JPH11125299A - 筒型液封防振装置及びその製法 - Google Patents

筒型液封防振装置及びその製法

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JPH11125299A
JPH11125299A JP28727197A JP28727197A JPH11125299A JP H11125299 A JPH11125299 A JP H11125299A JP 28727197 A JP28727197 A JP 28727197A JP 28727197 A JP28727197 A JP 28727197A JP H11125299 A JPH11125299 A JP H11125299A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本体部のアルミ製取付ブラケットに対する取
付を容易にする。 【解決手段】 筒型エンジンマウントを、アルミ合金製
取付ブラケット1と、取付ブラケット1に設けられた筒
状部2の保持穴3内に嵌合されて筒状部2の軸方向両端
部に設けられた抜け止め部4により抜け止めされて固定
された本体部5とで構成する。本体部5は鉄製の外筒6
及びその内側に配置された内筒7、これらの間を連結す
るゴム製の弾性部材8で構成し、内部に主液室10と副
液室11を設け、オリフィス通路12を介して連通す
る。抜け止め部4は筒状部2の軸方向両端面2aから軸
方向外方へ突出する厚肉部21と、この厚肉部21部か
ら一体に径方向内方へ突出する径方向突部22で構成さ
れ、本体部5を保持穴3内へ圧入後、厚肉部21を軸方
向からプレス成形して径方向突部22を一体に形成する
ことにより外筒6の軸方向端面を押さえて抜け止めす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車のエンジ
ンマウント等に使用される筒型液封防振装置及びその製
法に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平9−68254号には、外筒及び
内筒を径方向に隔てて嵌合配置し、これら内外筒間を弾
性部材で連結するとともに、オリフィス通路を介して連
通する主液室と副液室内部に設けた本体部を形成し、こ
の本体部をアルミ合金製の取付ブラケットに設けられた
筒状部に嵌合し、その後、取付ブラケットを縮径して本
体部と取付ブラケットを一体化する筒型液封防振装置の
製法が示されている。
【0003】また、このようなアルミ合金製でない鉄製
の取付ブラケットを使用する一般的なものでは、本体部
をまずカシメ用の鉄製筒部材である中間スリーブへ圧入
して、この中間スリーブの軸方向両端をカシメて本体部
と一体化し、その後、この一体化した中間組立体を取付
ブラケットの保持穴へ圧入していた。
【0004】なお、本願発明においては、軸方向の語
を、筒状部又はここに形成された筒状の空間である保持
穴の中心軸線方向と平行な方向をいうものとし、径方向
とはこれと直交する方向であって、筒状部又は保持穴の
半径方向と平行な方向を意味するものとする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記中間スリーブを用
いる形式の場合は、圧入工程が2段階になるため製造に
手間がかかるととともに、中間スリーブの存在自体も部
品点数並びに重量の増加を招くことになる。一方、前記
特開平9−68254号によれば、これらのいずれをも
解決可能であるが、取付ブラケットを縮径させるには大
がかりで複雑かつ高価な装置が必要になるから製造上有
利でない。そのうえ、筒状部の外周部から径方向へ一体
に取付用脚部が突出している形式の取付ブラケットで
は、取付用脚部が邪魔になって筒状部を縮径できない部
分が生じるから、成形できる取付ブラケットの形状が極
めて限定されたものになってしまい、設計の自由度が減
