伝導性フィラーCを含有することにより、高温で溶融成形を行った場合であっても、成形品は急速に冷却されるようになり、これにより、海相を構成する結晶性プラスチックスAの結晶化を抑制することができる。このため、高度な温度制御を必要とすることなく、生産性に優れた高温成形にて、変形性(伸び特性)に優れた成形品を得ることができる。
本発明の高分子組成物は、更に、プラスチックスAとプラスチックスBとの相容化剤を含んでいても良い。
この高分子組成物において、プラスチックスBの含有量はプラスチックスA100重量部に対して3〜60重量部で、熱伝導性フィラーCの含有量はプラスチックスA100重量部に対して1.0〜300重量部であることが好ましい。
相容化剤を含む場合、その含有量は1.0〜20重量%であることが好ましく、島相の最大径の平均値は0.1〜100μmであることが好ましい。
熱伝導性フィラーCとしては、酸化チタン、酸化亜鉛、グラファイト、カーボンファイバー、アルミナ、マイカ、バーミュキュライト、アルミニウムフレーク、アルミニウム繊維、ステンレス箔、ステンレス繊維、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、シリカ、タルク、クレイ、気相成長カーボン、及びカーボンナノチューブよりなる群から選ばれる1種又は2種以上が挙げられ、その粒径は100μm以下であることが好ましい。
本発明の成形品は、このような本発明の高分子組成物を成形してなり、海相を形成するプラスチックスAの融点以上の温度で溶融して成形した場合であっても、JIS K−6251により測定した破断伸びが300%以上であるような、伸び特性に優れた成形品を得ることができる。
本発明によれば、優れた変形性を有し、制振効果に優れると共に生産性、製造作業性、耐久性に優れる高分子組成物及び成形品が提供される。
以下に本発明の高分子組成物及び成形品の実施の形態を詳細に説明する。
本発明の高分子組成物は、結晶性プラスチックス(以下「高硬度プラスチックス」と称す場合がある。)Aよりなる海相と、この海相内に分散する結晶性プラスチックスAよりも低硬度のプラスチックス(以下「低硬度プラスチックス」と称す場合がある。)Bよりなる島相とを有する海島構造を持ち、更に、熱伝導性フィラーCを含有するものである。
高硬度プラスチックスAとしては、JIS K 7113の引張弾性率が120kgf・mm−2以上、好ましくは280〜420kgf・mm−2程度のものが好ましい。プラスチックスAの引張弾性率が120kgf・mm−2未満では、低硬度プラスチックスBとの複合化で海島構造をとることによる良好な減衰性能を得ることができない場合がある。
このような高硬度プラスチックスAとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(ナイロン)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)等が挙げられるが、何らこれらに限定されるものではない。
一方、低硬度プラスチックスBとしては、JIS K 7113の引張弾性率が10〜120kgf・mm−2(120kgf・mm−2未満)、好ましくは17〜111kgf・mm−2程度のものが好ましい。プラスチックスBの引張弾性率が120kgf・mm−2を超えると、高硬度プラスチックスAとの複合化で海島構造をとることによる良好な減衰性能を得ることができない場合があり、10kgf・mm−2未満のプラスチックスは材料調製上実現が困難である。
このような低硬度プラスチックスBとしては、ポリエチレン、ポリブテン、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等が挙げられるが、何らこれらに限定されるものではない。
熱伝導性フィラーCとしては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、グラファイト、カーボンファイバー、アルミナ、マイカ、バーミュキュライト、アルミニウムフレーク、アルミニウム繊維、ステンレス箔、ステンレス繊維、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、シリカ、タルク、クレイ、気相成長カーボン、及びカーボンナノチューブよりなる群から選ばれる1種又は2種以上、好ましくはアルミナ、気相成長カーボン、カーボンナノチューブ、グラファイトが挙げられる。
なお、上記熱伝導性フィラーCの例示のうち、ファイバー、繊維、フレーク等の記載のないものは、通常粉末状(粒状)で用いられる。
熱伝導性フィラーCの大きさは、過度に大きいと混合が困難であることから、熱伝導性フィラーCが粒状である場合には、その粒径が100μm以下、繊維状である場合には、その長軸の長さが100μm以下、フレーク状である場合は、フレーク面の最大直径が100μm以下であることが好ましい。また、熱伝導性フィラーCの大きさが小さ過ぎても混合が困難であることから、粒径の熱伝導性フィラーは、平均粒径0.001〜100μmであることが好ましい。繊維状の熱伝導性フィラーは、特に、平均繊維径0.001〜100μmで平均繊維長0.001〜100μmであることが好ましく、また、フレーク状の熱伝導性フィラーはフレーク面の平均直径が0.001〜100μmで厚さが0.1〜1000nmであることが好ましい。
