JPH08128482A - 筒型防振マウント - Google Patents

筒型防振マウント

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Publication number
JPH08128482A
JPH08128482A JP26731494A JP26731494A JPH08128482A JP H08128482 A JPH08128482 A JP H08128482A JP 26731494 A JP26731494 A JP 26731494A JP 26731494 A JP26731494 A JP 26731494A JP H08128482 A JPH08128482 A JP H08128482A
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JP
Japan
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split
tubular
mount
elastic body
rubber elastic
Prior art date
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Pending
Application number
JP26731494A
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English (en)
Inventor
Noboru Arakawa
昇 荒川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP26731494A priority Critical patent/JPH08128482A/ja
Publication of JPH08128482A publication Critical patent/JPH08128482A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インナ軸部材に形成されたインナ側突起に対
してゴム弾性体を挟んで略平行な傾斜面をもって対向せ
しめられるアウタ側突起を、アウタ筒部材に対して容易
に形成することの出来る筒型防振マウントを提供するこ
と。 【構成】 アウタ筒部材14を、略軸方向に延びる分割
面で周方向に分割された複数の分割金具32,34にて
構成すると共に、該分割金具32,34の周壁部を部分
的に内方に突出させることにより、アウタ側突起40,
42を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、筒型防振マウントに係り、特に
自動車のサスペンションブッシュやサスペンションメン
バマウント等として好適に用いられる筒型防振マウント
に関するものである。
【0002】
【背景技術】軸直角方向に互いに所定距離を隔てて配さ
れたインナ軸部材とアウタ筒部材とを、それらの間に介
装されたゴム弾性体によって弾性的に連結せしめてなる
構造を有し、振動伝達系を構成する部材間に介装される
筒型防振マウントの一種として、従来から、独国特許明
細書第2838391号明細書や特開昭59−1451
1号公報,特開平3−287405号公報等に開示され
ているように、インナ軸部材側およびアウタ筒部材側か
らそれぞれ軸直角方向に突出し、ゴム弾性体を挟んで略
平行な傾斜面をもって互いに対向せしめられるインナ側
突起およびアウタ側突起を設けたものが知られている。
【0003】このような構造の筒型防振マウントにおい
ては、インナ軸部材とアウタ筒部材との間に、軸方向お
よび軸直角方向の何れか一方向への荷重が入力された
際、インナ側突起およびアウタ側突起の対向傾斜面によ
る分力作用によって、インナ軸部材とアウタ筒部材とに
対して、軸方向および軸直角方向の何れか他方向への応
力が及ぼされる。それ故、例えば、前記独国特許明細書
第2838391号明細書や特開昭59−14511号
公報,特開平3−287405号公報等に記載されてい
るように、かかる筒型防振マウントを、自動車における
トレーリングアームのサスペンションメンバへの取付部
位等に介装されるサスペンションブッシュや、サスペン
ションメンバの車体側への取付部位に介装されるサスペ
ンションメンバマウントなどに利用することにより、車
両旋回時における後輪トー角変化を調節して横力コンプ
