JP2012171989A - 制振樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の損失正接(tanδ)ピークを有する樹脂組成物であって、複数のポリマーを反応させて連結したブロック体を含有することを特徴とする制振樹脂組成物、また、各々異なる温度に損失正接(tanδ)ピークを有しかつ反応基を持つ複数のポリマーを混合し、前記反応基を反応させ前記複数のポリマーを連結したブロック体を得る制振樹脂組成物の製造方法。
【選択図】なし
Description
(1)複数の損失正接(tanδ)ピークを有する樹脂組成物であって、
複数のポリマーを反応させて連結したブロック体を含有することを特徴とする制振樹脂組成物。
(2)前記複数のポリマーは各々異なる温度に損失正接(tanδ)ピークを有し、かつ反応基を有し、前記ブロック体は前記反応基を反応させ前記複数のポリマーを連結してなる(1)記載の制振樹脂組成物。
(3)前記複数のポリマーの少なくとも1つは結晶性ポリマーである(1)又は(2)に記載の制振樹脂組成物。
(4)2官能性及び/又は3官能性の化学種を介して前記複数のポリマーの反応基を反応結合させた(1)〜(3)のいずれか1項に記載の制振性樹脂組成物。
(5)前記化学種がカップリング剤及び/又は架橋剤である(4)記載の樹脂組成物。
(6)前記カップリング剤が、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、又はオキサゾリン化合物である(1)〜(5)のいずれか1項に記載の制振性樹脂組成物。
(7)前記ブロック体は、前記反応基を介して連結されたポリマー生成物を前駆体とし、該前駆体分子内の残存反応基同士または残存反応基同士を化学種を介して結合させ、直鎖連結構造、長鎖分岐構造、化学架橋構造、またはそれらを組み合わせた構造である(1)〜(6)いずれかの1項に記載の樹脂組成物。
(8)前記反応基または残存反応基が、カルボキシル基、その酸無水物基、グリシジル基、アミノ基、アミド基、及び水酸基からなる群より選ばれた基である(1)〜(7)のいずれか1項に記載の制振樹脂組成物。
(9)各々異なる温度に損失正接(tanδ)ピークを有しかつ反応基を持つ複数のポリマーを混合し、前記反応基を反応させ前記複数のポリマーを連結したブロック体を得る制振樹脂組成物の製造方法。
(10)さらに2官能性及び/又は3官能性の化学種を添加して、混合し、該化学種を介して前記複数のポリマーの反応基を反応結合させる(9)に記載の制振性樹脂組成物の製造方法。
(11)前記化学種がカップリング剤及び/又は架橋剤である(10)記載の樹脂組成物の製造方法。
(12)前記複数のポリマーの混合物、またはこれを一部反応させ連結させたブロック体あるいはそれらの混合物を、加熱押出しして前記反応基を反応させる(9)〜(11)のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法。
本発明の製造方法によれば、上記優れた特性を有する制振樹脂組成物を好適に製造することができる。
・カップリング剤のマスターバッチの準備
カップリング剤は単分子化合物あるいは多官能を有するオリゴマー(あるいは「反応性マクロモノマー」と称す)であるため、粘度が低い。溶融ポリマーと押出機で混練りを行うと粘度が低いため、押出し機が混練り性能の高い二軸タイプであってもバレル表面に偏在し、粘度の高いポリマーはスクリュー溝に偏在する。その結果、加熱されたバレル表面では溶融温度より遙かに高い(一般には600℃付近である)ため、ブロック化反応よりも先に熱分解が進み、充分な反応が完結しにくい。このため、ポリマーが溶融するまで熱分解や酸化からの回避を目的としてカップリング剤はマスターバッチにして添加する。マスターバッチに使用する樹脂はブロック化する際に組み合わせた複数ポリマーで分子内にその分子構造内に官能基を有しない類似ポリマーであって、一番高い融点の類似ポリマーを用いてマスターバッチ化することが望ましい。
あるいはマスターバッチ作成を行う際に分解や不安定な場合には直接、不活性雰囲気中で押出機に注入することが望ましい。組み合わせた複数ポリマーが押出し機内で溶融混合し、分散した後に押出し機にベント口を設けておき、溶融した部位から液体、あるいは粉末状のカップリング剤を注入することが望ましい。
ブロック化反応では望ましくは複数のポリマーの保有する官能基は末端あるいは分子内に反応に必要量だけ存在することが望ましい。また相互にカップリング反応しやすい官能基でなければならない。例えば両末端にアミノ基と酸無水物を保有するポリマーの組み合わせ、あるいはグリシジルと酸無水物、水酸基と酸無水物等の縮合反応の形態となる官能基が望ましい。その場合には直鎖状のブロック体が得られるがポリマー同志の反応性が低い場合が多くカップリング剤を用いる方が幅広い官能基の組み合わせ選択することができる。カップリング剤を用いると同じような反応性官能基であっても異なるポリマー間のブロック化を行う事も出来る。例えば異なるポリマーがカルボン酸基や水酸基、アミノ基等の組み合わせであってもイソシアネート、グリシジル基、オキサゾリン等の官能基を複数有する化合物等が上げられる。
本実施形態では更にそのブロック体混合物を反応させて分子量の増大を図ることで各々のポリマーのtanδの値よりもブロック体混合物そのものの平均損失係数を高めることができる。その方法として、第一工程で得られたブロック混合体を用いて分子量の増大の為の反応を行うことができる。分子量の増大には長鎖分岐の導入や部分化学架橋を形成させることが好ましい。その結果ブロック体分子間での絡み合いが形成される。このような分子間の絡み合いの形成では、長周期的な機械的緩和機能が追加され、平均的な損失正接を元のポリマーの各々の損失正接(tanδ)ピークよりも向上させことができる。この分子量増大反応工程でできあがった構造体は長鎖分岐やブロック体間の部分架橋も含まれる。
本実施形態によれば、このようなブロック化を行って広い温度範囲で連続的な複数のtanδの機械的損失の分散を保有することが可能となる。そのピークの高さはブロック体を構成する各々の高分子の固有のtanδの各々のセグメントのモル分率の積の総和で近似される。したがって構成する各々の高分子のtanδを適宜選定して所定の適用温度によって高い損失正接に係る性能が得られる設定としてもよい。
・方法1.
