JP2012171989A - 制振樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

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宏 池田
Hirofumi Kawanaka
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Abstract

【課題】広い温度範囲で連続する安定した制振性を発揮する制振樹脂組成物及びその製造方法を提供する。
【解決手段】複数の損失正接(tanδ)ピークを有する樹脂組成物であって、複数のポリマーを反応させて連結したブロック体を含有することを特徴とする制振樹脂組成物、また、各々異なる温度に損失正接(tanδ)ピークを有しかつ反応基を持つ複数のポリマーを混合し、前記反応基を反応させ前記複数のポリマーを連結したブロック体を得る制振樹脂組成物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、様々な分野及び用途において好適に利用される制振樹脂組成物及びその製造方法に関する。
最近、制振性や吸音性が必要とされる場所や機器・設備等は、益々多様化している。それにともない、広い温度範囲で、その制御下に設計された制振性が発揮される制振材が求められている。特に自動車などへの適用を考慮すると、振動の発生源となるエンジン周りといった高温域帯で、十分な安定性を有ししかも優れた制振性を発揮するものが求められる。特許文献1には、ポリ塩化ビニルに、損失正接のピーク温度が異なる樹脂として、ジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP)及びポリメタクリル酸メチル等を用い、さらにマイカ鱗片及び炭酸カルシウム等を配合した遮音材が開示されている。これにより、主に路上の遮音材料として好適に利用することができるとされている。特許文献2には、ガラス転移点の異なるポリエチレン共重合体とポリアミド、ポリカーボネート、もしくはABS樹脂とを混合した、振動減衰性を有する高分子組成物が開示されている。
特許3581940号公報 特開2005−307095号公報
上記の特許文献では複数の異なるポリマーが採用されているが、十分な制振性を発揮し実際の製造に適した互いに相溶するポリマー材料の組合せは希である。結晶・非晶材料の多くは異種高分子の混合系において溶融混合しても常温に戻る際に相分離してマトリックス構造で存在する。そのため、通常、熱エネルギー転換はマトリックスの海相側の制振性能が優先し、異種高分子の片方(海相側)の制振性能しか発現しない。また、フィラーを使用して各々のポリマーの損失正接(tanδ)をブロード化することも考えられるが、いずれにせよ相分離しているため実質的にはマトリックスの海相側にしかその効果は認められない。また、アプリケーション等によってはフィラーを添加したことによる影響があるため、これを用いずに所望の性能を発揮することが望まれる。
本発明は、上記の従来技術に関する知見を考慮し、広い温度範囲で連続する安定した制振性を発揮する制振樹脂組成物及びその製造方法の提供を目的とする。
上記の課題は以下の手段により解決された。
(1)複数の損失正接(tanδ)ピークを有する樹脂組成物であって、
複数のポリマーを反応させて連結したブロック体を含有することを特徴とする制振樹脂組成物。
(2)前記複数のポリマーは各々異なる温度に損失正接(tanδ)ピークを有し、かつ反応基を有し、前記ブロック体は前記反応基を反応させ前記複数のポリマーを連結してなる(1)記載の制振樹脂組成物。
(3)前記複数のポリマーの少なくとも1つは結晶性ポリマーである(1)又は(2)に記載の制振樹脂組成物。
(4)2官能性及び/又は3官能性の化学種を介して前記複数のポリマーの反応基を反応結合させた(1)〜(3)のいずれか1項に記載の制振性樹脂組成物。
(5)前記化学種がカップリング剤及び/又は架橋剤である(4)記載の樹脂組成物。
(6)前記カップリング剤が、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、又はオキサゾリン化合物である(1)〜(5)のいずれか1項に記載の制振性樹脂組成物。
(7)前記ブロック体は、前記反応基を介して連結されたポリマー生成物を前駆体とし、該前駆体分子内の残存反応基同士または残存反応基同士を化学種を介して結合させ、直鎖連結構造、長鎖分岐構造、化学架橋構造、またはそれらを組み合わせた構造である(1)〜(6)いずれかの1項に記載の樹脂組成物。
(8)前記反応基または残存反応基が、カルボキシル基、その酸無水物基、グリシジル基、アミノ基、アミド基、及び水酸基からなる群より選ばれた基である(1)〜(7)のいずれか1項に記載の制振樹脂組成物。
(9)各々異なる温度に損失正接(tanδ)ピークを有しかつ反応基を持つ複数のポリマーを混合し、前記反応基を反応させ前記複数のポリマーを連結したブロック体を得る制振樹脂組成物の製造方法。
(10)さらに2官能性及び/又は3官能性の化学種を添加して、混合し、該化学種を介して前記複数のポリマーの反応基を反応結合させる(9)に記載の制振性樹脂組成物の製造方法。
(11)前記化学種がカップリング剤及び/又は架橋剤である(10)記載の樹脂組成物の製造方法。
(12)前記複数のポリマーの混合物、またはこれを一部反応させ連結させたブロック体あるいはそれらの混合物を、加熱押出しして前記反応基を反応させる(9)〜(11)のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法。
本発明の制振樹脂組成物は、広い温度範囲で連続する安定した制振性及び吸音性を発揮するという優れた作用効果を奏する。また本発明によれば、樹脂の単なるブレンドとは異なり、組み合わせるポリマー間の制約を解消し、その調製におけるポリマーの実際的な組み合わせの選択肢を豊富化することができる。
本発明の製造方法によれば、上記優れた特性を有する制振樹脂組成物を好適に製造することができる。
積分平均損失正接の求め方を説明する説明図である。 実施例12で得られた樹脂組成物の損失正接チャートを比較例12の組成物との対比で示したグラフである。
本発明の制振樹脂組成物は異なる温度で損失正接(tanδ)ピークを保有し、複数のポリマーを連結させたブロック体を含有する。上記反応基はポリマー分子の末端及び分子内のいずれにあっても、あるいは両者にあってもよい。複数のポリマーが連結されたブロック体は、本発明の効果を奏する範囲で樹脂組成物中に含まれていればよく、その全量が上記ブロック体でなくてもよい。所定の溶剤や機能性の剤との混合物であったり、上記複数のポリマーの未反応成分が残留していたりしてもよい。通常のアプリケーションを考慮すると、上記ブロック体が制振樹脂組成物中に主成分として、少なくとも30質量%以上含まれていることが好ましく、50質量%以上含まれていることがより好ましい。上限は特になく100質量%以下の任意の程度に設定すればよい。以下、本発明の制振樹脂組成物の好ましい実施形態について詳細に説明する。
本発明の実施形態においては、複数のポリマーを連結(本明細書において「連結」とは互いに別個のポリマー同士が連なり、結ばれていることを意味し、その結合形態は特に限定されない。ポリマーがもつ反応基同士が結合して連結されていても、特定の化学種を介して連結されていてもよい。反応基(同士)を介して連結されたと記載したときにも、同様に化学種の介在を許容する意味である。また、これをブロック化と称することがある。)する際に、各々のポリマーが保有する反応性官能基の反応性に差異がある場合には反応速度を調整するために多官能の化学種を作用させてもよい。また得られたポリマーのブロック体の分子構造は特に制限されず、長鎖分岐構造(複数の方向に典型的には放射状にポリマー鎖が延びた構造)、あるいは異なる温度で損失正接を保有するポリマーが直鎖状でブロック化された構造(直鎖連結構造)や、そのブロック体同士が一部架橋する構造(化学架橋構造)も含まれる。
ブロック反応の手順を同時でなく、逐次反応の形態を選択してもよく、直鎖状でブロック化された構造体を前駆体として得て、あらたに前駆体をカップリングする際に2官能のカップリング剤を作用させるか、その一部に3官能の化学種を適量用いて直鎖状ブロック体同士を再度カップリング反応し、長鎖分岐構造を含有するブロック体混合物であっても良い。そのいずれにあっても主に分岐構造を有する場合には分子の絡み合いが顕著に起こり、疑似架橋状態を持つため個々のポリマーが保有する機械的損失よりも高くなる事例も広く知られている。またこのような構造体は伸長粘度が高く、疑似架橋であるため、流動性は保持され機械的損失ばかりか発泡成形や中空成形、押出し成形、あるいは真空圧空等の熱成形に優れた賦形性を保有するため、のぞましい分子構造体を保有していると言える。
本発明では、製品設計で仕様温度に対応した損失正接温度を保有するポリマー材料を組み合わせ選択して任意に温度範囲が制御した制振性能樹脂組成物とすることができる。このブロック体樹脂組成物の好ましい調製条件を説明する。
[調製方法等]
・カップリング剤のマスターバッチの準備
カップリング剤は単分子化合物あるいは多官能を有するオリゴマー(あるいは「反応性マクロモノマー」と称す)であるため、粘度が低い。溶融ポリマーと押出機で混練りを行うと粘度が低いため、押出し機が混練り性能の高い二軸タイプであってもバレル表面に偏在し、粘度の高いポリマーはスクリュー溝に偏在する。その結果、加熱されたバレル表面では溶融温度より遙かに高い(一般には600℃付近である)ため、ブロック化反応よりも先に熱分解が進み、充分な反応が完結しにくい。このため、ポリマーが溶融するまで熱分解や酸化からの回避を目的としてカップリング剤はマスターバッチにして添加する。マスターバッチに使用する樹脂はブロック化する際に組み合わせた複数ポリマーで分子内にその分子構造内に官能基を有しない類似ポリマーであって、一番高い融点の類似ポリマーを用いてマスターバッチ化することが望ましい。
あるいはマスターバッチ作成を行う際に分解や不安定な場合には直接、不活性雰囲気中で押出機に注入することが望ましい。組み合わせた複数ポリマーが押出し機内で溶融混合し、分散した後に押出し機にベント口を設けておき、溶融した部位から液体、あるいは粉末状のカップリング剤を注入することが望ましい。
・ブロック化反応条件
ブロック化反応では望ましくは複数のポリマーの保有する官能基は末端あるいは分子内に反応に必要量だけ存在することが望ましい。また相互にカップリング反応しやすい官能基でなければならない。例えば両末端にアミノ基と酸無水物を保有するポリマーの組み合わせ、あるいはグリシジルと酸無水物、水酸基と酸無水物等の縮合反応の形態となる官能基が望ましい。その場合には直鎖状のブロック体が得られるがポリマー同志の反応性が低い場合が多くカップリング剤を用いる方が幅広い官能基の組み合わせ選択することができる。カップリング剤を用いると同じような反応性官能基であっても異なるポリマー間のブロック化を行う事も出来る。例えば異なるポリマーがカルボン酸基や水酸基、アミノ基等の組み合わせであってもイソシアネート、グリシジル基、オキサゾリン等の官能基を複数有する化合物等が上げられる。