少する。そこで本願は係る問題の解決を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願の筒型液封防振装置に係る第1の発明は、外筒
及び内筒を径方向に隔てて内外に配置し、これら内外筒
間を弾性部材で連結するとともに、オリフィス通路を介
して連通する主液室と副液室を内部に設けた本体部と、
この本体部を保持するための取付ブラケットを備えると
ともに、この取付ブラケットは本体部が嵌合される保持
穴が形成された筒状部と取付用脚部を有する取付ブラケ
ットを備えた筒型液封防振装置において、少なくとも前
記取付ブラケットの筒状部をアルミ合金製とし、この筒
状部の保持穴を囲む端面に前記本体部の抜け止め部を形
成したことを特徴とする。
【0007】第2の発明は、前記第1の発明において、
前記抜け止め部は、保持穴を囲んで環状に形成されてい
ることを特徴とする請求項1に記載した筒型液封防振装
置。
【0008】第3の発明は、前記第1の発明において、
前記抜け止め部は、前記筒状部端面の周方向へ間隔を持
って複数形成されていることを特徴とする請求項1に記
載した筒型液封防振装置。
【0009】第4の発明は、前記第1の発明に係る筒型
液封防振装置を製造するための方法であって、前記取付
ブラケットに設けられた筒状部の保持穴内へ前記本体部
を嵌合し、保持穴を囲む筒状部の端面に対してその体積
を保持穴の延長内へ移動させる変形加工をすることによ
り、前記本体部の抜け止め部を形成したことを特徴とす
る。
【0010】第5の発明は、前記第4の発明において、
前記抜け止め部は、筒状部の端面から軸方向へ突出する
厚肉部を形成する工程と、この厚肉部に保持穴の径方向
内方へ向う径方向突部を形成する工程とによって形成さ
れることを特徴とする。
【0011】第6の発明は、前記第4の発明において、
前記抜け止め部は、筒状部の端面を軸方向から変形加工
して、端面近傍の外周側又は内周側の一部体積を保持穴
の延長内へ移動させることにより1工程で形成されるこ
とを特徴とする。
【0012】第7の発明は、前記第4の発明において、
断面形状が、保持穴の中心軸線と直交方向における取付
ブラケットの断面と略同一である長尺の中間成形品をア
ルミ合金を用いて押し出し成形し、これを筒状部の幅と
同じ間隔で切断して取付ブラケットを形成したことを特
徴とする。
【0013】
【発明の効果】第1発明によれば、筒状部の端面に抜け
止め部を設けたので、筒状部の軸方向両端における抜け
止め部だけで本体部を筒状部内へ固定でき、組立作業が
極めて簡単になる。
【0014】また、筒状部をアルミ合金製としたので、
抜け止め部を形成するための加工も容易になるととも
に、従来の中間スリーブを省略でき、部品点数並びに圧
入回数をそれぞれ削減できかつ全体の軽量化が可能にな
る。
【0015】第2の発明によれば、抜け止め部を環状に
したので、抜け止め部を軸方向から加工でき、かつ本体
部の軸方向端部全周を固定でき、固定が確実になるとと
もに封入液のシールも確実になる。
【0016】第3の発明によれば、抜け止め部を周方向
へ間隔を持って不連続に形成したので、筒状部の径方向
から抜け止め部を加工できる。
【0017】第4の発明によれば、筒状部がアルミ合金
製であるため、保持穴を囲む筒状部の端面に対して一部
の体積を保持穴の延長内へ移動させる変形加工を比較的
容易に施すことができる。したがって従来のような筒状
部全体に対する絞り加工を不要とし、大がかりで高価な
装置を必要とせず、組立作業が極めて簡単になる。しか
も取付ブラケットの取付用脚部形状にあまり影響される
ことなく本体部を固定できるので、設計の自由度が大き
くなる。
【0018】第5の発明によれば、アルミ合金からなる
筒状部の端面に対して抜け止め部を厚肉部の形成と径方
向突部の形成からなる2行程で形成するので、厚肉部を
取付ブラケットの成形時に形成し、径方向突部を本体部
圧入後に形成するよう形成時期を分離できる。しかも、
厚肉部及び径方向突部は鍛造やプレス成形等により比較
的小さな力で容易に加工できる。
【0019】ここで、本願発明における鍛造とはインゴ