ブロック体を生成後、長鎖分岐を形成させ分子量の増大による平均的損失正接を向上させることができる。例えば低い温度で損失正接(tanδA)を保有するポリマーAと高い温度で損失正接(tanδB)を保有するポリマーBとをブロック化する場合を説明する。
ブロック化にはポリマーAとポリマーBを2官能のカップリング剤を用いて反応押出しにより直鎖状のブロック体混合物を得る。次にブロック体混合生成物に3官能のカップリング剤を作用させて押出し成形を行うとブロック体は長鎖分岐を保有する樹脂組成物を得ることができる。長鎖分岐の導入は分子間の絡み合いが生じるため長周期的緩和を生じるため平均的損失正接の向上に繋がる。カップリング剤は3官能だけでブロック体に作用させると溶剤に可溶であっても、絡み合いが多く流動性がない場合は2官能と3官能の併用を行ってもよい。またその際に反応を優先的に進めるには触媒を用いて反応を加速させてもよい。あるいはブロック体の反応性が悪い場合は架橋剤を用いてブロック体同士を部分架橋してもよい。
予め一方のポリマーAに3官能のカップリング剤を作用させて長鎖分岐構造を形成させたスターポリマーAa’を生成しておき、その後、ブロック化する為にポリマーBを反応押し出しで結合する方法がある。この場合は先に損失係数の高いスターポリマーを形成しておき、その後の再度のブロック化反応で幅広い温度領域で平均損失係数を保持することができる。この場合はポリマーAの分子量が低い場合に分子量の増大の粘度が比較的低いため、後のブロック化工程が容易である。その理由は手法1を採用するとポリマーAの分子量が低いとポリマーA同志での反応が速く、ポリマーAとポリマーBとのブロック化がしにくい場合には有効な手法である。またこの場合にはブロック化工程は2官能のカップリング剤を用いるか、架橋剤も用いてもよい。なお用いるポリマーについて後に記述するポリマーの項目に例示されたものが好ましい。
本発明においては、反応基を有するポリマーの中で、損失正接(tanδ)のピーク温度が異なるポリマーを複数組み合わせて構成される。かかるポリマーとしてはポリオレフィン系並びにポリビニル系化合物が挙げられる。それらにはエポキシ基やエステル基、酸無水物基等で変性されたポリエチレン、ポリプロピレン、又はエチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレンーメチルアクリレート共重合樹脂(EMA)、エチレンーエチルアクリレート共重合樹脂(EEA)、エチレンーブチルアクリレート共重合樹脂(EBA)、グリシジルメタアクリレート共重合体、エチレン/グリシジルメタアクリレート/無水マレイン酸三元共重合体、エチレン/グリシジルメタアクリレート/アクリル酸三元共重合体、グリシジルメタアクリル酸エチレングリシジルメタアクリル酸変性ポリプロピレンより好ましくはエチレングリシジル−メタアクリレート共重合体、エチレン無水マレイン酸グリシジル−メタアクリレート三元共重合体(E−MAH−MA)、エチレングリシジルメタアクリレート/アクリル酸三元共重合体、グリシジルメタアクリル酸変性ポリエチレン及びグリシジルメタアクリル酸変性ポリプロピレン等が挙げられる。一例としては市販されている商品名では具体的には以下のものが挙げられる。
例えばE/GMA/MA=100/3〜6/30)等が挙げられる。具体的には、住友化学製、ボンドファーストE[商品名]、ボンドファースト2C[商品名];日本ポリオレフィン製、レクスパールRA[商品名]、レクスパールET[商品名]、レクスパールRC[商品名]が挙げられる。
上記に例示したポリマーのうち結晶性ポリマーにあたるものは、代表的には、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリ乳酸(PLA),ポリアミド(PA)である。非結晶性ポリマーにあたるものは、代表的には、 ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリアリレート(PAR)、ポリサルフォン(PSU)である。
前記tanδピーク温度差が大きい場合は、隣接する損失正接ピーク温度の間に損失正接(tanδ)ピーク温度を保有する第3番目のポリマーをブロック化する際に構成ポリマーとして組み合わせるか、あるいは用いるポリマーで共重合体を用いるとコポリマーのセグメントに由来する力学的分散のtanδピークが出現するようにすることが好ましい。このような幅広いピークでtanδが複数存在したポリマーをブロック化に利用することでピーク値の離れすぎによるピーク値の谷を防ぎ、目的とする温度範囲の制振性をどの温度でも維持することができる。ただし、本発明においては各ピークが連続していなくてもよい。例えばアプリケーション上対応できる範囲であれば間欠的であったりピークの谷があったりしてもよい。また、ピークのショルダーが広がる形で広範な温度での制振性を示す設定としてもよい。
高分子物質を加熱した場合にガラス状の硬い状態からゴム状に変わる現象をガラス転移といい、ガラス転移がおこる温度がガラス転移点である。損失正接及びガラス転移温度の測定方法は、長さ40mm×幅10mm×厚さ0.5mmの試料について、動的粘弾性装置(セイコーインスツルメント製DMS200[商品名])を用いて2〜5℃/分で昇温させ、貯蔵弾性率(E’)、損失弾性率を求め(E”)、その比(E"/E’)により損失正接を求めた。損失正接のピーク温度をガラス転移温度とした。
損失係数(η)は、損失正接と同様、制振材料の制振特性を評価する際の指標である。長さ250mm×幅10mm×厚さ3mm(鉄基材1mm)の試料について、中央加振法により、周波数応答関数(機械インピーダンス(力/速度))を測定し、半値幅法により損失係数を算出する。さらに制振材の損失係数を以下の式より求める(ηは系全体の損失係数で測定できるので制振材のη2との関係が下式で算出される。)。
・分子量測定装置
装置:SHIMAZU LC−VP
プレカラム:なし
サンプル側カラム
・LF-804 (Shodex) 300×7.5mm/2本
・HFIPgel (Polymer Laboratories) 300×7.5mm/2本 など
リファレンス側カラム:サンプル側カラムに同じ
恒温槽温度:40℃(一般的な条件である)
移動層:テトラヒドロフラン
サンプル側移動層流量:1.0mL/分
リファレンス側移動層流量:1.0mL/分
試料濃度:約1%(0.5%〜数%)
試料注入量:100μL(50〜200μ)
本実施形態においては、2種類のポリマーでブロック化を行う場合は望ましくは両者ポリマーのtanδの大きさ(ピーク面積)が同じ程度になることが望ましい。そのために、構成する両者のモル比は、各々が保有するtanδとそのモル比での可撓性を勘案して定めることが好ましい。ポリマーA/Bの構成比は5/95〜95/5モル比の範囲で構成することができる。しかしながら両者が相分離しやすい領域ではポリマー単独のカップリング反応が生じやすいことを考慮すべきである。その点を考慮するとポリマーA/Bのモル比を95/5〜60/40の混合物1とポリマーA/Bのモル比を5/95〜40/60の混合物2を予め調製しておき、これらを上記構成比になるように調合して反応押し出しを行うことで、ブロック化反応の際に同一ポリマー同士の不均一な反応を回避することができる。
ポリマー構成が3種類以上の場合は例えばポリマーA、BおよびCにおいてポリマーが保有するtanδの温度で中心となるポリマーが全体を構成するモル数の中で望ましくはその各々の構成は5〜50モル%の範囲でその全量が100モル%とする。望ましくは各々の構成は8〜40モル%の範囲でその全量が100モル%とする。好適な条件としては各々の構成は10〜35モル%の範囲でその全量が100モル%の場合が優れた結果を期待できる。
上記複数のポリマーのブロック化の確認は以下のようにして行うことができる。
