JP3712818B2 - 防振ブッシュおよびブッシュ組立体 - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、自動車においてサスペンションアームの車体への枢支連結部等に介装されるブッシュ組立体とそれを構成する防振ブッシュに係り、特に、安定した性能と良好なる組付性を、共に有利に得ることのできる、改良された構造のブッシュ組立体とそれを構成する防振ブッシュに関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来から、自動車のサスペンションアームの車体への枢支連結部等に介装されるブッシュ組立体の一種として、例えば、実開平2−11244号公報等に記載されているように、それぞれ筒状部とその軸方向一端部に形成された外向きのフランジ部とを備えた内筒金具および外筒金具を、径方向に互いに所定距離を隔てて配すると共に、それら内外筒金具の各筒状部の径方向対向面間および各フランジ部の軸方向対向面間にゴム弾性体を介装せしめて弾性的に連結した構造を有する防振ブッシュの一対を用い、それらの防振ブッシュを、サスペンションアームの端部に形成された筒状のアームアイに対して両側から挿入して各外筒金具をアームアイに嵌着した後、車体側に形成された所定間隔を隔てて対向する一対の取付板部間に嵌め込み、両内筒金具をそれら取付板部間に軸支せしめることにより、アームアイを取付板部に対して防振連結するようにしたものが、知られている。
【0003】
また、このようなブッシュ組立体においては、一般に、各防振ブッシュの外筒金具に対して、アームアイへの装着前の縮径加工やアームアイへの圧入による縮径化等によって絞り作用が加えられることにより、内外筒金具の各筒状部の径方向対向面間に介装されたゴム弾性体に予圧縮が加えられると共に、一対の取付板部間に一対の防振ブッシュを嵌め込んだ後、両防振ブッシュの内筒金具に挿通された枢軸を介して、一対の取付板部間で両防振ブッシュの内筒金具を軸方向に締め込むことにより、内外筒金具の各フランジ部の軸方向対向面間に介装されたゴム弾性体に予圧縮が加えられる。そして、これらの予圧縮により、ゴム弾性体における引張応力の発生が軽減乃至は防止されて耐久性の向上が図られると共に、目的とする防振特性が付与されるのである。
【0004】
ところが、本発明者が検討したところ、従来のブッシュ組立体では、防振ブッシュ単体で寸法精度を満たしていても、それをサスペンションアームのアームアイ等の取付筒部材に組み付けると、内外筒金具のフランジ部の軸方向対向面間距離に大きなバラツキが発生し易く、このバラツキがブッシュ組立体の製作や性能に関する問題の原因の一つとなっていることが、明らかとなった。即ち、防振ブッシュの取付筒部材への組付状態下で、内外筒金具のフランジ部の軸方向対向面間距離が設計値よりも小さすぎると、一対の取付板部間で両防振ブッシュの内筒金具を軸方向に締め込んだ際の内外筒金具のフランジ部の軸方向相対変位量が小さくなって、ゴム弾性体への予圧縮が有効に及ぼされ難くなるために、目的とする耐久性や防振特性が発揮されなくなるおそれがあり、一方、防振ブッシュの取付筒部材への組付状態下で、内外筒金具のフランジ部の軸方向対向面間距離が設計値よりも大きすぎると、一対の取付板部間への嵌め込みが困難となるために、組付製作性が著しく悪化するおそれがある。
【0005】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、取付筒部材に圧入して組み付けた状態下における内外筒金具のフランジ部の軸方向対向面間距離のバラツキが抑えられて、良好なる組付製作性が達成されると共に、目的とする耐久性や防振特性が安定して実現される、改良された構造のブッシュ組立体およびブッシュ組立体を構成する防振ブッシュを提供することにある。
【0006】
【解決手段】
このような課題を解決するために、本発明者が更なる検討を加えたところ、防振ブッシュの取付筒部材への組付状態下における内外筒金具のフランジ部の軸方向対向面間距離のバラツキの主たる原因が、防振ブッシュの外筒金具に及ぼされる絞りにあることが、新たに見い出された。即ち、外筒金具の筒状部が絞られて縮径されると、面剛性を有するために縮径され難いフランジ部には、筒状部からの応力伝達によって、内筒金具のフランジ部から軸方向で離隔する方向に傾斜する不規則な変形が生ぜしめられ易く、また、内外筒金具の筒状部間で予圧縮されたゴム弾性体が、内外筒金具のフランジ部間にまで回り込んで、そこに介在されたゴム弾性体に不規則な応力が及ぼされて内外筒金具が軸方向に相対変位せしめられ易いために、内外筒金具のフランジ部の軸方向対向面間距離に大きなバラツキが生じ易いことが、見い出され得たのであり、本発明は、このような新たな知見に基づいて完成されたのである。
【0007】