ットに対して例えば冷間又は熱間押し出し等の方法で所
定形状に成形することをいい、プレス成形とは所定形状
にされた成形品(中間製品を含む)に対してその一部又
は前部を成形型で加圧することにより折り曲げ、絞り、
切断及び穿孔等、肉厚変化を含む種々の変形を生じさせ
る成形方法を意味するものとする。
【0020】第6の発明によれば、アルミ合金からなる
筒状部の端面に対して軸方向から加工することにより端
面近傍の内周側又は外周側の一部体積を保持穴の延長内
へ移動させて抜け止め部を形成する。このため、1行程
で抜け止め部を形成できるから成形が容易になる。
【0021】第7の発明によれば、保持穴の中心軸線と
直交方向における取付ブラケットの断面と略同一断面を
なす長尺の中間成形品をアルミ合金を用いて押し出し成
形し、これを筒状部の幅と略同じ間隔で切断して取付ブ
ラケットを形成するので、比較的簡単な装置並びに成形
方法で取付ブラケットを効率的に成形できる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1乃至7に基づいて本願発明が
適用されたエンジンマウントを説明する。図1は本実施
例に係る筒型エンジンマウントの図2における図2の1
−1線に沿う断面図、図2はその側面図、図3はその正
面図、図4は図3の4−4線に沿う断面図、図5は中間
部材の製法を示す図、図6は厚肉部の成形方法を説明す
る図、図7は径方向突部の成形方法を説明する図であ
る。
【0023】まず、図1〜図4において、この筒型エン
ジンマウントは、アルミ合金製取付ブラケット1と、取
付ブラケット1に設けられた筒状部2の保持穴3内に嵌
合されて筒状部2の軸方向両端部に設けられた抜け止め
部4により抜け止めされて固定された本体部5とで構成
されている。
【0024】本体部5は鉄製の外筒6及びその内側に偏
心して配置された内筒7、これらの間を連結するゴム製
の弾性部材8で構成される。弾性部材8には内筒7を挟
んで主液室10と副液室11がポケット状に設けられ、
これら各室の内部には水等の適宜非圧縮性液体が封入さ
れるとともに互いにオリフィス通路12を介して連通し
ている。
【0025】副液室11と内筒7に挟まれた弾性部材8
には軸方向の貫通穴13が形成され、これにより弾性部
材8のうち副液室11及び弾性部材8の各壁部をなす部
分は変形容易な可撓性膜であるダイアフラム14を構成
している。ダイアフラム14の一部は副液室11内へ突
出してストッパをなす肉厚部15をなしている。
【0026】弾性部材8のうち内筒7の軸方向両端部は
軸直交方向に広がって外筒6と内筒7間を連結する側壁
部16をなし、主液室10及び副液室11を構成する壁
部の一部をなしている。主液室10内には嵌合により取
付けられる別体のストッパ17が設けられている。
【0027】外筒6は内筒7の軸方向両端側に分離した
左右一対のリング状部材であり、左右の外筒6の間に主
液室10及び副液室11をなす弾性部材8のポケット部
が位置している。これらのポケット部を覆って左右の外
筒6の間にカバー18、19が取付けられ、軸方向にお
ける左右の外筒6の位置決めになっている。
【0028】カバー18は比較的剛性のある樹脂製の部
材であって、中央部はポケット部内へ突出するととも
に、周囲にゴム等の適宜弾性部材が一体化されてストッ
パ17になっている。カバー19の中央部は穴が開いて
おり、ここに肉厚部15の突出端側が入り込んでいる。
【0029】左右の外筒6に近いカバー18、19の各
縁部は、シール部20を介して外筒6の外周側へ重なっ
ている。シール部20は外筒6の一部を小径にすること
により形成された段差部上弾性部材8と一体に形成され
ている。
【0030】左右の外筒6とカバー18、19を一体化
した本体部5の外周部における軸方向長さは筒状部2の
軸方向両端面における一般部(抜け止め部4が形成され
ていない部分)間の長さとほぼ同じである。
【0031】抜け止め部4は筒状部2の軸方向両端面に
おいて、保持穴3を囲んで周方向に連続して環状に形成