まず1つの方法を例示すると、反応押し出しによって生成した混合物ポリマーを溶媒に溶解させ、それらをゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって分子量を確認する。さらに、これを分別後、13C−NMRによってブロック化した際のカップリング部分について、その結合炭素は官能基が異種元素によってシフトが異なることを利用して、定量化することができる。しかしながら、これらの操作は精度のある確認手段としては好適ではあるが、ブロック反応性スクリーニングの際には多大な時間を消費しえるため、簡便法として下記のような粘弾性測定によってtanδの挙動観察から判定する方法を採用するもことができる。
一方、ポリマーA及びポリマーBのセグメントの運動量がブロック化の際に構成するポリマーA及びポリマーBが結合していると、ポリマーの運動量はセグメントの長いポリマーの影響をされる。たとえばポリマーAの主鎖セグメント長さがポリマーBより長い(すなわち分子量がポリマーBより分子量が大きく繰り返しユニット数が大きい)場合で、ブロック体になった場合はセグメントの長いポリマーA側の運動量の影響を受けるはずである。言い換えれば、セグメントの長いポリマーAの拘束をポリマーB側は受けるため、
tanδ2のピーク温度TgbはポリマーA側にシフトすることが観測される。もし反対にポリマーB側のセグメントがポリマーAより長く場合はポリマーA側のtanδ1のピーク温度(Tga)はTgb側にシフトする。
上記の前提のもとにピークシフトからブロック化の有無を確認することができる。またその(ブロック化)生成量はシフトしたtanδのピーク高さから可撓性を利用して逆に算出することも可能であると考えられる。
本発明の制振樹脂組成物においては、そのブロック体を主とする混合物が、各々の機械的分散で観測される異なる温度間でのtanδプロファイルがブロードなピークとなることが好ましい。特定のものについては、ブレンドする前の各々のピークの間はそのスロープ間の重なり合う高さにモル分離を乗じた高さになることが経験的に分かっている。前者(ブロック化混合物)はセグメント間で運動の伝達があるためtanδ間の高さは単純に各々のポリマーを混合した場合(各々のピークの間はそのスロープ間の重なり合う高さにモル分離を乗じた)高さより高く且つ主鎖の長いセグメントに引きずられてもう一方の損失正接ピークの温度はシフトする。これを台形状の連続ピーク(あるいは台形ピーク)、単純ブレンドの時に観測されたものを独立ピークとして、ブロック化の制振性を判定することができる(豊田暢之 JSR CEMICAL REVIEW No110,2003参照)。このとき観測される損失正接ピーク(tanδのピーク)の温度幅が広く、より高いものが、広範な温度領域で高い制振性を示す良好なものであるとして判定される。
材料の制振性能の優劣はある温度幅で機械的正接の大きさは単なる一点の温度でのtanδのピーク値で比較することは通常できない。そのため、ここでは、材料を用いた製品の使用される温度範囲において、温度とtanδの積の積分したものを温度幅で割った加重平均値を成分平均損失正接と定義する。材料の制振能力を比較する場合に商品を設計する場合に決められた温度範囲での制振性能を比較する場合に振動エネルギー吸収の積分値を意味する。その加重平均は下記数式2で表される(図1を併せて参照)。
本発明においては、2官能性又は3官能性の化学種としてカップリング剤または架橋剤を用いることが好ましい。これにより、好ましくは、上記複数のポリマーが持つ反応性基に作用し、該反応性基どうしを直接あるいは該化学種を介して結合させる。これにより、前記反応性基で連結された直鎖分岐構造もしくは化学架橋構造のブロック体が得られる。
2官能または3官能をもつ化学種としては、水酸基や、カルボキシル基、酸無水物基、エステル基、エポキシ基やイソシアネート基、オキサゾリン基、カルボジイミド基等の官能基を2及びまたは3官能以上保有する化合物が挙げられ、DCPなどの架橋剤やシランカップリング剤等の結合剤でもよい。なかでも、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、又はオキサゾリン化合物を用いることが好ましい。
カップリング剤は単分子で2官能及びまたは3官能を有するものあるいはオリゴマーでもよい。官能基としては、エポキシ化合物、イソシアネート、オキサゾリン基、カルボキシル基、無水マレイン酸基等が挙げられる。なお、本明細書においてオリゴマーとは、特にポリマーと区別していうときには、重合度が2〜100程度の範囲のものをいう。
また、これら複数の樹脂で化学種を用いて結合させるときは触媒等を入れてもよい。触媒にはルイス酸、強塩基、4級アンモニウム塩、脂肪酸金属塩、3級アミン、有機チタン触媒、アンチモン系触媒、スズ系触媒、イミダゾール系等があげられる。
上記触媒の使用量は特に限定されないが、複数のポリマーの総量に対して0.01〜0.1質量部であることが好ましく、0.01〜0.05質量部であることがより好ましい。上記下限値以上とすることで、触媒としての機能の発現する最低量であり、上記上限値以下とすることで過剰な反応を抑制することができる。
架橋剤としては、例えば、ジ-α-クミルパーオキサイド、t−ブチル-α-クミルパーオキサイド、2,5ジメチル−2,5ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5ジメチル−2,5ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド,2,4−ジクロロ−ベンゾイルパーオキサイド等を用いることができる。添加割合は樹脂成分の合計量(複数のポリマーの総量)100重量部に対して、0.5〜5重量部の範囲が好ましい。この割合が上記下限値以上であると架橋が十分で均質な発泡体が得られやすい。逆に上限値以下であると架橋密度が上がり過ぎず、発泡体に耳割れや気泡粗大等が起こさず、良好な発泡体が得られる。さらに架橋助剤を用いることができ、架橋助剤としては、例えば、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパ20ントリアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート等を挙げることができる。これらの架橋助剤の添加割合は、所望の架橋度合に応じて適宜定めることができるが、樹脂成分の合計量(複数のポリマーの総量)に対して、通常0.2〜5重量部の範囲が好ましい。必要に応じて各種添加剤、例えば、酸化防止剤、整泡剤、滑剤、紫外線吸収剤、重合調整剤、顔料等を加えることができる。
分子構造的に見ると高分子鎖のマクロブラウン運動、ミクロブラウン運動による分子間の相互効果(摩擦、分子間凝集力等)により外部からの振動エネルギーを熱エネルギーに変換する事によって制振性能が生じる。このような挙動を高分子の粘弾性の貯蔵弾性率(E’)と複素弾性率(E”)から得られた損失正接(tanδ=E”/E’)で説明される。一般に高分子の損失正接はガラス領域とゴム弾性領域の中間、すなわちガラス転移領域に於いて力学的エネルギーの蓄積と損失が共存する粘弾性領域とされる挙動を示し、分子間の熱エネルギーが極大値となる。高分子の二次転移点(あるいはガラス転移点と称する)が単一ポリマー材料では損失正接ピーク温度に対応する。この領域では分子間に束縛力が作用するため分子セグメントの一部が分子運動を開始するため部分的に制約された分子運動をとなる。この領域では温度が低いと分子運動は不活発となる。マクロブラウン運動が停止し、停止し、更にはミクロブラウン運動も停止する。いわゆる分子凍結状態になる温度でこの温度を境にして
弾性率の変化が著しく、比容積、屈折率等の物理定数も急激に変化する。
(1)主鎖の可撓性
(2)側鎖の大きさ、長さ及びその可撓性
(3)立体障害による分子運動の制約