またカップリング剤を用いてもポリマー側の反応性官能基が多数ある場合はそれらの官能基とカップリング剤の反応性が高く、同種ポリマーと異種ポリマーを組み合わせたブロック協奏反応になることが多い。また異種ポリマー同士が優先的に生成しても架橋度が高い反応が進む場合もある。この場合には押出し機の滞留時間を短くし、可能な限り温度を下げて、緩やかな反応を行うと反応のポリマーの自由空間が大きい末端基あるいは末端基に近い官能基同士が反応した前駆体を得る。これらの前駆体を再度、最適な押出し条件を選んでカップリング剤を追加して逐次反応を進めると前駆体同士の残存官能基を結合させて分子量の増大を図ることもできる。分子量の増大によってブロック体同志の結合は長鎖分岐の導入による分子間の絡み合いや分子間架橋が一部成形され、分子間の緩やかな拘束は更なる大きな長周期的な緩和を付与することができる。その結果、温度範囲が広くブロック体を構成する内で主鎖となるポリマーのセグメント部分の損失正接(tanδ)が高い特性が得られる。
あるいは触媒を用いて選択的にポリマーの保有する官能基とカップリング剤を反応させて、その後反応条件を変えて分子量の増大を図るような逐次反応を採用しても良い。
本実施形態では更にそのブロック体混合物を反応させて分子量の増大を図ることで各々のポリマーのtanδの値よりもブロック体混合物そのものの平均損失係数を高めることができる。その方法として、第一工程で得られたブロック混合体を用いて分子量の増大の為の反応を行うことができる。分子量の増大には長鎖分岐の導入や部分化学架橋を形成させることが好ましい。その結果ブロック体分子間での絡み合いが形成される。このような分子間の絡み合いの形成では、長周期的な機械的緩和機能が追加され、平均的な損失正接を元のポリマーの各々の損失正接(tanδ)ピークよりも向上させことができる。この分子量増大反応工程でできあがった構造体は長鎖分岐やブロック体間の部分架橋も含まれる。
本実施形態によれば、このようなブロック化を行って広い温度範囲で連続的な複数のtanδの機械的損失の分散を保有することが可能となる。そのピークの高さはブロック体を構成する各々の高分子の固有のtanδの各々のセグメントのモル分率の積の総和で近似される。したがって構成する各々の高分子のtanδを適宜選定して所定の適用温度によって高い損失正接に係る性能が得られる設定としてもよい。
本実施形態においては、幅広い温度範囲で損失正接が高い複数のピークを有するブロック体を得るために、以下の調製方法を用いることが好ましい。
・方法1.
ブロック体を生成後、長鎖分岐を形成させ分子量の増大による平均的損失正接を向上させることができる。例えば低い温度で損失正接(tanδ)を保有するポリマーAと高い温度で損失正接(tanδ)を保有するポリマーBとをブロック化する場合を説明する。
ブロック化にはポリマーAとポリマーBを2官能のカップリング剤を用いて反応押出しにより直鎖状のブロック体混合物を得る。次にブロック体混合生成物に3官能のカップリング剤を作用させて押出し成形を行うとブロック体は長鎖分岐を保有する樹脂組成物を得ることができる。長鎖分岐の導入は分子間の絡み合いが生じるため長周期的緩和を生じるため平均的損失正接の向上に繋がる。カップリング剤は3官能だけでブロック体に作用させると溶剤に可溶であっても、絡み合いが多く流動性がない場合は2官能と3官能の併用を行ってもよい。またその際に反応を優先的に進めるには触媒を用いて反応を加速させてもよい。あるいはブロック体の反応性が悪い場合は架橋剤を用いてブロック体同士を部分架橋してもよい。
・方法2.
予め一方のポリマーAに3官能のカップリング剤を作用させて長鎖分岐構造を形成させたスターポリマーAa’を生成しておき、その後、ブロック化する為にポリマーBを反応押し出しで結合する方法がある。この場合は先に損失係数の高いスターポリマーを形成しておき、その後の再度のブロック化反応で幅広い温度領域で平均損失係数を保持することができる。この場合はポリマーAの分子量が低い場合に分子量の増大の粘度が比較的低いため、後のブロック化工程が容易である。その理由は手法1を採用するとポリマーAの分子量が低いとポリマーA同志での反応が速く、ポリマーAとポリマーBとのブロック化がしにくい場合には有効な手法である。またこの場合にはブロック化工程は2官能のカップリング剤を用いるか、架橋剤も用いてもよい。なお用いるポリマーについて後に記述するポリマーの項目に例示されたものが好ましい。
[適用ポリマー]
本発明においては、反応基を有するポリマーの中で、損失正接(tanδ)のピーク温度が異なるポリマーを複数組み合わせて構成される。かかるポリマーとしてはポリオレフィン系並びにポリビニル系化合物が挙げられる。それらにはエポキシ基やエステル基、酸無水物基等で変性されたポリエチレン、ポリプロピレン、又はエチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレンーメチルアクリレート共重合樹脂(EMA)、エチレンーエチルアクリレート共重合樹脂(EEA)、エチレンーブチルアクリレート共重合樹脂(EBA)、グリシジルメタアクリレート共重合体、エチレン/グリシジルメタアクリレート/無水マレイン酸三元共重合体、エチレン/グリシジルメタアクリレート/アクリル酸三元共重合体、グリシジルメタアクリル酸エチレングリシジルメタアクリル酸変性ポリプロピレンより好ましくはエチレングリシジル−メタアクリレート共重合体、エチレン無水マレイン酸グリシジル−メタアクリレート三元共重合体(E−MAH−MA)、エチレングリシジルメタアクリレート/アクリル酸三元共重合体、グリシジルメタアクリル酸変性ポリエチレン及びグリシジルメタアクリル酸変性ポリプロピレン等が挙げられる。一例としては市販されている商品名では具体的には以下のものが挙げられる。
(a)メタクリル系共重合体:エチレングリシジルメタクリレート共重合体(E−GMA;共重合重量組成、例えばE/GMA=100/6〜12)、エチレングリシジルメタクリレート−ビニルアルコール共重合体(E−GMA−VA;共重合重量組成、例えばE/GMA/VA=100/3〜12/8〜5)、エチレングリシジルメタクリレート−メタクリレート共重合体(E−GMA−MA;共重合重量組成、
例えばE/GMA/MA=100/3〜6/30)等が挙げられる。具体的には、住友化学製、ボンドファーストE[商品名]、ボンドファースト2C[商品名];日本ポリオレフィン製、レクスパールRA[商品名]、レクスパールET[商品名]、レクスパールRC[商品名]が挙げられる。
(b)アクリル酸系共重合体:エチレン無水マレイン酸エチルアクリレート共重合体(E−MAH−EA;住友化学製、ボンダイン[商品名])等が挙げられる。
(c)スチレン系共重合体:エチレングリシジルメタクリレート−アクリロニトリルスチレン(EGMA−AS;共重合重量組成、例えばEGMA/AS=70/30)、エチレングリシジルメタクリレート−ポリスチレン(EGMA−PS;共重合重量組成、例えばEGMA/PS=70/30)、エチレングリシジルメタクリレート−ポリメチルメタクリレート(EGMA−PMMA、例えばEGMA/PMMA=70/30)等が挙げられる。具体的には、日本油脂製、モディパー[商品名]が挙げられる。
(d)酸変性ポリオレフィン系重合体:酸変性型ポリエチレンワックス(APEW;三井化学製、ハイワックス[商品名])等が挙げられる。
(e)グラフト変性ポリオレフィン系重合体:COOH化ポリエチレングラフトポリマー、COOH化ポリプロピレングラフトポリマー等が挙げられる。
これらのポリマー群の内から選ばれる熱可塑性樹脂と組み合わせることができる、高いガラス転移点を有し、高い温度の損失正接(tanδ)ピークを保有するポリマーとしては、ポリアミド(PA)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン三元共重合体(ABS)、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、ポリカーボネート(PC)、ポリカーボネート/グラフト無水マレイン酸スチレン共重合体、あるいはポリエチレンテレフタレート(PET)及びリサイクルによって加水分解され、水酸基とカルボン酸を対にして官能基を保有するポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)及び、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリビニリデンフロライド(PVDF) ポリ乳酸(PLA)、 ポリメチルメタクリレート(PMMA)、脂肪族ポリアミド、半芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド等が挙げられる。
本発明においては、上記複数のポリマーのうち少なくとも1つが結晶性ポリマーであることが好ましい。ここで結晶性ポリマーとは当該ポリマーが構成する樹脂内部に少なくとも1部において結晶構造が形成されているものを言う。結晶構造の組織は数十nmのラメラ構造を基本構造とし、各種の高次構造をとる。全体が結晶化することはなく、結晶部分の全体に対する割合(重量分率)は結晶化度と呼ばれる。当該結晶構造により、結晶性X線回折が認められる。また、DSC(示差走査熱量測定)による融点ピークの有無により非結晶性ポリマーと区別することができる。
上記に例示したポリマーのうち結晶性ポリマーにあたるものは、代表的には、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリ乳酸(PLA),ポリアミド(PA)である。非結晶性ポリマーにあたるものは、代表的には、 ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリアリレート(PAR)、ポリサルフォン(PSU)である。
本発明においては、上述したポリマーのうち、損失正接ピーク温度が低いポリマーとそれが高いポリマーとの組み合わせが採用されるが、さらに3種類以上のポリマーを複数組み合わせてブロック化反応を繰り返してもよい。
異なるポリマーに由来する隣接する機械的正接ピークの温度差(Δtanδ)は、tanδのピーク高さによっても異なるため、特に限定するものではない。ブロック体あるいはそれを含有する樹脂組成物になった場合、例えば隣接する機械的正接ピーク高さが両者とも同程度であるときなど、2つのピークを区別する観点から、5℃以上の差があることが好ましい。その差を所定の範囲に収める設定とするならば、前記機械的正接ピーク温度の差は5〜40℃の範囲であることが好ましく、5〜20℃であることがより好ましい。逆に広い温度範囲で差をつける場合には、40℃以上の差をつけることが好ましく、60℃以上100以下の差をつけることがより好ましい。反応して連結されるそれぞれのポリマーの機械的正接ピークの温度差も同様である。