ライアンスステアを抑制したり適度なアンダステアを実
現すること、或いは車両旋回時におけるロール変位を抑
制したりすることが出来るのである。
【0004】ところで、かくの如き筒型防振マウントに
おいて、アウタ側突起は、アウタ筒金具に固設されてい
る必要があり、そのために、従来では、一般に、前記公
報等に記載されている如く、別途形成したブロックをア
ウタ筒金具の内周面に溶着等で固定したり、或いはアウ
タ筒金具を削り出しや鋳造で製作することによって、ア
ウタ側突起が形成されていた。
【0005】ところが、これら何れの構造のものにあっ
ても、アウタ側突起を形成するための作業が極めて面倒
で高コスト化が避けられず、また、アウタ側突起による
マウント重量増加が大きいという不具合があった。
【0006】なお、前記独国特許明細書第283839
1号明細書に記載されているように、アウタ筒金具の軸
方向端部を拡径することによってアウタ側突起を形成す
ることも考えられるが、筒形状の金具を一部分だけ拡径
することは加工が難しいことに加えて、一般に、アウタ
筒金具は被連結部材に設けられた装着穴に圧入固定され
ることによって組み付けられることから、アウタ筒金具
を拡径して軸直角方向外方に突出させると、少なくとも
かかる拡径部分においてアウタ筒金具を装着穴に圧入す
ることが出来なくなって、組付作業性が低下したり、組
付強度を十分に得られ難くなるという問題が生じてしま
い、必ずしも有効ではないのである。
【0007】
【解決課題】ここにおいて、本発明は上述の如き事情を
背景として為されたものであって、その解決課題とする
ところは、インナ軸部材に形成されたインナ側突起に対
してゴム弾性体を挟んで略平行な傾斜面をもって対向せ
しめられるアウタ側突起を、アウタ筒部材に対して容易
に、且つ大幅な重量増加を伴うことなく形成することの
出来る、改良された構造の筒型防振マウントを提供する
ことにある。
【0008】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明の特徴とするところは、軸直角方向に互いに所定距
離を隔てて配されたインナ軸部材とアウタ筒部材とを、
それらの間に介装されたゴム弾性体によって弾性的に連
結すると共に、該インナ軸部材側および該アウタ筒部材
側からそれぞれ軸直角方向に突出し、前記ゴム弾性体を
挟んで略平行な傾斜面をもって互いに対向せしめられる
インナ側突起およびアウタ側突起を設けた筒型防振マウ
ントにおいて、前記アウタ筒部材を、略軸方向に延びる
分割面で周方向に分割された複数の分割金具にて構成す
ると共に、該分割金具の周壁部を部分的に内方に突出さ
せることにより、前記アウタ側突起を形成したことにあ
る。
【0009】また、本発明の好ましい第一の態様におい
ては、前記アウタ側突起が、前記分割金具の軸方向中間
部分に形成される。
【0010】更にまた、本発明の好ましい第二の態様に
おいては、前記アウタ側突起が、前記分割金具の軸方向
中間部分に形成されると共に、前記分割金具の軸方向両
端部が所定幅で軸直角方向に屈曲されることにより、前
記アウタ筒部材の軸方向両端部において、それぞれ、軸
直角方向に広がるフランジ部が形成される。
【0011】さらに、本発明の好ましい第三の態様にお
いては、前記ゴム弾性体の外周面において、前記分割金
具の周方向端部が互いに周方向に所定間隔を隔てて位置
せしめられる。
【0012】また、本発明の好ましい第四の態様におい
ては、前記アウタ筒部材が、それぞれ半円筒形状を有す
る一対の分割金具にて構成されると共に、それら各分割
金具の周方向中央部分が内方に突出されることにより、
前記アウタ側突起が軸直角方向に対向位置して一対形成
される。
【0013】
【作用・効果】このような本発明に従う構造とされた筒
型防振マウントにおいては、アウタ筒部材が湾曲板状の
分割金具によって構成されていることから、該分割金具
をプレス加工等によって部分的に内方に突出させること
により、アウタ側突起を容易に形成することができるの
であり、従来のような溶接や削り出し等の面倒な作業が
不要となると共に、アウタ側突起の形成による重量増加
も防止されることから、製作性およびコスト性が飛躍的
に向上されると共に、マウント軽量化も有利に達成され
得るのである。
【0014】しかも、かかる筒型防振マウントにおいて
は、アウタ側突起が、径方向内方に突出形成されている
ことから、アウタ筒金具を被連結部材の装着穴に圧入固
