JP3456286B2 - 筒型防振マウント - Google Patents

筒型防振マウント

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JP3456286B2
JP3456286B2 JP2252695A JP2252695A JP3456286B2 JP 3456286 B2 JP3456286 B2 JP 3456286B2 JP 2252695 A JP2252695 A JP 2252695A JP 2252695 A JP2252695 A JP 2252695A JP 3456286 B2 JP3456286 B2 JP 3456286B2
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、互いに所定距離を隔てて配され
たインナ軸部材とアウタ筒部材がゴム弾性体で連結され
た構造を有し、自動車のサスペンションブッシュやメン
バマウント等として好適に用いられる筒型防振マウント
に関するものである。
【0002】
【背景技術】インナ軸金具と該インナ軸金具の外方に所
定距離を隔てて配されたアウタ筒金具とを、それらの間
に介装されたゴム弾性体によって弾性的に連結せしめて
なる構造を有し、振動伝達系を構成する部材間に介装さ
れる筒型防振マウントの一種として、従来から、ばね特
性を各マウント軸直角方向において相互に異ならせるこ
と等を目的とし、インナ軸金具からアウタ筒金具に向か
って突出する作用突部を、周方向において部分的に設け
たものが知られている。
【0003】また、このような筒型防振マウントにおい
ては、アウタ筒金具の軸方向開口部から軸直角方向に屈
曲して広がるフランジ部が好適に採用され、かかるフラ
ンジ部によって、例えば、アウタ筒金具の強度を確保す
るための補強リブや、インナ軸金具や該インナ軸金具に
固定された当接部材に緩衝部材を介して当接させること
によりインナ軸金具とアウタ筒金具の軸方向乃至は軸直
角方向の相対的変位量を制限するストッパ部などが、構
成される。
【0004】ところで、かくの如きフランジ部は、一般
に、マウント軸方向両側に設けられることとなるが、そ
の際、アウタ筒金具の取付孔への圧入操作等を可能とす
るためにも、少なくとも軸方向一方のフランジ部が、ア
ウタ筒金具の軸直角方向内方に屈曲して形成された内フ
ランジ部とされ、ゴム弾性体の軸方向端面に密着して、
或いはゴム弾性体の軸方向端面に所定距離を隔てて対向
位置せしめられる。
【0005】ところが、本発明者らが検討したところ、
前記作用突部を設けた防振マウントにおいて、軸直角方
向内方に突出する内フランジ部を採用すると、該内フラ
ンジ部の内周縁部が作用突部の突出先端部に対してマウ
ント軸直角方向で接近する結果、軸方向の荷重入力時に
インナ軸金具とアウタ筒金具が相対変位せしめられた
際、それら内フランジ部の内周縁部と作用突部の突出先
端部がゴム弾性体を軸方向に挟み切るような動きとな
り、それらの間に存在するゴム弾性体に対して大きな剪
断力が作用するために、ゴム弾性体の軸方向端面から作
用突部に向かって軸方向内方に延びる亀裂が発生し易
く、そのような亀裂が発生すると所期の防振特性が発揮
されなくなるために、十分なマウント耐久性を得ること
が難しいという問題を内在していることが、明らかとな
った。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、ゴム弾性体の十分な耐久性を確保しつつ、
作用突部と内フランジ部を何れも形成することの出来
る、改良された構造の筒型防振マウントを提供すること
にある。
【0007】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明の特徴とするところは、インナ軸部材と該インナ軸
部材の外方に所定距離を隔てて配されたアウタ筒部材と
を、それらの間に介装されたゴム弾性体によって連結す
ると共に、該インナ軸部材から該アウタ筒部材に向かっ
て突出する作用突部を周方向において部分的に設ける一
方、前記アウタ筒部材の開口端部に対して軸直角方向内
方に突出する内フランジ部を形成した筒型防振マウント
において、前記アウタ筒部材の内フランジ部における、