前記tanδピーク温度差が大きい場合は、隣接する損失正接ピーク温度の間に損失正接(tanδ)ピーク温度を保有する第3番目のポリマーをブロック化する際に構成ポリマーとして組み合わせるか、あるいは用いるポリマーで共重合体を用いるとコポリマーのセグメントに由来する力学的分散のtanδピークが出現するようにすることが好ましい。このような幅広いピークでtanδが複数存在したポリマーをブロック化に利用することでピーク値の離れすぎによるピーク値の谷を防ぎ、目的とする温度範囲の制振性をどの温度でも維持することができる。ただし、本発明においては各ピークが連続していなくてもよい。例えばアプリケーション上対応できる範囲であれば間欠的であったりピークの谷があったりしてもよい。また、ピークのショルダーが広がる形で広範な温度での制振性を示す設定としてもよい。
ポリマーが有する反応基としては、カルボキシル基、その酸無水物基、グリシジル基、アミノ基、アミド基、及び水酸基からなる群より選ばれる少なくとも一種の基が挙げられ、中でも、カルボキシル基、グリシジル基、アミド基、又は水酸基が好ましい。
本発明において採用されるポリマーの損失正接ピーク温度及び損失係数は下記のようにして測定及び算出した値をいう。
<損失正接及び正接ピーク温度(ガラス転移温度)の測定>
高分子物質を加熱した場合にガラス状の硬い状態からゴム状に変わる現象をガラス転移といい、ガラス転移がおこる温度がガラス転移点である。損失正接及びガラス転移温度の測定方法は、長さ40mm×幅10mm×厚さ0.5mmの試料について、動的粘弾性装置(セイコーインスツルメント製DMS200[商品名])を用いて2〜5℃/分で昇温させ、貯蔵弾性率(E’)、損失弾性率を求め(E”)、その比(E"/E’)により損失正接を求めた。損失正接のピーク温度をガラス転移温度とした。
<損失係数測定>
損失係数(η)は、損失正接と同様、制振材料の制振特性を評価する際の指標である。長さ250mm×幅10mm×厚さ3mm(鉄基材1mm)の試料について、中央加振法により、周波数応答関数(機械インピーダンス(力/速度))を測定し、半値幅法により損失係数を算出する。さらに制振材の損失係数を以下の式より求める(ηは系全体の損失係数で測定できるので制振材のηとの関係が下式で算出される。)。
Figure 2012171989
:基板,制振材のヤング率
a=E/E
:基板,制振材の厚さ
ξ=h/h
η・・・制振材の損失係数
上記ポリマーの粘度および分子量は特に限定されないが、構成するポリマーは末端基あるいは分子内に反応性官能基を有し、その重量平均分子量(Mw)はGPCのスチレン分子量換算で5000以上から300,000の間が望ましい。Mwが上記下限値以上であると溶融粘度が十分に大きく直鎖状のブロック体でも2,000CPS(センチポイズ)程度で高分子としての特性が失われず好ましい。例えば、分子が絡み合う様に3官能の単分子カップリング剤を用いて長鎖分岐(スターポリマー)構造のブロック化しても10,000CPSには達しないため高分子としての特性が失われず好ましい。またMwが上記上限値以下であると、流動しやすい材料となり成形性の観点から望ましい。以下に分子量測定の具体的な条件を示す。なお、下記の設定は例えばポリメチルメタクリレートの測定の条件であって、カラムの種類や移動層の溶媒は測定するポリマーに応じて適宜選定すればよい。
・分子量測定装置
装置:SHIMAZU LC−VP
プレカラム:なし
サンプル側カラム
・LF-804 (Shodex) 300×7.5mm/2本
・HFIPgel (Polymer Laboratories) 300×7.5mm/2本 など
リファレンス側カラム:サンプル側カラムに同じ
恒温槽温度:40℃(一般的な条件である)
移動層:テトラヒドロフラン
サンプル側移動層流量:1.0mL/分
リファレンス側移動層流量:1.0mL/分
試料濃度:約1%(0.5%〜数%)
試料注入量:100μL(50〜200μ)
[ポリマーの組成比]
本実施形態においては、2種類のポリマーでブロック化を行う場合は望ましくは両者ポリマーのtanδの大きさ(ピーク面積)が同じ程度になることが望ましい。そのために、構成する両者のモル比は、各々が保有するtanδとそのモル比での可撓性を勘案して定めることが好ましい。ポリマーA/Bの構成比は5/95〜95/5モル比の範囲で構成することができる。しかしながら両者が相分離しやすい領域ではポリマー単独のカップリング反応が生じやすいことを考慮すべきである。その点を考慮するとポリマーA/Bのモル比を95/5〜60/40の混合物1とポリマーA/Bのモル比を5/95〜40/60の混合物2を予め調製しておき、これらを上記構成比になるように調合して反応押し出しを行うことで、ブロック化反応の際に同一ポリマー同士の不均一な反応を回避することができる。
ポリマー構成が3種類以上の場合は例えばポリマーA、BおよびCにおいてポリマーが保有するtanδの温度で中心となるポリマーが全体を構成するモル数の中で望ましくはその各々の構成は5〜50モル%の範囲でその全量が100モル%とする。望ましくは各々の構成は8〜40モル%の範囲でその全量が100モル%とする。好適な条件としては各々の構成は10〜35モル%の範囲でその全量が100モル%の場合が優れた結果を期待できる。
[ブロック化反応の同定]
上記複数のポリマーのブロック化の確認は以下のようにして行うことができる。
まず1つの方法を例示すると、反応押し出しによって生成した混合物ポリマーを溶媒に溶解させ、それらをゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって分子量を確認する。さらに、これを分別後、13C−NMRによってブロック化した際のカップリング部分について、その結合炭素は官能基が異種元素によってシフトが異なることを利用して、定量化することができる。しかしながら、これらの操作は精度のある確認手段としては好適ではあるが、ブロック反応性スクリーニングの際には多大な時間を消費しえるため、簡便法として下記のような粘弾性測定によってtanδの挙動観察から判定する方法を採用するもことができる。
また、ブロック反応の粘弾性測定による簡便な同定方法が挙げられる。ポリマーAの損失係数tanδ及びピーク温度Tgaとし、ポリマーBの損失係数tanδ及びピーク温度Tgbとすると、これらを完全混合した状態(ブロック化しないで混合している状態)ではそのtanδはそのモル比率に応じた材料の異なるtanδ並びにtanδのピークの高さが合成されたものが損失係数を測定した際に観測される。いわゆるモル分率による加成性がみられる。またその完全混合物の各々のtanδ及びtanδの温度はポリマーA及びポリマーBの損失係数を測定した際の温度と一致して観測される。
一方、ポリマーA及びポリマーBのセグメントの運動量がブロック化の際に構成するポリマーA及びポリマーBが結合していると、ポリマーの運動量はセグメントの長いポリマーの影響をされる。たとえばポリマーAの主鎖セグメント長さがポリマーBより長い(すなわち分子量がポリマーBより分子量が大きく繰り返しユニット数が大きい)場合で、ブロック体になった場合はセグメントの長いポリマーA側の運動量の影響を受けるはずである。言い換えれば、セグメントの長いポリマーAの拘束をポリマーB側は受けるため、
tanδのピーク温度TgbはポリマーA側にシフトすることが観測される。もし反対にポリマーB側のセグメントがポリマーAより長く場合はポリマーA側のtanδのピーク温度(Tga)はTgb側にシフトする。
上記の前提のもとにピークシフトからブロック化の有無を確認することができる。またその(ブロック化)生成量はシフトしたtanδのピーク高さから可撓性を利用して逆に算出することも可能であると考えられる。
[ブロック体の制振性能の評価]
本発明の制振樹脂組成物においては、そのブロック体を主とする混合物が、各々の機械的分散で観測される異なる温度間でのtanδプロファイルがブロードなピークとなることが好ましい。特定のものについては、ブレンドする前の各々のピークの間はそのスロープ間の重なり合う高さにモル分離を乗じた高さになることが経験的に分かっている。前者(ブロック化混合物)はセグメント間で運動の伝達があるためtanδ間の高さは単純に各々のポリマーを混合した場合(各々のピークの間はそのスロープ間の重なり合う高さにモル分離を乗じた)高さより高く且つ主鎖の長いセグメントに引きずられてもう一方の損失正接ピークの温度はシフトする。これを台形状の連続ピーク(あるいは台形ピーク)、単純ブレンドの時に観測されたものを独立ピークとして、ブロック化の制振性を判定することができる(豊田暢之 JSR CEMICAL REVIEW No110,2003参照)。このとき観測される損失正接ピーク(tanδのピーク)の温度幅が広く、より高いものが、広範な温度領域で高い制振性を示す良好なものであるとして判定される。
本発明においては、上記損失正接ピークの異なる温度間での連続性をより定量的に評価するために、下記で定義される積分平均損失正接(tanδの加重平均値)Hを用いることができる。
材料の制振性能の優劣はある温度幅で機械的正接の大きさは単なる一点の温度でのtanδのピーク値で比較することは通常できない。そのため、ここでは、材料を用いた製品の使用される温度範囲において、温度とtanδの積の積分したものを温度幅で割った加重平均値を成分平均損失正接と定義する。材料の制振能力を比較する場合に商品を設計する場合に決められた温度範囲での制振性能を比較する場合に振動エネルギー吸収の積分値を意味する。その加重平均は下記数式2で表される(図1を併せて参照)。
Figure 2012171989
ここで得られる値について特に限定はないが、本発明においては、広い温度範囲での制振性を考慮し、積分平均損失正接Hが0.10以上であることが好ましく、0.20以上であることがより好ましい。混合物の積分平均損失正接H(H)とそのブロック体組成物の積分平均損失正接H(H)との比率としては、H/Hとして1.2〜4倍に上昇することが好ましい。
[2官能性及びまたは3官能性の化学種]
本発明においては、2官能性又は3官能性の化学種としてカップリング剤または架橋剤を用いることが好ましい。これにより、好ましくは、上記複数のポリマーが持つ反応性基に作用し、該反応性基どうしを直接あるいは該化学種を介して結合させる。これにより、前記反応性基で連結された直鎖分岐構造もしくは化学架橋構造のブロック体が得られる。
2官能または3官能をもつ化学種としては、水酸基や、カルボキシル基、酸無水物基、エステル基、エポキシ基やイソシアネート基、オキサゾリン基、カルボジイミド基等の官能基を2及びまたは3官能以上保有する化合物が挙げられ、DCPなどの架橋剤やシランカップリング剤等の結合剤でもよい。なかでも、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、又はオキサゾリン化合物を用いることが好ましい。
