JP4740818B2 - 防振ブッシュを備えたリンク部材 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車のサスペンション装置等に組み込まれて使用される防振ブッシュ、及び該防振ブッシュを備えるリンク部材に関するものである。
従来より、自動車のサスペンション装置においては、車体とサスペンションとの連結部位等に、振動減衰、緩衝などを目的として防振ブッシュが使用されている。該防振ブッシュは、一般に、内筒等の軸部材と、該軸部材の外側に間隔をおいて配置された外筒と、前記軸部材と外筒との間に介設されて両者を弾性的に結合するゴム状弾性体とを備えてなる。該防振ブッシュはサスペンション装置に対してリンク部材として組み込まれることがあり、かかるリンク部材は、一般に、アーム部とその両端部に設けられた連結部とからなるリンク本体を備え、前記連結部に防振ブッシュを設けて構成されている(下記特許文献1〜3参照)。
例えば、下記特許文献4には、リンク部材を備えるサスペンション装置として、図11及び図12に示すマルチリンク式リヤサスペンション装置が開示されている。このサスペンション装置は、車輪60を回転可能に支持するアクスル62と、一端部64a,66aがアクスル62に揺動可能に連結され、他端部64b,66bが車体側部材であるサスペンションメンバー68に揺動可能に連結された前後一対のアッパーリンク64,66と、一端部70a,72aがアクスル62に揺動可能に連結され、他端部70b,72bがサスペンションメンバー68に揺動可能に連結された前後一対のロアリンク70,72と、一端部74aがアクスル62に揺動可能に連結され、他端部74bがサスペンションメンバー68に揺動可能に連結されたトーコントロールリンク74とを備える。ここで、符号Fは車体前側を示し、符号Hは車体幅方向を示す。
そして、各リンク64,66,70,72,74の他端部64b,66b,70b,72b,74bとサスペンションメンバー68とは、それぞれ防振ブッシュ76,78,80,82,84を介して連結されており、各防振ブッシュの軸心p1,p2,p3,p4,p5が、平面視において、それぞれのリンクの長手方向r1,r2,r3,r4,r5と直交する方向に沿うように配置されている。
ところで、上記のような防振ブッシュとして、軸直角方向におけるバネ定数を大きくしつつ、こじり方向におけるバネ定数を小さくするため、内筒の軸方向中央部に軸直角方向に膨出する膨出部を設けた、いわゆるバルジタイプの防振ブッシュが知られている(下記特許文献5参照)。
特開平11−166584号公報 特開平09−254621号公報 特開2000−337416号公報 特開2005−112258号公報 特開2004−144150号公報
上記マルチリンク式サスペンション装置では、図12に示すように、各リンク64,66,70,72,74が平面視で傾斜姿勢に設定されている。詳細には、前側のロアリンク70が、平面視において、車体幅方向Hで内方側ほど車体前側Fに位置する傾斜姿勢に設定され、後側のロアリンク72が、平面視において、車体幅方向Hで外方側ほど車体前側Fに位置する傾斜姿勢に設定され、トーコントロールリンク74が、平面視において、車体幅方向Hで外方側ほど車体前側Fに位置する傾斜姿勢に設定されている。
そのため、車両の走行中において、主としてロアリンク70,72及びトーコントロールリンク74に結合された防振ブッシュ80,82,84には、種々の方向の力が入力する。例えば、車体に対してサスペンション装置が上下方向に変位すると、防振ブッシュ80,82,84には、ねじり方向N(図5参照)の力のみならずこじり方向Z(図1参照)の力も加わる。また、車体に対してサスペンション装置が左右方向に変位すると、防振ブッシュ80,82,84には、軸直角方向Y(図1参照)の力のみならず軸方向X(図1参照)の力も加わる。
このような入力に対し、従来の一般的な防振ブッシュでは、内筒と外筒がともに径が一定のストレート筒状であるため、こじり方向のバネ定数が大きく、その結果、サスペンション装置の上下方向におけるバネ定数が大きくなるので、乗り心地を向上することが難しい。また、この従来の防振ブッシュでは、軸方向のバネ定数があまり大きくなく、そのため、サスペンション装置の左右方向におけるバネ定数を大きくすることできないことから、車両の操縦安定性を向上することが難しい。
