JPH11230227A - 防振用ブラケット - Google Patents

防振用ブラケット

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JPH11230227A
JPH11230227A JP3770498A JP3770498A JPH11230227A JP H11230227 A JPH11230227 A JP H11230227A JP 3770498 A JP3770498 A JP 3770498A JP 3770498 A JP3770498 A JP 3770498A JP H11230227 A JPH11230227 A JP H11230227A
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projection
mounting member
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Application number
JP3770498A
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English (en)
Inventor
Shingo Nagamine
晋吾 永峰
Hitoshi Naito
均 内藤
Kuniko Nakagawa
久仁子 中川
Noriyuki Iwameji
範行 岩目地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Showa Aluminum Can Corp
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Showa Aluminum Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防振用ブラケットとして、容易に低コストで
製作でき、強度的に優れるものを提供する。 【解決手段】 防振材4を保持する筒状部20を備えたア
ルミニウム押出型材等からなる保持部材2と、アルミニ
ウム押出型材等からなる取付け部材3とに分割構成さ
れ、保持部材2と取付け部材3の一方に、圧入用の凸部
5とその根元に沿った浅い溝部6とが形成され、他方に
凸部5に対応する凹部7が形成され、凸部5が凹部7に
圧入されることにより、保持部材2と取付け部材3とが
一体化されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばエンジンを
車体に取り付けるためのエンジンマウント用ブラケッ
ト、デフマウント用ブラケット、モーターマウント用ブ
ラケット等に用いられる防振用ブラケットに関する。
【0002】なお、この明細書において、「アルミニウ
ム」の語はアルミニウム及びその合金のいずれをも包含
する意味で用いる。
【0003】
【従来の技術】この種の防振用ブラケットは、例えば図
7(イ)〜(ニ)に示すブラケット(11A)〜(11D)
のように、円筒状の防振材を保持するための円筒状の保
持部(51) と、車体等の基体側へ取り付けるための取付
け孔(52a)を設けた取付け部(52)とを有するもので
あり、旧来では鉄の鋳物製が主流であったが、近年にお
いては軽量化の観点よりアルミニウムのダイキャスト製
が増える傾向にある。しかるに、ダイキャスト製のブラ
ケットは、金型の製作コストが非常に高く上、強度的に
も問題を残していた。
【0004】このため、最近ではアルミニウム押出型材
による製作が検討されており、例えば図7におけるブラ
ケット(11A)(11B)のように全体が同幅のもので
は、押出型材のスライス切断によって容易に製作可能で
ある。ところが、ブラケット(11C)(11D)のように
基体側の取付け部位の形状等に対応して保持部(51)と
取付け部(52)とを異なる幅に設定するものでは、押出
型材を用いると不要部分が多くなり、材料の歩留りが低
下すると共に、不要部分を除去するための切削加工等に
多大な労力及び時間を費やして製作コストが高く付くこ
とになる。
【0005】そこで、近時、防振用ブラケットを前記保
持部(51) に対応する保持部材と、前記取付け部(52)
に対応する取付け部材とに分割構成し、両部材の各々を
アルミニウム押出型材のスライス切断によって製作し、
これら両部材を溶接やボルトナットの締結によって接合
一体化するようにしたものが提案されている(特開平8
−200443号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記提
案の防振用ブラケットでは、分割構成された保持部材と
取付け部材とを溶接にて接合一体化する場合、その溶接
作業に非常に手間がかかりコスト高になることに加え、
熱影響による強度低下や熱歪みによる寸法精度の低下が
懸念されるという問題があった。また、両部材をボルト
ナットの締結にて接合一体化する場合は、少なくとも一