そして、前述の如き課題を解決するために、請求項1に記載の本発明の特徴とするところは、それぞれ筒状部と該筒状部の軸方向一端部に形成された外向きのフランジ部とを備えた内筒金具および外筒金具を、径方向に互いに所定距離を隔てて配すると共に、それら内外筒金具の各筒状部の径方向対向面間および各フランジ部の軸方向対向面間にゴム弾性体を介装せしめて弾性的に連結した構造を有し、その一対が用いられて、取付筒部材の軸方向両側から挿入されて前記両外筒金具が該取付筒部材に嵌着せしめられると共に、予め設定された間隔で対向させられた一対の取付板部材間に前記両内筒金具が嵌め込まれて該一対の取付板部材に軸支せしめられることにより、それら取付筒部材と一対の取付板部材を防振連結するブッシュ組立体を構成せしめる防振ブッシュにおいて、前記外筒金具における前記筒状部を、前記フランジ部側の軸方向端部において小径とすることにより、該筒状部に対して前記取付筒部材への嵌着に際して及ぼされる縮径量以上の深さで周方向に連続して延びる環状の凹部を形成して、該凹部を除いた筒状部において、前記取付筒部材に挿入されるようにすると共に、該凹部の径方向内方において、軸方向断面で軸方向に直線的に延び、該凹部に対して前記ゴム弾性体を挟んで径方向に対向位置せしめられる剛性対向面を、前記内筒金具の筒状部の外周面にて構成し、更に、該凹部の設けられた部位の内周面を、軸方向断面で軸方向に直線的に延びる、前記剛性対向面に対して平行なストレート面として構成したことにある。
【0008】
このような請求項1に記載の発明に従う構造とされた防振ブッシュにおいては、取付筒部材への装着前の縮径加工や取付筒部材への圧入による外筒金具に対する絞りが、凹部が形成されていない筒状部だけに加えられることとなり、絞りが加えられる筒状部とフランジ部との間に凹部が介在せしめられる。しかも、この凹部は、屈曲乃至は湾曲形状とされていることから、絞りに際しての筒状部からフランジ部への応力伝達が、かかる凹部によって有利に軽減乃至は防止されることとなる。また、凹部は、筒状部の内周面側にも突出して位置せしめられており、かかる凹部によって、ゴム弾性体における内外筒金具の筒状部間からフランジ部間への変形伝達も抑制されることから、絞りによって内外筒金具の筒状部間で予圧縮されたゴム弾性体から、内外筒金具のフランジ部間に介装されたゴム弾性体への変形応力の伝達も、かかる凹部によって有利に軽減乃至は防止されることとなる。加えて、凹部の対向面が、軸方向に直線的に延びる剛性対向面とされていることから、仮に凹部に変形が生じて該凹部と剛性対向面の間でゴム弾性体に圧縮力が作用しても、内外筒金具を軸方向に相対変位させる分力が有利に抑えられることとなる。
【0009】
それ故、かかる防振ブッシュにおいては、外筒金具の絞りに起因する外筒金具のフランジ部の不規則な変形や内外筒金具の軸方向における不規則な相対変位が軽減乃至は防止されることにより、取付筒部材への組付状態下における内外筒金具のフランジ部の対向面間距離のバラツキが有利に抑えられるのであり、それによって、ブッシュ組立体を製作するに際しての一対の取付板部材間への嵌め込みによる組付け作業が容易となると共に、ブッシュ組立体を構成した際に、内外筒金具のフランジ部間に介装されたゴム弾性体に対しても有効な予圧縮が及ぼされて安定した性能と良好な耐久性を得ることが可能となるのである。
【0010】
また、かかる本発明に従う構造とされた防振ブッシュにおいては、前記凹部が、内周面において、軸方向断面で軸方向に直線的に延びる、前記剛性対向面に対して平行なストレート面を有していることを、特徴としている。
【0011】
従って、このような構造とされた防振ブッシュにおいては、外筒金具に対する絞りに際しての、外筒金具の筒状部からフランジ部への変形伝達や、ゴム弾性体における内外筒金具の筒状部間からフランジ部間への変形応力の伝達が、凹部によって一層有利に軽減乃至は防止されると共に、内外筒金具を軸方向に相対変位させる分力の発生もより効果的に抑えられることとなり、取付筒部材への組付状態下における内外筒金具のフランジ部の対向面間距離のバラツキが一層効果的に抑えられるのである。
【0012】
なお、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明に従う構造とされた防振ブッシュにおいて、前記外筒金具の筒状部の、前記凹部を除いた領域に対して、縮径加工が施されて、前記ゴム弾性体に予圧縮が加えられていることを特徴としている。これによって、ゴム弾性体の引張応力が解消されることとなるのであるが、そのような縮径加工に伴ってゴム弾性体に生ぜしめられる圧縮変形の伝達が、凹部の存在によって効果的に軽減乃至は防止されることとなり、それ故に、筒状部に対する絞り加工等に伴なう、ゴム弾性体における不規則な応力変化乃至は変形が効果的に抑制され得るのである。
【0013】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明に従う構造とされた防振ブッシュにおいて、前記凹部の軸方向長さが、3mm以上で且つ前記外筒金具の軸方向長さの1/3以下とされていることを、特徴とする。