これに対し、上記従来のバルジタイプの防振ブッシュであると、こじり方向におけるバネ定数を低減することができる。しかしながら、従来のバルジタイプのものでも、外筒が内径一定のストレート筒状であるため、こじり方向における変位時、ゴム状弾性体の軸方向両端部においては内筒と外筒との間でゴム状弾性体が圧縮されることになり、こじり方向におけるバネ定数が必ずしも十分に低減されていなかった。そのため、サスペンション装置の上下方向におけるバネ定数を低減する効果も不十分であり、乗り心地性向上のため、更なる改善が求められる。また、従来のバルジタイプの防振ブッシュでは、軸方向におけるバネ定数を大きくすることはできず、そのため、サスペンション装置の左右方向におけるバネ定数を高めて、車両の操縦安定性を向上することが困難であった。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、こじり方向におけるバネ定数を十分に低減することができるとともに、軸方向におけるバネ定数を大きくすることができる防振ブッシュを備えたリンク部材を提供することを目的とする。
本発明に係るリンク部材は、アーム部とその両端部に設けられた連結部とからなるリンク本体と、少なくとも一方の連結部に設けられた筒状保持部内に保持された防振ブッシュとを備えてなるリンク部材であって、防振ブッシュは、軸部材と、該軸部材の外側に間隔をおいて配置された外筒と、前記軸部材と外筒との間に介設されたゴム状弾性体とを備え、前記軸部材は、軸方向の中央部に軸直角方向に膨出する第1膨出部を有し、該第1膨出部の外周面が凸状球面に形成され、前記外筒は、前記凸状球面を取り囲む部分が軸直角方向外方に膨出した第2膨出部に形成されて、該第2膨出部の内周面が前記凸状球面と同心状の凹状球面に形成されるとともに、該第2膨出部の外周面が前記凸状球面と同心状の凸状球面に形成されている。また、前記筒状保持部が、前記第2膨出部の頂部を境として該頂部より軸方向一方側の外筒部分に外嵌する第1筒部と、該頂部より軸方向他方側の外筒部分に外嵌する第2筒部とで構成され、前記リンク本体が、前記第1筒部を備える第1部材と、前記第2筒部を備える第2部材とからなり、前記防振ブッシュに対して軸方向一方側から前記第1筒部を外嵌し、軸方向他方側から前記第2筒部を外嵌して、前記第1筒部と第2筒部とにより前記筒状保持部を形成するとともに、前記第1部材と前記第2部材との接合により前記リンク本体を形成したものである。
この構成によれば、外筒に第2膨出部を設けて、その内周面を内筒の第1膨出部の凸状球面と同心状の凹状球面としたことにより、こじり方向における変位時、凸状球面と凹状球面との間に介設されたゴム状弾性体は実質的に剪断変形を受けるのみとなり、内筒と外筒との間でゴム状弾性体が圧縮されることを極力回避することができるので、こじり方向におけるバネ定数を効果的に低減することができる。また、軸方向における変位時には、凸状球面と凹状球面との間でゴム状弾性体が剪断変形だけでなく圧縮変形も受けるようになるので、軸方向におけるバネ定数を上げることができる。
上記防振ブッシュにおいて、前記ゴム状弾性体は、前記凹状球面によって定められる仮想球面の軸方向外方側では前記軸部材と外筒との間に充填されないように前記第1膨出部の凸状球面と前記第2膨出部の凹状球面との間に介設されていることが好ましい。また、前記ゴム状弾性体の軸方向両端面が軸方向内方側に膨らむ湾曲面状に形成され、前記軸部材の軸方向に沿う断面において、前記凹状球面によって定められる仮想球面が前記湾曲面状の軸方向端面と交差しており、前記仮想球面と前記軸方向端面との交点(J)が、前記軸方向端面における最も軸方向内側の点(K)よりも前記外筒側に位置していることが好ましい。これにより、こじり方向における変位時にゴム状弾性体の軸方向端部で圧縮バネがかかることを確実に回避して、こじり方向でのバネ定数を一層低減することができる。
上記のように外筒が第2膨出部を有する場合、リンク部材の筒状保持部が単なるストレート筒状では防振ブッシュを圧入することができない。そこで、筒状保持部を第1筒部と第2筒部との分割式として、防振ブッシュに対して軸方向の両側からそれぞれ外嵌させることで、外筒に膨出部を持つ防振ブッシュを筒状保持部に保持させることができる。また、保持された防振ブッシュは、外筒の膨出部が抜け止めとなって筒状保持部から抜けにくく、そのため、筒状保持部に対する外筒の締め代を小さくすることも可能である。