カップリング剤は単分子で2官能及びまたは3官能を有するものあるいはオリゴマーでもよい。官能基としては、エポキシ化合物、イソシアネート、オキサゾリン基、カルボキシル基、無水マレイン酸基等が挙げられる。なお、本明細書においてオリゴマーとは、特にポリマーと区別していうときには、重合度が2〜100程度の範囲のものをいう。
多官能イソシアネート化合物にはメチレンジフェニルジイソシアネート(MDIあるいは4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート)、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナフチレン1,5−ジイソシアネート(NDI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添キシリレンジイソシアネート(H6XDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、ヘキサメチンジイソシアネート(HDI)、ダイマー酸ジイソシアネート(DDI)、ノルボルネン・ジイソシアネート(NBDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)等が上げられる。
またエポキシ化合物では2官能の化合物はジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、環状エポキシとしては3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3‘4’−エポキシシクロヘキサンカーボネート(旭チバCY−179)、3官能ではトリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリアジン環を有するトリグリシジルエーテルシアヌレート、トリメチロールエチルトリグリシジルエーテル(東都化成YH−330,DIC(大日本インキ化学)725,旭電化ED−505)あるいは多官能エポキシ化合物にはフェノール系ではオルソクレゾールノボラックエポキシ(DIC(大日本インキ化学)730),N,N’−ジグリシジルエーテルジアミノジフェーネールメタン(住友化学ELM−434,DIC(大日本インキ化学)430−L,東都化成YH−434)等がある。これらをブレンド時にポリマー同時が溶融してから反応する様に官能基を持たない不活性で両者の融点の近傍で溶けるポリマー等を用いてマスターバッチ化を行うことが均一な反応をさせるために望ましい。
上記2官能又は3官能性の化学種の使用量は特に限定されないが、複数のポリマーの各々の末端基同志が結合する場合はと等モルになるように配合することが好ましい。一部およびまたは全量がポリマーを長鎖分岐とするスターポリマー構造とする場合もその末端基の反応量に応じて対応の等モルとすることが望ましい。化学種が過剰であるとポリマーに比べて分子量が小さいため反応が進み、部分的な結合が形成され、動的粘弾性装置で測定するとtanδの変化が見ることができ、上記上限値の対応モル数以下とすることでまた未反応残差を抑え、それにより過剰な反応を抑制することもできる。
[触媒]
また、これら複数の樹脂で化学種を用いて結合させるときは触媒等を入れてもよい。触媒にはルイス酸、強塩基、4級アンモニウム塩、脂肪酸金属塩、3級アミン、有機チタン触媒、アンチモン系触媒、スズ系触媒、イミダゾール系等があげられる。
上記触媒の使用量は特に限定されないが、複数のポリマーの総量に対して0.01〜0.1質量部であることが好ましく、0.01〜0.05質量部であることがより好ましい。上記下限値以上とすることで、触媒としての機能の発現する最低量であり、上記上限値以下とすることで過剰な反応を抑制することができる。
[架橋剤・架橋助剤]
架橋剤としては、例えば、ジ-α-クミルパーオキサイド、t−ブチル-α-クミルパーオキサイド、2,5ジメチル−2,5ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5ジメチル−2,5ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド,2,4−ジクロロ−ベンゾイルパーオキサイド等を用いることができる。添加割合は樹脂成分の合計量(複数のポリマーの総量)100重量部に対して、0.5〜5重量部の範囲が好ましい。この割合が上記下限値以上であると架橋が十分で均質な発泡体が得られやすい。逆に上限値以下であると架橋密度が上がり過ぎず、発泡体に耳割れや気泡粗大等が起こさず、良好な発泡体が得られる。さらに架橋助剤を用いることができ、架橋助剤としては、例えば、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパ20ントリアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート等を挙げることができる。これらの架橋助剤の添加割合は、所望の架橋度合に応じて適宜定めることができるが、樹脂成分の合計量(複数のポリマーの総量)に対して、通常0.2〜5重量部の範囲が好ましい。必要に応じて各種添加剤、例えば、酸化防止剤、整泡剤、滑剤、紫外線吸収剤、重合調整剤、顔料等を加えることができる。
また、さらに用いることができる架橋剤はベンゾチアジル基を有する化合物、ベンゾトリアゾール基を有する化合物、ジフェニルアクリレート基を有する化合物、ベンゾフェノン基を有する化合物等が挙げられる。ベンゾチアジル基を有する化合物としては、N,N−ジシクロヘキシルベンゾチアジル−2−スルフェンアミド(DCHBSA)、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、ジベンゾチアジルスルフィド(MBTS)、N−シクロヘキシルベンゾチアジル−2−スルフェンアミド(CBS)、N−t−ブチルベンゾチアジル−2−スルフェンアミド(BBS)、N−オキシジエチレンベンゾチアジル−2−スルフェンアミド(OBS)、N,N−ジイソプロピルベンゾチアジル−2−スルフェンアミド(DPBS)等が挙げられる。ベンゾトリアゾール基を有する化合物としては、ベンゼン環にアゾール基が結合したベンゾトリアゾールを母核とし、これにフェニル基が結合したものであって、2−[2’−ハイドロキシ−3’−(3’’,4’’,5’’,6’’−テトラハイドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール(2HPMMB)、2−(2’−ハイドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(2HMPB)、2−(2’−ハイドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(2HBMPCB)、2−(2’−ハイドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(2HDBPCB)、2−(2’−ハイドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール(2HOPB)等が挙げられる。ジフェニルアクリレート基を有する化合物としては、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(ECDPA)、オクチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(OCDPA等が挙げられる。ベンゾフェノン基を有する化合物としては、2−ハイドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(HMBP)、2−ハイドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルフォニックアシド(HMBPS)等が挙げられる。
上記架橋剤又は架橋助剤の使用量は特に限定されないが、複数のポリマーの総量に対して0.02〜10質量部であることが好ましく、0.1〜3質量部であることがより好ましい。上記下限値以上とすることで、架橋剤効果により制振性が向上をみることができ、上記上限値以下とすることで過架橋による成形流動性の悪化を防ぐことができる。
[作用機構と利点等]
分子構造的に見ると高分子鎖のマクロブラウン運動、ミクロブラウン運動による分子間の相互効果(摩擦、分子間凝集力等)により外部からの振動エネルギーを熱エネルギーに変換する事によって制振性能が生じる。このような挙動を高分子の粘弾性の貯蔵弾性率(E’)と複素弾性率(E”)から得られた損失正接(tanδ=E”/E’)で説明される。一般に高分子の損失正接はガラス領域とゴム弾性領域の中間、すなわちガラス転移領域に於いて力学的エネルギーの蓄積と損失が共存する粘弾性領域とされる挙動を示し、分子間の熱エネルギーが極大値となる。高分子の二次転移点(あるいはガラス転移点と称する)が単一ポリマー材料では損失正接ピーク温度に対応する。この領域では分子間に束縛力が作用するため分子セグメントの一部が分子運動を開始するため部分的に制約された分子運動をとなる。この領域では温度が低いと分子運動は不活発となる。マクロブラウン運動が停止し、停止し、更にはミクロブラウン運動も停止する。いわゆる分子凍結状態になる温度でこの温度を境にして
弾性率の変化が著しく、比容積、屈折率等の物理定数も急激に変化する。
また分子構造にかかる熱的運動とガラス転移点(Tg)の関係を観ると高分子材料に於いてTgの温度をシフトする要素は分子の回転のしやすさ、セグメントの動きやすさに起因する。分子運動が動きやすい構造になればTgは低下するすなわち損失正接ピーク温度は低下する。分子の回転運動は以下の要因に起因する(R.J.Shafer(Rubber World, June 1995)参照)。
(1)主鎖の可撓性
(2)側鎖の大きさ、長さ及びその可撓性
(3)立体障害による分子運動の制約
(4)分子の対称性
(5)分子の保有する極性(いわゆる分子間凝集力で電気陰性度に基づく正電場力やロンドン力、水素結合等が含まれる)
本発明の好ましい実施形態によれば、上記のような作用機構を利用することもできるが、例えば単にTg(ガラス転移点)の調節のみにより制御するのでは難しい制振性の制御も可能となる。
複合材料では高分子/フィラー界面の摩擦によって分子運エネルギーが熱エネルギーになるとされている。その場合、フィラーの配向やフィラーのサイズ、界面の接着性が大きく性能を左右すると言われている。たとえば板状フィラーを多数添加して成形時に配向させ、両面拘束モデルの集合体として制振性を向上させると共に異なる機械的正接ピークのスロープをブロード化することが挙げられる。しかしながら、フィラーの配向度や成形時の板状フィラーのアスペクト比の低減による調節には限界があり、さらにフィラーの添加は成形上の制約を招く。また金属板の間にサンドイッチ構造樹脂を挟んだ複合多層化によって制振性能を向上させた複合材料もあるが、樹脂単独に比べて弾性率の高い金属材料の組み合わせから成形の際の形状の自由度の制約、サンドイッチ構造のため製造コストが高く、製品としての成形コスト等の観点から制約が大きい。