前記作用突部の突出方向外方に位置する部分に対して、
該作用突部よりも周方向長さが長い切欠部を設けて、該
切欠部の内周縁部を、かかる作用突部の突出先端面より
も軸直角方向外方に位置せしめたことにある。
【0008】また、本発明の好ましい第一の態様におい
ては、前記アウタ筒部材の前記内フランジ部から軸方向
外方に突出する緩衝ゴムが設けられる。
【0009】更にまた、本発明の好ましい第二の態様に
おいては、前記作用突部が、前記インナ軸部材を軸直角
方向に挟んだ両側においてそれぞれ突出形成されると共
に、該作用突部の突出方向に直交する軸直角方向で前記
インナ軸部材を挟んで位置する両側に、それぞれ、前記
ゴム弾性体の内部を軸方向に延びる肉抜部が設けられ
る。
【0010】また、本発明の好ましい第三の態様におい
ては、前記内フランジ部が設けられた軸方向側におい
て、前記作用突部の軸方向端面が、前記ゴム弾性体にお
ける軸方向端面から所定距離だけ軸方向内方に位置せし
められる。
【0011】
【作用・効果】本発明に従う構造とされた筒型防振マウ
ントにおいては、アウタ筒部材の内フランジ部に切欠部
が設けられていることにより、該内フランジ部の内周縁
部が作用突部の突出先端部から軸直角方向外方に遠ざけ
られて位置せしめられることから、軸方向の荷重入力時
に内フランジ部と作用突部が軸方向に相対変位した場合
でも、それら内フランジ部と作用突部の間に存在するゴ
ム弾性体に対して広い範囲で変形が生ぜしめられ、局部
的な変形や応力集中が軽減乃至は回避されて亀裂等の発
生が防止されることとなる。
【0012】しかも、切欠部が設けられていない部分で
は、アウタ筒部材に対して内方に突出する内フランジ部
が有効に形成され得る。
【0013】従って、かかる筒型防振マウントにおいて
は、ゴム弾性体の耐久性を確保しつつ、マウント軸直角
方向におけるばね特性の調節等を行うための作用突部を
形成出来ると共に、インナ軸部材とアウタ筒部材の相対
変位量制限や筒部材の補強等を行うための内フランジ部
を形成することが出来るのである。
【0014】また、本発明の好ましい第一の態様におい
ては、インナ軸部材とアウタ筒部材の軸方向の相対変位
量を制限する軸方向のストッパ機構が、有利に構成され
得る。
【0015】更にまた、本発明の好ましい第二の態様に
おいては、作用突部によるばね特性の調節効果と肉抜部
によるばね特性の調節効果とが相まって、互いに直交す
る軸直角方向におけるばね比を、大きく設定することが
出来る。
【0016】また、本発明の好ましい第三の態様におい
ては、内フランジ部の内周縁部と作用突部の突出先端部
とが、軸方向にも遠ざけられて位置せしめられることか
ら、それら内フランジ部と作用突部の軸方向の相対変位
によってゴム弾性体に及ぼされる変形乃至は応力がより
広い範囲に分散されて、ゴム弾性体における変形や応力
の集中が一層有利に軽減乃至は防止されることとなり、
更なる耐久性の向上が達成され得る。
【0017】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳
細に説明する。
【0018】先ず、図1乃至図4には、本発明の一実施
例としてのサスペンションメンバマウント10が示され
ている。このサスペンションメンバマウント10は、イ
ンナ軸部材としての円筒形状の内筒金具12と、アウタ
筒部材としての大径円筒形状の外筒金具14とが、互い
に径方向に所定距離を隔てて配されていると共に、それ
ら内筒金具12と外筒金具14の間にゴム弾性体16が
介装されて、両金具12,14が弾性的に連結された構
造とされている。
【0019】また、内筒金具12には、作用ブロック1
8が装着されて軸方向中央部分に固着されている。そし
て、この作用ブロック18により、内筒金具12の径方
向一方向に対向位置する両側からそれぞれ径方向外方に
突出する作用突部としての一対のインナ側突起20,2
2が設けられている。これらのインナ側突起20,22
における突出先端面24,26は、何れも周方向に凸と
なる略円弧形状とされていると共に、図1に示されたマ
ウント軸方向断面において、マウント軸方向に対して所
定角度:θだけ傾斜して互いに略平行に延びる傾斜面と
されている。
【0020】また一方、外筒金具14には、軸方向中央