定することによって組み付ける場合でも、アウタ側突起
が圧入の邪魔になるようなことがない。
【0015】また、かかる筒型防振マウントにおいて
は、分割金具をプレス加工等によって部分的に内方に突
出させることによってアウタ側突起が形成されることか
ら、該アウタ側突起を、良好なる加工性をもって、任意
の位置に、任意の大きさで形成することができるのであ
り、例えば、従来では難しかった、アウタ筒部材の軸方
向中間部分へのアウタ側突起の形成も容易となる。そし
て、特に、かかるアウタ側突起をアウタ筒部材の軸方向
中間部分に形成してなる、本発明の好ましい第一の態様
においては、軸方向両端部におけるゴム弾性体の自由表
面積がアウタ側突起によって縮小されてしまうことが回
避されることから、耐久性を有利に確保することが可能
となる。
【0016】更にまた、本発明の好ましい第二の態様に
おいては、アウタ側突起をアウタ筒部材の軸方向中間部
分に形成することによって、アウタ筒部材の軸方向両端
部に環状のフランジ部を形成することが出来ることか
ら、それらのフランジ部を利用し、相互に連結される被
連結部材の相対的変位量を制限するストッパ機構や、被
連結部材に対するマウント位置決め機構(抜け止め機
構)などを構成することが可能となる。
【0017】さらに、本発明の好ましい第三の態様にお
いては、ゴム弾性体の外周面に配された分割金具の周方
向端部を当接させて固着することにより、或いは被連結
部材の装着穴への圧入時に分割金具の周方向端部を接近
させることにより、ゴム弾性体に対して有効な予備圧縮
を加えることが出来ることから、耐久性の向上が図られ
得る。
【0018】また、本発明の好ましい第四の態様におい
ては、アウタ側突起の耐荷重強度を有利に確保すること
が出来ると共に、互いに直交する軸直角方向のばね比を
大きく設定することも可能となる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳
細に説明する。
【0020】先ず、図1及び図2には、本発明に従う構
造とされたサスペンションメンバマウント10が、示さ
れている。このサスペンションメンバマウント10は、
インナ軸部材としての内筒金具12と、アウタ筒部材と
しての外筒金具14とが、互いに径方向に所定距離を隔
てて配されると共に、内筒金具12と外筒金具14の間
にゴム弾性体16が介装されて、それら内外筒金具1
2,14が弾性的に連結せしめられた構造とされてい
る。そして、かかるサスペンションメンバマウント10
は、例えば、セミトレーリングアーム式サスペンション
機構におけるサスペンションメンバのボデーに対する連
結部位に介装されて、該サスペンションメンバをボデー
に対して防振支持せしめるようにされる。なお、本実施
例のサスペンションメンバマウント10は、図1中の上
下方向(マウント軸方向)が車両上下方向となり、図2
中の左右方向が車両横方向となる状態で、サスペンショ
ンメンバの両端部に装着されることとなる。
【0021】より詳細には、内筒金具12は、中空円筒
形状を有しており、軸方向一端部(図1中、上端部)に
は、径方向外方に所定幅で広がるカラー部18が一体的
に形成されている。また、この内筒金具12の軸方向中
央部分には、金属や合成樹脂等の硬質材料を用いて形成
された突出ブロック20が組み付けられている。かかる
突出ブロック20は、円形中心孔22を有する略矩形ブ
ロック形状を有しており、円形中心孔22において内筒
金具12に圧入固定されて、該内筒金具12から軸直角
方向に突出する状態で組み付けられていると共に、軸直
角方向一方向で対向位置する外周面が、それぞれ周方向
において円弧状に湾曲し、且つ軸方向において内筒金具
12の中心軸に対して略同一方向に所定角度:θだけ傾
斜して広がる内側傾斜面24,26とされている。即
ち、本実施例では、突出ブロック20のうち、内側傾斜
面24,26を有する径方向両側の突出部分によって、
インナ側突起28,30が構成されているのである。
【0022】そして、この内筒金具12の径方向外方に
は、外筒金具14が、所定距離を隔てて略同一軸心上に
配設されている。かかる外筒金具14は、図3〜6に示
されているように、それぞれ略半円筒形状を有する第一
の分割金具32と第二の分割金具34によって構成され
ており、第一の分割金具32における周方向両側の分割
面36,36と第二の分割金具34における周方向両側
の分割面38,38が、互いに突き合わされることによ
って、全体として円筒形状を有する外筒金具14を形成