【0014】
このような請求項3に従う構造とされた防振ブッシュにおいては、前述の如き、取付筒部材への組付状態下における内外筒金具のフランジ部の対向面間距離のバラツキの、凹部による軽減効果が、一層効果的に発揮され得て、ブッシュ組立体の組付け作業性の向上と、性能および耐久性の安定化がより有利に達成されるのである。なお、凹部の軸方向長さが、3mmより小さくなると、取付筒部材への組付状態下における内外筒金具のフランジ部の対向面間距離のバラツキの抑制効果が低下し易く、一方、外筒金具の軸方向長さの1/3を越えると、外筒金具の絞り面積が小さくなって、ゴム弾性体に対して有効な絞り操作を加え難くなる。
【0015】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の発明に従う構造とされた防振ブッシュにおいて、前記凹部の深さが、前記ゴム弾性体の径方向厚さの1/3以下とされていることを、特徴とする。
【0016】
すなわち、凹部は、外筒金具の筒状部の内外径が共に小さくされた形状とされており、その深さを深く設定することは、外筒金具に対する絞りに際しての、筒状部からフランジ部への変形伝達やゴム弾性体における内外筒金具の筒状部間からフランジ部間への変形応力伝達の抑制等に関して有効であるが、余り凹部を深くし過ぎると、ゴム弾性体による防振ブッシュの防振特性や弾性特性に悪影響が及ぼされるおそれがある。そこで、かかる請求項4に記載の発明に従って、凹部の深さを、ゴム弾性体の径方向厚さの1/3以下に設定すれば、ゴム弾性体の防振特性等に対する悪影響が有利に抑えられる。
【0017】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れかに記載の発明に従う構造とされた防振ブッシュにおいて、前記内筒金具における前記フランジ部の、前記外筒金具の前記フランジ部に対する対向面が、径方向外方に行くに従って該外筒金具から軸方向に離隔する傾斜面とされていることを、特徴とする。
【0018】
このような請求項5に記載の発明に従う構造とされた防振ブッシュにおいては、ゴム弾性体における内外筒金具の筒状部間からフランジ部間に変形応力が伝達された場合でも、その変形応力が内筒金具におけるフランジ部の傾斜面に沿って径方向に有利に逃がされることから、取付筒部材への組付状態下における内外筒金具のフランジ部の対向面間距離のバラツキがより効果的に抑えられるのである。
【0019】
さらに、請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れかに記載の発明に従う構造とされた防振ブッシュにおいて、前記取付筒部材の軸方向両側から挿入されて前記両外筒金具が該取付筒部材に嵌着せしめられた状態で、該両外筒金具の前記フランジ部が、該取付筒部材の軸方向端面に重ね合わされると共に、該両外筒金具の軸方向対向面間に間隙が形成されるように、該外筒金具の軸方向長さが設定されていることを、特徴とする。
【0020】
このような請求項6に記載の発明に従う構造とされた防振ブッシュにおいては、外筒金具の絞りに伴う寸法変化に起因する、ブッシュ組立体を構成する際のゴム弾性体に対する予圧縮量のバラツキも有利に軽減乃至は防止されることとなる。
【0021】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の何れかに記載の発明に従う構造とされた防振ブッシュにおいて、前記取付筒部材の軸方向両側から挿入されて前記両外筒金具が該取付筒部材に嵌着せしめられた状態で、前記両内筒金具の軸方向対向面間に間隙が形成される一方、それら両内筒金具が前記一対の取付板部材間に嵌め込まれて軸支せしめられた際に、該一対の取付板部材間で軸方向に締め付けられてかかる両内筒金具の軸方向対向面が互いに当接せしめられるように、該内筒金具の軸方向長さが設定されていることを、特徴とする。
【0022】
このような請求項7に記載の発明に従う構造とされた防振ブッシュにおいては、ブッシュ組立体を構成するに際してゴム弾性体に及ぼされる軸方向の予圧縮量が有利に確保され得ると共に、内筒金具同士が互いに当接せしめられることによって、ゴム弾性体に及ぼされる軸方向の予圧縮量を安定して設定することが出来る。
【0023】