部分において、径方向一方向に対向位置する両側からそ
れぞれ径方向内方に突出する一対のアウタ側突起28,
30が設けられている。これらのアウタ側突起28,3
0は、インナ側突起20,22に略対応する周方向長さ
および軸方向長さを有しており、しかも、突出先端面3
2,34が、何れも周方向に凹となる略円弧形状とされ
ていると共に、図1に示されたマウント軸方向断面にお
いて、マウント軸方向に対して所定角度:θだけ傾斜し
て互いに略平行に延びる傾斜面とされている。
【0021】そして、これら一対のインナ側突起20,
22と一対のアウタ側突起28,30は、内筒金具12
を径方向一方向に挟んだ両側において、それぞれ、径方
向に対向位置せしめられている。即ち、内筒金具12を
径方向一方向に挟んで位置する一方の側において、イン
ナ側突起20とアウタ側突起28が、マウント軸方向に
対してθだけ傾斜した互いに平行な突出先端面24,3
2をもって、所定距離を隔てて対向位置していると共
に、かかる対向面間にはゴム弾性体16が充填されて介
在せしめられているのであり、また、内筒金具12を径
方向一方向に挟んで位置する他方の側においても同様
に、インナ側突起22とアウタ側突起30が、マウント
軸方向に対してθだけ傾斜した互いに平行な突出先端面
26,34をもって、所定距離を隔てて対向位置してい
ると共に、かかる対向面間にはゴム弾性体16が充填さ
れて介在せしめられているのである。
【0022】なお、インナ側突起20,22およびアウ
タ側突起28,30の材質や形成方法等は、何等限定さ
れるものでないが、特に本実施例では、内筒金具12を
セットした成形キャビティに樹脂材料を充填して作用ブ
ロック18を成形することによって、作用ブロック18
(インナ側突起20,22)が、その形成と同時に内筒
金具12に対して有利に組み付けられ得、また、別途樹
脂成形したアウタ側突起28,30を外筒金具14の内
周面に接着することによって、アウタ側突起28,30
が外筒金具14に対して有利に組み付けられる。
【0023】また、図2及び図4に示されているよう
に、インナ側突起20,22とアウタ側突起28,30
が対向位置していない部分、換言すればインナ側突起2
0,22とアウタ側突起28,30が対向位置する径方
向に対して直交する径方向で内筒金具12を挟んだ両側
部分には、それぞれ、内筒金具12と外筒金具14の径
方向対向面間に介在させられたゴム弾性体16に対し
て、軸方向一方の側から他方の端部近くにまで延びるス
リット36が形成されている。これにより、スリット3
6,36が対向位置するマウント径方向(図3中、上下
方向)のばね特性が柔らかく設定されているのである。
【0024】更にまた、外筒金具14には、軸方向一方
の端部(図1中、上端部)において、径方向外方に向か
って広がる外フランジ38が一体形成されていると共
に、該外フランジ38の外面上に緩衝ゴム40が突出形
成されている。また一方、外筒金具14の軸方向他方の
端部(図1中、下端部)には、径方向内方に向かって広
がる内フランジ42が一体形成されていると共に、該内
フランジ42の外面上に緩衝ゴム44が突出形成されて
いる。なお、本実施例では、内フランジ42が、ゴム弾
性体16の軸方向一方の端面に対して密着されて加硫接
着されている。また、本実施例では、内外フランジ4
2,38の各外面上に設けられた緩衝ゴム40,44
が、何れも、ゴム弾性体16と一体的に形成されてい
る。
【0025】そして、図1及び図2に仮想線で示されて
いるように、内筒金具12の軸方向両端部に対して、軸
直角方向外方に向かって広がる円環板形状の当接金具4
6,48が固定されて、外筒金具14の内外フランジ4
2,38に対して軸方向に所定距離を隔てて対向配置さ
れることにより、内外筒金具12,14間に軸方向の大
きな荷重が及ぼされた際、内外フランジ42,38が、
緩衝ゴム40,44を介して、かかる当接金具46,4
8に当接せしめられるようになっており、それによっ
て、内外筒金具12,14の軸方向における相対的変位
量およびゴム弾性体16の変形量が制限されるようにな
っているのである。
【0026】かくの如きサスペンションメンバマウント
10においては、内筒金具12と外筒金具14の間に対