(4)分子の対称性
(5)分子の保有する極性(いわゆる分子間凝集力で電気陰性度に基づく正電場力やロンドン力、水素結合等が含まれる)
これに対し、本願発明の実施形態によれば、実際に非相溶のポリマー同士であっても、高い制振性を実現するよう三次元的に重合させた転移領域の広い材料とすることが可能である。したがって非相溶ポリマー同士での混合系で、固化する際に相分離することが専らで、マトリックス分散形を形成となるため相互のポリマーの平均的な損失が期待しがたい場合でも、本願発明の実施形態によればそれに対応して所望の制振性を発現させる可能性が広がる。また、本願発明の実施形態によれば、溶媒を用いないで押出し混合のような融液混合系では高濃度状態であり、非相溶系ポリマー同志の混合では界面エネルギーが大きく異なる為、相分離するような場合でも、上記と同様に対応して所望の制振性を付与することができる。
(1)カップリング剤を用いて異なる温度で機械的正接(tanδ)を保有するポリマー同志を直鎖状にブロック体及びまたはブロック体を主とする混合物を得る。
(2)スターポリマーの如く多官能を有するカップリング剤を用いて異なる温度で機械的正接(tanδ)をブロック体及びまたはブロック体を主とする混合物を得る。
(3)主に直鎖状にブロック体を得てからそれらに架橋剤を作用させて主に分子量の増大化したブロック体及びそれらの前駆体との混合物等の構造を有する混合物とする。
第一工程として、変性ポリエチレンであるエチレン−エチレングリシジルメタクリレート共重合体樹脂(住友化学:ボンドファーストE[商品名])100質量部と、ポリ乳酸(以下PLA;三井化学製 商品名;レイシアH440、メルトフロー=2.4g/100g、分子量Mw;80,000万)20質量部とを2軸押出機(テクノベル社製KZW−15−45−MG2軸押出機 スクリュー:口径15mm L/D:45)で190℃にて混練し均一分散化した。続いてこの均一混合物120質量部に対して反応基の保有しないポリエチレンを用いて10%マスターバッチ化したカップリング剤の4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート(和光化学特級)をそのカップリング剤の有効の有効含有が0.001モルとなる様に0.25質量部なるように配合し、さらに触媒Aとしてステアリン酸リチウム及びステアリン酸カルシュウム=50/50(重量比)を0.05重量部、配合し、ドライブレンド後に同じ押出機で190℃の条件で混練した。得られたペレットを190℃で10分間熱プレスし、0.5mmのシートを作成した。得られた樹脂組成物Aについて動的粘弾性装置(セイコーインスツルメント製DMS200[商品名])にてtanδの測定を10Hzで行った。元のボンドファーストの機械的分散のtanδはエチレンセグメントに由来するtanδエチレン(−11℃)とグリシジルメタアクリレートセグメントに由来するtanδGMA(66℃)またポリ乳酸に由来するtanδPLA(71℃)は、tanδエチレン(−9.5℃),tanδGMA(66℃),tanδPLA(67.0℃)とシフトして観測された。低温側の機械的分散のピークは高温側へまたPLAは低温側にシフトしている。これらは明らかに両者がブロック化した結果、分子運動がブロック化したセグメント内を伝達していることを示唆している。さらに上記で得られた混合物を、今度は250℃で10分間プレス機で再加熱して反応を充分進めると第一段目の機械的分散のtanδエチレン(−9.5℃)はtanδエチレン(−7.1℃)へシフトした。また、tanδGMA(66℃),tanδPLA(67℃)のピークは1つになり、62℃へシフトした。そのピークは、元のtanδGMA(66℃)よりも低温側に移動することが観測されることになり、且つそのピーク値は、加成性から予測されるピーク高さより高くなった。これらは主鎖のエチレンセグメントの全モル分率高い事を示唆している。言い換えれば、全体としてはエチレンセグメントが長くなる様な分子量増大が分子間で起きていていることを示唆している。このような結果からブロック化することにより制振樹脂組成物が広い温度範囲で損失正接ピークを保有し、且つ元のピークより高い損失正接を得ることが可能となった。
実施例1において、第1工程を行なった後、第2工程のカップリング剤の添加と触媒Aの添加を行わなかった。この生成物を液体窒素にて−150℃に低温凍結させた後、サンプルを折って、その破面観察を走査電子顕微鏡で観察するとマトリックス分散が観察され、多量のボンドファーストの中に島相としてポリ乳酸が分散されていることが分かった。またそこで得られた生成物に触媒Aを作用させた分散体を同じように走査電子顕微鏡で観察しても同様の結果が認められた。第2工程のカップリング剤を用いたジブロック化の工程がないと相互に相溶化しないため、分散状態が悪く、触媒Aによる縮合反応も進まないことが分かった。且つ、得られた損失正接も損失係数も実施例1と比べ低い値であった。
第1工程として、変性ポリエチレンであるエチレン−エチレングリシジルメタクリレート共重合体樹脂(住友化学:ボンドファーストE[商品名])100質量部と、半芳香族ナイロン(三菱エンジニアリング ノバミットX21[商品名])26質量部とを2軸押出機(テクノベル社製KZW−15−45−MG2軸押出機 スクリュー:口径15mm L/D45)で250℃にて混練し均一分散化した。続いてこの均一混合物126gに対して反応基の保有しないポリエチレンを用いて10%マスターバッチ化したカップリング剤の4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート(和光化学特級)をそのカップリング剤の有効の有効含有が0.001モルとなる様に0.25重量部なるように配合し、さらに触媒Aとしてステアリン酸リチウム及びステアリン酸カルシュウム=50/50(重量比)を0.05重量部を配合し、ドライブレンド後に同じ押出機で190℃で混練した。得られたペレットを250℃で5分間熱プレスし、0.5mmのシートを作成した。得られた樹脂組成物Aについて動的粘弾性装置(セイコーインスツルメント製DMS200[商品名])にてtanδの測定を行った。第2工程の反応後の結果を表に示す。半芳香族ナイロンの損失正接ピークは137℃であったのに対し、反応後は82℃にピークがシフトしており、両者がブロック化していることを示す。得られた損失正接は、広い温度範囲でピークを保有しており、良好な制振組成物といえる。損失係数も60℃において0.1以上であり、高温側で使用するのに適した制振組成物といえる。
実施例2において第2段目の反応工程でカップリング剤の添加と触媒Aの使用をやめた。生成物の粘弾性測定をするとそれらのいずれも損失正接はボンドファーフトの損失正接しか測定できなかった。走査電子顕微鏡で観察するとマトリックス分散が観察され、多量のボンドファーストの中に島相としてポリアミドが分散されていることが分かった。またそこで得られた生成物に触媒を作用させた分散体を同じように走査電子顕微鏡で観察しても同様の結果が認められ、第2段回目の反応工程がないと相互に相溶化しないため、触媒による縮合反応も進まないことが分かった。得られた損失正接も、高温側のピークは見られず、ボンドファースト由来のピークが現れるにとどまった。損失係数は実施例2に比較して全体的に低い値になり、特に60℃での値は低くなった。これはポリアミドとボンドファーストの界面制御がうまくいかず、ほぼボンドファーストの損失係数となった。