上記リンク部材においては、前記アーム部が、前記第1筒部に一体に設けられた第1アーム部と、前記第2筒部に一体に設けられた第2アーム部とで構成され、前記第1部材と前記第2部材を接合することで、前記第1アーム部と第2アーム部とにより前記アーム部が形成されてもよい。このようにアーム部も分割式とすることで、アーム部に中空部を設けることも容易となり、軽量化が図られるとともに、アーム部の長手方向に沿って延びる中空部を設けることで、アーム部の強度を高めることも可能となる。
本発明によれば、防振ブッシュのこじり方向におけるバネ定数を十分に低減することができるとともに、軸方向におけるバネ定数を大きくすることができる。また、外筒に膨出部を持つ防振ブッシュを筒状保持部に保持させることができ、保持された防振ブッシュは、外筒の膨出部が抜け止めとなって筒状保持部から抜けにくく、そのため、筒状保持部に対する外筒の締め代を小さくすることも可能である。
以下に本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1及び図2は実施形態に係る防振ブッシュ10を示しており、図3〜8は該防振ブッシュ10を備えるリンク部材30を示している。このリンク部材30は、上述した図11及び図12に示すマルチリンク式サスペンション装置に用いられるものであり、前後のロアリンク70,72、及びトーコントロールリンク74として用いられる。より詳細には、防振ブッシュ10が、前側のロアリンク70の他端部70bとサスペンションメンバー68とを連結する防振ブッシュ80、後側のロアリンク72の他端部72bとサスペンションメンバー68とを連結する防振ブッシュ82、及び、トーコントロールリンク74とサスペンションメンバー68とを連結する防振ブッシュ84として用いられるように、サスペンション装置に組み込まれる。
サスペンション装置の全体構成としては、上記の通りであり、説明は省略する。なお、リンク部材30は、前後のアッパーリンク64,66として用いることもでき、その場合、防振ブッシュ10が、前側のアッパーリンク64の他端部64bとサスペンションメンバー68とを連結する防振ブッシュ76、及び後側のアッパーリンク66の他端部66bとサスペンションメンバー68とを連結する防振ブッシュ78として用いられるように、サスペンション装置に組み込まれる。
防振ブッシュ10は、図1に示すように、軸部材として内筒12と、これを取り囲むように外側に間隔をおいて同軸状に配置された外筒14と、内筒12と外筒14との間に介設された筒状のゴム状弾性体16とを備えてなる。
内筒12は、鉄、鋼やアルミニウムなどの金属製の円筒状部材であり、軸方向Xの中央部に軸直角方向Yの外方に向けて全周にわたって膨出する膨出部18を備える。膨出部18の外周面は凸状球面20をなしている。凸状球面20は、軸心A上に中心Pを持つ球面の軸方向中央部を構成する球帯状に形成されており、内筒12の軸方向両端部における一般筒部(外径が一定のストレート筒状部)の外周面13からなだらかに連続して形成されている。
外筒14は、鉄、鋼やアルミニウムなどの金属製の円筒状部材であり、軸方向Xの全体にわたって肉厚が実質的に一定の筒体である。外筒14は、上記凸状球面20を取り囲む軸方向Xの中央部が、軸直角方向Yの外方に向けて全周にわたって球状に膨出した膨出部22に形成されている。
外筒14の膨出部22の内周面は、凸状球面20と同心状(即ち、共通の中心Pを持つ)の凹状球面24をなしており、これに対応させて、膨出部22の外周面は、凸状球面20と同心状の凸状球面25をなしている。より詳細には、後述する絞り加工後の形状において、内筒12の凸状球面20に一定の間隔をおいて沿うように、膨出部22の内周面及び外周面が、それぞれ上記凹状球面24及び凸状球面25として形成されている。これら凹状球面24及び凸状球面25は、球面の中央部を構成する球帯状をなし、外筒12の軸方向両端部における一般筒部(内径が一定のストレート筒状部)15の内周面15a及び外周面15bからそれぞれなだらかに連続して形成されている。
なお、図示しないが、絞り加工前の状態では、外筒14の膨出部22の内周面及び外周面は厳密な凹状球面24及び凸状球面25ではなく、中心Pが外筒14の軸心A上から軸直角方向Yにずれた位置にあり、縮径方向に絞り加工することで、図1に示すように中心Pが軸心A上に位置する球帯状に形成される。
ゴム状弾性体16は、外筒14の内周面と内筒12の外周面とに一体に加硫接着されたものであって、内筒12の凸状球面20と外筒14の凹状球面24との間を充填するように介設されており、図1に示すように、絞り加工後の形状において、略一定の肉厚を持つ球帯状に形成されている。