高硬度プラスチックスA、低硬度プラスチックスB、熱伝導性フィラーCは、上述のものをそれぞれ1種ずつ用いても良く、2種以上混合して用いても良い。
本発明の高分子組成物においては、高硬度プラスチックスAと低硬度プラスチックスBとの相溶性を高めるための相容化剤を含有していても良く、この場合、相容化剤は、高硬度プラスチックスAと低硬度プラスチックスBとの組み合せにより、双方のプラスチックスになじみの良いものが適宜選択使用されるが、例えば、スチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体、或いはその無水マレイン酸変性物等を用いることができる。
本発明の高分子組成物は、海相を構成する高硬度プラスチックスAの100重量部に対して、島相を構成する低硬度プラスチックスBの含有量が3〜60重量部で、熱伝導性フィラーCの含有量が1.0〜300重量部であることが好ましい。この範囲よりも低硬度プラスチックスBの含有量が多いと材料の減衰力が不十分であり、少ないと大変形に耐えられず、脆性的に破壊してしまう。また、熱伝導性フィラーCの含有量はプラスチックスA100重量部に対して1.0〜300重量部であることが好ましい。また、この範囲よりも熱伝導性フィラーCの含有量が少ないと、熱伝導性フィラーCを配合したことによる本発明の効果を十分に得ることができず、多いと配合物の破断伸びが得られない。
また、相容化剤を用いる場合、相容化剤の含有量は、高分子組成物の全量に対して1.0〜20.0重量%であることが好ましい。この割合が1.0重量%未満では、相容化剤を添加したことによる十分な相溶化効果を得ることができず、20.0重量%を超えると系が低硬度化して十分な減衰性が得られない。
本発明の高分子組成物は、具体的には、次のような高硬度プラスチックスAと低硬度プラスチックスBの組み合せの海島構造とすることができる。
(1) プラスチックスAがポリエチレンテレフタレート(PET)で、プラスチックスBがポリエチレン。相容化剤としてスチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体を含んでいても良い。
(2) プラスチックスAがポリアミド、即ち、6−ナイロン、6,6−ナイロン等のナイロンで、プラスチックスBがポリエチレン。相容化剤として無水マレイン酸変性のスチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体や無水マレイン酸変性のポリエチレンを含んでいても良い。
(3) プラスチックスAがポリブチレンテレフタレート(PBT)で、プラスチックスBがポリブテン。
(4) プラスチックスAがポリエチレンナフタレート(PEN)で、プラスチックスBがポリエチレン。
(1) プラスチックスAがポリエチレンテレフタレート(PET)で、プラスチックスBがポリエチレン。相容化剤としてスチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体を含んでいても良い。
(2) プラスチックスAがポリアミド、即ち、6−ナイロン、6,6−ナイロン等のナイロンで、プラスチックスBがポリエチレン。相容化剤として無水マレイン酸変性のスチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体や無水マレイン酸変性のポリエチレンを含んでいても良い。
(3) プラスチックスAがポリブチレンテレフタレート(PBT)で、プラスチックスBがポリブテン。
(4) プラスチックスAがポリエチレンナフタレート(PEN)で、プラスチックスBがポリエチレン。
高硬度プラスチックスAの海相中に形成される低硬度プラスチックスBの島相の大きさは、大き過ぎても小さ過ぎても、これらの海島構造とすることによる良好な減衰効果を得ることができないことから、低硬度プラスチックスBによる島相の平均大径、即ち、島相を平行に配置した2枚の平板で挟んだ場合、その距離が最も離隔する場合の長さの平均値が0.1〜100μm程度であることが好ましい。また、低硬度プラスチックスBによる島相の1個当たりの体積の平均値は(0.1)3〜(100)3μm3であることが好ましい。なお、この低硬度プラスチックスBによる島相の形状は、高分子組成物の製造条件等によっても異なるが、通常は球状、ラグビーボール形状、アメーバ状、層状等である。
このような本発明の高分子組成物は、高硬度プラスチックスAと低硬度プラスチックスBと熱伝導性フィラーC、更に必要に応じて添加される相容化剤、その他、充填材、滑剤、老化防止剤等の所定量を汎用の二軸混練り機やゴム用のニーダーなども使用して溶融混合して調製することができ、得られた熱伝導性フィラーCを射出成形、押出成形など種々の成形手法で成形し、必要に応じて硬質材と貼り合わせたり、ゴムを加硫接着するなどして、各種ダンパーとすることができる。
この成形時の溶融混練に当たり、本発明においては、熱伝導性フィラーCを配合することによる冷却効果で、溶融を高硬度プラスチックスAの融点以上の温度、例えば、高硬度プラスチックスAの融点よりも10〜30℃程度高い温度で行っても、高硬度プラスチックスAの結晶化を抑制して変形性(伸び特性)に優れた成形品を得ることができる。従って、高度な温度制御を必要とすることなく、高い生産性で制振性能に優れた成形品を容易に製造することができる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