エチレン/アクリル酸/無水マレイン酸共重合体(ボンダイン LX4110[商品名]無水マレイン酸含有量9% MFR(190℃)で7g/10分 酸当量;92meq/100g(ポリマー重量))66質量部とリサイクルポリエチレンテレフタレート(Mw;8000)(回収PET)100質量部を2軸押出機(テクノベル社製KZW−15−45−MG2軸押出機 スクリュー:口径15mm L/D45)で270℃にて混練し均一分散化した。第2工程として得られた組成物166質量部に対して、スチレン/グリシジルメタアクリレート/アクリレート三元共重合体(東亜合成化学;アルフォンUG−4040[商品名] 重量分子量(Mw=1,100)Tg=63℃、エポキシ当量:210meq/100g))10質量部をドライブレンドした後、同押出機を用いて均一混練させた。第3工程として、得られた組成物176質量部に対して、反応基の保有しないポリエチレンを用いてマスターバッチ化した4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(和光化学特級)を有効成分が0.5質量部になる様に加え、また触媒としてステアリン酸リチウム及びステアリン酸カルシュウム=50/50(重量比)を0.1質量部添加して、190℃で同押出機にて反応押し出しを行い反応させた。反応量は赤外吸光度でフィルムの厚みの指標となる2,915cm−1のメチレンバンドとグリシジル基の赤外吸光度の1,260cm−1の吸光度比の減少量から確認を行うと共にとCHNの元素分析が略一致することから定量した。次いで得られたペレットを250℃で5分間熱プレスし、0.5mmのシートを作成し動的粘弾性装置(セイコーインスツルメント製DMS200[商品名])にてtanδの測定を10Hzで行った。
実施例3に於いて4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートと触媒Aを用いないで他は同じ条件で押出し混練りを行った。生成物は赤外吸光分析でのフィルム厚み当たりグリシジル基の吸光度はほぼ変ら無いことが確認された。このことから単なる混合物であることが示唆された。そこで生成物を液体窒素にて−150℃に低温凍結させた後、サンプルを折って、その破面観察を行うと、ドメインが多数認められ、且つドメイン界面のボイドも大きく相分離していることが判明した。そのときの各々のポリマーに由来するtanδのピークシフトは観測されず、ピーク値も低い値であった。
エチレン/アクリル酸/無水マレイン酸共重合体(ボンダイン LX4110[商品名]無水マレイン酸含有量9% MFR(190℃)で7g/10分 酸当量;92meq/100g(ポリマー重量))66質量部と半芳香族ポリアミド(三菱エンジニアリングプラスチックス;;ノバミットX21[商品名])100質量部を2軸押出機(テクノベル社製KZW−15−45−MG2軸押出機 スクリュー:口径15mm L/D45)で250℃にて混練し均一分散化した。第2工程として得られた組成物166質量部に対して、スチレン/グリシジルメタアクリレート/アクリレート三元共重合体(東亜合成化学;商品名:UG−4040 重量分子量(Mw=1,100)Tg=63℃、エポキシ当量:210meq/100g))10質量部をドライブレンドした後、同押出機を用いて均一混練させた。第3工程として、得られた組成物176質量部に対して、反応基の保有しないポリエチレンを用いてマスターバッチ化した4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(和光化学特級)を反応含有量で0.5質量部になる様に加え、また触媒としてステアリン酸リチウム及びステアリン酸カルシュウム=50/50(重量比)を0.1質量部添加して、190℃で同押出機にて反応押し出しを行い反応させた。反応量は赤外吸光度でフィルムの厚みの指標となる2,915cm−1のメチレンバンドとグリシジル基の赤外吸光度の1,260cm−1の吸光度比の減少量から確認を行うと共にとCHNの元素分析が略一致することから定量した。次いで得られたペレットを250℃で5分間熱プレスし、0.5mmのシートを作成し動的粘弾性装置(セイコーインスツルメント製DMS200[商品名])にてtanδの測定を10Hzで行った。
その際の機械的分散でボンダインに帰属するtanδの温度は元の−7℃から−5.1℃にシフトし、その値は0.09であった。また元のマクロモノマー自体のtanδに由来する温度は58℃でそのtanδ値は0.10であるが、得られた組成物のtanδは、112℃へシフトしその値は0.11となった。
実施例4に於いて第3ステップで4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを用いないで混合し、次に触媒を用いないで混練りした他は同じ条件で押出し混練りを行った。次に触媒を用いないで他は同じ条件で押出し混練りを行った。生成物は赤外吸光分析でのフィルム厚み当たりグリシジル基の吸光度はほぼ変ら無いことが確認された。このことから単なる混合物であることが示唆された。そこで生成物を−200℃に低温凍結させた後、サンプルを破断して、その破面観察を行うと、分散製の悪いドメインが多数認められ、且つドメイン界面のボイドも大きく相分離していることが判明した。そのときの各々のポリマーに由来するtanδの温度はシフトせず、変化しない。
変性ポリエチレンであるエチレン−エチレングリシジルメタクリレート共重合体樹脂(住友化学:ボンドファーストE[商品名])100質量部と、分子内にアクリル基を有するポリメチルメタクリレート(株式会社クラレ;パラペットGF1000[商品名])8質量部とを2軸押出機(テクノベル社製KZW−15−45−MG2軸押出機 スクリュー:口径15mm L/D45)で190℃にて混練し均一分散化した。この均一混合物にカップリング剤の4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート(和光化学特級)を作用させた。カップリング剤は官能基の保有しないポリエチレンを用いて10%マスターバッチを作成し、そのカップリング剤の有効の有効含有量が0.25重量部となる様に計量して先の均一混合物とドライブレンドした後、再度、同じ2軸押出機にて190℃で混練した。次いで得られた組成物に触媒としてステアリン酸リチウム及びステアリン酸カルシュウム=50/50(重量比)を0.05質量部添加して190℃で再度混練りをし、ペレットにした。得られたペレットを250℃で5分間熱プレスし、0.5mmのシートを作成した。得られた樹脂組成物Aについて動的粘弾性装置(セイコーインスツルメント製DMS200[商品名])にてtanδの測定を行った。第3ステップの反応後の結果を表に示す。
実施例5に於いて第2ステップで4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを用いないで混合し、次に触媒を用いないで他は同じ条件で押出し混練りを行った。生成物は赤外吸光分析でのフィルム厚み当たりグリシジル基の吸光度はほぼ変ら無いことが確認された。このことから単なる混合物であることが示唆された。そこで生成物を−150℃に低温凍結させた後、サンプルを破断して、その破面観察を行うと、分散製の悪いドメインが多数認められ、且つドメイン界面のボイドも大きく相分離していることが判明した。そのときの各々のポリマーに由来するtanδの温度はシフトせず、変化しない。