本発明の制振樹脂組成物においてフィラーや金属板を組み合わせて適用することが妨げられるものではないが、そうした手段のみによるのでは難しかった領域の制振性の制御の可能性を広げることができる。また、フィラーや金属板を用いることによる弊害を回避することができ、より広範なアプリケーションへの適用や性能の向上が見込める。
単に複数の樹脂を混合するのでは、相溶可能な組み合わせは自ずと限定されてしまう。その場合、ガラス転移点からゴム領域に移行する部分は損失正接ピークとして観測されるので、上記相溶可能な樹脂組成物は限られた温度範囲でtanδの複数ピークに挟まれる温度範囲しか確保できないことが示唆される。また、このときに可塑剤を用いることが挙げられるが、可塑剤はゴム領域を増大する為、PVC等の損失正接の低減を招くので、結果として平均的な制振性を低減することとなる。
製品としては制振機能で高い性能を発揮が求められる使用温度範囲は10℃〜60℃付近を望ましくは10℃〜80℃の範囲が求められ、用途によっては好適には10℃〜100℃の温度範囲が望まれている。しかしながら、そもそも、適用できるポリマーアロイはゴム材料を除いては極めて少なく、またゴム材では工業部品等に要求される耐熱性があって高剛性材料への適用材料からの課題は大きく、幅広く適用するには大きな制約がある。そして、上記特許文献2をみても、互いに相溶しないポリマーでは、幅広い温度に於いて機械的損失の高い特性は得られていない。
これに対し、本願発明の実施形態によれば、実際に非相溶のポリマー同士であっても、高い制振性を実現するよう三次元的に重合させた転移領域の広い材料とすることが可能である。したがって非相溶ポリマー同士での混合系で、固化する際に相分離することが専らで、マトリックス分散形を形成となるため相互のポリマーの平均的な損失が期待しがたい場合でも、本願発明の実施形態によればそれに対応して所望の制振性を発現させる可能性が広がる。また、本願発明の実施形態によれば、溶媒を用いないで押出し混合のような融液混合系では高濃度状態であり、非相溶系ポリマー同志の混合では界面エネルギーが大きく異なる為、相分離するような場合でも、上記と同様に対応して所望の制振性を付与することができる。
すなわち、本願発明の好ましい実施形態によれば、相分離する異種高分子であっても、それらの複数ポリマー同志をブロック化することで、そのブロック体分子のセグメントとして複数保有させることができる。それにより振動エネルギーは分子内を伝搬するので、ブロック体において、異なる温度で損失正接(tanδ)を示す複数のセグメント部位が存在するものとして機能させることができる。振動エネルギーはそれらの温度範囲においては熱エネルギーに変換する。つまり、本実施形態によれば、このようにブロック化することにより幅広い温度で振動エネルギーを熱エネルギーに緩和することができる。
既に上述したことを含むが、異なる温度で機械的正接を保有するブロック化反応による分子量増大では下記のようにしてその好ましいものを得ることができる。
(1)カップリング剤を用いて異なる温度で機械的正接(tanδ)を保有するポリマー同志を直鎖状にブロック体及びまたはブロック体を主とする混合物を得る。
(2)スターポリマーの如く多官能を有するカップリング剤を用いて異なる温度で機械的正接(tanδ)をブロック体及びまたはブロック体を主とする混合物を得る。
(3)主に直鎖状にブロック体を得てからそれらに架橋剤を作用させて主に分子量の増大化したブロック体及びそれらの前駆体との混合物等の構造を有する混合物とする。
本実施形態の制振樹脂組成物は、多様なニーズや用途に幅広く適用することができ、特に高温でも十分な性能を発揮する。分野としては、自動車・車両・船舶用、家電・電気電子・OA機器・音響機器・機械器具用及び建築・建材用等,多岐にわたる。例えば、自動車や車両などの運送機器においては、車両が路面や線路を走行する時に発生する振動や、エンジンやモーターの回転に起因して発生する振動等防止抑制、また、電気電子・OA機器・音響機器では、モーター、リレー、トランス、歯車、カム、ギヤボックスのような稼働部品や振動を発生する電気・電子・機械部品の振動や騒音防止、機械器具用は、工場プラント機器等の電気・機械器具に組み込まれているエンジンやモーター等の回転に起因して発生する振動や騒音防止、また建材分野では、ビルディング、家屋等の水道・ガス等の導管類や空調用ダクト等により発生する振動や騒音、床下など振動・騒音防止等広く一般に使われている制振材として優れた性能を得られる。なかでも、自動車のオイルパンやシリンダーカバーなどのエンジン周辺部の制振材として最適な効果をもたらすものである。具体的には、制振材が幅広い温度領域で制振性能を発現できる。特に80℃以上になっても高い損失係数を維持し、自動車のオイルパンやシリンダーカバーなどのエンジン周辺部の制振材として薄肉で性状の自由度を保有した材料として適している。
本発明について、実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明がこれにより限定して解釈されるものではない。
[実施例1]
第一工程として、変性ポリエチレンであるエチレン−エチレングリシジルメタクリレート共重合体樹脂(住友化学:ボンドファーストE[商品名])100質量部と、ポリ乳酸(以下PLA;三井化学製 商品名;レイシアH440、メルトフロー=2.4g/100g、分子量Mw;80,000万)20質量部とを2軸押出機(テクノベル社製KZW−15−45−MG2軸押出機 スクリュー:口径15mm L/D:45)で190℃にて混練し均一分散化した。続いてこの均一混合物120質量部に対して反応基の保有しないポリエチレンを用いて10%マスターバッチ化したカップリング剤の4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート(和光化学特級)をそのカップリング剤の有効の有効含有が0.001モルとなる様に0.25質量部なるように配合し、さらに触媒Aとしてステアリン酸リチウム及びステアリン酸カルシュウム=50/50(重量比)を0.05重量部、配合し、ドライブレンド後に同じ押出機で190℃の条件で混練した。得られたペレットを190℃で10分間熱プレスし、0.5mmのシートを作成した。得られた樹脂組成物Aについて動的粘弾性装置(セイコーインスツルメント製DMS200[商品名])にてtanδの測定を10Hzで行った。元のボンドファーストの機械的分散のtanδはエチレンセグメントに由来するtanδエチレン(−11℃)とグリシジルメタアクリレートセグメントに由来するtanδGMA(66℃)またポリ乳酸に由来するtanδPLA(71℃)は、tanδエチレン(−9.5℃),tanδGMA(66℃),tanδPLA(67.0℃)とシフトして観測された。低温側の機械的分散のピークは高温側へまたPLAは低温側にシフトしている。これらは明らかに両者がブロック化した結果、分子運動がブロック化したセグメント内を伝達していることを示唆している。さらに上記で得られた混合物を、今度は250℃で10分間プレス機で再加熱して反応を充分進めると第一段目の機械的分散のtanδエチレン(−9.5℃)はtanδエチレン(−7.1℃)へシフトした。また、tanδGMA(66℃),tanδPLA(67℃)のピークは1つになり、62℃へシフトした。そのピークは、元のtanδGMA(66℃)よりも低温側に移動することが観測されることになり、且つそのピーク値は、加成性から予測されるピーク高さより高くなった。これらは主鎖のエチレンセグメントの全モル分率高い事を示唆している。言い換えれば、全体としてはエチレンセグメントが長くなる様な分子量増大が分子間で起きていていることを示唆している。このような結果からブロック化することにより制振樹脂組成物が広い温度範囲で損失正接ピークを保有し、且つ元のピークより高い損失正接を得ることが可能となった。
[比較例1]
実施例1において、第1工程を行なった後、第2工程のカップリング剤の添加と触媒Aの添加を行わなかった。この生成物を液体窒素にて−150℃に低温凍結させた後、サンプルを折って、その破面観察を走査電子顕微鏡で観察するとマトリックス分散が観察され、多量のボンドファーストの中に島相としてポリ乳酸が分散されていることが分かった。またそこで得られた生成物に触媒Aを作用させた分散体を同じように走査電子顕微鏡で観察しても同様の結果が認められた。第2工程のカップリング剤を用いたジブロック化の工程がないと相互に相溶化しないため、分散状態が悪く、触媒Aによる縮合反応も進まないことが分かった。且つ、得られた損失正接も損失係数も実施例1と比べ低い値であった。
[実施例2]
第1工程として、変性ポリエチレンであるエチレン−エチレングリシジルメタクリレート共重合体樹脂(住友化学:ボンドファーストE[商品名])100質量部と、半芳香族ナイロン(三菱エンジニアリング ノバミットX21[商品名])26質量部とを2軸押出機(テクノベル社製KZW−15−45−MG2軸押出機 スクリュー:口径15mm L/D45)で250℃にて混練し均一分散化した。続いてこの均一混合物126gに対して反応基の保有しないポリエチレンを用いて10%マスターバッチ化したカップリング剤の4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート(和光化学特級)をそのカップリング剤の有効の有効含有が0.001モルとなる様に0.25重量部なるように配合し、さらに触媒Aとしてステアリン酸リチウム及びステアリン酸カルシュウム=50/50(重量比)を0.05重量部を配合し、ドライブレンド後に同じ押出機で190℃で混練した。得られたペレットを250℃で5分間熱プレスし、0.5mmのシートを作成した。得られた樹脂組成物Aについて動的粘弾性装置(セイコーインスツルメント製DMS200[商品名])にてtanδの測定を行った。第2工程の反応後の結果を表に示す。半芳香族ナイロンの損失正接ピークは137℃であったのに対し、反応後は82℃にピークがシフトしており、両者がブロック化していることを示す。得られた損失正接は、広い温度範囲でピークを保有しており、良好な制振組成物といえる。損失係数も60℃において0.1以上であり、高温側で使用するのに適した制振組成物といえる。
[比較例2]
実施例2において第2段目の反応工程でカップリング剤の添加と触媒Aの使用をやめた。生成物の粘弾性測定をするとそれらのいずれも損失正接はボンドファーフトの損失正接しか測定できなかった。走査電子顕微鏡で観察するとマトリックス分散が観察され、多量のボンドファーストの中に島相としてポリアミドが分散されていることが分かった。またそこで得られた生成物に触媒を作用させた分散体を同じように走査電子顕微鏡で観察しても同様の結果が認められ、第2段回目の反応工程がないと相互に相溶化しないため、触媒による縮合反応も進まないことが分かった。得られた損失正接も、高温側のピークは見られず、ボンドファースト由来のピークが現れるにとどまった。損失係数は実施例2に比較して全体的に低い値になり、特に60℃での値は低くなった。これはポリアミドとボンドファーストの界面制御がうまくいかず、ほぼボンドファーストの損失係数となった。