さらに、請求項8に記載の発明は、前述の如き課題を解決するために、それぞれ筒状部と該筒状部の軸方向一端部に形成された外向きのフランジ部とを備えた内筒金具および外筒金具を、径方向に互いに所定距離を隔てて配すると共に、それら内外筒金具の各筒状部の径方向対向面間および各フランジ部の軸方向対向面間にゴム弾性体を介装せしめて弾性的に連結した構造の一対の防振ブッシュを用い、かかる一対の防振ブッシュを、その前記外筒金具の前記筒状部に絞り加工を施し、取付筒部材の軸方向両側から圧入し、前記両外筒金具を該取付筒部材に嵌着せしめると共に、予め設定された間隔で対向させられた一対の取付板部材間に前記両内筒金具を嵌め込み、軸方向に締め付けて該一対の取付板部材で軸支せしめることにより、それら取付筒部材と一対の取付板部材を防振連結するブッシュ組立体において、前記各防振ブッシュにおける前記外筒金具の前記筒状部を、前記フランジ部側の軸方向端部において小径とすることにより、該筒状部に対して前記絞り加工および前記取付筒部材への圧入に際して及ぼされる縮径量以上の深さで周方向に連続して延びる環状の凹部を形成して、該凹部を除いた筒状部において、前記取付筒部材に挿入されるようにすると共に、該凹部の径方向内方において、軸方向断面で軸方向に直線的に延び、該凹部に対して前記ゴム弾性体を挟んで径方向に対向位置せしめられる剛性対向面を、前記内筒金具の筒状部の外周面にて構成し、更に、該凹部の設けられた部位の内周面を、軸方向断面で軸方向に直線的に延びる、前記剛性対向面に対して平行なストレート面として構成したことを、特徴とする。
【0024】
このような請求項8に従う構造とされたブッシュ組立体においては、それを構成する一対の防振ブッシュにおいて、請求項1に記載された発明に従う構造とされた防振ブッシュと同様、絞りに際しての筒状部からフランジ部への応力伝達や、ゴム弾性体における内外筒金具の筒状部間からフランジ部間への変形伝達が、外筒金具に形成された凹部によって有利に軽減乃至は防止されることから、かかる一対の防振ブッシュを取付筒部材に装着せしめた状態下において、各外筒金具のフランジ部の対向面間距離のバラツキが効果的に抑えられるのであり、それによって、一対の取付板部材間で軸支させて組み立てる際の作業性が有利に確保されると共に、組み立てた際の各防振ブッシュのゴム弾性体に対して予圧縮が有利に及ぼされて良好なる防振性能と耐久性が安定して実現され得るのである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0026】
先ず、図1には、本発明の一実施形態として、自動車の後輪懸架装置におけるサスペンションアームの車体に対する枢支連結部に介装されて、該サスペンションアームを車体に対して揺動可能に防振連結せしめるブッシュ組立体10が、示されている。このブッシュ組立体10は、一対の防振ブッシュ12,12が、図示しないサスペンションアームの軸方向端部に一体形成された取付筒部材としてのアームアイ14と、図示しない車体に固設された取付板部材としてのチャンネル16の間に介装されて、アームアイ14をチャンネル16に対して一軸回りに揺動可能に防振連結するようになっている。
【0027】
より詳細には、一対の防振ブッシュ12としては、それぞれ、図2に示されているような同一構造のものが用いられている。この防振ブッシュ12は、内筒金具18と外筒金具20を有している。内筒金具18は、厚肉円筒形状の筒状部22と、該筒状部22の軸方向一方の端部から径方向外方に広がるフランジ部24から構成されている。また、外筒金具20も、同様に、円筒形状の筒状部26と、該筒状部26の軸方向一方の端部から径方向外方に広がるフランジ部28から構成されている。ここにおいて、外筒金具20は、内筒金具18よりも薄肉で、プレス成形等で形成されており、その筒状部26が、内筒金具18の筒状部22よりも所定寸法大径で且つ軸方向長さが短くされており、内筒金具18の径方向外方に所定距離を隔てて同一軸上に配設されている。
【0028】
また、内筒金具18のフランジ部24と外筒金具20のフランジ部28は、軸方向の同じ側に位置せしめられていると共に、外筒金具20が内筒金具18に対してフランジ部24とは反対の軸方向端部側に偏倚して配設されており、外筒金具20におけるフランジ部28と反対の軸方向端面32が、内筒金具におけるフランジ部24と反対の軸方向端面34よりも僅かに軸方向内方に位置せしめられている。それによって、内外筒金具18,20のフランジ部24,28が、互いに軸方向に所定距離:L1を隔てて対向位置せしめられている。
【0029】
なお、内筒金具18のフランジ部24の対向面(軸方向内側面)30は、径方向外方に行くに従って次第に外筒金具20のフランジ部28から軸方向に離隔する傾斜面とされている。また、内筒金具18のフランジ部24側の軸方向端面36は、中央部分が環状にセレーション加工されて圧着面とされている。更にまた、内筒金具18は、筒状部22におけるフランジ部24と反対側の軸方向端部の外周面が、滑らかな湾曲面をもって僅かに凹陥した周方向に溝状の湾曲凹面38とされている。
【0030】
また一方、外筒金具20は、筒状部26におけるフランジ部28側の軸方向端部が、所定長さに亘って内外径寸法が小径とされており、周方向に連続して延びる円環状乃至は円筒状の凹部40が形成されている。なお、この凹部40は、フランジ部28の内周縁部も含んで形成されている。また、特に本実施形態では、凹部40の軸方向中央部分の内周面が、軸方向に所定長さに亘って、軸方向に直線的に延びるストレート面42とされている。
