JP2001219491A - 繊維強化複合材料 - Google Patents

繊維強化複合材料

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JP2001219491A
JP2001219491A JP2000032857A JP2000032857A JP2001219491A JP 2001219491 A JP2001219491 A JP 2001219491A JP 2000032857 A JP2000032857 A JP 2000032857A JP 2000032857 A JP2000032857 A JP 2000032857A JP 2001219491 A JP2001219491 A JP 2001219491A
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hydroxyl group
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fibers
composite material
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Tadashi Kiyohara
紀 清原
Takayuki Nakanishi
隆之 中西
Hitohide Sugiyama
仁英 杉山
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Tomoegawa Co Ltd
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Tomoegawa Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維などの
強化繊維で強化された熱硬化性樹脂からなる複合材料で
あって、共振破壊を防止するための制振性を有し、耐熱
性の優れたプリプレグを提供する。 【解決手段】 強化繊維で強化した熱硬化性樹脂からな
る複合材料において、強化繊維と熱硬化性樹脂とからな
るプリプレグ層を積層させた積層体中に、少なくともフ
ェノール性水酸基を含有芳香属ジカルボン酸成分と、芳
香属ジアミン成分とを重縮合させて得られる両末端にカ
ルボキシル基またはアミノ基を有するフェノール性水酸
基含有芳香属ポリアミドと、分子量800〜500の範
囲で両末端にカルボキシル基又はアミノ基を有するポリ
ブタジエン、ポリブタジエン−ポリブタジエンアクリル
ニトリル共重合体、水添型ポリブタジエン又はポリシロ
キサンから選ばれる化合物との重縮合で得られるフェノ
ール性水酸基含有芳香属ポリアミドブロック共重合体を
含有する層を一層以上含ませ、加熱、硬化してなる繊維
強化複合材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は層間接着、制振性、
貫通衝撃性、耐熱性等が優れた繊維強化複合材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維な
どの強化繊維を配合して強化した熱硬化性樹脂複合材料
または熱可塑性樹脂複合材料は、比較的軽量で剛性及び
強度が優れており、スポーツ用品、自動車用部品、船舶
用品、航空機用品等として広く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな用途の繊維複合樹脂材料に於ても、更に強度を高
め、振動減衰性を高めた材料の開発が要求されている。
すなわち、テニスラケットやゴルフ用シャフト等のスポ
ーツ用品に於ては、打球時の感触の点から制振性の改善
が要求されており、またロケットや航空機に於ては、こ
こに用いられている電子機器や構造材の共振破壊を抑え
るための制振性が求められている。この制振性の向上の
ための従来の繊維強化複合材料としては、前記強化繊維
と熱硬化性樹脂とからなるプリプレグ層の層の間にエチ
レン・不飽和カルボン酸・不飽和エステル共重合体、そ
のアイオノマー、ポリオレフィン、アクリル系樹脂等の
可撓性が高い樹脂層を挿入したものが知られているが、
いずれも耐熱性が不充分で、使用範囲も限定されている
という問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、これらの問題
に鑑み、高強度で制振性の優れ、耐熱性の高い上記繊維
強化複合材料を得るべく鋭意検討した結果なされたもの
で、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維などの強化繊
維で強化した熱硬化性樹脂からなる複合材料に、特別の
ブロック共重合体を主成分とする材料を含有させること
により、高強度で制振性を著しく改善出来るばかりでな
く、耐熱性に優れることを見出し、本発明を生み出し
た。
【0005】すなわち、本発明は、ガラス繊維、アラミ