され、軸方向外方へ突出すする厚肉部21と、この厚肉
部21部から一体に保持穴3の径方向内方へ突出する径
方向突部22とで構成されている。
【0032】径方向突部22が保持穴3の径方向内方へ
突出することにより、外筒6の軸方向両端部が軸方向移
動不能に固定され、本体部5が取付ブラケット1の筒状
部2に対して抜け止めされている。取付ブラケット1は
筒状部2を挟んで両側に取付用脚部23が一体に延出形
成され、それぞれに取付穴24が設けられ、この取付穴
24を介して、例えば車体フレーム側へボルト止めされ
る。取付用脚部23の幅W1は筒状部2の軸方向幅Wと
同一になっている。
【0033】次に、この筒型エンジンマウントの製法を
作用とともに説明する。図5は取付ブラケット1の成形
方法を示す。この図に明らかなように、まずアルミ合金
を用いて保持穴3の軸直交方向における取付ブラケット
1の断面(図4参照)と同一断面をなす中間成形品25
が押し出し成形される。
【0034】この中間成形品25は、取付ブラケット1
の軸方向幅Wに対して少なくとも2倍以上の長さをなす
ように長尺に形成され、その後、軸方向幅Wよりも若干
大きめの幅にカットされて一次ブラケット26が形成さ
れる。
【0035】この一次ブラケット26は、抜け止め部4
と取付穴24が形成されていない点で完成品の取付ブラ
ケット1と相違するが、筒状部2及び保持穴3並びに取
付用脚部23は既に一体に形成されている。このため、
一次ブラケット26を比較的簡単な装置並びに成形方法
で量産効率よく製造できる。
【0036】抜け止め部4と取付穴24は、前記カット
後の一次ブラケット26に対して加工することにより形
成される。抜け止め部4はプレス成形により筒状部2の
軸方向両端面に厚肉部21を一体に形成することにより
行われ、さらに取付穴24は別工程の機械加工やピアス
成形で形成される。
【0037】図6はプレス成形による厚肉部21の形成
工程A〜Cを示す図であり、各工程毎に成形部及びその
ポンチ型を断面で示し、さらに工程A,Cでは右側に筒
状部2の端面形状を併記してある。
【0038】まず、A工程ではポンチ型30の成形部3
1で筒状部2の端面2aを軸方向からプレス成形する。
成形部31は筒状部2と同径の筒状をなし、その端面3
2の厚さも筒状部2の端面2aの厚さと同厚であり、さ
らに抜け止め部4が形成される位置に相当する場所に、
端面32から軸方向内方へ成形凹部33が環状に形成さ
れている。
【0039】B工程はプレス成形後の状態を示し、成形
部31によって筒状部2の端面2aがプレス成形され、
その一部が成形凹部33内へ突出して厚肉部21とな
る。厚肉部21は筒状部2の端面2a内周縁から外周側
へ環状に形成され、保持穴3の軸方向延長内へ突出しな
いようになっている。
【0040】このように、一次ブラケット26に対して
筒状部2の端面2aにプレス成形を施せば、筒状部2が
アルミ合金のため、端面2aの一部が容易に体積移動を
伴う変形を生じて厚肉部21を形成することができる。
【0041】その後C工程でポンチ型30を後退させれ
ば、筒状部2の端面2aに保持穴3を囲む環状の厚肉部
21が形成された取付ブラケット1を効率よく製造で
き、その量産性が高くなる。
【0042】このようにして得られ取付ブラケット1に
対して、予め公知方法により製造された本体部5を筒状
部2の保持穴3へ圧入する。通常この圧入工程は封入液
が充填されたタンク中で行われ、圧入と同時に各液室1
0、11内へ封入液が封入される。
【0043】このとき、取付ブラケット1は、アルミ合
金製の筒状部2の開口部端面2aの一部から保持穴3の
軸方向外方へ突出する厚肉部21が一体に設けられ、か
つこの厚肉部21は保持穴3内へ突出していないので、
この取付ブラケット1の保持穴3へ本体部5を嵌合する
場合は厚肉部21が邪魔することなく圧入可能となる。
【0044】その後、本体部5が取付ブラケット1へ圧
入一体化された中間組立体を仮組状態でタンクから取り
出す。このとき外筒6と筒状部2の内面との間はシール