して、インナ側突起20,22とアウタ側突起28,3
0が対向位置する径方向(図4中、左右方向)に外的荷
重が入力されると、それらインナ側突起20,22とア
ウタ側突起28,30の傾斜した突出先端面24,26
および32,34による分力作用によって、内筒金具1
2と外筒金具14を軸方向に相対変位せしめる方向の分
力が生ぜしめられ、或いはまた、内筒金具12と外筒金
具14の間に対して、軸方向の外的荷重が及ぼされる
と、インナ側突起20,22とアウタ側突起28,30
の傾斜した突出先端面24,26および32,34によ
る分力作用によって、内筒金具12と外筒金具14を、
インナ側突起20,22とアウタ側突起28,30が対
向する径方向に相対変位せしめる方向の分力が生ぜしめ
られるのである。
【0027】そして、かかるサスペンションメンバマウ
ント10は、例えば、セミトレーリングアーム式サスペ
ンション機構において車両左右方向に配設されるサスペ
ンションメンバのボデーに対する連結部位に対して、該
サスペンションメンバの両端部に形成された装着孔に外
筒金具14が圧入固定されると共に、ボデー側に固設さ
れたロッドが内筒金具12に挿通固定されることによっ
て、図1中の上下方向(マウント軸方向)が車両上下方
向となり、図3中の左右方向および上下方向がそれぞれ
車両横方向および前後方向となる状態で、装着されるこ
ととなる。また、一般に、サスペンションメンバの装着
孔には、インナ側突起20,22の突出先端面24,2
6およびアウタ側突起28,30の突出先端面32,3
4におけるマウント軸方向に対する各傾斜方向が、サス
ペンションメンバの両側で互いに逆方向となるように、
一対のサスペンションメンバマウントが装着される。即
ち、それによって、車両旋回時における車体のロール変
位が、上述の如き、インナ側突起20,22とアウタ側
突起28,30の突出先端面24,26および32,3
4による分力作用によって、有利に抑えられ得るのであ
る。
【0028】そこにおいて、本実施例のサスペンション
メンバマウント10においては、外筒金具14に設けら
れた内フランジ42の内周縁部(径方向突出先端部)5
0が、周方向全周に亘って、内筒金具12に固設された
作用ブロック18の外周縁部(径方向突出先端部)より
も所定距離だけ径方向外方に位置せしめられるように、
内フランジ42の突出高さが設定されている。また、か
かる内フランジ42は、径方向一方向で対向位置する部
分において周方向所定長さ:L1で切り欠かれており、
それによって、一対の切欠部52,54が形成されて、
内フランジ42における径方向突出高さが部分的に低く
されている。なお、図3に示されているように、これら
の切欠部52,54は、何れも、周方向長さ:L1が、
作用ブロック18にて形成されたインナ側突起20,2
2の周方向長さ:L2よりも長く設定されている。
【0029】そして、外筒金具14は、これら一対の切
欠部52,54がインナ側突起20,22の突出する径
方向で対向位置するように、内筒金具12に対して周方
向に位置合わせされており、各インナ側突起20,22
の突出方向外方に各切欠部52,54が位置せしめられ
ている。即ち、切欠部52,54が設けられていること
により、インナ側突起20,22の突出先端面24,2
6と外筒金具14における内フランジ42の内周縁部5
0との径方向における離間距離(軸方向投影図における
径方向対向面間距離):L3が、大きく確保されている
のであり、しかも、切欠部52,54は、インナ側突起
20,22よりも周方向両側に広がって形成されている
ことから、インナ側突起20,22の周方向側面と内フ
ランジ42の内周縁部50との周方向における離間距
離:L4も十分に確保されているのである。
【0030】それ故、上述の如き構造とされたサスペン
ションメンバマウント10においては、内フランジ42
に切欠部52,54が形成されて、該内フランジ42の
内周縁部50とインナ側突起20,22との軸方向投影
図における離間距離が大きく設定されていることから、
マウント軸方向の荷重入力によってインナ側突起20,
22が設けられた内筒金具12と内フランジ42が設け
られた外筒金具14が軸方向に相対変位せしめられた際
にも、それらインナ側突起20,22と内フランジ42