ド繊維、炭素繊維などの強化繊維で強化した熱硬化性樹
脂からなる複合材料において、強化繊維と熱硬化性樹脂
とからなるプリプレグ層を複数積層させた積層体の中
に、少なくともフェノール性水酸基含有芳香族ジカルボ
ン酸を含有する芳香族ジカルボン酸成分と、芳香族ジア
ミン成分とを重縮合させて得られる両末端にカルボキシ
ル基又はアミノ基を有するフェノール性水酸基含有芳香
族ポリアミドと、分子量800から5000の範囲で両
末端にカルボキシル基又はアミノ基を有するポリブタジ
エン、ポリブタジエン−アクリロニトリル共重合体、水
添型ポリブタジエン又はポリシロキサンから選ばれる化
合物との重縮合で得られるフェノール性水酸基含有芳香
族ポリアミドブロック共重合体を主成分とする材料を含
有する層を一層以上含ませることにより、その高強度で
制振性を著しく改善出来ることを見出した。すなわち、
強化繊維と熱硬化性樹脂とからなるプリプレグ層を複数
積層した積層体の中に、エポキシ樹脂と反応性を有し、
かつ剛直な分子構造を有する芳香族ポリアミドと柔軟な
分子構造を有するエラストマー成分とから成る前記フェ
ノール性水酸基含有芳香族ポリアミドブロック共重合体
の層を積層させて、加熱、硬化することにより高強度で
制振性と耐熱性が優れた繊維強化複合材料が得られる。
前記フェノール性水酸基含有ブロック共重合体を使用す
ることにより繊維強化樹脂の制振性が向上する原因は定
かでないが、該ブロック共重合体は、一般に動的粘弾性
のε′が10dyne/cm程度と低く、tanδも
5×10−2と高く、且つガラス転移温度が約200℃
と高い物性を有し、更にこのプリプレグと反応性を有す
る芳香族ポリアミド成分が海となりその中にエラストマ
ー成分が島となる、いわゆる「海・島構造」を取ってい
るので、この芳香族ポリアミドの主鎖に担持されている
フェノール性水酸基の優れた反応性による接着性、芳香
族ポリアミドの剛直成分による高い耐熱性、更に微細に
分散した液状成分がもたらす可撓性によるプリプレグと
の密着性と応力緩和性により、優れた耐熱性及び制振性
が得られるものと考えられる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に於いて使用されるプリプ
レグを構成する強化繊維としては、ガラス繊維、炭素繊
維、アルミナ繊維、ボロン繊維、炭化珪素繊維、チタン
酸カリ繊維、ステンレス繊維、銅繊維等の無機繊維、及
びアラミド繊維、ポリベンゾオキサゾール繊維、超高分
子量ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド
繊維、ポリビニルアルコール繊維等の有機繊維が好まし
く使用される。
【0007】本発明で使用するプリプレグを構成する熱
硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂及び
これらを主成分とした樹脂を使用することが出来る。本
発明に於いては、前記したフェノール性水酸基含有ブロ
ック共重合体との反応性のよいエポキシ樹脂及びそれを
主成分とした樹脂が好ましい。
【0008】本発明で使用するプリプレグを構成する強
化繊維と熱硬化性樹脂の重量比率は、何ら制限はなく、
目的に応じて変更することが出来るが、一般に10/9
0〜90/10の範囲で、更に好ましくは30/70〜
70/30程度である。また、このプリプレグの厚さ
も、本発明では何ら制限はないが、10μm〜1mm程
度で本発明を実施することが出来る。
【0009】本発明で使用するフェノール性水酸基含有
芳香族ポリアミドブロック共重合体は、特公平7−55
983に記載した方法に基づいて製造することが出来
る。すなわち、フェノール性水酸基を有する芳香族ジカ
ルボン酸を含有した芳香族ジカルボン酸成分と過剰の芳
香族ジアミン成分とを亜リン酸エステルとピリジンで代
表される縮合剤の存在下、N−メチル−2−ピロリドン
に代表される有機溶媒中で加熱攪拌して、両末端にアミ
ノ基またはカルボキシル基を有するフェノール性水酸基
含有芳香族ポリアミドを製造後、更に両末端にカルボキ
シル基またはアミノ基を有するポリブタジエン、ポリブ
タジエン−アクリロニトリル共重合体、水添型ポリブタ
ジエン又はポリシロキサン成分を加えて、更に重縮合さ
せることにより、本発明で使用するフェノール性水酸基
含有芳香族ポリアミドブロック共重合体を製造すること
が出来る。
【0010】本発明で使用するフェノール性水酸基含有
芳香族ポリアミドブロック共重合体を製造するために使
用するフェノール性水酸基含有芳香族ジカルボン酸とし
ては、5−ヒドロキシイソフタル酸、4−ヒドロキシイ
ソフタル酸、2−ヒドロキシフタル酸、3−ヒドロキシ
フタル酸、2−ヒドロキシテレフタル酸等が挙げられ、
更にフェノール性水酸基を含有しないジカルボン酸成分
として、イソフタル酸、テレフタル酸、4,4′−ビフ
ェニルジカルボン酸、3,3′−メチレン二安息香酸、
4,4′−メチレン二安息香酸、4,4′−オキシ二安