なお、以下の実施例及び比較例で用いた材料は次の通りである。
[高硬度プラスチックスA]
PET:ポリエチレンテレフタレート
(引張弾性率281〜422kgf・mm−2)
[低硬度プラスチックスB]
ポリエチレン(引張弾性率17.6〜28.8kgf・mm−2)
[熱伝導性フィラーC]
熱伝導性フィラーI:アルミナ(粒径1〜80μm)
熱伝導性フィラーII:気相成長カーボン(粒径0.1〜10μm)
熱伝導性フィラーIII:グラファイト(平均粒径約10μm)
[相容化剤]
相容化剤:スチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体
なお、以下の実施例及び比較例で用いた材料は次の通りである。
[高硬度プラスチックスA]
PET:ポリエチレンテレフタレート
(引張弾性率281〜422kgf・mm−2)
[低硬度プラスチックスB]
ポリエチレン(引張弾性率17.6〜28.8kgf・mm−2)
[熱伝導性フィラーC]
熱伝導性フィラーI:アルミナ(粒径1〜80μm)
熱伝導性フィラーII:気相成長カーボン(粒径0.1〜10μm)
熱伝導性フィラーIII:グラファイト(平均粒径約10μm)
[相容化剤]
相容化剤:スチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体
実施例1〜3
高硬度プラスチックスA、低硬度プラスチックスB、熱伝導性フィラーC及び相容化剤を表1に示す割合で用い、これらを2軸混練機によりPETの融点(約250℃)よりも高い280℃で混練した後、厚み10cmのシート状に押出成形して試験片を作製し、この試験片についてJIS K−6251:1993に準拠して破断伸びを測定し、結果を表1に示した。
高硬度プラスチックスA、低硬度プラスチックスB、熱伝導性フィラーC及び相容化剤を表1に示す割合で用い、これらを2軸混練機によりPETの融点(約250℃)よりも高い280℃で混練した後、厚み10cmのシート状に押出成形して試験片を作製し、この試験片についてJIS K−6251:1993に準拠して破断伸びを測定し、結果を表1に示した。
なお、表1には、低硬度プラスチックスBによる島相の形状と、最大径及び体積の平均値を示した。
比較例1
熱伝導性フィラーCを用いず、表1に示す配合としたこと以外は、実施例1と同様にして試験片を作製し、同様に破断伸びの測定を行って結果を表1に示した。
熱伝導性フィラーCを用いず、表1に示す配合としたこと以外は、実施例1と同様にして試験片を作製し、同様に破断伸びの測定を行って結果を表1に示した。
表1より明らかなように、熱伝導性フィラーCを配合していない高分子組成物では、PETの結晶化のために300%以下の伸びしか示さなかったが、熱伝導性フィラーCを配合した高分子組成物では、300%以上の伸びを示し、熱伝導性フィラーCの配合で海島構造の成形品の変形性を向上させることができることが分かる。
本発明の高分子組成物は、その優れた変形特性による減衰性能を利用して、免震装置用ダンパー材料、建築物用ダンパー材料等、各種ダンパー材料として工業的に極めて有用である。
Claims (9)
- 結晶性プラスチックスAよりなる海相と、この海相内に分散する、該結晶性プラスチックスAよりも低硬度のプラスチックスBよりなる島相とを有する海島構造を持つ高分子組成物において、更に熱伝導性フィラーCを含むことを特徴とする高分子組成物。
- 請求項1において、更に、プラスチックスAとプラスチックスBとの相容化剤を含むことを特徴とする高分子組成物。
- 請求項1又は2において、該高分子組成物中のプラスチックスBの含有量がプラスチックスA100重量部に対して3〜60重量部であり、熱伝導性フィラーCの含有量がプラスチックスA100重量部に対して1.0〜300重量部であることを特徴とする高分子組成物。
- 請求項2又は3において、該相容化剤の含有量が、1.0〜20重量%であることを特徴とする高分子組成物。
- 請求項1ないし4のいずれか1項において、該熱伝導性フィラーCが、酸化チタン、酸化亜鉛、グラファイト、カーボンファイバー、アルミナ、マイカ、バーミュキュライト、アルミニウムフレーク、アルミニウム繊維、ステンレス箔、ステンレス繊維、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、シリカ、タルク、クレイ、気相成長カーボン、及びカーボンナノチューブよりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする高分子組成物。
- 請求項1ないし5のいずれか1項において、該熱伝導性フィラーCの粒径が100μm以下であることを特徴とする高分子組成物。
- 請求項1ないし6のいずれか1項において、該島相の最大径の平均値が0.1〜100μmであることを特徴とする高分子組成物。
- 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の高分子組成物を成形してなることを特徴とする成形品。
- 請求項8において、JIS K−6251により測定した破断伸びが300%以上であることを特徴とする成形品。
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