押出機を用いてエチレン/グリシジルメタアクリレート/アクリロニトリルスチレン共重合体(日油株式会社;商品名:モディパーA4400 EGMA−g−AS;70/30 GMA;15%) 125質量部とエチレン/アクリル酸/無水マレイン酸共重合体(商品名;ボンダイン LX4110無水マレイン酸含有量9% MFR(190℃)で7g/10分 酸当量;92meq/100g(ポリマー重量))100質量部とを低密度ポリエチレンでマスターバッチ化した4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(和光化学特級)を反応含有量0.25質量部になる様に加えて、190℃で反応押し出しを行い、反応させた。反応量は赤外吸光度分析でフィルム平均厚み当たりのグリシジル基の赤外吸光度の1,260cm−1の減少量から確認した。次に末端にシアノ基を保有するアクリロニトリルスチレン共重合樹脂(旭化成;スタイラックAS767「商品名」)12質量部と、低密度ポリエチレンでマスターバッチ化した4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(和光化学特級)が反応含有量で0.25質量部になる様に加え、さらに触媒としてステアリン酸リチウム及びステアリン酸カルシュウム=50/50(重量比)を0.05質量部添加して190℃で再度混練りをし、ペレットにした。得られたペレットを250℃で5分間熱プレスし、0.5mmのシートを作成した。得られた樹脂組成物Aについて動的粘弾性装置(セイコーインスツルメント製DMS200[商品名])にてtanδの測定を行った。第2ステップの反応後の結果を表に示す。
実施例6に於いて第1ステップ及び第2ステップとも4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートと触媒Aを用いないで他は同じ条件で押出し混練りを行った。生成物は赤外吸光分析でのフィルム厚み当たりグリシジル基の吸光度はほぼ変ら無いことが確認された。このことから単なる混合物であることが示唆された。そこで生成物を−200℃に低温凍結させた後、サンプルを破断して、その破面観察を行うと実施例6に比べ、分散製の悪いドメインが多数認められ、且つドメイン界面のボイドも大きく相分離していることが判明した。そのときの各々のポリマーに由来するtanδの温度は比較例1と同様にシフトせず、変化しない。
変性ポリエチレンであるエチレン−エチレングリシジルメタクリレート共重合体樹脂(住友化学:ボンドファーストE[商品名])100質量部と、PETG(イーストマンケミカル PETG6763)16質量部とを2軸押出機(テクノベル社製KZW−15−45−MG2軸押出機 スクリュー:口径15mm L/D45)で270℃にて混練し均一分散化した。次に、この均一混合物にカップリング剤の4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(和光化学特級)を官能基の保有しないポリエチレンを用いて10%マスターバッチを作成し、そのカップリング剤の有効含有量が0.25質量部になる様に計量して、さらに触媒Aとしてステアリン酸リチウム及びステアリン酸カルシュウム=50/50(重量比)を0.05質量部計量してドライブレンドした後、190℃で再度混練りをし、ペレットにした。得られたペレットを250℃で5分間熱プレスし、0.5mmのシートを作成した。得られた樹脂組成物Aについて動的粘弾性装置(セイコーインスツルメント製DMS200[商品名])にてtanδの測定を行った。第2ステップの反応後の結果を表に示す。
実施例7に於いて第2ステップに4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートと触媒Aを用いない他は同じ条件で押出し混練りを行った。生成物は赤外吸光分析でのフィルム厚み当たりグリシジル基の吸光度はほぼ変ら無いことが確認された。このことから単なる混合物であることが示唆された。そこで生成物を−150℃に低温凍結させた後、サンプルを破断して、その破面観察を行うと実施例7に比べ、分散製の悪いドメインが多数認められ、且つドメイン界面のボイドも大きく相分離していることが判明した。そのときの各々のポリマーに由来するtanδの温度はシフトせず、変化しない。
押出機を用いてエチレン−メタクリル酸共重合体(三井デュポンケミカル;商品名:ニュクレル N0903HC酸含有量9%))100質量部とエチレン/グラフト無水マレイン酸スチレン共重合体[商品名;ボンダイン LX4110無水マレイン酸含有量9% MFR(190℃)で7g/10分 酸当量;92meq/100g(ポリマー重量)]100質量部とを低密度ポリエチレンでマスターバッチ化したエチレングリコールジグリシジルエーテル(東京化成工業株式会社)が含有量で0.3質量部になる様に加えて190℃で反応押出しを行い反応させた。次に末端に水酸基を保有するポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック(株):ユーピロンS−3000[商品名])80質量部反応させた。その際に低密度ポリエチレンでマスターバッチ化した4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(和光化学特級)が反応含有量で0.25質量部になる様に加えて270℃で反応押し出しを行なった。次いで得られた組成物100質量部に対して触媒としてステアリン酸リチウム及びステアリン酸カルシュウム=50/50(重量比)を0.05質量部添加して190℃で再度混練りをし、ペレットにした。得られたペレットを250℃で5分間熱プレスし、0.5mmのシートを作成し動的粘弾性装置(セイコーインスツルメント製DMS200[商品名])にてtanδの測定を10Hzで行った。第3ステップの反応後の結果を表に示す。
実施例8に於いて第1ステップの反応に於いてエチレングリコールジグリシジルエーテルを用いないで、さらに第2ステップに4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを用いないで、次に触媒を用いないで他は同じ条件で押出し混練りを行った。生成物は赤外吸光分析でのフィルム厚み当たりグリシジル基の吸光度はほぼ変ら無いことが確認された。このことから単なる混合物であることが示唆された。そこで生成物を液体窒素にて−150℃に低温凍結させた後、サンプルを折って、金蒸着後その破面観察を走査型電子顕微鏡で行うと実施例8に比べドメインが多数認められ、且つドメインとマトリックス界面のボイドも大きく、界面の剥離が観察された。このようなことから相分離していることが判明した。そのときの各々のポリマーに由来するtanδは変わらない。
押出機を用いてエチレン−メタクリル酸共重合体(三井デュポンケミカル;商品名:ニュクレル N0903HC酸含有量9%))100質量部とオキサゾリン変性スチレン[日本触媒 エポクロスRPS−1005]24質量部とを2軸押出機(テクノベル社製KZW−15−45−MG2軸押出機スクリュー:口径15mmL/D45)で190℃にて混練し均一分散化した。続いて、この均一混合物にポリエチレンで10%に希釈したカップリング剤の4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート(和光化学特級)を、そのカップリング剤の含有量が0.25質量部になる様に計量して先の均一混合物とドライブレンドした後、再度、同じ2軸押出機にて190℃で混練した。次いで得られた組成物に触媒としてステアリン酸リチウム及びステアリン酸カルシュウム=50/50(重量比)を0.05質量部添加して190℃で再度混練りをし、ペレットにした。得られたペレットを250℃で5分間熱プレスし、0.5mmのシートを作成した。得られた樹脂組成物Aについて動的粘弾性装置(セイコーインスツルメント製DMS200[商品名])にてtanδの測定を行った。第2ステップの反応後の結果を表に示す。
実施例9に於いて第2ステップで4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを用いないで混合し、次に触媒を用いないで他は同じ条件で押出し混練りを行った。生成物は赤外吸光分析でのフィルム厚み当たりグリシジル基の吸光度はほぼ変ら無いことが確認された。このことから単なる混合物であることが示唆された。そこで生成物を−200℃に低温凍結させた後、サンプルを破断して、その破面観察を行うと実施例9に比べ、分散製の悪いドメインが多数認められ、且つドメイン界面のボイドも大きく相分離していることが判明した。そのときの各々のポリマーに由来するtanδの温度はにシフトせず、変化しない。