方の部材に押出し後の加工によってボルト挿通孔を形成
し、このボルト挿通孔にボルトを挿通してナットを締め
付けて両部材を連結する作業が必要となり、この孔開け
加工及び連結作業に非常に手間がかかるため、やはりコ
スト高になる上、車体等の基体側への取付状態において
振動等によってナットが弛み、両部材間のがた付きを生
じて防振用ブラケットとしての機能低下をきたし易いと
いう問題があった。
【0007】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたものであって、防振用ブラケットとし
て、容易に低コストで製作でき、強度的に優れるものを
提供することを主たる課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の請求項1に係る防振用ブラケットは、防振
材を保持する筒状部を備えた保持部材と、この保持部材
を車体等の基体側に取り付けるための取付け部材とに分
割構成され、前記保持部材と取付け部材の一方に、圧入
用の凸部と、該凸部の根元に沿った浅い溝部とが形成さ
れ、前記保持部材と取付け部材の他方に、前記凸部に対
応する形状を有して開口の開きが当該凸部の厚みよりも
僅かに小さい凹部が形成され、前記凸部が前記凹部に圧
入されることにより、前記保持部材と取付け部材とが一
体化されてなるものとしている。
【0009】すなわち、この防振用ブラケットにおいて
は、分割構成された保持部材と取付け部材とを共に例え
ばアルミニウム押出型材のスライス切断や、その他の金
属材にて容易に製作でき、且つ両部材を接合してブラケ
ットを組立てる際、一方の部材の凸部を他方の部材の凹
部に強制的に圧入させるだけでよいから、溶接やボルト
ナットによる接合のような多大な手間を要さず、組立て
操作が非常に簡単且つ容易になる。
【0010】また、この防振用ブラケットでは、保持部
材と取付け部材との接合に際し、溶接のような熱的悪影
響がなく、圧入によって凸部と凹部とが弛みなく圧着嵌
合し、しかも圧入時のかじりに伴って生じる素材の削り
かすが凸部の根元にある浅い溝部に納まるため、凹部に
対して凸部が根元位置まで確実に嵌合可能となるととも
に両部材を平面同士で隙間なく密着させることができ、
もって両部材が強固に一体化して強度的に優れたものと
なる。
【0011】しかして、請求項2の発明のように、保持
部材及び取付け部材が押出型材製であり、保持部材側に
前記凸部が筒状部の押出軸線方向幅と同幅で形成される
とともに、取付け部材側の凹部が押出によって形成され
たスリット状の透孔よりなる構成とすれば、両部材の固
着強度が大きくなると共に、接合の際の両部材の位置決
めが容易になる。しかも、保持部材及び取付け部材を、
押出方向に切断することによってそれらの製作も容易に
なるとともに、取付け部材側の凹部が押出によって形成
されたものであるから、凹部を後加工によって形成する
必要もない。
【0012】また、請求項3の発明のように、前記凸部
の厚みと前記凹部の開口の開きとの差が1.0mm以下
である構成とすれば、凸部の凹部に対する圧入を無理な
く行え、圧入に伴う歪みの発生を抑えることができる。
【0013】更に、保持部材側に前記凸部を備え、該凸
部の突出方の反対方向に前記筒状部が位置する構造にお
いては、請求項4の発明のように、この筒状部と凸部と
の間の肉部に筒状部の軸線方向に沿う貫通孔を有してな
る構成とすれば、凸部を凹部に圧入する際、前記貫通孔
に一方の圧入用金型を挿嵌したり適当な治具を挿通し、
これら金型や治具で圧力を受けることにより、保持部材
の筒状部が圧入時の圧力によって変形するのを防止でき
る。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態につい
て、図面を参照して具体的に説明する。
【0015】図1(イ)に示す第一実施例の防振用ブラ
ケット(1A)は、同図(ロ)に示す保持部材(2)と
取付け部材(3)とを接合一体化したものからなる。そ
して、保持部材(2)は図2(イ)に示すアルミニウム
押出型材(E2)より、取付け部材(3)は図2(ロ)
に示すアルミニウム押出型材(E3a)もしくは図2
(ハ)に示すアルミニウム押出型材(E3b)を、それ
ぞれ図の仮想線で示すように所定長さ単位に切断して得
られる切断品より製作されている。
【0016】保持部材(2)は、図1(イ)に示す円筒
状の防振ブッシュ(4)を挿嵌して保持するための筒状
部(20)を備え、該筒状部(20)の外周一部に軸方向に
沿う膨出部(21)を有すると共に、この膨出部(21)の
頂部に同じく軸方向に沿う条片状の断面矩形の凸部
(5)が突設されており、該凸部(5)の両側の段面
(21a)(21a)が当該凸部(5)の突出方向に対して
直交する同一平面を構成し、これら両段面(21a)(21
a)に凸部(5)の根元の両側に沿った浅い溝部(6)
(6)が設けてある。そして、この保持部材(2)の全
体が同幅に設定され、筒状部(20)、膨出部(21)、凸