するようになっている。
【0023】ここにおいて、第一の分割金具32および
第二の分割金具34には、それぞれ、略中央部分に位置
して、径方向内方(湾曲方向内方)に向かって突出する
一つのアウタ側突起40,42が形成されている。これ
らのアウタ側突起40,42は、第一の分割金具32と
第二の分割金具34が互いに組み合わされて外筒金具1
4とされることにより、中心軸に対して略同一方向に所
定角度:θだけ傾斜して広がる外側傾斜面44,46を
有しており、これらの外側傾斜面44,46が、それぞ
れ、内筒金具12側に形成されたインナ突起28,30
の内側傾斜面24,26に対して、径方向に所定距離を
隔てて略平行に対向位置せしめられている(図1及び図
2参照)。
【0024】さらに、第一の分割金具32および第二の
分割金具34には、それぞれ、軸方向一方の端部におい
て径方向外方(湾曲方向外方)に広がる外向きの屈曲部
48が形成されていると共に、軸方向他方の端部におい
て径方向内方に広がる内向きの屈曲部50が形成されて
おり、以て、両分割金具32,34が組み合わされるこ
とにより、図1及び図2に示されている如く、外筒金具
14の軸方向両端部において、外向きのフランジ部52
と内向きのフランジ部54が、それぞれ形成されてい
る。
【0025】なお、このようなアウタ側突起40,42
とフランジ部52,54を有する第一及び第二の分割金
具32,34は、例えば、平板形状の板金具をプレス加
工すること等によって、有利に形成され得る。
【0026】また、内筒金具12と外筒金具14の間に
介装されたゴム弾性体16は、図1及び図2に示されて
いるように、全体として略厚肉の円筒形状を有してお
り、その内周面に対して内筒金具12が、外周面に対し
て第一及び第二の分割金具32,34が、それぞれ加硫
接着されている。そして、このゴム弾性体16は、内筒
金具12側に形成されたインナ側突起28,30の内側
傾斜面24,26と、外筒金具14(分割金具32,3
4)側に形成されたアウタ側突起40,42の外側傾斜
面44,46との対向面間に介在せしめられており、以
て、それら内側傾斜面24,26と外側傾斜面44,4
6が、かかるゴム弾性体16を介して対向位置せしめら
れている。なお、ゴム弾性体16は、インナ側突起2
8,30およびアウタ側突起40,42の形成部位より
も軸方向両側にそれぞれ所定寸法だけ長く形成されてお
り、それによって、ゴム弾性体16の軸方向両端面にお
ける自由表面積が、両突起28,30,40,42によ
って制限されることなく、大きく設定されている。
【0027】さらに、ゴム弾性体16には、インナ側突
起28,30とアウタ側突起40,42の対向方向に直
交する軸直角方向(図2中、上下方向)両側において、
それぞれ、外筒金具14の内周面に沿って周方向に所定
長さで延び、且つ軸方向に貫通する一対のスリット5
6,56が形成されており、それによって、これらスリ
ット56,56の対向位置する径方向において、ゴム弾
性体16のばね特性が柔らかく設定されている。
【0028】また、外筒金具14の軸方向両端部に形成
されたフランジ部52,54の軸方向外面には、軸方向
外方に突出する環状のストッパゴム58,60が、ゴム
弾性体16と一体的に形成されており、図示はされてい
ないが、これらのストッパゴム58,60を含んで、防
振連結される被連結部材の相対的変位両を制限する弾性
的なストッパ機構が構成されるようになっている。
【0029】さらに、本実施例では、図7に示されてい
るように、ゴム弾性体16の加硫成形時においては、そ
の外周面に加硫接着された第一の分割金具32と第二の
分割金具34が、周方向両側の分割面36,38の突合
せ部位において、互いに所定距離を隔てて対向位置せし
められている。そして、製品化するに際して第一の分割
金具32と第二の分割金具34の分割面36,38を突
き合わせて溶着等で固着することにより、或いはサスペ
ンションメンバの装着孔に圧入するに際して第一の分割
金具32と第二の分割金具34の分割面36,38を突
き合わせることにより、図1及び図2に示されているよ
うに、全体として円筒形状の外筒金具14が形成される
ようになっている。即ち、ゴム弾性体16の加硫成形後
に、互いに離隔されていた第一の分割金具32の分割面
36と第二の分割金具34の分割面38を、相互に接近
させることにより、ゴム弾性体16に対して有効な予備
圧縮を加えることが出来るのであり、それによって、ゴ