【0031】
また、かかる外筒金具20の凹部40に対して、径方向内方に対向せしめられる対向面が、剛性部材である内筒金具18の筒状部22の外周面によって構成されており、軸方向に直線的に延びる高剛性の剛性対向面44とされている。要するに、かかる剛性対向面44は、外筒金具20の凹部40の中心軸回りを周方向に広がる円筒状面とされており、該凹部40の内周面に対して、径方向に所定距離を隔てて対向位置せしめられているのである。なお、かかる剛性対向面44は、外筒金具20の凹部40の内周面におけるストレート面42に対して平行面とされている。
【0032】
そして、径方向に所定距離を隔てて配設された内筒金具18と外筒金具20の間に、ゴム弾性体46が介装されている。そして、ゴム弾性体46に対して、内筒金具18における筒状部22の外周面とフランジ部24の軸方向内面および外筒金具20における筒状部26の内周面とフランジ部28の軸方向外面が、それぞれ加硫接着された一体加硫成形品とされている。要するに、ゴム弾性体46は、全体として厚肉の略円筒形状を有しており、内外筒金具18,20間において、各筒状部22,26の径方向対向面間に介装された筒状ブロック部48と、各フランジ部24,28の軸方向対向面間に介装された環状ブロック部50を含んで構成されているのである。
【0033】
また、ゴム弾性体46の加硫成形後には、必要に応じて、図2に矢印で示されているように、外筒金具20の筒状部26に対して、八方絞り加工等による縮径が施されて、ゴム弾性体46の引張応力が解消され、予圧縮が加えられることとなる。なお、筒状部26に対する縮径は、凹部40を除いた領域に加えられることとなり、好ましくは、筒状部26における凹部40を除いた領域の全体に亘って加えられる。
【0034】
そして、それぞれ上述の如き構造とされた一対の防振ブッシュ12,12は、図3に示されているように、アームアイ14に対して、各外筒金具20が、フランジ部28と反対の軸方向端部において、アームアイ14の軸方向両側から圧入されることにより、挿入されて組み付けられている。ここにおいて、外筒金具20の筒状部26では、凹部40を除いた全体において、アームアイ14に対する圧入部が構成されている。また、各防振ブッシュ12は、外筒金具20のフランジ部28の軸方向内面がアームアイ14の軸方向端面に当接することによって、アームアイ14に対する挿入端が位置決めされるようになっており、そのような位置決め状態下、両外筒金具20,20の軸方向端面32,32間には、僅かな隙間が形成されるように、外筒金具20の軸方向長さがアームアイ14の軸方向長さを考慮して設定されている。
【0035】
更に、そのような一対の防振ブッシュ12,12のアームアイ14に対する組み付け状態下において、両内筒金具18,18の軸方向端面34,34間にも、僅かな隙間が形成されるようになっていると共に、両内筒金具18,18のフランジ部24側の軸方向端面36,36間の距離、換言すれば、アームアイ14に組み付けられた一対の防振ブッシュ12,12の軸方向最大寸法:L2が、アームアイ14が連結されるチャンネル16における一対の取付板部52,52の対向面間寸法に略等しくなるように、好ましくは該一対の取付板部52,52の対向面間寸法よりも僅かに小さくなるように、内筒金具18の軸方向長さがチャンネル16の寸法等を考慮して設定されている。
【0036】
なお、防振ブッシュ12を構成するゴム弾性体46における筒状ブロック部48側の軸方向端面54は、軸方向内方に湾曲面形状をもって凹陥されており、一対の防振ブッシュ12,12のアームアイ14に対する組み付け状態下において、両ゴム弾性体46,46の対向面間に、ゴム弾性体46の弾性変形を許容する環状の空間56が形成されるようになっている。また、ゴム弾性体46における筒状ブロック部48側の軸方向端部は、内筒金具18の筒状部22の外周面に形成された湾曲凹面38によって、接着面積と自由面積の拡大が図られている。
【0037】
このようにしてアームアイ14に組み付けられた一対の防振ブッシュ12,12は、更に、図1に示されているように、チャンネル16内に挿入され、該チャンネル16において所定距離を隔てて対向位置せしめられた一対の取付板部52,52間に跨がって、二つの防振ブッシュ12,12が直列的に配列せしめられた状態で配設されている。そして、チャンネル16の取付板部52,52に貫設された支持孔58,58に挿通されて、それら両取付板部52,52間に跨がって配設された支持ボルト60が、防振ブッシュ12,12の内孔62に嵌挿されることによって、防振ブッシュ12,12が、支持ボルト60を介し、チャンネル16に対して軸支されている。
【0038】