部(5)及び溝部(6)(6)はアルミニウム押出型材
(E2)の押出成形の際に一体に形成されるものとして
いる。
【0017】取付け部材(3)は、保持部材(2)の幅
つまり押出軸線方向に沿う幅よりも長い厚肉帯板状をな
し、中間部に保持部材(2)の凸部(5)に対応した長
手方向に沿うスリット状の透孔よりなる凹部(7)を有
すると共に、両端部に取付け孔(8)(8)が穿設され
ている。
【0018】この取付け部材(3)として図2(ロ)に
示すアルミニウム押出型材(E3a)の定尺切断品を用
いる場合は、凹部(7)及び取付け孔(8)(8)を押
出型材(E3a)又は該切断品に対する後加工によって
形成するが、凹部(7)はスリット状の透孔であるため
に切削によって容易に形成可能である。一方、取付け部
材(3)として図2(ハ)に示すアルミニウム押出型材
(E3b)のスライス切断品を用いる場合は、凹部
(7)及び取付け孔(8)(8)を押出型材(E3b)
自体の押出軸線方向に連続する空所として、その押出成
形に伴って形成できる。従って、取付け部材(3)とし
て図2(ハ)に示すアルミニウム押出型材(E3b)の
スライス切断品の方が、凹部(7)及び取付け孔(8)
(8)の形成のための後加工を不要となし得る点で、さ
らに加工が容易である。
【0019】なお、保持部材(2)の凸部(5)と取付
け部材(3)の凹部(7)とは、ほぼ同じ形状及び大き
さであるが、凸部(5)の厚み(t1 )よりも凹部
(7)の開口の開き(t2 )が僅かに小さく設定されて
いる。また保持部材(2)における凸部(5)の段面
(21a)(21a)からの突出高さ(h)は、取付け部材
(3)の厚み(d)と同一又は僅かに小さく設定されて
いる。即ち、t1 >t2 、h≦dである。しかして、凸
部(5)の厚み(t1 )と凹部(7)の開口の開き(t
2 )との差、つまりt1 −t2 は、後述する凸部(5)
の凹部(7)に対する圧入を無理なく行い、且つ圧入に
伴う歪みの発生を抑える上で、1.0mm以下に設定す
るのがよい。
【0020】防振用ブラケット(1A)は、保持部材
(2)の凸部(5)を取付け部材(3)の凹部(7)に
強制的に圧入することにより、両部材(2)(3)を接
合一体化したものである。しかして、この圧入において
は、図3(イ)に示すように凸部(5)の厚み(t1 )
が凹部(7)の開口の開き(t2 )よりも大きいため、
同図(ロ)に示すように凸部(5)が凹部(7)によっ
てかじられる形になり、凸部(5)の両側面部が削られ
て削りかす(s)を生じるが、この削りかす(s)は同
図(ハ)に示すように最終的に凸部(5)の根元両側の
溝部(6)(6)に納まることになる。
【0021】従って、保持部材(2)と取付け部材
(3)とは、凸部(5)と凹部(7)が弛みなく圧着嵌
合し、しかも保持部材(2)側の段面(21a)(21a)
と取付け部材(3)側の表面(3a)とが削りかす
(s)による妨げを受けることなく平面同士で密接する
から、剛体的に強固に接合一体化し、強度的に優れた防
振用ブラケット(1A)を構成することになる。
【0022】このような防振用ブラケット(1A)は、
エンジン等を車体等に搭載する際、保持部材(2)の筒
状部(20)に装着した防振ブッシュ(4)を介してエン
ジン等の軸部(図示省略)を支承し、取付け部材(3)
の取付け孔(8)(8)に通した取付け用ボルト(図示
省略)により車体等の基体(図示省略)に固設すること
により、エンジン等の振動を防振ブッシュ(4)にて吸
収して基体側に伝わりにくくする。しかして、図1
(イ)に示す防振ブッシュ(4)は、内側の支軸部材
(41)と外側の円筒型の剛性スリーブ(42)とが中間の
ゴム弾性体(43)によって連結されたソリッドタイプの
ものとしている。
【0023】なお、図1〜3に示した防振用ブラケット
では、凸部(5)はその厚みが凸部の基端部から突出方
向先端に至るまで一定の断面矩形に形成されていたが、
凸部の断面形状を図4(イ)(ロ)に示すように変形し
ても良い。まず図4(イ)に示すものは、凸部(5)の
基端部において厚み方向に膨出する膨出部(5a)(5
a)が形成されるとともに、膨出部(5a)(5a)か
ら突出方向先端に向かって厚みが連続的に減少する先細
り状の断面形状に形成されている。そして、膨出部(5
a)(5a)間の厚み(t1 )が凹部(7)の開口の開
き(t2 )よりも大きく(望ましくはその差が1.0m
m以下)設定されるとともに、凸部先端の厚み(t3 )
は凹部(7)の開口の開き(t2 )よりも小さく設定さ
れている。
【0024】一方、図4(ロ)に示すものは、凸部
(5)の突出方向のほぼ中央部において厚み方向に膨出
する膨出部(5a)(5a)が形成されるとともに、膨
出部(5a)(5a)から突出方向先端に向かって厚み
が連続的に減少する先細り状の断面形状に形成されてい
る。そして、図4(イ)に示すものと同様に、膨出部
(5a)(5a)間の厚み(t1 )が凹部(7)の開口
の開き(t2 )よりも大きく(望ましくはその差が1.