[実施例3]
エチレン/アクリル酸/無水マレイン酸共重合体(ボンダイン LX4110[商品名]無水マレイン酸含有量9% MFR(190℃)で7g/10分 酸当量;92meq/100g(ポリマー重量))66質量部とリサイクルポリエチレンテレフタレート(Mw;8000)(回収PET)100質量部を2軸押出機(テクノベル社製KZW−15−45−MG2軸押出機 スクリュー:口径15mm L/D45)で270℃にて混練し均一分散化した。第2工程として得られた組成物166質量部に対して、スチレン/グリシジルメタアクリレート/アクリレート三元共重合体(東亜合成化学;アルフォンUG−4040[商品名] 重量分子量(Mw=1,100)Tg=63℃、エポキシ当量:210meq/100g))10質量部をドライブレンドした後、同押出機を用いて均一混練させた。第3工程として、得られた組成物176質量部に対して、反応基の保有しないポリエチレンを用いてマスターバッチ化した4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(和光化学特級)を有効成分が0.5質量部になる様に加え、また触媒としてステアリン酸リチウム及びステアリン酸カルシュウム=50/50(重量比)を0.1質量部添加して、190℃で同押出機にて反応押し出しを行い反応させた。反応量は赤外吸光度でフィルムの厚みの指標となる2,915cm−1のメチレンバンドとグリシジル基の赤外吸光度の1,260cm−1の吸光度比の減少量から確認を行うと共にとCHNの元素分析が略一致することから定量した。次いで得られたペレットを250℃で5分間熱プレスし、0.5mmのシートを作成し動的粘弾性装置(セイコーインスツルメント製DMS200[商品名])にてtanδの測定を10Hzで行った。
その際の機械的分散でボンダインに帰属するtanδの温度は元の−7℃から−3.5℃にシフトし、その値は0.175であった。また元のマクロモノマー自体のtanδに由来する温度は58℃でそのtanδ値は0.10であり、またリサイクルポリエステルに由来するtanδは124℃でその値は0.10であるが、得られた組成物のtanδは、52℃へシフトしその値は0.24となった。これはモル分率で想定した値より遙かに高いことが分かった。
[比較例3]
実施例3に於いて4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートと触媒Aを用いないで他は同じ条件で押出し混練りを行った。生成物は赤外吸光分析でのフィルム厚み当たりグリシジル基の吸光度はほぼ変ら無いことが確認された。このことから単なる混合物であることが示唆された。そこで生成物を液体窒素にて−150℃に低温凍結させた後、サンプルを折って、その破面観察を行うと、ドメインが多数認められ、且つドメイン界面のボイドも大きく相分離していることが判明した。そのときの各々のポリマーに由来するtanδのピークシフトは観測されず、ピーク値も低い値であった。
[実施例4]
エチレン/アクリル酸/無水マレイン酸共重合体(ボンダイン LX4110[商品名]無水マレイン酸含有量9% MFR(190℃)で7g/10分 酸当量;92meq/100g(ポリマー重量))66質量部と半芳香族ポリアミド(三菱エンジニアリングプラスチックス;;ノバミットX21[商品名])100質量部を2軸押出機(テクノベル社製KZW−15−45−MG2軸押出機 スクリュー:口径15mm L/D45)で250℃にて混練し均一分散化した。第2工程として得られた組成物166質量部に対して、スチレン/グリシジルメタアクリレート/アクリレート三元共重合体(東亜合成化学;商品名:UG−4040 重量分子量(Mw=1,100)Tg=63℃、エポキシ当量:210meq/100g))10質量部をドライブレンドした後、同押出機を用いて均一混練させた。第3工程として、得られた組成物176質量部に対して、反応基の保有しないポリエチレンを用いてマスターバッチ化した4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(和光化学特級)を反応含有量で0.5質量部になる様に加え、また触媒としてステアリン酸リチウム及びステアリン酸カルシュウム=50/50(重量比)を0.1質量部添加して、190℃で同押出機にて反応押し出しを行い反応させた。反応量は赤外吸光度でフィルムの厚みの指標となる2,915cm−1のメチレンバンドとグリシジル基の赤外吸光度の1,260cm−1の吸光度比の減少量から確認を行うと共にとCHNの元素分析が略一致することから定量した。次いで得られたペレットを250℃で5分間熱プレスし、0.5mmのシートを作成し動的粘弾性装置(セイコーインスツルメント製DMS200[商品名])にてtanδの測定を10Hzで行った。
その際の機械的分散でボンダインに帰属するtanδの温度は元の−7℃から−5.1℃にシフトし、その値は0.09であった。また元のマクロモノマー自体のtanδに由来する温度は58℃でそのtanδ値は0.10であるが、得られた組成物のtanδは、112℃へシフトしその値は0.11となった。
[比較例4]
実施例4に於いて第3ステップで4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを用いないで混合し、次に触媒を用いないで混練りした他は同じ条件で押出し混練りを行った。次に触媒を用いないで他は同じ条件で押出し混練りを行った。生成物は赤外吸光分析でのフィルム厚み当たりグリシジル基の吸光度はほぼ変ら無いことが確認された。このことから単なる混合物であることが示唆された。そこで生成物を−200℃に低温凍結させた後、サンプルを破断して、その破面観察を行うと、分散製の悪いドメインが多数認められ、且つドメイン界面のボイドも大きく相分離していることが判明した。そのときの各々のポリマーに由来するtanδの温度はシフトせず、変化しない。
[実施例5]
変性ポリエチレンであるエチレン−エチレングリシジルメタクリレート共重合体樹脂(住友化学:ボンドファーストE[商品名])100質量部と、分子内にアクリル基を有するポリメチルメタクリレート(株式会社クラレ;パラペットGF1000[商品名])8質量部とを2軸押出機(テクノベル社製KZW−15−45−MG2軸押出機 スクリュー:口径15mm L/D45)で190℃にて混練し均一分散化した。この均一混合物にカップリング剤の4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート(和光化学特級)を作用させた。カップリング剤は官能基の保有しないポリエチレンを用いて10%マスターバッチを作成し、そのカップリング剤の有効の有効含有量が0.25重量部となる様に計量して先の均一混合物とドライブレンドした後、再度、同じ2軸押出機にて190℃で混練した。次いで得られた組成物に触媒としてステアリン酸リチウム及びステアリン酸カルシュウム=50/50(重量比)を0.05質量部添加して190℃で再度混練りをし、ペレットにした。得られたペレットを250℃で5分間熱プレスし、0.5mmのシートを作成した。得られた樹脂組成物Aについて動的粘弾性装置(セイコーインスツルメント製DMS200[商品名])にてtanδの測定を行った。第3ステップの反応後の結果を表に示す。
[比較例5]
実施例5に於いて第2ステップで4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを用いないで混合し、次に触媒を用いないで他は同じ条件で押出し混練りを行った。生成物は赤外吸光分析でのフィルム厚み当たりグリシジル基の吸光度はほぼ変ら無いことが確認された。このことから単なる混合物であることが示唆された。そこで生成物を−150℃に低温凍結させた後、サンプルを破断して、その破面観察を行うと、分散製の悪いドメインが多数認められ、且つドメイン界面のボイドも大きく相分離していることが判明した。そのときの各々のポリマーに由来するtanδの温度はシフトせず、変化しない。
[実施例6]
押出機を用いてエチレン/グリシジルメタアクリレート/アクリロニトリルスチレン共重合体(日油株式会社;商品名:モディパーA4400 EGMA−g−AS;70/30 GMA;15%) 125質量部とエチレン/アクリル酸/無水マレイン酸共重合体(商品名;ボンダイン LX4110無水マレイン酸含有量9% MFR(190℃)で7g/10分 酸当量;92meq/100g(ポリマー重量))100質量部とを低密度ポリエチレンでマスターバッチ化した4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(和光化学特級)を反応含有量0.25質量部になる様に加えて、190℃で反応押し出しを行い、反応させた。反応量は赤外吸光度分析でフィルム平均厚み当たりのグリシジル基の赤外吸光度の1,260cm−1の減少量から確認した。次に末端にシアノ基を保有するアクリロニトリルスチレン共重合樹脂(旭化成;スタイラックAS767「商品名」)12質量部と、低密度ポリエチレンでマスターバッチ化した4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(和光化学特級)が反応含有量で0.25質量部になる様に加え、さらに触媒としてステアリン酸リチウム及びステアリン酸カルシュウム=50/50(重量比)を0.05質量部添加して190℃で再度混練りをし、ペレットにした。得られたペレットを250℃で5分間熱プレスし、0.5mmのシートを作成した。得られた樹脂組成物Aについて動的粘弾性装置(セイコーインスツルメント製DMS200[商品名])にてtanδの測定を行った。第2ステップの反応後の結果を表に示す。
[比較例6]
実施例6に於いて第1ステップ及び第2ステップとも4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートと触媒Aを用いないで他は同じ条件で押出し混練りを行った。生成物は赤外吸光分析でのフィルム厚み当たりグリシジル基の吸光度はほぼ変ら無いことが確認された。このことから単なる混合物であることが示唆された。そこで生成物を−200℃に低温凍結させた後、サンプルを破断して、その破面観察を行うと実施例6に比べ、分散製の悪いドメインが多数認められ、且つドメイン界面のボイドも大きく相分離していることが判明した。そのときの各々のポリマーに由来するtanδの温度は比較例1と同様にシフトせず、変化しない。
[実施例7]