また、図2に示すように、外筒14側の凹状球面24によって定められる仮想球面26の軸方向外方側X1では、内筒12と外筒14との間にゴム状弾性体16が充填されないように形成されている。
より詳細には、ゴム状弾性体16は、内筒12と外筒14の軸方向両端部との間で露出したゴム状弾性体16の左右一対の軸方向両端面17が、軸方向内方側X2に膨らむ湾曲面状に形成されており、ここでは、図2に示す軸方向Xに沿う断面において円弧状に湾曲形成されている。そして、かかる軸方向に沿う断面において、凹状球面22によって定められる仮想球面26が上記湾曲面状の軸方向端面17と交点Jにて交差しており、この交点Jが、軸方向端面17における最も軸方向内側の点(即ち、軸方向端面17の最深部(底)に相当する点)Kよりも外筒14側に位置している。この例では、軸方向端面17の最も軸方向内側の点Kは、内筒12と外筒14との間隙を径方向に2等分する線27上にあり、この線27よりも径方向外方側に、上記交点Jが位置している。
また、図2に示すように、上記内筒12側の膨出部18の最外径(膨出部18の頂点における外径)D1は、外筒14の一般筒部15の内径D2よりも小さく設定されており、また、凸状球面20と凹状球面24間のゴム状弾性体16の厚みEが、内筒12の膨出部18の最大膨出高さGよりも大に設定されている。これにより、軸方向Xにおける過大なバネ定数を回避しながら、軸直角方向Y、こじり方向Z及びねじり方向Nでの好ましいバネ定数が得られるように構成されている。
なお、上記軸方向外方側X1において内筒12の外周面と外筒14の内周面には、ゴム状弾性体16から連なるゴム膜28が形成されている。
防振ブッシュ10を製造するに際しては、上記膨出部18を有する内筒12と、上記膨出部22を有する外筒14とを、不図示の成形型に配置し、該成形型内にゴム材料を注入することでゴム状弾性体16を加硫成形するとともに、内筒12の外周面と外筒14の内周面にゴム状弾性体16を一体に加硫接着させる。次いで、この加硫成形体に対し、不図示のダイスを用いて縮径方向に絞り加工を施すことで、図1に示す防振ブッシュ10が得られる。
リンク部材30は、図3,図4に示すように、アーム部32及びその両端部に設けられた一対の連結部34,34からなる概略棒状の金属製のリンク本体36と、該リンク本体36に組付けられた防振ブッシュ10とで構成されている。
連結部34は、この例では、一端部側に防振ブッシュ10を外嵌保持する筒状保持部38が設けられ、他端部側には別の防振ブッシュ100を取り付けるためのブラケット部40が設けられている。
筒状保持部38は、防振ブッシュ10の軸心Aがリンク部材30の長手方向Rに対して直交する方向(図4に示す厚み方向T)に外筒14を外嵌保持するものであって、円筒状に形成されている。
ブラケット部40は、一対の取付板部42,42を備える断面U字状に形成されており、両取付板部42には各別にボルト孔43が設けられて、該ボルト孔43を貫通する不図示のボルトにより防振ブッシュ100の内筒102が固定されるように構成されている。ブラケット部40も、防振ブッシュ100をその軸心が上記長手方向Rに対して直交する方向に保持するものである。
アーム部32は、その幅方向Sの中央部に長手方向Rの略全体にわたって延びる中空部44を備える。また、幅方向Sの両側縁部には、厚み方向Tの両側に突出するフランジ46が設けられており、フランジ46は筒状保持部38側の連結部34の周縁部にも連続して設けられている。
リンク本体36は、金属板をプレス成形してなる第1部材48と第2部材50を接合することで形成されており、両部材48,50はこの例では同一形状に形成されている。
詳細には、筒状保持部38は、図6に示すように、外筒14の膨出部22の頂部22aを境として該頂部22aより軸方向一方側の外筒部分14aに隙間なく外嵌する第1筒部38aと、該頂部22aより軸方向他方側の外筒部分14bに隙間なく外嵌する第2筒部38bとで構成されている。また、アーム部32は、図4,図7に示すように、上記厚み方向Tに2分割する第1アーム部32aと第2アーム部32bとで構成されている。更に、ブラケット部40は、図4に示すように、一方の取付板部42を持つ第1ブラケット部40aと、他方の取付板部42を持つ第2ブラケット部40bとで構成されている。そして、第1筒部38aと第1アーム部32aと第1ブラケット部40aとが一体に連結されることで上記第1部材48が構成され、第2筒部38bと第2アーム部32bと第2ブラケット部40bとが一体に連結されることで上記第2部材50が構成されている。