息香酸、3,4′−オキシ二安息香酸、4,4′−チオ
二安息香酸、3,3′−カルボニル二安息香酸、4,
4′−カルボニル二安息香酸、1,4−ナフタレンジカ
ルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸、エチレンジアミンビスフタル
イミド−4,4′−ジカルボン酸、3,3′−ビス(4
−カルボキシルフェニル)プロパン、3,3′−ビス
(4−カルボキシルフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、ビス(4−カルボキシフェニル)メタン、3,3′
−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロ
パン等のカルボン酸およびその誘導体を例示することが
出来るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0011】更に、本発明で使用するフェノール性水酸
基含有芳香族ポリアミドブロック共重合体を製造するた
めに使用するジアミン成分として、例えば、p−フェニ
レンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ル、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフェニ
ルエーテル、3,3′−ジアミノジフェニルエーテル、
3,3′−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4′−
ジアミノジフェニルスルフィド、メタトリレンジアミ
ン、3,3′−ジアミノジフェニルエーテル、3,4′
−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジ
フェニルチオエーテル、3,3′−ジメチル−4,4′
−ジアミノジフェニルチオエーテル、3,3′−ジエト
キシ−4,4′−ジアミノジフェニルチオエーテル、
3,3′−ジアミノジフェニルチオエーテル、4,4′
−ジアミノベンゾフェノン、3,3′−ジメチル−4,
4′−ジアミノベンゾフェノン、3,3′−ジアミノジ
フェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルメタ
ン、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノジフェ
ニルメタン、2,2′−ビス(3−アミノフェニル)プ
ロパン、2,2′−ビス(4−アミノフェニル)プロパ
ン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホキシド、ベン
ジジン、3,3′−ジメチルベンジジン、3,3′−ジ
メトキシベンジジン、3,3′−ジアミノビフェニル、
p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、
3,3′ジヒドロキシ−4,4′−ジアミノビフェニ
ル、3,3′−ビス(4−ヒドロキシ−3−アミノフェ
ニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−アミノ−
3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス(4−アミノ
−3−エチルフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−
3,5−ジエチルフェニル)メタン、ビス(4−アミノ
−3−プロピルフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−
3,5−ジプロピルフェニル)メタン、ビス(4−アミ
ノ−3−イソプロピルフェニル)メタン、ビス(4−ア
ミノ−3,5−ジイソプロピルフェニル)メタン等があ
り、これらを単独または混合して使用することが出来
る。
【0012】更に、本発明で使用するフェノール性水酸
基含有芳香族ポリアミドブロック共重合体を製造するた
めに使用するエラストマーとして、分子量1000から
5000の範囲の両末端にカルボキシル基またはアミノ
基を有するポリブタジエン、ポリブタジエン−アクリロ
ニトリル共重合体、水添型ポリブタジエン、ポリシロキ
サンが好ましく使用出来る。こらら全てが市販されてお
り、新たに製造することなく使用することが出来る。例
えば、ポリブタジエン及びポリブタジエンアクリロニト
リル共重合体は、 BF Goodrich社の商品名CTB、TB
N及びATBN、水添型ポリブタジエンは日本曹達社の
商品名CI−1000、ポリシロキサンは信越シリコン
社の商品名X−22−102A、X−22−162C、
X−22−3701E、X−22−3710、X−22
−3715、東芝シリコン社の商品名TSF4770、
TSF4771、TSF4702、TSF4703及び