部20により密閉されるので、封入液が漏出するおそれ
はなく、取り扱い性が向上する。
【0045】この中間組立体は、筒状部2の軸方向端面
における一般部とほぼ面一で外筒6の軸方向各端面が位
置し、厚肉部21が筒状部2の軸方向端面における一般
部からさらに軸方向外方へ突出しているので、この厚肉
部21を軸方向からプレス成形してその一部を保持穴3
の径方向内方へ突出させた径方向突部22とする。
【0046】図7はプレス成形による径方向突部22の
形成工程A〜Cを示す図であり、各工程毎に成形部及び
そのポンチ型を断面で示し、さらに工程A,Cでは右側
に筒状部2の端面形状を併記してある。
【0047】まず、A工程ではポンチ型40の成形部4
1で筒状部2の端面2aを軸方向からプレス成形する。
成形部41は筒状部2と同径の筒状をなし、その端面4
2の厚さは筒状部2の端面2aよりも厚く、内周側が外
筒6を越えて径方向内方へ延びる程度になっている。
【0048】さらに厚肉部21に対応する位置に、端面
42から軸方向内方へ成形凹部43が形成されている。
この成形凹部43は奥行きが浅いが、経方向内方へ向か
って延び、内周側が外筒6を越えている。
【0049】B工程はプレス成形後の状態を示し、成形
部41によってプレス成形された筒状部2の端面2a自
体は変形を受けないが、厚肉部21はその一部が変形さ
れて凹部43内へ体積移動して保持穴3の延長内へ突出
する径方向突部22となり、この径方向突部22により
外筒6の端面を押さえる。
【0050】このとき、筒状部2の端面2aには外筒6
の端面を押さえた径方向突部22及びこれと一体の厚肉
部21からなる抜け止め部4が連続して環状に形成され
る。また、厚肉部21から径方向突部22をプレス成形
により形成することは、厚肉部21がアルミ合金製であ
るから容易である。
【0051】その後C工程でポンチ型40を後退させれ
ば、本体部5が筒状部2の保持穴3内へ抜け止め固定さ
れて取付ブラケット1と一体化した筒型エンジンマウン
トが完成され、かつ抜け止め部4が環状に連続するので
封入液も確実にシールされる。
【0052】次に、このようにして得られた本実施例の
筒型エンジンマウントにおける作用を説明する。この筒
型エンジンマウントは、取付ブラケット1の筒状部2に
おける軸方向端面に形成された厚肉部21の一部を径方
向突部22として径方向内方へ張り出させる。
【0053】これにより本体部5を構成する外筒6の軸
方向端面を押さえるので、従来のように筒状部2を絞り
加工する必要がなく、その結果、大がかりで高価な装置
を不要にでき、製造が容易でかつ安価である。
【0054】また、抜け止め部4が取付ブラケット1と
一体のアルミ合金製であるから、これを比較的小さな力
で容易に一部の体積移動を伴う変形をさせることがで
き、この変形による抜け止め部で本体部を保持穴内へ抜
け止めして保持できる。したがって、本体部の筒状部内
における固定作業が極めて簡単になる。
【0055】そのうえ、取付ブラケット1全体がアルミ
合金製であり、かつ従来の中間スリーブを省略できるの
で、部品点数を削減できるとともに、全体の軽量化を図
ることができる。ただし、取付ブラケット1は少なくと
も筒状部2がアルミ合金製であればよく、このようにし
てもある程度の軽量化が実現される。
【0056】また、取付ブラケット1は、筒状部2と取
付用脚部23が一体に形成され、かつ筒状部2の軸方向
幅Wに対して取付用脚部23の幅W1がやや大きいが、
厚肉部21を環状に形成してこれを軸方向から冷間鍛造
することにより、取付用脚部23に邪魔されずに厚肉部
21の一部を保持穴3の径方向内方へ押し出して容易に
径方向突部22を形成することもできる。
【0057】図8は第2実施例に係る取付ブラケット1
の図3に相当する図であり、この取付ブラケット1は筒
状部2の軸方向幅Wよりも取付用脚部23の同方向幅W
2がかなり広くなっている。
【0058】この場合、径方向突部22の成形方向が軸
方向からに限定される反面、取付用脚部23の形状につ