の相対変位によって変形せしめられるゴム弾性体16の
領域が大きくされて、該ゴム弾性体16における変形や
応力が広い範囲に分散されて、その集中が軽減乃至は回
避され得るのであり、それによってゴム弾性体16にお
ける亀裂等の発生が防止されることから、優れた耐久性
が発揮され得るのである。
【0031】なお、内フランジ42における切欠部5
2,54の大きさはインナ側突起20,22の大きさや
マウント要求特性等に応じて適宜に決定されるものであ
って具体的に限定されるものでないが、特に、本実施例
のメンバマウント10においては、切欠部52,54の
形成部分においても、内筒金具12の開口部から径方向
内方に向かって外筒金具14の板厚程度の高さで突出す
る内フランジ42が残存させられていることから、内フ
ランジ42による内筒金具12の補強効果が有効に発揮
されると共に、ゴム弾性体16の加硫時にゴムバリが外
筒金具14の外周面に回り込んで発生するのを防止する
ための金型押え面が容易に確保され得る。
【0032】また、特に本実施例においては、インナ側
突起20,22が、何れも、ゴム弾性体16の軸方向中
央部分に埋設状態で配されていることにより、該インナ
側突起20,22と内フランジ42との軸方向離間距
離:L5も大きく設定されていることから、インナ側突
起20,22と内フランジ42の相対変位によって変形
せしめられるゴム弾性体16の領域が一層大きく確保さ
れて、ゴム弾性体16の耐久性の更なる向上が図られ得
るのである。
【0033】しかも、かかる内フランジ42において
は、切欠部52,54が形成されていない部分によっ
て、当接金具48への当接により内外筒金具12,14
間の軸方向の相対変位量を制限するストッパ機構が有利
に形成され得るのであり、特に本実施例では、内フラン
ジ42上に緩衝ゴム44が一体的に形成されていること
から、緩衝ゴム44を別途形成したり、当接金具48側
に形成する場合に比して、部品点数の減少および構造の
簡略化も有利に達成され得る。
【0034】以上、本発明の一実施例について詳述して
きたが、これは文字通りの例示であって、本発明は、か
かる具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0035】例えば、外筒金具14における切欠部5
2,54の形成部分においては、径方向内方に突出する
内フランジ42を全く残存させることなく、外筒金具1
4の筒壁部にまで至る大きさで切欠部52,54を形成
しても良い。
【0036】また、内フランジ42において、インナ側
突起20,22に対して最も接近する切欠部52,54
の周方向両側開口端部をカットすることによって、ゴム
弾性体16における変形乃至は応力の集中の更なる軽減
を図ることも可能である。
【0037】さらに、前記実施例では、内フランジ42
の軸方向外面上に、周方向に連続して延びる環状の緩衝
ゴム44が形成されていたが、そのような緩衝ゴム44
は必須でなく、また、切欠部52,54が設けられてい
ない部分だけに緩衝ゴム44を形成しても良い。
【0038】また、前記実施例では、アウタ筒部材の内
フランジ部によって軸方向のストッパ機構が構成されて
いる場合について説明したが、内フランジ部は、軸方向
のストッパ機構を構成するものである必要はなく、例え
ば、アウタ筒部材の補強リブを構成したり、径方向突出
先端部のインナ軸部材への当接によってインナ軸部材と
アウタ筒部材の軸直角方向の相対的変位量を制限するス
トッパ機構を構成するもの等であっても良い。
【0039】更にまた、前記実施例では、インナ側突起
20,22がゴム弾性体16の内部に埋設配置されてい
たが、インナ側突起20,22の軸方向端部がゴム弾性
体16の軸方向端面に露呈されていても良い。
【0040】また、作用突部の構造は、前記実施例によ
って限定解釈されるものでなく、例えば、インナ軸部材
側から軸直角方向一方向に突出し、軸方向に傾斜しない
突出先端面をもって、アウタ筒部材の内周面に対して対
向せしめられることにより、互いに直交するマウント軸
直角方向のばね比を異ならせるバネ比調節用の作用突部
を備えた筒型防振マウントや、インナ軸部材の周上の一
箇所、或いは三箇所以上に、軸直角方向に突出する作用
突部が形成された筒型防振マウント等にも、本発明は、