また、防振ブッシュ12,12の内筒金具18,18に挿通された支持ボルト60が締め上げられて、チャンネル16の取付板部52,52が相互に接近する方向に変形せしめられることにより、内筒金具18,18に対して軸方向の締め付け力が及ぼされている。この締め付け力により、内筒金具18,18が、ゴム弾性体46の弾性力に抗して軸方向で接近する方向に相対変位せしめられ、その軸方向対向面34,34が相互に当接されていると共に、両内筒金具18の軸方向外面36におけるセレーション加工部が、チャンネル16の取付板部52の当接面に対して圧着せしめられている。
【0039】
すなわち、このようにして組み付けられたブッシュ組立体10においては、内筒金具18,18が固着されたチャンネル16と、外筒金具20,20が固着されたアームアイ14とを、ゴム弾性体46を介して弾性的に連結せしめることとなり、ゴム弾性体46の弾性変形作用に基づいて、アームアイ14側のサスペンションアームが、チャンネル16側の車体に対して、揺動可能に防振連結されることとなるのである。
【0040】
そこにおいて、外筒金具20の筒状部26には、アームアイ14への圧入に先立って行われる絞り加工や、アームアイ14への圧入操作によって、縮径変形が及ぼされ、それによってゴム弾性体46の筒状ブロック部48に対して有効な予圧縮が加えられることとなるが、それら絞り加工や圧入操作は、専ら、外筒金具20の筒状部26において、凹部40を除いた部分を対象として行われる。それ故、外筒金具20の筒状部26の縮径変形に伴う、フランジ部28への応力伝達が、それら筒状部26とフランジ部28の間に介在せしめられた凹部40によって、有効に軽減乃至は防止されることとなり、かかるフランジ部28の不規則な変形が抑制され得るのである。
【0041】
しかも、外筒金具20の筒状部26に設けられた凹部40は、径方向内方に突出していると共に、該凹部40に対して径方向に対向する剛性対向面44が軸方向に直線的に形成されており、ゴム弾性体46に対して軸方向の拘束力を有効に発揮し得ることから、筒状部26に対する絞り加工や圧入操作に伴って筒状ブロック部48に生ぜしめられる圧縮変形の環状ブロック部50への伝達が、かかる凹部40によって効果的に軽減乃至は防止されることとなる。それ故、筒状部26に対する絞り加工や圧入操作に伴う、環状ブロック部50における不規則な応力変化乃至は変形が効果的に抑制され得るのである。なお、特に本実施形態では、凹部40の剛性対向面44に対する対向面が、剛性対向面44と平行に広がるストレート面を有していることから、ゴム弾性体46に対する軸方向の拘束力がより有効に発揮されることとなる。
【0042】
特に、外筒金具20の凹部40の内周面に対向する内筒金具18の筒状部22が、軸方向に直線的に延びる円筒面形状を有する剛性対向面44とされていることから、仮に、外筒金具20の筒状部26における縮径変形が凹部40まで及ぼされた場合でも、ゴム弾性体46(筒状ブロック部48)を介しての径方向の圧縮力の作用に起因する軸方向分力の発生が有利に回避され得るのであり、凹部40の変形に起因する内外筒金具18,20の軸方向の相対的変位も、効果的に防止され得るのである。即ち、例えば、剛性対向面44が、軸方向に傾斜したテーパ筒面形状とされていると、凹部40に縮径変形が及ぼされた際、ゴム弾性体46に加えられる径方向の圧縮力が剛性対向面44の傾斜角度に応じた比率で軸方向の分力を発生することによって、かかる軸方向分力によって内外筒金具18,20間に軸方向の相対変位力が及ぼされるおそれがあるが、上述の如く、剛性対向面44が円筒面形状とされていることによって、凹部40に縮径変形が及ぼされた場合でも、それによる発生応力等が筒状ブロック部48における径方向の圧縮変形等によって有利に吸収されて、内外筒金具18,20の軸方向の相対変位や環状ブロック部50における不規則な応力変化,変形等が極めて効果的に回避され得るのである。
【0043】
従って、上述の如き構造とされた防振ブッシュ12にあっては、アームアイ14に組み付けた状態下においても、内外筒金具18,20のフランジ部24,28の軸方向対向面間距離:L1の大きさのバラツキが効果的に抑えられて、アームアイ14に組み付けた状態下での両内筒金具18,18のフランジ部24側の軸方向端面36,36間の距離(軸方向最大寸法):L2が、所定の設計値に有利に維持されることとなる。その結果、アームアイ14に組み付けた防振ブッシュ12,12を、チャンネル16に対して容易に挿入して取り付けることが出来ると共に、支持ボルト60の締め付けによって、各防振ブッシュ12,12の環状ブロック部50に対して、有効な予圧縮を及ぼしめて、目的とする防振性能や耐久性を安定して得ることが可能となるのである。
【0044】
なお、上述の説明から明らかなように、外筒金具20における凹部40は、アームアイ14への圧入時の縮径が回避されるように、外筒金具20の筒状部26における圧入等による縮径量よりも大きな深さ寸法:Dをもって、形成されることとなる。一方、凹部40の深さが余り大きくなり過ぎると、該凹部40の外筒金具20の径方向内方への突出高さが大きくなって、ゴム弾性体46の肉厚減少による防振特性への悪影響等が懸念されることから、凹部40の深さ:Dは、ゴム弾性体46の径方向厚さ:Tの1/3以下に設定することが望ましい。