変性ポリエチレンであるエチレン−エチレングリシジルメタクリレート共重合体樹脂(住友化学:ボンドファーストE[商品名])100質量部と、PETG(イーストマンケミカル PETG6763)16質量部とを2軸押出機(テクノベル社製KZW−15−45−MG2軸押出機 スクリュー:口径15mm L/D45)で270℃にて混練し均一分散化した。次に、この均一混合物にカップリング剤の4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(和光化学特級)を官能基の保有しないポリエチレンを用いて10%マスターバッチを作成し、そのカップリング剤の有効含有量が0.25質量部になる様に計量して、さらに触媒Aとしてステアリン酸リチウム及びステアリン酸カルシュウム=50/50(重量比)を0.05質量部計量してドライブレンドした後、190℃で再度混練りをし、ペレットにした。得られたペレットを250℃で5分間熱プレスし、0.5mmのシートを作成した。得られた樹脂組成物Aについて動的粘弾性装置(セイコーインスツルメント製DMS200[商品名])にてtanδの測定を行った。第2ステップの反応後の結果を表に示す。
[比較例7]
実施例7に於いて第2ステップに4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートと触媒Aを用いない他は同じ条件で押出し混練りを行った。生成物は赤外吸光分析でのフィルム厚み当たりグリシジル基の吸光度はほぼ変ら無いことが確認された。このことから単なる混合物であることが示唆された。そこで生成物を−150℃に低温凍結させた後、サンプルを破断して、その破面観察を行うと実施例7に比べ、分散製の悪いドメインが多数認められ、且つドメイン界面のボイドも大きく相分離していることが判明した。そのときの各々のポリマーに由来するtanδの温度はシフトせず、変化しない。
[実施例8]
押出機を用いてエチレン−メタクリル酸共重合体(三井デュポンケミカル;商品名:ニュクレル N0903HC酸含有量9%))100質量部とエチレン/グラフト無水マレイン酸スチレン共重合体[商品名;ボンダイン LX4110無水マレイン酸含有量9% MFR(190℃)で7g/10分 酸当量;92meq/100g(ポリマー重量)]100質量部とを低密度ポリエチレンでマスターバッチ化したエチレングリコールジグリシジルエーテル(東京化成工業株式会社)が含有量で0.3質量部になる様に加えて190℃で反応押出しを行い反応させた。次に末端に水酸基を保有するポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック(株):ユーピロンS−3000[商品名])80質量部反応させた。その際に低密度ポリエチレンでマスターバッチ化した4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(和光化学特級)が反応含有量で0.25質量部になる様に加えて270℃で反応押し出しを行なった。次いで得られた組成物100質量部に対して触媒としてステアリン酸リチウム及びステアリン酸カルシュウム=50/50(重量比)を0.05質量部添加して190℃で再度混練りをし、ペレットにした。得られたペレットを250℃で5分間熱プレスし、0.5mmのシートを作成し動的粘弾性装置(セイコーインスツルメント製DMS200[商品名])にてtanδの測定を10Hzで行った。第3ステップの反応後の結果を表に示す。
[比較例8]
実施例8に於いて第1ステップの反応に於いてエチレングリコールジグリシジルエーテルを用いないで、さらに第2ステップに4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを用いないで、次に触媒を用いないで他は同じ条件で押出し混練りを行った。生成物は赤外吸光分析でのフィルム厚み当たりグリシジル基の吸光度はほぼ変ら無いことが確認された。このことから単なる混合物であることが示唆された。そこで生成物を液体窒素にて−150℃に低温凍結させた後、サンプルを折って、金蒸着後その破面観察を走査型電子顕微鏡で行うと実施例8に比べドメインが多数認められ、且つドメインとマトリックス界面のボイドも大きく、界面の剥離が観察された。このようなことから相分離していることが判明した。そのときの各々のポリマーに由来するtanδは変わらない。
[実施例9]
押出機を用いてエチレン−メタクリル酸共重合体(三井デュポンケミカル;商品名:ニュクレル N0903HC酸含有量9%))100質量部とオキサゾリン変性スチレン[日本触媒 エポクロスRPS−1005]24質量部とを2軸押出機(テクノベル社製KZW−15−45−MG2軸押出機スクリュー:口径15mmL/D45)で190℃にて混練し均一分散化した。続いて、この均一混合物にポリエチレンで10%に希釈したカップリング剤の4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート(和光化学特級)を、そのカップリング剤の含有量が0.25質量部になる様に計量して先の均一混合物とドライブレンドした後、再度、同じ2軸押出機にて190℃で混練した。次いで得られた組成物に触媒としてステアリン酸リチウム及びステアリン酸カルシュウム=50/50(重量比)を0.05質量部添加して190℃で再度混練りをし、ペレットにした。得られたペレットを250℃で5分間熱プレスし、0.5mmのシートを作成した。得られた樹脂組成物Aについて動的粘弾性装置(セイコーインスツルメント製DMS200[商品名])にてtanδの測定を行った。第2ステップの反応後の結果を表に示す。
[比較例9]
実施例9に於いて第2ステップで4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを用いないで混合し、次に触媒を用いないで他は同じ条件で押出し混練りを行った。生成物は赤外吸光分析でのフィルム厚み当たりグリシジル基の吸光度はほぼ変ら無いことが確認された。このことから単なる混合物であることが示唆された。そこで生成物を−200℃に低温凍結させた後、サンプルを破断して、その破面観察を行うと実施例9に比べ、分散製の悪いドメインが多数認められ、且つドメイン界面のボイドも大きく相分離していることが判明した。そのときの各々のポリマーに由来するtanδの温度はにシフトせず、変化しない。
[実施例10]
変性ポリエチレンであるエチレン−エチレングリシジルメタクリレート共重合体樹脂(住友化学:ボンドファーストE[商品名] グリシジルメタアクリレート(GMA)共重合量12%)100質量部と、液晶ポリマー(ポリプラスチックス ベクトラA950[商品名])24質量部とを2軸押出機(テクノベル社製KZW−15−45−MG2軸押出機スクリュー:口径(D)15mmでスクリュー長さ/スクリュー径比;L/D=45)で300℃にて混練し均一分散化した。続いて、この均一混合物にカップリング剤の4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート(和光化学特級)を作用させた。官能基の保有しないポリエチレンで10%に希釈したジフェニルメタンジイソシアネート(和光化学特級)をそのカップリング剤の有効含有が0.25質量部になる様に計量して先の均一混合物とドライブレンドしたブレンド物に加えた後、再度、同じ2軸押出機にて190℃で混練した。
次いで得られた組成物に触媒としてステアリン酸リチウム及びステアリン酸カルシュウム=50/50(重量比)を0.05質量部添加して190℃で再度混練りをし、ペレットにした。得られたペレットを250℃で5分間熱プレスし、0.5mmのシートを作成した。得られた樹脂組成物Aについて動的粘弾性装置(セイコーインスツルメント製DMS200[商品名])にてtanδの測定を行った。
第2ステップの反応後の結果を表に示す。
[比較例10]
実施例10において第二段目の反応工程でカップリング剤の添加と第三段目の反応工程での触媒の使用をやめた。生成物の粘弾性測定をするとそれらのいずれも機械的分散はボンドファーフトの分散しか測定できなかった。走査電子顕微鏡で観察するとマトリックス分散が観察され、多量のボンドファーストの中に島相として液晶ポリマーが分散されていることが分かった。またそこで得られた生成物に触媒を作用させた分散体を同じように層さ電子顕微鏡で観察しても同様の結果が認められ、第一段の反応工程でジブロック化しないと相互に相溶化がしないため、触媒による縮合反応も進まないことが分かった。
[実施例11]
エチレン/アクリル酸/無水マレイン酸共重合体[商品名;ボンダイン LX4110無水マレイン酸含有量9% MFR(190℃)で7g/10分 酸当量;92meq/100g(ポリマー重量)]100質量部と末端に水酸基とカルボン酸を対で保有するリサイクルポリエチレンテレフタレート(Mw;8,000)18質量部を2軸押出機(Tテクノベル社製KZW−15−45−MG2軸押出機 スクリュー:口径15mm L/D45)で270℃にて混練し均一分散化した。次に、この均一混合物にカップリング剤の2,2−(1,3−フェニレン)ビス−2−オキサゾリン(三国製薬工業株式会社)を作用させた。カップリング剤は官能基の保有しないポリエチレンを用いて10%マスターバッチを作成し、そのカップリング剤の有効含有が0.22質量部になる様に計量して先の均一混合物とドライブレンドした後、再度、同じ2軸押出機にて190℃で混練した。次いで触媒としてステアリン酸リチウム及びステアリン酸カルシュウム=50/50(重量比)を0.05質量部添加して190℃で再度混練りをし、ペレットにした。得られたペレットを250℃で5分間熱プレスし、0.5mmのシートを作成した。得られた樹脂組成物Aについて動的粘弾性装置(セイコーインスツルメント製DMS200[商品名])にてtanδの測定を行った。第2ステップの反応後の結果を表に示す。
[比較例11]
実施例11において第二段目の反応工程でカップリング剤の添加と第三段目の反応工程での触媒の使用をやめた。生成物の粘弾性測定をするとそれらのいずれも機械的分散はボンダインの分散しか測定できなかった。走査電子顕微鏡で観察するとマトリックス分散が観察され、多量のボンダインの中に島相としてPETが分散されていることが分かった。またそこで得られた生成物に触媒を作用させた分散体を同じように層さ電子顕微鏡で観察しても同様の結果が認められ、第二段目の反応工程でジブロック化しないと相互に相溶化がしないため、触媒による縮合反応も進まないことが分かった。
[実施例12]
第一工程として、変性ポリエチレンであるエチレン−エチレングリシジルメタクリレート共重合体樹脂(住友化学:ボンドファーストE[商品名])100質量部と、ポリ乳酸(以下PLA;三井化学製 商品名;レイシアH440、メルトフロー=2.4g/100g、分子量Mw;80,000万)20質量部とを2軸押出機(テクノベル社製KZW−15−45−MG2軸押出機 スクリュー:口径15mm L/D:45)で190℃にて混練し均一分散化した。続いてこの均一混合物100質量部に対して反応基の保有しないポリエチレンを用いて10%マスターバッチ化したカップリング剤の4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート(和光化学特級)をそのカップリング剤の有効の有効含有が0.001モルとなる様に0.25質量部なるように配合し、さらに触媒Aとしてステアリン酸リチウム及びステアリン酸カルシュウム=50/50(重量比)を0.05重量部、配合し、ドライブレンド後に同じ押出機で190℃の条件で混練した。