ム弾性体16の耐久性の向上が図られ得るのである。
【0030】このような構造とされたサスペンションメ
ンバマウント10においては、内筒金具12と外筒金具
14の間に対して、インナ側突起28,30とアウタ側
突起40,42が対向位置する径方向に外的荷重が入力
されると、それらインナ側突起28,30とアウタ側突
起40,42の対向傾斜面24,26および44,46
による分力作用によって、内筒金具12と外筒金具14
を軸方向に相対変位せしめる方向の分力が生ぜしめら
れ、或いはまた、内筒金具12と外筒金具14の間に対
して、軸方向の外的荷重が及ぼされると、インナ側突起
28,30とアウタ側突起40,42の対向傾斜面2
4,26および44,46による分力作用によって、内
筒金具12と外筒金具14を、インナ側突起28,30
とアウタ側突起40,42が対向位置する径方向に相対
変位せしめる方向の分力が生ぜしめられるのである。
【0031】そして、かかるサスペンションメンバマウ
ント10は、例えば、サスペンションメンバの両端部に
形成された装着孔に外筒金具14が圧入固定されると共
に、ボデー側に固設されたロッドが内筒金具12に挿通
固定されることにより、該サスペンションメンバのボデ
ーに対する取付部位に対して、マウント軸方向が車両上
下方向となり、インナ側突起28,30とアウタ側突起
40,42の対向方向が車両左右方向となり、且つスリ
ット56,56の対向方向が車両前後方向となるように
して介装される。また、一般に、サスペンションメンバ
の両側の装着孔には、インナ側突起28,30の内側傾
斜面24,26およびアウタ側突起40,42の外側傾
斜面44,46の傾斜方向が、マウント軸方向に対して
逆方向とされた一対のサスペンションメンバマウントが
装着されることとなる。即ち、それによって、特開平3
−287405号公報に記載されているように、車両旋
回時における車体のロール変位が、上述の如き、インナ
側突起28,30とアウタ側突起40,42の対向傾斜
面24,26および44,46による分力作用によっ
て、有利に抑えられ得るのである。
【0032】そこにおいて、上述の如きサスペンション
マウント10においては、筒状金具よりも安価で加工が
容易な板金具を用いて形成され得る第一及び第二の分割
金具32,34を用いて外筒金具14が形成されてお
り、それによって、アウタ側突起40,42が簡単なプ
レス加工等によって形成可能とされていることから、ア
ウタ側突起を形成するための溶接や削り出し等の面倒な
作業が不要となり、優れた製作性およびコスト性が発揮
され得るのである。
【0033】しかも、かかるサスペンションマウント1
0においては、アウタ側突起40,42が、径方向内方
に突出形成されていることから、外筒金具14をサスペ
ンションメンバの装着孔に圧入固定するに際しても、か
かるアウタ側突起40,42が圧入の邪魔になるような
ことがなく、圧入固着強度も有利に確保され得る。
【0034】また、かかるサスペンションマウント10
においては、プレス加工等によってアウタ側突起が形成
されることから、アウタ側突起の形成による重量増加が
回避されると共に、該アウタ側突起を、良好なる加工性
をもって、任意の位置に、任意の大きさで形成すること
が出来るといった利点もあり、特に、本実施例では、ア
ウタ側突起40,42が、外筒金具14の軸方向中間部
分に形成されていることから、軸方向両端部におけるゴ
ム弾性体16の自由表面積が有利に確保され得て、ゴム
弾性体16の耐久性の向上が図られ得ると共に、外筒金
具14の軸方向両端部に環状のフランジ部52,54を
形成することにより、かかるフランジ部52,54を利
用して、サスペンションメンバに対するマウント組付時
の軸方向の位置決め機構や、被連結部材の相対的変位量
を制限するストッパ機構等を有利に形成することも可能
となるのである。
【0035】さらに、本実施例のサスペンションマウン
ト10においては、ゴム弾性体16の加硫成形時に周方
向に所定距離を隔てて位置せしめた第一の分割金具32
と第二の分割金具34を、その後、互いに突合せ方向に
接近させることにより、ゴム弾性体16に予備圧縮を加
えることが出来ることから、ゴム弾性体16におけるよ
り一層の耐久性の向上が達成され得る。
【0036】また、本実施例のサスペンションマウント
10においては、アウタ側突起40,42が、それぞ
れ、第一及び第二の分割金具32,34の中央部分に形
成されていることから、周方向端部等に形成する場合に