【0045】
また、凹部40の軸方向長さ:L3は、上述の如き、アームアイ14への組付状態下における内外筒金具18,20のフランジ部24,28の軸方向対向面間距離:L1の大きさのバラツキ抑制効果をより有効に得るために、3mm以上とすることが望ましいが、余り長すぎると、筒状ブロック部48に対して有効な予圧縮を及ぼすことが難しくなることから、外筒金具20の軸方向長さ:L4の1/3以下、またはゴム弾性体46の筒状ブロック部48の軸方向長さの1/3以下に設定することが望ましい。
【0046】
さらに、本実施形態のブッシュ組立体10においては、内筒金具18のフランジ部24の対向面30が、傾斜面とされていることから、図3に示されている如き、防振ブッシュ12,12のアームアイ14への組付状態下における環状ブロック部50の内部応力が、径方向外方に有利に逃がされて、かかる内部応力に起因する内外筒金具18,20の軸方向の相対変位が一層有利に軽減されることにより、防振ブッシュ12,12のアームアイ14への組付状態下における内外筒金具18,20のフランジ部24,28の軸方向対向面間距離:L1の大きさのバラツキ抑制効果が一層有利に発揮されるのである。
【0047】
また、本実施形態のブッシュ組立体10にあっては、防振ブッシュ12,12のアームアイ14への組付状態下で離隔して対向位置せしめられた内筒金具18,18の軸方向端面34,34が、チャンネル16への取り付けに際して相互に当接せしめられることから、チャンネル16の取付状態下で内外筒金具18,20が軸方向に安定して相対的に位置決めされることとなり、チャンネル16への取付状態下における内外筒金具18,20のフランジ部24,28の軸方向対向面間距離がより一層安定して設定されて、それらの間に介装された環状ブロック部50に対してより安定して予圧縮が及ぼされるのである。
【0048】
以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0049】
例えば、防振ブッシュ12のばね特性を調節するために、ゴム弾性体46に対して、周方向に連続して若しくは所定長さで延びるすぐり部や肉抜部等を形成することも可能である。
【0051】
更にまた、内筒金具18として、外筒金具20と同様、プレス成形品等を採用することも可能であり、或いは逆に、外筒金具20として、内筒金具18と同様、ダイキャスト品や削り出し品等を採用することも可能である。
【0052】
加えて、前実施例では、本発明を自動車のサスペンションアームの車体に対する防振連結体に対して適用したものの一具体例を示したが、本発明は、その他、枢支連結部に介装される弾性連結体等に対して、広く適用され得るものであることは、勿論である。
【0053】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
【0054】
【発明の効果】
上述の説明から明らかなように、請求項1乃至7に記載の発明に従う構造とされた防振ブッシュにおいては、何れも、取付筒部材に組み付けた状態下においても、内外筒金具のフランジ部の軸方向対向面間距離の大きさのバラツキが効果的に抑えられこととなり、その結果、取付筒部材に組み付けた一対の防振ブッシュの取付板部材への取り付け作業性が向上されると共に、防振ブッシュのゴム弾性体に有効な予圧縮を及ぼしめて、目的とする防振性能や耐久性を安定して得ることが可能となるのである。
【0055】
また、請求項8に記載の発明に従う構造とされたブッシュ組立体においては、防振ブッシュの外筒金具における絞り加工や取付筒部材への圧入による縮径に伴う各防振ブッシュにおける内外筒金具の軸方向対向面間距離の変化が効果的に抑えられることにより、取付筒部材に組み付けた状態下での一対の防振ブッシュの両内筒金具の軸方向両端部間距離が所定の設計値に有利に維持されることとなり、その結果、取付筒部材に組み付けた一対の防振ブッシュを、一対の取付板部材に対して容易に嵌め込んで取り付けることが出来ると共に、両内筒金具を軸方向に締め付けることによって、各防振ブッシュのゴム弾性体に有効な予圧縮を及ぼしめて、目的とする防振性能や耐久性を安定して得ることが出来るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのブッシュ組立体を示す縦断面説明図である。
【図2】図1に示されたブッシュ組立体を構成する防振ブッシュを示す縦断面説明図である。
【図3】図2に示された防振ブッシュのアームアイに対する圧入状態を示す縦断面説明図である。
【符号の説明】
10 ブッシュ組立体
12 防振ブッシュ
14 アームアイ
16 チャンネル