0mm以下)設定されるとともに、凸部先端の厚み(t
3 )は凹部(7)の開口の開き(t2 )よりも小さく設
定されている。
【0025】凸部(5)の断面形状を図4(イ)(ロ)
に示すように構成することで、凹部(7)の開口の開き
よりも小さい厚みの凸部(5)の先端を、前記凹部
(7)に挿入し易くなるとともに、凸部(5)の膨出部
(5a)(5a)を凹部(7)に強制的に圧入すること
により、保持部材(2)と取付け部材(3)を接合一体
化することができる。この圧入においては、凸部(5)
の膨出部(5a)(5a)の厚み(t1 )が凹部(7)
の開口の開き(t2 )よりも大きいため、膨出部(5
a)(5a)が凹部(7)によってかじられる形にな
り、膨出部(5a)(5a)の両側面部が削られて削り
かす(s)を生じるが、この削りかす(s)は、前記と
同様に、最終的に凸部(5)の根元両側の溝部(6)
(6)に納まることになる。
【0026】図5(イ)(ロ)に示す第二実施例の防振
用ブラケット(1B)は、保持部材(2)の凸部(5)
が膨出部(21) の片側側面(21b)に軸方向に沿う条片
状に突設され、この側面(21b)における該凸部(5)
の根元両側にそって浅い溝部(6)(6)が形成されて
いること以外は、前記第一実施例のブラケット(1A)
と同様構成であり、第一実施例同様に保持部材(2)の
凸部(5)を取付け部材(3)とをの凹部(7)に強制
的に圧入することにより、両部材(2)(3)が接合一
体化されているが、取付け部材(3)の表面(3a)が
第一実施例とは90度異なる方向に向いている。しかし
て、この場合でも、上記圧入に伴って生じる削りかすは
溝部(6)(6)に納まるため、保持部材(2)側の側
面(21b)と取付け部材(3)側の表面(3a)とが平
面同士で密接し、もって両部材(2)(3)は剛体的に
強固に接合一体化している。
【0027】図6は第三実施例の防振用ブラケット(1
C)を示す。このブラケット(1C)は、保持部材
(2)の膨出部(21) に軸方向に沿う貫通孔(9)が形
成されていること以外は、前記第一実施例のブラケット
(1A)と同様構成である。なお、該貫通孔(9)は、
保持部材(2)の材料となる押出型材自体の押出軸線方
向に連続する空所として、その押出成形に伴って形成さ
れるものである。
【0028】しかして、この第三実施例や前記第一実施
例のブラケット(1A)(1C)における保持部材
(2)のように凸部(5)の突出方向の反対方向に筒状
部(20)が位置する構造では、該保持部材(2)の凸部
(5)を取付け部材(3)の凹部(7)に強制的に圧入
して両部材(2)(3)を接合一体化させる際、保持部
材(2)側に加わる圧力を筒状部(20) で受けると、防
振材を挿嵌する上で高い寸法精度が必要な該筒状部(2
0) に変形を生じる懸念がある。しかるに、第三実施例
の防振用ブラケット(1C)では、上記の圧入に際し
て、この圧入に使用する保持部材(2)側の金型もしく
は棒状等の適当な治具を貫通孔(9)に挿嵌させ、これ
ら金型や治具によって保持部材(2)側に加わる圧力を
受けることが可能であるから、保持部材(2)の筒状部
(20) が圧入時の圧力によって変形するのを防止でき
る。
【0029】上記の第一〜第三実施例では保持部材
(2)に対して1個の取付け部材(3)を接合一体化し
たブラケット(1A)〜(1C)を示したが、本発明の
防振用ブラケットは、例えば図7(ニ)に示すような二
脚型のブラケットに対応し、保持部材(2)に対して2
個の取付け部材(3)を接合一体化した構成としてもよ
い。また、保持部材(2)は、筒状部(20) に防振材を
締め付け状に保持する機能を付与するため、該筒状部
(20) に対応する部分が材料とするアルミニウム押出型
材のスライス切断品の段階では断面C字形の開環構造を
なし、この開環構造の両側端部を凹凸嵌合等によって連
結して閉環状の筒状部(20) とするものであってもよ
い。なお、取付け部材(3)は例示した帯板状以外の種
々の形状を採用できると共に、その取付け孔(8)の位
置及び数も種々設定でき、また保持部材(2)の筒状部
(20) の外形も円形以外に種々設定可能である。
【0030】更に、本発明においては、上記の第一〜第
三実施例とは逆に、保持部材(2)側に凹部(7)を、
取付け部材(3)側に凸部(5)をそれぞれ有する構成
も可能である。この場合、押出型材あるいはそのスライ