比べて、かかるアウタ側突起40,42の耐荷重強度を
有利に確保することが出来る。加えて、本実施例では、
アウタ側突起40,42の対向方向に直交位置して、一
対のスリット56,56がゴム弾性体16に形成されて
いることから、車両左右方向のばね特性を硬くして操縦
安定性を確保しつつ、車両前後方向のばね特性を柔らか
くして乗り心地を向上せしめるようなチューニングも、
容易に実現され得るのである。
【0037】以上、本発明の実施例について詳述してき
たが、これは文字通りの例示であって、本発明は、かか
る具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0038】例えば、分割金具32,34におけるアウ
タ側突起40,42の形成位置や大きさ、数、傾斜角
度:θ等は、何等限定されるものでなく、マウントに要
求される特性に応じて決定されるべきものである。具体
的には、例えば、外筒金具14の周方向に連続して単一
の環状のアウタ側突起を形成したり、外筒金具14の周
方向に不連続に3個以上のアウタ側突起を形成すること
等も可能である。また、前記実施例では、マウント中心
軸を挟んで両側に位置せしめられたインナ側突起28と
アウタ側突起40の対向傾斜面24,44の傾斜方向
と、インナ側突起30とアウタ側突起42の対向傾斜面
26,46の傾斜方向とが、同一方向とされていたが、
マウントに要求される特性に応じて、それらの傾斜方向
を、マウント中心軸に対して対象方向としても良い。
【0039】また、インナ側突起28,30とアウタ側
突起40,42とを、マウント軸方向に複数個形成する
ことも可能であり、それによって、マウントの大径化を
回避しつつ、対向位置せしめられる傾斜面24,26,
44,46の対向面積を有利に確保することが出来るこ
とから、それらの傾斜面による分力作用を一層効果的に
得ることが可能となる。
【0040】更にまた、アウタ側突起は、必ずしも分割
金具の中央部分に形成する必要はなく、周方向端部や軸
方向端部に形成することも可能である。
【0041】また、分割金具32,34に形成されたア
ウタ側突起40,42における軸方向端面乃至は周方向
端面に部分的な開口部を設けて、アウタ側突起40,4
2の内部にゴム弾性体16を充填しても良い。それによ
って、アウタ側突起40,42内に充填されたゴム弾性
体の補強効果により、大荷重入力時におけるアウタ側突
起40,42の大きな変形を防止したり、ゴム弾性体1
6をアウタ側突起40,42の内部を通じて外筒金具1
4の外周面に回すことにより、該外筒金具14の外周面
を被覆して装着孔への圧入時の圧力を軽減する被覆ゴム
層をゴム弾性体16と一体的に形成したり、或いは荷重
入力時にゴム弾性体16に生ぜしめられる応力をアウタ
側突起40,42に充填されたゴム弾性体に逃がすこと
により、耐久性の向上を図ったりすることが可能とな
る。
【0042】さらに、外筒金具14を構成する分割金具
の分割数は、アウタ側突起の形成数や位置等に応じて決
定されるものであり、限定されるものではない。
【0043】また、外筒金具14を構成する分割金具3
2,34を、ゴム弾性体16の外周面において周方向両
端部を互いに突き合わせて配置せしめたり、或いは予め
周方向両端部を互いに突き合わせて円筒状に溶着したも
のを用いてゴム弾性体16を加硫成形するようにしても
良い。
【0044】更にまた、内筒金具12に設けられるイン
ナ側突起28,30の構造は、何等限定されるものでな
く、例示の如きブロック部材の圧入固定による他、他部
材の溶着や削り出し等によってインナ側突起を形成する
ことも可能である。
【0045】さらに、ゴム弾性体16におけるスリット
56は、マウントの要求特性に応じて、適当な位置に適
当な大きさで設けられるものであり、本発明において必
須のものではない。
【0046】また、前記実施例では、本発明を、ロール
変位を抑えるためのサスペンションメンバマウントとし
て用いた場合の具体例を示したが、本発明は、その他、
特開昭59−14511号公報等に記載されている如
き、適度なアンダステア傾向を実現するためのサスペン
ションメンバマウントや、独国特許明細書第28383
91号明細書等に記載されている如き、横力コンプライ
アンスステアを抑制するためのサスペンションブッシュ
等、各種のサスペンションメンバマウントやサスペンシ
ョンブッシュ、或いは自動車のサブフレームとボデーの
間に介装されるサブフレームマウントなど、インナ軸部