18 内筒金具
20 外筒金具
22 筒状部
24 フランジ部
26 筒状部
28 フランジ部
44 剛性対向面
46 ゴム弾性体
52 取付板部
60 支持ボルト

Claims (8)

  1. それぞれ筒状部と該筒状部の軸方向一端部に形成された外向きのフランジ部とを備えた内筒金具および外筒金具を、径方向に互いに所定距離を隔てて配すると共に、それら内外筒金具の各筒状部の径方向対向面間および各フランジ部の軸方向対向面間にゴム弾性体を介装せしめて弾性的に連結した構造を有し、その一対が用いられて、取付筒部材の軸方向両側から挿入されて前記両外筒金具が該取付筒部材に嵌着せしめられると共に、予め設定された間隔で対向させられた一対の取付板部材間に前記両内筒金具が嵌め込まれて該一対の取付板部材に軸支せしめられることにより、それら取付筒部材と一対の取付板部材を防振連結するブッシュ組立体を構成せしめる防振ブッシュであって、
    前記外筒金具における前記筒状部を、前記フランジ部側の軸方向端部において小径とすることにより、該筒状部に対して前記取付筒部材への嵌着に際して及ぼされる縮径量以上の深さで周方向に連続して延びる環状の凹部を形成して、該凹部を除いた筒状部において、前記取付筒部材に挿入されるようにすると共に、該凹部の径方向内方において、軸方向断面で軸方向に直線的に延び、該凹部に対して前記ゴム弾性体を挟んで径方向に対向位置せしめられる剛性対向面を、前記内筒金具の筒状部の外周面にて構成し、更に、該凹部の設けられた部位の内周面を、軸方向断面で軸方向に直線的に延びる、前記剛性対向面に対して平行なストレート面として構成したことを特徴とする防振ブッシュ。
  2. 前記外筒金具の筒状部の、前記凹部を除いた領域に対して、縮径加工が施されて、前記ゴム弾性体に予圧縮が加えられている請求項1に記載の防振ブッシュ。
  3. 前記凹部の軸方向長さが、3mm以上で且つ前記外筒金具の軸方向長さの1/3以下とされている請求項1又は2に記載の防振ブッシュ。
  4. 前記凹部の深さが、前記ゴム弾性体の径方向厚さの1/3以下とされている請求項1乃至3の何れか1項に記載の防振ブッシュ。
  5. 前記内筒金具における前記フランジ部の、前記外筒金具の前記フランジ部に対する対向面が、径方向外方に行くに従って該外筒金具から軸方向に離隔する傾斜面とされている請求項1乃至4の何れか1項に記載の防振ブッシュ。
  6. 前記取付筒部材の軸方向両側から挿入されて前記両外筒金具が該取付筒部材に嵌着せしめられた状態で、該両外筒金具の前記フランジ部が、該取付筒部材の軸方向端面に重ね合わされると共に、該両外筒金具の軸方向対向面間に間隙が形成されるように、該外筒金具の軸方向長さが設定されている請求項1乃至5の何れか1項に記載の防振ブッシュ。
  7. 前記取付筒部材の軸方向両側から挿入されて前記両外筒金具が該取付筒部材に嵌着せしめられた状態で、前記両内筒金具の軸方向対向面間に間隙が形成される一方、それら両内筒金具が前記一対の取付板部材間に嵌め込まれて軸支せしめられた際に、該一対の取付板部材間で軸方向に締め付けられてかかる両内筒金具の軸方向対向面が互いに当接せしめられるように、該内筒金具の軸方向長さが設定されている請求項1乃至6の何れか1項に記載の防振ブッシュ。
  8. それぞれ筒状部と該筒状部の軸方向一端部に形成された外向きのフランジ部とを備えた内筒金具および外筒金具を、径方向に互いに所定距離を隔てて配すると共に、それら内外筒金具の各筒状部の径方向対向面間および各フランジ部の軸方向対向面間にゴム弾性体を介装せしめて弾性的に連結した構造の一対の防振ブッシュを用い、かかる一対の防振ブッシュを、その前記外筒金具の前記筒状部に絞り加工を施し、取付筒部材の軸方向両側から圧入し、前記両外筒金具を該取付筒部材に嵌着せしめると共に、予め設定された間隔で対向させられた一対の取付板部材間に前記両内筒金具を嵌め込み、軸方向に締め付けて該一対の取付板部材で軸支せしめることにより、それら取付筒部材と一対の取付板部材を防振連結するブッシュ組立体において、
    前記各防振ブッシュにおける前記外筒金具の前記筒状部を、前記フランジ部側の軸方向端部において小径とすることにより、該筒状部に対して前記絞り加工および前記取付筒部材への圧入に際して及ぼされる縮径量以上の深さで周方向に連続して延びる環状の凹部を形成して、該凹部を除いた筒状部において、前記取付筒部材に挿入されるようにすると共に、該凹部の径方向内方において、軸方向断面で軸方向に直線的に延び、該凹部に対して前記ゴム弾性体を挟んで径方向に対向位置せしめられる剛性対向面を、前記内筒金具の筒状部の外周面にて構成し、更に、該凹部の設けられた部位の内周面を、軸方向断面で軸方向に直線的に延びる、前記剛性対向面に対して平行なストレート面として構成したことを特徴とするブッシュ組立体。
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