ス切断品に対する加工をできるだけ少なくする上で、保
持部材(2)側の凹部(7)を軸方向全長にわたる溝状
とし、取付け部材(3)側の凸部(5)も長手方向に連
続する凸条とし、それぞれ押出型材の押出成形によって
形成するものとすればよい。また保持部材(2)側に設
ける凹部(7)についても、例示した透孔状ではなく、
有底の凹陥状や長手方向に連続する溝状とすることが可
能である。ただし、第一〜第三実施例のように、保持部
材(2)側に軸方向全長にわたる凸部(5)を設け、保
持部材(2)側の凹部(7)をスリット状の透孔とした
構成では、両部材(2)(3)の固着強度が大きくなる
と共に、接合の際の両部材(2)(3)の位置決めが容
易になるという利点がある。
【0031】なお、保持部材(2)の筒状部(20) に保
持される防振材としては、図1(イ)及び図5(イ)で
は内側の支軸部材(41) と外側の円筒型の剛性スリーブ
(42) とが中間のゴム弾性体(43) によって連結された
ソリッドタイプの防振ブッシュ(4)を例示している
が、外側の剛性スリーブ(42) がなく、かつゴム弾性体
(43) の内部に液体が封入され、この封入液体によって
防振機能を発揮させるもの等、種々の構造及び防振方式
のものを採用できる。
【0032】
【発明の効果】本発明の防振用ブラケットは、円筒状の
防振材を保持する筒状部を備えた保持部材と、この保持
部材を車体等の基体側に取り付けるための取付け部材と
に分割構成され、これら両部材が接合一体化されてなる
ものであり、両部材を容易に製作でき、且つ両部材を接
合してブラケットを組立て製作する際、一方の部材の凸
部を他方の部材の凹部に強制的に圧入させるだけでよい
から、溶接やボルトナットによる接合のような多大な手
間を要さず、組立て操作が非常に簡単且つ容易になる。
そのうえ、溶接のような熱的悪影響がなく、圧入によっ
て凸部と凹部とが弛みなく圧着嵌合し、しかも圧入時の
かじりに伴って生じる素材の削りかすが凸部の根元にあ
る浅い溝部に納まるため、凹部に対して凸部が根元位置
まで確実に嵌合可能となるとともに、両部材を平面同士
で隙間なく密着させることができ、もって両部材が強固
に一体化して強度的に優れたものとなる。
【0033】しかして、このような防振用ブラケットに
おいて、保持部材及び取付け部材が押出型材製であり、
保持部材側に前記凸部が筒状部の押出軸線方向幅と同幅
で形成されるとともに、取付け部材側の凹部が押出によ
って形成されたスリット状の透孔よりなる構成とすれ
ば、両部材の固着強度が大きくなると共に、接合の際の
両部材の位置決めが容易になる。しかも、保持部材及び
取付け部材を、押出方向に切断することによってそれら
の製作も容易になるとともに、取付け部材側の凹部が押
出によって形成されたものであるから、凹部を後加工に
よって形成する必要がなく、取付け部材の製作が益々容
易になる。
【0034】また前記凸部の厚みと前記凹部の開口の開
きとの差が1.0mm以下である構成とすれば、凸部の
凹部に対する圧入を無理なく行え、圧入に伴う歪みの発
生を抑えることができる。さらに、保持部材側に前記凸
部を備え、該凸部の突出方向の反対方向に前記筒状部が
位置する構造においては、この筒状部と凸部との間の肉
部に筒状部の軸線方向に沿う貫通孔を有してなる構成と
すれば、凸部を凹部に圧入する際、前記貫通孔に一方の
圧入用金型を挿嵌したり適当な治具を挿通し、これら金
型や治具で圧力を受けることにより、保持部材の筒状部
が圧入時の圧力によって変形するのを防止でき、該筒状
部を防振材の保持に必要な高い寸法精度に保つことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施例に係る防振用ブラケットを示し、図
(イ)は該ブラケット全体の斜視図、図(ロ)は該ブラ
ケットの組立て前の斜視図である。
【図2】第一実施例のブラケットに用いるアルミニウム
押出型材を示し、図(イ)は保持部材用の押出型材の斜
視図、図(ロ)は取付け部材用の押出型材の一例を示す
斜視図、図(ハ)は取付け部材用の押出型材の他の例を
示す斜視図である。
【図3】第一実施例のブラケットにおける保持部材と取
付け部材との接合操作を順次示し、図(イ)は接合前の
要部の縦断面図、図(ロ)は接合途中の要部の縦断面
図、図(ハ)は接合後の要部の縦断面図である。
【図4】(イ)(ロ)は、いずれも図1〜3に示した第