変性ポリエチレンであるエチレン−エチレングリシジルメタクリレート共重合体樹脂(住友化学:ボンドファーストE[商品名] グリシジルメタアクリレート(GMA)共重合量12%)100質量部と、液晶ポリマー(ポリプラスチックス ベクトラA950[商品名])24質量部とを2軸押出機(テクノベル社製KZW−15−45−MG2軸押出機スクリュー:口径(D)15mmでスクリュー長さ/スクリュー径比;L/D=45)で300℃にて混練し均一分散化した。続いて、この均一混合物にカップリング剤の4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート(和光化学特級)を作用させた。官能基の保有しないポリエチレンで10%に希釈したジフェニルメタンジイソシアネート(和光化学特級)をそのカップリング剤の有効含有が0.25質量部になる様に計量して先の均一混合物とドライブレンドしたブレンド物に加えた後、再度、同じ2軸押出機にて190℃で混練した。
次いで得られた組成物に触媒としてステアリン酸リチウム及びステアリン酸カルシュウム=50/50(重量比)を0.05質量部添加して190℃で再度混練りをし、ペレットにした。得られたペレットを250℃で5分間熱プレスし、0.5mmのシートを作成した。得られた樹脂組成物Aについて動的粘弾性装置(セイコーインスツルメント製DMS200[商品名])にてtanδの測定を行った。
第2ステップの反応後の結果を表に示す。
実施例10において第二段目の反応工程でカップリング剤の添加と第三段目の反応工程での触媒の使用をやめた。生成物の粘弾性測定をするとそれらのいずれも機械的分散はボンドファーフトの分散しか測定できなかった。走査電子顕微鏡で観察するとマトリックス分散が観察され、多量のボンドファーストの中に島相として液晶ポリマーが分散されていることが分かった。またそこで得られた生成物に触媒を作用させた分散体を同じように層さ電子顕微鏡で観察しても同様の結果が認められ、第一段の反応工程でジブロック化しないと相互に相溶化がしないため、触媒による縮合反応も進まないことが分かった。
エチレン/アクリル酸/無水マレイン酸共重合体[商品名;ボンダイン LX4110無水マレイン酸含有量9% MFR(190℃)で7g/10分 酸当量;92meq/100g(ポリマー重量)]100質量部と末端に水酸基とカルボン酸を対で保有するリサイクルポリエチレンテレフタレート(Mw;8,000)18質量部を2軸押出機(Tテクノベル社製KZW−15−45−MG2軸押出機 スクリュー:口径15mm L/D45)で270℃にて混練し均一分散化した。次に、この均一混合物にカップリング剤の2,2−(1,3−フェニレン)ビス−2−オキサゾリン(三国製薬工業株式会社)を作用させた。カップリング剤は官能基の保有しないポリエチレンを用いて10%マスターバッチを作成し、そのカップリング剤の有効含有が0.22質量部になる様に計量して先の均一混合物とドライブレンドした後、再度、同じ2軸押出機にて190℃で混練した。次いで触媒としてステアリン酸リチウム及びステアリン酸カルシュウム=50/50(重量比)を0.05質量部添加して190℃で再度混練りをし、ペレットにした。得られたペレットを250℃で5分間熱プレスし、0.5mmのシートを作成した。得られた樹脂組成物Aについて動的粘弾性装置(セイコーインスツルメント製DMS200[商品名])にてtanδの測定を行った。第2ステップの反応後の結果を表に示す。
実施例11において第二段目の反応工程でカップリング剤の添加と第三段目の反応工程での触媒の使用をやめた。生成物の粘弾性測定をするとそれらのいずれも機械的分散はボンダインの分散しか測定できなかった。走査電子顕微鏡で観察するとマトリックス分散が観察され、多量のボンダインの中に島相としてPETが分散されていることが分かった。またそこで得られた生成物に触媒を作用させた分散体を同じように層さ電子顕微鏡で観察しても同様の結果が認められ、第二段目の反応工程でジブロック化しないと相互に相溶化がしないため、触媒による縮合反応も進まないことが分かった。
第一工程として、変性ポリエチレンであるエチレン−エチレングリシジルメタクリレート共重合体樹脂(住友化学:ボンドファーストE[商品名])100質量部と、ポリ乳酸(以下PLA;三井化学製 商品名;レイシアH440、メルトフロー=2.4g/100g、分子量Mw;80,000万)20質量部とを2軸押出機(テクノベル社製KZW−15−45−MG2軸押出機 スクリュー:口径15mm L/D:45)で190℃にて混練し均一分散化した。続いてこの均一混合物100質量部に対して反応基の保有しないポリエチレンを用いて10%マスターバッチ化したカップリング剤の4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート(和光化学特級)をそのカップリング剤の有効の有効含有が0.001モルとなる様に0.25質量部なるように配合し、さらに触媒Aとしてステアリン酸リチウム及びステアリン酸カルシュウム=50/50(重量比)を0.05重量部、配合し、ドライブレンド後に同じ押出機で190℃の条件で混練した。
得られた組成物122.5質量部に、2−2−ハイドロキシ−5−メチルフェニル−5−ベンゾトリアゾール(HMPB)(住友化学 スミソーブ200(商品名))12質量部と2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)(大内新興化学(株)ノクセラーM(商品名))12質量部を、2軸押出機(Tテクノベル社製KZW−15−45−MG2軸押出機 スクリュー:口径15mmL/D45)で混練りを行い、ペレットにした。得られたペレットを240℃×5分でプレスし、0.5mmのシートを作成した。このシートを。動的粘弾性装置(セイコーインスツルメント製DMS200[商品名])にてtanδの測定を10Hzで行った。
元のボンドファーストの損失正接のtanδはエチレンセグメントに由来するtanδエチレン(−11℃)は、5.3℃にシフトし、高さが0.102から0.275となった。またポリ乳酸に由来するtanδPLA(70.1℃)は、55.5℃にシフトし、高さは0.09から0.892となった。分子量の増大が起こったことを示唆する。
なお、本実施例で得られた損失正接のチャートを、下記比較例12との対比として、添付の図2に示した。
実施例12においてカップリング剤の添加と、2−2−ハイドロキシ−5−メチルフェニル−5−ベンゾトリアゾール(HMPB)と2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)の添加を行わなかった。
得られた損失正接は、実施例12に比べて低い値であった。
第1工程として、変性ポリエチレンであるエチレン−エチレングリシジルメタクリレート共重合体樹脂(住友化学:ボンドファーストE[商品名])100質量部と、半芳香族ナイロン(三菱エンジニアリング ノバミットX21[商品名])26質量部とを2軸押出機(テクノベル社製KZW−15−45−MG2軸押出機 スクリュー:口径15mm L/D45)で250℃にて混練し均一分散化した。続いてこの均一混合物126gに対して反応基の保有しないポリエチレンを用いて10%マスターバッチ化したカップリング剤の4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート(和光化学特級)をそのカップリング剤の有効の有効含有が0.001モルとなる様に0.25重量部なるように配合し、さらに触媒Aとしてステアリン酸リチウム及びステアリン酸カルシュウム=50/50(重量比)を0.05重量部を配合し、ドライブレンド後に同じ押出機で190℃で混練した。