いて自由度が大きくなるとともに、取付用脚部23を筒
状部2と同一のアルミ合金で一体に形成するばかりでな
く、組成の異なるアルミ合金や鉄等他の金属に変更して
異材の組合せを可能にすることにより、取付ブラケット
1に対する設計の自由度を高める利益がある。
【0059】図9及び図10は、第3実施例に係り、図
9は図2に相当し、図10は図3にそれぞれ相当してい
る。この例では、抜け止め部4が周方向へ間隔を持って
複数形成されている。抜け止め部4が厚肉部21と径方
向突部22で構成されること並びにこれらの形成方法は
ほぼ同一である。但し、本実施例では、筒状部2の軸方
向幅Wと取付用脚部23の幅W4が同程度もしくはそれ
以下に設定され、かつ径方向突部22の成形方向が保持
穴3の径方向である点で相違する。
【0060】このようにすると、筒状部2の軸方向幅W
に対して取付用脚部23の幅W4が同程度もしくはそれ
以下であるから、取付用脚部23の端縁に沿って軸直交
方向から厚肉部21を径方向内方へ折り曲げるようにプ
レスすれば、取付用脚部23に邪魔されずに各厚肉部2
1を保持穴3の径方向外方から内方へ押すプレス成形に
より容易に径方向突部22を形成できる。
【0061】したがって、前記軸方向からのプレス成形
ばかりでなく、径方向からのプレス成形も可能になるの
で、成形の自由度が高くなる。なお、厚肉部21を周方
向へ独立させて複数個形成すると、径方向からプレス成
形により径方向突部22を形成する作業が容易になる。
【0062】図11及び図12は、筒状部2の端面を1
回もプレス成形により抜け止め部を形成する別実施例を
示す部分断面であり、図11は筒状部2の端面近傍にお
ける外周部の体積を移動させるようにプレス成形する第
4実施例であり、図12は逆に内周側をプレス成形する
第5実施例である。
【0063】すなわち、図11では、本体部5が筒状部
2の保持穴3内へその端面2aよりも若干内側へ引っ込
んだ状態で嵌合され、この状態の端面2aを軸方向から
ポンチ型40でプレス成形するようになっている。
【0064】ポンチ型40は筒状部2の内周側で保持穴
3内へ嵌合する突部41と、これよりも若干突出高さが
低くかつ筒状部2の内周部2bを越えて中心側へ延びる
水平部42と、この外周部から連続して外周側程突出量
が多くなるように変化する傾斜部43を備えている。
【0065】このポンチ型40でAに示すように端面2
aを軸方向からプレス成形すると、主として外周部2c
側の体積が傾斜部43で成形されて、余肉が水平部42
内へ押し出されることにより、本来の内周部2bよりも
中心側へ突出し、Bに示すように、第1実施例の径方向
突部22に相当する部分のみで構成された抜け止め部4
が形成される。
【0066】このようにすると、図5の一次ブラケット
26に対して1工程で抜け止め部4を形成できるので、
成形が容易になるとともに、筒状部2においてあまり必
要のない端面外周部2c側の体積を利用できるので、筒
状部2の端面2aを軸方向へあまり突出させなくても済
み、それだけ軸方向幅を狭くして全体のコンパクト化に
貢献できる。
【0067】図12のポンチ型40は水平部42に続い
て外周側程突出量が少なくなるように変化する傾斜部4
5を備え、最外周側は最も突出量が少ない水平部46に
なっている。一方、筒状部2の端面2aは図11の場合
よりも本体部5の端部から軸方向長く突出している。
【0068】そこでAに示すように端面2aをポンチ型
40で軸方向からプレス成形すると、主として内周部2
b側の体積が水平部42と傾斜部45で成形されて、余
肉が水平部42内へ押し出されることにより、Bに示す
ように抜け止め部4が形成される。
【0069】このようにすると、前実施例同様に1工程
で抜け止め部4を形成できるとともに、端面2aに対し
て抜け止め部4に近い内周側を成形すればよいので、プ
レス成形に要する力が小さくて済み、成形がさらに容易
になる。
【0070】なお、本願発明は上記実施例に限定されず
種々に変形可能であり、例えば、本願発明の適用対象