TSF4706が好ましく使用出来るが、本発明ではこ
れらに限定されるものではない。また、このエラストマ
成分に対するフェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド
成分との比率は、75重量%以下でないと芳香族ポリア
ミド成分含有量が低すぎ、十分な耐熱性が得られないの
で好ましくないばかりでなく、エラストマー成分がいわ
ゆる「海・島構造」の島となるべきところを海となり本
目的の特性を出すことが出来ない。
【0013】本発明では、前記したフェノール性水酸基
含有芳香族ポリアミドブロック共重合体に必要に応じ
て、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、ジアリルフタレート樹脂に代表される熱硬化性
樹脂、更に、脂肪族ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系
樹脂、ポリブタジエンアクリロニトリル系樹脂とポリブ
タジエン系樹脂及びこれらの水添型樹脂、ポリシロキサ
ン系樹脂等の熱可塑性樹脂またはエラストマー、更には
顔料、無機・有機粒子等を加えて層として形成し、該層
を前記した構成から成るプリプレグ層と前記したフェノ
ール性水酸基含有芳香族ポリアミドブロック共重合体を
含有した層との積層間に挿入して使用することが出来
る。
【0014】本発明の繊維強化複合材料は、前記した構
成から成るプリプレグ層と前記したフェノール性水酸基
含有芳香族ポリアミドブロック共重合体を含有した層と
を積層して作成するが、その積層の仕方として、該プリ
プレグ層の複数の積層体の間に該ブロック共重合体を含
有した層を挟んで使用してもよい。また、該プリプレグ
層と該ブロック共重合体を含有した層とを交互に積層し
てもよい。これらは、使用目的に応じて選択することが
出来るが、後者の場合は、前者の場合より該ブロック共
重合体を含有した層を多く含むので、優れた制振性を有
する繊維強化複合材料が得られる。また、これら層の重
ね合わせ数にも何ら制限はなく、一般に2〜200回程
度で0.5〜50mm程度の厚みの複合材料とすること
が出来る。
【0015】更に、本発明で使用する前記した構成から
成るプリプレグ層と前記したフェノール性水酸基含有芳
香族ポリアミドブロック共重合体の厚みは何ら制限はな
いが、一般に5〜200μm程度、好ましくは10〜5
0μm程度で使用される。更に、このようにして積層し
た積層体は、加熱、硬化により、目的の強度と制振性に
優れた繊維強化複合体を形成することが出来る。その加
熱温度は、プリプレグ層に使用した熱硬化性樹脂にも依
存するが、一般に加圧下、100〜250℃の範囲で行
われる。
【0016】更に、本発明で使用する前記した構成から
成るプリプレグ層と前記したフェノール性水酸基含有芳
香族ポリアミドブロック共重合体を含有する層との接着
性を向上させるために、プリプレグ層中のエポキシ基と
該ポリアミドブロック共重合体中のフェノール性水酸基
との反応促進剤をこの該ポリアミドブロック共重合体を
含有する層に含有させてもよい。この反応促進剤とし
て、燐系、例えば、トリフェニルホスフィン、三級アミ
ン系、例えば、トリメタノールアミン、トリエタノール
アミン、テトラメタノールアミン、1,8ジアザービシ
クロ〔5,4,0〕−7−ウンデセン、N,N−ジメチ
ルベンジルアミン、1,1,3,3−テトラメチルグア
ニジン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、N−メ
チルピペラジン等、ホウ素系、例えば、8−ジアザ−ビ
シクロ〔5,4,0〕−7−ウンデセンテトラフェニル
ボレート、イミダゾール、2−フェニルイミダゾール、
2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチ
ルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−
イソプロピルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾ
ール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−メ
チルイミダゾリン、2−エチルイミダゾリン、2−イソ
プロピルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、2
−ウンデシルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾ
リン、2−フェニル−4−イミダゾリン等、またはこれ
をマスクした化合物が挙げられる。これらの反応促進剤
は二種類以上を併用しても良く、配合量は該ポリアミド
ブロック共重合体に対して、0.01〜10重量%が好
ましい。
【0017】
【実施例】<フェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド
ブロック共重合体とその塗膜層の作製>本発明のフェノ
ール性水酸基含有芳香族ポリアミドブロック共重合体を
特公平7−55983に記載してある方法に従い製造
し、その組成を表1に記した。この芳香族ポリアミドの
製造に使用したジカルボン酸成分は5−ヒドロキシイソ
フタル酸とイソフタル酸、ジアミン成分は3,4−オキ
シビフェニル(ODA)とビス(4−アミノ−3,5−
ジエチルフェニル)メタン(C−300)である。エラ
ストマー成分として、Goodrich社のポリブタジエン−ア
クリロニトリル共重合体;商品名:Hycar 1300×8
(CTBN)、ポリブタジエン;商品名:Hycar 200
0×162(CTB)、日本曹達社の水添型ポリブタジ
エン;商品名:CI−1000、東芝シリコン社のポリ
シロキサン;商品名:TSF4770を使用して目的の
化合物を得た。これらフェノール性水酸基含有芳香族ポ
リアミドブロック共重合体を本発明で使用する層形成用
材料とした。
【0018】
【表1】
【0019】また、前記したフェノール性水酸基含有芳
香族ポリアミドブロック共重合体と反応促進剤であるト
リフェニルホスフィンを該ブロック共重合体に対して1
重量%をジメチルホルムアミドとメチルエチルケトンの
混合溶媒に溶解した後、塗布、乾燥して、約30μmの
試料番号1〜6の塗膜層を形成した。
【0020】実施例1〜6 本発明の繊維強化複合材料を構成するプリプレグ層とし
て、東レ社製の商品名「T 1700」(エポキシベー
ス炭素繊維含有量:65体積%、130℃硬化型)を準
備した。このプリプレグ層を4枚重ね合わせ、その2枚
目と3枚目の間に表1の試料1〜6塗膜層を挟み、得ら
れた積層体を140℃、1MPaで10分間加熱、硬化
して本発明の繊維強化複合材料を作成した。
【0021】比較例 実施例で使用したプリプレグ層を4枚重ね合わせ、ブロ
ック共重合体の塗膜層を挟むことなく、得られた積層体
を140℃、1MPaで10分間加熱、硬化して比較用
の繊維強化複合材料を作成した。
【0022】上記実施例1〜6および比較例にて得られ
た繊維強化複合材料の制振性を評価するために中央加振
式機械インピーダンス法(CF−6400,4chイン
テリジェント FFTアナライザー)に基づき400H
zの振動周波数にて、半値幅法による減衰比を測定し
た。その結果を表2に示した。表2から明らかなとお
り、本発明による繊維強化複合材料は常温から80℃の
高温に至るまで0.01以上の減衰比が得られ、比較例
に比べて優れた制振性を有することが確認された。
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の効果】本発明によれば前記の評価結果が示すよ
うに、フェノール性水酸基含有芳香族ポリアミドブロッ
ク共重合体から成る層を強化繊維プリプレグ層の間に挟
むことにより、著しく制振性が向上するばかりでなく、
高温まで制振性効果が維持され、耐熱性と制振性に優れ
た強化繊維積層体を得ることが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉山 仁英 静岡県静岡市用宗巴町3番1号 株式会社 巴川製紙所技術研究所内 Fターム(参考) 4F072 AA02 AA07 AB10 AD23 AG03 AG17 AG20 AJ04 AK14 AL04 AL16 4F100 AK01A AK01C AK27B AK29B AK47B AL02B AL02K BA03 BA10A BA10C BA13 DG01A DG01C DH01A DH01C DH02 GB31 GB32 GB87 JA06B JB16A JB16C JH02 JJ03 JK06 JK10 YY00B 4J031 AA23 AA29 AA55 AA59 AB01 AC07 AD01 AF05 AF10 AF19

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強化繊維と熱硬化性樹脂とからなるプリ
    プレグ層を複数積層した積層体の中に、少なくともフェ
    ノール性水酸基含有芳香族ジカルボン酸を含有する芳香
    族ジカルボン酸成分と、芳香族ジアミン成分とを重縮合
    させて得られる両末端にカルボキシル基又はアミノ基を
    有するフェノール性水酸基含有芳香族ポリアミドと、分
    子量800から5000の範囲で両末端にカルボキシル
    基又はアミノ基を有するポリブタジエン、ポリブタジエ
    ン−アクリロニトリル共重合体、水添型ポリブタジエン
    又はポリシロキサンから選ばれる化合物との重縮合で得
    られるフェノール性水酸基含有芳香族ポリアミドブロッ
    ク共重合体を含有する層を一層以上含ませ、加熱、硬化
    してなる繊維強化複合材料。
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