得られた組成物122.5質量部に、2−2−ハイドロキシ−5−メチルフェニル−5−ベンゾトリアゾール(HMPB)(住友化学 スミソーブ200(商品名))12質量部と2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)(大内新興化学(株)ノクセラーM(商品名))12質量部を、2軸押出機(Tテクノベル社製KZW−15−45−MG2軸押出機 スクリュー:口径15mmL/D45)で混練りを行い、ペレットにした。得られたペレットを240℃×5分でプレスし、0.5mmのシートを作成した。このシートを。動的粘弾性装置(セイコーインスツルメント製DMS200[商品名])にてtanδの測定を10Hzで行った。
元のボンドファーストの損失正接のtanδはエチレンセグメントに由来するtanδエチレン(−11℃)は、5.3℃にシフトし、高さが0.102から0.275となった。またポリ乳酸に由来するtanδPLA(70.1℃)は、55.5℃にシフトし、高さは0.09から0.892となった。分子量の増大が起こったことを示唆する。
なお、本実施例で得られた損失正接のチャートを、下記比較例12との対比として、添付の図2に示した。
[比較例12]
実施例12においてカップリング剤の添加と、2−2−ハイドロキシ−5−メチルフェニル−5−ベンゾトリアゾール(HMPB)と2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)の添加を行わなかった。
得られた損失正接は、実施例12に比べて低い値であった。
[実施例13]
第1工程として、変性ポリエチレンであるエチレン−エチレングリシジルメタクリレート共重合体樹脂(住友化学:ボンドファーストE[商品名])100質量部と、半芳香族ナイロン(三菱エンジニアリング ノバミットX21[商品名])26質量部とを2軸押出機(テクノベル社製KZW−15−45−MG2軸押出機 スクリュー:口径15mm L/D45)で250℃にて混練し均一分散化した。続いてこの均一混合物126gに対して反応基の保有しないポリエチレンを用いて10%マスターバッチ化したカップリング剤の4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート(和光化学特級)をそのカップリング剤の有効の有効含有が0.001モルとなる様に0.25重量部なるように配合し、さらに触媒Aとしてステアリン酸リチウム及びステアリン酸カルシュウム=50/50(重量比)を0.05重量部を配合し、ドライブレンド後に同じ押出機で190℃で混練した。
得られた組成物128.5質量部に、2−2−ハイドロキシ−3−(3456テトラハイドロフタリミデメチル−5−メチルフェニル−ベンゾトリアゾール(2HPMMB)(住友化学 スミソーブ250([商品名])13質量部とハイドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル}−5−クロロベンゾトリアゾール(2HDBPCB)(共同薬品株式会社製VIOSORB580[商品名])を13質量部、2軸押出機(Tテクノベル社製KZW−15−45−MG2軸押出機 スクリュー:口径15mmL/D45)で混練りを行い、ペレットにした。得られたペレットを240℃×5分でプレスし、0.5mmのシートを作成した。このシートを。動的粘弾性装置(セイコーインスツルメント製DMS200[商品名])にてtanδの測定を10Hzで行った。得られた機械的分散の結果を表に示す。
[比較例13]
実施例13においてカップリング剤の添加と、2−2−ハイドロキシ−3−(3456テトラハイドロフタリミデメチル−5−メチルフェニル−ベンゾトリアゾール(2HPMMB)とイドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル}−5−クロロベンゾトリアゾール(2HDBPCB)の配合を行わなかった。得られた損失正接は、実施例12に比べて低い値であった。
[実施例14]
第一工程として、変性ポリエチレンであるエチレン−エチレングリシジルメタクリレート共重合体樹脂(住友化学:ボンドファーストE[商品名])100質量部と、ポリ乳酸(以下PLA;三井化学製 商品名;レイシアH440、メルトフロー=2.4g/100g、分子量Mw;80,000万)80質量部とを2軸押出機(テクノベル社製KZW−15−45−MG2軸押出機 スクリュー:口径15mm L/D:45)で190℃にて混練し均一分散化した。続いてこの均一混合物100質量部に対して反応基の保有しないポリエチレンを用いて10%マスターバッチ化したカップリング剤の4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート(和光化学特級)をそのカップリング剤の有効の有効含有が0.001モルとなる様に0.25質量部なるように配合し、さらに触媒Aとしてステアリン酸リチウム及びステアリン酸カルシュウム=50/50(重量比)を0.05重量部、配合し、ドライブレンド後に同じ押出機で190℃の条件で混練した。
得られた組成物182.5質量部に、ジベンゾチアゾリルジスルフィド(MBTS)(大内新興化学(株)ノクセラーM(商品名))36部を2軸押出機(Tテクノベル社製KZW−15−45−MG2軸押出機 スクリュー:口径15mmL/D45)で混練りを行い、ペレットにした。得られたペレットを240℃×5分でプレスし、0.5mmのシートを作成した。このシートを。動的粘弾性装置(セイコーインスツルメント製DMS200[商品名])にてtanδの測定を10Hzで行った。得られた機械的分散の結果を表に示す。
[比較例14]
実施例14においてジベンゾチアゾリルジスルフィド(MBTS)(大内新興化学(株)ノクセラーM(商品名))の配合を行わなかった。得られた損失正接は、実施例12に比べて低い値であった。
Figure 2012171989
Figure 2012171989
Figure 2012171989
・Et/GMA:エチレン−エチレングリシジルメタクリレート共重合体樹脂
・St/GMA/Ac:スチレン/グリシジルメタアクリレート/アクリレート三元共重合体
・Et/AA/Mal:エチレン/アクリル酸/無水マレイン酸共重合体
・Et/GMA/AS:エチレン/グリシジルメタアクリレート/アクリロニトリルスチレン共重合体
・Et/Mal-St:エチレン/グラフト無水マレイン酸スチレン共重合体
・PETG:ポリエチレンテレフタレートにグリコールを加えたコポリエステル樹脂
・AS:アクリロニトリル/スチレン共重合
・EGGE:エチレングリコールジグリシジルエーテル
・PC:ポリカーボネート樹脂
・O-PS:オキサゾリン変性スチレン
・LCP:液晶ポリマー
・Et/MA:エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂
・PLA:ポリ乳酸
・hAr-PA:半芳香族ポリアミド
・PMMA:ポリメタクリル酸メチル
・CatA:触媒としてステアリン酸リチウム及びステアリン酸カルシュウム(50/50)
・MDI:4、4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート
・HMPB:2−2−ハイドロキシ−5−メチルフェニル−5−ベンゾトリアゾール
・MBT:2−メルカプトベンゾチアゾール
・2HPMMB:2−2−ハイドロキシ−3−(3456テトラハイドロフタリミデメチル−5−メチルフェニル−ベンゾトリアゾール
・2HDBPCB:ハイドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル}−5−クロロベンゾトリアゾール
・MBTS:ジベンゾチアジルスルフィド
・PbO: 2,2−(1,3−フェニレン)ビス−2−オキサゾリン
* tanδlow: 損失正接ピークの温度の低い側のピーク
tanδhigh: 損失正接ピークの温度の高い側のピーク
・加重平均値(20〜60℃):前記[ブロック体の制振性能の評価]で示した手順及び数式2により求めた積分平均損失正接H
なお、ポリマーに下線を付したものは非結晶性のポリマーであることを意味する。
上記の結果より、本発明の実施例によれば、比較例のものに比し、制振適用温度幅が広く連続する安定した制振性を示すことが分かる。

Claims (12)

  1. 複数の損失正接(tanδ)ピークを有する樹脂組成物であって、
    複数のポリマーを反応させて連結したブロック体を含有することを特徴とする制振樹脂組成物。
  2. 前記複数のポリマーは各々異なる温度に損失正接(tanδ)ピークを有し、かつ反応基を有し、前記ブロック体は前記反応基を反応させ前記複数のポリマーを連結してなる請求項1記載の制振樹脂組成物。
  3. 前記複数のポリマーの少なくとも1つは結晶性ポリマーである請求項1又は2に記載の制振樹脂組成物。
  4. 2官能性及び/又は3官能性の化学種を介して前記複数のポリマーの反応基を反応結合させた請求項1〜3のいずれか1項に記載の制振性樹脂組成物。
  5. 前記化学種がカップリング剤及び/又は架橋剤である請求項4記載の樹脂組成物。
  6. 前記カップリング剤が、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、又はオキサゾリン化合物である請求項1〜5のいずれか1項に記載の制振性樹脂組成物。
  7. 前記ブロック体は、前記反応基を介して連結されたポリマー生成物を前駆体とし、該前駆体分子内の残存反応基同士または残存反応基同士を化学種を介して結合させ、直鎖連結構造、長鎖分岐構造、化学架橋構造、またはそれらを組み合わせた構造である請求項1〜6いずれかの1項に記載の樹脂組成物。
  8. 前記反応基または残存反応基が、カルボキシル基、その酸無水物基、グリシジル基、アミノ基、アミド基、及び水酸基からなる群より選ばれた基である請求項1〜7のいずれか1項に記載の制振樹脂組成物。
  9. 各々異なる温度に損失正接(tanδ)ピークを有しかつ反応基を持つ複数のポリマーを混合し、前記反応基を反応させ前記複数のポリマーを連結したブロック体を得る制振樹脂組成物の製造方法。
  10. さらに2官能性及び/又は3官能性の化学種を添加して、混合し、該化学種を介して前記複数のポリマーの反応基を反応結合させる請求項9に記載の制振性樹脂組成物の製造方法。
  11. 前記化学種がカップリング剤及び/又は架橋剤である請求項10記載の樹脂組成物の製造方法。
  12. 前記複数のポリマーの混合物、またはこれを一部反応させ連結させたブロック体あるいはそれらの混合物を、加熱押出しして前記反応基を反応させる請求項9〜11のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法。
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