は、エンジンマウントのみならずサスペンションマウン
トなど車体各部の防振装置が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例に係る図2の1−1線断面図
【図2】 その側面図
【図3】 その正面図
【図4】 図3の4−4線断面図
【図5】 中間部材の成形方法を示す斜視図
【図6】 厚肉部の成形方法を示す図
【図7】 径方向突部の成形方法を示す図
【図8】 第2実施例に係る図3に相当する図
【図9】 第3実施例に係る図2に相当する図
【図10】 第3実施例に係る図3に相当する図
【図11】 第4実施例に係る抜け止め部の成形方法を
示す図
【図12】 第5実施例に係る抜け止め部の成形方法を
示す図
【符号の説明】
1:取付ブラケット、2:筒状部、3:保持穴、4:抜
け止め部、5:本体部、6:外筒、7:内筒、8:弾性
部材、10:主液室、11:副液室、12:オリフィス
通路、20:シール部、21:厚肉部、22:径方向突

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外筒及び内筒を径方向に隔てて内外に配置
    し、これら内外筒間を弾性部材で連結するとともに、オ
    リフィス通路を介して連通する主液室と副液室を内部に
    設けた本体部と、この本体部を保持するための取付ブラ
    ケットを備えるとともに、この取付ブラケットは本体部
    が嵌合される保持穴が形成された筒状部と取付用脚部を
    有する取付ブラケットを備えた筒型液封防振装置におい
    て、少なくとも前記取付ブラケットの筒状部をアルミ合
    金製とし、この筒状部の保持穴を囲む端面に前記本体部
    の抜け止め部を形成したことを特徴とする筒型液封防振
    装置。
  2. 【請求項2】前記抜け止め部は、保持穴を囲んで環状に
    形成されていることを特徴とする請求項1に記載した筒
    型液封防振装置。
  3. 【請求項3】前記抜け止め部は、前記筒状部端面の周方
    向へ間隔を持って複数形成されていることを特徴とする
    請求項1に記載した筒型液封防振装置。
  4. 【請求項4】前記請求項1の筒型液封防振装置を製造す
    るための方法において、前記取付ブラケットに設けられ
    た筒状部の保持穴内へ前記本体部を嵌合し、保持穴を囲
    む筒状部の端面に対してその一部の体積を保持穴内へ移
    動させる変形加工をすることにより、前記本体部の抜け
    止め部を形成したことを特徴とする筒型液封防振装置の
    製法。
  5. 【請求項5】前記抜け止め部は、筒状部の端面から軸方
    向へ突出する厚肉部を形成する工程と、この厚肉部に保
    持穴の径方向内方へ向う径方向突部を形成する工程とに
    よって形成されることを特徴とする請求項4に記載した
    筒型液封防振装置の製法。
  6. 【請求項6】前記抜け止め部は、筒状部の端面を軸方向
    から変形加工して、端面近傍の外周側又は内周側の一部
    体積を保持穴内へ移動させることにより1工程で形成さ
    れることを特徴とする請求項4に記載した筒型液封防振
    装置の製法。
  7. 【請求項7】断面形状が、保持穴の中心軸線と直交方向
    における取付ブラケットの断面と略同一である長尺の中
    間成形品をアルミ合金を用いて押し出し成形し、これを
    筒状部の幅と同じ間隔で切断して取付ブラケットを形成
    したことを特徴とする請求項4に記載した筒型液封防振
    装置の製法。
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JP2009248616A (ja) * 2008-04-02 2009-10-29 Toyo Tire & Rubber Co Ltd トルクロッドの取り付け構造

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