かかるリンク本体36への防振ブッシュ10の組付けは、次のようにして行われる。すなわち、防振ブッシュ10に対して軸方向一方側X3(図6参照。図6における上方側)から第1筒部38aを外嵌状態に圧入するとともに、軸方向他方側X4(図6参照。図6における下方側)から第2筒部38bを外嵌状態に圧入することで、第1部材48と第2部材50を重ね合わせる。そして、両者の重ね合わせ部52を溶接などにより接合する。これにより、第1筒部38aと第2筒部38bを重ね合わせることで形成された筒状保持部38内に防振ブッシュ10が保持された状態でリンク本体36が形成される。また、第1アーム部32aと第2アーム部32bとを重ね合わせることで、図7に示すように、重ね合わせ部52の内側に上記中空部44を備えるアーム部32が形成される。
以上よりなるリンク部材30は、図8に示すように、防振ブッシュ10を保持した一端部側の連結部34において、内筒12の両端面がサスペンションメンバー68のブラケット1に挟まれた状態で、ボルト2及びナット3などの締結部材で締め付けることによりブラケット1に固定される。また、ブラケット部40を備えた他端部側の連結部34では、他の防振ブッシュ100を介してアクスル62(図11参照)に連結される。
以上よりなる本実施形態であると、防振ブッシュ10の外筒14に膨出部22を設けて、その内周面を内筒12の膨出部18の凸状球面20と同心状の凹状球面24としたことにより、こじり方向Zにおける変位時、凸状球面20と凹状球面24との間に介設されたゴム状弾性体16が受ける力は剪断変形のみとなるので、こじり方向Zにおけるバネ定数を効果的に低減することができる。これにより、サスペンション装置の上下方向におけるバネ定数を小さくすることができるので、乗り心地性を向上することができる。
また、軸方向Xにおける変位時には、図2に示すように、凸状球面20と凹状球面24との間でゴム状弾性体16が剪断変形だけでなく圧縮変形も受けるようになるので、軸方向Xにおけるバネ定数を上げることができる。これにより、サスペンション装置の左右方向におけるバネ定数が大きくなり、操縦安定性を向上することができる。よって、乗り心地性と操縦安定性を両立することができる。
また、特に、上記仮想球面26の軸方向外方側X1では、内筒12と外筒14との間にゴム状弾性体16が充填されないようにしており、更には、仮想球面26とゴム状弾性体16の軸方向両端面17との交点Jを、軸方向端面17の最も軸方向内側の点Kよりも外筒14側に位置させたことにより、こじり方向Zにおける変位時にゴム状弾性体16の軸方向端部で圧縮バネがかかることを確実に回避して、こじり方向Zでのバネ定数を一層低減することができる。そのため、サスペンション装置の上下方向におけるバネ定数を一層小さくして、しなやかな足回りとすることができ、よって、乗員の目線高さを変えないように上下動を足回りで吸収するという、いわゆるフラット感を得ることができる。
また、外筒14が内周面に凹状球面24を持つものでありながら、軸方向Xに一定の肉厚を持つ薄肉円筒状であるため、軸方向の一部に厚肉部を持つ筒体である場合に比べて、ゴム状弾性体16の加硫成形後における絞り加工を行いやすい。
一方、このように外筒14に外側に膨出する膨出部22を設けると、リンク部材30の筒状保持部38への組付けが難しくなるが、上記のように、リンク本体36を第1部材48と第2部材50との分割式として、防振ブッシュ10に対して軸方向の両側から第1筒部38aと第2筒部38bをそれぞれ圧入させて、圧入後の溶接により第1部材48と第2部材50を接合してリンク本体36を形成するようにしたので、膨出部22を持つ防振ブッシュ10を筒状保持部38に容易に保持させることができる。
また、保持された防振ブッシュ10は、外筒14の膨出部22が抜け止めとなって筒状保持部38から抜けにくく、そのため、筒状保持部38に対する外筒14の締め代を小さくして、圧入作業性を向上することができる。
また、アーム部32を分割式としたことで中空部44を設けやすく、中空部44により軽量化を図ることができる。また、中空部44をアーム部32の長手方向Rに沿って設けることで、アーム部32の強度を高めることができる。