同様に適用可能である。また、インナ軸部材を合成樹脂
製として作用突部をインナ軸部材に一体形成したり、或
いは、作用突部を中空構造や内部にゴム弾性体が充填さ
れた構造等をもって形成することも可能である。
【0041】さらに、外筒金具14における外フランジ
38は必ずしも設ける必要はなく、また、アウタ筒部材
の軸方向両端部に内フランジ部が形成された構造のマウ
ントや、アウタ筒部材の外周面がゴム弾性体で被覆され
た構造のマウント等にも、本発明は同様に適用され得
る。
【0042】また、アウタ筒部材の形成の容易化等を目
的として、アウタ筒部材を周方向に二分割して形成する
こと等も可能である。
【0043】更にまた、アウタ筒部材の内フランジ部
は、ゴム弾性体の軸方向端面に対して軸方向に所定距離
離れて対向位置せしめられて、軸方向の荷重入力時にゴ
ム弾性体の軸方向端面に当接されるようになっていても
良い。
【0044】加えて、前記実施例では、本発明を、ロー
ル変位を抑えるためのサスペンションメンバマウントに
適用した場合の具体例を示したが、本発明は、その他、
インナ軸部材側に作用突部が形成されると共に、アウタ
筒部材に内フランジ部が設けられてなる構造を有するサ
スペンションメンバマウントやサスペンションブッシ
ュ、或いは自動車のサブフレームとボデーの間に介装さ
れるサブフレームマウントやボデーマウントなど、各種
の筒型防振マウントに対して、何れも、有利に適用され
得るものである。
【0045】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもないところである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのサスペンションメン
バマウントを示す縦断面図であって、図3におけるI−
I断面に相当する図である。
【図2】図1におけるII−II断面図である。
【図3】図1における III−III 断面図である。
【図4】図1におけるIV−IV断面図である。
【符号の説明】 10 サスペンションメンバマウント 12 内筒金具 14 外筒金具 16 ゴム弾性体 20,22 インナ側突起 24,26 突出先端面 36 スリット 42 内フランジ 44 緩衝ゴム 50 内周縁部 52,54 切欠部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インナ軸部材と該インナ軸部材の外方に
    所定距離を隔てて配されたアウタ筒部材とを、それらの
    間に介装されたゴム弾性体によって連結すると共に、該
    インナ軸部材から該アウタ筒部材に向かって突出する作
    用突部を周方向において部分的に設ける一方、前記アウ
    タ筒部材の開口端部に対して軸直角方向内方に突出する
    内フランジ部を形成した筒型防振マウントにおいて、 前記アウタ筒部材の内フランジ部における、前記作用突
    部の突出方向外方に位置する部分に対して、該作用突部
    よりも周方向長さが長い切欠部を設けて、該切欠部の内
    周縁部を、かかる作用突部の突出先端面よりも軸直角方
    向外方に位置せしめたことを特徴とする筒型防振マウン
    ト。
  2. 【請求項2】 前記アウタ筒部材の前記内フランジ部か
    ら軸方向外方に突出する緩衝ゴムが設けられている請求
    項1に記載の筒型防振マウント。
  3. 【請求項3】 前記作用突部が、前記インナ軸部材を軸
    直角方向に挟んだ両側においてそれぞれ突出形成されて
    いると共に、該作用突部の突出方向に直交する軸直角方
    向で前記インナ軸部材を挟んで位置する両側に、それぞ
    れ、前記ゴム弾性体の内部を軸方向に延びる肉抜部が設
    けられている請求項1又は2に記載の筒型防振マウン
    ト。
  4. 【請求項4】 前記内フランジ部が設けられた軸方向側
    において、前記作用突部の軸方向端面が、前記ゴム弾性
    体における軸方向端面から所定距離だけ軸方向内方に位
    置せしめられている請求項1乃至3の何れかに記載の筒
    型防振マウント。
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