一実施例における凸部の断面形状の変形例を示すもの
で、保持部材と取付け部材との接合前の要部の縦断面図
である。
【図5】第二実施例に係る防振用ブラケットを示し、図
(イ)は該ブラケット全体の斜視図、図(ロ)は該ブラ
ケットの組立て前の斜視図である。
【図6】第三実施例に係る防振用ブラケットの組立て前
の縦断側面図である。
【図7】防振用ブラケットを例示するものであり、図
(イ)は全体が同幅である一脚型のブラケットの斜視
図、図(ロ)は全体が同幅である二脚型のブラケットの
斜視図、図(ハ)は広幅の取付け部を有する一脚型のブ
ラケットの斜視図、図(ロ)は広幅の取付け部を有する
二脚型のブラケットの斜視図である。
【符号の説明】
1A〜1C・・・防振用ブラケット 2 ・・・保持部材 20 ・・・筒状部 3 ・・・取付け部材 4 ・・・防振ブッシュ(防振材) 5 ・・・凸部 6 ・・・溝部 7 ・・・凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 久仁子 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 岩目地 範行 堺市海山町6丁224番地 昭和アルミニウ ム株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 防振材を保持する筒状部を備えた保持部
    材と、この保持部材を車体等の基体側に取り付けるため
    の取付け部材とに分割構成され、 前記保持部材と取付け部材の一方に、圧入用の凸部と、
    該凸部の根元に沿った浅い溝部とが形成され、 前記保持部材と取付け部材の他方に、前記凸部に対応す
    る形状を有して開口の開きが当該凸部の厚みよりも僅か
    に小さい凹部が形成され、 前記凸部が前記凹部に圧入されることにより、前記保持
    部材と取付け部材とが一体化されてなる防振用ブラケッ
    ト。
  2. 【請求項2】 前記保持部材及び取付け部材が押出型材
    製であり、保持部材側に前記凸部が筒状部の押出軸線方
    向幅と同幅で形成されるとともに、取付け部材側の凹部
    が押出によって形成されたスリット状の透孔よりなる請
    求項1記載の防振用ブラケット。
  3. 【請求項3】 前記凸部の厚みと前記凹部の開口の開き
    との差が1.0mm以下である請求項1又は2に記載の
    防振用ブラケット。
  4. 【請求項4】 保持部材側に前記凸部を備え、該凸部の
    突出方向の反対方向に前記筒状部が位置すると共に、こ
    の筒状部と凸部との間の肉部に筒状部の軸線方向に沿う
    貫通孔を有してなる請求項1〜3のいずれかに記載の防
    振用ブラケット。
JP3770498A 1998-02-19 1998-02-19 防振用ブラケット Pending JPH11230227A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005325985A (ja) * 2004-05-17 2005-11-24 Nok Corp 部品固着防止構造
DE102004008777B4 (de) * 2003-03-20 2006-02-23 Wegu Gummi- Und Kunststoffwerke Gmbh & Co. Kg Festlager mit einem ortsfest zu lagernden starren Rahmen und einer an dem Rahmen gelagerten Federanordnung aus Elastomerwerkstoff

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DE102004008777B4 (de) * 2003-03-20 2006-02-23 Wegu Gummi- Und Kunststoffwerke Gmbh & Co. Kg Festlager mit einem ortsfest zu lagernden starren Rahmen und einer an dem Rahmen gelagerten Federanordnung aus Elastomerwerkstoff
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