図9及び図10は、他の実施形態に係るリンク部材54を示したものである。この例では、リンク本体36の両側の連結部34,34に筒状保持部38,38を設けて、これら両側の筒状保持部38,38に上記防振ブッシュ10,10を組付けている。その他のリンク部材の構成、及び防振ブッシュ10の構成は、上記の実施形態と同じである。
なお、上記実施形態では、バルジタイプのブッシュとするために、内筒12に設ける膨出部18を金属材料により一体に形成したが、内筒の外周面に樹脂製の環状被覆体を設けるなどして膨出部を形成してもよい。
本発明の一実施形態に係る防振ブッシュの断面図である。 同防振ブッシュの要部拡大断面図である。 実施形態に係るリンク部材の平面図である 図3のIV−IV線断面図である。 同リンク部材の要部拡大平面図である。 同リンク部材の要部拡大断面図である。 図3のVII−VII線断面図である。 同リンク部材の組み付け状態を示す要部断面図である。 他の実施形態に係るリンク部材の平面図である 図9のIX−IX線断面図である。 サスペンション装置の斜視図である。 サスペンション装置の平面図である。
符号の説明
10…防振ブッシュ、12…内筒(軸部材)、14…外筒、14a…軸方向一方側の外筒部分、14b…軸方向他方側の外筒部分、16…ゴム状弾性体、17…ゴム状弾性体の軸方向端面、18…内筒の膨出部(第1膨出部)、20…凸状球面、22…外筒の膨出部(第2膨出部)、22a…膨出部の頂部、24…凹状球面、26…仮想球面、30,54…リンク部材、32…アーム部、32a…第1アーム部、32b…第2アーム部、34…連結部、36…リンク本体、38…筒状保持部、38a…第1筒部、38b…第2筒部、48…第1部材、50…第2部材、J…仮想球面と軸方向端面の交点、K…軸方向端面における最も軸方向内側の点、X…軸方向、X1…軸方向外方側、X2…軸方向内方側、X3…軸方向一方側、X4…軸方向他方側、Y…軸直角方向、Z…こじり方向

Claims (4)

  1. アーム部と該アーム部の両端部に設けられた連結部とからなるリンク本体と、少なくとも一方の連結部に設けられた筒状保持部内に保持された防振ブッシュとを備えてなるリンク部材であって、
    前記防振ブッシュは、軸部材と、該軸部材の外側に間隔をおいて配置された外筒と、前記軸部材と外筒との間に介設されたゴム状弾性体とを備え、前記軸部材は、軸方向の中央部に軸直角方向に膨出する第1膨出部を有し、該第1膨出部の外周面が凸状球面に形成され、前記外筒は、前記凸状球面を取り囲む部分が軸直角方向外方に膨出した第2膨出部に形成されて、該第2膨出部の内周面が前記凸状球面と同心状の凹状球面に形成されるとともに、該第2膨出部の外周面が前記凸状球面と同心状の凸状球面に形成され、
    前記筒状保持部が、前記第2膨出部の頂部を境として該頂部より軸方向一方側の外筒部分に外嵌する第1筒部と、該頂部より軸方向他方側の外筒部分に外嵌する第2筒部とで構成され、
    前記リンク本体が、前記第1筒部を備える第1部材と、前記第2筒部を備える第2部材とからなり、
    前記防振ブッシュに対して軸方向一方側から前記第1筒部を外嵌し、軸方向他方側から前記第2筒部を外嵌して、前記第1筒部と第2筒部とにより前記筒状保持部を形成するとともに、前記第1部材と前記第2部材との接合により前記リンク本体を形成した
    ことを特徴とするリンク部材。
  2. 前記ゴム状弾性体は、前記凹状球面によって定められる仮想球面の軸方向外方側では前記軸部材と外筒との間に充填されないように前記第1膨出部の凸状球面と前記第2膨出部の凹状球面との間に介設されたことを特徴とする請求項1記載のリンク部材
  3. 前記ゴム状弾性体の軸方向両端面が軸方向内方側に膨らむ湾曲面状に形成され、
    前記軸部材の軸方向に沿う断面において、前記凹状球面によって定められる仮想球面が前記湾曲面状の軸方向端面と交差しており、前記仮想球面と前記軸方向端面との交点(J)が、前記軸方向端面における最も軸方向内側の点(K)よりも前記外筒側に位置していることを特徴とする請求項1又は2記載のリンク部材
  4. 前記アーム部が、前記第1筒部に一体に設けられた第1アーム部と、前記第2筒部に一体に設けられた第2アーム部とで構成され、前記第1部材と前記第2部材を接合することで、前記第1アーム部と第2アーム部とにより前記アーム部が形成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のリンク部材。
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