得られた組成物128.5質量部に、2−2−ハイドロキシ−3−(3456テトラハイドロフタリミデメチル−5−メチルフェニル−ベンゾトリアゾール(2HPMMB)(住友化学 スミソーブ250([商品名])13質量部とハイドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル}−5−クロロベンゾトリアゾール(2HDBPCB)(共同薬品株式会社製VIOSORB580[商品名])を13質量部、2軸押出機(Tテクノベル社製KZW−15−45−MG2軸押出機 スクリュー:口径15mmL/D45)で混練りを行い、ペレットにした。得られたペレットを240℃×5分でプレスし、0.5mmのシートを作成した。このシートを。動的粘弾性装置(セイコーインスツルメント製DMS200[商品名])にてtanδの測定を10Hzで行った。得られた機械的分散の結果を表に示す。
実施例13においてカップリング剤の添加と、2−2−ハイドロキシ−3−(3456テトラハイドロフタリミデメチル−5−メチルフェニル−ベンゾトリアゾール(2HPMMB)とイドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル}−5−クロロベンゾトリアゾール(2HDBPCB)の配合を行わなかった。得られた損失正接は、実施例12に比べて低い値であった。
第一工程として、変性ポリエチレンであるエチレン−エチレングリシジルメタクリレート共重合体樹脂(住友化学:ボンドファーストE[商品名])100質量部と、ポリ乳酸(以下PLA;三井化学製 商品名;レイシアH440、メルトフロー=2.4g/100g、分子量Mw;80,000万)80質量部とを2軸押出機(テクノベル社製KZW−15−45−MG2軸押出機 スクリュー:口径15mm L/D:45)で190℃にて混練し均一分散化した。続いてこの均一混合物100質量部に対して反応基の保有しないポリエチレンを用いて10%マスターバッチ化したカップリング剤の4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート(和光化学特級)をそのカップリング剤の有効の有効含有が0.001モルとなる様に0.25質量部なるように配合し、さらに触媒Aとしてステアリン酸リチウム及びステアリン酸カルシュウム=50/50(重量比)を0.05重量部、配合し、ドライブレンド後に同じ押出機で190℃の条件で混練した。
得られた組成物182.5質量部に、ジベンゾチアゾリルジスルフィド(MBTS)(大内新興化学(株)ノクセラーM(商品名))36部を2軸押出機(Tテクノベル社製KZW−15−45−MG2軸押出機 スクリュー:口径15mmL/D45)で混練りを行い、ペレットにした。得られたペレットを240℃×5分でプレスし、0.5mmのシートを作成した。このシートを。動的粘弾性装置(セイコーインスツルメント製DMS200[商品名])にてtanδの測定を10Hzで行った。得られた機械的分散の結果を表に示す。
[比較例14]
実施例14においてジベンゾチアゾリルジスルフィド(MBTS)(大内新興化学(株)ノクセラーM(商品名))の配合を行わなかった。得られた損失正接は、実施例12に比べて低い値であった。
・St/GMA/Ac:スチレン/グリシジルメタアクリレート/アクリレート三元共重合体
・Et/AA/Mal:エチレン/アクリル酸/無水マレイン酸共重合体
・Et/GMA/AS:エチレン/グリシジルメタアクリレート/アクリロニトリルスチレン共重合体
・Et/Mal-St:エチレン/グラフト無水マレイン酸スチレン共重合体
・PETG:ポリエチレンテレフタレートにグリコールを加えたコポリエステル樹脂
・AS:アクリロニトリル/スチレン共重合
・EGGE:エチレングリコールジグリシジルエーテル
・PC:ポリカーボネート樹脂
・O-PS:オキサゾリン変性スチレン
・LCP:液晶ポリマー
・Et/MA:エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂
・PLA:ポリ乳酸
・hAr-PA:半芳香族ポリアミド
・PMMA:ポリメタクリル酸メチル
・CatA:触媒としてステアリン酸リチウム及びステアリン酸カルシュウム(50/50)
・MDI:4、4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート
・HMPB:2−2−ハイドロキシ−5−メチルフェニル−5−ベンゾトリアゾール
・MBT:2−メルカプトベンゾチアゾール
・2HPMMB:2−2−ハイドロキシ−3−(3456テトラハイドロフタリミデメチル−5−メチルフェニル−ベンゾトリアゾール
・2HDBPCB:ハイドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル}−5−クロロベンゾトリアゾール
・MBTS:ジベンゾチアジルスルフィド
・PbO: 2,2−(1,3−フェニレン)ビス−2−オキサゾリン
* tanδlow: 損失正接ピークの温度の低い側のピーク
tanδhigh: 損失正接ピークの温度の高い側のピーク
・加重平均値(20〜60℃):前記[ブロック体の制振性能の評価]で示した手順及び数式2により求めた積分平均損失正接H
なお、ポリマーに下線を付したものは非結晶性のポリマーであることを意味する。
Claims (12)
- 複数の損失正接(tanδ)ピークを有する樹脂組成物であって、
複数のポリマーを反応させて連結したブロック体を含有することを特徴とする制振樹脂組成物。 - 前記複数のポリマーは各々異なる温度に損失正接(tanδ)ピークを有し、かつ反応基を有し、前記ブロック体は前記反応基を反応させ前記複数のポリマーを連結してなる請求項1記載の制振樹脂組成物。
- 前記複数のポリマーの少なくとも1つは結晶性ポリマーである請求項1又は2に記載の制振樹脂組成物。
- 2官能性及び/又は3官能性の化学種を介して前記複数のポリマーの反応基を反応結合させた請求項1〜3のいずれか1項に記載の制振性樹脂組成物。
- 前記化学種がカップリング剤及び/又は架橋剤である請求項4記載の樹脂組成物。
- 前記カップリング剤が、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、又はオキサゾリン化合物である請求項1〜5のいずれか1項に記載の制振性樹脂組成物。
- 前記ブロック体は、前記反応基を介して連結されたポリマー生成物を前駆体とし、該前駆体分子内の残存反応基同士または残存反応基同士を化学種を介して結合させ、直鎖連結構造、長鎖分岐構造、化学架橋構造、またはそれらを組み合わせた構造である請求項1〜6いずれかの1項に記載の樹脂組成物。
- 前記反応基または残存反応基が、カルボキシル基、その酸無水物基、グリシジル基、アミノ基、アミド基、及び水酸基からなる群より選ばれた基である請求項1〜7のいずれか1項に記載の制振樹脂組成物。
- 各々異なる温度に損失正接(tanδ)ピークを有しかつ反応基を持つ複数のポリマーを混合し、前記反応基を反応させ前記複数のポリマーを連結したブロック体を得る制振樹脂組成物の製造方法。
- さらに2官能性及び/又は3官能性の化学種を添加して、混合し、該化学種を介して前記複数のポリマーの反応基を反応結合させる請求項9に記載の制振性樹脂組成物の製造方法。
- 前記化学種がカップリング剤及び/又は架橋剤である請求項10記載の樹脂組成物の製造方法。
- 前記複数のポリマーの混合物、またはこれを一部反応させ連結させたブロック体あるいはそれらの混合物を、加熱押出しして前記反応基を反応させる請求項9〜11のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法。
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