材とアウタ筒部材の間に形成された対向傾斜面による分
力作用を利用した各種の筒型防振マウントに対して、何
れも、有利に適用され得るものである。
【0047】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもないところである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのサスペンションメン
バマウントを示す縦断面図である。
【図2】図1におけるII−II断面図である。
【図3】図1に示されたサスペンションメンバマウント
を構成する第一の分割金具を示す縦断面図である。
【図4】図3におけるIV−IV断面図である。
【図5】図1に示されたサスペンションメンバマウント
を構成する第二の分割金具を示す縦断面図である。
【図6】図5におけるVI−VI断面図である。
【図7】図1に示されたサスペンションメンバマウント
の加硫成形品を示す横断面図である。
【符号の説明】
10 サスペンションメンバマウント 12 内筒金具 14 外筒金具 16 ゴム弾性体 24,26 内側傾斜面 28,30 インナ側突起 32 第一の分割金具 34 第二の分割金具 36,38 分割面 40,42 アウタ側突起 44,46 外側傾斜面 52,54 フランジ部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸直角方向に互いに所定距離を隔てて配
    されたインナ軸部材とアウタ筒部材とを、それらの間に
    介装されたゴム弾性体によって弾性的に連結すると共
    に、該インナ軸部材側および該アウタ筒部材側からそれ
    ぞれ軸直角方向に突出し、前記ゴム弾性体を挟んで略平
    行な傾斜面をもって互いに対向せしめられるインナ側突
    起およびアウタ側突起を設けた筒型防振マウントにおい
    て、 前記アウタ筒部材を、略軸方向に延びる分割面で周方向
    に分割された複数の分割金具にて構成すると共に、該分
    割金具の周壁部を部分的に内方に突出させることによ
    り、前記アウタ側突起を形成したことを特徴とする筒型
    防振マウント。
  2. 【請求項2】 前記アウタ側突起が、前記分割金具の軸
    方向中間部分に形成されている請求項1に記載の筒型防
    振マウント。
  3. 【請求項3】 前記分割金具の軸方向両端部が所定幅で
    軸直角方向に屈曲されることにより、前記アウタ筒部材
    の軸方向両端部において、それぞれ、軸直角方向に広が
    るフランジ部が形成されている請求項2に記載の筒型防
    振マウント。
  4. 【請求項4】 前記ゴム弾性体の外周面において、前記
    分割金具の周方向端部が互いに周方向に所定間隔を隔て
    て位置せしめられている請求項1乃至3の何れかに記載
    の筒型防振マウント。
  5. 【請求項5】 前記アウタ筒部材が、それぞれ半円筒形
    状を有する一対の分割金具にて構成されると共に、それ
    ら各分割金具の周方向中央部分が内方に突出されること
    により、前記アウタ側突起が軸直角方向に対向位置して
    一対形成されている請求項1乃至4の何れかに記載の筒
    型防振マウント。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004083675A1 (ja) * 2003-03-19 2004-09-30 Toyo Tire & Rubber Co., Ltd. 防振装置及び防振装置の製造方法
JP2005291228A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Honda Motor Co Ltd 防振用弾性ブッシュ
FR2887315A1 (fr) * 2005-06-16 2006-12-22 Cf Gomma Spa Dispositif d'articulation hydroelastique a effet axial
JP2009293766A (ja) * 2008-06-09 2009-12-17 Bridgestone Corp 防振装置
JP2019215044A (ja) * 2018-06-13 2019-12-19 株式会社ブリヂストン ブッシュ

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